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## [リファラル採用のテンプレート｜規程・告知文・依頼文](https://hr-media.offers.jp/articles/referral-templates)

**公開日**: 2026-10-04
**著者**: 鈴木 裕斗
**カテゴリ**: 組織

<p>リファラル採用（社員紹介制度）は、制度を作っただけでは紹介が集まりません。社員が「誰に・どう声をかけ・どこへ申し込むか」で迷わないように、社内の決まりから友人への声かけ、選考後の連絡までの文面を一式で用意しておく必要があります。</p><p>ここでは、社員紹介制度を回すのに要る6種類の文書を、自社の名前と数字を入れればそのまま使える形で載せました。規程の雛形には、条文ごとに職業安定法・労働基準法のどの規定が根拠になるかの対応表も付けました。</p><h2 id="h24cc03c67e">リファラル採用で用意するテンプレートは6種類</h2><p>社員紹介制度を回すには、社内の決まりを定める「規程」、社員に制度を知らせる「社内告知文」、社員が友人に送る「紹介依頼文」、人事が紹介を受け付ける「紹介受付フォーム」、人事から候補者への「初回連絡文」、紹介者に結果を返す「結果連絡文」の6種類を用意します。規程が無いまま告知だけを出すと、手当の条件を聞かれるたびに人事が個別に答えることになり、社員ごとに説明がずれる点に注意が必要です。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>文書</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>誰から誰へ</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>使う場面</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>社員紹介制度規程</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>会社から全社員へ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>制度の開始前に定め、就業規則の手続きに乗せる</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>社内告知文</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>人事から社員へ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>制度の開始時と、募集職種が変わるたび</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>紹介依頼文</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>社員から友人・知人へ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>社員が最初に声をかけるとき</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>紹介受付フォーム</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>社員から人事へ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>友人の了承を得たあと</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>初回連絡文</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>人事から候補者へ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>受付から2営業日以内を目安に</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>結果連絡文</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>人事から紹介者へ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>入社が決まったとき・見送ったとき</p></td></tr></tbody></table><p>作る順番は、規程を先に固め、そのあとで告知文と受付フォームを規程の条文に合わせて書くのが手戻りの少ない進め方です。告知文に書いた手当の条件と規程の条文が食い違うと、支給の段階で紹介者ともめる原因になります。制度全体の設計（目的・対象職種・運用の体制）から考える場合の全体像は、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/referral-recruitment">リファラル採用とは？仕組み・制度設計と社員紹介を回すコツ</a>にまとめました。</p><h2 id="h1d720ae788">社員紹介制度規程のテンプレート（全9条）</h2><p>社員紹介制度規程には、紹介手当を賃金として支払う条項と、社外の人への謝礼や候補者からの金品の受け取りを禁じる条項を必ず入れます。職業安定法第40条は、募集を行う会社が募集に関わった社員に与えてよい報酬を、賃金・給料その他これらに準ずるものに限っているためです。条文中の「〇」は自社の値に置き換えてください。</p><p>社員紹介制度規程</p><p>第1条（目的）<br>この規程は、社員が知人・友人を当社の採用選考に紹介する制度（以下「社員紹介制度」という）の手続きと、紹介した社員に支給する社員紹介手当について定める。</p><p>第2条（対象者）<br>1. 社員紹介制度を利用できるのは、当社と雇用契約を結んでいる社員とする。<br>2. 次の者は紹介者の対象外とする。<br>(1) 役員<br>(2) 人事部で採用業務を担当する者<br>(3) 紹介した候補者の選考で面接官または合否の判定者を務める者</p><p>第3条（対象となる求人）<br>紹介の対象は、人事部が社内に公開している中途採用の求人とする。対象の求人は人事部が社内ポータルに掲示し、随時更新する。</p><p>第4条（紹介の手続き）<br>1. 紹介者は、候補者本人から当社の連絡を受けることへの了承を得たうえで、所定の紹介受付フォームから申請する。<br>2. 同じ候補者について複数の申請があった場合は、先に受け付けた申請を有効とする。<br>3. 申請の時点で、候補者が他の経路（求人媒体・人材紹介会社など）から既に応募している場合は、社員紹介制度の対象外とする。</p><p>第5条（社員紹介手当）<br>1. 紹介した候補者が採用され、入社日から〇か月を経過した日に在籍している場合、紹介者に社員紹介手当として〇〇円を支給する。<br>2. 社員紹介手当は賃金として、前項の日の属する月の翌月の給与と併せて支給し、所得税その他法令で定めるものを控除する。<br>3. 支給日に紹介者が在籍していない場合は支給しない。</p><p>第6条（支給しない場合）<br>次の場合は社員紹介手当を支給しない。<br>(1) 候補者が内定を辞退した場合、または第5条第1項の期間内に退職した場合<br>(2) 第4条第3項に該当する場合<br>(3) 紹介者が第7条に違反した場合</p><p>第7条（禁止事項）<br>紹介者は、次の行為をしてはならない。<br>(1) 社員以外の者に謝礼を約束して、候補者を探させること<br>(2) 候補者から、紹介に関して名目を問わず金品を受け取ること<br>(3) 人事部の確認を経ずに、給与・役職その他の労働条件を候補者に約束すること</p><p>第8条（個人情報の取扱い）<br>紹介受付フォームで得た候補者の個人情報は、採用選考とその連絡のためにだけ使い、選考の終了後は当社の個人情報取扱規程に従って管理する。</p><p>第9条（改廃）<br>この規程の改廃は、労働者の過半数で組織する労働組合（無い場合は労働者の過半数を代表する者）の意見を聴いたうえで行う。</p><p>附則<br>この規程は、〇〇〇〇年〇月〇日から施行する。</p><h3 id="hd06cde7122">規程の条文と職業安定法・労働基準法の対応</h3><p>規程の第5条・第7条・第9条が、職業安定法と労働基準法のどの規定に対応するかは下の表のとおりです。社員が会社の制度に沿って友人に声をかける形は、厚生労働省の<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001497522.pdf">募集・求人業務取扱要領</a>（令和7年6月）が定義する「直接募集」に当たり、原則として自由に行えます。同要領は、募集主の被用者が募集主の指示で直接働きかけて応募を勧誘することを直接募集に含めています。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>規程の条文</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>入れる理由</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>根拠の条文</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>第5条第2項（賃金として給与と併せて支給）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>募集に関わった社員に与えてよい報酬は、賃金・給料その他これらに準ずるものに限られる</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>職業安定法第40条</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>第5条第2項（所得税等の控除）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>賃金として払う手当は、俸給・給料・賃金などに係る所得である給与所得に当たる</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>所得税法第28条第1項</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>第7条(1)（社員以外に謝礼を約束させない）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>社員以外の人に報酬を与えて募集に従事させるには、厚生労働大臣の許可と報酬額の認可が要る</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>職業安定法第36条第1項・第2項</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>第7条(2)（候補者から金品を受け取らない）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>募集を行う者と募集受託者は、応募者からいかなる名義でも報酬を受けてはならない。募集・求人業務取扱要領は、募集従事者が受け取った場合も罰則の対象に挙げる</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>職業安定法第39条・第65条第6号</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>第9条（改廃時の意見聴取）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>就業規則の作成・変更には、過半数労働組合または過半数代表者の意見を聴く</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>労働基準法第90条第1項</p></td></tr></tbody></table><p>出所：<a href="https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000141">職業安定法</a>・<a href="https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049">労働基準法</a>・<a href="https://laws.e-gov.go.jp/law/340AC0000000033">所得税法</a>（e-Gov法令検索・2026年10月5日時点の現行条文）、厚生労働省職業安定局「募集・求人業務取扱要領」（令和7年6月）。</p><p>職業安定法第39条・第40条に違反した場合の罰則は、6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金です（同法第65条第6号）。第7条(1)は、社員が受け取る手当を原資に社外の人へ謝礼を約束すると、会社が許可なく社外の人に募集をさせた形に近づくため、予防として置く条項です。手当の金額そのものの目安は、2,073社の調査をもとにした<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/a_117">リファラル採用の報酬相場｜平均121,806円のデータ</a>にまとめました。</p><h3 id="hee042f2a9c">就業規則に載せる手順と届出</h3><p>常時10人以上の労働者を使用する事業場は、紹介手当の定めを就業規則の手続きに乗せます。人数は会社全体ではなく、事務所・店舗などの拠点（事業場）ごとに数えます。労働基準法第89条が就業規則に書く事項として挙げるのは、賃金の決定・計算・支払の方法（第2号）と、臨時の賃金等の定めをする場合のその事項（第4号）で、作成・変更したときは労働基準監督署への届出も必要です。</p><p>手続きは次の3段階です。</p><ol><li>就業規則の本則に「社員紹介手当は、社員紹介制度規程の定めるところによる」と1条を加え、上の規程を別規程として定める</li><li>過半数労働組合（無ければ過半数代表者）の意見を聴き、意見書を添えて所轄の労働基準監督署に届け出る（同法第89条・第90条）</li><li>規程を社内ポータルに掲示するなどして、全社員が見られる状態にする（同法第106条の周知）</li></ol><p>紹介手当を第2号と第4号のどちらの事項として書くかは、支給の条件の決め方によって判断が分かれることがあります。自社の就業規則のどこに置くかは、顧問の社会保険労務士か所轄の労働基準監督署に確認してから届け出ると確実です。第3段階の周知は、後述の社内告知文に規程の掲載場所のURLを入れておけば、制度の案内と同時に済ませられます。</p><h3 id="h6096a14474">賃金規程に1条だけ足す簡易版</h3><p>手当の条件が1種類だけで、別規程を作るほどでない会社は、既存の賃金規程に1条を足す形でも制度を始められます。簡易版でも、賃金として支給すること・支給の条件・支給しない場合の3点は省かずに書いてください。</p><p>第〇条（社員紹介手当）<br>1. 会社は、社員の紹介により採用された者が入社日から〇か月を経過した日に在籍している場合、紹介した社員に社員紹介手当として〇〇円を、その翌月の給与と併せて支給する。<br>2. 紹介された者が内定を辞退した場合、前項の期間内に退職した場合、または紹介した社員が支給日に在籍していない場合は支給しない。<br>3. 紹介の手続きその他の運用は、人事部が別に定める社員紹介制度の運用要領による。</p><p>簡易版で運用要領に回した部分（対象者の除外・禁止事項・個人情報の扱い）は、社内告知文と紹介受付フォームの注意書きで必ず社員に示してください。</p><h2 id="h75cb6668f5">社内告知文のテンプレート（メール・チャット）</h2><p>社内告知文には、募集中の職種・紹介の手順・手当の条件・問い合わせ先の4点を入れ、手当の金額より先に「どう紹介すればいいか」を書きます。<a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000291.000036924.html">株式会社TalentX「2026年版 リファラル採用の実施状況に関する企業規模・業界別統計レポート」</a>（2026年9月8日公表・法人企業2,073社）では、報酬制度の有無や金額の差によって、友人を紹介した社員の比率に大きな変化は見られませんでした。社員が動かない理由は金額より、誰に声をかければよいか・手順が面倒そうかにあると見て、文面を組んでください。</p><p>件名：【社員紹介制度】〇〇職の紹介を受け付けています（〇月〇日まで）</p><p>社員のみなさま</p><p>人事部の〇〇です。社員紹介制度で、次の職種の紹介を受け付けています。<br>「この人と一緒に働きたい」と思える知人・友人がいれば、ぜひ声をかけてください。</p><p>■ 募集中の職種<br>・〇〇エンジニア（〇〇チーム）：〇〇の開発を担える方<br>・〇〇（〇〇部）：〇〇の経験がある方<br>求人の詳細：〇〇（採用ページのURL）</p><p>■ 紹介の手順<br>1. 思い当たる人に、まず「話を聞いてみない？」と声をかける（文面の例：〇〇のURL）<br>2. 本人の了承を得てから、紹介受付フォームに入力する（〇〇のURL）<br>3. 人事部から本人に連絡し、現場メンバーとのカジュアル面談を設定する<br>※ 選考は通常の応募と同じ基準で行います。評価の内容は紹介者の方にはお伝えしません。</p><p>■ 社員紹介手当<br>紹介した方が入社し、入社から〇か月後に在籍している場合、〇〇円を給与と併せて支給します。<br>対象外となる場合（役員・採用担当者の紹介、他の経路から応募済みの方など）は、社員紹介制度規程（〇〇のURL）をご覧ください。</p><p>■ 問い合わせ先<br>人事部 〇〇（チャット：#〇〇）</p><p>チャットツールで流す短い版では、手順とリンクだけを残します。</p><p>【社員紹介のお願い】〇〇職を募集中です<br>・求人の内容：〇〇（URL）<br>・紹介の手順：本人の了承を得て、フォームに入力 → 〇〇（URL）<br>・入社〇か月後の在籍で社員紹介手当〇〇円（条件は規程：〇〇（URL））<br>質問は人事部 〇〇まで</p><p>告知は制度の開始時に一度出して終わりにせず、募集職種が変わるたびに出し直します。職種が変わったのに古い告知のままだと、社員は今どの職種を紹介すればよいか分からず、声をかける機会を逃してしまうためです。</p><h2 id="hc57f7748a8">社員が友人に送る紹介依頼文のテンプレート</h2><p>紹介依頼文は、応募を頼む文面ではなく、現場の社員と話す場（カジュアル面談）に誘う文面として書き、断ってよいことを最後に明記します。最初の連絡で「応募してほしい」と書くと、転職を考えていない相手ほど返事をしにくくなるためです。社員がそのまま使えるよう、社内告知文からこの文面へのリンクを張っておいてください。</p><p>〇〇さん、久しぶり。〇〇（自分の名前）です。</p><p>いま、うちの会社で〇〇職を募集していて、〇〇さんの〇〇の経験が合いそうだと思って連絡しました。<br>転職を考えていなくても大丈夫で、まずは現場のメンバーと30分くらい話す場（カジュアル面談）があります。</p><p>求人の内容はここにまとまっています：〇〇（採用ページのURL）</p><p>興味があれば人事から連絡してもらうので、連絡先を人事に伝えてもいいか教えてください。<br>合わなそうなら、遠慮なく断ってもらって大丈夫です。</p><p>依頼文に、給与や役職などの労働条件を社員の判断で書き込ませないことも欠かせません。規程の第7条(3)で禁じているとおり、条件の説明は求人票と人事の面談で行い、社員は「話を聞く場がある」ことを伝える役割にとどめます。</p><p>社員が送る依頼文には採用ページのURLが入るため、友人が最初に目にするのは会社の公開情報です。外から見た自社の採用情報の状態を確かめたい場合は、<a href="https://service.offers.jp/client/hiring-check/?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-light&amp;utm_content=referral-templates">エンジニア採用力チェック</a>を使うと、企業のURLから公開情報を5指標24項目で採点したレポートが原則1営業日以内に届きます（社員紹介制度の運用や社内の選考の進め方そのものは採点の対象外で、採点するのは採用ページに載っている制度・選考フローの記載です）。</p><h2 id="h3d54e17f3e">紹介受付フォームの項目テンプレート</h2><p>紹介受付フォームには、紹介者・候補者・関係性・候補者本人の了承の4区分を設け、了承の確認欄を必須にします。人事が本人の了承を確かめないまま候補者に連絡すると、紹介した社員と友人の関係を損ねるうえ、規程の第4条第1項にも反するためです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>区分</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>項目</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>必須</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>置く理由</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>紹介者</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>氏名・所属・社員番号</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>必須</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>手当の支給先を特定する</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>候補者</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>氏名・連絡先（メールか電話のどちらか）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>必須</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>初回連絡に使う</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>候補者</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>現在の職種・紹介したい求人</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>必須</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>面談する現場メンバーを決める</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>関係性</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>知り合った経緯（前職の同僚・学生時代の友人など）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>必須</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>面談の話題と、選考に関わる社員との利害関係を確かめる</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>推薦の理由</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>一緒に働いた経験・強み（自由記述）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>任意</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>書類選考の代わりの情報にする</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>了承</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>候補者本人が人事部からの連絡を了承している（チェック欄）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>必須</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>本人の了承なく連絡しない（規程第4条第1項）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>応募状況</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>他の経路から応募済みかどうか（分かる範囲で）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>任意</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>規程第4条第3項の判定に使う</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>受付日時</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>送信時に自動で記録</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>自動</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>同じ候補者の重複申請を先着で判定する（規程第4条第2項）</p></td></tr></tbody></table><p>フォームの入力項目は、ここに挙げた8項目より増やさないほうが申請は集まりやすくなります。履歴書や職務経歴書の提出は、候補者がカジュアル面談を経て応募を決めてから本人に依頼する流れで十分です。</p><h2 id="haad6d97366">候補者への初回連絡と紹介者への結果連絡のテンプレート</h2><p>人事から候補者への初回連絡は、紹介した社員の名前を件名に入れ、選考ではない面談の場であることと、連絡を断れることを明記します。紹介者への結果連絡は、入社が決まったときも見送ったときも、結果と手当の扱いだけを伝え、選考の評価内容は伝えません。評価内容は候補者本人の情報で、紹介者と候補者の関係にも響くためです。</p><p>候補者への初回連絡には、次の文面を使います。</p><p>件名：〇〇（社員の名前）からのご紹介の件／株式会社〇〇 人事部</p><p>〇〇様</p><p>株式会社〇〇 人事部の〇〇です。当社の〇〇から、〇〇様をご紹介いただきました。</p><p>〇〇職の募集について、まずは現場のメンバーと話をする場（カジュアル面談・30分程度・オンライン）をご用意しています。選考ではありませんので、応募の意思が固まっていなくても問題ありません。</p><p>ご都合のよい日時を、次の候補からお選びください。<br>・〇月〇日（〇）〇時〜〇時<br>・〇月〇日（〇）〇時〜〇時</p><p>今後のご連絡を希望されない場合は、その旨をご返信ください。以降の連絡は控えます。</p><p>入社が決まったときの紹介者への連絡は、次のとおりです。</p><p>〇〇さん</p><p>社員紹介制度でご紹介いただいた〇〇さんの、〇月〇日付での入社が決まりました。ご紹介ありがとうございました。</p><p>社員紹介手当は、入社から〇か月後の在籍を確認したうえで、〇月の給与と併せて支給します。</p><p>見送ったときは、評価に触れない次の文面にしてください。</p><p>〇〇さん</p><p>ご紹介いただいた〇〇さんについて、今回は採用を見送ることになりました。ご本人には人事部から直接お伝えしています。</p><p>選考の評価の内容は、ご本人の情報にあたるため、紹介者の方にはお伝えしていません。<br>ご紹介いただいたことに感謝しています。別の職種で合いそうな方がいれば、またご紹介ください。</p><p>候補者が内定を辞退した場合の紹介者への伝え方と、手当を支給しない扱いの考え方は、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/referral-offer-decline">リファラル採用の内定辞退と紹介者・報酬の扱い</a>で詳しく扱いました。</p><h2 id="hcf67a1adb3">テンプレートを自社用に直す前に決める5つの値</h2><p>テンプレートの「〇」を埋める前に、手当の金額・支給の時期・在籍の条件・紹介者の対象外・対象の求人の5つを社内で決めます。5つのうち1つでも告知文と規程で食い違うと、支給の段階で紹介者に説明がつかなくなるためです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>決める値</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>規程の条文</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>決めるときの目安</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>手当の金額</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>第5条第1項</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>自社の採用単価や他の採用手段の費用と比べて決める</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>支給の時期</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>第5条第2項</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>在籍確認の月の翌月の給与など、給与計算の締めに合わせる</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>在籍の条件</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>第5条第1項</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>試用期間の長さに合わせると判断がぶれにくい</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>紹介者の対象外</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>第2条第2項</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>選考の公平性を保つため、合否に関わる人を外す</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>対象の求人</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>第3条</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>社内ポータルの掲示と告知文の職種を一致させる</p></td></tr></tbody></table><p>金額の決め方の手順は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/a_116">リファラル採用の報酬をどう決める？</a>に、在籍の条件を何か月にするかを考える材料は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/referral-retention-rate">リファラル採用の定着率｜国内データと測り方</a>にまとめています。</p><h2 id="h133c52407e">リファラル採用のテンプレートを整える順番</h2><p>リファラル採用のテンプレートは、規程を定めて就業規則の手続きに乗せ、次に受付フォームと社内告知文、最後に社員と人事が使う紹介依頼文・初回連絡文・結果連絡文の順に整えます。規程が後回しになると、告知文や連絡文に書いた条件を規程に合わせて直す手戻りが避けられません。</p><ul><li>規程には、紹介手当を賃金として給与と併せて払う条項（職業安定法第40条）と、社外への謝礼・候補者からの金品の受け取りを禁じる条項（同法第36条・第39条）を入れる</li><li>常時10人以上の事業場は、規程の作成・変更で過半数代表者等の意見を聴き、労働基準監督署に届け出て、社内に周知する（労働基準法第89条・第90条・第106条）</li><li>告知文は手当の金額より紹介の手順を先に書き、募集職種が変わるたびに出し直す</li><li>社員が友人に送る依頼文は、応募ではなくカジュアル面談への誘いとして書き、断ってよいことを明記する</li><li>結果連絡では、紹介者に結果と手当の扱いだけを伝え、選考の評価内容は伝えない</li></ul>

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## [人的資本の事例、改正後の有報で10社が書いた給与と戦略](https://hr-media.offers.jp/articles/human-capital-case-studies)

**公開日**: 2026-10-04
**著者**: 鈴木 裕斗
**カテゴリ**: 組織

<p>人的資本の事例を探すと、出てくるのは各社の統合報告書や企業サイトの取り組みを集めた紹介記事が中心です。ところが2026年の6月、3月決算の上場企業が出した有価証券報告書には、それまで無かった欄が加わりました。人材戦略、給与の決め方、そして平均給与が前の年からどれだけ動いたかです。</p><p>同じ欄に、会社ごとにまったく違う書き方が並びました。数字だけを置いた会社もあれば、数字が下がった理由を自分から書いた会社もあります。数字だけの報告書では、動いた理由を読み手が自分で推し量るしかありません。</p><p>金融庁が前年の開示を好事例に選んだ上場10社の、改正初年度の有価証券報告書を実物で読み比べました。持ち帰る判断基準は1つ、<strong>増減率の数字の横に、動いた理由を自社の言葉で書けるか</strong>です。制度の全体像は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/human-capital">人的資本の解説記事</a>にまとめています。</p><h2 id="h5639a1a68e">人的資本の事例を読む材料は2026年3月期の有価証券報告書</h2><p>人的資本の開示事例を改正後の様式でまとまって読める最初の材料は、2026年3月期の有価証券報告書です。<a href="https://www.fsa.go.jp/news/r7/shouken/20260220/20260220.html">金融庁が2026年2月20日に公布した改正開示府令</a>により、2026年3月31日以後に終わる事業年度の報告書から、人材戦略・給与等の決定方針・平均給与の対前年比増減率の3つの記載が義務になりました。</p><p>具体的な適用時期は改正府令の附則で定められ、人的資本開示と同じ時期から適用される総会前開示の改正について、金融庁は施行日（2026年2月20日）以後に提出する有価証券報告書での早期適用が可能である旨を附則に規定していると回答しています（<a href="https://www.fsa.go.jp/news/r7/shouken/20260220/01.pdf">金融庁のパブリックコメント回答</a> p.59 No.199）。それより前の決算期の報告書でも、新しい様式は早く使えたことになります。ただし義務として全社がそろうのは2026年3月期からで、3月決算の企業は2026年6月にこの様式の報告書を出しました。2023年3月期から始まった人的資本の開示義務は、多くの解説記事で紹介されてきています。今回の改正はそこに人材戦略・給与等の決定方針・平均給与の増減率の3つを足し、従業員の状況の記載場所も移したもので、各社の書き方はまだ1年分しかありません。</p><h3 id="h1aabd2a897">改正で有価証券報告書に加わった3つの記載</h3><p>改正で求められるようになった記載は次の3つで、いずれも「第４【提出会社の状況】」の「５【従業員の状況等】」に置かれます。従来の「従業員の状況」は、第１【企業の概況】からこの位置へ移りました。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>記載</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>求められる内容</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>人材戦略</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>連結ベースの企業戦略と関連付けた人材戦略</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>従業員給与等の決定方針</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>人材戦略を踏まえた給与等の決め方（提出会社の方針に限ってよい。持株会社は最大人員会社の方針も書く）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>平均給与の対前年比増減率</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>提出会社の従業員の平均給与が前年からどれだけ動いたか</p></td></tr></tbody></table><p>持株会社のように主に子会社の経営管理を行う会社は、提出会社に加えて最大人員会社についても、給与等の決定方針と、平均給与・増減率などの数字を書きます。最大人員会社は従業員数が最も多い国内の連結子会社で、その会社の人数が連結全体の過半数に届かなければ、次に多い会社も含めます。</p><h3 id="had806aa175">本記事で読む10社</h3><p>対象は、<a href="https://www.fsa.go.jp/news/r7/singi/20260327/02.pdf">金融庁『記述情報の開示の好事例集2025』</a>の「人的資本、従業員の状況」で好事例に選ばれた12社のうち、2026年3月期の有価証券報告書を金融庁の電子開示システム（EDINET）で確認できた10社です。好事例集は2025年3月期（イズミは2025年2月期）の開示を選んだもので、本記事はその翌年の報告書を読んでいます。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>会社</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>好事例集での区分</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>2026年3月期の提出日</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p><a href="https://disclosure2.edinet-fsa.go.jp/WZEK0040.aspx?S100Y9EI">双日</a></p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>従業員の状況</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2026年6月9日</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p><a href="https://disclosure2.edinet-fsa.go.jp/WZEK0040.aspx?S100Y9T1">デンソー</a></p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>従業員の状況</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2026年6月11日</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p><a href="https://disclosure2.edinet-fsa.go.jp/WZEK0040.aspx?S100YA32">横浜フィナンシャルグループ</a></p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>人的資本</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2026年6月11日</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p><a href="https://disclosure2.edinet-fsa.go.jp/WZEK0040.aspx?S100YCGO">カプコン</a></p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>人的資本</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2026年6月16日</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p><a href="https://disclosure2.edinet-fsa.go.jp/WZEK0040.aspx?S100YEI3">丸井グループ</a></p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>人的資本</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2026年6月19日</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p><a href="https://disclosure2.edinet-fsa.go.jp/WZEK0040.aspx?S100YEWB">日清食品ホールディングス</a></p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>従業員の状況</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2026年6月22日</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p><a href="https://disclosure2.edinet-fsa.go.jp/WZEK0040.aspx?S100YGBO">日立製作所</a></p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>人的資本</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2026年6月22日</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p><a href="https://disclosure2.edinet-fsa.go.jp/WZEK0040.aspx?S100YHOQ">ニッスイ</a></p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>従業員の状況</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2026年6月23日</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p><a href="https://disclosure2.edinet-fsa.go.jp/WZEK0040.aspx?S100YJOL">うるる</a></p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>人的資本（中堅・中小）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2026年6月24日</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p><a href="https://disclosure2.edinet-fsa.go.jp/WZEK0040.aspx?S100YK9Q">熊谷組</a></p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>従業員の状況</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2026年6月25日</p></td></tr></tbody></table><p>12社のうちイズミは2月決算で、2026年5月に出した<a href="https://disclosure2.edinet-fsa.go.jp/WZEK0040.aspx?S100Y671">2026年2月期の報告書</a>は、新しい様式を早く使うことはせず改正前の様式でした。増減率の欄もありません。ＮＴＴデータグループは、株式併合により<a href="https://www.nttdata.com/global/ja/-/media/nttdataglobal-ja/files/investors/library/disclosure/2025/20250925-01.pdf">2025年9月26日に東京証券取引所プライム市場で上場廃止</a>となっており、上場企業を読む本記事の対象から外しました。</p><h2 id="h49093476e5">平均年間給与の増減率は10社で△4.3%から8.1%に開いた</h2><p>10社が書いた提出会社の平均年間給与の対前事業年度増減率は、最も高い熊谷組の8.1%から、最も低い日清食品ホールディングスの△4.3%まで開きました。10社のうち3社はマイナスで、数字は各社の2026年3月期の報告書の「従業員の状況」から転記しています。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>会社</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>従業員数（提出会社）</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>平均年間給与</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>対前事業年度増減率</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>熊谷組</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2,740人</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>9,179,351円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>8.1%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>カプコン</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>3,593名</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>9,852千円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>7.3%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>うるる</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>255人</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>6,690,466円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>7.1%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>デンソー</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>43,889名</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>9,152,532円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>6.1%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>日立製作所</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>25,934人</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>9,949,714円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>+3.5%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>ニッスイ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1,489人</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>8,506,166円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1.8%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>丸井グループ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>275名</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>6,888,700円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1.0%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>横浜フィナンシャルグループ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>701人</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>9,952千円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>△1.0%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>双日</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2,519名</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>12,571,801円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>△1.3%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>日清食品ホールディングス</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>980名</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>8,425,365円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>△4.3%</p></td></tr></tbody></table><p>出所: 各社『有価証券報告書』2026年3月期（提出会社の状況・2026年3月31日現在）、単位と符号は各社の表記のまま転記。</p><p>表の数字は各社の賃上げの大きさを並べたものではありません。増減率は平均値の変化なので、誰が入り、誰が辞め、賞与がどう動いたかで上下します。マイナスの3社のうち2社は持株会社で、提出会社の人数は数百人規模です。</p><h3 id="he59ec47000">増減率は賃上げ率と同じ数字にならない</h3><p>ニッスイの有価証券報告書は、賃上げの率と平均年間給与の増減率が一致しないことを、自分から数字で示しました。定期昇給とベースアップの平均改定率は約5.5%でしたが、平均年間給与の増減率は1.8%にとどまりました。数字はいずれも同社の2026年3月期の報告書の人材戦略の欄にあります。</p><p>差の理由として、同社は従業員構成の変動と業績連動賞与の支給水準の変化を挙げました。そのうえで、個人単位で見た年間給与の増減率の中央値は約6%だったと参考値を添えています。平均と中央値を並べたことで、多くの従業員の給与は上がっていると読めるようになりました。</p><p>デンソーも表の直後に注記を置きました。増減率は賃上げに加えて、年齢構成や採用・退職の動向、賞与水準、時間外労働の増減の影響を受け、賃上げ水準だけを示すものではないという内容です。2026年の賃上げでは、労働組合の要求「昇給額 23,500円／月・人、賞与6.4か月」に満額回答したことも、同じ注記の続きにあります。</p><p>横浜フィナンシャルグループの△1.0%は、採用ではなくグループ体制の見直しにともなう動きです。同社は当事業年度から、主に横浜銀行・東日本銀行の業務に従事する兼務出向者も提出会社の従業員に含めて記載し、比較のために前事業年度も同じ基準で数え直した数字（430人・10,059千円）を載せました。そのうえで、グループ体制の見直しにともない従業員数が前事業年度より271人増えたことに加え、人員構成の変化により平均年間給与が前年度比△1.0%になったと注記しています。</p><h3 id="h03ae896fad">採用で人が増えると平均年間給与は下がることがある</h3><p>日清食品ホールディングスは2026年3月期の報告書で、子会社の湖池屋の平均年間給与が前事業年度より0.7%減った理由を、採用の拡大による人員構成の若返りと注記しました。同じ注記によると、湖池屋の平均年齢は0.6歳、平均勤続年数は0.3年下がりました。</p><p>同じ注記には、新規採用者を除いた継続雇用者の実態ベースでは前事業年度比3.9%の上昇だったとも書かれています。採用を増やした年は、平均年間給与の増減率が低く出ることがあります。人を増やす計画を持つ会社なら、同じ形の注記を前もって用意しておくのも一案です。</p><p>採用で人を増やす計画があるなら、増減率への影響と並べて、採用がどこで詰まりやすいかも先に見ておきたいところです。Offersの<a href="https://service.offers.jp/client/hiring-check/?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-light&amp;utm_content=human-capital-case-studies">エンジニア採用力チェック</a>は、企業のURLから公開情報をもとに採用力を5指標24項目で採点し、レポートで返します。公開情報だけで採点するため、選考の通過率や辞退率など社内のデータは含みません。社内の採用データとは別に、外から見える姿を確かめる用途です。</p><h3 id="h6d020f5570">持株会社は子会社の平均年間給与も並べた</h3><p>持株会社の3社は、提出会社に加えて最大人員会社の平均年間給与と増減率を並べました。提出会社の数字が小さな本社部門のものでも、子会社の欄を見れば、グループの多くの従業員の給与がどう動いたかが分かります。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>持株会社</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>提出会社</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>最大人員会社</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>次に従業員が多い会社</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>横浜フィナンシャルグループ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>△1.0%（701人）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>横浜銀行 6.2%（4,053人）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>なし</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>丸井グループ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1.0%（275名）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>エポスカード 3.6%（1,437名）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>丸井 3.0%（940名）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>日清食品ホールディングス</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>△4.3%（980名）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>日清食品 2.3%（1,565名）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>湖池屋 △0.7%（784名）</p></td></tr></tbody></table><p>出所: 各社『有価証券報告書』2026年3月期、Offers 編集部が転記。</p><p>日清食品ホールディングスと丸井グループが2社目まで書いているのは、最大人員会社の人数が連結全体の過半数に届かない場合に、次に多い会社も含めるという決まりによるものと読めます。</p><h3 id="hdd9bfef2f8">当期の増減の理由を書いたのは10社中3社</h3><p>10社のうち、当期の増減率がなぜその数字になったかを注記や本文で書いたのは、ニッスイ・横浜フィナンシャルグループ・日清食品ホールディングス（湖池屋の欄）の3社でした。デンソーは増減率が賃上げ以外の要因でも動くことを一般的に説明する注記を置きましたが、当期の6.1%の原因は書いていません。残る6社には、増減率の理由に触れた注記はありませんでした。</p><p>数字だけでも法令上の記載は満たします。ただ、△4.3%のように大きく動いた数字ほど、読み手は理由を探します。日清食品ホールディングスは湖池屋の欄には理由を書きましたが、提出会社の△4.3%には理由を書いていません。読み手が自分で推し量るしかない形です。</p><h2 id="hc00e88bfc1">人材戦略の欄は3つの書き方に分かれた</h2><p>新しく設けられた「人材戦略に関する基本方針等」の欄は、10社の書き方が3つに分かれました。別の欄を参照させるだけの会社、要旨を書いて詳細を別の欄に置く会社、この欄に人材戦略の本文を置く会社の3つで、分類は各社の第４の５を読んで行いました。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>書き方</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>会社</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>参照だけ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>うるる・熊谷組・双日</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>要旨（詳細は別の欄）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>デンソー・日立製作所・丸井グループ・横浜フィナンシャルグループ・カプコン・日清食品ホールディングス</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>この欄に本文</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>ニッスイ</p></td></tr></tbody></table><p>出所: 各社『有価証券報告書』2026年3月期、Offers 編集部が分類。</p><h3 id="h2b56e8a598">参照だけで済ませた3社</h3><p>うるる・熊谷組・双日の3社は、この欄に「サステナビリティに関する考え方及び取組」の該当箇所を示す1文を置き、中身はそちらで書いています。人的資本の取り組みを2023年3月期からサステナビリティの欄に書いてきた会社にとって、記述を重複させない現実的な選択です。</p><p>参照だけの欄は、報告書のこの位置だけを読む人には何も伝えません。ただし熊谷組は人材戦略を参照で済ませた一方、給与の決定方針は欄の中に書いています。給与の欄だけは新しく書き下ろす、という分け方もあります。</p><h3 id="ha74646f637">要旨を書いて詳細を別の欄に置いた6社</h3><p>カプコンは要旨型の中でも、企業戦略との結びつきをはっきり示しました。中期経営目標の「毎期10%営業利益増益」を最初に置き、その達成に要る取り組みから、人材の確保と育成、職場環境の再整備という2つの重点項目を、2026年3月期の報告書で導いています。</p><p>改正が求めるのは「企業戦略と関連付けた人材戦略」です。カプコンの書き方は、事業の目標、人材の重点、詳細の参照先という順に並ぶので、数行で関連付けが読み取れます。日立製作所は1文の要旨、デンソーは創業以来の考え方を1段落で書き、どちらも詳細を別の欄へ送りました。丸井グループがこの欄に置いたのは経営理念とビジョンの段落で、人材戦略の基本方針そのものはサステナビリティの欄を参照させています。参照の1文だけの3社との違いは、この段落の有無です。</p><p>日清食品ホールディングスは、持続的成長に向けて企業戦略との連動性を高めるため、中期人財戦略を新たに策定したと書きました。成長戦略を支える経営体制、グローバル経営を支える人財マネジメント、国内事業の組織と人財基盤という3つの軸を、この欄では約250字の要旨で示しています。サクセッションの枠組みなど中期人財戦略の中身はサステナビリティの欄にあり、この欄に参照の一文は置いていません。</p><h3 id="h0ebd28569b">この欄に人材戦略の本文を置いたのはニッスイ1社</h3><p>ニッスイは、ガバナンスから経営戦略と人財戦略の連動、5つの観点、指標と目標までを、すべてこの欄に置きました。事業等のリスクの欄の側から、この欄を参照させています。ほかの欄からこの欄へ参照させた会社には横浜フィナンシャルグループもありますが、参照先は人材戦略ではなく給与の決定方針です。人材戦略の本文をこの欄に置き、その本文へほかの欄から参照させた形は、10社でニッスイだけでした。</p><h2 id="h1cdc9628a5">給与の決定方針は何と連動させるかで4つに分かれた</h2><p>10社の従業員給与等の決定方針は、給与を何と連動させるかで、業績・市場水準・役割と評価・求める人材像の4つに分かれました。多くの会社は役割や評価の反映と、業績・市場の参照を組み合わせて書いているため、下の表は各社の2026年3月期の報告書の方針のうち、仕組みとして具体的に書かれた部分で分けています。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>連動させる先</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>会社</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>書かれている内容</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>業績</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>カプコン</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>連結営業利益と従業員の金銭報酬総額を連動させる賞与</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>市場水準</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>日清食品ホールディングス</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>同規模・同業界のベンチマーク対象企業群の統計水準を参考に検証</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>市場水準</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>日立製作所</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>グローバル報酬フィロソフィーの三原則の1つ目が市場競争力の確保（ほかにペイ・フォー・パフォーマンスと透明性）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>役割と評価</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>デンソー</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>各階層の役割を定義し、役割に期待される行動と成果の評価を給与・賞与に反映（水準は労働市場への競争力を求める社員の視点・社会・経営の3つの視点で決める）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>役割と評価</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>熊谷組</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>一般社員は職能給、管理職以上は功績資格給と、役割給または所長能力給の組み合わせ</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>役割と評価</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>丸井グループ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>パフォーマンスとバリューの二軸評価</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>役割と評価</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>双日</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>役割等級制度をもとに成果と行動の両面で評価・処遇</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>役割と評価</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>横浜フィナンシャルグループ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>年功的・属人的要素に偏らない実力主義で、役割・責任・業績への貢献度・能力の評価を処遇に反映（横浜銀行は業績連動型の賞与資金量も導入）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>求める人材像</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>ニッスイ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>役割・成果・能力に加え、求める人財像に基づく行動特性の発揮</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>求める人材像</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>うるる</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>求める人物像と報酬の連動、評価と業績賞与の二階建て</p></td></tr></tbody></table><p>出所: 各社『有価証券報告書』2026年3月期、Offers 編集部が分類（双日とうるるはサステナビリティの欄の記述）。</p><h3 id="h9e6a79bd33">カプコンは平均年間給与を5期分と年代別で出した</h3><p>カプコンは2026年3月期の報告書で、平均年間給与（単体）を2022年3月期から5期分並べ、7,127千円から9,852千円まで、2022年3月期比で138.2%に上がった推移を示しました。同じ報告書の給与の決定方針には、連結営業利益と従業員の金銭報酬総額を連動させる賞与制度を導入したと書かれています。</p><p>同じ表には、年収帯ごとの分布と、年代別の平均給与（当期は20代6,502千円、50代12,987千円）も5期分並びました。平均の1つの数字だけでなく年収帯と年代の内訳が5期分あるため、読み手はどの層の給与がどう動いたかを表から追えます。</p><h2 id="ha7fb7a5b8e">採用担当が自社の開示で押さえる3つの点</h2><p>採用を担う部署が自社の開示で押さえる点は3つあります。採用で人数が増えた年の増減率を説明すること、中途採用の提示年収の決め方を給与の決定方針と食い違わせないこと、採用の人数を人材戦略の指標に入れることです。1つ目と3つ目は10社の報告書に実例があり、2つ目は10社の報告書には書かれていない、Offers 編集部からの提案です。</p><p>有価証券報告書はEDINETで誰でも読める書類で、今回の改正で平均年間給与の横に前の年からの増減率が並ぶようになりました。採用の数字と給与の数字が同じ報告書に載るため、片方の動きをもう片方で説明できるように準備しておけば、注記の1行が書きやすい状態です。</p><h3 id="ha35a82324c">採用で増えた人数と平均年間給与の増減を同じ注記で書く</h3><p>採用を増やす年は、平均年間給与の増減率が下がる前提で、注記の1行を先に用意しておきます。日清食品ホールディングスが湖池屋の欄に付けた注記のように、人員構成の変化（平均年齢・勤続年数）と、継続して在籍する従業員の伸びを並べれば、数字が下がった理由を読み手に示せます。</p><p>注記の材料は、人事部門が持つ採用人数と在籍者の給与データです。決算の直前に集めるのではなく、採用計画を立てる段階で、何人増えれば平均がどれだけ動くかを試算しておくと、報告書の作成が楽になります。</p><h3 id="h01da4bc386">中途採用の提示年収の決め方を給与の決定方針と食い違わせない</h3><p>中途採用の提示年収をどう決めるかは、10社の報告書の給与の決定方針には書かれていません。そのうえで Offers 編集部は、自社が報告書に書いた給与の決定方針と、中途採用の提示年収の決め方を同じ基準で説明できるようにしておくことを勧めます。日清食品ホールディングスや日立製作所のように市場水準を参照すると書く方針なら、提示年収の根拠にも同じ市場水準を使えるかを確かめておく、という形です。</p><p>熊谷組や双日のように役割と評価に連動させる方針なら、中途で入る人の等級や役割をどう決めるかが論点になります。給与の決定方針を書く会議に、採用の担当者も加わっておくと、方針と採用の現場の決め方のずれを早く見つけられます。</p><h3 id="hb37835fde0">採用の人数を人材戦略の指標に入れる</h3><p>ニッスイは事業等のリスクの欄の対応策で、求める人財像と求職者が選ぶ動機が一致するよう採用ブランディングを強化すると書き、人材戦略の欄の指標には外部採用比率（2025年度の実績41.4%、2027年度と2030年度の目標50%）を置きました。カプコンは開発職の人数を5期分並べ、増やした人数を目標と比べています。どちらも2026年3月期の報告書の記述で、採用は人材戦略の実行手段として数字で載る項目です。</p><p>採用の人数を指標にすると、届かなかった年の理由も用意しておきたくなります。応募が足りなかったのか、選考の途中で辞退が増えたのか。理由を書ける状態にするには、まず自社の採用の現在地を外から見える形で確かめておくことです。前述の<a href="https://service.offers.jp/client/hiring-check/?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-light&amp;utm_content=human-capital-case-studies">エンジニア採用力チェック</a>は、その下見に使えます。</p><p>指標と目標の置き方そのものは、2025年3月期の開示を読んだ<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/hr-kpi-case-studies">人事KPIの事例</a>で、目標を動かした年の書き方として扱いました。</p><h2 id="h9eaf3e269d">自社の人的資本の開示事例を作る4つの手順</h2><p>自社の開示を事例として読まれる形にするには、10社の書き方を次の4つの手順に置き換えて準備します。順番は、数字の注記、給与の方針、人材戦略の欄の書き方、採用の数字の順です。</p><ol><li><strong>平均年間給与の増減率を試算し、理由の1行を決める</strong>。賃上げの率、採用と退職による構成の変化、賞与の変動に分けて、それぞれが平均をどれだけ動かしたかを数字で持つ（要因の挙げ方はデンソーの注記、数字の並べ方はニッスイの記載と同じ形）</li><li><strong>給与の決定方針で、何と連動させるかを1つ決める</strong>。業績・市場水準・役割と評価・求める人材像のどれを中心に置くかを決め、中途採用の提示年収の説明と揃える</li><li><strong>人材戦略の欄を参照だけにするか、要旨を書くかを決める</strong>。参照だけにするなら、給与の方針だけはこの欄で書き下ろす（熊谷組型）。要旨を書くなら、事業の目標から人材の重点を導く順に並べる（カプコン型）</li><li><strong>採用と育成の人数を、事業の必要数と並べる</strong>。エンゲージメントや研修の指標を足すなら、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/engagement-case-studies">エンゲージメントの事例</a>や<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/training-case-studies">研修の事例</a>で、上場企業の単位と目標の置き方を確かめる</li></ol><p>持株会社なら、最大人員会社の数字を誰が集めるかも先に決めておきます。子会社の人事部門から平均年間給与と増減率を受け取り、理由の注記まで同じ書式で揃えておくと、提出会社と子会社の数字を並べたときに読み手が迷いません。</p><h2 id="h0419158a3a">人的資本の事例は来年から2年分の比較になる</h2><p>2026年3月期の有価証券報告書は、新しい欄が義務になった1年目です。来年の報告書では、各社の増減率が2年分並び、書いた理由が翌年の数字で確かめられるようになります。今年の注記の1行は、来年の読み手にとって答え合わせの材料です。</p><p>理由を自分から書いた会社と、数字だけを置いた会社の違いは、2年分の数字が並んだときに読み手から見えやすくなります。自社の開示を他社の事例として読まれる側に回すなら、数字が動いた理由を自社の言葉で書く準備を、採用計画を立てる段階から始めてください。</p>

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## [採用管理システムで内定辞退を防ぐ設定と測り方](https://hr-media.offers.jp/articles/ats-offer-decline)

**公開日**: 2026-10-02
**著者**: 鈴木 裕斗
**カテゴリ**: 組織

<p>採用管理システム（ATS）を入れても、内定辞退がそれだけで減るわけではありません。候補者が辞退を決める理由のうち、年収などの条件や他社の選考の進み方には、システムは直接は触れられないからです。</p><p>それでも中途採用では、内定を出してから返事をもらうまでの短い期間に連絡が途切れたり、誰が何を候補者と話したのかが社内で分からなくなったりして、防げたはずの辞退が起きます。採用管理システムが役に立つのはこの部分です。中途採用の採用担当者が、システムの設定と日々の運用で決められることに絞ってまとめました。</p><h2 id="hf35bac74ba">採用管理システムが内定辞退に対して担う記録・通知・集計</h2><p>採用管理システムが内定辞退に対して担えるのは、候補者ごとの選考の経緯と連絡を1か所に記録すること、回答期限や連絡の空白を担当者に知らせること、辞退を段階・経路・理由ごとに集計することの3つです。候補者が辞退を決める理由そのもの（条件、他社の内定、現職からの引き留め）は、システムが変えられるものではありません。システムで減らせるのは、連絡の遅れや社内の引き継ぎの漏れのように、企業側の運用が原因になって起きる辞退です。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>役割</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>内定辞退に対して働く場面</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>設定するもの</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>記録</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>面接官や紹介会社の担当者が聞いた懸念を、次に候補者と話す人が読める</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>選考ステータス・辞退理由の選択肢・面談メモの欄</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>通知</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>回答期限が近い、面接の評価の入力が止まっている、内定承諾後の連絡が空いている</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>期限の項目と通知の条件</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>集計</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>どの段階・どの経路・どの理由の辞退が多いかを見る</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>段階別・経路別・理由別のレポートか、表計算ソフトへの書き出し</p></td></tr></tbody></table><p>検索で上位に出るページ（本文を取得できた8件）で最も多いのは採用管理システムで内定辞退を防ぐ方法の解説で4件、内定者フォローツールの比較記事は2件でした（2026年10月3日時点の検索結果での実測）。学生向けの施策を中心に置くページが多く、中途採用に絞ったページはありませんでした。中途採用で採用管理システムの設定を考えるときに中心になるのは、内定者向けの研修より手前の、内定通知から回答までの期間です。選考全体で辞退を減らす設計は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/offer-decline-prevention">内定辞退防止の進め方</a>で扱っています。</p><h2 id="hc46cbb9fc6">中途採用の内定辞退率は2025年実績で15.0%</h2><p>マイナビ「中途採用状況調査2026年版（2025年実績）」によると、企業1社あたりの内定者数と採用者数の平均から計算した中途採用の内定辞退率は、2025年が15.0%でした（調査時期2025年12月17〜22日・2025年全体n=1,327）。2024年の9.3%から5.7ポイント上がっています。同じ調査のp.76では、内定を通知してから応諾を得るまでの平均日数が、1次面接をWebで行った企業（n=934）で8.9日、対面で行った企業（n=1,306）で8.4日でした。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>内定通知から応諾までの平均日数（Web面接）</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>企業の割合</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>1週間未満</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>46.7%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>1〜2週間未満</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>36.8%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>2週間〜1ヶ月未満</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>9.7%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>1ヶ月以上</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>6.7%</p></td></tr></tbody></table><p>出所：マイナビ「中途採用状況調査2026年版（2025年実績）」p.76（1次面接をWebで実施し内定者が1名以上いる企業n=934）。</p><p>内定通知から応諾までの平均日数が2週間以上の企業は、Web面接で合わせて16.4%です（表の「2週間〜1ヶ月未満」と「1ヶ月以上」を本稿で合計）。言い換えると、Web面接の企業の多くは、内定通知から応諾までの平均が2週間未満に収まっています。採用管理システムで回答期限を候補者ごとの項目として持たせ、期限の前に担当者へ知らせる設定が意味を持つのは、内定通知から応諾を得るまでの期間がこれだけ短いためです。</p><h3 id="h454178d432">採用管理ツールの利用は28.5%で、メイン利用者の満足計は前年から23.3ポイント下がった</h3><p>マイナビの同じ調査で、2025年の中途採用に採用管理ツールを利用した企業は回答者全体の28.5%で、2024年の26.5%から2.0ポイント増えました（マイナビ「中途採用状況調査2026年版」p.13・n=1,500）。一方、2025年に最も利用したサービスとして採用管理ツールを挙げた企業のうち、「前年より満足」と「前年並みに満足」を合わせた割合（満足計）は66.7%で、2024年の90.0%から23.3ポイント下がっています（同p.91・メイン利用者n=45）。調査の中で採用管理ツールは、転職サイトや人材紹介会社と並ぶ採用サービス・手法の1つという扱いです。</p><p>メイン利用者の母数は45と小さく、調査は不満の理由を示していないため、満足度が下がった原因はこの数字からは分かりません。この満足計はメインに使ったサービスへの評価を前年と比べて聞いたもので、内定辞退が減ったかどうかを聞いた設問ではありません。辞退に備えて何を記録し、何を通知させるかは、導入する企業が自分で決めて設定する必要があります。</p><h2 id="hc9fabdef4f">内定辞退を数えるには、選考ステータスを辞退の時点で分けておく</h2><p>採用管理システムで内定辞退を数えるには、辞退が起きた時点ごとに選考ステータスを分けて設計します。最低限分けたいのは、内定を出す前に候補者が選考を降りる「選考辞退」、内定を通知した後に承諾しないまま断る「承諾前の辞退」、承諾した後に入社日までに断る「承諾後の辞退」の3つです。3つを1つの「辞退」ステータスにまとめると、どこで候補者を失っているかが集計に出てきません。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>ステータス</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>入る条件</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>次に進む先</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>選考中（段階ごと）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>書類選考・1次面接・最終面接などの段階にいる</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>内定通知済／選考辞退／不合格</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>選考辞退</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>内定の前に候補者が辞退を伝えた</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>終了</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>内定通知済（回答待ち）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>内定を通知し、回答期限を入力した</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>内定承諾／承諾前の辞退</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>承諾前の辞退</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>承諾の前に候補者が辞退を伝えた</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>終了</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>内定承諾</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>承諾を受け、入社日が決まった</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>入社／承諾後の辞退</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>承諾後の辞退</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>承諾の後、入社日までに辞退を伝えた</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>終了</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>入社</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>入社日を迎えた</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>終了</p></td></tr></tbody></table><p>マイナビの調査の内定辞退率は、2025年1年間の内定者数と採用者数をそれぞれ累計で聞き、1社あたりの平均どうしから計算した値です（同p.34）。同じ候補者を追って数えた値ではないため、前年に内定を出した人の入社のように年をまたぐ分も混ざりえます。自社で候補者単位の率を出すなら、本稿では「（内定通知済になった人数－入社した人数）÷内定通知済になった人数」で計算することを勧めます。ステータスを上の表のように分けておけば、承諾前と承諾後の内訳も同じデータから出せるのが利点です。分母に何を置くかで率が変わる点は、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/offer-acceptance-rate">承諾率の分母の置き方</a>で詳しく扱っています。</p><h3 id="hc428e89345">辞退理由は自由記述だけでなく選択肢の項目で残す</h3><p>辞退理由を自由記述の欄だけで残すと、後から集計できません。採用管理システムには辞退理由を選択肢の項目として持たせ、自由記述は補足に回すのが基本です。選択肢は、候補者が実際に挙げた理由を後から迷わず振り分けられる粒度にし、「不明（理由を聞けていない）」も1つの選択肢として残します。</p><ul><li>条件（年収・役職・仕事の内容）</li><li>他社の内定を承諾した</li><li>現職に残る（引き留めを含む）</li><li>家族の意向</li><li>勤務地・働き方</li><li>選考中の対応や面接の印象</li><li>不明（理由を聞けていない）</li></ul><p>選択肢と一緒に残したいのは、誰がいつ聞いたかと、候補者本人の言葉か担当者の推測かの2点です。紹介会社経由の辞退では、理由が紹介会社の担当者の要約で届くことがあるため、本人の言葉と区別しておかないと集計の意味が崩れます。「不明」を選択肢に残すのは、理由を聞けていない辞退がどれだけあるか自体が、運用を見直す材料になるからです。</p><h2 id="h7262d2d9ae">辞退を防ぐ通知は回答期限・選考の滞留・連絡の空白の3つ</h2><p>採用管理システムの通知で防げる辞退は、企業側の連絡の遅れから起きるものに限られます。設定する通知は、内定の回答期限が近づいたとき、選考の段階が決めた日数を超えて止まったとき、内定承諾から入社日までのあいだに候補者との連絡が決めた日数以上空いたときの3つです。日数の基準は自社の選考の実績から決め、外部の平均値をそのまま当てはめないようにします。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>通知</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>条件の例</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>通知を受けた担当者がやること</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>回答期限</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>回答期限の2営業日前になった</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>候補者に残っている懸念が無いかを確かめる連絡を入れる</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>選考の滞留</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>面接の評価が入力されないまま2営業日が過ぎた、次の面接の日程が決まらない</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>面接官に評価の入力を頼む、日程の候補を出し直す</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>承諾後の連絡の空白</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>内定承諾の後、最後の連絡から14日が過ぎた</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>入社手続きの案内や配属先との面談など、次の接点を入れる</p></td></tr></tbody></table><p>条件の例に挙げた日数は、設定を考えるための出発点として置いたもので、調査や基準に基づく値ではありません。自社の基準を決める出発点は、1次面接から内定までにかかっている日数を採用管理システムから出すことです。マイナビの調査では、1次面接から内定までの平均はWeb面接で11.0日でした（マイナビ「中途採用状況調査2026年版」p.71）。自社の日数をこれと比べると、面接から内定を出すまでに時間がかかりすぎていないかの見当が付きます。</p><p>通知の条件を自由に組めるか、回答期限を候補者ごとの項目として持てるかは、製品によって違います。導入済みのシステムで設定できる範囲は、提供会社のヘルプや設定画面で確かめてください。</p><h3 id="hf3c70e1ea2">候補者とのやり取りは、経路が違っても1人の記録に残す</h3><p>候補者とのやり取りは、メール・電話・紹介会社経由の連絡のどれで受けても、採用管理システムの同じ候補者の記録に残します。中途採用では、人材紹介会社の担当者、面接官、配属先の上長と、候補者に接する人が分かれるのが普通です。誰がどの懸念を聞いたかが記録に無いと、次に話す人が同じ質問を繰り返したり、答えるべき懸念を見落としたりします。</p><p>面談や電話の後に残すのは、話した日付、話した人、候補者が挙げた懸念、その懸念に誰がいつまでに答えるかの4点で十分です。項目を増やしすぎると入力されなくなるため、最初は少なく始めて、集計で使わなかった項目は削ります。</p><h2 id="h881e390b72">辞退の原因は、段階別・経路別・理由別の3つの集計で絞り込む</h2><p>採用管理システムに溜まった辞退の記録は、段階別・経路別・理由別の3つで集計すると、どこを直せばよいかが絞り込めます。段階別で見えるのはどの時点で候補者を失っているか、経路別は人材紹介・ダイレクトリクルーティング・自社サイトからの応募のどこで辞退が多いか、理由別はその辞退が条件の問題か選考の進め方の問題かです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>集計</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>分かること</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>次の打ち手の例</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>段階別</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>選考辞退・承諾前・承諾後のどこで多いか</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>選考辞退が多ければ日程調整と面接の進め方、承諾前が多ければオファーの伝え方と条件を見直す</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>経路別</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>応募の経路ごとの辞退の多さ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>紹介会社ごとに、求人の情報の渡し方を見直す</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>理由別×段階</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>同じ理由が特定の段階に偏っていないか</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>「条件」の辞退が承諾前に集中していれば、提示額の決め方を見直す</p></td></tr></tbody></table><p>段階ごとの通過率の出し方と基準値の置き方は、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/hiring-funnel-conversion">採用の歩留まりの計算式</a>で扱っています。辞退の集計は、歩留まりのうち候補者の側から選考を降りた分を取り出したもので、どちらも同じステータスの設計から出せるデータです。</p><h3 id="h775d50366d">中途採用は件数が少ないので、率より件数と理由で見る</h3><p>中途採用は1つの求人で内定を出す人数が少なく、辞退率は1件の辞退で大きく動きます。内定者が10名の期間に辞退が2名なら辞退率は20%ですが、辞退があと1名増えるだけで30%です。月ごとの率で良し悪しを決めず、半期や1年の単位で件数と理由を並べて見るほうが、偶然の上下に振り回されません。</p><p>段階ごとの人数と率を月次で記録する表を一から作るなら、採用の目標設定からKPIの管理までをまとめたExcelのテンプレートを使うのも1つの手です。</p><p><a href="https://lp.offers.jp/kpi?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-consult&amp;utm_content=ats-offer-decline">→ 採用KPIを管理するための参考シート（Excel）を受け取る</a></p><h2 id="hf49b3517ea">採用管理システムに入らない候補者の意向は、人が聞いて記録する</h2><p>他社の選考がどこまで進んでいるか、現職から引き留めを受けているか、家族がどう考えているかといった候補者の意向は、誰かが聞いて入力しない限り採用管理システムには入りません。こうした候補者側の事情は辞退の理由になりやすいので、面接やオファー面談で聞く項目を決めておき、聞いた内容を記録に残す運用が要ります。</p><ul><li>他社の選考の段階と、他社から示されている回答期限</li><li>転職先を決めるうえで重視していること</li><li>現職へ退職を伝える時期と、引き留めの見込み</li><li>家族への相談の状況</li><li>入社日の希望</li></ul><p>聞いた内容には、聞いた日付を添えるのが原則です。他社の選考や現職との話し合いは内定通知から回答までのあいだにも進むため、いつの時点の話かが分からない記録は判断に使えません。</p><p>ハイクラスのエンジニア採用で、候補者の意向の確認や内定後のフォローを社内の人手だけで回しきれない場合は、外部に任せる方法もあります。Offersの<a href="https://offers.jp/client/ai-rpo?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-consult&amp;utm_content=ats-offer-decline">AI RPO</a>は、選考中の候補者の意向確認や競合の選考状況の把握、内定後から入社までの候補者フォローと辞退リスクの早期検知までを支援に含む、エンジニア職向けの採用代行サービスです。</p><h2 id="h93d6746bce">辞退者のデータは利用目的の範囲で保管し、不要なら削除する</h2><p>辞退した候補者の情報も、採用管理システムに残っている限り求職者の個人情報です。<a href="https://laws.e-gov.go.jp/law/322ac0000000141">職業安定法</a>第5条の5は、求人者を含む事業者に対し、求職者等の個人情報を業務の目的の達成に必要な範囲内で、目的を明らかにして収集し、その目的の範囲内で保管・使用するよう定めています。辞退した候補者のデータを、将来の求人の案内など選考とは別の連絡に使うなら、その目的を候補者に示しているか、同意を得ているかを先に確かめることが前提です。</p><p>職業安定法の<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/001003997.pdf">厚生労働省の指針</a>（平成11年労働省告示第141号・最終改正 令和6年厚生労働省告示第318号）は第五で、求人者を含む事業者に対し、保管・使用する個人情報について、収集目的に照らして保管する必要がなくなった個人情報を破棄または削除するための措置を講じ、求職者等の求めに応じてその内容を説明するよう定めています。採用管理システムで決めて設定するのは、辞退者のデータの保持期間、閲覧できる担当者の範囲、期間を過ぎたデータを削除する手順の3つです。法令上の義務とシステムの設定項目の対応は、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/ats">採用管理システムの定義と法令上の義務</a>で扱っています。</p><h2 id="h2479367a69">内定辞退の観点で採用管理システムを選ぶときに確かめる5項目</h2><p>内定辞退への備えとして採用管理システムを選ぶとき、または今使っているシステムを見直すときは、選考ステータスを自社の定義で作れるか、辞退理由を選択肢の項目として持てるか、期限と滞留の通知を条件で組めるか、段階別・経路別のレポートか表計算ソフトへの書き出しがあるか、データの保持期間と削除を管理できるかの5つを確かめます。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>確かめる項目</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>確かめる理由</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>確かめ方</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>ステータスを自社の定義で作れるか</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>選考辞退・承諾前・承諾後を分けて数えるため</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>試用環境でステータスを追加・名称変更してみる</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>辞退理由を選択肢で持てるか</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>理由別に集計するため</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>任意の項目を選択式で追加できるかを見る</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>期限と滞留の通知を条件で組めるか</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>回答期限と連絡の空白を担当者に知らせるため</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>日付の項目を条件にした通知を作れるかを見る</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>段階別・経路別のレポートか書き出しがあるか</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>辞退の原因を絞り込むため</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>応募経路と辞退の段階を掛け合わせて出せるかを見る</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>保持期間と削除を管理できるか</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>不要になった個人情報を削除するため</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>期間を過ぎた候補者を抽出し、まとめて削除できるかを見る</p></td></tr></tbody></table><p>機能の名前は製品ごとに違うため、提供会社の資料にある機能名だけで判断せず、試用環境か商談の場で上の操作を実際に見せてもらうと確実です。導入した企業が導入前後で何の数字を見たかは、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/ats-case-studies">採用管理システムの導入事例</a>にまとめています。</p><h2 id="h4d5f374af1">採用管理システムで内定辞退に向き合うときの要点</h2><p>採用管理システムは、候補者の辞退の決断そのものを変える道具ではなく、企業側の連絡の遅れと引き継ぎの漏れから起きる辞退を減らし、辞退を数えられる形にする道具です。中途採用の内定辞退率は2025年実績で15.0%、内定通知から応諾を得るまでは平均8.9日（マイナビ「中途採用状況調査2026年版」・Web面接の企業の回答）です。</p><ul><li>選考ステータスは、選考辞退・承諾前の辞退・承諾後の辞退を分けて設計する</li><li>辞退理由は選択肢の項目で残し、「不明」も選択肢に入れる</li><li>通知は回答期限・選考の滞留・承諾後の連絡の空白の3つに設定し、日数は自社の実績から決める</li><li>辞退は段階別・経路別・理由別で集計し、件数が少ないうちは率より件数と理由で見る</li><li>他社の選考状況や現職の引き留めは、人が聞いて日付つきで記録する</li><li>辞退した候補者のデータは、利用目的の範囲で保管し、保持期間を過ぎたら削除する</li></ul>

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## [面接官の言動と内定辞退｜原因の見つけ方と防ぎ方](https://hr-media.offers.jp/articles/interviewer-offer-decline)

**公開日**: 2026-10-02
**著者**: 鈴木 裕斗
**カテゴリ**: 採用

<p>中途採用の候補者は、面接官を通して入社後の上司や職場を思い描きます。面接官の態度や質問に引っかかりを覚えた候補者は、その場では何も言わず、選考の途中や内定の後に辞退を選ぶことがあります。辞退の連絡に「他社に決めた」とだけ書かれていれば、面接官が原因だったかどうかは表に出ません。</p><p>面接官の側で変えられるのは、辞退につながる言動の型を知って避けること、原因を選考の記録から見つけること、面接の前後の動き方を揃えることの3つです。辞退の連絡を受けた後の対応や、人材紹介会社との手数料の扱いは、この3つとは別の問題として切り分けています。</p><h2 id="h130f1d0bde">面接官の言動による内定辞退は、理由が企業に届かない</h2><p>面接官の態度や質問は中途採用の候補者が志望度を下げる主な理由の一つで、しかも候補者は面接官への違和感をほとんど企業に伝えません。転職活動の経験者を対象にした2つの調査が、この両方を数字で示しています。</p><p>doda人事ジャーナルが2025年6月に20〜60代の転職経験者525名に行った調査では、面接を受けて志望度が下がった経験がある人は、メンバークラス（一般社員・係長）で49.6%、管理職クラス（課長・部長・経営者・役員）で58.2%でした。</p><p>志望度が下がった理由の最多は、メンバークラスでは「面接官の態度・印象が悪い」（50.4%）です。管理職クラスでは「社風が合わないと感じた」（46.1%）と「待遇や条件が希望と合わなかった」（45.4%）が上位でした（doda人事ジャーナル調査・転職経験者525名・2025年6月）。社風を確かめる手がかりの多くは面接官とのやり取りなので、管理職クラスでも面接官の振る舞いは判断材料に入ると考えられます。</p><p>面接官の発言に違和感を持っても、候補者はそれを企業に言いません。XTalent株式会社が2026年3〜4月に行った「転職活動におけるジェンダーバイアス実態調査」は有効回答136名と小規模ですが、面接で感じた違和感を企業に直接伝えた人は女性2.3%・男性9.1%にとどまりました。男女とも3割は、転職エージェントには伝えていました。</p><p>伝えなかった理由として、女性の41%・男性の29%が「選考への不利益を懸念」を挙げています（<a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000066.000049256.html">XTalent株式会社「転職活動におけるジェンダーバイアス実態調査」</a>・有効回答136名）。辞退の連絡に面接官のことが書かれていないのは、面接に問題が無かったからとは限りません。</p><h3 id="hc46cbb9fc6">中途採用の内定辞退率は2025年実績で15.0%</h3><p>マイナビ「中途採用状況調査2026年版（2025年実績）」によると、企業1社あたりの内定者数と採用者数の平均から計算した中途採用の内定辞退率は、2025年が15.0%でした（調査時期2025年12月17〜22日・2025年全体n=1,327）。2024年の9.3%から5.7ポイント上がっています。</p><p>この内定辞退率は辞退の理由を区別せずに計算した値で、面接官が原因の辞退がどれだけ含まれるかは分かりません。面接官の影響を測る材料は、自社の選考記録の中にしかありません。</p><h2 id="he069d44e52">候補者が不信感や辞退を挙げる面接官の言動は4つの型に分かれる</h2><p>doda人事ジャーナルの調査で候補者が不信感を持った点に挙げた面接官の言動と、XTalent株式会社の調査で辞退や志望度の低下につながった面接官の言動は、態度、準備と関心の不足、事前情報との食い違い、属性への決めつけの4つの型に分けられます。いずれも面接官に悪気が無くても起き、候補者の側では「入社後もこの人と働くのか」という判断に直結する言動です。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>型</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>候補者が挙げた言動</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>調査での回答（doda は不信感を持った点の割合）</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>態度</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>横柄・威圧的、態度が悪い</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>不信感を持った点の最多（メンバークラス35.2%・管理職クラス29.9%）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>準備と関心の不足</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>興味がなさそう、質問の意図が分からない</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>興味がなさそうな印象を受けた20.1%（メンバークラス）、質問の意図がわからない・回答が的を射ていない28.0%（管理職クラス）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>事前情報との食い違い</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>求人票や事前の説明と、面接で聞いた内容が違う</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>事前情報と面接の内容に乖離がある24.6%（メンバークラス）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>属性への決めつけ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>性別による役割の決めつけ、結婚・出産に関する質問</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>「結婚・出産に関する質問」などで女性の6割以上が辞退か志望度低下（XTalent調査）</p></td></tr></tbody></table><p>出所：doda人事ジャーナル調査（2025年6月・転職経験者525名）とXTalent株式会社「転職活動におけるジェンダーバイアス実態調査」（2026年3〜4月・有効回答136名）から編集部が型に分けて作成。</p><p>4つの型のうち、面接官が自分で気づきにくいのは準備と関心の不足です。面接官は質問しているつもりでも、候補者の側からは書類に書いたことを確かめられただけに見えることがあります。</p><h3 id="ha1dbbf6fd5">威圧的な態度は、ストレス耐性を見るつもりでも避ける</h3><p>威圧的な態度は、ストレス耐性を確かめる意図があっても避けるべき言動です。厚生労働省の「採用選考自主点検資料 令和7年度版」は、職務上必要なストレス耐性を評価する意図がある場合でも、面接担当者が過度に威圧的な態度をとり、応募者の人権や人格を損なわないよう求めています。</p><p>同資料は、威圧的な対応や感情的な批判、説教じみた発言がSNS（ソーシャル・ネットワーキング・サービス）やインターネットの掲示板に書き込まれて拡散され、企業イメージの低下につながる場合があるとも注意しています（<a href="https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-hellowork/content/contents/002208277.pdf">厚生労働省「採用選考自主点検資料 令和7年度版」</a>）。候補者が困難な場面でどう動くかを知りたいなら、圧をかけるのではなく、前職で実際に起きた難しい場面と、そのとき取った行動を具体的に聞きます。</p><h3 id="h364b13463f">家族に関する質問は、場を和らげるつもりで聞いてしまいやすい</h3><p>家族や家庭環境に関する質問は、面接官が雑談のつもりで聞いてしまいやすい言動です。厚生労働省の「採用選考時に配慮すべき事項」は、応募者から「本人の適性・能力以外の事項を把握された」と指摘があったもののうち、「家族に関すること」の質問が多くを占めると書いています。面接の空気を和らげるために聞いてしまうケースが多いという注意も添えられています。</p><p>本籍・出生地、家族、生活環境・家庭環境などは、同ページが就職差別につながるおそれがある14事項として挙げているものです（<a href="https://kouseisaiyou.mhlw.go.jp/consider.html">厚生労働省「採用選考時に配慮すべき事項」</a>）。法令で収集が禁じられる事項と、行政が配慮を求める事項の線引きは、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/a_00077">面接官の役割と聞いてはいけない質問の線引き</a>で扱っています。</p><h2 id="hc74f432059">中途の候補者は平均3回前後の面接で、面接官を比べている</h2><p>中途採用の候補者は、1社の選考で平均3回前後の面接を受け、そのたびに面接官から会社の印象を受け取ります。マイナビ「中途採用状況調査2026年版（2025年実績）」では、応募者1人あたりの平均面接回数はWEB面接で3.0回、対面面接で2.8回でした（1次面接をWEB／対面で実施したことがある人事担当者の回答）。</p><p>同じ調査で、応募から内定応諾までの合計日数はWEB面接で平均31.5日、対面面接で平均30.2日です。約1か月のあいだに他社の選考を並行して進める候補者も多く、doda人事ジャーナルの調査では、選考中に面接を辞退した人の辞退理由の最多が、メンバークラスで「他社で選考合格になった」（60.1%）でした。</p><p>面接官の1人が印象を落とすと、他社と比べられている最中なので、残りの面接で取り戻せる余地は小さくなります。最終面接を担う役員や部門長は入社後の上司として見られるため、1回の言動の重みがとくに大きい立場です。</p><h2 id="h04d4a3567d">面接官が原因の辞退は、辞退理由ではなく選考の記録から見つける</h2><p>面接官が原因の辞退を見つけるには、辞退連絡に書かれた理由を集計するのではなく、面接官ごと・選考段階ごとの記録を突き合わせます。候補者は面接官への違和感を企業にほとんど伝えません（XTalent調査で女性2.3%・男性9.1%）。辞退理由の欄だけを見ていると、原因は「他社決定」や「条件」に紛れて見えなくなります。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>記録する項目</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>記録から分かること</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>候補者ごとに、どの段階の面接を誰が担当したか</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>辞退や志望度の低下が、特定の面接官の後に続いていないか</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>各面接の後に候補者が次へ進む意思を示した日と、辞退の連絡が来た日</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>辞退がどの面接の直後に決まったか</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>面接官ごとの、通過を出した候補者の人数と、そのうち次の段階や内定を辞退した人数</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>面接官による差（分母は通過を出した人数で揃える）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>紹介会社経由の候補者について、担当者から聞いた面接の感想</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>候補者が企業には言わない、面接官への受け止め</p></td></tr></tbody></table><p>面接官1人が担当する人数が少ないうちは、数件の辞退でも率は大きく動きます。率だけで面接官を評価するのではなく、同じ面接官の後に辞退が続いたときに、その面接の質問と進め方を見直すきっかけにするのが現実的な使い方です。辞退率や承諾率の分母の置き方は、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/offer-acceptance-rate">承諾率の3つの指標を整理した記事</a>で扱っています。</p><h3 id="h011dab5524">紹介会社の担当者と面接後のアンケートで、候補者の受け止めを拾う</h3><p>候補者が企業には言わない面接官への受け止めを拾う経路は、紹介会社の担当者と、選考結果と切り離した面接後のアンケートの2つです。XTalent株式会社の調査では、面接で感じた違和感を転職エージェントには伝えた人が男女とも3割いました。紹介会社経由の候補者なら、面接のたびに担当者へ面接官の印象を聞いておくと、辞退の連絡が来る前に手を打てます。</p><p>アンケートを取るなら、回答が選考に影響しないことを明記し、人事が集計して、面接官には個人が分からない形で返すのが前提です。違和感を伝えなかった理由に「選考への不利益を懸念」を挙げた人が女性41%・男性29%いた（XTalent調査）ことを踏まえると、選考を担当する面接官本人が回収する形では、率直な回答は集まりにくいと考えられます。</p><h2 id="h686c3af554">面接官が辞退を防ぐために、面接の前・中・後でやること</h2><p>面接官が辞退を防ぐためにやることは、面接の前に候補者の書類と事前に伝えた情報を読み込むこと、面接中に見極めと自社の説明の両方を行うこと、面接の後に評価と懸念を素早く次へ渡すことの3つです。どれも面接官1人の心がけに任せず、採用担当が手順として用意できます。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>段階</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>面接官がやること</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>防げる型</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>面接の前</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>職務経歴書を読み、確かめたい点を質問にしておく。求人票とスカウトの文面で候補者に伝えた内容を確認する</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>準備と関心の不足、事前情報との食い違い</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>面接中</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>自己紹介と面接の進め方の説明から入る。質問の意図を添える。仕事内容と配属先を具体的に話し、逆質問の時間を残す</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>態度、準備と関心の不足</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>面接の後</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>評価を当日中に記録し、確かめた点と残った懸念を次の面接官へ渡す。結果の連絡を待たせない</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>同じ質問の繰り返し、連絡の遅れ</p></td></tr></tbody></table><h3 id="h44477c8cb9">面接の前に、候補者が読んだ求人票と同じ情報を持って臨む</h3><p>事前情報との食い違いは、面接官が求人票やスカウトの文面を読まずに面接へ入ると起きます。doda人事ジャーナルの調査では、メンバークラスの志望度が下がった理由の2位が「仕事内容が想像と違った」（48.1%）でした。面接官は、候補者が応募の前に読んだ求人票と、人事が送ったスカウトや案内の文面に目を通してから面接に入ります。</p><p>求人票の書き方そのものが曖昧だと、面接官がいくら準備しても食い違いは消えません。エンジニア職の採用なら、候補者が面接の前に目にする求人票や採用ページの状態を、Offers の<a href="https://service.offers.jp/client/hiring-check/?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-whitepaper&amp;utm_content=interviewer-offer-decline">エンジニア採用力チェック</a>で確かめられます。企業のURLを入れると、公開情報をもとに5指標24項目で採点したレポートが原則1営業日以内に届きます（面接の進め方や面接官の対応は採点の対象外です）。</p><h3 id="hb432aa71d8">面接中は、見極めと自社の説明を同じ面接の中で分けて行う</h3><p>面接中の面接官の役割は、候補者を見極めることと、候補者が入社を判断できるだけの情報を渡すことの2つです。厚生労働省の「採用選考自主点検資料 令和7年度版」も、面接の目的の第1に、採用条件・労働条件の伝達や自社のアピールを含む、お互いの意思疎通を図る情報交換の場であることを挙げています。</p><p>面接の時間を、候補者の経験を聞く部分と、面接官が仕事内容・配属先・評価のされ方を説明する部分に分け、説明の時間を必ず残してください。質問には「この質問では、チームで意見が割れたときの進め方を知りたい」のように意図を一言添えます。doda人事ジャーナルの調査では、管理職クラスの候補者の28.0%が、不信感を持った点に「質問の意図がわからない、回答が的を射ていない」を挙げていました。</p><p>逆質問に面接官が答えられないときは、その場で推測で答えず、人事から後日回答すると伝えます。</p><h3 id="hdfa0be3154">面接の後は、評価と残った懸念を次の面接官へ渡す</h3><p>面接の後に面接官がやることは、評価を当日中に記録し、確かめた点と残った懸念を次の段階の面接官へ渡すことです。引き継ぎが無いと、候補者は同じ質問を何度も受け、社内で情報が共有されていない会社だと受け止めかねません。</p><p>面接官の評価の提出が遅れると、候補者への結果の連絡もそのぶん延びます。マイナビ「中途採用状況調査2026年版（2025年実績）」では、WEB面接の場合、1次面接から内定までが平均11.0日、内定通知から応諾までが平均8.9日でした。連絡が延びるほど、候補者が他社の結果と比べる時間は長くなります。</p><h2 id="h8b7aa34e04">面接官を誰に任せ、どう揃えるかは採用担当が決める</h2><p>辞退を面接官個人の資質の問題にしないために、採用担当が決めておくことは3つです。誰を面接官にするか、何を基準に評価するか、面接官どうしで何を共有するかです。厚生労働省の「採用選考自主点検資料 令和7年度版」は、面接の点検項目として「面接官の人選は適切か」「面接官の研修、打合せはできたか」「面接の質問内容は適切か」の3つを挙げています。</p><p>同資料は、面接の評価の留意点として次の4つも挙げています（厚生労働省「採用選考自主点検資料 令和7年度版」）。</p><ul><li>あらかじめ評価基準を決めているか</li><li>面接マニュアル等を作成し、面接担当者全員で共有されているか</li><li>できるだけ客観的かつ公平に評価するため、複数の面接担当者で選考しているか</li><li>応募書類などのデータを整理し、面接の中で確認しながら総合的な評価を行っているか</li></ul><p>複数の面接官で選考する形は、1人の面接官の印象だけで候補者の評価が決まらないようにするための仕組みです。複数の面接官が同席する形なら、面接官どうしが互いの質問や進め方を見る機会にもなり、辞退につながる言動に気づきやすくなります。面接官研修の内容と選び方は、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/interviewer-training-selection">面接官研修の選び方</a>で精度・法令・費用の3点から整理しています。</p><p>面接官の関わり方は、内定辞退を防ぐ取り組みの一部です。条件提示や内定後のフォローを含む全体像は、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/offer-decline-prevention">内定辞退防止の進め方</a>にまとめています。</p><h2 id="hab4ed6d844">面接官と内定辞退の要点</h2><p>面接官の言動は候補者の志望度を下げる主な理由の一つで、しかも候補者はその理由を企業にほとんど伝えません。面接官が原因の辞退を減らすには、言動の型を面接官と共有し、面接官ごとの記録で原因を見つけ、面接の前・中・後の手順を採用担当が用意することが要になります。</p><ul><li>候補者が不信感を持った点や辞退・志望度低下の理由に挙げる面接官の言動は、態度、準備と関心の不足、事前情報との食い違い、属性への決めつけの4つの型に分かれる</li><li>候補者は違和感を企業に直接伝えないため、辞退理由の集計ではなく、面接官ごと・選考段階ごとの記録から原因を探す</li><li>紹介会社の担当者と、選考結果と切り離したアンケートが、候補者の受け止めを拾う経路になる</li><li>面接官の人選・評価基準・引き継ぎの手順は採用担当が決め、面接官1人の心がけに任せない</li></ul>

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## [人材紹介の活用事例11社｜厚労省事例集で読む](https://hr-media.offers.jp/articles/recruitment-agency-case-studies)

**公開日**: 2026-10-04
**著者**: 鈴木 裕斗
**カテゴリ**: 組織

<p>人材紹介の事例を検索すると、紹介会社や、紹介会社の管理を代行するサービス会社が自社の実績として載せた成功例が多く並びます。利用企業の担当者の声を載せたものもありますが、どの事例を載せるかを選んだのは紹介会社・サービス会社の側です。</p><p>厚生労働省が2025年3月にまとめた中途採用の事例集は、紹介会社ではない立場から事業会社の採用の進め方を記録しています。人材紹介に触れた企業の記述を拾うと、どの職種に紹介会社を使い、何を伝え、面接で何を確かめ直したかがそれぞれ違っていました。以下では、その違いを採用の充足と入社後の定着とあわせて整理しました。</p><h2 id="h20b96cd1d2">人材紹介の活用事例11社と入社3年後の定着率</h2><p>厚生労働省「<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/001474492.pdf">人材の確保・定着に成功した企業の取組事例集～採用活動のコツ～</a>」（令和7年3月）は中途採用の好事例14社を載せており、そのうち11社が採用活動の欄で人材紹介会社の利用に触れています。入社3年後時点の定着率は、11社のうち10社が載せています。その値は4割程度から96〜97%まで開いていました。事例集の定着率は各社の中途採用者全体の値で、人材紹介経由で入社した人に絞った値ではありません。</p><p>事例集は各社の取組を並べた記録で、定着率の差がどこから来るかまでは分析していません。定着率が4割程度の冨田病院も、面接前の院内見学でミスマッチを防いでいると書かれており、そのうえで看護師・介護福祉士は入れ替わりが激しいという職種の事情を挙げています。各社が成功のポイントとして挙げているのは、求人票や職場見学、面接で何をどこまで伝えたかが中心です。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>企業（業種・所在地）</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>人材紹介の使い方</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>採用の充足</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>入社3年後の定着率</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>Q.ENEST（キューエネス）でんき株式会社（電気・ガス・熱供給・水道業・東京都）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>採用実績は人材紹介が多い。リファラル採用とダイレクトリクルーティングも進める</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>一部のポジションを除き充足</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>9割弱</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>医療法人木南舎 冨田病院（医療、福祉・愛知県）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>ハローワークが主だが、応募数・採用数が多いのは人材紹介</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>欠員補充は充足</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>4割程度</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>A社（製造業・和歌山県）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>管理職は人材紹介。一般職はハローワークの個別説明会と地元の企業説明会</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>管理職は目標数を採用、一般職は年間数名が不足</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>約70%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>B社（製造業・埼玉県）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>費用はかかるが、求職者との調整を担ってくれる点を評価して活用</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>採用計画の要員を充足</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>85%程度</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>株式会社ちよだ鮨（卸売業、小売業・東京都）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>特定の人材紹介会社だけを利用</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>必要な人数はすべて採用</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>8割以上</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>医療法人江頭会さくら病院（医療、福祉・福岡県）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>看護師は人材紹介がほとんど。事務系・介護系はハローワークが多い</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>記載なし</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>病院部門87%・介護部門66%（令和5年度の定着率）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>名阪食品株式会社（宿泊業，飲食サービス業・大阪府）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>エリアマネージャーと管理職は人材紹介、栄養士職は求人メディア</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>ほぼ充足</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>エリアマネージャーで9割程度</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>今治造船株式会社（製造業・愛媛県）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>採用時は人材紹介を使う場合がほとんど</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>欠員補充は達成</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>9割以上</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>日本新薬株式会社（製造業・京都府）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>人材紹介が中心で、得意領域に応じて事業者を使い分け</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>募集ポジションはいずれも充足</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>96〜97%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>株式会社レオパレス21（不動産業、物品賃貸業・東京都）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>人材紹介を利用し、専門職はダイレクトリクルーティング</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>中途採用は経営計画上の目標以上</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>94%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>三井化学株式会社（製造業・東京都）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>採用数の7割ほどが人材紹介、リファラル採用が15〜20%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>採用目標の90%程度</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>約80%</p></td></tr></tbody></table><p>出所：厚生労働省「人材の確保・定着に成功した企業の取組事例集～採用活動のコツ～」（2025年3月）をもとに編集部作成。</p><p>同じ事例集のコラムによると、厚生労働省の委託事業で行った企業アンケートでは、管理職の採用で最も多く使われるルートが人材紹介会社・転職エージェントなど（60.9%）でした。現業職ではハローワークが最も多く（73.9%）、企業は採用する人材のタイプで経路を使い分けています。</p><h2 id="h7f40ee1a2b">人材紹介の使い方は3つの型に分かれる</h2><p>事例集の11社を、人材紹介が主な経路だと書かれているか、人材紹介を使う職種を決めているかで振り分けると、採用の中心に置く型（5社）、管理職や看護師など特定の職種に絞る型（3社）、人材紹介を主な経路とは書いていない型（3社）に分かれます。型の分け方は事例集の記述をもとにした編集部の分類で、事例集自体はこの区分を使っていません。ほかの経路も並行して使う会社は、事例集が人材紹介を主な経路として書いているかどうかで振り分けました。</p><h3 id="hf005c71d87">採用の中心に置く型</h3><p>今治造船株式会社は「採用時は、人材紹介会社を使う場合がほとんど」と書かれています。三井化学株式会社は採用数の7割ほどが人材紹介で、日本新薬株式会社も人材紹介による採用が中心です。株式会社ちよだ鮨は特定の紹介会社だけを使い、Q.ENEST（キューエネス）でんき株式会社も採用実績は人材紹介が多いと答えています。</p><p>このうち日本新薬は、得意領域に応じて紹介会社を使い分けていました。一方のちよだ鮨は、紹介会社を絞り込んで自社への理解を深めてもらう方を選んでいます。同じ「中心に置く型」でも、紹介会社の数の持ち方は逆でした。</p><p>中心に置く型でも、人材紹介だけで採用しているとは限りません。三井化学は人材紹介に次いでリファラル採用が15〜20%を占め、Q.ENESTでんきもリファラル採用とダイレクトリクルーティングの活用を進めています。</p><h3 id="h18fdfa3716">職種を絞る型</h3><p>A社は管理職、名阪食品株式会社はエリアマネージャーと管理職、医療法人江頭会さくら病院は看護師と、人材紹介を使う職種を決めています。それ以外の職種は、ハローワークや地元の企業説明会、求人メディアで募集していました。</p><p>さくら病院は、一定の能力・経験を持つ求職者をあらかじめ選別してもらえることを、看護師に人材紹介を使う理由に挙げています。事務系や介護系の職種では、応募者を早く紹介してもらえるハローワークを使っていました。</p><h3 id="h1dae38c128">人材紹介を主な経路とは書いていない型</h3><p>事例集で主な経路が人材紹介以外だと書かれているか、どれが主かの記載がない3社がこの型です。医療法人木南舎 冨田病院はハローワークを主に使っていますが、応募数と採用数が結果として多いのは人材紹介会社でした。結果の数では人材紹介が上回っていても、事例集が主な経路として書いているのはハローワークです。株式会社レオパレス21は人材紹介を使いながら、専門職の採用にはダイレクトリクルーティングを使っています。B社は人材紹介会社を活用していると書かれていますが、ほかの経路や採用に占める割合の記載はありません。</p><h2 id="hcb21f7ea97">人材紹介を使う理由を書いた3社が挙げた認知・調整・選別</h2><p>事例集の11社のうち、人材紹介を使う理由を書いているのはQ.ENESTでんき株式会社・B社・医療法人江頭会さくら病院の3社で、挙げた理由は求職者に知られていない会社を紹介会社が勧めてくれること、求職者との調整の手間を担ってくれること、経験のある人を選んで紹介してくれることでした。株式会社ちよだ鮨が書いているのは、人材紹介を使う理由ではなく特定の紹介会社に絞る理由で、キャリアアドバイザーに研修と店舗の業務を見てもらって理解を深めてもらったうえで、自社に合う人を紹介してもらうためとしています。残る7社（A社・冨田病院・名阪食品・今治造船・日本新薬・レオパレス21・三井化学）には、人材紹介を使う理由の記載がありません。11社のうち人材紹介の費用に触れているのはB社だけで、同社は費用がかかる点を承知のうえで使っていました。</p><p>Q.ENESTでんき株式会社が利点に挙げたのは、求職者の間で自社の認知度が必ずしも高くないなかで、「知らない企業だろうけど、こういういいところがある」と紹介会社が求職者に勧めてくれる点でした。B社は「費用がかかるが、求職者との調整など手のかかる部分を担ってくれる利点が大きい」と答えています。</p><p>人材紹介の仕組みや手数料の決まり方そのものは、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/recruitment-agency">人材紹介とは？企業側の手数料・契約と会社の選び方</a>で扱っています。</p><h2 id="h410510f306">採用が充足した企業が求人票と紹介会社に伝えた情報</h2><p>事例集で採用が充足したと書かれた企業のうち、Q.ENESTでんき株式会社・B社・株式会社ちよだ鮨の3社は、求職者が応募を判断するための情報を求人票や紹介会社への説明に書き込んでいました。ちよだ鮨は、紹介会社の担当者に研修と店舗の業務まで見てもらっています。</p><p>ちよだ鮨は、キャリアアドバイザーに入社後の研修内容と店舗の業務内容を見てもらい、店長に求められる役割とあわせて理解してもらったうえで紹介を受けています。分単位の労働時間管理など、同業出身者の不安に応える制度は紹介会社経由か面接で伝え、評価制度は面談で説明していました。</p><p>Q.ENESTでんき株式会社は、求職者が知りたいであろう業務内容・賃金・福利厚生をすべて求人票に入れ、入社後に求めるスキルや将来の期待まで手厚く書いています。B社も応募の判断に要る情報をなるべく求人票に記載し、求める人物像やポジション、期待する役割を書いていました。</p><p>紹介会社に渡す求人票の項目と書き方は、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/recruitment-agency-job-sheet">人材紹介の求人票｜紹介会社に渡す項目と書き方</a>にまとめています。</p><h2 id="h614e03f95f">紹介された候補者との面接で確かめ直したことと伝えたこと</h2><p>日本新薬株式会社は紹介会社から聞いた内容を面談で本人に確かめ直し、株式会社レオパレス21・名阪食品株式会社・今治造船株式会社は求職者に不利な情報も面接で伝えていました。4社とも、入社後のミスマッチを減らすための工程として事例集に記録されています。</p><p>日本新薬株式会社は、書類選考と1次面接の間にカジュアル面談を置いています。採用担当者と配属予定先の部課長が出て、事前に転職エージェントから聞いている内容を求職者に改めて確認していました。事例集は、こうしたプロセスの丁寧さが人材の確保と定着率につながっていると記しています。</p><p>レオパレス21は、1次面接の後半を過去の出来事（事例集の表現では「過去事象」）を含めた会社の状況の説明にあてていました。会社への理解を深めてもらい、短期離職を防ぐためです。名阪食品は、休日の電話対応や早朝の出勤といった本人に不利になる点を面接で説明しており、エリアマネージャーの定着につながっていると考えています。今治造船も、業務内容や残業時間、休日数などの労働環境と業務の大変さを面接で説明していました。</p><p>紹介会社に任せる仕事と人事が自分で持つ仕事の分け方は、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/hr-recruitment-agency">人事が人材紹介で担う仕事｜期待と不満から逆算</a>で詳しく扱っています。</p><h2 id="h61cec33d50">エンジニア採用で人材紹介とは別にスカウトの経路を持った事例</h2><p>エンジニアの採用では、求人媒体や紹介会社の推薦を待つだけでなく、企業の側から候補者に声をかけるスカウトの経路を持つ会社もあります。株式会社overflowが運営するOffersの導入事例では、求人媒体やエージェントでは採用に至らなかった会社と、もともとスカウト採用に力を入れていた会社の2社が、この経路を持った例です。</p><p><a href="https://offers.jp/cases/nyle">ナイル株式会社</a>は、自動車産業DX事業部でハイクラスなエンジニアの採用を強化するなかで、主要な求人媒体やエージェントも使っていましたが、採用には至っていませんでした。初期は運用をRPO（採用代行）として委託し、現在はスカウト運用を内製化しています。正社員1名の採用を実現したと事例ページに書かれています。</p><p><a href="https://offers.jp/cases/clear">株式会社クリア</a>は、即戦力エンジニアの正社員採用を強化するなかで、応募数をどれだけ増やせるかを最大の課題に挙げていた会社です。待ちの採用ではなくスカウト採用に力を入れており、導入から1年弱で正社員採用につながりました。同社は今後も複数の採用チャネルで応募数を増やす方針で、「人材紹介は採用単価が高くなりやすい」と述べています。</p><p>エンジニアの採用で、紹介会社の推薦と並行して候補者に接触する経路を持ちたい場合は、OffersのAI RPOという選択肢があります。スカウトの設計・送信・追跡・候補者フォローはOffers側が代行し、企業側の対応はディープインタビューへの回答、候補者リストの確認、候補者との面談・選考です。サービスページでは、既存のエージェントとの併用もできると案内しています。<a href="https://offers.jp/client/ai-rpo?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-consult&amp;utm_content=recruitment-agency-case-studies">AI RPOのサービス内容を見る</a></p><h2 id="h74fc95e0fc">公的統計で見る人材紹介の件数と1件あたりの手数料</h2><p>厚生労働省の<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001683019.pdf">令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果（速報）</a>（2026年3月31日公表）によると、有料職業紹介事業による常用就職件数は888,993件で、前年度より5.3%増えました。常用就職1件あたりの手数料は約103万円で、同10.9%増です。</p><p>同じ報告書の職業別の集計では、有料職業紹介による情報処理・通信技術者（ソフトウェア開発）の常用就職件数が39,780件で、前年度から11.4%増えています。</p><p>報告書の注記によれば、事業報告を提出した有料職業紹介事業所30,561のうち、就職実績のあった事業所は13,946でした。割合にすると45.6%（編集部算出）で、報告を出した事業所の半数以上は、その年度の就職実績がありませんでした。</p><p>手数料率の水準は、厚生労働省の資料「<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001622750.pdf">職業紹介事業における職種別手数料、離職状況について</a>」（2025年12月25日公表）が示しています。人材サービス総合サイトの掲載分（令和6年度実績・令和7年10月末時点）で、平均手数料率実績は全職種で24.0%、情報処理・通信技術者（ソフトウェア開発）で31.2%でした。この平均は事業所ごとの手数料率実績を平均したもので、各事業所の就職件数による重みづけはしていないと資料に断り書きがあります。成約1件あたりの業界平均とは別物です。職種別の1件あたりの金額は、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/recruitment-fee">人材紹介の費用、職種別の1件あたり実額と課金モデル</a>で扱っています。</p><h2 id="hd729f6482a">事例を自社に当てはめる前に紹介会社の実績を確かめる</h2><p>紹介会社が自社サイトに載せる事例は、その会社が選んで掲載した成功例です。自社の採用に当てはめる前に、厚生労働省の人材サービス総合サイトで、その紹介会社の就職者数や6か月以内の離職者数、手数料を確かめておくと、事例ページの外側にある実績を紹介会社どうしで同じ項目で比べられます。</p><p>厚生労働省・都道府県労働局のパンフレット「<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/000851398.pdf">職業紹介事業者を利用する際の主なポイント</a>」は、<a href="https://jinzai.hellowork.mhlw.go.jp/JinzaiWeb/">人材サービス総合サイト</a>で次の事項を確認できると案内しています。</p><ul><li>紹介により就職した者の数</li><li>そのうち6か月以内に離職した者の数</li><li>手数料に関する事項</li><li>返戻金制度（短期間で離職した場合に手数料を返金する制度）の有無や内容</li><li>得意とする分野など（紹介会社が任意で掲載）</li></ul><p>同じパンフレットの注記によれば、早期離職者の数は職種や業界で事情が異なるため、参考情報の一つとして確認するものです。前出の厚生労働省資料（2025年12月25日公表）では、令和5年度事業報告に基づく平均離職率が全職種で7.9%、情報処理・通信技術者で2.9%でした。この離職率は、令和4年度に無期雇用で常用就職した人のうち就職後6か月以内に離職した人の割合を事業所ごとに出し、就職件数による重みづけをせずに平均した値です。離職者数の読み方は、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/placement-turnover-rate">人材紹介の離職率｜6か月以内の公開データの読み方</a>で詳しく扱っています。</p><h2 id="hdc97563d3f">人材紹介の事例を読むときの確認表</h2><p>人材紹介の事例を読むときに確かめるのは、誰が載せた事例か、どの職種に使ったか、求人票と紹介会社を通じて何を伝えたか、面接で何を確かめ直したか、入社後に定着したか、紹介会社の実績の6点です。公的な事例集も採用に成功した企業を選んで載せた好事例集ですが、紹介会社の事例ページでは見えにくい、企業の側が求人票や面接で何を準備したかを確かめられます。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>確かめること</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>見る場所</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>事例集の11社で読み取れたこと</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>誰が載せた事例か</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>掲載元（紹介会社・サービス会社・公的機関）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>厚生労働省の発行で、紹介会社の側の記録ではない</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>人材紹介をどの職種に使ったか</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>採用活動の記述</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>管理職・看護師に絞った会社と、採用の大半を任せた会社がある</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>求人票と紹介会社を通じて何を伝えたか</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>求人票・紹介会社への説明の記述</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>求人票に業務内容・賃金・福利厚生まで書いた会社と、紹介会社の担当者に研修と店舗の業務を見てもらった会社がある</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>面接で何を確かめ直したか</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>選考工程の記述</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>紹介会社から聞いた内容を、面談で本人に確かめ直した会社がある</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>入社後に定着したか</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>定着率・採用後の取組の記述</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>入社3年後の定着率（中途採用者全体の値で、人材紹介経由に限らない）は4割程度から96〜97%まで開く</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>紹介会社の実績</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>人材サービス総合サイト</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>就職者数・6か月以内の離職者数・手数料・返戻金制度を確認できる</p></td></tr></tbody></table><p>表の右列は、紹介会社を使うかどうかの判断より前に、自社で準備できることの一覧として使えます。求人票と面接の中身は、どの紹介会社と組んでも企業の側が持つ部分です。</p>

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## [人材紹介経由の内定辞退と手数料、企業の対応](https://hr-media.offers.jp/articles/recruitment-agency-offer-decline)

**公開日**: 2026-10-02
**著者**: 鈴木 裕斗
**カテゴリ**: 採用

<p>人材紹介会社から紹介された候補者の内定辞退が直接応募の辞退と違うのは、企業と候補者のあいだに紹介会社が入る点です。辞退の連絡は紹介会社の担当者から届き、手数料の有無は紹介会社との契約で決まり、代わりの候補者探しも紹介会社との相談から始まります。</p><p>法律上、候補者は内定を承諾した後でも辞退でき、企業がそれを止める手段はありません。企業の側で動かせるのは、契約の条件をあらかじめ読んでおくことと、辞退が起きにくい情報の渡し方を紹介会社と分け合うことです。候補者が辞退を伝える側の作法ではなく、求人を出している企業の人事担当者が判断する場面に絞って、手数料の決まり方から再募集までを順に追います。</p><h2 id="h0847e009a3">人材紹介経由の内定辞退で企業が判断する3つの場面</h2><p>人材紹介経由の内定辞退で企業が判断するのは、辞退の連絡をどの経路で受けて社内の誰に伝えるか、紹介手数料が発生するか、空いた枠を紹介会社の再推薦と自社の募集のどちらで埋めるか、の3つです。直接応募の辞退なら候補者とのやり取りだけで済みますが、紹介会社が入ると、3つとも紹介会社との契約と連絡の取り決めに左右されます。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>場面</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>企業が確かめること</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>手がかりになる資料</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>辞退の連絡</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>辞退が確定か、条件しだいで考え直す余地があるか</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>紹介会社の担当者からのメール・書面</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>紹介手数料</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>手数料の発生条件と、入社前の辞退の扱い</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>契約書と、求人の申込み後に紹介会社が示した手数料・返戻金制度の書面</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>空いた枠</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>再推薦の扱いと、次点の候補者の状況</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>契約の特約・覚書と、自社の選考記録</p></td></tr></tbody></table><p>3つのうち、後から取り返しがつかないのは手数料の扱いです。契約書を開くのは辞退の連絡を受けた当日にし、請求が届いてから読む順番にしないことで、紹介会社との食い違いを防げます。</p><h2 id="hc46cbb9fc6">中途採用の内定辞退率は2025年実績で15.0%</h2><p>マイナビ「中途採用状況調査2026年版（2025年実績）」によると、企業1社あたりの内定者数と採用者数の平均から計算した中途採用の内定辞退率は、2025年が15.0%でした（調査時期2025年12月17〜22日・2025年全体n=1,327）。2024年は9.3%だったので、1年で5.7ポイント上がっています。</p><p>同じ調査では、従業員51〜300名の企業が18.9%で規模別に最も高く、業種別では金融・保険・コンサルティングが24.3%でした（マイナビ「中途採用状況調査2026年版」・従業員51〜300名n=410、金融・保険・コンサルティングn=73）。ただし、この内定辞退率は採用手法を区別せずに計算した値で、人材紹介経由に限った辞退率は示されていません。人材紹介経由の内定辞退率を経路別に集計した公的な統計も、2026年10月時点の編集部の調べでは見つかりませんでした。</p><h3 id="hacedc6d8bc">人材紹介会社は採用到達率が最も高い手法</h3><p>同じ調査で、人材紹介会社を利用した企業のうち採用に繋がった企業の比率（採用到達率）は66.0%で、調査が並べた採用手法の中で最も高い値でした（マイナビ「中途採用状況調査2026年版」・人材紹介会社の利用者n=621）。人材紹介会社を使った企業の割合を、利用から採用までの段階で並べると次のとおりです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>人材紹介会社を使った段階</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>回答者全体に占める割合</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>利用した</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>41.4%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>内定を出した</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>28.5%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>採用に繋がった</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>27.3%</p></td></tr></tbody></table><p>出所：マイナビ「中途採用状況調査2026年版（2025年実績）」（調査時期2025年12月17〜22日・企業の人事担当者n=1,500）。</p><p>内定を出した企業と採用に繋がった企業の差は1.2ポイント（本稿で算出）です。ただし、マイナビのこの集計は企業単位の複数回答で、1社の中で何人に内定を出し、何人が辞退したかは表れません。紹介経由の辞退がどれだけ起きているかは、自社の記録で数えるほかありません。数え方は後半の節で扱います。</p><h2 id="hff81e15a1b">紹介手数料がかかるかは契約の発生条件と手数料の方式で決まる</h2><p>内定承諾後に辞退された場合に紹介手数料がかかるかどうかは、法律が一律に決めているのではなく、紹介会社との契約に書かれた手数料の発生条件で決まります。職業安定法と厚生労働省の業務運営要領が定めているのは、有料職業紹介事業者が受け取れる手数料の種類と、受け取りを始められる時点です。</p><p><a href="https://www.mhlw.go.jp/content/000851398.pdf">厚生労働省・都道府県労働局「職業紹介事業者を利用する際の主なポイント」</a>も、求人者が実際に支払う手数料の額は個別の契約で定めるものだと説明しています。業務運営要領 第6が手数料を上限制手数料と届出制手数料に分けて定める、徴収を始められる時点は次のとおりです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>方式</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>徴収を始められる時点</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>承諾後・入社前の辞退で確かめること</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>上限制手数料</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>徴収の基礎となる賃金が支払われた日以降（必要な清算の措置を約する場合は求人の申込みの受理以降）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>賃金が一度も支払われていないか。先に受け取った分があれば清算の取り決め</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>届出制手数料</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>求人の申込みを受理した時以降（額は厚生労働大臣に届け出た手数料表の額まで）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>契約書が手数料の発生を何に結びつけているか（入社日・内定承諾日など）</p></td></tr></tbody></table><p>出所：厚生労働省「<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/001497513.pdf">職業紹介事業の業務運営要領</a>」第6 手数料。</p><p>上限制手数料の最高額は、支払われた賃金額の100分の11（免税事業者は10.3）が基本で、6か月を超えて雇用された場合などは別の計算が定められています。入社前に辞退されて賃金が一度も支払われていなければ、この計算の基礎になる賃金がありません。自社の契約が上限制と届出制のどちらの方式かは、紹介会社が求人の申込みを受理した後に書面などで明示する手数料表で確かめます（業務運営要領 第6の3）。</p><p>一方の届出制手数料は、業務運営要領では求人を受け付けた時点から徴収できる仕組みです。内定承諾後の辞退で手数料が生じるかは、契約が手数料の発生を入社に置いているか、内定承諾に置いているか、入社前の辞退について別の定めを置いているかで決まります。契約書で読むのは、成功報酬の定義の条項と、返金・返戻金の条項の2か所です。</p><h3 id="h2690201ba9">手数料と返戻金の条件は紹介会社が書面で示している</h3><p>手数料と返戻金制度の条件は、紹介会社が求人の申込みを受理した後、速やかに書面や電子メールなどで企業に明示することになっています（<a href="https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000141">職業安定法</a>第32条の13、業務運営要領 第6の3）。明示の義務を負うのは紹介会社の側で、同じ内容は求職者にも示される決まりです。</p><p>辞退の連絡を受けたら、契約書とあわせて、この明示の書面も手元にそろえます。契約書と明示の書面で手数料の発生条件の書き方が食い違っているときは、請求が届く前に担当者へ書面で確かめておくと、後から請求の段階で揉めずに済みます。</p><h2 id="hf4db309aa0">返戻金制度は入社後の短期離職を主な対象とする仕組み</h2><p>返戻金制度は、紹介で入社した人が早い時期に辞めたときなどに手数料の全部または一部を返す仕組みで、入社前の内定辞退が対象に入るかは紹介会社ごとの規定しだいです。<a href="https://laws.e-gov.go.jp/law/322M40002000012">職業安定法施行規則</a>第24条の5は返戻金制度を、紹介で就職した人の早期離職と、これに準ずる事由があった場合に手数料を返す制度（これに準ずる制度を含む）と定めています。厚生労働省は求人者向けリーフレットで、返戻金制度を「短期間で離職した場合に手数料を返金する制度」と短く説明しています。</p><p>入社前の辞退で返金が問題になるのは、手数料を内定承諾の時点や求人の受理の時点など入社前に請求する契約になっていて、すでに請求や支払いが済んでいた場合です。上限制手数料を賃金の支払日より前に受け取るには、雇用関係が成立しなかった場合の精算の措置を約することが条件なので（職業安定法施行規則 別表）、その分が戻るかどうかは精算の取り決めで決まります。届出制手数料なら、返金されるかどうかは、契約の返戻金の規定が入社前の辞退まで含めているか、入社前の辞退について別の条項があるかで決まります。返戻金の規定が「入社後○か月以内の退職」としか書いていなければ、入社前の辞退はその規定の対象外と読むのが自然です。</p><p>紹介会社ごとの返戻金制度の有無と内容は、契約の前でも、厚生労働省の<a href="https://jinzai.hellowork.mhlw.go.jp/JinzaiWeb/">人材サービス総合サイト</a>で確かめられます。同じサイトでは、手数料に関する事項と、紹介で就職した人の数・そのうち6か月以内に離職した人の数も公開の対象です（厚生労働省「職業紹介事業者を利用する際の主なポイント」）。返戻金の規定の読み方と、契約で確認したいほかの項目は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/recruitment-agency">人材紹介とは？企業側の手数料・契約と会社の選び方</a>にまとめています。</p><h2 id="hb8d9078063">辞退の連絡は紹介会社から受け、当日中に経緯を記録に残す</h2><p>紹介経由の候補者の辞退を企業に伝えるのは、紹介会社の担当者です。企業は担当者から辞退の事実と、確定か考え直す余地があるかを確かめ、当日中に社内の面接官と承認者へ共有し、紹介会社には受け取った旨と次の進め方を、メールなど記録に残る形で返します。</p><p>返信で伝えるのは、辞退を受け止めたこと、再推薦を頼むかどうか、手数料の扱いで確かめたい点の3つです。電話で聞いた内容も、同じ日のうちにメールで要点を送り直しておきます。紹介会社への連絡文の型は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/recruitment-agency-email-examples">人材紹介会社への連絡例文7場面</a>にあります。</p><h3 id="h48c85e73dd">候補者は承諾後でも辞退でき、違約金は定められない</h3><p>内定承諾後の辞退でも、企業が候補者に入社を強いることや、辞退を理由に違約金を取ることはできません。内定によって労働契約が成立していると扱われる場合でも、期間の定めのない雇用であれば、労働者はいつでも解約を申し入れることができ、申入れの日から2週間で雇用は終わります（<a href="https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089">民法</a>第627条第1項）。</p><p>辞退に備えて違約金や賠償額を決めておくこともできません。<a href="https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049">労働基準法</a>第16条は、使用者が労働契約の不履行について違約金を定めたり、損害賠償額を予定したりする契約を禁じています。内定承諾書に「辞退した場合は○○円を支払う」と書く運用は、この条文に反する書き方です。</p><p>引き止めを紹介会社に任せきりにするのも避けたいところです。条件を見直す余地があるなら、提示できる上限を社内で決めたうえで、企業から一度だけ紹介会社経由で示し、それでも辞退なら受け止めます。</p><h3 id="hbf0a97e752">辞退者の個人情報は選考の終了後に整理する</h3><p>辞退で選考が終わった候補者の履歴書や面接記録は、扱いを決めて整理するところまでが辞退対応の一部です。厚生労働省の求人者向けリーフレットは、求人者が確認する項目として、選考が終わった後に求職者の個人情報を削除するなど適正に管理することを挙げています。</p><p>将来あらためて声をかけたい候補者がいる場合も、保管するかどうかは本人の同意と紹介会社との取り決めしだいです。面接官の手元のメモや共有フォルダの写しも、削除の対象に含めて確かめます。</p><h2 id="hafe8d8805f">空いた枠は再推薦と自社からの接触の2つの経路で埋める</h2><p>辞退で空いた枠は、紹介会社に再推薦を頼む経路と、自社から候補者に接触する経路の2つを並行させて埋めます。登録型の紹介会社の推薦は登録者の中から選ばれるため、同じ要件で頼み直しても、次の候補者が出てくるまでの時間は紹介会社の登録状況しだいです。</p><p>再推薦を頼むときは、辞退の理由と、選考で評価した点・懸念した点を紹介会社に伝え、要件を見直すかどうかを決めます。次点の候補者がいれば、他社の選考状況を紹介会社経由で確かめ、早めに連絡するのが先です。契約に同じポジションへの追加推薦の特約があるかも、このときに確かめます。</p><p>エンジニアの採用で、紹介会社の推薦を待つ以外の経路を持ちたい場合は、OffersのAI RPOという選択肢があります。スカウトの設計・送信・追跡・候補者フォローはすべてOffers側が代行し、企業側の対応はディープインタビューへの回答、候補者リストの確認、候補者との面談・選考です。サービスページでは、最短2週間で配信を始められると案内しています。<a href="https://offers.jp/client/ai-rpo?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-consult&amp;utm_content=recruitment-agency-offer-decline">AI RPOのサービス内容を見る</a></p><h2 id="h8eb92bbd6c">辞退を減らす分担は条件の一致・情報の届け方・回答期限の3つ</h2><p>紹介経由の内定辞退を減らすうえで企業が持つ役割は、求人票と内定時の条件を一致させること、候補者に届く情報を紹介会社と分け合うこと、回答期限を紹介会社と合わせて決めることの3つです。候補者との日々の連絡は紹介会社が担っていても、条件と情報の中身を決めるのは企業の側になります。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>役割</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>企業が持つこと</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>紹介会社に頼むこと</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>条件の一致</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>求人票と違う条件を出すときは、雇用契約の締結までに変更として明示する</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>候補者に伝わっている条件と提示内容のずれを、内定前に知らせてもらう</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>情報の届け方</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>面談・職場見学・配属先の社員と話す機会を用意する</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>候補者の懸念と、他社の選考状況を共有してもらう</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>回答期限</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>回答期限と、延長に応じる条件を決めて伝える</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>期限内の意思確認と、迷っている理由の聞き取り</p></td></tr></tbody></table><p>紹介会社は候補者の本音を聞ける立場にありますが、聞いた懸念に答える材料を持っているのは企業です。紹介会社から懸念が届いたら、誰が何を候補者に返すかをその場で決めておきます。</p><h3 id="hd565ff6d93">条件を変えるときは雇用契約の締結までに明示する</h3><p>紹介会社を通じて候補者に示した労働条件と違う条件で内定を出すときは、企業が雇用契約の締結までに、変更の内容を候補者に明示しなければなりません（職業安定法第5条の3第3項）。厚生労働省のリーフレットは、明示が要る場面として、当初の明示と異なる条件を示す場合、当初の範囲内で条件を特定する場合、当初示した条件を削除する場合、当初示していなかった条件を新たに示す場合の4つを挙げています。</p><p>求人票に書いた年収の幅の中で金額を決めて内定を出す、複数あった勤務地を1つに決めるといった場面も、この4つのうち「当初の範囲内で特定する場合」に当たります。内定の時点で初めて条件の違いを知った候補者が辞退を考え始めるのは、自然な流れです。紹介会社への求人の申込みから入社までの工程ごとの期限は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/recruitment-agency-flow">人材紹介のフロー9工程</a>で一覧にしています。</p><h2 id="h44bf5a0090">紹介会社ごとの辞退は段階と理由を1件ずつ記録して数える</h2><p>紹介経由の内定辞退が減っているかどうかは、紹介会社ごとに、内定を出した人数と入社した人数、辞退が起きた段階と理由を1件ずつ記録して数えないと分かりません。マイナビの調査が示す15.0%は全体の平均値から計算した値で、自社の紹介経由の辞退率と見比べるには、同じ考え方で自社の数字を出す必要があります。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>記録する項目</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>記録の例</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>使い道</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>紹介会社名</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>A社・B社</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>紹介会社ごとの辞退の偏りを見る</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>内定日・回答期限・辞退日</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>内定から辞退まで○日</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>回答期限の長さと辞退の関係を見る</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>辞退の段階</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>内定通知後の承諾前／承諾後の入社前</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>手数料の扱いが変わる境目で分ける</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>辞退の理由（紹介会社経由で聞いた内容）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>年収・現職からの引き止め・他社の内定</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>条件と情報の届け方のどちらを直すかを決める</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>把握していた他社の選考状況</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>最終面接が1社など</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>回答期限の決め方を見直す</p></td></tr></tbody></table><p>辞退率の式は「入社前に辞退した人数÷内定を出した人数」で、承諾前の辞退と承諾後の辞退は分けて数えるのが前提です。承諾後の辞退が多い紹介会社とは、手数料の発生条件と候補者への情報の渡し方を、次の契約更新の前に話し合う材料になります。承諾率の分母の置き方は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/offer-acceptance-rate">承諾率とは？分母の置き方で変わる3つの指標</a>で扱っています。</p><h2 id="h3ab2199996">人材紹介経由の内定辞退で押さえる要点</h2><p>人材紹介経由の内定辞退で企業が押さえる要点は、手数料は契約の発生条件で決まること、返戻金制度は入社後の短期離職を主な対象とする仕組みであること、辞退を減らす役割の中身は企業が決めることの3つです。</p><ul><li>承諾後の辞退に手数料がかかるかは、契約が手数料の発生を何に結びつけているかで決まる。法令と業務運営要領が定めるのは徴収を始められる時点まで（上限制は賃金の支払日以降で、清算の措置を約する場合は求人の受理以降も可。届出制は業務運営要領で求人の受理以降）</li><li>返戻金制度は「短期間で離職した場合」を主な対象とする仕組みで、入社前の辞退がその対象に入るかは契約の書き方を読む</li><li>辞退の連絡は紹介会社から受け、当日中に社内共有と記録に残る返信を済ませる。候補者に違約金は課せない</li><li>空いた枠は再推薦と自社からの接触を並行させる</li><li>求人票と違う条件で内定を出すなら、雇用契約の締結までに変更として明示する</li><li>紹介会社ごとの辞退は、段階と理由を分けて数える</li></ul><p>紹介経由に限らない内定辞退の全体像と、選考の入口から辞退を減らす手順は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/offer-decline-prevention">内定辞退防止とは？辞退率の平均とオファー承諾率の上げ方</a>にまとめています。</p>

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## [【イベントレポート】Ubieが実践するAI時代の人事評価 〜評価をAIに委ねたとき、人の役割はループのどこに残るのか〜](https://hr-media.offers.jp/articles/seminar_90)

**公開日**: 2026-10-01
**著者**: 鈴木 裕斗, 橋山 牧人
**カテゴリ**: イベントレポート

<p>人事評価をAIに委ねたとき、人の役割はどこに残るのでしょうか。評価のための作文、マネージャー同士のキャリブレーション、報酬への反映。評価にまつわる運用の多くをAIに任せられる時代が、すぐそこまで来ています。</p><p>一方で「AIの評価は信用できるのか」「従業員は監視されていると感じないか」という懸念も根強く残ります。AIに評価を任せる会社は、この問いにどう答えているのでしょうか。</p><p>本記事は、2026年9月17日に開催したウェビナー「Ubieが実践するAI時代の人事評価 〜評価をAIに委ねたとき、人の役割はループのどこに残るのか〜」のレポートです。</p><p>登壇したのは、Ubie株式会社 アクセラレーター本部 EM / HRBP / 生成AI推進室の橋山牧人様。同社が昨年から運用する、生成AIによる人事評価の仕組みを解説しました。進行は株式会社overflow 代表取締役 CEOの鈴木裕斗が務めました。</p><p>「なぜAIで評価するのか」「どう実現しているのか」「どんな学びがあったのか」という3部構成の講演と、視聴者からの質疑応答を収録しています。</p><h2 id="h14dc192013">なぜAIで人事評価を行うのか。4つの目的</h2><figure><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/883da367062143ccaf9ece08e4e140e5/5dd8ab29f0df4f5a8734c1a53ea62569/seminar_90_1.png" alt="ホラクラシー・中間管理職を置かない・評価を報酬に紐づけていない、というUbieの組織の3つの特徴を示したスライド" width="1280" height="743"></figure><h3 id="hed27386649">前提：ホラクラシーの組織で、評価を報酬に紐づけていなかった</h3><p>橋山様：Ubieはホラクラシーという組織形態をとっています。意思決定を人ではなく役割に紐づけ、そのロールが権限と責任を持つ構造です。マネジメントというロールを持つメンバーはいますが、中間管理職のように意思決定権を一人に集中させる形は取っていません。</p><p>また、これまで目標設定やフィードバックのサイクルは回していましたが、評価を報酬に紐づけていませんでした。事業の成長に応じて成果を適切に配分する必要が出てきたため、評価制度を作り直すことを決めました。その運用に生成AIをフルで活用することも、あわせて意思決定しています。</p><h3 id="h7367e1ce9c">人がコトに集中し、評価の過程からバイアスを外す</h3><figure><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/883da367062143ccaf9ece08e4e140e5/04701787cf8845b7b476397800980924/seminar_90_2.png" alt="評価のための作文をさせない・評価のレビューや調整に人の時間を使わない・人間は空いた時間を会社の成長に使う、という目的①を示したスライド" width="1280" height="743"></figure><p>橋山様：なぜAIで人事評価を行うのか。我々には大きく4つの目的があります。1つ目は、人がコトに集中できるようにすることです。評価のために自分がやったことを思い出してアピールしたり、作文をしたりすることに時間を使っているケースは多いのではないでしょうか。</p><p><strong>評価は事業を伸ばすための仕組みであり、その運用自体に時間を使いすぎるのは本末転倒</strong>です。評価のレビューや調整にも、マネジメントの工数を大きく使っている現実があります。人間の空いた時間はできるだけ会社の成長に使い、それ以外の業務をAIでやりたいと考えました。</p><p>2つ目は、評価の過程からバイアスを外すことです。AIで評価すると精度はどうなのか、という懸念が出てくるでしょう。しかし我々は、そもそも人間ですら精度高く評価できていない、という論に立っています。人間の評価は属人的で、評価者の記憶や暗黙知に頼るものです。</p><p>伝達は1on1というクローズドな場で行われ、マネージャー同士のキャリブレーションも限られたメンバーの中で行われます。評価がどう決まったかは公開されず、上司の評価能力や視野で結果が左右されます。</p><p>同じ物差しで全員を評価し、ファクトを網羅的に集め、ロジックを明瞭にして結果を検証・改善できる。このプロセスを回せることが、2つ目の目的です。</p><h3 id="heae0c5734c">AI時代の働き方に合わせ、すべての活動がデータ化される力学をつくる</h3><figure><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/883da367062143ccaf9ece08e4e140e5/3a57a67c0df2468f9a8d24d55bd6b527/seminar_90_3.png" alt="記録されていない活動は評価されないとして、日々の仕事がそのまま記録になる仕組みをつくるという目的④を示したスライド" width="1280" height="743"></figure><p>橋山様：3つ目は、AI時代の働き方に合わせることです。PdM・エンジニア・デザイナーの垣根は、すごい速さで溶けています。私自身もバックオフィスのマネージャーを兼務していますが、労務や採用といった専門家の集団がやっていたことを、生成AIの力を借りて一人が見られる領域が広がっています。</p><p>評価者は、自分の専門性に関連する評価だけをしていればよかったものが、より広い領域を評価しなければならなくなりました。一人の評価者が複数の専門的なロールを評価するのは非常に難しいため、AIでサポートする必要があります。</p><p>4つ目は、すべての活動がデータ化される力学をつくることです。AIが評価するということは、評価に必要なデータがすべてデジタル化されているということです。記録が残っていないと、そもそも評価の対象になりません。</p><p><strong>すべての活動がデータ化されないと評価されない、という力学が働く</strong>ことになります。ここで蓄積した活動データは評価以外にも大きく活用できることが、我々の知見として分かってきました。</p><h2 id="hb7bb9a55af">決めるのは代表だけ。本人から代表まで、間に誰も入れない</h2><figure><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/883da367062143ccaf9ece08e4e140e5/3f556bacdb624dcebb1db2aa97b4926d/seminar_90_4.png" alt="活動データが貯まる・AIがドラフトを作る・本人が補う・AIが検証し直す・代表が決める、という評価確定までの5ステップを示したスライド" width="1280" height="743"></figure><p>橋山様：設計思想は3つあります。人事評価に関する決定権を代表のみに持たせること、等級（グレード）を会社が求める成果の期待値の総和と考えること、そしてAIを使うからには24時間365日、自分が求めるタイミングで常時フィードバックが得られることです。</p><p>まず、代表のみが決定権を持つという点です。人々が何かをしたときに、活動ログが記録として貯まる仕組みを作っています。この記録から、AIが特定期間の評価のドラフトを作ります。</p><p>ドラフトに対して本人が足りない部分を補足するプロセスを設け、それをAIが検証する、というステップです。仮で確定したものを、最後に代表が承認する形です。</p><p>このフローのポイントは、マネージャーや他の役員、人事も含めて、通常なら評価に関わるメンバーが一切入っていません。<strong>本人と代表、プラスAIだけで評価全体が動く</strong>プロセスにしています。</p><p>これによって、人間同士の調整やマネージャーへのアピール、マネージャー同士のキャリブレーションといった政治的な力学が一切働かない設計になっています。</p><h2 id="hc55784be45">成果と能力を別々に測り、掛け合わせる</h2><figure><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/883da367062143ccaf9ece08e4e140e5/e036f50bc6fb44ebb1f91c5f954f76e2/seminar_90_5.png" alt="収益側・損失側・生産能力という成果の出し方と、行動指針Ubienessとコアスキルによる能力の見立て方を並べ、成果グレードと能力グレードを掛け合わせて総合グレードとするスライド" width="1280" height="743"></figure><p>橋山様：2つ目の設計思想は、グレードを成果の期待値の総和と考えることです。グレードの決め方として、成果と能力の2つを見立てることが重要です。事業を成長させることが成果として出るので、基本的に測りたいのは成果になります。</p><p>ただし、再現性高く成果を出せることは、能力として起算するものだと捉えています。成果は、やったことをそのまま定量化すると、定量化しやすい仕事とそうでない仕事が出てくるものです。そこで枠組みを作りました。</p><p>縦軸に収益側と損失側を置き、売上を直接生み出す仕事や、商談を前に進めて期待値を上げる仕事を成果と捉えます。効率化によるコスト削減や、品質を上げて将来発生し得る損失を防ぐことも、成果の型として定義しました。</p><p>すべての業務に関わる人が、何らかの成果を定量的に生み出せる考え方です。プロダクト組織であれば、仕組みを作って生産性を上げるという測り方もあります。</p><p>能力については、一人一人に求める行動指針であるUbienessと、それを支える専門性を含めたコアスキルのマップを用意しました。こちらで能力を測る形で、全体の評価制度を設計しています。</p><h3 id="he39c242724">サイクルを回すほど、成果が上がる確度が高まる</h3><figure><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/883da367062143ccaf9ece08e4e140e5/4b847a0632d54ef687916ab9e1d4ef60/seminar_90_6.png" alt="活動が自動で記録され、AIがフィードバックを返し、本人が次の一手を決めて動き方を変えるサイクルを日次・週次で回すことを示したスライド" width="1280" height="743"></figure><p>橋山様：3つ目は、常時フィードバックのサイクルを回せるようにすることです。活動が自動で記録されてAIが判断するので、人間と違って評価のタイミングや頻度に限界がありません。極端な話、毎日AIと壁打ちをして評価を受けることも可能です。</p><p>重要なのは、フィードバックをもらって本人が行動を修正すると、その結果がまた記録として残り、評価が回ることです。昨日やった活動が成果の上がる行動だったかどうかを、すぐに試せます。</p><p>人間中心の評価では早くても1週間、遅いと3か月や半期だったフィードバックサイクルを、<strong>極端な話、毎日回せる</strong>。これがこの設計思想の肝です。成果が上がる確度が会社全体として高まり、能力開発も自走的に行われるようになります。</p><h2 id="h2056c82d66">活動ログからAIがドラフトし、伴走AIが日々のフィードバックを返す</h2><figure><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/883da367062143ccaf9ece08e4e140e5/9d224ecb24d845eeae9bfd786508a4e3/seminar_90_7.png" alt="SlackやGitHub、JIRA、Notion、議事録などの活動ログを集約してActivity Reportを生成し、評価AIエージェントと伴走AIエージェントが参照する全体像を示したスライド" width="1280" height="661"></figure><p>橋山様：実装の話に入る前に、今作っているものをデモでご紹介します。まずアクティビティレポートです。Slackや議事録、GitHub、Notionといった会社の業務データを、BigQueryというGoogleのデータベースに集約しています。</p><p>そこから毎日の活動が、アクティビティレポートとして出てきます。いわゆる日報のようなもので、Google Meetで何をしていたか、JIRAやSlackでどんな活動をしていたかが、タイムライン上のサマリーで出てくる仕組みです。</p><p>「このエンジニアは直近どんなことをしていたか」とAIに聞けば、実装タスクの内容やチケット数を簡単に確認できます。チーム単位やプロジェクト単位での計測も可能です。</p><p>この一つ一つの活動記録が、生成AIによる評価のベースラインになります。活動記録に対しては、評価AIのエージェントが別に存在しています。対象期間の活動と、それによって生まれた成果をサマリーとして記録し、ドラフトを作るのがこのエージェントです。</p><p>我々はこれをファクトシートと呼んでおり、全員分を生成します。どの情報を参照したか、データソースもすべて付いています。</p><p>ここから作るのが、評価レポートのドラフトです。社内の基準に照らして「成果で言うと等級4相当、能力で言うと等級3相当で、結果として等級4相当ではないか」というドラフトが出てきます。なぜこの等級になったのか、一つ上の等級でない理由、一つ下の等級でない理由もAIがドラフティングします。</p><p>もう一つが、伴走するAIエージェントです。直近1か月に何をしたかをオープンクエスチョンで聞くと、アクティビティレポートを参照して、働き方の傾向や課題を評価基準や役割に応じてフィードバックしてくれます。</p><p>「どう成長できるか」「改善できるポイントはどこか」と聞けば、そこに向かう道筋を示してくれるエージェントです。納得できるものについては、本人が行動を変えていけます。</p><p>活動の記録や壁打ちの記録はすべてシステムに残るので、どういった人にどんな伸びしろがあるかを、後から人事側で分析することも容易です。会社全体の伸びしろがどこにあるかを踏まえて、制度全体をどうしていくかも考えられます。</p><h2 id="hc4a6034e89">AIがAIをレビューする。ヒューマン・オン・ザ・ループの実装</h2><figure><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/883da367062143ccaf9ece08e4e140e5/838626cea01f4e6aba4e4fff363bc7de/seminar_90_8.png" alt="正確性が求められる処理はワークフロープログラム、推測・解釈・要約が求められる処理は生成AIに分け、前処理・加工から要約・解釈、最終集約へ流すデータ処理の工夫を示したスライド" width="1280" height="743"></figure><h3 id="h895481105e">正確性が求められる処理はプログラム、推測や要約は生成AI</h3><p>橋山様：この評価チームは現時点では私を含めて3人で回しており、全員がエンジニアかデータ分析のバックグラウンドを持っています。そのため、実際にシステムを作り、ログの加工を行うことも可能です。</p><p>すべての情報を単純に生成AIに流し込むと、ノイズもデータ量も大きいのが実情です。そこで、正確性が求められる処理はプログラムで行い、コンテキストが正しく処理されたミニマムな情報だけを生成AIに渡すように分けています。これによって、より精度が高い状態で情報が日報として出てきます。</p><h3 id="h75241c677d">3つの採点表（ルーブリック）で、AIが自分で採点する</h3><figure><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/883da367062143ccaf9ece08e4e140e5/04ad42939c6342e1beae2c3cbd5e38a3/seminar_90_9.png" alt="一次記録から、活動は十分に集まっているか・活動を正確に捉えられているか・成果と能力が見立てられているか、という3つの採点表を経て最終評価に至る流れを示したスライド" width="1280" height="743"></figure><p>橋山様：2つ目は評価の精度です。精度を上げることには我々も苦戦していますが、ルーブリックと呼ばれる採点表を用いて、AI自体が何が正しいかを判断できるようにしています。一次記録から評価につなげるまでに、3つの採点ポイントを設けました。</p><p>1つ目は、評価可能な情報が十分に集まっているか。セールスなら商談の情報、エンジニアならコードの情報、オペレーショナルな職種ならさばいたチケットや問い合わせ対応のログが残っていなければなりません。</p><p>2つ目は、複数人で一つのプロジェクトをやったときに、貢献度や寄与率が正しく判定されているか。会議で発言量の多い人だけが評価されていないか、意思決定の起点を作った人が正しく評価されているかを見ます。3つ目は、成果と能力が正しく見立てられ、ロジックが適切かです。</p><h3 id="h8e119e94a7">AIがAIをレビューし、人は採点表を直す</h3><figure><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/883da367062143ccaf9ece08e4e140e5/4db5348937e64de784605503d56e7174/seminar_90_10.png" alt="AIが評価を作り、自分で採点し、基準に達しない限り差し戻して直すループを回し、人は結果を見て採点表を改善するというヒューマン・オン・ザ・ループの図解スライド" width="1280" height="743"></figure><p>橋山様：この採点表を、AIでどう回しているのか。従来の生成AIと人間の関わり方は、ヒューマン・イン・ザ・ループ、つまり人間がループの中に入って対話しながら進めるやり方が一般的でした。しかしそれでは、人間がすべての意思決定をしなければならず、ボトルネックになります。</p><p>そこでヒューマン・オン・ザ・ループ、つまりループの上から人間がモニタリングする形にしています。AIにとって何が最適かをルーブリックとして定義して覚えさせ、AIが自分で採点できるようにするのです。</p><p>評価のドラフトを作ったらAIが自分でルーブリックを見に行って採点し、基準に達していなければ差し戻してまた作らせる。<strong>AIがAIをレビューするループ</strong>を、基準を超えるまで回し続けます。</p><p>実際、現時点では、ファクトの状態から評価を作るまで、AIは一人当たり平均8時間から12時間ほど回り続けています。最終的に出てきたものを人間が見て精度に問題があれば、それはルーブリック、採点表の基準がおかしいということです。<strong>人は採点表に手を加えることで、評価の精度を高める</strong>。これが我々のアプローチです。</p><p>評価ロジックの開発にも、ソフトウェア開発のやり方を適用しています。ワークフローシステムやGitHubのようにバージョン履歴が残る仕組みを入れ、複数人で同時に編集でき、誰がいつ何を変更したかが分かるようにしました。</p><p>テストも充実させています。精度の変化がロジックの変更によるものか、モデル自体のアップデートによるものかを切り分けられる仕組みです。ロジックをいじっていたら評価が変わってしまった、ということが起きづらいようにしています。</p><h2 id="h198534452e">会社が決めたものにはしない。仮運用・ロジック公開・全社員を巻き込む</h2><figure><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/883da367062143ccaf9ece08e4e140e5/e60373684f094eef94fc7b72c6233692/seminar_90_11.png" alt="仮運用の期間を置く・ロジックを隠さない・全社員を巻き込む、という導入の進め方3点を示したスライド" width="1280" height="743"></figure><p>橋山様：評価というものは非常に政治的になりやすく、会社が決めたもの、受け入れるものになりやすいものです。その分、抵抗感が出やすいものです。それを防ぐために、AI評価の仕組みを入れるときにいくつかの工夫をしました。</p><p>1つ目は、仮運用の期間を置くことです。最終的には代表のみが決めるステップですが、そこに至るまではAIの精度が高くない前提で、人間が正解データを与える意味でキャリブレーションや修正を挟みます。</p><p>挟んだ内容も、すべて公開しながら進めるのが基本です。全社員がAIを使った評価プロセスに慣れる時間を、十分に取っています。</p><p>2つ目は、ロジックを隠さないことです。<strong>採点表そのものを社内ではすべてオープンに公開し、誰でもフィードバックできる</strong>ようにしています。自分の評価がどう決まったのか分からなければ、ロジックを見に行き、生成AIに解説させて納得するまで壁打ちできます。</p><p>明らかな欠陥があれば、評価チームにフィードバックを送れる仕組みも担保しました。</p><p>3つ目は、全社員を巻き込むことです。トライアルチームをいくつか決め、本人たちが同意した下で、その評価を全体に公開しています。この人の等級は今のロジックだとこう評価される、というのをみんなで見ながら「これはおかしいのではないか」とオープンに議論できる仕組みです。</p><p>評価はみんなで作るプロダクトであり、会社から押し付けられたものではない。そういう状態になるように工夫しました。</p><h2 id="hf336036cf9">AI時代に人に残るものを、先に定め直した</h2><figure><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/883da367062143ccaf9ece08e4e140e5/7796e20e5f01472eb4370f8cab4f3d1f/seminar_90_12.png" alt="大きな成果を上げている人により多くの報酬を分配したい・成果は定量で測り期待値まで含めて評価する・能力も評価する、という評価制度の3つのコンセプトを示したスライド" width="1280" height="743"></figure><h3 id="hd71e39442f">評価制度の目的を、哲学まで含めて明瞭にする</h3><p>橋山様：学びは大きく3つです。1つ目は、評価制度の目的を哲学まで含めて明瞭にすることです。AIが何をもってロジックを作り、どういう判断基準で評価するのか。分からなくなったときに立ち返るものがあるかどうかは、結構大きいと感じています。</p><p>我々は、大きな成果を上げている人により多くの報酬を分配したい、成果は定量で測るが期待値も含めて評価したい、成果を再現性高く出すには能力が必要なので能力も評価したい、という3つをコンセプトとしてまとめました。</p><p>その後のロジックや、AIに渡すルーブリックを作るときにも、基本的にここに立ち返ることができました。評価制度の目的を、人間にもAIにも分かる形で明瞭にすることが、AI評価を進める上で一番大きなポイントです。</p><h3 id="h7856678fbd">人に残るのは「人とつながること」と「意思を込めること」</h3><figure><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/883da367062143ccaf9ece08e4e140e5/582b16794d5042d59f063324f76a0e09/seminar_90_13.png" alt="AI時代に人に残るものとして「人とのつながり」と「意思を込める」の2つを定め、人間の強みを信頼・感情・創造的な意思としたスライド" width="1280" height="743"></figure><p>橋山様：2つ目は、AI評価を導入したら評価をしていたマネジメントには何が残るのか、という問いに回答を用意しておく必要があるということです。会社全体で、AI時代に人間に残るものは何かを定め直しました。結論として残るのは、<strong>人とつながることと、意思を込めること</strong>の2つだと考えています。</p><p>人とつながることとは、AIでは出てこない一次情報やクローズドな情報を、人間の信頼関係から引き出すことです。これは社外・社内を問いません。</p><p>意思を込めることとは、最終的に責任を持って何をやるかを決め、旗を立ててオーナーシップを持ってやりきることです。AIは整理や情報提供が得意ですが、ここは人間に必要な部分です。人間の強みである信頼や感情、創造的な意思は、評価においても残ると定義しました。</p><p>職種の壁が溶ける中で、どういう役割や人材要件が残るのかも整理しました。前線で課題を解決する「踊り手」と、それを支える「舞台装置」に大きく分け、人とのつながりを起点に持つ人、意思を込めることを起点に持つ人という形で、全部で5つの型に収れんするだろうと見ています。</p><p>エンジニアやPdM、労務、セールスというくくりではなく、このくくりで役割を見直しました。詳しくは、私が別途書いている<a href="https://note.com/hashiyaman/n/nb3ca151a3bee">note</a>をご参照ください。</p><h3 id="ha3d33d2489">活動の記録が、評価以外の用途に活かされている</h3><figure><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/883da367062143ccaf9ece08e4e140e5/7b9dadc5463e423cbcc92da1b90301a2/seminar_90_14.png" alt="経営者には事業の状態が見え、マネージャーにはメンバーの状況が分かり、メンバーは自分で情報を取りに行ける、という活動記録の評価以外の活用を示したスライド" width="1280" height="743"></figure><p>橋山様：3つ目は、AI評価のために作った活動の記録が、かなり多用途に生かせていることです。経営者からは、事業の状態が見えるダッシュボードが簡単に作れるようになったという声を聞いています。マネージャーはメンバーの状況が分かり、1on1のテーマや担当プロジェクトの状況が一目で分かる状態です。</p><p>メンバーにとっても、新しい部署やプロジェクトにアサインされたときに、何が重要で進捗はどうなっているかをAIに聞きながら把握できます。自分で情報を取りに行くコストが、大きく下がりました。</p><p>会社で起きていることの多くは記録されず、記録されていなければ評価も改善もできません。評価を起点として活動が記録される力学を、仕組みとして埋め込む。これが我々の目指していることであり、今回メリットとしても出てきています。</p><h3 id="he5561eef1f">マネジメントにおいて、評価の仕事はどこが残るのか</h3><figure><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/883da367062143ccaf9ece08e4e140e5/b3fe49a8d6a84d98bfbea84f8645b958/seminar_90_15.png" alt="マネジメントにおいて評価の仕事はどこが残るのかを、残るもの（評価を受け止めた人の感情への向き合い）と変わる必要があること（より広い領域での意思決定）に分けて示したスライド" width="1280" height="743"></figure><p>橋山様：最後に、皆様への問いとして私の仮説をお話しします。マネジメントにおいて、評価の仕事はどこが残るのか。評価自体は、AIと本人を中心に行われるようになるかもしれません。</p><p>しかし、評価を受け止めた人が、その後どう成長し、成果を出していくのかという感情への向き合いは、人間が一緒に寄り添って方向性を決めたり、問いを投げたりする必要があります。<strong>この向き合いは、マネジメントに残る</strong>と考えています。</p><p>逆に、定型的な情報収集や調整業務、機械的に評価を下すことはなくなっていくでしょう。自分の専門領域だけに閉じているマネージャーの価値は、だんだん薄くなっていくはずです。</p><p>より大きな範囲で意思決定し、今まで見たことのない働き方をする人たちをいかに評価し、向き合い続けられるか。それが今のマネージャーに求められている、評価における変革点ではないでしょうか。</p><h2 id="h87ed7420e4">質疑応答</h2><figure><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/883da367062143ccaf9ece08e4e140e5/737f4357db1d4bc5b5f9a44e23d19872/seminar_90_16.png" alt="視聴者からの質問に回答するUbie株式会社 橋山牧人氏" width="1280" height="720"></figure><h3 id="h403fca0b57">評価ロジックは、成果とUbieのバリューのどちらに照らしているのか</h3><p>――鈴木：ロジックの透明性で、どうして自分がこう評価されているのかが開示されているというお話がありました。そのロジックは、成果やUbieのバリューから設計されたロジック表のようなものに照らし合わせている、という理解でよいでしょうか。</p><p>橋山様：はい、その通りです。セールスで言うと分かりやすく、この期間にどの案件からどういった売上を上げたのかを金額換算しています。それ以外の仕事も、例えばプロダクトの機能を改善してリリースしたことは、セールスが売るための武器を作った、つまり売上の期待値を上げたことに合致します。</p><p>我々独自の評価ロジック、計算式を作り、そこに当てて換算しているイメージです。</p><h3 id="h8567fefd35">最終承認を代表に寄せる設計は、組織が拡大しても運用できるのか</h3><p>――鈴木：最終承認を代表に寄せるという設計は、組織が拡大しても変わらず運用できますか。どのくらいの組織規模までこの設計で運用できると思いますか。</p><p>橋山様：我々も実際の運用の中で、確かにこの課題はあると思っています。代表がすべてを見るというよりは、前の期に比べて等級が上がったり下がったりした、変化が起きたところや論点がありそうなところを中心に見ていきます。</p><p>全社員のうち、代表がしっかり見ないといけないのは最終的に10%以下ではないか、というのが現時点での我々の見立てです。もちろん1000人、2000人になれば、10%でも200人を見ることになります。</p><p>評価の精度を上げることや、代表の考えをインストールしたエージェントと事前に壁打ちできるようにすることも考えています。ただ、人間がまったく見ない形で評価を確定することは、今は考えていません。代表の負担を減らしつつ、適切に判断していただく効率をいかに上げるかが肝です。</p><p>――鈴木：評価に限らず、コーディングエージェントなどを使っているとAIは冗長になりがちです。論点を絞って「Aならこのメリット、Bならこのメリット」と制御するのもAIを使うスキルの一つですが、評価も決めやすい状態にしていくことが、これからの設計になるのでしょうか。</p><p>橋山様：そうですね。冗長さもそうですし、人間が理解しやすい簡素さも必要になります。一方で、本人に伝えるという意味では、なぜこういう形になったのかを情緒的に説明する、一定のナラティブが必要です。</p><p>判断者と本人に対して同じ見せ方がよいかというと、そうでもありません。そこをうまく使い分けるように、AIのプロンプトを飼い慣らしていく必要があります。</p><h3 id="hb2d2c06f04">「監視されている」という懸念に、従業員の納得感をどう醸成したか</h3><figure><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/883da367062143ccaf9ece08e4e140e5/58b96f1200bc4046a3b7660ca008ef55/seminar_90_17.png" alt="登壇者に質問を投げかける株式会社overflow 代表取締役 CEO 鈴木裕斗" width="1280" height="720"></figure><p>――鈴木：ここは気になる方も多いと思います。AIとの壁打ちまで記録・分析されると、従業員に『監視されている』という懸念も出ると思います。こうした懸念に対して、従業員の納得感をどのように醸成していったのでしょうか。</p><p>橋山様：前提として、我々のカルチャーとして透明性を非常に重視しています。一部の機微・戦略情報などを除き、経営会議の内容も含めてすべてフルオープンです。そもそも情報は隠されるものではない、という前提がまずあります。</p><p>その上で、記録されることによるメリットの方が大きいと示されることが重要です。見られていないことで「この仕事をやったのに誰も見てくれなかった」となるよりも、「こんなことまで見てくれているんだ」という納得感を持ってもらう。<strong>「監視されている」から「見てくれている」に持っていけるか</strong>が肝だと考えています。</p><p>会社と個人が対立構造になると、やはり監視のように見えてしまいます。我々は性善説で組織を運営していることもありますが、ここもポイントです。</p><p>可視化されていることで、タスクの分量やパフォーマンスの低下にすぐサポートを受けられる、成果が出しやすくなる。そういう仕組みとセットで出すことで、監視されている感を和らげられるのではないかと思っています。</p><h3 id="he74fa4b392">複数の職務を兼務している場合、どうスコアを算出しているか</h3><p>――鈴木：橋山さんご自身もエンジニア・HRBP・AI推進を兼務されていますが、複数職務にまたがる場合はどうスコアを算出されているのでしょうか。</p><p>橋山様：評価期間を仮に半期とした場合、半期の中で一番の期待役割は何かをリーダーシップのメンバーと本人で合意し、それをメインの評価項目にしています。ただ、目標設定のような形にはしたくない、というのが我々の考えです。</p><p>目標を設定すると、事業の状況で上振れや下振れが起きたときに、目標を達成することが正義になってしまうからです。あくまで期待役割を設定し、それに対する成果の大きさを評価します。</p><p>想定していなかった成果が期待役割から外れたところで出ても、成果として出ているならきちんと評価します。逆に、期待役割を外れて成果が出ていないものは評価から外す、という考え方です。</p><p>私が3つの仕事でそれぞれ成果を出していれば評価されますし、工数が分散して小粒な成果しか出なければ、成果としては小さかったと評価されます。</p><h3 id="h6988dd7adb">人間による採点表の改善は、どのくらい必要だったか</h3><figure><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/883da367062143ccaf9ece08e4e140e5/426b53afbb6a455eb99ef0ca4221851a/seminar_90_18.png" alt="質疑応答に答えるUbie株式会社 アクセラレーター本部 EM / HRBP / 生成AI推進室 橋山牧人氏" width="1280" height="720"></figure><p>――鈴木：ヒューマン・オン・ザ・ループの話、非常に興味深いです。人間による改善は、これまで肌感覚でどのくらい必要でしたか。継続的に改善は必要になるのでしょうか。</p><p>橋山様：まだまだ改善が必要な余地は残されています。一番難しいのは貢献度の判断です。あることを3人、4人で成し遂げたときに、課題を設定した人の寄与率をどれだけ上げるべきか、設定しただけで実行していない場合に実行しきった人をどう評価するか。この配分は、AIで算出しても人間の感覚と合わない部分があります。</p><p>中長期の仕事の評価も難しい問題です。利益を生む基盤を作った人を、作った時点で評価するのか、そこから利益が出てから評価するのか。基盤を使う人と作った人が違う場合の按分はどうするのか。</p><p>こうした人間の考え方を、キャリブレーションとしてAIに伝える必要があります。そのため、採点表には今もなお改善を加えているところです。</p><p>現時点の肌感覚で言うと、AI単体で我々と同じ精度で出せている評価は全体の3割ほどです。残り7割のうち2〜3割は、人間が少しガイドラインを示せば出てきます。残りの3割は、どうガイドラインを示すかそのものが分かりづらい。</p><p>等級が高い人ほど、この傾向があります。等級が高い人は世の中にないものを課題設定していくため、AIの正解や基準に仕事の仕方が当てはまりません。その意味で、評価の精度が上がりづらい傾向が見えてきました。</p><h3 id="hec497c5055">直接売上を上げない基盤づくりや品質向上を、どう数値化しているか</h3><p>――鈴木：直接売上を上げない基盤づくりや品質向上のような仕事は、成果としてどう数値化していますか。</p><p>橋山様：大きく2つの考え方があります。品質向上は歩留まりのような考え方で、品質が上がったことで将来発生していたであろう損失をどれだけ抑えたかを定量化し、数式にしています。</p><p>基盤づくりは、生産効率を上げたという捉え方です。基盤がないときとあるときで、プロダクトを作るスピードやかける人件費がどれだけ変わったかを計算式に当てはめて数値化しています。</p><h3 id="h1c306c39bf">人事評価をAIに任せてから、想定していなかった発見はあったか</h3><p>――鈴木：最後に、人事評価をAIに任せてから、想定していなかった発見や、良い反応・悪い反応があれば教えてください。</p><p>橋山様：人間がどこを評価するかは、人によってかなり違うのだということが明瞭になってきました。面白い発見として、成果と能力のどちらに重きを置くかが結構割れます。</p><p>成果が出ることが重要で、能力は成果が出たことで証明されている、という人もいます。一方で、能力が成果の再現性になるからポテンシャルを評価する、という人もいる。人間の評価の中でも、ここが二分しているという気づきがありました。</p><h2 id="h9be0c3393d">おわりに</h2><p>――鈴木：最後に、皆様に向けてメッセージがあればお願いします。</p><p>橋山様：Ubieは生成AIをいろいろな形で活用していますが、人事評価は非常にチャレンジングな領域です。自分自身、エンジニアや人事といった枠にとらわれず、活躍の幅を大きく広げられるチャンスだと感じています。</p><p>今日は人事や経営の方が多いと思いますが、組織の今までの枠や職種の枠にとらわれずにアサインを考えていくことが重要ではないでしょうか。皆様のお考えの参考になれば幸いです。</p>

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## [KPI人事評価の定義と設計手順](https://hr-media.offers.jp/articles/kpi-personnel-evaluation)

**公開日**: 2026-09-30
**著者**: 鈴木 裕斗
**カテゴリ**: 組織

<p>人事評価にKPIを組み込む、というとき、多くの企業はまず指標の名前を決めようとします。離職率、育成人数、受注件数。しかし実際につまずくのは指標の選び方より、目標をどう立て、届かなかったときにどう説明するかという運用の場面です。</p><p>KPIの定義を確認したうえで、人事評価に組み込む設計手順と、崩れやすい3つの落とし穴を整理します。国家公務員の苦情相談の内訳を見ると、目標の立て方より評価そのものへの不満のほうが多く集まっていました。その数字も後半で扱います。</p><h2 id="h3940e976a8">KPI人事評価の定義と適用範囲</h2><p>KPI（重要業績評価指標、Key Performance Indicator）を人事評価に使うとは、期首に合意した数値目標への到達度を、評価の判断材料の一部にする運用を指します。</p><p>人事評価は業績・能力・情意の3項目で構成されることが多く、KPIが直接あてはまるのは主に業績（成果）の項目です。能力や行動の評価は数値では測りにくいため、別の基準を置くのが一般的で、KPIをそのまま流用しません。</p><p>業績評価に使う具体的な指標の候補は、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/a_822">人事KPI一覧</a>に36指標の算出式とともにまとめました。人事評価という制度全体の位置づけは、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/performance-review">人事評価とは</a>で確認できます。</p><h2 id="h993e7d4826">KPIとKGI・KSFのつながり</h2><p>KPIはKGI（重要目標達成指標）とKSF（重要成功要因）の組みで設計します。KGIは組織が最終的に達成したい目標、KSFはその達成に必要な要因、KPIはKSFの進み具合を数値で示す指標です。</p><p>人事評価でこの3層を確認する理由は、個人やチームのKPIが組織のKGIとどうつながっているかを、評価者と被評価者の双方が説明できるようにするためです。KPIだけを単独で見ると、達成しても事業への貢献が読み取れない目標になります。</p><h2 id="h42ef071f83">KPI評価とMBO・OKR・コンピテンシー評価の違い</h2><p>KPIは指標であって、評価の手法そのものではありません。人事評価の現場では、期首に合意した目標への達成度で評価する目標管理制度（MBO）に、数値のKPIを組み込む運用がもっとも一般的です。</p><p>OKR（Objectives and Key Results）は達成率をそのまま評価点に反映しない設計が前提のため、処遇と直結させるKPI評価とは相性がよくありません。挑戦的な目標を置いても、未達成が評価を下げないという条件が崩れると、目標自体が保守的になります。</p><p>コンピテンシー評価は行動特性の発揮度を見る手法で、KPIのような数値目標とは測る対象が違います。両者は競合するものではなく、成果はKPIで測り、行動はコンピテンシーで測るという役割分担で併用するのが一般的です。評価手法全体の比較は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/performance-review">人事評価とは</a>を参照してください。</p><h2 id="hbe7eb0141c">人事評価にKPIを組み込む3つの設計手順</h2><p>KPIを人事評価の制度に組み込む手順は、次の3つに整理できます。</p><ul><li>KGIからKPIへ落とし込む：組織のKGIを確認し、KSFを経由して個人・チームのKPIに分解する</li><li>成果と行動のウェイトを配分する：業績（KPI）と能力・情意の配点比率を先に決め、期中に変えない</li><li>評価者間で基準をすり合わせる：目標の難易度と評価の付け方を、評価者どうしで期首に共有する</li></ul><p>3つのうちどれか1つでも欠けると、KPIの達成率だけが評価を左右する制度になりがちです。特にウェイト配分を期中に変えると、被評価者から見て評価の基準が動いたと映ります。</p><h2 id="h5be98b8442">KPI評価で崩れやすい3つの落とし穴</h2><p>KPIを人事評価に組み込むと、崩れる原因の多くは指標そのものではなく、運用の設計不足です。代表的な3つを順に見ます。</p><h3 id="h7c64aa0a9e">目標のすり替えが起きやすくなる</h3><p>達成しやすい目標を選ぶ動きは、KPIを評価に直結させるほど強まります。原因は指標そのものの悪さではなく、未達成が処遇に直接響く設計そのものです。目標の難易度をそろえる工程を、評価期間の開始前に必ず置く必要があります。</p><p>採用人数のように外部要因の影響を受けやすい指標をKPIに置く場合は、目標を決める前に自社の採用力を確認しておくと、難易度をそろえやすくなります。<a href="https://service.offers.jp/client/hiring-check/?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-light&amp;utm_content=kpi-personnel-evaluation">エンジニア採用力チェック</a>は、採用ページ・テックブログ・公開リポジトリ等の公開情報をもとに、技術ブランド発信力・技術環境の透明性・採用情報の充実度・雇用条件の競争力・採用活動の積極性の5指標24項目で自社の採用力を採点できるツールです。</p><h3 id="h84afb06158">未達成の理由を問わず一律に減点してしまう</h3><p>KPIが未達成でも、外部要因による未達と、取り組み不足による未達では評価の意味が違います。理由を問わずに一律で減点すると、外部要因の影響を受けやすい部署ほど評価が下がりやすくなります。</p><p>未達成の理由を記録し、評価者が確認する工程を、評価制度の中に置いておくことが欠かせません。理由の記録が無いと、翌期の目標を見直す根拠も残りません。</p><h3 id="hf47aba54fe">定量化できない業務が評価から漏れる</h3><p>KPIに置きやすい業務は、もともと数値化しやすい業務に偏ります。育成、調整、トラブル対応など数値化しにくい業務がKPIから漏れると、担当者はKPIに乗る業務だけを優先するようになりかねません。</p><p>定性的な貢献を扱う評価項目を、KPIとは別枠で必ず残しておく必要があります。KPIだけで評価表を埋めると、数値に表れない仕事が見えなくなります。</p><h2 id="he141a3f23b">苦情相談の内訳に見る目標設定の位置づけ</h2><p><a href="https://www.jinji.go.jp/content/000001667.pdf">人事院が令和6年1月23日にまとめた資料</a>によると、国家公務員の人事評価に対する苦情相談102事案（令和2〜4年度・重複計上あり）のうち、目標設定に関する不満は18件で、個別に分類された理由の中では「人事評価が低い」（56件）、「評価結果の開示・理由説明等への不満」（36件）に次いで3番目に多い件数でした。</p><p>出所：人事院『第5回人事行政諮問会議 事務局説明資料』（令和6年1月23日）、n=102（重複計上あり）。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>苦情相談の内容（原典の9区分）</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>件数（102事案中）</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>人事評価が低い</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>56</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>評価結果の開示・理由説明等への不満</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>36</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>目標設定に関する不満</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>18</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>評価者・調整者等の適格性への不満</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>16</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>各省における苦情処理への不満</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>15</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>面談がない、実施時期が遅い</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>12</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>評価結果の活用関係</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>11</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>改善措置関係</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>3</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>その他</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>33</p></td></tr></tbody></table><p>この調査は国家公務員を対象にした集計で、民間企業の実態をそのまま示すものではありません。それでも、評価結果そのものへの不満に次いで目標の立て方が苦情の対象になりうるという構図は、KPIを人事評価に使う企業にも参考になります。</p><p>目標の難易度をそろえる工程や、目標を合意した記録を残す工程は、どのKPIを選ぶかという作業と同じくらい、評価制度の設計に含めておくことが欠かせません。実際に企業が目標を動かした理由の書き方は、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/hr-kpi-case-studies">人事KPIの事例</a>で読めます。</p><h2 id="h5cf609dcab">KPI人事評価を機能させる判断基準</h2><p>KPIを人事評価に使えるかどうかは、指標の名前では決まりません。判断基準は3つです。目標の難易度をそろえる工程、未達成の理由を確認する工程、定量化できない業務を別枠で評価する仕組みの3つです。</p><p>この3点を制度に組み込めているかどうかで、KPI人事評価が機能するかが分かれます。指標を選ぶ前に、この3つの工程が今の評価制度にあるかを確認しておくと、組み込んだあとの運用でつまずきにくくなります。</p>

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## [採用フローのおすすめ｜中途採用の設計実測](https://hr-media.offers.jp/articles/recruitment-flow-recommended)

**公開日**: 2026-09-30
**著者**: 鈴木 裕斗
**カテゴリ**: 組織

<p>「選考のステップは何段が適切か」「スカウトを送った後、候補者はどこで止まっているのか」。採用フローを見直すとき、この2つの問いは必ず出てきます。多くの解説記事は経験則やテンプレートで答えますが、実際に動いた採用活動の記録から確かめられるのがOffersの強みです。中途採用のフローを組み直す前に、まず実際のデータが何を示しているかを確かめておきます。</p><h2 id="hcc4177b157">採用フローを見直す前に確かめたい3つの数字</h2><p>中途採用のフローを組み直すとき、テンプレートの型から選ぶ前に、自社の選考がどこで候補者を失っているかを数字で見ておくと、手を入れる場所を絞れます。Offersに公開された正社員求人（2026年9月時点）を選考ステップ数別に比べると、ステップ数と応募率の間に単調な関係は見られませんでした。一方、正社員求人に紐づくスカウト（2025年3月〜2026年2月送信分）を段階別に追うと、候補者が止まるのは開封ではなく返信の段階に集中していました。</p><p>以下では、選考ステップ数別の応募率・スカウトのファネル・スカウト辞退の出どころという3つの数字を順に見ていきます。</p><h2 id="h87fdf33828">選考ステップ数が少ない求人ほど応募率が高い、とは言えない</h2><p>正社員求人を選考ステップ数別に区切って閲覧あたりの応募率を比べると、最も高いのは6ステップの0.209%、最も低いのは3ステップの0.115%で、1ステップは0.170%、7ステップは0.130%でした。2ステップ0.131%、4ステップ0.154%、5ステップ0.149%を含めて並べても、ステップ数が増えるほど下がるという単調な関係は見られません。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>選考ステップ数</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>応募率（閲覧あたり）</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>1</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>0.170%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>2</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>0.131%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>3</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>0.115%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>4</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>0.154%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>5</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>0.149%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>6</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>0.209%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>7</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>0.130%</p></td></tr></tbody></table><p>出典：Offers に公開された正社員求人データ（株式会社overflow・2026年9月時点）</p><p>この結果から言えるのは、選考ステップを減らす判断を「応募が増えるから」という理由だけで下さないほうがよいということです。これは求人どうしを並べた比較で、同じ求人のステップを減らした前後を比べたものではなく、母数も確認できていないため、唯一の根拠にはできない材料です。それでも自社の応募率の実測では、ステップ数と応募率は単純に反比例していません。ステップを削るなら、応募数の増加ではなく、選考スピードや見極めたい項目の数といった別の理由から判断するほうが筋が通ります。</p><h2 id="h0b2d55806e">スカウトのファネルで最も詰まるのは開封ではなく返信</h2><p>スカウトを送った候補者と企業の組み合わせ31,000組を段階別に追うと、開封は59.7%まで到達しますが、返信・メッセージ開始に進むのは6.2%（開封者の9.8%）、面談まで進むのは2.9%（返信者の46.1%）でした。59.7%と9.8%を掛け合わせると5.85%となり6.2%とは一致しませんが、これは開封の記録が残らないまま返信に至った候補者が6.2%側に含まれているためです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>段階</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>通過率（送信を100とする）</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>直前段階からの通過率</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>スカウト送信</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>100%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>—</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>開封</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>59.7%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>59.7%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>返信・メッセージ開始</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>6.2%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>9.8%（開封者ベース）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>面談</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2.9%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>46.1%（返信者ベース）</p></td></tr></tbody></table><p>出典：Offers スカウトデータ（株式会社overflow・2025年3月〜2026年2月送信分・候補者と企業の組み合わせ単位・n=31,000）</p><p>面談1件を作るには、およそ35組（100÷2.9）へのスカウトが要る計算です。開封した候補者の90.2%はそのまま返信せずに終わっており、詰まっているのは「読まれるかどうか」ではなく「読んだ後に返信するかどうか」の1点に集中しています。このデータは文面の良し悪しと返信率の関係までは示していませんが、詰まりが開封後に集中している以上、開封後のフォロー（リマインド・追いスカウト・個別メッセージ）が、工数を割く候補の筆頭です。</p><p>自社でこの返信率の改善が進まないまま滞留している場合は、フォロー設計そのものを外部に相談する選択肢もあります。<a href="https://offers.jp/client/ai-rpo?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-consult&amp;utm_content=recruitment-flow-recommended">AI RPO</a>は、中途（正社員）採用のスカウト設計から開封後のフォローまでを実務ごと引き受けるサービスです。</p><h2 id="h1fea258ab9">スカウト辞退の9割超は、開封して返信しなかった候補者から出る</h2><p>同じ31,000組で、候補者がスカウトに対して明示的に辞退を返したケースを見ると、その92.4%が、開封して返信しなかった候補者からのものです。この92.4%は辞退全体に占める構成比であり、「開封して返信しなかった人のうち何%が辞退するか」という発生率とは別の数字を指します。開封して返信しなかった組だけで見ると、辞退を返したのは20.0%でした。</p><p>出典：Offers スカウトデータ（株式会社overflow・2025年3月〜2026年2月送信分・候補者と企業の組み合わせ単位・n=31,000）</p><p>開封したのに返信しなかった候補者のうち2割は、辞退という形で意思を返しています。残る8割は、辞退も返信もしないまま止まっている層です。返信が無いことを一律に「関心が無い」と扱わず、意思表示の無い層へ追いスカウトや個別メッセージで関心の有無を確かめ直す工程をフローに置いておくと、黙って離れていく候補者を拾い直す余地が残ります。</p><h2 id="h340a5ea72a">中途採用フローの見直しは2点から始める</h2><p>ここまでのデータから言える見直しの方向は2点です。1つ目は選考ステップ数で、求人どうしの横比較で母数も確認できていないため目安にとどまりますが、応募率を理由にステップを削る根拠は見当たりませんでした。2つ目はスカウトの後工程で、詰まりが開封後の返信に集中していたため、返信が無い候補者へも関心の有無を確かめる工程を置く余地が残っていました。</p><ul><li>ステップ数は、応募率ではなく見極めたい項目の数と選考スピードを理由に決めること（応募率との関係は横比較の目安）</li><li>フォローは、開封後に返信が無い層へも関心の有無の確認を工程として置くこと</li></ul><p>工程ごとに何を判断し、誰が担当するかという設計の土台は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/recruitment-flow">採用フローとは？中途採用の6工程を設計する手順と法令要件</a>、フロー全体の位置づけは<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/mid-career-recruitment">中途採用の基本の流れ</a>で整理しています。</p><h2 id="ha85c587617">採用フローを見直すタイミングは、歩留まりの数字が動いたとき</h2><p>採用フローは、見た目を新しくするよりも、開封率・返信率・スカウト辞退率の動きをきっかけに見直すほうが、手を入れる場所を絞れます。数字が変わっていないのに見た目だけ新しくしても、どこが良くなったのかを確かめられません。</p><p>四半期に一度、自社で追える3つの指標（スカウトの開封率・開封後の返信率・開封後に返信しなかった候補者のうち辞退を返した割合）を確認し、どこが動いたかを起点にフローを直すと、変更の理由を社内に説明しやすくなります。フロー設計の見直しを相談したい場合は<a href="https://offers.jp/client/ai-rpo?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-consult&amp;utm_content=recruitment-flow-recommended-end">AI RPO</a>へ。</p>

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## [人事研修の比較｜業務範囲・形式・実質負担で選ぶ](https://hr-media.offers.jp/articles/hr-training-comparison)

**公開日**: 2026-09-28
**著者**: 鈴木 裕斗
**カテゴリ**: 組織

<p>人事向けの研修を探し始めると、研修会社の一覧がいくつも見つかります。特徴も料金も並んでいるのに、自社の担当者に合う1本を選ぶ段になると手が止まる。比べる順序が決まっていないからです。</p><p>人事の仕事は、採用と評価と労務で中身がまったく違います。同じ「人事研修」という名前でも、誰に受けさせるかで候補は入れ替わる。形式と助成金の条件を足すと、見た目の受講料と実際の負担もずれてきます。</p><p>この記事では比べる順序を3段に分け、それぞれの段で使える公的な物差しを置きました。担当業務の切り分けには中央職業能力開発協会の試験範囲を、費用の見積もりには厚生労働省の調査と助成制度を使っています。</p><h2 id="h2a9ce85afe">人事研修は担当業務・形式・実質負担の3段で絞る</h2><p>人事担当者向けの研修は、受講者が担う業務の系統を先に決め、次に社内・外部・eラーニングといった形式を選び、最後に人材開発支援助成金を差し引いた実質負担で並べる、という3段で絞ると候補が数本まで減ります。研修会社の一覧を開くのは、この3段が埋まってからで十分です。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>段</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>決めること</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>使う物差し</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>1. 担当業務</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>受講者が人事・人材開発と労務管理のどちらを担うか</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>中央職業能力開発協会の試験範囲</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>2. 形式</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>社内・民間の外部研修・公的団体・eラーニングのどれか</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>助成の対象になるか、賃金助成が付くか</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>3. 実質負担</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>受講料から助成を引いていくら残るか</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>人材開発支援助成金の助成率と限度額</p></td></tr></tbody></table><p>順序を逆にすると手戻りが起きる。安く見える研修を選んだあとで、担当業務に合わない、あるいは助成の対象外だったと分かるためです。</p><h3 id="h0589a77749">人事担当者の育成は、社内の育成全体の前提になる</h3><p>人事担当者に研修を受けさせる理由は、本人のスキルだけではありません。厚生労働省の<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/11801500/001728125.pdf">令和7年度「能力開発基本調査」の結果</a>では、能力開発や人材育成に何らかの問題があるとする事業所が80.1%で、問題点の最多は「指導する人材が不足している」の59.5%でした。</p><p>社内研修を企画し、外部研修を選び、効果を確かめるのは人事の仕事です。人事担当者の知識が薄いままなら、社内の育成全体もその水準で止まります。</p><h2 id="h3c31d442b8">人事の担当業務は人事・人材開発と労務管理の2系統</h2><p>人事の担当業務は、中央職業能力開発協会のビジネス・キャリア検定試験（ビジキャリ）が2級・3級で「人事・人材開発」と「労務管理」に分けているとおり、制度・採用・賃金・育成を扱う系統と、労働契約・労働時間・安全衛生を扱う系統の2つに分かれます。研修テーマもこの2系統で並べると、重複と抜けが見えてくるはずです。</p><p>ビジキャリは、<a href="https://www.javada.or.jp/jigyou/gino/business/business-gaiyou.html">厚生労働省が定める職業能力評価基準に準拠した検定</a>です。その試験範囲は、人事の仕事を項目単位で書き出した一覧として使えるものでした。育成の項目には、職場内訓練（OJT）と職場外の訓練（OFF-JT）の計画も入っています。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>系統</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>試験範囲の大項目</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>研修テーマの例</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>人事・人材開発</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>人事企画／雇用管理／賃金管理／人材開発</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>人事評価制度の設計、募集・採用、賃金制度、職場内訓練・職場外訓練の計画</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>労務管理</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>労使関係／就業管理／労働安全衛生・福利厚生</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>就業規則と労働契約、労働時間・休暇、ハラスメント対応、メンタルヘルス</p></td></tr></tbody></table><p>出所：中央職業能力開発協会「ビジネス・キャリア検定試験 試験範囲」（<a href="https://www.javada.or.jp/jigyou/gino/business/hani_011A01.pdf">２級 人事・人材開発</a>・令和2年4月／<a href="https://www.javada.or.jp/jigyou/gino/business/hani_012A01.pdf">２級 労務管理</a>・令和4年10月）。</p><p>一人の担当者が両方を担う会社では、どちらの系統を先に厚くするかを決めてから研修を探します。分業している会社なら、系統ごとに別の研修を並べる方が比べやすいはずです。</p><h3 id="hcfb351fdbf">採用担当は雇用管理の募集・採用と配置で研修を選ぶ</h3><p>採用担当者の研修は、人事・人材開発の系統のうち、雇用管理にある人員計画・募集・採用・配置を扱うものから選びます。面接の進め方と評価の付け方を揃える研修は別枠です。受講対象が現場のマネージャーまで広がるためで、比べ方は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/interviewer-training-selection">面接官研修の選び方</a>で整理しました。</p><p>採用の研修を選ぶ前に、採用計画が人事戦略のどこから下りてきているかを押さえておくと、研修で身につける範囲が決まる。人事戦略の立て方は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/hr-strategy">人事戦略とは？経営と連動させる立て方と開示制度</a>にまとめています。</p><h3 id="h9303ca32e8">労務の法令知識は、採用担当にも共通の土台として置く</h3><p>労務管理の試験範囲には、労働契約の成立、職業安定法による労働条件の明示義務、個人情報保護法、職場のハラスメントが入っています。採用担当者も求人の条件提示や選考で同じ法令に触れる。労務の基礎は、系統を問わず全員の共通の土台として扱う方が安全です。</p><h2 id="h8f24c9dd99">研修の形式は社内・外部・公的団体・eラーニングの4つ</h2><p>研修の形式は、自社で講師を立てる社内研修、民間の研修会社による公開講座や講師派遣、職業能力開発協会など公的団体の講座、eラーニングの4つに分けて比べます。厚生労働省の令和7年度能力開発基本調査によると、正社員向けの職場外訓練（OFF-JT）を実施した事業所が使った機関は、自社が76.4%、民間教育訓練機関が41.4%、職業能力開発協会・労働基準協会・公益法人などが18.6%でした（複数回答）。</p><p>形式によって、向く場面と助成の扱いが変わります。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>形式</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>向く場面</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>人材開発支援助成金の扱い</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>社内研修（自社講師）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>自社の人事制度・規則を伝える</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>社内制度・組織・人事規則の説明は対象外</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>民間の外部研修（公開講座・講師派遣）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>評価制度・採用手法など専門テーマを学ぶ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>10時間以上なら経費と賃金の両方が対象</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>公的団体の講座</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>労働法令・安全衛生など労務の基礎を学ぶ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>10時間以上なら経費と賃金の両方が対象（法令で事業主に実施が義務付けられた講習は対象外）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>eラーニング</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>受講時間を分散させたい、人数が多い</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>経費助成のみで、賃金助成は対象外</p></td></tr></tbody></table><p>出所：厚生労働省「<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001731967.pdf">人材開発支援助成金（人材育成支援コース）のご案内</a>」（令和8年8月3日版）。</p><p>社内研修は費用が表に出にくい反面、講師役の人事担当者の時間を使います。外部研修は受講料が見えるぶん比べやすく、助成の対象にもなりやすい形式です。</p><h3 id="h47ae2f12de">検定は研修の到達点に使い、受験料は助成の対象外と見込む</h3><p>ビジキャリの受験料（税込）は、1級12,100円、2級8,800円、3級7,920円です（中央職業能力開発協会「<a href="https://www.javada.or.jp/jigyou/gino/business/20231002_jukaitei.pdf">受験料改定のお知らせ</a>」令和5年10月）。<a href="https://www.javada.or.jp/jigyou/gino/business/shiken-nittei.html">令和8年度後期の試験</a>は令和9年2月14日で、人事・人材開発と労務管理の2級・3級が実施予定です。受験申請は令和8年10月5日から12月4日までと案内されています。</p><p>研修の到達点を検定の級に置くと、研修会社ごとの修了基準の違いに左右されずに成果を比べられます。ただし、講習を受けずに単独で受験できる資格試験は人材開発支援助成金の対象外でした。受験料は研修費とは別に見込みます。</p><h2 id="hdac46400c5">人事のAI活用は操作の研修と業務への組み込みを分ける</h2><p>人事業務への生成AIの活用は、ツールの操作や使い方を学ぶ研修と、自社の業務の流れにAIを組み込む実装支援とで、成果物も費用の性質も違います。関心は高く、同じ能力開発基本調査の事業所調査では、今後実施したい職場外訓練（OFF-JT）に「デジタル技術を利活用して技術革新や生産性向上の提案が出来る能力」を挙げた事業所が21.0%で、実施した事業所の10.3%の約2倍でした。</p><p>操作を学ぶ研修は、10時間以上の職場外訓練なら人材開発支援助成金の対象になりえます（自社の業務で使う機器・端末の操作説明に当たる内容は対象外）。事業展開等リスキリング支援コースは、DX化に伴う訓練の経費を75%（大企業は60%）助成する令和8年度末までの時限措置です。一方で、コンサルタントによる経営改善の指導は助成の対象外。業務への組み込みは、研修とは別の予算で見積もるものです。</p><p>研修を終えた人事担当者が、評価や採用の実務のどこにAIを組み込むかで手が止まる例は少なくありません。組み込みまで外部に任せる選択肢として、エンジニアが現場に入り実装から運用まで伴走する <a href="https://offers.jp/ax?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-consult&amp;utm_content=hr-training-comparison">Offers AX</a> のような支援があります。研修と比べるときは受講料ではなく、どの業務が何時間減るかで見積もりを揃えてください。</p><h2 id="he482d36957">人事研修の費用は受講料と受講中の賃金で見積もる</h2><p>人事研修の費用は、研修会社に払う受講料だけでなく、所定労働時間内に受講する時間の賃金も含めて見積もります。厚生労働省の同調査によれば、職場外訓練（OFF-JT）に費用を支出した企業の労働者1人当たり平均額は、令和6年度の1年間で2.0万円でした。前回の1.5万円から上がっています。</p><p>同じ調査で、職場外訓練を受講した正社員の平均延べ受講時間（推計）は年22.2時間です。人事担当者が専門テーマの外部研修を1本受けると、受講料だけで全社平均の1人当たり費用（2.0万円）を超える場合があります。予算は全社の平均ではなく、担当業務ごとに1本単位で組む方が実態に合います。</p><h3 id="hfe1707ae08">助成を使う企業ほど、1人当たりの研修費が高い</h3><p>同調査の特別集計では、人材開発支援助成金を受給したことがある企業の職場外訓練の1人当たり費用が2.4万円、受給したことがない企業は2.0万円でした。一方で、受給したことがある企業は15.3%にとどまり、「制度について知っていたが、受給したことはなかった」企業が51.9%あります。</p><p>助成金は知られていても、使われてはいません。申請の段取りを研修の比較表に最初から入れておくと、この差を埋めやすくなります。</p><h2 id="hfd919c1240">助成金を引くと形式ごとの実質負担の順位が変わる</h2><p>人材開発支援助成金（人材育成支援コース）の人材育成訓練は、職務に関連した10時間以上の職場外訓練（OFF-JT）を対象に、中小企業で訓練経費の45%（大企業は30%）、所定労働時間内の受講1時間あたり800円（同400円）を助成します。eラーニングと通信制は経費助成だけで、賃金助成は付きません。この差が、受講料が同じ研修の実質負担を分けています。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>項目</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>中小企業</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>中小企業以外</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>経費助成率</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>45%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>30%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>経費助成率（賃金要件等を満たす場合）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>60%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>45%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>賃金助成（1人1時間）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>800円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>400円</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>経費助成の限度額（10時間以上100時間未満）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>15万円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>10万円</p></td></tr></tbody></table><p>出所：厚生労働省「<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001731967.pdf">人材開発支援助成金（人材育成支援コース）のご案内</a>」（令和8年8月3日版）。</p><p>賃金要件とは、訓練を終えた受講者の賃金を5%以上引き上げること、または資格等手当を支払って3%以上引き上げることです。人事担当者が評価制度や労務の研修を受けたあとに等級や手当を見直す予定があるなら、加算の対象になりえます。</p><h3 id="h37b791670a">受講料10万円・12時間の研修を形式ごとに比べた実質負担</h3><p>受講料10万円・実訓練12時間の研修を、正社員1人が所定労働時間内に受講すると仮定しました。実質負担は形式によって次のように変わります。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>形式と条件</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>中小企業の実質負担</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>中小企業以外の実質負担</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>外部研修（経費助成＋賃金助成）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>45,400円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>65,200円</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>eラーニング（経費助成のみ）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>55,000円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>70,000円</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>9時間の講座（10時間に届かず対象外）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>100,000円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>100,000円</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>外部研修で賃金要件等を満たした場合</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>28,000円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>―</p></td></tr></tbody></table><p>出所：厚生労働省「人材開発支援助成金（人材育成支援コース）のご案内」（令和8年8月3日版）の助成率をもとにOffers試算。</p><p>中小企業の外部研修では、経費助成45,000円と賃金助成9,600円の合計54,600円が戻ります。同じ受講料でも、eラーニングとは9,600円、9時間の講座とは54,600円の差が付く。受講料の安さで並べた順位が、助成を引くと入れ替わるのはこのためです。</p><h3 id="h27e6fcf8c1">計画届は受講開始の6か月前から1か月前までに出す</h3><p>人材開発支援助成金を使うには、訓練開始日の6か月前から1か月前までに、職業訓練実施計画届を労働局へ提出します。あわせて、研修や人事の担当課長などを職業能力開発推進者に選任し、事業内職業能力開発計画を作って社内に周知しておく必要があります。</p><p>職業能力開発推進者は研修や人事の担当課長などが選任対象として例示されており、人事担当者自身が選ばれることもある立場です。人事向け研修の比較は申請の実務と地続きです。比較表には受講開始日と、そこから逆算した計画届の締め切りを入れておきましょう。</p><h3 id="h7c4ec7e346">助成の対象外になる研修テーマを先に外す</h3><p>同じ案内は、助成の対象外となる実施目的を表にしています。人事向けの研修で当たりやすいのは次の3つです。</p><ul><li>接遇・マナー講習など、職種を問わず社会人として共通に必要なもの</li><li>社内制度・組織・人事規則に関する説明、コンサルタントによる経営改善の指導</li><li>意識改革研修・モラール向上研修など、知識・技能の習得を目的としないもの</li></ul><p>候補の研修がこれらに当たるかは、職場外訓練（OFF-JT）の実施目的・実施方法で判断します。該当する内容がカリキュラムの一部に含まれる場合は、その時間を実訓練時間の算定から除き、残りの時間で10時間以上の要件を満たすかを確かめます。接遇・マナーの部分が実訓練時間の半分未満であれば対象になる扱いは、認定職業訓練のコースに限った話です。</p><h2 id="h465907f5d3">比較表には業務系統から計画届まで6つの列を置く</h2><p>人事研修の候補を並べる比較表には、受講者の業務系統、研修の到達点、形式、実訓練時間、助成を引いた実質負担、計画届の締め切りの6列を置きます。この6列が埋まれば、研修会社の知名度や一覧での順位に頼らずに候補を比べられるはずです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>列</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>書くこと</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>確かめる先</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>業務系統</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>人事・人材開発／労務管理</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>ビジキャリの試験範囲</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>到達点</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>検定の級、または研修後に任せる業務</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>研修会社のカリキュラム</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>形式</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>外部研修／公的団体／eラーニング／社内</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>研修会社の案内</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>実訓練時間</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>10時間以上か</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>カリキュラムの時間配分</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>実質負担</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>受講料から経費助成と賃金助成を引いた額</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>人材開発支援助成金の案内</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>計画届の締め切り</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>受講開始日の1か月前</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>労働局</p></td></tr></tbody></table><p>表の列のうち、研修会社によって差が出るのは到達点と実訓練時間の2つです。問い合わせの際にこの2つをカリキュラムの時間配分つきで出してもらえば、助成の可否と実質負担がその場で計算できます。</p><p>研修を終えた後の配置や立ち上がりまで設計するなら、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/onboarding">オンボーディング設計の5段階と定着・育成の組み方</a>の考え方が、中途で人事に入った担当者の育成にも使えます。</p>

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## [経営者を人材紹介で探す方法と契約の注意点](https://hr-media.offers.jp/articles/executive-recruitment-agency)

**公開日**: 2026-09-28
**著者**: 鈴木 裕斗
**カテゴリ**: 採用

<p>社長の後任が社内にいない。新しい事業を任せられる役員がいない。経営を担う人を社外から迎えようと考えたとき、人材紹介は最初に思い浮かぶ手段の1つです。</p><p>ただ、経営者の紹介は、現場の社員を中途採用するときと同じ感覚で進めるとつまずきます。候補者の数が少なく、迎え方によって会社との契約の形が変わり、見極めに時間がかかるからです。紹介会社に依頼する前に、任せる課題と迎え方を社内で決めているかどうかで、面談の回数も手数料の払い方も変わってきます。</p><h2 id="hf9fc1b6c3c">経営者を人材紹介で探す方式は登録型とサーチ型の2つ</h2><p>経営者や役員を人材紹介で探す方式は、登録型とサーチ型の2つです。登録型は紹介会社に登録している候補者から紹介を受け、サーチ型は紹介会社が転職を考えていない人にも直接声をかけます。登録型は早く候補者に会える一方で、母集団は登録者に限られます。サーチ型は母集団を広げられる代わりに、依頼から紹介までに時間がかかり、費用の払い方も異なる方式です。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>項目</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>登録型</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>サーチ型（ヘッドハンティング）</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>候補者の母集団</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>紹介会社に転職の希望を登録した人</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>他社で活躍中の人を含め、紹介会社が探し出した人</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>費用の払い方</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>入社が決まったときに払う成功報酬が中心</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>着手金と成功報酬の組み合わせや、期間で払う形がある</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>向いている場面</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>経営経験者を早く探したい、条件が比較的はっきりしている</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>特定の業界・経歴の人に絞りたい、登録者に候補がいない</p></td></tr></tbody></table><p>経営者の紹介を専門にする会社には、両方の方式を扱うところもあります。依頼の段階で「まず登録者から当たり、候補がいなければサーチに切り替える」と順番を決めておけば、費用と時間の見通しが立つはずです。サーチ型の仕組みと費用の組み方は、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/executive-search">ヘッドハンティングの仕組みと費用を解説した記事</a>で詳しく扱っています。</p><h2 id="h837957a86c">役員の紹介は求人13,062人に対して就職1,392件</h2><p>令和6年度に有料職業紹介で扱われた法人・団体役員の常用求人は13,062人で、前年度から50.1%増えました。同じ年度の常用就職件数は1,392件で、増加は17.5%にとどまります。役員の求人は大きく増えましたが、入社まで進んだ件数はその伸びに追いついていません。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>令和6年度（有料職業紹介）</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>法人・団体役員</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>法人・団体管理職員</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>新規求職申込件数</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>34,598件（前年度比17.6%増）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>277,601件（同40.6%増）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>常用求人数</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>13,062人（同50.1%増）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>293,153人（同15.8%増）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>常用就職件数</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1,392件（同17.5%増）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>16,007件（同10.0%増）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>求人数に対する就職件数</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>10.7%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>5.5%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>就職1件あたりの手数料</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>約436.5万円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>約288.3万円</p></td></tr></tbody></table><p>出所：<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001683019.pdf">厚生労働省「令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果（速報）」</a>（令和8年3月31日公表）をもとにOffers算出。</p><p>この統計の求人数と求職申込件数には、同じ求人や同じ人が複数の紹介会社に出した分が重なって数えられています。求人数に対する就職件数の比率は、実際の成約率より低く出る目安です。</p><p>役員の新規求職申込件数は34,598件で、求人数の約2.6倍でした。役員として転職したい人がいないわけではありません。経営を任せる人選では、経歴に加えて経営方針や価値観が合うかまで確かめるので、候補者の数が多くても入社まで進むのは一部です。</p><p>役員の手数料は、全額が紹介会社ごとに届け出た手数料表に基づく届出制手数料でした。1件あたりの額は管理職員の約1.5倍です。職種ごとの手数料の全体像は、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/recruitment-fee">人材紹介の費用を職種別の実額で整理した記事</a>にまとめています。</p><h2 id="he2a2fd24a1">社長を社外から迎える事業承継は2025年で7.6%</h2><p>2025年に代表者が交代した企業のうち、社外の第三者を代表として迎えた「外部招聘」は7.6%でした。最も多いのは血縁によらない役員・社員を登用した内部昇格の36.1%で、同族承継の32.3%を上回っています。社長の後任を人材紹介で社外から探すのは、事業承継の中では少数の選び方です。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>就任経緯（2025年・速報値）</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>割合</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>内部昇格</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>36.1%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>同族承継</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>32.3%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>M&amp;Aほか</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>20.6%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>外部招聘</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>7.6%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>創業者</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>3.4%</p></td></tr></tbody></table><p>出所：<a href="https://www.tdb.co.jp/report/economic/20251121-successor25y/">帝国データバンク「全国『後継者不在率』動向調査（2025年）」</a>（2025年11月21日発表・約27万社）。</p><p>同じ調査では、後継者が「いない」または「未定」の企業が50.1%ありました。2025年に就任した後任代表者の69.6%は、経営経験が3年未満です。社内から後継者を選ぶ場合でも、経営の経験を持つ人は多くありません。</p><p>社外から迎える経営者に求めるのは、社内では補えない経営の経験であることが多いはずです。一方で、社外の人は社内の事情や社員との関係を知りません。いきなり代表に据えるのではなく、取締役や事業の責任者として入ってもらい、一定の期間を経てから代表に就いてもらう段階を設ける会社もあります。</p><h2 id="h59c0c675b7">取締役として迎えるか、雇用で迎えるかで契約が変わる</h2><p>取締役として迎える場合、会社との関係は雇用ではなく委任になります。会社法第330条が「株式会社と役員及び会計監査人との関係は、委任に関する規定に従う」と定めているためです。取締役は株主総会の決議で選任するので（会社法第329条）、人選が決まっても、就任には株主総会の手続きが要ります。</p><p>出所：<a href="https://laws.e-gov.go.jp/law/417AC0000000086">e-Gov法令検索「会社法」</a>第329条・第330条・第349条・第362条。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>迎え方</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>会社との関係</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>決め方</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>事前に確かめること</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>取締役・代表取締役</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>委任（会社法第330条）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>取締役は株主総会の決議で選任。代表取締役は取締役会で選定（取締役会の無い会社は定款・定款の定めに基づく取締役の互選・株主総会の決議）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>株主総会の時期、報酬の決め方、任期</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>執行役員・事業部長など</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>会社ごとに決める（雇用契約とする会社と委任とする会社がある）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>社内の人事手続き</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>労働条件の明示、職務と権限の範囲</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>まず社員として入り、後に取締役</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>入社時は雇用。取締役に就くと委任の関係が加わる</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>入社時は社内手続き、就任時は株主総会</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>取締役就任の時期と条件の約束の仕方</p></td></tr></tbody></table><p>会社法第329条で役員と定める範囲は取締役・会計参与・監査役で、執行役員は含まれません。執行役員の契約の形は会社ごとに決めるので、社内の規程を確かめておきます。</p><p>紹介会社と契約するときにも、取締役として迎えるか雇用で迎えるかの違いが関わります。職業安定法は職業紹介を「求人者と求職者との間における雇用関係の成立をあつせんすること」と定めています（第4条）。取締役としての就任を紹介の成功とみなして手数料を払うのか、雇用契約の成立だけを対象にするのか。この点は契約書の成功報酬の条項で確かめます。社員として入社してから取締役に就く流れなら、どの時点の年収を手数料の基準にするかも書面で決めておくと安心です。</p><p>出所：<a href="https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000141">e-Gov法令検索「職業安定法」</a>第4条・第32条の13。</p><h2 id="h9a3d171a3e">技術部門の経営幹部を正社員で迎える経路</h2><p>CTOやVPoEなど、技術部門を率いる経営幹部を正社員として迎える場合は、エンジニアの採用に強い経路も持っておくと候補者の幅が広がります。経営者向けの紹介会社だけに頼らない形です。技術の経営幹部の候補には、転職の希望を紹介会社に登録していない人も含まれ、登録型の紹介だけでは出会えないことがあるからです。</p><p>経営者の紹介を専門にする会社は、技術の実務を評価する目を持っていないこともあります。技術の経営幹部を探すときは、候補者の技術的な実績を誰が見極めるのかを先に決めておくことが欠かせません。社内に評価できる人がいない場合は、外部の技術顧問に面接へ入ってもらう方法もあります。</p><p>CTOやテックリードなど技術の経営幹部を正社員で探しているなら、<a href="https://offers.jp/client/ai-rpo?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-consult&amp;utm_content=executive-recruitment-agency">AI RPO</a>に候補者の発見から声かけまでを任せる方法があります。転職市場に出る前の候補者にも、タイミングを合わせて継続して声をかける採用代行です。</p><h2 id="h6341dd40a4">経営者の人材紹介を依頼する前に決める3つのこと</h2><p>経営者の紹介を依頼する前に、社内で決めておくのは、任せる経営課題、権限と報酬、見極めの期間の3つです。この3つが曖昧なまま依頼すると、紹介会社は経歴の条件だけで候補者を探すことになり、面談のたびに求める人物像が揺れます。</p><h3 id="h3dc6d22552">任せる経営課題を1つに絞る</h3><p>最初に決めるのは、迎える人に何を任せるかです。「売上を伸ばしてほしい」では広すぎます。「既存事業の利益率を上げる」「新規事業を立ち上げる」「上場の準備を率いる」のように、就任後の数年で取り組む課題を1つに絞ります。課題が決まれば、必要な経験（業界・会社の規模・経営の局面）と、紹介会社に渡す条件が定まるからです。</p><h3 id="hd368768e80">権限と報酬を先に書き出す</h3><p>次に決めるのは、任せる権限と報酬の範囲です。予算や人事の決裁をどこまで持つのか、報酬は固定か業績連動か、株式やストックオプションを渡すのかを、面談の前に社内で合わせておきます。候補者は権限と報酬を見て入社を判断します。面談の後半になって条件が変わると、それまでの選考の時間が無駄になりかねません。</p><h3 id="h58a7a9f9a3">見極めの期間と場を用意する</h3><p>経営者の選考は、面接の回数を重ねるだけでは見極めきれません。会食や、経営会議への同席、既存の役員との面談など、人柄と経営の考え方を確かめる場を複数用意します。選考の期間は現場社員の採用より長くなる前提に立ち、代表交代や事業開始の時期から逆算して依頼の時期を決めるのが基本です。</p><h2 id="h429cd96e1a">紹介会社は許可・手数料表・返戻金の3点で選ぶ</h2><p>経営者の紹介を依頼する紹介会社は、有料職業紹介事業の許可があるか、手数料表を明示しているか、早期退職時の返戻金の規定があるかの3点で確かめます。経営者の紹介は1件あたりの手数料が高く、条件の食い違いが起きたときの影響も大きいからです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>確かめること</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>確かめ方</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>有料職業紹介事業の許可</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>厚生労働省の<a href="https://jinzai.hellowork.mhlw.go.jp/JinzaiWeb/GICB101010.do?action=initDisp&amp;screenId=GICB101010">人材サービス総合サイト</a>で許可番号と事業所を検索する</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>手数料表の明示</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>紹介会社は手数料に関する事項を求人者に明示する義務がある（職業安定法第32条の13）。成功報酬の基準（理論年収の範囲・役員報酬の扱い）を書面で受け取る</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>返戻金の規定</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>入社後の早期退職・早期退任のときに手数料の一部が戻るか、期間と割合を契約書で確かめる</p></td></tr></tbody></table><p>取締役として迎える場合は、早期に退任したときの返戻金の扱いが雇用の場合と同じかも確かめます。委任の契約では「退職」という言葉が当てはまらないためです。人材紹介の契約全体の確かめ方は、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/recruitment-agency">人材紹介の契約と会社の選び方を解説した記事</a>で扱っています。サーチ型と、自社から候補者に直接声をかけるスカウトとの使い分けは、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/scout-vs-headhunting">スカウトとヘッドハンティングの違いを整理した記事</a>を参考にしてください。</p><h2 id="h8a2d09e55f">経営者を人材紹介で迎えるときの要点</h2><p>経営者を人材紹介で迎えるときは、方式の選び方、役員の紹介の実態、契約の形、依頼前の準備の4点を押さえます。</p><ul><li>方式は登録型とサーチ型の2つ。まず登録者から当たり、候補がいなければサーチに切り替えるなど順番を決めておく</li><li>令和6年度の法人・団体役員の常用求人は13,062人（前年度比50.1%増）、常用就職は1,392件（同17.5%増）。役員の手数料は就職1件あたり約436.5万円（厚生労働省の統計をもとにOffers算出）</li><li>2025年に代表が交代した企業のうち外部招聘は7.6%（帝国データバンク調べ）。取締役や事業責任者として入ってもらう段階を設ける会社もある</li><li>取締役として迎える場合、会社との関係は委任（会社法第330条）。成功報酬の対象に取締役就任を含むかを契約書で確かめる</li><li>依頼の前に、任せる経営課題・権限と報酬・見極めの期間を社内で決める</li><li>紹介会社は許可・手数料表・返戻金の3点で確かめる</li></ul>

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## [リファラル採用の定着率｜国内データと測り方](https://hr-media.offers.jp/articles/referral-retention-rate)

**公開日**: 2026-09-27
**著者**: 鈴木 裕斗
**カテゴリ**: 組織

<p>「リファラル採用の定着率は35.9%」。この数字をそのまま社内資料に書くと、意味を取り違えます。35.9%は紹介で入社した人の在籍率ではなく、募集方法を比べて紹介経由が「一番残った」と答えた企業の割合です。</p><p>国内で確かめられるのは、紹介経路を定着の面で最も高く評価する企業が多い、という事実までです。商工中金の調査と厚生労働省の委託調査という2つの調査が、そろってこの方向を示しています。</p><p>一方で、紹介で入社した人が何年後に何割残ったかを測った公的統計は見当たりません。「紹介経由は本当に定着するのか」に答えられるのは自社の数字だけで、そのために必要なのは入社者1人1行の台帳です。</p><h2 id="h6ddfdd0d17">国内のデータは「紹介経由が最も定着した」と答えた企業の割合</h2><p>国内でリファラル採用の定着を示す数字として、商工中金の「中小企業の人材確保に関する調査」があります。取引先の中小企業に、実施したことがある募集方法のうち「最も人材が定着した方法」を尋ねた調査です。</p><p>リファラル採用を実施したことがある企業は46.4%でした。そのうえで最も定着した方法を尋ねると、自社従業員からの紹介による採用（リファラル採用）が35.9%で最も高く、縁故採用の33.3%が続きます。下の表は上位7項目です。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>募集方法</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>最も人材が定着した方法に挙げた割合</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>自社従業員からの紹介（リファラル採用）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>35.9%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>経営者・役員の家族や取引先からの紹介（縁故採用）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>33.3%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>ハローワーク</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>27.6%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>就職情報サイト・就職情報誌</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>25.1%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>人材紹介エージェント</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>23.3%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>学校からの紹介・学校への求人票提出</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>22.5%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>ヘッドハンティング等</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>20.5%</p></td></tr></tbody></table><p>出所：<a href="https://www.shokochukin.co.jp/report/data/assets/pdf/futai202401.pdf">商工中金「中小企業の人材確保に関する調査（2024年1月）」</a>（2024年5月公表）・本問の回答3,648社。</p><h3 id="hc3ea1555a0">35.9%は紹介で入社した人の在籍率ではない</h3><p>商工中金の調査にある35.9%の分母は、リファラル採用を実施したことがある企業です。そのうち35.9%が、自社の募集方法の中で紹介経由が最も定着したと答えた、という意味になります。</p><p>したがって「紹介で入社した人の35.9%が残った」とも、「人材紹介より12.6ポイント定着率が高い」とも読めません。何年後に何人が在籍していたかは、この調査では尋ねていないからです。</p><p>読み取れるのは、募集方法を比べたときに紹介経路を「一番残った」と評価する企業が多い、という傾向です。同じ調査で、最も人材の確保に役立った方法にリファラル採用を挙げた割合は24.3%でした。人を集める経路としてより、残る人が来る経路として評価されています。</p><h2 id="h2da898f6ff">厚労省の委託調査でも離職率の低さを挙げる割合は紹介が突出</h2><p>別の角度からの数字もあります。厚生労働省の委託調査は、採用手段ごとに「その手段を使う理由」を主なもの3つまで尋ねました。選択肢の1つが「就職後の離職率が低い」です。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>採用手段</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>「就職後の離職率が低い」を理由に挙げた割合</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>回答件数</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>知り合い・社員等からの紹介（縁故）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>44.8%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>125件</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>公共職業安定所（ハローワーク）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>5.1%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>351件</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>民間職業紹介事業者（紹介会社）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>4.1%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>197件</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>自社HP等からの直接応募</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>3.6%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>168件</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>インターネットの求人情報サイト</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>0.7%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>297件</p></td></tr></tbody></table><p>出所：<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/000956216.pdf">厚生労働省「令和3年度厚生労働省委託調査 採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査 報告書」</a>（令和4年3月）図表IV-16。</p><p>紹介を使う企業の半数近くが、辞めにくさを理由の1つに挙げています。同じ図表で回答が100件以上ある手段は、紹介を除くとどれも5%前後かそれ未満です。紹介の次に高いのはインターンからの就職（15件中3件）とその他（5件中1件）の20.0%ですが、どちらも回答が20件に届きません。</p><p>紹介の回答件数は125件で、表に載せた他の手段より少なめです。件数が少ないほど割合は振れやすくなりますが、この表の差は40ポイント近くあります。件数の少なさだけで説明できる幅ではありません。</p><p>ただし、これも企業が利用理由として選んだ割合です。紹介で入社した人の離職率を集計した数字とは、性質の異なる数字です。</p><h3 id="h9a02aaf829">2つの調査がそろって示すのは「企業の実感」まで</h3><p>商工中金の調査と厚生労働省の委託調査は、対象も尋ね方も違います。それでも、紹介経路を定着の面で評価する企業が多いという方向は一致しています。</p><p>一方で、紹介経由の入社者が何年後に何割残るかを示す公的統計は、国内に見当たりません。雇用動向調査は入職者と離職者を別々に数えており、入社した人を追いかける設計になっていないからです。この構造は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/mid-career-retention-rate">中途採用の定着率の測り方</a>で詳しく扱っています。</p><p>したがって「リファラル採用の定着率は本当に高いか」に、国内の調査データだけで答えることはできません。言えるのは「定着の面で最も評価されている経路」までで、自社で高いかどうかは自社の数字で確かめることになります。ただ、定着率の数字だけを追っても、どこで崩れているかまではわかりません。募集・選考・入社後の受け入れまでを通して点検すると、紹介経路の数字がどこに位置づくかが見えてきます。</p><p>自社の採用の進め方を項目ごとに採点する<a href="https://service.offers.jp/client/hiring-check/?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-whitepaper&amp;utm_content=referral-retention-rate">エンジニア採用力チェック</a>は、その点検に使える道具のひとつです。</p><h2 id="h2e7b1da1cf">紹介経由の人が残りやすいと考えられる理由</h2><p>紹介経路が定着の面で評価される理由として、よく挙げられるのは次の3つです。いずれも仕組みとしての説明で、自社に当てはまるかは後で述べる測り方で確かめます。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>理由</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>起きていること</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>入社前に職場の実像が伝わる</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>紹介者が良い面も大変な面も話すので、入社後の「思っていたのと違う」が小さくなる</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>紹介者が相手を選んでいる</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>合わなければ気まずくなるため、社員は自社に合いそうな知人に声をかける</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>入社初日から知っている人がいる</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>相談できる相手がいるので、最初の数か月の孤立が起きにくい</p></td></tr></tbody></table><p>1つめは、入社前に仕事の実態を良い面も悪い面も伝えるRJP（Realistic Job Preview＝現実的な仕事情報の事前開示）と同じ働きです。紹介者の話と面接の説明が食い違うと、この働きは逆向きになります。紹介時に求人票や仕事内容の資料を渡しておけば、説明のずれは小さくなります。</p><p>商工中金の調査に回答した企業の自由記載には、次のような声がありました。不動産業の企業は、店舗の店長が声をかけて入社した社員が全員定着し、役職候補としての成長も他の中途社員より早いと書いています。同じ企業は、同業他社から引き抜く形になるので慎重に進めないと敵を作る、とも書いていました。</p><h2 id="hd225b632ec">自社のリファラル定着率は入社時期で束ねて経路別に測る</h2><p>自社で測るときは、同じ時期に入社した人を採用経路で分け、一定の月数が経った時点で何人が在籍しているかを数えます。分母は入社した時点で固定し、あとから入社した人を足しません。</p><p>紹介経由のNか月定着率（%） ＝ 起点期間に紹介経由で入社した人のうち、Nか月後も在籍している人数 ÷ 起点期間に紹介経由で入社した人数 × 100</p><p>紹介以外の経路も同じ式で数え、2つを並べます。次の表は式の使い方を示すための仮の数字で、実在の企業のデータではありません。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>経路（仮の例）</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>入社</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>1年後の在籍</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>1年定着率</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>紹介経由</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>8人</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>7人</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>87.5%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>紹介以外</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>32人</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>24人</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>75.0%</p></td></tr></tbody></table><p>この例では紹介経由が12.5ポイント高く見えますが、それだけで制度の成果とは言えません。理由は後の節で扱います。定着率そのものの定義と、離職率を100から引いて代わりにできない理由は、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/retention-rate">定着率の計算式を扱った記事</a>にまとめました。</p><h3 id="hd3d6e92b48">集計は1人1行の台帳から始める</h3><p>集計の元になるのは、入社者を1人1行で並べた台帳です。人事システムから書き出せる項目がほとんどで、紹介者の欄だけを足せば始められます。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>列</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>書くこと</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>後で使う場面</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>入社日・採用経路</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>紹介／人材紹介／求人サイト／直接応募など</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>経路別に分母を作る</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>職種・部門</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>配属時の職種と部門</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>同じ職種の中で経路を比べる</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>紹介者</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>氏名と、その時点の在籍</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>紹介者の退職後の動きを追う</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>在籍（3か月・1年・3年）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>各時点で在籍していたか</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>定着率の分子を数える</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>退職日・退職理由</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>退職した場合のみ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>率が下がった年の原因を探す</p></td></tr></tbody></table><h3 id="he04e6aca86">観測点は3か月・1年・3年の3つを決めておく</h3><p>何か月後を見るかは、集計を始める前に決めて、年をまたいでも変えません。見るタイミングごとに、わかることが違うからです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>観測点</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>わかること</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>3か月</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>入社直後のミスマッチ。紹介時の説明のずれが出やすい</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>1年</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>配属先や上司との相性まで含めた定着</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>3年</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>評価や処遇を経たうえでの定着。経路の差が残るかを見る</p></td></tr></tbody></table><h2 id="h75b2d18830">比べるときは母数・職種・紹介者の3点で数字がぶれる</h2><p>紹介経由の定着率を他の経路と比べるときは、数字がぶれる原因を先に押さえておいてください。原因は主に3つです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>ぶれの原因</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>何が起きるか</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>対処</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>母数が小さい</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>紹介経由が8人なら、1人の退職で12.5ポイント動く</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>複数年度を足して見る。率と一緒に人数を必ず書く</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>職種や入社時期が偏る</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>紹介は特定の職種や部門に集まりやすく、職種の差が経路の差に見える</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>同じ職種・同じ年度の中で経路を比べる</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>紹介者が先に辞める</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>紹介者の退職後に、被紹介者の在籍がどう動くかが見えない</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>台帳の紹介者の欄で在籍を追う</p></td></tr></tbody></table><p>母数の影響は、先ほどの仮の例で確かめられます。紹介経由の退職が1人増えるだけで、87.5%は75.0%になり、紹介以外と並びます。率だけで「紹介経由は定着する」と判断するのは、人数が20人程度たまってからにしたほうが安全です。</p><p>職種の偏りは、エンジニアの紹介が多い企業で起きやすい問題です。職種ごとに定着率が違えば、経路を比べたつもりで職種を比べていることになります。</p><p>紹介者の退職は、紹介経由ならではの論点です。紹介者との関係が入社の決め手だった人ほど、紹介者の退職が自分の在籍を考え直すきっかけになりえます。自社の台帳を見ないと確かめられないので、紹介者の欄は入社時に必ず埋めておいてください。</p><h2 id="h2867f92f1d">測った定着率は紹介報酬の支給条件と観測点にそろえる</h2><p>経路別の定着率を測り始めたら、紹介報酬の支給条件もそれに合わせると運用がそろいます。たとえば入社後3か月の在籍を支給条件にすれば、3か月定着率の観測点と同じ日付で在籍を確かめる形です。</p><p>同じ調査の自由記載には、社員の紹介で入社した人が定着した場合に報奨金を出している企業（道路貨物運送）もありました。支給のタイミングを観測点にそろえておけば、報酬を払った紹介のうち何割が1年後も残ったかを台帳からそのまま追えるようになるのが利点です。</p><p>報酬額や支給時期の決め方は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/a_116">リファラル採用の報酬の決め方</a>で、制度全体の設計は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/referral-recruitment">リファラル採用の仕組みと制度設計</a>で扱っています。</p><h3 id="h3ef52df9db">年1回、人事担当が台帳から原因を切り分ける</h3><p>集計は年度末に1回、人事担当が台帳から経路別・職種別の1年定着率を出す運用で足ります。紹介経由の率が他の経路より低い職種が見つかったら、制度をやめる前に、退職した人の行を1件ずつ見てください。</p><p>台帳の列を突き合わせると、原因はおおむね次の3つに分かれます。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>台帳で見える兆候</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>考えられる原因</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>次の打ち手</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>3か月以内の退職が多く、退職理由が「聞いていた話と違う」</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>紹介時の説明と面接の説明のずれ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>紹介時に求人票と仕事内容の資料を渡す</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>特定の部門に退職が集まる</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>配属先の受け入れ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>経路を問わず、その部門の受け入れを見直す</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>紹介者の退職の後に被紹介者が辞めている</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>紹介者との関係に在籍が支えられていた</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>紹介者が辞めるときに被紹介者と面談する</p></td></tr></tbody></table><p>1年目は件数が少なく、表の形にならないこともあります。それでも台帳を続けていれば、3年分がたまった時点で、自社のリファラル採用の定着率が本当に高いのかを、数字で答えられる状態になっているはずです。</p><h2 id="hcf1b7f1afd">リファラル採用の定着率で人事が押さえる要点</h2><p>紹介経路が本当に定着するかは、公表されている調査の数字を借りるより、自社の入社者を経路別に台帳で数えて確かめます。国内で引かれる数字は企業の評価の集計なので、自社の判断材料には台帳の在籍率を使います。</p><ul><li>国内の調査にある35.9%（商工中金）や44.8%（厚生労働省の委託調査）は、企業が紹介経路を定着の面で評価した割合で、入社した人の在籍を数えた数字とは別物。定着の面で最も評価されている経路とまでは言える</li><li>自社の定着率は、1人1行の台帳から同じ時期の入社者を経路で分け、3か月・1年・3年の観測点で在籍を数える</li><li>比べるときは母数・職種・紹介者の3点でぶれるので、人数を添えて同じ職種・年度の中で比べ、年1回、台帳の列から原因を切り分ける</li></ul>

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## [研修の事例は人数で測る、金融庁が選んだ上場7社の開示](https://hr-media.offers.jp/articles/training-case-studies)

**公開日**: 2026-09-27
**著者**: 鈴木 裕斗
**カテゴリ**: 組織

<p>研修を受けた人に聞くと、ほとんどが「役に立った」と答えます。回答がここまで上限に近いと、その回答だけで良い研修とそうでない研修を見分けるのは難しくなります。</p><p>研修の事例を集めても、並ぶのは研修の中身ばかりになりがちです。何人を育て、どこまで到達したかまで分かる事例は多くありません。</p><p>一方で上場企業は、育成の取組を有価証券報告書で開示しています。金融庁はその中から好事例を選び、抜粋を1冊の資料にまとめました。</p><p>この記事では、その資料で人的資本の開示例に載る7社の抜粋を読みます。7社のうち3社（横浜フィナンシャルグループ・NTTデータグループ・イズミ）は、研修の成果を受講後の評価ではなく、認定・資格で確かめた到達の水準と人数で開示していました。</p><h2 id="h0c35ad7352">研修事例を企業の開示で読む資料は金融庁の好事例集</h2><p>研修の事例を企業自身の言葉で読める資料は、有価証券報告書です。人的資本の欄に、育成の方針と指標を書く決まりです。ただし全社の報告書を読み比べるのは手間がかかります。</p><p>金融庁は2018年度から毎年度、有価証券報告書の開示の好事例集を公表しています。2026年3月27日には『記述情報の開示の好事例集2025』の最終版を公表しました。人的資本を扱う部分は、2025年12月25日に先に公表されています。出所：金融庁<a href="https://www.fsa.go.jp/news/r7/singi/20260327/02.pdf">『記述情報の開示の好事例集2025』</a>（2026年3月27日公表）。</p><h3 id="hac42f1345b">本記事で読む7社</h3><p>人的資本の開示例として載る7社を、すべて読みます。いずれも2025年2月期・3月期の有価証券報告書の抜粋でした。</p><p>記述には2つの用語が頻繁に出てきます。OJT（On the Job Training）は職場の実務を通じた育成、Off-JT（Off the Job Training）は職場を離れて受ける研修です。国の統計では、同じものを OFF-JT（OFF-the-Job Training）と表記します。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>企業</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>業種</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>研修・育成の記述の中心</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>日立製作所</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>電機</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>企業内大学のDX研修体系と、採用・買収を含むデジタル人財の確保数</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>NTTデータグループ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>情報サービス</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>専門性の認定制度と、生成AI・クラウド人財の育成人数</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>横浜フィナンシャルグループ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>銀行</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>OJTとOff-JTの連動と営業のスキル認定</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>丸井グループ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>小売・金融</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>理念の対話と、研修費を含む人的資本投資額</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>イズミ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>小売</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>選抜研修と技能ライセンスの取得率</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>うるる</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>ITサービス</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>新入社員のオンボーディングと管理職候補者研修</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>カプコン</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>ゲーム</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>若手のOJT/Off-JTと管理職候補者研修</p></td></tr></tbody></table><p>出所：金融庁 同好事例集 ２.「人的資本、従業員の状況」の開示例（2026年3月27日公表）。</p><p>うるるは、中堅中小上場企業の参考例として選ばれた1社です。直近決算期の売上高が300億円以下の企業から選んだと、資料に明記されています。</p><p>なお横浜フィナンシャルグループの旧商号は、コンコルディア・フィナンシャルグループです（2025年10月1日に変更）。</p><h3 id="h3a3178d966">好事例集の読み方</h3><p>金融庁の「記述情報の開示の好事例集2025」は、各社の有価証券報告書から該当箇所を抜き出して並べた資料です。本記事の各社の記述と数値も、すべてこの抜粋から引きました。抜粋ごとに、金融庁が着目したポイントが添えられています。</p><p>ただし資料は、公表をもって各社の開示内容に誤りが無いことを保証するものではないと注記しています。数値は各社が自ら開示した値として読むのが正確です。</p><h2 id="h2a0418b2ba">研修の平均的な量は国の統計で押さえる</h2><p>他社の事例を読む前に、国全体の研修の量を知っておくと比較の物差しになります。厚生労働省の令和7年度「能力開発基本調査」は、費用と時間の両方を出している統計です。費用は企業調査、実施の割合は事業所調査、受講時間と役立ちは個人調査の値です。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>指標</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>値</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>OFF-JTに費用を支出した企業</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>50.1%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>OFF-JT費用の労働者一人当たり平均額（費用を支出した企業）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2.0万円</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>OFF-JTを実施した事業所</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>72.6%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>受講者の平均延べ受講時間（正社員）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>22.2時間</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>受講したOFF-JTが役に立ったとした者</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>96.0%</p></td></tr></tbody></table><p>出所：厚生労働省<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/11801500/001728125.pdf">『令和7年度「能力開発基本調査」の結果』</a>（2026年7月31日公表）。</p><p>費用は令和6年度1年間に費用を支出した企業の平均で、支出していない企業は含みません。前回の1.5万円から0.5万円上がりました。費用を支出した企業の割合も、前回の49.4%から上昇しています。</p><p>表の最下段が、冒頭で触れた「役に立った」の数字です。労働者全体の96.0%が、受講したOFF-JTが役に立ったと答えました。調査は研修ごとの内訳を示していませんが、ここまで上限に近い指標は、研修の良し悪しを見分ける物差しにはなりにくいと考えられます。</p><h3 id="h30753130d4">受講者の半数は年10時間未満</h3><p>受講時間は、平均だけ見ると実態を取り違えます。OFF-JTを受けた人（労働者全体）の延べ受講時間は、5時間未満が22.0%、5時間以上10時間未満が27.1%でした。</p><p>合わせると、受講者の約半数が年に10時間未満です。労働者全体の平均の20.5時間は、長時間の受講者に引き上げられた値と読めます。出所：同調査。平均は、回答の時間階級ごとに中間値を当てた推計値です。</p><p>正社員以外の平均は11.2時間で、正社員の22.2時間の半分ほどです。研修の量は、雇用形態によって大きく差が開いています。</p><h3 id="h54340f9757">研修の対象は新入社員と中堅に寄る</h3><p>正社員にOFF-JTを実施した事業所を職層別に見ると、新入社員が58.7%、中堅社員が57.4%でした。管理職層は49.0%にとどまります。出所：同調査（2026年7月31日公表）。</p><p>新入社員研修の事例が目に付きやすいのも、実施する事業所の多さと整合します。管理職の育成は、実施の段階で一段少ない水準です。</p><h2 id="hc121fb435f">7社の研修事例のうち3社は人数と到達で測る</h2><p>NTTデータグループ・横浜フィナンシャルグループ・イズミの3社は、研修の中身より先に、どの水準に何人が届いたかという数字を開示しています。日立製作所はデジタル人財の確保数を、丸井グループは研修費を含む投資額を、うるるとカプコンは研修の設計を記述の中心に置いていました。</p><h3 id="h06f6dfe059">NTTデータグループは専門性の認定者数を目標に置く</h3><p>NTTデータグループは、専門性とレベルを認定する制度「プロフェッショナルCDP（Career Development Program）」を、2003年以降約20年にわたって運用しています。所属組織の上下関係だけでなく、専門性のカテゴリーごとに組織を越えて指導し合う仕組みです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>指標</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>2024年度目標</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>2024年度実績</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>2025年度目標</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>プロフェッショナルCDP新規認定者数</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1,500名</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1,850名</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1,500名</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>グローバル経営人財育成プログラム（GLP）新規修了者数</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>20名</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>32名</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>20名</p></td></tr></tbody></table><p>出所：同好事例集に掲載のNTTデータグループ 有価証券報告書（2025年3月期）抜粋。</p><p>認定の基準があるため、研修を受けた人数ではなく、水準に届いた人数を目標と並べて数えられます。グローバル経営人財育成プログラム（GLP）の修了者は、全世界で累計382名になりました。</p><p>技術領域ごとの育成人数も記載されています。生成AIでは、全社員向けの基礎知識のレベル（Whitebelt）から、プロジェクトを率いて後進を育てるレベル（Blackbelt）まで段階を設け、2024年度に15,000人の育成目標を達成しました。クラウドでは、グローバル共通の教育プログラムで30,000人以上の技術者を育成したとしています。</p><h3 id="ha306627d12">横浜フィナンシャルグループは上級者の人数で測る</h3><p>横浜銀行などを傘下に持つ同社は、OJTとOff-JTを連動させた育成を実践しています。狙いは若手行員の早期戦力化と、顧客に解決策を提案するスキルの高度化です。営業人員向けには、スキルレベルの認定制度も設けました。</p><p>重要な指標に置いたのは、スキルレベル上級者の育成人数です。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>指標</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>2022年度</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>2023年度</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>2024年度</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>目標</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>営業人員スキルレベル上級者育成数</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>122名</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>87名</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>93名</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>187名（3年累計）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>営業人員数</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2,237名</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2,261名</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2,395名</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2,510名</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>一人あたりソリューション収益</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>90百万円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>97百万円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>107百万円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>153百万円</p></td></tr></tbody></table><p>出所：同好事例集に掲載の横浜フィナンシャルグループ 有価証券報告書（2025年3月期）抜粋。</p><p>目標は2027年度の値で、上級者育成数だけは2025〜2027年度の3年累計です。</p><p>研修の成果が、営業人員一人あたりの収益と同じ表に並んでいます。表は両者の関係を式で示してはいませんが、育成の目標と事業の目標を同じ期間で並べて読める形です。</p><p>2023年度の上級者育成数は前年を下回りました。減った年も含めて毎年の実数を並べており、増減の理由を後から問える形です。</p><h3 id="hbd2ea51780">イズミは選抜研修と技能ライセンスを分ける</h3><p>イズミは、階層別研修に加えて、経営人材の育成を目的とした選抜研修を行っています。選抜プログラムの「イズミ大学」は2年間の研修で、部課長から将来の経営幹部候補を選びます。</p><p>階層別研修の側では、強みである生鮮食品・惣菜に合わせた技能の認定を置きました。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>指標</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>2022年度</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>2023年度</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>2024年度</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>2025年度目標</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>イズミ大学参加人数（累計）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>49名</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>78名</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>103名</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>103名</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>生鮮技能ライセンス取得率</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>48%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>48%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>52%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>60%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>食品安全ライセンス認定試験合格者数</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>0名</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>0名</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>432名</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2,000名</p></td></tr></tbody></table><p>出所：同好事例集に掲載のイズミ 有価証券報告書（2025年2月期）抜粋。</p><p>生鮮技能ライセンスは鮮魚・精肉・惣菜・青果ごとに基準があり、達した社員には手当が付きます。研修の到達を、処遇と結びつけている例です。</p><p>食品安全ライセンスの2023年度の検定は、2024年2月のランサムウェア被害の影響で中止になったと記載されています。</p><h3 id="hde531a6c45">日立製作所はデジタル人財の確保数を中期経営計画に置く</h3><p>日立製作所は、企業内大学の日立アカデミー社を中心に、100コース以上にわたる独自のDX研修体系を持ちます。あわせて、実務経験を通じた育成プログラムも拡充してきました。</p><p>デジタル人財は、2024中期経営計画の目標97,000人に対し、2024年度までに107,000人を確保しました。この人数は研修で育てた人数だけではなく、採用・事業買収で獲得した人財も含む確保の人数です。抜粋の本文には、研修で育てた人数を分けて示す記述はありません。出所：同好事例集に掲載の日立製作所 有価証券報告書（2025年3月期）抜粋。</p><p>経営リーダー候補の育成は、OJTとOff-JTの組み合わせです。経営者ポジションを含むタフアサインメント（難度の高い職務への配置）と、社外トレーニング・コーチングを併用しています。</p><h3 id="h1fa8bea794">丸井グループは研修費を投資額に含めて開示する</h3><p>丸井グループは、研修の効果ではなく、人に投じる金額の側を開示しています。開示するのは教育・研修費だけの額ではありません。人的資本投資を、従来の教育・研修費に新規事業に係る人件費や、グループ会社間で職種を変えて異動した社員の1年目の人件費などを加えて再定義しました。</p><p>再定義後の人的資本投資は、2025年3月期で88億円です。2022年3月期の77億円から、2026年3月期には100億円へ広げるとしています。いずれも好事例集に載る同社の有価証券報告書（2025年3月期）の抜粋からの値です。</p><p>研修の外側の施策も記述されています。理念を話し合う対話の場には、10年以上で4,500名以上の社員が参加しました。グループ会社間の職種変更異動は、全グループ社員の約86%が経験しました。</p><h3 id="hf2dfe25556">うるるとカプコンは管理職の手前で育てる</h3><p>うるるは、次期管理職を目指す正社員に管理職候補者研修を行っています。外部パートナーと独自のプログラムを組み、約9ヶ月間にわたって事業マネジメントと人・組織マネジメントを反復して学ぶ形です。</p><p>同社は、新入社員に向けて、入社の経路ごとに分けたオンボーディングプログラムを、全社横断のプロジェクトとして導入しています。中途入社者の立ち上がりも、研修体系の一部として設計している例です。出所：同好事例集に掲載のうるる 有価証券報告書（2025年3月期）抜粋。</p><p>カプコンも、管理職候補者に対するマネジメント力向上のための研修を挙げています。開発人員の育成では、若手育成のためのOJT/Off-JTの充実を施策に置きました。</p><h3 id="he266098f03">うるるの型は専任の組織を前提にしない</h3><p>7社のうち、企業内大学のような専任の組織を持たない会社が参考にしやすいのは、うるるの管理職候補者研修だと考えられます。資料にあるのは外部パートナーと共にプログラムを構築・実行する形までですが、社外の力を借りて組む分、自前の研修組織を置かなくても始めやすい形です。</p><p>研修の期間でも差があります。うるるの研修は約9ヶ月間にわたって学習のサイクルを繰り返す形で、イズミの選抜研修は2年間のプログラムでした。</p><p>日立製作所の100コースを超える研修体系は、企業内大学という専任の組織があって成り立つものです。同じ形をいきなり目指すより、到達の測り方だけを借りる読み方が現実的です。</p><h2 id="h6ae8f65fda">7社の開示から取り出せる研修の組み方は3つ</h2><p>7社の記述から、研修を組むときに移せる型が3つ取り出せます。3つとも、研修の中身より手前にある置き方の話です。</p><h3 id="hc76b306690">育成の人数を事業の必要数から決める</h3><p>1つ目は、何人を育てるかを先に決める型です。NTTデータグループが専門性の新規認定者数を、横浜フィナンシャルグループが上級者の育成人数を、それぞれ目標に置いています。日立製作所も、採用・買収を含むデジタル人財の確保数を中期経営計画の目標に置きました。</p><p>人数が決まれば、研修の定員と期間はそこから逆算で決まります。まずは研修の企画書に、事業側の必要数を1行入れるところからでも始められる作業です。</p><p>ただし必要数は、事業計画の側が先に出さないと逆算できません。研修担当だけでは決められないため、事業部門と数字をすり合わせる場を先に置く必要があります。</p><h3 id="hf2831723b4">到達を認定・資格で測る</h3><p>2つ目は、研修の成果を到達の水準で測る型です。NTTデータグループの専門性の認定、横浜フィナンシャルグループのスキル認定、イズミの技能ライセンスが該当します。</p><p>前述のとおり、受講したOFF-JTが役に立ったとする回答はほぼ上限に張り付いていました。到達の基準を持つと、研修を受けた人と受けて水準に届いた人を分けて数えられます。</p><p>ただし認定制度は、基準づくりと判定に手間がかかる仕組みです。全職種に一度に入れず、成果と技能の結びつきが明確な職種に絞って始めると無理がありません。</p><h3 id="hbef7a4d51a">選抜した層に長い期間の研修を置く</h3><p>3つ目は、選抜した層に長い期間をかける型です。部課長から経営幹部候補を選ぶイズミの選抜研修は2年間、次期管理職を目指す正社員に向けたうるるの管理職候補者研修は約9ヶ月間でした。</p><p>国の統計で管理職層向けのOFF-JTを実施した事業所は49.0%で、新入社員向けの58.7%より9.7ポイント低い水準です。管理職の手前を対象にした研修は、うるるとカプコンの2社が管理職候補者研修として挙げています。</p><p>長期の選抜研修は、受講者の通常業務と並行して進むのが普通です。業務の引き継ぎや周囲の負担の手当てまで含めて設計しないと、途中で脱落者が出やすくなります。</p><h2 id="h00204872f1">育成で埋まらない分は採用の工程を見る</h2><p>研修を設計しても、教える側の人材が足りなければ計画は進みません。研修の設計で見落としやすいのが、この育てる側の人手です。国の統計では、能力開発や人材育成に何らかの問題があるとする事業所が80.1%でした。</p><p>問題点の内訳（複数回答）で最も高いのは、指導する人材が不足している59.5%です。人材を育成しても辞めてしまう51.6%、人材育成を行う時間がない45.5%が続きます。出所：厚生労働省 令和7年度能力開発基本調査。</p><p>指導する人材が足りないなら、研修を増やす前に、教える側の人材を外から迎える選択肢があります。たとえば若手エンジニアの育成を担える経験者を中途で迎える場合、確認したいのは自社の採用がどの工程で詰まっているかです。</p><p><a href="https://service.offers.jp/client/hiring-check/?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-light&amp;utm_content=training-case-studies">エンジニア採用力チェック</a>は、エンジニア採用力を5指標24項目でスコアリングし、競合比較と改善アクションを含む12ページのレポートをメールで届ける無料の診断です。育成で埋める分と採用で埋める分を分けるときの、採用側の現在地を先に測れます。</p><h3 id="h702a52db5a">育成と採用を同じ表で考える</h3><p>7社の開示にも、育成だけで必要数を満たさない前提が書かれています。日立製作所はデジタル人財の確保に、研修と並べて採用と事業買収を挙げました。</p><p>イズミは、今後の取組としてスキルの棚卸しを掲げています。どんなスキルを持った人材がどこに何人必要か、不足する場合にどう育成あるいは採用するかを考え抜く必要があると記述しました。出所：同好事例集に掲載のイズミ 有価証券報告書（2025年2月期）抜粋。</p><p>中途で迎えた人材の立ち上がりは、研修とは別の設計が要ります。進め方は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/onboarding">オンボーディング設計の5段階と定着・育成の組み方</a>で扱いました。</p><h2 id="h9ef7aaa643">自社の研修事例を作る4つの手順</h2><p>他社の事例を読んだ後は、自社の研修を同じ形式で書けるかが次の段階です。人数と到達を開示した3社の形式に沿うと、手順は4つになります。</p><ol><li>必要数を置く：事業計画から、育てる人数と時期を1行で書く</li><li>到達を決める：認定・資格・職務の変化など、受講以外の到達の基準を決める</li><li>期間を割り当てる：選抜層には月単位、全員向けは時間単位で配分する</li><li>推移を残す：人数と到達を年度ごとに並べ、目標の年度まで記録する</li></ol><p>4つ目は、横浜フィナンシャルグループとイズミが複数年度の表で、NTTデータグループが目標と実績の対比で示していた部分です。単年の実績だけでは、研修が効果を上げたのか、たまたま数字が動いたのかを区別できません。</p><h3 id="h08bad4934c">研修の量は統計と比べて確かめる</h3><p>自社の研修の量が妥当かは、国の統計と比べると判断できます。比べる軸は2つです。</p><ul><li>一人当たりのOFF-JT費用が、費用を支出した企業の平均の2.0万円に届いているか</li><li>受講者の年間の延べ受講時間が10時間未満に偏っていないか</li></ul><p>どちらも、国全体の中での位置を知るための物差しです。費用の2.0万円は支出した企業だけの平均なので、支出の無い企業を含めた平均より高めに出ます。上回ったからといって十分とは限りません。</p><p>研修の個別テーマのうち、面接官の育成については<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/interviewer-training-selection">面接官研修の選び方｜精度と法令と費用で絞る</a>で扱いました。</p><h2 id="h4a2bd7a57d">開示の要件が研修の書き方を変える</h2><p>人材戦略を企業戦略と関連付けて書くことは、2026年から有価証券報告書で求められるようになりました。金融庁は2026年2月20日に開示府令の改正を公布・施行しています。</p><p>有価証券報告書で新たに求められるのは、連結ベースの企業戦略と関連付けた人材戦略、それを踏まえた従業員給与等の決定方針、従業員の平均給与の対前年比増減率の3点です。適用は2026年3月31日以後に終了する事業年度からになります。出所：金融庁<a href="https://www.fsa.go.jp/news/r7/shouken/20260220/20260220.html">『企業内容等の開示に関する内閣府令等の一部を改正する内閣府令等の公布及びパブリックコメントの結果について』</a>（2026年2月20日公布）。</p><p>改正は研修や育成の指標の書き方までは定めていません。それでも、横浜フィナンシャルグループが上級者育成数を一人あたり収益と同じ表に並べ、NTTデータグループが認定者数を中期経営計画の人財戦略の指標に置いていたのは、人材戦略を事業の戦略と並べて読ませる書き方として参考になります。</p><p>制度改正の全体像は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/human-capital">人的資本とは？2026年の制度改正で何が変わったか</a>で扱いました。人事施策の事例を国の事例集で読む方法は、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/hr-strategy-cases">人事戦略の事例、公表19社の偏りと再現条件</a>にまとめています。</p><h3 id="h6c3113f5d3">研修の成果は受講後の評価ではなく人数と到達で示す</h3><p>受講者の96.0%が役に立ったと答える以上、その回答だけで研修の良し悪しは語れません。7社のうちNTTデータグループ・横浜フィナンシャルグループ・イズミの3社が開示していたのは、認定・資格で確かめた到達の水準と、そこに届いた人数でした。</p><p>研修の事例を探すときも、同じ物差しで読むと自社に移せる部分が見えます。何人を、どの水準まで、何年かけて育てたか。この3点が書かれた事例ほど、自社の研修計画と予算の根拠に使いやすくなります。</p>

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## [リファラル採用の内定辞退と紹介者・報酬の扱い](https://hr-media.offers.jp/articles/referral-offer-decline)

**公開日**: 2026-09-27
**著者**: 鈴木 裕斗
**カテゴリ**: 採用

<p>社員の紹介で選考を進めた候補者から、内定辞退の連絡が届く。紹介経由の採用では、ここで人事が向き合う相手が2人になります。辞退した候補者と、その人を紹介した社員です。</p><p>辞退そのものは止められません。止められるのは、辞退の後に紹介者との関係がこじれることです。こじれる原因はたいてい2つで、紹介者が辞退を人づてに知ることと、紹介報酬の扱いが決まっていないことです。どちらも、辞退が起きる前に手順と規程を決めておけば防げます。</p><h2 id="heb22af9a53">辞退の連絡を受けたら当日中に人事から紹介者へ伝える</h2><p>辞退の連絡は候補者から人事が直接受け、紹介者へはその日のうちに人事が伝えます。紹介者が候補者本人や社内の噂から先に知ると、「会社は自分に何も言わなかった」という不信が残るからです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>順番</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>誰が</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>何をする</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>1</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>候補者</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>採用担当へ辞退を伝える</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>2</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>採用担当</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>辞退を受け、紹介者に伝えてよい範囲を候補者に確かめる</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>3</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>採用担当</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>当日中に紹介者へ事実と感謝を伝える</p></td></tr></tbody></table><p>候補者が先に紹介者へ伝えている場合もあります。その場合も、会社としての連絡は人事から入れておいてください。紹介者にとって大事なのは情報の早さより、会社が自分を当事者として扱ったかどうかです。</p><h3 id="h81de78844f">紹介者への連絡は事実と感謝の2点に絞る</h3><p>紹介者への連絡は、辞退の事実と、紹介してくれたことへの感謝の2点で足ります。辞退の理由は候補者の情報なので、本人が伝えてよいと言った範囲に限る。</p><p>〇〇さん ご紹介いただいた△△さんについて、先にお伝えしておきたいことがあります。 今日、ご本人から今回の内定を辞退するとのご連絡をいただきました。 面接では現場のメンバーとも深く話ができ、〇〇さんのご紹介がなければ出会えなかった方だと思っています。 結果は残念ですが、紹介してくださったことに心から感謝しています。 今回の件で〇〇さんが気にされることは何もありません。また良い方がいたら、ぜひ話を聞かせてください。</p><p>最後の2文は省かないでください。紹介者は、辞退を自分の紹介の失敗と受け取りやすいものです。気にしなくてよいと言い切ることと、次の紹介を歓迎していると伝えることが、制度を次に回す一言です。紹介経由の採用で気まずさが生まれる構造は、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/a_110">リファラル採用の気まずさを減らす記事</a>が詳しく扱っています。</p><h3 id="h3647f7513b">紹介者に説得を頼まない</h3><p>紹介者に「もう一度本人と話してもらえないか」と頼むのは避けます。頼んだ時点で、採用の問題が社員の友人関係の問題に変わってしまうからです。候補者と紹介者の関係は、会社の採用が終わった後も続きます。</p><h2 id="h8043b320f7">紹介報酬は内定承諾ではなく入社日を支給条件にする</h2><p>紹介報酬は、入社日か入社後の在籍期間を支給条件にします。内定承諾で報酬を払う規程は、承諾後に辞退されたとき、紹介してくれた社員に「報酬を返してほしい」と頼む規程でもあるからです。</p><p>社員に紹介の報酬を払うときは、賃金として払うのが原則です。職業安定法第40条は、募集に従事する社員へ報酬を与えることを、賃金や給料などとして支払う場合を除いて禁じています。</p><p>出所：<a href="https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000141">e-Gov法令検索「職業安定法」</a>第40条。</p><p>賃金として払った報酬は、辞退されたからといって給与から差し引くことも簡単ではありません。労働基準法第24条は賃金を全額で支払うことを原則とし、一部の控除は法令の定めか労使の書面協定がある場合に限っています。</p><p>出所：<a href="https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049">e-Gov法令検索「労働基準法」</a>第24条第1項。</p><p>支給条件ごとに、承諾後の辞退で何が起きるかを比べると次のとおりです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>支給のきっかけ</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>承諾後に辞退されたとき</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>運用の負担</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>内定承諾</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>支給済みなら返還の相談になり、給与からの差し引きは全額払いの原則にかかる</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>大きい</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>入社日</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>まだ支給していないので、何も起きない</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>小さい</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>入社後の在籍期間（例：3か月）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>入社日と同じ。入社後すぐの退職にも条件で対応できる</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>在籍確認の手間だけ</p></td></tr></tbody></table><p>入社日か在籍期間を条件にしておけば、辞退が起きても報酬の話は発生しません。紹介者への説明も「今回は入社に至らなかった」の1点で済みます。</p><h3 id="h9b0d639fb4">規程には辞退時の扱いを1行で書いておく</h3><p>支給条件は、就業規則か賃金規程に書いておくのが基本です。常時10人以上を使用する事業場では、臨時の賃金等の定めをする場合、その事項を就業規則に記載する義務があります（労働基準法第89条第4号）。辞退時の扱いは、次のように1行足すだけで済む。</p><p>紹介報酬は、被紹介者が入社し、入社日から3か月在籍した月の給与とあわせて支給する。 被紹介者が内定を辞退した場合、または入社しなかった場合は支給しない。</p><p>在籍期間の長さは自社で決めてください。文言は、社内の労務担当か社会保険労務士に確認してから確定します。報酬額の決め方や制度全体の設計は、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/referral-recruitment">リファラル採用の仕組みと制度設計の記事</a>にまとめました。</p><h2 id="he18717f139">内定辞退は引き止められず、違約金も定められない</h2><p>内定辞退は、紹介経由であっても候補者の自由です。内定で労働契約が成立していなければ、候補者に入社の義務はそもそもありません。成立していると扱われる場合でも、期間の定めのない雇用なら労働者はいつでも解約を申し入れられ、2週間で雇用は終わると民法第627条第1項が定めています。</p><p>「辞退したら違約金を払う」と内定時に取り決めることもできません。労働基準法第16条は、労働契約の不履行について違約金を定めたり、損害賠償額を予定したりする契約を禁じています。</p><p>出所：<a href="https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089">e-Gov法令検索「民法」</a>第627条第1項、<a href="https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049">e-Gov法令検索「労働基準法」</a>第16条。</p><p>人事にできるのは、辞退を引き止めることではありません。辞退を受け止めたうえで、紹介者との関係と社内の手続きを整えることです。</p><h2 id="h41ccaa3e40">紹介経路の内定辞退率は全体と分けて数える</h2><p>紹介経路の辞退は、他の経路と分けて数えます。紹介経由は辞退しにくいと考えられがちですが、それが自社に当てはまるかは、自社の数字で確かめるしかないからです。</p><p>厚生労働省の委託調査は、採用手段ごとに企業が利用する理由を尋ねています。「知り合い・社員等からの紹介（縁故）」を選んだ回答の内訳は次のとおりで、選択肢に内定辞退に関する項目はありません。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>紹介（縁故）を利用する理由（主なもの3つまで）</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>割合</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>採用に係るコストが安い</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>60.8%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>就職後の離職率が低い</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>44.8%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>希望する能力を持った求職者を採用できる</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>35.2%</p></td></tr></tbody></table><p>出所：<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/000956216.pdf">厚生労働省「令和3年度厚生労働省委託調査 採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査 報告書」</a>（令和4年3月）図表IV-16・回答125件。</p><p>同じ調査では、1件あたりの平均採用コスト（正社員）が紹介（縁故）で4.4万円、民間職業紹介事業者で85.1万円でした。制度化したリファラル採用だけでなく知人の紹介全般を含む数字ですが、紹介経由が費用の小さい経路であることは読み取れます。</p><p>出所：<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/000956216.pdf">厚生労働省「令和3年度厚生労働省委託調査 採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査 報告書」</a>（令和4年3月）図表IV-14。</p><p>比べる軸として、中途採用全体の内定辞退率は2025年実績で15.0%です。2024年実績の9.3%から上がっています。</p><p>出所：株式会社マイナビ「中途採用状況調査2026年版（2025年実績）」（2026年3月公表・調査時期2025年12月）。</p><p>紹介経路の辞退が紹介に固有の問題なのか、採用全体の問題なのかは、他の工程とあわせて見ないと切り分けられません。自社の採用の進め方を項目ごとに採点する<a href="https://service.offers.jp/client/hiring-check/?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-whitepaper&amp;utm_content=referral-offer-decline">エンジニア採用力チェック</a>は、その切り分けに使える道具のひとつです。</p><h3 id="hd935cc254a">件数が少ないうちは率より理由を記録する</h3><p>紹介経由の内定は、年に数件という企業も多いはずです。母数が小さいと、1件の辞退で率が大きく振れます。年間の内定が20件で、そのうち紹介経由が4件だった場合の例です。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>経路（仮の数字）</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>内定</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>辞退</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>内定辞退率</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>紹介経由</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>4件</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1件</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>25.0%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>紹介以外</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>16件</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2件</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>12.5%</p></td></tr></tbody></table><p>紹介経由の率は、辞退が1件増えるだけで25.0%から50.0%に跳ねます。件数が少ないうちは、率を追うより1件ずつ理由を残すほうが次の打ち手につながる。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>記録する項目</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>読み取れること</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>辞退の理由（条件・仕事内容・現職の引き止め・他社）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>どの局面で志望度が下がったか</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>紹介者の説明と面接の説明のずれ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>紹介時に渡す情報が足りているか</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>辞退までの日数（内定から辞退の連絡まで）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>検討期間の置き方が合っているか</p></td></tr></tbody></table><p>紹介経路で目立ちやすいのは、2つめの「説明のずれ」です。紹介者は善意で自社の良い面を語ります。面接で聞く条件や仕事内容との差が大きいと、候補者は内定後に迷い始める。紹介時に求人票や仕事内容の資料を渡す運用にすると、このずれは小さくなります。</p><p>辞退の理由を減らす打ち手そのものは<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/offer-decline-prevention">内定辞退防止の記事</a>に、率の分母の置き方は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/offer-acceptance-rate">承諾率の記事</a>にまとめてあります。</p><h2 id="hb523ca3a9c">辞退した候補者と紹介者との関係を次につなげる</h2><p>辞退で関係を終わらせないことが、紹介経路の採用では特に大切です。候補者は紹介者の知人で、紹介者は社内に残ります。どちらとの関係も、次の採用の資産になる。</p><p>候補者への打診は、辞退の連絡を受けたその場では行いません。電話口で断ったばかりの人に次の話をすると、引き止めに聞こえるからです。辞退を受け取った旨を返すメールの末尾に「また機会があれば、こちらからご連絡してもよろしいでしょうか」と一言添え、返事は求めない形にしておきます。</p><p>了承の返事があれば、連絡先と選考の記録を残しておいてください。数年後に状況が変わり、再び話ができることもあります。</p><p>紹介者には、紹介という行動そのものへの感謝を伝え続けます。報酬は入社を条件にしていても、紹介してくれた事実は変わりません。辞退の後に人事がどう動いたかを、紹介者は周りの社員に話します。その話が、次の紹介を頼めるかどうかを左右するのです。</p><h2 id="he44340df83">リファラル採用の内定辞退で人事が押さえる要点</h2><p>リファラル採用で紹介経由の候補者が内定を辞退したとき、人事が押さえるのは、紹介者への伝え方・紹介報酬の支給条件・辞退率の数え方の3点です。候補者は民法627条により辞退でき、企業は労働基準法16条により違約金を定められないため、打ち手は引き止めではなく、紹介者との関係を保つ連絡と、報酬規程の書き方と、経路別の記録に置きます。</p><ul><li>辞退の連絡は候補者から人事が受け、紹介者へは人事が事実と感謝を当日中に伝える。紹介者に説得は頼まない</li><li>紹介報酬は賃金として払い、支給条件は内定承諾ではなく入社日か在籍期間で規程に書く</li><li>辞退は引き止められず違約金も定められないので、紹介経路の辞退率は他の経路と分けて数え、1件ずつ理由を残す</li></ul>

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## [人材紹介の求人票｜紹介会社に渡す項目と書き方](https://hr-media.offers.jp/articles/recruitment-agency-job-sheet)

**公開日**: 2026-09-27
**著者**: 鈴木 裕斗
**カテゴリ**: 採用

<p>人材紹介会社に渡す求人票を最初に読むのは、応募者ではなく紹介会社の担当者です。担当者はそれを見て、手元の候補者に勧めるかどうかを決めます。</p><p>もう1つ押さえておきたいのが、法律上の位置づけです。紹介会社への求人票は、求人者が労働条件を明示する義務を果たす書類でもあります。書き漏れがあれば、紹介会社は受理しないことができると定められました。</p><p>この記事では、求人者と紹介会社の間で義務として決まっていることを条文から整理します。紹介会社の手元に求人がどれだけ集まっているかも公的統計で示し、推薦してもらうために足す欄と、出した後の運用までをまとめました。</p><h2 id="h5b8b6eaa9c">求人票は、紹介会社への労働条件の明示にあたる</h2><p>職業安定法5条の3第2項は、求人者が求人の申込みに当たり、職業紹介事業者へ労働条件を明示しなければならないと定めています。明示するのは業務の内容や賃金、労働時間などです。紹介会社に渡す求人票は、この明示を形にしたものといえます。</p><p>出所：<a href="https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000141">e-Gov法令検索「職業安定法」第5条の3</a>（2026年9月26日確認）。</p><p>紹介会社の側にも、同じ条文の第1項で求職者に労働条件を明示する義務があります。紹介会社が候補者に伝える条件の元は、企業が渡した求人票です。求人票の記載が、そのまま候補者への明示の出発点になります。</p><h3 id="h55c2b690aa">候補者への明示は「最初に接触する時点」まで</h3><p>厚生労働省の<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001681217.pdf">職業紹介事業の業務運営要領（第9）</a>は、紹介会社が候補者に条件を明示する時期を、原則として求職者と最初に接触する時点までとしています。最初に接触する時点とは、面接やメール、電話で意思疎通が始まる時点のことです。面接の日程調整の連絡は含みません。</p><p>出所：厚生労働省「職業紹介事業の業務運営要領」第9（令和8年9月14日から適用）。</p><p>紹介会社が候補者に最初の連絡を入れる段階で、条件はすでに伝わっています。求人票の賃金や勤務地を後から直しても、最初に伝わった内容は取り消せません。</p><h3 id="h09abaa9f7f">求人サイトの原稿とは、読み手も扱いも違う</h3><p>同じ求人でも、求人サイトに載せる原稿と紹介会社に渡す求人票では、読む人も法律上の扱いも異なります。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>観点</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>求人サイトの原稿</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>紹介会社に渡す求人票</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>最初の読み手</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>応募を考える求職者</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>紹介会社の担当者</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>法律上の位置づけ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>募集の広告（的確な表示の義務）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>求人の申込み（紹介会社への明示の義務）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>公開範囲</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>誰でも読める</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>紹介会社の中で候補者に合わせて使われる</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>欠けたとき</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>応募が集まりにくい</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>紹介会社が受理しないことがある</p></td></tr></tbody></table><p>求人票全般の記載事項と、ハローワークに寄せられた食い違いの件数は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/job-posting">求人票とは</a>で扱っています。この記事は、紹介会社に渡すときに固有の点に絞りました。</p><h2 id="h3fe5ae9183">紹介会社に明示する事項は11項目、2つは条件つき</h2><p>紹介会社に渡す求人票の必須事項は、職業安定法施行規則が定める11項目で、うち2項目は該当する場合だけ書きます。以下に続く3つの表が法定の必須事項で、推薦のために足す任意の欄は後半の節で分けました。</p><p>職業安定法施行規則4条の2第3項が、明示すべき事項を定めています。2024年4月の改正で、業務内容と就業場所の変更の範囲、有期契約の更新基準が加わりました。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>明示事項</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>書くときの要点</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>業務の内容</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>入社後に変わりうる範囲（変更の範囲）も書く</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>労働契約の期間</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>期間の定めの有無、あればその期間</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>試用期間</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>有無と期間</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>有期契約の更新基準</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>更新する場合がある有期契約に限る。上限があれば上限も書く</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>就業の場所</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>変更の範囲も書く</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>始業・終業の時刻、時間外労働の有無、休憩、休日</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>裁量労働制ならその旨とみなし時間</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>賃金の額</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>賞与など臨時の賃金は除く</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>社会保険・労働保険の適用</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>健康保険・厚生年金・労災保険・雇用保険</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>雇用する者の氏名または名称</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>実際に雇う法人名</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>派遣労働者として雇用する旨</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>派遣として雇う場合に限る</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>受動喫煙を防止する措置</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>就業場所での措置</p></td></tr></tbody></table><p>出所：<a href="https://laws.e-gov.go.jp/law/322M40002000012">e-Gov法令検索「職業安定法施行規則」第4条の2</a>（2026年9月26日確認）。</p><p>明示の方法は書面の交付が原則です。紹介会社が希望した場合に限り、ファクシミリか電子メール等で送れます。業務運営要領は、電子メール等にSNS（ソーシャル・ネットワーキング・サービス）のメッセージ機能も含まれるとしました。どの方法でも、受け手が紙に出力できる形であることが条件です。</p><h3 id="h811f5b479d">固定残業代・裁量労働制・試用期間は、書き方まで決まっている</h3><p>業務運営要領は、紹介会社が求職者に明示するときの書き方も細かく定めています。企業が求人票で渡していなければ、紹介会社は候補者に伝えられません。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>項目</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>求人票に書く内容</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>固定残業代</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>何時間分でいくらか、固定残業代を除いた基本給、超えた分を追加で支払うこと</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>裁量労働制</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>専門業務型か企画業務型か、何時間働いたものとみなすか</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>試用期間</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>試用期間中と試用期間後で条件が違うなら、両方</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>時間外労働</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>月45時間・年360時間を超える記載があると、紹介会社は労使協定の提出を求めるなどして確認する</p></td></tr></tbody></table><p>変更の範囲は、今後の見込みを含めて書くのが原則です。ただし同じ要領は、明示する時点で具体的に想定していないものまで含める必要はないとしています。有期契約の更新基準は「勤務成績、態度、能力により判断する」のように具体的に書くことが望ましく、上限を設けていないなら「上限なし」と書く必要はありません。</p><h3 id="h6e08c13f9c">変更の範囲と固定残業代の記載例</h3><p>エンジニア職の求人票で、書き漏れが起きやすい3欄の書き方の例を示します。数値は架空の例です。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>欄</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>記載例</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>業務の内容</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>自社サービスのバックエンド開発。変更の範囲：会社の定める業務（開発・運用・技術企画を含む）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>就業の場所</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>本社（東京都）。在宅勤務可。変更の範囲：会社の定める場所（在宅勤務の場所を含む）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>賃金</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>年収600万〜800万円。月給には固定残業代（月20時間分・5万円）を含む。固定残業代を除く基本給は月45万円から。20時間を超える時間外労働は追加で支給</p></td></tr></tbody></table><p>固定残業代は「何時間分でいくらか」「除いた基本給」「超えた分の支払い」の3点が揃って、初めて明示の要件を満たす形です。1点でも欠けると、紹介会社から確認の連絡が来る原因になります。</p><h2 id="h8b3a990779">明示が欠けた求人は、受理されないことがある</h2><p>職業安定法5条の6は、紹介会社は求人の申込みを全て受理するのが原則だと定めています。そのうえで、受理しないことができる場合を6つ挙げました。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>号</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>受理しないことができる求人</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>1</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>内容が法令に違反する</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>2</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>賃金や労働時間などが通常の労働条件と比べて著しく不適当</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>3</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>労働関係の法律違反で処分・公表などの措置を受けた者からの申込み</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>4</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>5条の3第2項の明示が行われない</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>5</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>暴力団員などからの申込み</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>6</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>確認のための報告の求めに、正当な理由なく応じない者からの申込み</p></td></tr></tbody></table><p>出所：<a href="https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000141">e-Gov法令検索「職業安定法」第5条の6</a>。</p><p>求人票の書き漏れに当たるのは第4号です。紹介会社はこれらに当たるかを確かめるため、求人者に報告を求めることができます。求人者は正当な理由がない限り、その求めに応じなければなりません。紹介会社から労使協定の写しや自己申告を求められたら、この条文に基づく確認だと考えてください。</p><p>受理の義務は、紹介会社が届け出た取扱職種の範囲内に限られます（職業安定法32条の12第2項）。扱っていない職種の求人は、受理されないことがある点に注意が要ります。</p><h2 id="hc7a3f559e7">ソフトウェア開発の紹介求人は7割増、就職の比は3.1%に低下</h2><p>厚生労働省の令和6年度職業紹介事業報告書によると、有料職業紹介の常用求人数は16,810,164人で、前年度から41.8%増えました。同じ年度の常用就職件数は888,993件（同5.3%増）です。常用とは、4か月以上の期間を定めて雇用されるもの、または期間の定めなく雇用されるものを指します。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>職種（有料職業紹介）</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>常用求人数</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>常用就職件数</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>求人数に対する常用就職の比</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>全職種（令和6年度）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>16,810,164人</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>888,993件</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>5.3%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>ソフトウェア開発（令和5年度）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>752,416人</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>35,709件</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>4.7%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>ソフトウェア開発（令和6年度）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1,292,806人</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>39,780件</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>3.1%</p></td></tr></tbody></table><p>出所：<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001683019.pdf">厚生労働省「令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果（速報）」</a>（令和8年3月31日公表）をもとに比の列をOffers推計。</p><p>報告書は、求人者や求職者が複数の紹介会社を利用する場合があるため、求人数には重複計上があると注記しています。同じ求人を複数の紹介会社に出すと、その分だけ多く数えられうるということです。右端の比は、紹介会社の手元に集まる求人の量に対して就職がどれだけあったかの目安で、充足率とは別物として読みます。</p><p>その前提で見ても、ソフトウェア開発の常用求人数は1年で71.8%増え、常用就職件数は11.4%増にとどまりました。求人数に対する常用就職の比は、令和5年度の4.7%から令和6年度は3.1%に下がっています。求人が増えた分だけ就職が増えたわけではない、ということです。</p><p>伸び率の差が何によるかまでは、この統計からは分かりません。確かなのは、紹介会社に計上される同じ職種の求人の件数が、重複計上を含む数字としても1年で大きく増えたことです。実際の求人がどれだけ増え、1件の求人を争う相手がどれだけ増えたかは、この統計だけからは断定できません。紹介会社の仕組みや契約の結び方は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/recruitment-agency">人材紹介とは</a>、1件あたりの手数料の実額は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/recruitment-fee">人材紹介の費用</a>で扱っています。</p><p>紹介会社の推薦だけに頼らず、候補者に自社から直接声をかける経路も持ちたい場合は、<a href="https://offers.jp/client/ai-rpo?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-consult&amp;utm_content=recruitment-agency-job-sheet">Offers の AI RPO</a> で相談できます。CTO・テックリード・AIエンジニアをAIが見つけ、時期を合わせて継続的に声をかける採用代行です。</p><h2 id="h04c08544ce">推薦を決める欄は、法定事項の外にある</h2><p>法定の11項目は、候補者が応募を判断するための最低限です。業務運営要領は紹介会社に対し、業務の内容を職場環境も含めて可能な限り具体的かつ詳細に明示するよう配慮を求めています。紹介会社がそれに応えられるかどうかは、企業が渡す情報の量で決まります。</p><p>下の5つは、紹介会社の担当者が候補者に説明する場面から逆算した実務上の目安で、法令上の義務には含まれません。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>欄</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>欠けていると担当者が困ること</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>必須要件と歓迎要件の線</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>担当者が推薦の可否を判断できず、推薦が来ないか、条件の合わない推薦が増える</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>年収の決め方</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>レンジのどこに誰が入るかが分からず、候補者に見込み額を伝えられない</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>選考の回数と所要日数</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>他社の選考と日程を合わせられず、候補者が先に他社で決まる</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>募集の背景</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>増員か欠員補充かで、候補者への説明の仕方が変わる</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>見送りになりやすい条件</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>同じ理由の見送りが続き、担当者が推薦を控える</p></td></tr></tbody></table><p>担当者が候補者に説明できない求人は、勧める順番が後ろに回りがちです。</p><p>この5つは、書類選考で見送った理由を紹介会社に返すときにも使えるものです。見送り理由が求人票のどの欄に当たるかを示せば、次の推薦から精度が上がります。</p><h2 id="hb099835f28">求人票の内容は、紹介会社が最新かを確かめ続ける</h2><p>職業安定法5条の4は、広告等により求人等に関する情報を提供するときに限り、紹介会社に求人の情報を正確かつ最新の内容に保つ措置を義務づけました。<a href="https://laws.e-gov.go.jp/law/322M40002000012">職業安定法施行規則4条の3第4項</a>により、紹介会社は次のいずれかを行います。</p><ul><li>求人者に定期的に、求人の情報が最新かどうかを確認する</li><li>求人の情報がいつ時点のものかを明らかにする</li></ul><p>情報が正確でない、または最新でないと分かったときは、紹介会社は遅滞なく訂正の有無を確認するか、提供を止めます。求人者から訂正や中止を求められたときも、遅滞なく応じる決まりです。</p><p>企業の側でできることは単純です。年収の幅や勤務地、募集の終了が変わったら、依頼している全ての紹介会社に同じ日に伝えます。1社にだけ伝えると、他社の担当者は古い求人票で候補者に声をかけ続けることになります。</p><h2 id="hf7534579e5">条件を変えるときは、候補者本人への変更等明示が要る</h2><p>紹介を受けた候補者と契約を結ぶ際、最初に明示した条件を変えるなら、企業が候補者本人に変更の内容を明示します（職業安定法5条の3第3項）。施行規則4条の2第1項は、変更に加えて特定・削除・追加も対象にしました。業務運営要領 第9は、特定の例として次のケースを挙げています。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>類型</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>例</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>変更</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>当初の明示と違う条件を示す</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>特定</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>求人票の「月給20万円～25万円」を契約時に「20万円」に確定する</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>削除</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>当初明示していた条件を外す</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>追加</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>当初明示していなかった条件を新たに示す</p></td></tr></tbody></table><p>同じ要領は、最初の明示と変更後を対照できる書面を渡すのが望ましいとしています。労働条件通知書の変更箇所に下線を引く方法も認められました。内定時の書面の書き方は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/offer-letter-salary">内定通知書の給与の書き方</a>で扱っています。</p><p>変更後も同じ求人で紹介を受け続けるなら、求人票を見直して修正するか、出し直すのが要領の求めです。企業は、候補者に明示された内容の記録を、紹介が終わる日まで保存します（施行規則4条の2第7項）。紹介が終わった後に契約を結ぶ場合は、契約を結ぶ日までが保存の期間です。</p><h2 id="h520f4dcc39">紹介会社に渡す前に確かめる8項目</h2><p>紹介会社に求人票を渡す前に確かめるのは、法定の明示事項と変更の範囲、固定残業代と裁量労働制の書き方、渡し方、条件変更の伝え方、明示の記録の保存、推薦の材料になる任意の欄の8項目に分かれます。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>#</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>確認すること</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>根拠・位置づけ</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>1</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>法定の明示事項が全て埋まっている（条件つき2項目は該当するか）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>施行規則4条の2第3項</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>2</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>業務内容と就業場所に変更の範囲がある</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>同上</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>3</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>固定残業代の時間数・金額・除外した基本給・超過分の支払いがある</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>業務運営要領 第9</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>4</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>裁量労働制なら制度の種類とみなし時間がある</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>業務運営要領 第9</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>5</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>書面か、紹介会社が希望した電子メール等で渡している</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>施行規則4条の2第4項</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>6</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>条件を変えたら全社に同じ日に伝える運用がある</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>実務上の推奨（施行規則4条の3第4項の紹介会社側の確認義務を踏まえる）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>7</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>候補者への明示の記録を紹介の終了まで残す</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>施行規則4条の2第7項</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>8</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>必須要件と歓迎要件、年収の決め方、選考日数が書いてある</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>実務上の目安（法定事項ではない）</p></td></tr></tbody></table><p>1から5と7は、欠ければ受理や明示の義務に関わる項目です。6は法令上の義務ではなく、紹介会社が最新性を確かめる負担を減らす実務上の推奨です。8は法定の義務の外にある項目で、紹介会社の担当者が推薦を決める材料になります。求人票を1枚作ったら、依頼先の全社に同じ版を渡し、変更は版ごと差し替えてください。</p>

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## [人材紹介会社への連絡例文7場面｜見送りは3行で書く](https://hr-media.offers.jp/articles/recruitment-agency-email-examples)

**公開日**: 2026-09-27
**著者**: 鈴木 裕斗
**カテゴリ**: 採用

<p>人材紹介会社に送るメールで差がつくのは、最初の依頼文よりも、推薦を受けた後の連絡です。見送りの理由を1行で返す。条件を変えたのに伝えない。こうした連絡が続くと、紹介会社はその求人への推薦を後回しにします。</p><p>見送りの連絡は、次に推薦してほしい人を伝える注文書です。書くのは3行で足ります。見送った理由、評価した点、次に欲しい人です。</p><p>■見送りの理由：〇〇の経験は十分でしたが、〇〇の経験が職務経歴書から確認できませんでした ■評価した点：〇〇の改善を数値で説明されていた点 ■次にご推薦いただきたい方：〇〇の経験が〇年以上ある方</p><p>この記事では、採用担当者が紹介会社へ送る連絡を7つの場面に分け、〇〇を埋めればそのまま使える例文を載せました。あわせて、求人を出す企業に職業安定法が課している明示の義務と、例文に入れておく項目を整理します。</p><h2 id="h5706de0531">人材紹介会社へ送る連絡は7場面に分かれる</h2><p>採用担当者が人材紹介会社へ送る連絡は、新規の依頼から募集終了までの7場面です。場面ごとに、必ず入れる情報が違います。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>場面</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>送るタイミング</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>必ず入れる情報</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>1. 新規の紹介依頼</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>取引を始める前</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>募集職種・人数、手数料と返戻金の書面の依頼</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>2. 求人票を添えた推薦依頼</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>契約を結び、求人を出すとき</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>求人票、採用の背景、選考の流れ</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>3. 推薦の受領</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>推薦を受けた当日</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>受領の旨、結果を返す予定日</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>4. 見送りの連絡</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>推薦・面接の翌日か翌々日まで</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>見送りの理由、評価した点、次に推薦してほしい人物像</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>5. 選考通過と面接の調整</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>推薦・面接の翌日か翌々日まで</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>通過の理由、面接官と確かめたい点、候補日</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>6. 内定・入社決定</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>内定を出すとき、承諾を受けたとき</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>提示条件、回答期限、入社日</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>7. 条件変更・募集終了</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>決めた当日</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>変更した項目、選考中の候補者の扱い</p></td></tr></tbody></table><p>「推薦・面接の翌日か翌々日まで」は、元人材エージェントが自社ウェビナーで示した目安で、法令上の期限は定められていません。根拠は、例文7の後の節「推薦を続けてもらえるのは、返信が速く理由が具体的な企業」にまとめました。</p><h2 id="hf6421d0e32">1. 新規の紹介依頼の例文</h2><p>初めて取引する紹介会社には、募集の概要と一緒に、手数料と返戻金制度を書面で出してもらうよう頼みます。条件を比べる材料を、打ち合わせの前にそろえるためです。</p><p>件名：【人材紹介のご相談】〇〇職（正社員）の採用について／株式会社〇〇 株式会社〇〇 〇〇様 突然のご連絡失礼いたします。 株式会社〇〇で採用を担当しております〇〇と申します。 このたび、〇〇職（正社員・〇名）の採用にあたり、 貴社の人材紹介サービスを利用させていただきたく、ご連絡いたしました。 ■募集の概要 ・職種：〇〇 ・採用人数：〇名 ・入社希望時期：〇年〇月ごろ ・採用の背景：〇〇（例：新規事業の立ち上げに伴う増員） お打ち合わせの前に、以下をお送りいただけますでしょうか。 ・紹介手数料の料率と、算定の基礎となる年収の範囲 ・返戻金制度（早期に退職した場合の返金）の有無と条件 ・〇〇職のご紹介実績（差し支えない範囲で） ご都合のよい日時を2〜3つお知らせいただけましたら、 こちらで調整いたします。 何卒よろしくお願いいたします。 （署名）</p><p>有料職業紹介事業者は、求人の申込みを受理した後、速やかに手数料に関する事項を書面（求人者が希望すれば電子メール等）で明示しなければなりません（職業安定法第32条の13、同施行規則第24条の5第2項）。</p><p>依頼の前には、厚生労働省の人材サービス総合サイトで、その事業者の許可の有無、手数料、返戻金制度の有無と内容、紹介で就職した人のうち6か月以内に離職した人の数を確かめられます。</p><p>出所：e-Gov 法令検索の職業安定法第32条の13と同施行規則第24条の5、厚生労働省・都道府県労働局「職業紹介事業者を利用する際の主なポイント（求人者の皆さまへ）」（<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/000851398.pdf">PDF</a>・管理番号 PL031022需07・2021年）。</p><p>手数料の料率や1件あたりの実額は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/recruitment-fee">人材紹介の費用、職種別の1件あたり実額と課金モデル</a>、契約で確かめる項目は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/recruitment-agency">人材紹介とは？企業側の手数料・契約と会社の選び方</a>で整理済みです。</p><h2 id="h9159b50e46">2. 求人票を添えて推薦を依頼する例文</h2><p>推薦を依頼するメールには、求人票に加えて「なぜ今この人が必要か」と「候補者に伝えてほしい点」を書きます。求人票だけでは、どの紹介会社にも同じ情報しか渡らないからです。</p><p>件名：【求人のご依頼】〇〇職（正社員）求人票の送付／株式会社〇〇 〇〇様 いつもお世話になっております。株式会社〇〇の〇〇です。 先日はお打ち合わせのお時間をいただき、ありがとうございました。 〇〇職の求人票をお送りしますので、ご推薦をお願いいたします。 ■添付 ・求人票（〇〇職_〇年〇月〇日版） ■採用の背景 〇〇（例：既存サービスの導入企業が増え、開発チームを増員します） ■推薦いただきたい方 ・必須：〇〇の実務経験〇年以上 ・歓迎：〇〇 ・人物像：〇〇（例：仕様が固まる前から議論に入れる方） ■選考の流れ 書類選考 → 一次面接（現場責任者）→ 最終面接（役員） 書類選考の結果は、ご推薦の翌営業日までにお返しします。 ■候補者にお伝えいただきたい点 〇〇（例：入社後3か月は、既存メンバーと組んで業務を進めます） 求人票の内容を変えた場合は、その日のうちにご連絡します。 何卒よろしくお願いいたします。 （署名）</p><p>求人票のファイル名には、版の日付を入れておくのが確実です。職業紹介事業者は、広告等（刊行物、文書の掲出や頒布、電子メール、ウェブなど）で求人の情報を提供するときは、情報が最新かを定期的に求人者に確かめるか、情報の時点を明らかにする措置を取るよう定められています（職業安定法第5条の4第3項、同法施行規則第4条の3第4項第3号イ）。</p><p>日付の入った版があれば、双方が同じ求人票を見ているかをすぐ確かめられます。求人票に載せる労働条件の一覧は、後半の「求人を出す企業が例文に入れておく法律上の項目」の表です。</p><p>会社紹介の資料を添えるときは、どのページを厚く伝えてほしいかまで書き添えます。資料だけを渡すと、紹介会社は満遍なく話してしまうためです。元人材エージェントが登壇した自社ウェビナーでも、資料を共有した後のこの一言が求められていました。</p><p>紹介会社が候補者に語れる材料は、求人票の外にある自社の公開情報にも左右されるものです。採用ページや技術ブログなどの公開情報がそろっているかは、<a href="https://service.offers.jp/client/hiring-check/?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-consult&amp;utm_content=recruitment-agency-email-examples">エンジニア採用力チェック</a>で企業のURLから5指標24項目で採点できます。</p><h2 id="hb3fca50c8d">3. 推薦を受け取ったときの返信例文</h2><p>推薦を受けたら、その日のうちに受領と結果の予定日を返すのが基本です。予定日が分かれば、紹介会社は候補者に選考の見通しを伝えられます。</p><p>件名：Re: 【ご推薦】〇〇様／〇〇職 〇〇様 いつもお世話になっております。株式会社〇〇の〇〇です。 〇〇様のご推薦、ありがとうございます。書類を受領いたしました。 選考結果は〇月〇日（〇）までにご連絡いたします。 判断のため、1点お伺いさせてください。 ・〇〇（例：直近のプロジェクトでのご本人の役割の範囲） 引き続きよろしくお願いいたします。 （署名）</p><p>確認したい点は、書類を読んだ時点で聞いておくのが基本です。面接で初めて聞くより、書類選考の精度が上がります。</p><h2 id="h5322d1f74c">4. 見送りを伝える例文（書類選考・面接）</h2><p>見送りの連絡には、見送った理由、評価した点、次に推薦してほしい人物像の3つを書きます。冒頭で「注文書」と書いたのはこの3行のことで、理由が1行だけだと、紹介会社は次の推薦で何を変えればよいかが分かりません。「総合的に判断して」は、紹介会社から見れば何も書いていないのと同じです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>項目</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>1行だけの連絡</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>次の推薦につながる連絡</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>見送りの理由</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>総合的に判断し、今回は見送ります</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>〇〇の経験は十分でしたが、〇〇の規模での経験が確認できませんでした</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>評価した点</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>なし</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>〇〇の改善を数値で説明されていた点は、現場の評価が高かったです</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>次の推薦</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>なし</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>〇〇の経験がある方を優先してご推薦ください</p></td></tr></tbody></table><h3 id="he9daecb7a3">書類選考で見送るときの例文</h3><p>書類選考の見送りは、職務経歴書のどの記載で判断したかを1行で書き、評価した点と次に推薦してほしい人物像を添えて紹介会社へ返します。紹介会社はこの3点を候補者への説明と次の候補者探しの両方に使います。</p><p>件名：【選考結果】〇〇様／〇〇職 書類選考 〇〇様 いつもお世話になっております。株式会社〇〇の〇〇です。 〇〇様の書類選考の結果、今回はお見送りとさせていただきます。 ご推薦いただいたにもかかわらず、申し訳ございません。 ■見送りの理由 〇〇の経験は求める水準にありましたが、 〇〇（例：チームを率いた経験）が職務経歴書から確認できませんでした。 ■評価した点 〇〇（例：担当業務の改善を数値で説明されている点） ■次にご推薦いただきたい方 〇〇の経験が〇年以上ある方を優先していただけると助かります。 求人票の必須要件も、あわせて見直します。 ご本人には、上記の「見送りの理由」を 差し支えない範囲でお伝えいただけますと幸いです。 引き続きよろしくお願いいたします。 （署名）</p><h3 id="hdfe045b078">面接で見送るときの例文</h3><p>面接での見送りの連絡で中心になるのは、面接官が評価した点と、入社後に任せたい業務と結びつけた見送りの理由です。書類選考の見送りより候補者の期待が高い段階なので、紹介会社が本人へ伝えられる具体的な所見を入れておきます。</p><p>件名：【選考結果】〇〇様／〇〇職 一次面接 〇〇様 いつもお世話になっております。株式会社〇〇の〇〇です。 先日は〇〇様との面接の機会をいただき、ありがとうございました。 検討の結果、今回はお見送りとさせていただきます。 ■面接官の所見 ・評価した点：〇〇 ・見送りの理由：〇〇（例：入社後に任せたい〇〇の業務と、 　ご本人が今後伸ばしたい方向との重なりが小さいと判断しました） ■今後のご推薦について 〇〇を志向する方であれば、経験年数が〇年に満たなくても 面接でお会いしたいと考えています。 引き続きよろしくお願いいたします。 （署名）</p><p>見送りの理由には、他の候補者との比較や、社内の人事の事情を書きません。他の候補者の情報については、職業安定法第51条が、職業紹介事業者だけでなく求人者にも、業務上知り得た人の秘密を正当な理由なく漏らすことを禁じています。同条は、業務に関して知り得た個人情報をみだりに他人に知らせることも禁じています。</p><p>候補者本人に直接送る不採用通知の文面の例は、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/a_337">不採用通知の例文と送り方のコツ</a>で紹介済みです。</p><h2 id="h5ccf986dc5">5. 選考通過と次の面接を調整する例文</h2><p>通過を伝えるメールには、通過の理由と、次の面接で確かめたい点を書きます。紹介会社が確かめたい点を候補者に伝え、面接の準備の方向を合わせられるからです。</p><p>件名：【選考結果】〇〇様／〇〇職 書類選考通過のご連絡 〇〇様 いつもお世話になっております。株式会社〇〇の〇〇です。 〇〇様は書類選考を通過されました。一次面接にお進みください。 ■通過の理由 〇〇（例：〇〇の設計から運用までを一人で担った経験） ■次の選考 一次面接（オンライン・60分） 面接官：〇〇部 部長 〇〇 ■面接で確かめたい点 ・〇〇（例：設計の方針を決めたときの判断の根拠） ・〇〇（例：入社後に取り組みたいこと） ■候補日 ・〇月〇日（〇）10:00〜 ・〇月〇日（〇）14:00〜 ・〇月〇日（〇）16:00〜 ご都合が合わない場合は、候補者様のご希望日をお知らせください。 よろしくお願いいたします。 （署名）</p><p>最終面接の前には、それまでの面接で出た懸念点も共有しておくと確実です。紹介会社が候補者と事前に話し合えるので、最終面接で懸念が解けるかどうかを確かめやすくなります。</p><p>自社ウェビナーでは、現場の面接の後に最終面接官の役員が「現場からこういう印象がある」「この点が懸念として挙がっている」と紹介会社に伝え、質問の方向まで共有した例が紹介されました。登壇者は、こうした認識合わせによって候補者の意欲が上がったり、面接官の印象が良くなったりすると話しています。</p><h2 id="h26189c3feb">6. 内定・入社決定を伝える例文</h2><p>内定を伝えるメールには、提示する条件、回答期限、候補者の懸念への答えを書きます。条件は、候補者に渡す労働条件通知書と同じ内容にそろえるのが前提です。</p><p>件名：【内定のご連絡】〇〇様／〇〇職 〇〇様 いつもお世話になっております。株式会社〇〇の〇〇です。 〇〇様に内定をお出しすることになりました。 ご推薦いただき、ありがとうございます。 ■提示条件（詳細は添付の労働条件通知書のとおり） ・年収：〇〇万円 ・入社日：〇年〇月〇日（ご相談に応じます） ・配属：〇〇部 〇〇チーム ■回答期限 〇月〇日（〇） ■ご本人の懸念について 面接で伺った〇〇の点は、〇〇（例：入社後3か月の業務内容を 添付の資料で説明しています）。 ご不明な点があれば、面談の場を設けますのでお知らせください。 引き続きよろしくお願いいたします。 （署名）</p><p>承諾を受けたら、入社日と手数料の請求先を伝える短い連絡を送ります。</p><p>件名：【入社決定】〇〇様／〇〇職 〇〇様 いつもお世話になっております。株式会社〇〇の〇〇です。 〇〇様から内定承諾のご連絡をいただき、 〇年〇月〇日の入社が決まりました。 ご請求書は、〇〇部 〇〇宛てにお送りください。 このたびはご尽力いただき、ありがとうございました。 （署名）</p><p>内定で示す条件が求人票の条件と違う場合は、注意が必要です。職業安定法第5条の3第3項により、契約を結ぶ前に変更した内容を本人に明示する義務があります。明示が要る4つの場面は、後半の法律上の項目の節に表でまとめました。</p><h2 id="hb4fff43980">7. 条件変更・募集終了を伝える例文</h2><p>求人の内容を変えた日、募集を終えた日のうちに、取引しているすべての紹介会社へ連絡するのが原則です。古い求人票のまま推薦が続くと、候補者にも紹介会社にも無駄な手間が生まれます。</p><h3 id="h7a9b8fa1a8">条件を変更するときの例文</h3><p>求人条件の変更の連絡には、変更した項目の変更前と変更後、変更の理由、選考中の候補者の扱いの3点を書き、新しい版の求人票を添付します。</p><p>件名：【求人内容の変更】〇〇職（正社員）／〇月〇日付 〇〇様 いつもお世話になっております。株式会社〇〇の〇〇です。 〇〇職の求人内容を、〇月〇日付で下記のとおり変更します。 ■変更した項目 ・想定年収：〇〇万円〜〇〇万円 → 〇〇万円〜〇〇万円 ・就業場所：〇〇 → 〇〇 ・就業場所の変更の範囲：〇〇 → 〇〇（見直した場合のみ） ■変更の理由 〇〇（例：担当する業務の範囲を広げたため） ■選考中の候補者について 変更前の条件でご案内している〇〇様には、 ご契約の前に、変更後の条件を書面でお示しします。 ■添付 ・求人票（〇〇職_〇年〇月〇日版） お手数ですが、ご推薦中の方へのご案内をお願いいたします。 （署名）</p><p>求人票に書く「変更の範囲」は、雇い入れた後に業務や就業場所が変わりうる範囲を示す明示事項です（職業安定法に基づく施行規則の第4条の2第3項第1号・第3号）。求人票そのものを書き換えるときの上限ではありません。</p><p>求人の内容を変えたら、変更後の労働条件で新しい版の求人票を作り、紹介会社に示し直すのが安全です。職業安定法第5条の3第2項が定めるのは求人の申込みに当たっての明示で、変更したときのやり直しまでは条文に書かれていないため、これは編集部の考え方です。就業場所や業務を変えたときは、新しい版の求人票で、その変更の範囲も書き直す必要がないかを確かめてください。想定年収などの賃金には、変更の範囲の定めはありません。</p><p>選考中の候補者と、当初の明示と違う条件で契約を結ぶ場合は、職業安定法第5条の3第3項により本人への明示が要ります。賃金や就業場所などの変更は、面接での口頭の説明では足りず、書面（本人が希望すれば電子メール等）で示します（同法施行規則第4条の2第4項）。明示が要る4つの場面は、後半の法律上の項目の節の表のとおりです。</p><h3 id="hbc017219dc">募集を終了するときの例文</h3><p>募集終了の連絡には、終了日、選考中の候補者を最後まで選考するかどうか、新たな推薦を控えてほしい日付の3点を書きます。</p><p>件名：【募集終了のご連絡】〇〇職（正社員） 〇〇様 いつもお世話になっております。株式会社〇〇の〇〇です。 〇〇職は、採用予定の人数に達したため、 〇月〇日をもって募集を終了いたします。 現在選考中の〇〇様は、最後まで選考を続けます。 新たなご推薦は、〇月〇日以降お控えいただけますでしょうか。 募集を再開する際は、改めて求人票をお送りします。 これまでのご推薦に、心より感謝申し上げます。 （署名）</p><h2 id="hb52acf8bc6">推薦を続けてもらえるのは、返信が速く理由が具体的な企業</h2><p>紹介会社は、返信が遅い、フィードバックが短い、事前情報が浅い企業を「本気でない」と受け取り、推薦を後回しにしがちです。返す速さの目安として、書類推薦と面接のフィードバックは翌日か翌々日以内が挙がっています。</p><p>この目安を示したのは、前職で約10年転職エージェントに在籍した株式会社overflow のカスタマーサクセスマネージャーです。同社が2025年4月28日に開いたウェビナーでの発言で、当日の内容をまとめた自社のイベントレポート（<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/seminar_49">エージェントに候補者を紹介されないウラの理由</a>）に残っています。複数社への調査値ではなく、1人の元エージェントの経験則として読んでください。</p><p>同じウェビナーで、紹介会社の担当者として重視していたKPIに挙がったのは、書類の通過率と内定の取得率でした。見送りの理由が具体的であれば、紹介会社は次の推薦の的を絞れます。</p><p>付き合う紹介会社の数は、手厚く連絡を取れるのは5社ほどで、各社と月1回の定例を組む形が紹介されました。数十社に同じ求人票を送るのではなく、連絡の質を保てる数に絞るという考え方です。</p><p>紹介事業者の側が受けている苦情を見ると、求人者からは紹介の量と条件の合致への不満が、求職者からは求人者への不満と、求人情報が実際と違ったという不満が挙がっています。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>苦情の出どころ</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>内容</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>割合</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>求人者から</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>求職者の紹介がない・少ない</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>19.0%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>求人者から</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>求める条件に合致する求職者の紹介がない</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>13.2%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>求職者から</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>求人者に対する不満</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>21.4%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>求職者から</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>提供された求人情報の内容が実際と違った</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>7.1%</p></td></tr></tbody></table><p>出所：厚生労働省「令和3年度厚生労働省委託調査 採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査 報告書」職業紹介事業者調査（<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/000956216.pdf">PDF</a>・令和4年3月・n=621・複数回答）。</p><p>この調査は苦情の内訳を数えたもので、連絡の質と苦情の多さの因果までは示していません。</p><p>同じ報告書の求人企業調査では、紹介会社を使った正社員の採用は1件あたり平均85.1万円でした（紹介会社を使った企業の回答 n=175）。1件あたりの費用がこの規模になる採用手段なので、推薦後の連絡で候補者の取りこぼしを減らす意味は小さくありません。</p><h2 id="h03cd841d9e">求人を出す企業が例文に入れておく法律上の項目</h2><p>職業安定法が求人者に課している明示義務は2つです。求人を申し込むときに紹介事業者へ労働条件を明示する義務（第5条の3第2項）と、紹介を受けた求職者と契約する前に、変更した条件を本人に明示する義務（同第3項）です。</p><p>紹介を受けた候補者に、求人票と違う条件で契約を申し込む場面は4つに分かれます。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>場面</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>例</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>当初の明示と異なる条件を示す</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>求人票の年収より低い額を示す</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>当初の明示の範囲内で特定する</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>「勤務地は東京または大阪」を「東京」に決める</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>当初の明示から削除する</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>求人票にあった手当をなくす</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>当初の明示に無かった条件を追加する</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>求人票に無かった手当を加える</p></td></tr></tbody></table><p>出所：厚生労働省・都道府県労働局「職業紹介事業者を利用する際の主なポイント（求人者の皆さまへ）」（<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/000851398.pdf">PDF</a>・管理番号 PL031022需07・2021年）。例は編集部が付けたものです。</p><p>求人の申込みで書面により明示する事項は、職業安定法第5条の3第4項に基づき、同法施行規則第4条の2第3項が定める次の事項です。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>明示する事項</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>補足</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>従事すべき業務の内容</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>業務の内容の変更の範囲を含む</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>労働契約の期間</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>期間の定めの有無</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>試用期間</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>試用期間中と後で条件が違う場合は両方を示す</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>有期労働契約を更新する場合の基準</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>更新する場合がある有期契約のみ。通算期間や更新回数の上限を含む</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>就業の場所</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>就業の場所の変更の範囲を含む</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>始業・終業の時刻、時間外労働の有無、休憩、休日</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p></p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>賃金の額</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>臨時の賃金・賞与などを除く</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>健康保険・厚生年金・労災保険・雇用保険の適用</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p></p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>雇用しようとする者の氏名または名称</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p></p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>受動喫煙を防止するための措置</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p></p></td></tr></tbody></table><p>派遣労働者として雇用しようとする場合は、その旨も明示します。出所：e-Gov 法令検索「職業安定法施行規則」第4条の2（<a href="https://laws.e-gov.go.jp/law/322M40002000012">条文</a>・2026年4月1日施行の版）。</p><p>明示が行われない求人の申込みは、紹介事業者が受理しないことができます（職業安定法第5条の6第1項第4号）。例文2で求人票を添えるのは、この明示を書面で済ませるためでもあります。</p><p>例文を送るときに押さえる点は3つです。</p><ul><li>明示は書面で行う。電子メール等でもよいのは、書面を受け取る側が希望した場合に限られる（施行規則第4条の2第4項）。受け取る側は、求人の申込みでは紹介事業者、契約前の変更の明示では候補者本人になる</li><li>明示した業務の内容等の記録は、職業紹介が終わる日まで保存する（同第7項）。例文2と例文7のメールと、日付入りの求人票を残しておけば、この記録になる</li><li>採否と不採用の理由の通知が定められているのは、公共職業安定所から紹介を受けた場合です（同第8項）。民間の紹介会社への見送り連絡に法の定めは無いものの、推薦の精度を上げる材料になる点は同じです</li></ul><p>出所：e-Gov 法令検索「職業安定法」（<a href="https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000141">条文</a>・2026年4月1日施行の版）。</p><h2 id="h342698ad26">例文を自社用に直すときに書き換える3か所</h2><p>7つの例文は、〇〇を埋めればそのまま送れます。自社用に直すときは、次の3か所を先に書き換えてください。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>書き換える箇所</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>書く内容</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>例文2の「採用の背景」「候補者にお伝えいただきたい点」</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>他の紹介会社にも同じ文を送れる一般論ではなく、このポジション固有の事情</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>例文4の見送りの書式</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>見送りの理由・評価した点・次の推薦の3項目を、社内の面接評価シートと同じ並びにする</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>例文7の送付先</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>取引中の紹介会社の一覧を作り、変更と終了の連絡を全社に同じ日に送る</p></td></tr></tbody></table><p>とくに見送りの書式は、面接官が評価シートに書いた内容をそのまま転記できる形にしておくと、翌日までに返す運用を続けやすくなります。</p>

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## [人材紹介のフロー9工程と、人材サービス利用企業の8割が知らなかった決まり](https://hr-media.offers.jp/articles/recruitment-agency-flow)

**公開日**: 2026-09-27
**著者**: 鈴木 裕斗
**カテゴリ**: 組織

<p>人材紹介のフローは、紹介会社選びから入社後の離職確認までの9工程で進みます。法令で企業側に期限が立つ場面は、そのうち2つ（求人申込み時の条件の伝達と、雇用契約の締結までの変更の明示）だけです。</p><p>人材サービスを使った企業の83.8%は、紹介会社の早期離職者数と返金制度を確かめられる国のサイトを知りませんでした（厚生労働省委託調査・2021年実施・n=561）。このサイトでは、法律により、紹介会社ごとに「紹介で入社した人のうち6か月以内に辞めた人数」と返金（返戻金）制度の有無や内容を掲載することが義務づけられています（掲載していない会社もあります）。</p><p>紹介会社に任せれば進むと思われがちですが、条件の伝え漏れや請求時期の食い違いは、たいてい企業側の手元で起きます。この記事では、厚生労働省が求人者向けに示す業務の流れを企業側の9工程に並べ直し、各工程の法令上のタイミングを早見表にしました。紹介会社の選び方や手数料の相場そのものは別の記事で扱い、ここでは「いつ・誰が・何をするか」に絞ります。</p><h2 id="h16be157352">人材紹介のフローは9工程、法令上の期限がある場面は2つ</h2><p>人材紹介を企業側から使う流れは、次の9工程です。企業側の期限と、同じ工程で紹介会社が負う義務を分けて載せました。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>工程</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>企業がすること</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>企業側の期限</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>紹介会社側の義務（参考）</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>1 紹介会社を選ぶ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>許可の有無、就職者数と6か月以内の離職者数、返戻金制度を公的サイトで確かめる</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>契約の前</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>実績と返戻金制度をサイトに掲載する</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>2 契約と求人の申込み</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>業務内容や賃金などの労働条件を紹介会社へ伝える</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>求人の申込み時</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>受理後すみやかに手数料と返戻金制度を書面等で明示する</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>3 要件のすり合わせ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>人材要件、選考基準、面接の日程枠を決める</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>法令上の期限なし</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>―</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>4 推薦を受ける</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>候補者情報が本人の同意を得たものかを確かめる</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>法令上の期限なし</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>原則、求職者と最初に接触する時点までに労働条件を明示する</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>5 書類選考と面接</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>合否と理由を返し、選考後の個人情報を削除などで管理する</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>法令上の期限なし</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>―</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>6 内定と条件提示</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>当初と違う条件は変更として明示する</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>雇用契約の締結まで</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>―</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>7 入社</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>雇用契約を結び、算定基礎になる年収と入社日を紹介会社と突き合わせる</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>法令上の期限なし</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>―</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>8 請求と支払い</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>請求の時期と算定基礎を契約と照らす</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>法令上の期限なし</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>上限制は賃金の支払日以降、届出制は求人の受理以降に徴収できる</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>9 入社後の確認</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>6か月以内に辞めたかの調査に協力し、辞めたら返戻金の規定を確かめる</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>法令上の期限なし（紹介会社から調査の依頼があれば協力する）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>無期雇用で入社した人に2年間は転職を勧めない</p></td></tr></tbody></table><p>出所：厚生労働省・都道府県労働局「求人者の皆さまへ 職業紹介事業者を利用する際の主なポイント」「<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/001327688.pdf">職業紹介事業の許可条件が追加されます</a>」をもとにOffers再構成。</p><p>厚生労働省の求人者向けリーフレットが企業側の期限として示すのは、工程2の求人申込み時の条件の伝達と、工程6の雇用契約の締結までの変更の明示の2つです。工程1の「契約の前」は法令の期限ではありませんが、後からやり直せない確認なので表に入れました。工程8の請求の照合と工程9の離職調査への協力は、期限こそ無いものの企業側が手を動かす場面です。残りの工程では、企業は紹介会社の義務が果たされているかを確かめる立場になります。</p><h3 id="hdcbf4694cc">厚生労働省のフロー図を数えると13工程、企業が手を動かすのは一部</h3><p><a href="https://www.mhlw.go.jp/content/000851398.pdf">厚生労働省の求人者向けリーフレット</a>の1ページ目にあるフロー図の箱を数えると、職業紹介業務の流れは13の工程になります（図に番号は無く、本稿での数え方です）。事業者の選択、求人の受理、管理簿の記入、マッチング、労働条件の明示、応募、条件の変更明示、選考、雇用関係の成立、手数料の請求と支払い、手数料管理簿の記入、就職後の早期離職確認です。</p><p>このうち管理簿の記入やマッチングは紹介会社の内部作業で、企業からは見えません。本記事の9工程は、企業が判断や確認をする場面だけを残して並べ直したものです。</p><h2 id="h23307eeffd">人材サービス利用企業の8割が知らなかった決まり（2021年）</h2><p>フローの各工程には企業を守る決まりが置かれていますが、2021年6月の時点では使う側の企業にほとんど知られていませんでした。厚生労働省の委託調査で、紹介会社か求人サイトなどの人材サービスを過去3年間に使った企業561社に尋ねた結果のうち、8割前後が知らなかった2つの決まりが次の表です。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>決まり</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>知らなかった企業の割合</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>紹介会社の実績や返戻金制度を載せた「人材サービス総合サイト」がある</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>83.8%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>紹介会社は、紹介で入社した人に2年間は転職を勧めてはならない</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>80.0%</p></td></tr></tbody></table><p>出所：厚生労働省「<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/000956216.pdf">令和3年度厚生労働省委託調査 採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査 報告書</a>」（2022年3月・n=561）。</p><p>同じ調査で、人材サービス総合サイトで紹介会社を検索したことがある企業は1.6%でした。一方、人材サービス利用企業561社のうち、紹介会社を使った際の困りごとに「紹介された人材がすぐやめてしまう」を挙げた企業は13.9%でした。この2つは別々の設問の単純集計で、早期離職に困った企業と検索した企業がどれだけ重なるかは、この調査からは分かりません。</p><h2 id="h51d3832865">工程1 紹介会社選びは公的サイトの実績から始める</h2><p>紹介会社を選ぶ段階で見ておきたいのが、厚生労働省が運営する<a href="https://jinzai.hellowork.mhlw.go.jp/JinzaiWeb/">人材サービス総合サイト</a>です。許可を受けた事業者を検索でき、各社の実績と手数料、返戻金制度をここで確認できます。</p><p>職業紹介事業者は、2018年1月1日施行の改正職業安定法により、このサイトで実績を公開することが義務になりました。掲載される主な項目は次のとおりです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>掲載項目</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>企業側での読み方</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>年度ごとの就職者数</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>その会社がどの程度の規模で紹介しているか</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>うち無期雇用で就職した人の数</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>正社員中心の紹介かどうかの目安</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>そのうち6か月以内に解雇以外の理由で離職した人の数</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>早期離職の多さ。職種や業界で事情が違うため参考情報として読む</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>手数料表</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>方式（上限制か届出制か）と料率</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>返戻金制度の有無と内容</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>早期に辞めた場合に何が戻るか</p></td></tr></tbody></table><p>出所：厚生労働省・都道府県労働局「<a href="https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000171018_2.pdf">職業紹介事業者の皆様へ 事業運営のルールが変わります</a>」（2018年1月1日施行）。</p><p>6か月以内の離職者数は、厚生労働省自身が「参考情報の一つとして確認しましょう」と添えている数字です。単独で優劣を決めず、同じ職種を扱う2〜3社を並べ、無期雇用で就職した人の数に対する割合で見比べると、会社の規模の差に引きずられずに済みます。</p><p>会社の種類ごとの選び方は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/recruitment-agency">人材紹介とは？企業側の手数料・契約と会社の選び方</a>で整理しました。</p><h2 id="hf84bfebe0f">工程2 契約時に手数料と返戻金を書面で受け取る</h2><p>紹介会社と契約し、求人を申し込むと、紹介会社には手数料と返戻金制度を明示する義務が生じます。<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/001497513.pdf">職業紹介事業の業務運営要領</a>の定めは、求人の申込みを受理した後すみやかに、書面や電子メール等で明示するというものです。</p><p>手数料表だけでは個々の紹介の金額や発生条件が分からない場合もあります。そのときは遅くとも個々の紹介の実施までに、金額と発生条件を誤解のない形で示す必要があります。書面が届かないまま推薦が始まったら、その時点で確認を求めてかまいません。</p><h3 id="h7b6b9686b8">企業側にも、申込みの時点で果たす義務がある</h3><p>求人の申込みでは、企業側にも2つの務めがあります。1つは、法令違反の有無などについて紹介会社から自己申告を求められたら、正当な理由がない限り応じることです。</p><p>もう1つは、求職者が従事する業務の内容などの労働条件を、紹介会社へ明示することです。紹介会社は原則として求職者と最初に接触する時点までに条件を示さなければならないため、企業から伝わっていないと推薦の段階で止まります。</p><p>明示が求められる事項は、業務の内容、契約期間、試用期間、就業場所、労働時間と休日、賃金、社会保険の適用、雇用主の名称、派遣として雇う場合はその旨、受動喫煙の防止措置です。2024年4月1日施行の改正職業安定法施行規則で、従事すべき業務の変更の範囲、就業場所の変更の範囲、有期労働契約を更新する場合の基準（通算契約期間または更新回数の上限を含む）が加わりました（厚生労働省「<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/001114166.pdf">職業紹介事業者の皆さま 2024年4月1日施行 改正職業安定法施行規則</a>」）。変更の範囲とは、雇入れ直後にとどまらず、将来の配置転換の見込みも含めた、契約期間中に変わりうる範囲のことです。求人票の書き方は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/job-posting">求人票とは？記載事項と食い違いを防ぐ書き方</a>で詳しく扱っています。</p><h2 id="hfe34b6dd42">工程3と4 要件のすり合わせと推薦は基準を決めて回す</h2><p>要件のすり合わせには法令上の期限がなく、進め方は企業と紹介会社の合意で決まります。ここで決めておくと後が速いのは、人材要件、選考基準、面接の日程枠の3点です。</p><p>人材要件は「必須」と「歓迎」を分けて伝えます。全部を必須にすると推薦が止まり、全部を歓迎にすると書類選考で落とす件数が増えるためです。選考基準は、面接官の間で合否の線をそろえるために、推薦が始まる前に文章にしておきます。</p><p>推薦を受けるときに企業が確かめるのは、候補者の個人情報が本人の同意を得て渡されたものかどうかです。厚生労働省のリーフレットは、職業紹介事業者を通じて個人情報を得る場合に本人の同意を確認するよう求人者に求めています。選考が終わった後の情報は、削除などで適正に管理します。</p><h3 id="h15ffaeff0f">推薦を待つだけにしない選択肢</h3><p>人材紹介の推薦は、紹介会社に登録している求職者の中から届くのが基本です。登録者の中に求める人がいなければ、フローは工程4で止まったままになります。この段階で企業側が法令上できることは無く、推薦が届くかどうかは紹介会社の登録者層しだいです。</p><p>特にエンジニアやAI人材のように転職市場に出てくる人が少ない職種では、人材紹介は紹介会社の登録者から選ぶ仕組みなので、登録していない人には推薦が届きません。この制約を前提に、推薦を待つ経路と、自社から候補者に会いに行く経路を並行させる考え方があります。推薦が届かないまま時間が過ぎている求人は、紹介とは別の手段を検討する目安です。<a href="https://offers.jp/client/ai-rpo?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-consult&amp;utm_content=recruitment-agency-flow">OffersのAI RPO</a>は、CTO・テックリード・AIエンジニアをAIが見つけ、時期を合わせて継続的に声をかける採用代行です。紹介と組み合わせる前提で相談できます。</p><h2 id="ha107460037">工程5と6 条件の変更は雇用契約の締結までに明示する</h2><p>書類選考と面接の結果は、合否だけでなく理由も紹介会社へ返します。理由が返らないと、次の推薦の精度が上がらないためです。紹介会社を通じて面接日程を調整する場合は、面接官の空き枠を社内で先に押さえておくと、推薦から面接までの日数を縮められます。</p><p>内定の段階で注意したいのが、条件の変更です。紹介会社を通じて最初に示した条件と違う内容で内定を出す場合、企業は雇用契約の締結までに、変わった点を求職者へ明示しなければなりません。厚生労働省のリーフレットは、明示が必要な変更を次の4つに分けています。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>類型</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>例</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>当初と異なる条件を示す</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>求人では年収600万円と示したが、内定では550万円で提示する</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>当初の範囲内で特定する</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>「勤務地は東京または大阪」を「東京」に確定する</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>当初示した条件を削除する</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>求人に書いた手当を内定の条件から外す</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>当初示していなかった条件を加える</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>求人に無かった転勤の可能性を内定時に加える</p></td></tr></tbody></table><p>出所：厚生労働省・都道府県労働局「求人者の皆さまへ 職業紹介事業者を利用する際の主なポイント」。例は Offers 編集部が作成。</p><p>左の4類型は厚生労働省の資料にあるもので、右の例は資料には無く、Offers 編集部が説明のために作りました。</p><p>内定通知書に変更点が埋もれていると、入社後に「聞いていない」という食い違いが起きやすくなります。変わった箇所を一覧にして渡す形が確実です。</p><h2 id="hddee1a792a">工程7と8 手数料が発生するタイミングは方式で違う</h2><p>入社によって雇用関係が成立すると、手数料の請求が近づきます。いつから請求できるかは、紹介会社が採用している手数料の方式で決まります。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>方式</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>徴収できる時期</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>上限</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>上限制手数料</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>徴収の基礎となる賃金が支払われた日以降（後で精算すると約束して前払いで受け取る場合は、求人の受理以降）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>支払われた賃金額の11.0%（免税事業者は10.3%）。無期雇用で6か月を超えて雇用が続く場合は、6か月分の賃金の14.8%（同13.9%、賞与等を除く）との高い方</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>届出制手数料</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>求人の申込みを受理した時以降</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>厚生労働大臣に届け出た手数料表の額</p></td></tr></tbody></table><p>出所：厚生労働省「職業紹介事業の業務運営要領」第6 手数料。</p><p>届出制は、法令上は求人を受理した時点から徴収できる方式です。実際にいつ請求するかは、各社の契約で決まります。請求書が届いたら、起点の日付と、算定の基礎にした年収に賞与や手当を含めているかを契約書と照らしてください。</p><p>正社員（期間の定めのない雇用）として6か月を超えて雇用が続く場合、上限制の上限は単純な11.0%ではありません。6か月分の賃金の11.0%（免税事業者は10.3%）と、賞与など臨時・3か月超ごとの賃金を除いた6か月分の賃金の14.8%（免税事業者は13.9%）を比べ、大きい方が上限になります。正社員採用の多くがこの区分に当たるため、請求額を確認するときは11.0%だけでなく、この2つの計算式のどちらに基づくかも紹介会社に確認してください。</p><p>料率の相場や職種ごとの1件あたりの金額は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/recruitment-fee">人材紹介の費用</a>で扱っているので、ここでは時期の確認にとどめます。</p><h2 id="hbddd08905d">工程9 入社後6か月の離職確認と返金の条件</h2><p>入社で手続きが終わるわけではありません。紹介会社は、紹介で就職した人が6か月以内に辞めたかどうかを調べ、人材サービス総合サイトに件数を載せる義務を負っています。調査の依頼が来たら、企業も協力する必要があります。</p><p>早期に辞めた場合に手数料の一部が戻るかどうかは、返戻金制度の有無と内容しだいです。返戻金制度の中身は各社が定めるもので、制度を設けること自体は厚生労働省の指針が「望ましい」とする努力目標にとどまります。一方、制度の有無と内容を書面等で明示し、人材サービス総合サイトに載せることは職業安定法に基づく紹介会社の義務です。何か月以内の離職で何割が戻るのかは、工程2で受け取った書面で確かめます。前出の委託調査では、返戻金制度を設けることが望ましいとされていること自体を知らなかった企業が57.6%でした。返戻金を受け取ったことがある企業は9.6%、紹介会社が応じず受け取れなかった企業は2.7%でした。見る場所は、手数料表とあわせて明示される返戻金制度の説明で、契約書では「返金規定」「返戻金」といった条項がそれにあたる、と考えてください。少なくとも、対象になる在籍期間、戻る割合、返金を求める手続きの3点を読んでおきます。</p><h3 id="h23a821936b">紹介会社は2年間、紹介した人に転職を勧めてはならない</h3><p>もう1つ、企業を守る決まりがあります。紹介会社は、紹介で入社した人（期間の定めのない雇用に限る）に対し、就職した日から2年間は転職を勧めてはなりません。</p><p>この決まりは職業安定法の指針にあり、2025年1月1日からは職業紹介事業の許可条件にも加わりました。同日以降の許可や更新から条件として付き、それより前に指針に違反した事業者にも、是正指導とあわせてこの条件が付されます。</p><h2 id="h28c9fe7157">人材紹介のフローを止めないために企業側で決めておくこと</h2><p>9工程のうち、企業の対応が遅れると全体が止まるのは工程3から工程6です。候補者は複数の企業の選考を並行して受けていることがあり、返事が遅れるほど他社で先に決まる可能性が高まります。</p><p>止めないために決めておきたいのは、次の3つです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>決めておくこと</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>理由</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>紹介会社との窓口を1人にする</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>質問と回答の行き違いを防ぐ</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>書類選考の返答期限を社内で決める</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>候補者が他社の選考に進む前に面接を組める</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>不合格の理由を1行でも返す</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>次の推薦が要件に近づく</p></td></tr></tbody></table><p>採用フロー全体の設計、つまり人材要件の定義から選考基準の作り方までは<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/recruitment-flow">採用フローとは？6工程の設計手順と法令要件</a>で扱いました。</p><h2 id="hda366ba27a">契約前の確認だけは後からやり直せない</h2><p>9工程のうち、紹介会社を選び直せるのは工程1だけです。契約して推薦が始まってから返金の条件や早期離職の実績を知っても、その紹介会社との取引はもう動いています。</p><p>人材サービス総合サイトに実績が載っていない紹介会社もあります。先の委託調査では、サイトに6か月以内の離職者数を掲載していると答えた紹介会社は42.0%でした（n=621）。載っていなければ、契約の前に紹介会社へ直接、就職者数と6か月以内の離職者数、返戻金制度の中身を尋ねてください。答えられるかどうかも、その会社の運用姿勢を見る材料になります。</p>

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## [人材紹介の離職率｜6か月以内の公開データの読み方](https://hr-media.offers.jp/articles/placement-turnover-rate)

**公開日**: 2026-09-27
**著者**: 鈴木 裕斗
**カテゴリ**: 組織

<p>人材紹介で採用した人が、半年もたたずに辞めてしまう。高い手数料を払った直後だけに、社内で「紹介経由は定着しない」という声が出やすい場面です。</p><p>ただ、この問いは印象で語る必要がありません。有料職業紹介の会社は、自社の紹介で入社した人のうち6か月以内に辞めた人数を、国の定めに沿って毎年公開しています。</p><p>厚生労働省の全国の集計では、紹介会社の事業所の7割で早期離職がゼロでした。ところが、ソフトウェア開発を扱う東京の紹介会社に絞って公開データを集め直すと、ゼロは4社に1社ほどにとどまり、辞めたかどうか分からない人が離職者と同じくらいの規模で残っていました。全国の集計は事業所ごと・職種ごと、東京の集計は事業主ごとの全職種の合算で、単位が違うため傾向の違いとして読んでください。</p><p>平均値には読み方の癖があります。紹介会社を選ぶときは、各社の実数と母数、そして「辞めたか分からない人」の数まで見るのが近道です。</p><h2 id="he45cbff6b4">人材紹介経由の離職率は「6か月以内・無期雇用」で測る</h2><p>紹介経由の離職率は、紹介会社が職業安定法施行規則にもとづいて公開する数字で測れます。分母は紹介で無期雇用として入社した人数、分子はそのうち入社から6か月以内に辞めた人数です。</p><p>一般的な離職率と違い、期間は入社後の6か月に限られます。解雇による離職は分子に含めません。</p><h3 id="h33f890b081">紹介会社が公開する5つの項目</h3><p>有料職業紹介の会社は、職業安定法施行規則第24条の8第3項により、インターネットで次の情報を提供する義務を負います。就職者と離職者の数は、前年度を含む5年度分です。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>公開する項目</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>中身</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>就職者の数</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>紹介で就職した人数と、そのうち期間の定めのない雇用（無期雇用）で就職した人数</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>6か月以内の離職者の数</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>無期雇用の就職者のうち、就職から6か月以内に辞めた人数（解雇を除く）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>離職したか分からない人の数</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>無期雇用の就職者のうち、6か月以内に辞めたかどうか確認できなかった人数</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>手数料</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>取扱職種ごとの常用就職1件あたりの平均手数料率の実績</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>返戻金制度</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>早期に辞めた場合に手数料を返す制度の有無と内容</p></td></tr></tbody></table><p>出所：e-Gov 法令検索「職業安定法施行規則」第24条の8（2026年9月26日確認）。</p><p>無期雇用の就職者数と離職者数の公開は、<a href="https://laws.e-gov.go.jp/law/322M40002000012">職業安定法施行規則</a>の附則により平成30年度の実績から始まりました。紹介会社は、6か月以内に辞めたかを確かめるために、入社先の企業へ調査をかけることになっています。</p><h3 id="hfd6469dda9">企業側にも調査への協力が求められる</h3><p>紹介会社から「入社した方は在籍していますか」と問い合わせが来ることがあります。制度にもとづく確認なので、企業側にも協力が求められるものです。</p><p>厚生労働省のパンフレット<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/000851398.pdf">「職業紹介事業者を利用する際の主なポイント（求人者の皆さまへ）」</a>は、6か月以内に離職したかの調査依頼があれば求人者も協力する必要があると明記しています。回答が返らなければ、その人は「分からない」側に数えられ、紹介会社の数字の精度が落ちることになります。企業の回答も数字の一部です。</p><h2 id="hb3ae68fd12">厚労省の集計では全職種の平均が7.9%、7割がゼロ</h2><p>紹介会社が報告した6か月以内の離職率は、全職種の平均で7.9%でした。集計対象は全職種で9,730件あり、そのうち72.1%は離職率が0.0%です。</p><p>この数字は、<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001622750.pdf">厚生労働省「職業紹介事業における職種別手数料、離職状況について」</a>が令和5年度の事業報告（令和4年度に無期雇用で就職した人の実績）をもとに算出したものです。</p><h3 id="h45cfd63c99">職種ごとの6か月以内の離職率</h3><p>職種による差ははっきりしています。医療・介護・保育の3職種は平均が10%を超え、事務職やIT職は2〜5%台にとどまりました。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>主な取扱職種</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>平均離職率</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>離職率0.0%の割合</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>離職率40.1%以上の割合</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>全職種</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>7.9%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>72.1%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>3.5%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>介護</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>15.3%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>69.1%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>5.4%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>保育</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>12.2%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>58.0%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>4.3%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>看護</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>10.5%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>64.1%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>5.3%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>営業の職業</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>5.4%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>78.8%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>4.0%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>法人・団体管理職員</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>4.9%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>83.2%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2.6%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>一般事務・秘書・受付の職業</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>4.4%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>83.5%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>4.2%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>医師</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>3.0%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>74.7%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2.4%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>情報処理・通信技術者</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2.9%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>85.2%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1.5%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>経営・金融・保険の専門的職業</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2.0%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>87.7%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>0.8%</p></td></tr></tbody></table><p>出所：厚生労働省「職業紹介事業における職種別手数料、離職状況について」（公表日の記載なし・令和5年度事業報告にもとづく算出・全職種で9,730件）。</p><p>エンジニア採用で使う区分は「情報処理・通信技術者」です。平均は2.9%で、85.2%が離職ゼロでした。IT職の紹介で6か月以内の離職が1割を超える紹介会社は、この分布の中では少数側です。</p><p>同資料は、紹介経由以外の経路で入社した人との比較をしていません。医療・介護・保育が高く出ていても、それが紹介という経路によるものかどうかは、この数字だけでは判断できません。職種をそろえずに紹介会社どうしを並べると、得意分野の違いがそのまま離職率の差に見えてしまう点にも注意が要ります。</p><h2 id="h7c113cd75a">平均7.9%は紹介で入った人の離職割合ではない</h2><p>7.9%は、紹介で入社した人全体のうち辞めた人の割合ではありません。厚生労働省の資料が注記しているとおり、事業所ごとの離職率を単純に平均した値で、就職件数による重みづけをしていません。</p><h3 id="h797ccfcdf9">母数の小さい紹介会社が平均を動かす</h3><p>年に数人しか紹介しない事業所では、1人が辞めるだけで離職率が20%や50%に跳ね上がります。逆に、数人全員が残れば0.0%です。</p><p>0.0%が7割を超え、40.1%以上も全職種で3.5%あるのは、こうした小さな母数の事業所が両端に散らばっているためと読めます。平均値だけを見て「紹介会社の平均より良いか悪いか」を判断すると、母数の違いを見落とします。</p><h3 id="h196860e79d">分子に入らない離職がある</h3><p>公開される離職者数には、次の3つの離職が含まれません。</p><ul><li>解雇による離職</li><li>入社から6か月を過ぎてからの離職</li><li>辞めたかどうかを確認できなかった人（別の欄に数える）</li></ul><p>さらに施行規則は、入社先への調査の代わりに、返戻金の対象になった件数で離職者を数える方法も認めています。どの方法で数えたかは紹介会社によって違いうるため、離職者数は返戻金の条件とあわせて見るのが安全です。</p><h3 id="h3522018378">雇用動向調査の離職率とは並べられない</h3><p>世間で語られる離職率は、1年間に辞めた人の割合です。厚生労働省の<a href="https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/26-2/dl/gaikyou.pdf">「令和7（2025）年雇用動向調査結果の概況」</a>（令和8年8月31日公表）では、一般労働者の離職率は11.4%でした。</p><p>こちらは入社経路を問わず、在籍期間も区切らない数字です。6か月以内に限った紹介経由の離職率とは定義が違うので、数字の大小を直接比べて「紹介経由のほうが定着する」とは言えません。離職率そのものの計算式と比べ方は、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/turnover-rate">離職率とは？令和7年は13.7%、3指標で読む方法</a>で整理しています。</p><h2 id="hb0f5f9396e">手数料率が高い紹介会社ほど定着するわけではない</h2><p>手数料率が高いほど良い人を紹介してくれて定着もする、とは言えません。同資料は医師・看護・保育・介護の4職種について、事業所ごとの手数料率と離職率を分布図に描き、手数料率の高低で離職率に大きな差は見られなかったとしています。分布図の対象は看護で319事業所、介護で453事業所などです。</p><p>職種を全10区分で横に並べると、単純な逆相関とは言えません。経営・金融・保険や法人・団体管理職員のように手数料率が高く離職率も低い職種がある一方、保育は手数料率24.3%と9職種の中位（ほぼ中央値）でも離職率は12.2%で、医師は手数料率22.0%と中位より下寄りでも離職率は3.0%にとどまり、並びは一定していません。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>主な取扱職種</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>平均手数料率実績（令和6年度）</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>平均離職率（令和4年度就職）</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>全職種</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>24.0%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>7.9%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>経営・金融・保険の専門的職業</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>34.6%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2.0%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>法人・団体管理職員</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>33.9%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>4.9%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>営業の職業</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>31.2%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>5.4%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>情報処理・通信技術者</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>31.2%（ソフトウェア開発）／30.0%（それ以外）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2.9%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>保育</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>24.3%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>12.2%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>一般事務・秘書・受付の職業</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>24.1%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>4.4%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>医師</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>22.0%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>3.0%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>看護</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>21.6%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>10.5%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>介護</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>20.2%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>15.3%</p></td></tr></tbody></table><p>出所：厚生労働省「職業紹介事業における職種別手数料、離職状況について」（公表日の記載なし・令和7年10月末時点の掲載分・令和5年度事業報告）。</p><p>手数料率は情報処理・通信技術者を「ソフトウェア開発」とそれ以外に分けて集計していますが、離職率は両者を合わせた1区分です。年度も手数料率が令和6年度、離職率が令和4年度の就職と異なります。</p><p>職種によって手数料率と離職率の並びが一定しないのは、職種ごとの性質の違いを映したもので、料率を上げれば定着するという因果は読み取れません。医師・看護・保育・介護の4職種では同じ職種の中で料率と離職率に大きな差が見られなかった以上、料率の交渉と定着の見極めは別々に進めるのが現実的です。職種ごとの費用の実額は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/recruitment-fee">人材紹介の費用、職種別の1件あたり実額と課金モデル</a>にまとめています。</p><h2 id="hd68a2850d5">ソフトウェア開発を扱う東京の紹介会社114事業主の実績</h2><p>全国の平均ではなく、エンジニア採用で実際に候補になる紹介会社の数字はどう並ぶのか。Offersでは人材サービス総合サイトで、東京都の有料職業紹介のうち「情報処理・通信技術者（ソフトウェア開発）」の手数料実績を載せる事業所を検索し、詳細情報を集計しました。</p><p>検索で出たのは152事業所で、同じ会社の支店・拠点をまとめると114事業主です。就職者と離職者の数は、サイトの表示どおり事業主ごとの全職種の合計になります。つまり以下は「ソフトウェア開発を扱う紹介会社」の実績で、ソフトウェア開発の職種だけの離職率ではありません。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>指標（令和6年度）</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>値</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>無期雇用の就職者数と離職者数がそろう事業主</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>92事業主</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>6か月以内離職率の単純平均</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>4.2%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>就職者数で重みづけした離職率</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>4.8%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>離職率の中央値</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2.6%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>離職ゼロの事業主</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>22事業主</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>離職率20%以上の事業主</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>4事業主</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>「離職が判明せず」がある事業主</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>16事業主（計4,734人）</p></td></tr></tbody></table><p>出所：厚生労働省「人材サービス総合サイト」の公開データ（2026年9月26日取得・東京都・114事業主）をもとにOffersが集計。</p><p>残る22事業主は、無期雇用の就職者が0人か未記入、または離職者数が未記入だったため、率を計算できませんでした。</p><h3 id="hea9963bb70">母数が大きい会社ほど離職ゼロは出にくい</h3><p>全国の集計では7割がゼロでしたが、この92事業主で離職ゼロは22でした。無期雇用の就職者が100人以上の59事業主ではゼロは4つだけで、100人未満の33事業主では18がゼロです。</p><p>全国の「7割がゼロ」は、母数の小さい事業所が多いことの表れと読めます。ゼロという数字は、紹介の質よりも紹介した人数の少なさを映していることがあります。</p><h3 id="hddb57fe9a9">平均と中央値で約1.5ポイント開く</h3><p>中央値は2.6%で、単純平均の4.2%より低く出ました（精密値では4.17%と2.64%で、差は約1.5ポイント）。92事業主のうち85事業主は10%以下に収まり、一部の高い会社が平均を押し上げている形です。重みづけした4.8%は、紹介で入った人全体のうち辞めた人の割合に近い数字にあたります。</p><p>20%以上の4事業主を見ると、1つは無期雇用の就職者が4人で、1人辞めただけで25%になっていました。残る3つは30人、113人、2,467人と母数があり、偶然では説明しにくい水準です。とくに2,467人の事業主は離職率26.1%で、しかも「判明せず」が1,142人あり、母数の小ささでは説明できません。<strong>母数が数十人を超えて10%を上回る会社</strong>は、面談で理由を聞く価値があります。</p><h3 id="he7d2f443ee">「判明せず」が離職者数に迫る</h3><p>目を引くのは「離職が判明せず」の多さです。16事業主で合計4,734人あり、92事業主の離職者数の合計5,934人に迫る規模でした。無期雇用の就職者全員が「判明せず」になっている事業主も1つありました（154人）。</p><p>ただし偏りは大きく、上位3事業主（1,377人・1,184人・1,142人）で計3,703人と、全体の8割近くを占めます。この3事業主を除くと、残る13事業主の「判明せず」は計1,031人でした。</p><p>「判明せず」が多い会社では、公開された離職率が実態より低く見えている可能性があります。離職率の低さだけで選ぶ前に、この欄を必ず確かめてください。</p><h2 id="h26d3974861">早期離職のリスクは採用枠・契約・受け入れで下げる</h2><p>紹介会社をどれだけ厳選しても、早期離職をゼロにはできません。備えは紹介会社の選び方だけで完結せず、紹介に頼る割合を見直し、契約で損失を小さくし、受け入れの側で辞める理由を減らす、の3本立てになります。</p><h3 id="h1bbe3be625">紹介に頼る採用枠を減らす</h3><p>紹介に頼る割合が高いほど、早期離職のたびに手数料と採用のやり直しが重なるのが実情です。紹介に頼る採用枠そのものを減らしたい職種は、候補者の発見から継続的なアプローチまでを外に任せる<a href="https://offers.jp/client/ai-rpo?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-consult&amp;utm_content=placement-turnover-rate">AI RPO</a>のような形も検討材料になります。</p><h3 id="hb286d25391">返戻金は損失を小さくする仕組み</h3><p>返戻金制度は、紹介で入社した人が早期に辞めたとき、手数料の一部を企業へ返す仕組みです。今回集計した114事業主のうち106事業主が、詳細情報で返戻金制度を「有」としていました。返す割合や対象期間は各社の契約で決まります。</p><p>返戻金は費用の一部を取り戻すもので、辞めること自体は防げません。契約書で見るべき点は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/recruitment-agency">人材紹介とは？企業側の手数料・契約と会社の選び方</a>で整理しています。</p><h3 id="h0d6b926029">受け入れ側で辞める理由を減らす</h3><p>6か月以内の離職は、入社前の説明と入社後の実態のずれから起きやすいものです。中途入社者が前職を辞めた理由の実数は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/a_324">中途採用の離職率｜辞めた理由を実数で読む</a>、入社後の受け入れの組み方は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/onboarding">オンボーディング設計の5段階と定着・育成の組み方</a>にまとめています。</p><p>紹介会社には、辞めた人の理由を共有してもらうよう契約時に頼んでおくと、次の紹介の精度を上げる材料になるはずです。</p><h2 id="he1f05466d5">紹介会社ごとの数字は人材サービス総合サイトで確かめる</h2><p>個別の紹介会社の数字は、厚生労働省が運営する<a href="https://jinzai.hellowork.mhlw.go.jp/JinzaiWeb/">人材サービス総合サイト</a>で誰でも見られます。今回の集計で使った手順は次のとおりです。</p><ol><li>トップページの「検索を行う場合」から「職業紹介事業」を選ぶ</li><li>都道府県と「有料職業紹介事業」にチェックを入れ、「詳細な検索条件」で取扱業務の職種（例：009 情報処理・通信技術者（ソフトウェア開発））を指定する</li><li>一覧で就職者数・離職者数・手数料実績率を確かめ、許可番号のリンクから詳細情報を開く</li></ol><p>詳細情報には、年度ごとの就職者数と6か月以内の離職者数、「離職が判明せず」の人数、職種別の手数料実績、返戻金制度の有無が並びます。一覧の数字は最新年度のもので、今回は令和7年度の離職者数が「-」（未記入）の事業主が31ありました。離職を見るときは1つ前の年度を使うと、空欄に惑わされません。</p><h3 id="h8097ca84d4">見比べるときに見る5つの欄</h3><p>契約を検討している紹介会社があれば、商談の前に次の欄を確かめておくと、面談で聞くべきことが絞れます。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>見る欄</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>見方</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>無期雇用の就職者数</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>分母です。数人しかいなければ、離職率の高低はほとんど意味を持ちません</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>6か月以内の離職者数</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>率ではなく人数で見ます。分母と並べて自分で割ると、母数の感覚がつかめます</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>離職が判明せず</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>多い会社は、公開された離職率が実態より低く見えている可能性があります</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>年度ごとの推移</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1年だけ高い・低いより、毎年の傾向を見ます</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>取扱職種と手数料実績</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>自社が採用したい職種を扱っているか、その職種の料率はいくらかを確かめます</p></td></tr></tbody></table><p>同じ職種を扱う会社の中で、その会社がどこにいるかを意識すると、読み誤りは減るはずです。ソフトウェア開発を扱う東京の紹介会社なら、上の集計（全職種合計）の中央値2.6%が並べるときの物差しになります。</p><h3 id="h35334a138f">面談では数字の背景を聞く</h3><p>公開情報で気になった点は、紹介会社との面談で確かめます。聞いておきたいのは次の3点です。</p><ul><li>離職した人は、どの段階でのミスマッチだったと見ているか</li><li>「離職が判明せず」の人について、入社先へどう確認しているか</li><li>返戻金の対象期間と返金割合、離職者の数え方との関係</li></ul><p>数字が良い会社でも、自社の職種や規模で同じ結果が出るとは限りません。逆に数字が悪くても、理由を具体的に説明できる会社は、ミスマッチの原因を把握していると判断できます。</p><h2 id="hf752f8ec6a">紹介経由の離職は平均ではなく実数で見る</h2><p>人材紹介経由の離職は、紹介会社ごとに公開されている「無期雇用で入社した人の数」と「そのうち6か月以内に離職した人の数」の実数で見比べるのが確実です。厚生労働省の職種別集計（令和5年度事業報告・全職種9,730件）では平均離職率が7.9%でも、離職率0%の事業所が72.1%を占めており、平均値だけでは紹介会社ごとの差が見えません。</p><ul><li>紹介経由の離職率は、無期雇用で入社した人のうち6か月以内に辞めた人の割合で、紹介会社が毎年公開しています</li><li>全国の集計では平均7.9%、7割がゼロでした。ソフトウェア開発を扱う東京の紹介会社92事業主（全職種合計）では中央値2.6%、ゼロは22にとどまり、「離職が判明せず」が離職者数に迫る規模で残っていました</li><li>医師・看護・保育・介護の4職種では、手数料率の高低で離職率に大きな差は見られませんでした。紹介会社は人材サービス総合サイトで職種をそろえて見比べ、面談で数字の背景を確かめるのが確実です</li></ul>

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## [人事のスカウト、社外と社内の使い分け｜8割強が無返信](https://hr-media.offers.jp/articles/hr-scout-types)

**公開日**: 2026-09-27
**著者**: 鈴木 裕斗
**カテゴリ**: 採用

<p>社外の候補者に送ったスカウトの8割強には、返事が来ません。本記事を運営する株式会社overflowの採用サービス Offers で、1年間に送られた3万通あまりを数えた結果です。</p><p>その一方で、社員に他部署から声をかける「社内スカウト制度」を始める大企業が出てきました。人事が扱うスカウトは、いまや社外向けと社内向けの2種類あります。</p><p>打つ前に決めることも詰まり方も、2つはまるで違います。それぞれの詰まり方を実測と公表実績で確かめ、欠員が出たときにどちらをどう組み合わせるかの手順を示すのが、この記事の目的です。</p><h2 id="h7f0a41a2fc">人事が扱うスカウトは社外向けと社内向けの2つ</h2><p>人事が扱うスカウトは、社外の候補者に入社を勧めるものと、自社の社員に別部署への異動を勧めるものに分かれます。前者は採用、後者は配置にあたり、制度の土台も違うのが特徴です。</p><p>社外スカウトは、職業安定法第4条第5項の「労働者の募集」にあたります。定義は、労働者となろうとする者に、自社の被用者となるよう勧誘することです。送り手ごとの扱いの違いは、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/a_86">スカウト採用とは？誰が送るかで変わる扱い</a>で条文ごとに整理しました。</p><p>出所：<a href="https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000141">e-Gov 法令検索「職業安定法」</a>（2026年9月26日時点の現行条文）。</p><p>社内スカウトの相手は、すでに自社で働く社員です。入社の勧誘ではないので、就業規則や人事制度の中で組み立てることになります。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>比べる点</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>社外スカウト</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>社内スカウト</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>相手</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>自社を知らない社外の候補者</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>自社の社員（多くは制度に自分で登録した人）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>声をかける人</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>人事・採用担当、または現場の社員</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>人材を求める部署</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>送り手が持つ相手の情報</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>媒体のプロフィールだけ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>社内での実績・評価・働きぶり</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>成立したときの人数の動き</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>会社全体で1人増える</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>会社全体の人数は変わらない</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>制度の土台</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>職業安定法の労働者の募集</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>就業規則・人事制度</p></td></tr></tbody></table><p>この記事で最も大事なのは、表の下から2行目です。</p><p>社内スカウトは人を増やさない。空いた席を、別の席へ付け替えるだけです。</p><h3 id="h151c1c6bf5">社内スカウトと社内公募・自己申告の違い</h3><p>社内スカウトは、人を求める部署の側から社員に声をかける仕組みです。社員が募集に手を挙げる社内公募や、社員の希望を人事が集める自己申告とは、最初に動く人が違います。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>仕組み</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>最初に動く人</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>流れ</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>自己申告</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>社員</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>希望を人事に伝え、人事と部門が配置を検討する</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>社内公募</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>人を求める部署</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>要件を社内に公開し、手を挙げた社員から選ぶ</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>社内スカウト</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>人を求める部署</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>登録された社員の経歴を見て、部署から直接声をかける</p></td></tr></tbody></table><p>普及の度合いにも差があります。<a href="https://www.recruit-ms.co.jp/assets/images/cms/news/upload/3f67c0f783214d71a03078023e73bb1b/fea4cc7d467a4e3dbae36c2b72d292ae/2207141707_0946.pdf">リクルートマネジメントソリューションズ「個人選択型HRMに関する実態調査」</a>は、2022年3月に公表された人事296社への調査です（HRMは人的資源管理の略）。導入率は自己申告制度が67.6%、社内公募制度が42.2%でした。</p><p>社内スカウトはこれらより新しく、大企業での導入が始まった段階です。パーソルグループは2023年10月に国内社員約2.5万人を対象に始めました。日本ガイシ（2026年4月にNGK株式会社へ商号変更）は、管理職を対象に2025年4月の制度改定で導入すると2024年11月に発表しました。</p><h2 id="h58bffe24bc">社外スカウトは送った通数の8割強に返事がない</h2><p>社外スカウトの詰まりは、「開かれない」と「開かれても返事がない」の2段にほぼ半分ずつ割れます。数えたのは、Offers で2025年9月から2026年8月に正社員求人から送られたスカウト31,008通の行方です。送り手の企業は約120社（122社）でした。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>送ったスカウトの行方</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>通数</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>割合</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>開かれないまま返事もない</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>12,997</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>41.9%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>開かれたが返事がない</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>12,885</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>41.6%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>辞退の返事</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>3,787</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>12.2%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>承諾</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1,339</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>4.3%</p></td></tr></tbody></table><p>返事が来なかったのは合計25,882通で、全体の83.5%です。承諾1件を得るまでに、平均で約23通を送った計算になります（31,008通÷1,339通・Offers 算出）。</p><p>半分近くは、相手が送り手を知らない段階で止まっています。候補者は知らない会社からの通知を、件名と社名だけで開くかどうか決めるからです。開かれなければ、文面はどれだけ磨いても読まれません。</p><p>この段で問われるのは、社名を見た候補者の頭に何が浮かぶかです。エンジニア職を探しているなら、自社の求人票や技術発信が候補者にどう届いているかを、後の節で紹介する<a href="https://service.offers.jp/client/hiring-check/?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-light&amp;utm_content=hr-scout-types">エンジニア採用力チェック</a>で採点できます。</p><p>開かれた後の詰まりは、文面と条件の問題になります。承諾率を分けた文面の要素は、送信本文の実測をもとに<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/a_623">スカウト文面の書き方｜承諾率を分けた要素</a>でまとめました。</p><h2 id="ha3af69606b">社内スカウトは候補が社内のごく一部に限られる</h2><p>社内スカウトには、社外で最も大きい「開かれない」段が最初からありません。声をかける部署も、声をかけられる社員も、同じ会社の中にいるからです。代わりに制約になるのは、候補の少なさです。</p><p><a href="https://www.persol-group.co.jp/news/20240304_01/">パーソルホールディングスが2024年3月4日に公表した初年度の実績（速報値）</a>では、登録した社員が566名、送られたスカウトが695件でした。異動が確定したのは64名です。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>パーソルのキャリアスカウト制度（2023年10月登録・11〜12月選考の初年度実績）</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>値</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>対象の国内社員</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>約2.5万人</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>プロフィールを登録した社員</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>566名</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>送られたスカウト</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>695件</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>異動が確定した社員</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>64名</p></td></tr></tbody></table><p>初年度に登録したのは、対象者の約2.3%です（566名÷約2.5万人・Offers 算出）。部署が声をかけられる相手は、社内のごく一部に限られます。</p><p>その後、同社のオウンドメディア「Touch! PERSOL（パーソル）」の<a href="https://touch.persol-group.co.jp/20260915_22412/">2026年9月15日の記事</a>では、登録者は延べ2,000人超とされています。2023年10月の開始から約3年間の延べ人数なので、初年度の表の数字とは並べて比べられません。</p><p><a href="https://www.ngk.co.jp/news/20241119_1.html">日本ガイシは2024年11月19日の発表</a>で、社内公募制度を全基幹職へ広げると同時に、社内スカウト制度を新設しました。手を挙げる仕組みと声をかける仕組みを、並べて用意した形です。</p><h2 id="hb6de4ac699">社内スカウトは「探す席の付け替え」に使う</h2><p>ここまでで分かったことを1文にまとめます。社外スカウトは相手が自社を知らない段で半分近くが止まり、社内スカウトは候補が少ないうえに人数を増やしません。</p><p>ここから導ける使い方は1つです。<strong>社内スカウトは、社外で探しにくい席を埋めるために使い、動かした人の元の席は社外で探しやすいことを確かめてから動かす。</strong> 採用の総数は同じでも、社外スカウトで探す席を、見つけやすい席へ付け替えられます。</p><h3 id="hfc69bfa69f">探しにくさは職種の求人倍率で当たりをつける</h3><p>社外での探しにくさは、職種によって大きく違います。<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/11602000/001741200.pdf">厚生労働省「一般職業紹介状況（令和8年7月分）」参考統計表</a>の常用（パート含む）の有効求人倍率は、職業計が1.05倍でした。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>職種（令和8年7月・常用・パート含む）</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>有効求人倍率</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>職業計</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1.05倍</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>情報処理・通信技術者</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1.34倍</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>一般事務従事者</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>0.29倍</p></td></tr></tbody></table><p>情報処理・通信技術者と一般事務従事者の間には、約4.6倍の開きがあります（1.34÷0.29・Offers 算出）。この統計はハローワークが受け付けた求人と求職だけの集計で、民間の転職サービス経由の動きは含みません。それでも、職種ごとの探しにくさの向きをつかむ目安にはなります。</p><h3 id="hfe812256bc">付け替えるかどうかは3つの問いで決める</h3><p>欠員が出た席について、次の3つを順に確かめます。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>問い</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>Yes なら</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>例</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>1. 要件の中心は、自社の製品・既存顧客・社内の意思決定の経緯を知っていることか</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>社内スカウトの候補になる</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>既存顧客の事情を知る人が要る新規事業の立ち上げ</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>2. 社内に前例のない職種・技術・規模の経験が要るか</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>社外スカウトで探す</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>社内に経験者がいない技術領域の責任者</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>3. 社内から動かした人の元の席は、社外で探しやすいか</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>社内で動かし、空いた席を社外で埋める</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>市場に同じ経験の人が多い、既存事業の中堅</p></td></tr></tbody></table><p>問い1に当てはまらないのは、経験年数や使う技術だけで要件が書ける席です。市場に同じ経験の人がいるので、社内の少ない候補から探す理由がありません。</p><p>問い3で「探しにくい」となったら、付け替えは成り立ちません。元の席が埋まらず、欠員の場所が移るだけだからです。</p><h3 id="hd3667cf039">新規事業の責任者が必要になった会社の例</h3><p>架空の例で流れを追います。既存事業の顧客を相手に新しいサービスを立ち上げることになり、責任者の席が空いたとします。</p><ol><li>問い1: 要件の中心は既存顧客の事情を知っていること。社内スカウトの候補になる</li><li>社内スカウトで、既存事業の営業チームのリーダーに声をかける</li><li>問い3: 空いた営業リーダーの席は、同じ業界の法人営業の経験者を社外で探せる。付け替えは成り立つ</li><li>空いた営業リーダーの席を、社外スカウトで探す</li></ol><p>もし新しいサービスに社内の誰も経験のない技術が要るなら、責任者の席は問い2に当たります。社内で探し続けるより、はじめから社外スカウトに回したほうが早く埋まるはずです。</p><h3 id="hfaf6653e1e">社内公募制度では、新規事業の人材発掘は実感が目的に届いていない</h3><p>社内の人だけで探す仕組みは新規事業の人材発掘で実感が伸びにくいことを、リクルートマネジメントソリューションズが2022年3月に公表した調査（社内公募制度の導入企業125社）が示しています。社内スカウトではなく、隣の制度である社内公募制度のデータです。</p><p>「新規事業・新規プロジェクトを担う人材の発掘」を目的に挙げた企業は55.2%でした。一方、その効果を実感している企業は34.4%にとどまります。「若手社員のモチベーション向上」が目的72.8%・効果実感55.2%なのと比べると、実感の届き方が低めです。</p><p>この差の理由は、調査からは分かりません。以下は類推です。社内公募でも社内スカウトでも、候補が社内の人に限られる点は同じです。新規事業に要る経験が社内に無ければ、どちらの制度で探しても見つかりません。</p><h2 id="h6ac98b560f">社外スカウトを打つ前に人事が決める3つ</h2><p>付け替えの結果、社外スカウトで探すと決めた席について、送り始める前に次の3つを決めておきます。どれも、先に見た「開かれない」「開かれても返事がない」の2段に対応する項目です。</p><h3 id="h1d85d44f50">1. 声をかける相手の条件を、席の要件の言葉で書く</h3><p>媒体の検索条件は、職種と経験年数で組みがちです。要件を「何をした経験があるか」の言葉でいったん書き出し、それから検索条件に落とします。付け替えで社外に回した席なら、市場に同じ経験の人がいるはずなので、条件は具体的に書けます。</p><h3 id="he1c7960ae2">2. 誰の名前で送るかを決める</h3><p>開かれるかどうかを左右するのは、件名と送り手の名前です。人事の名前で送るか、配属先の責任者や現場の社員の名前で送るか。席ごとに決めてください。現場の社員が送る場合も、自社による労働者の募集であることは変わりません。</p><p>社外の手段には、スカウトのほかに人材紹介やヘッドハンティングもあります。費用の出方と使い分けは、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/scout-vs-headhunting">スカウトとヘッドハンティングの違い、費用と使い分け</a>で比べました。</p><h3 id="h4486a7ab7d">3. 候補者から自社がどう見えているかを先に確かめる</h3><p>知らない会社からスカウトを受けた候補者は、開く前後に社名を検索し、求人票や発信を確かめます。ここで伝わる情報が薄いと、開かれても返事は来ません。送る前に、候補者の目に映る自社の姿を点検しておくことです。</p><p>エンジニア職を社外スカウトで探すなら、<a href="https://service.offers.jp/client/hiring-check/?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-light&amp;utm_content=hr-scout-types">エンジニア採用力チェック</a>が無料で使えます。対象はエンジニア職の採用に限られますが、企業の URL を入れると、公開情報から採用力を5つの指標で採点します。どの指標が候補者に届いていないかが分かれば、スカウトの前に直す箇所がはっきりするはずです。</p><h2 id="hdf12ab2efa">社内スカウトを制度にする前に人事が決める3つ</h2><p>社内スカウトの成否を分けるのは、声をかけられた社員が安心して応じられるかどうかです。制度を始める前に、次の3つを就業規則や運用ルールに書いておきます。</p><ol><li>いまの上司に、いつ伝えるか。声がかかった時点、選考に進んだ時点、異動が決まった時点のどれにするか。早すぎると社員は応じにくく、遅すぎると元の部署が穴を埋める準備に間に合わない</li><li>断ったこと・落ちたことを評価に持ち込まないと明文化するか。断った相手と同じ会社で、翌日からも働き続けることになる</li><li>選考で落ちた社員に、誰が何を伝えるか。理由が分からないまま終わると、次に声がかかっても応じなくなる</li></ol><p>1つ目は、付け替えの成否にも関わります。元の部署が穴を埋める準備を始められるのは、上司が異動を知った時点からだからです。</p><h2 id="h5e5dcc173b">欠員が出たら、社外求人を出す前に付け替え表を1枚作る</h2><p>明日から変えられるのは、欠員が出たときの最初の一手です。社外スカウトや求人をいきなり出す前に、次の表を1枚埋めてください。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>欄</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>書くこと</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>空いた席</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>職種と、要件の中心（自社固有の経験か、市場にある経験か）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>社内から動かせる候補</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>その経験を持つ社員がいる部署と席</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>動かした後に空く席</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>その席の職種と、社外での探しやすさ（求人倍率・過去の採用実績）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>結論</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>空いた席を社外で探すか、社内で埋めて空く席を社外で探すか</p></td></tr></tbody></table><p>表が埋まれば、社外スカウトで探すべき席が1つに決まります。社外スカウトの費用の相場は、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/direct-recruiting">ダイレクトリクルーティングとは？利用率37.3%と費用</a>で扱っています。</p>

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## [人事と採用の違い｜境目は労働条件を2回示す場面](https://hr-media.offers.jp/articles/hr-vs-recruiting)

**公開日**: 2026-09-28
**著者**: 鈴木 裕斗
**カテゴリ**: 組織

<p>会社は同じ労働条件を、候補者に2回示しています。1回目は採用担当が募集の段階で示す求人票、2回目は人事が労働契約を結ぶ段階で示す労働条件通知書です。人事と採用の境目は、この2回の明示のあいだにあります。</p><p>2024年4月からは、この2枚に同じ新しい項目が加わりました。業務と就業場所の「変更の範囲」です。採用と人事が別々に書くと、2枚の内容がずれて、入社後に「聞いていた話と違う」が起きかねません。</p><p>この記事では、受け持つ期間、向き合う人数、かかわる法律の3つの軸で人事と採用の線を引きます。</p><h2 id="he802d97032">採用は入社までを、人事は入社から退職までを受け持つ</h2><p>採用の担当範囲は、募集を始めてから労働契約を結ぶまでです。人事の担当範囲は、労働契約を結んだ後、社員が在籍しているあいだ全体と退職の手続きまでです。採用は人事という大きな機能の中にある1つの工程で、入口を受け持ちます。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>軸</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>採用</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>人事</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>受け持つ期間</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>募集の開始から労働契約の締結まで</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>労働契約の締結後から退職まで</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>向き合う相手</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>社外の候補者</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>社内の在籍者と退職者</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>主な仕事</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>求人票の作成、母集団形成、面接、内定</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>配置、評価、給与、育成、労務管理、就業規則</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>成果の測り方</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>入社人数、採用単価、充足までの日数</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>定着率、離職率、評価と処遇の納得度</p></td></tr></tbody></table><p>仕事の一覧で見ると、採用は人事の仕事の1項目です。人事の仕事を網羅した一覧は、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/a_852">人事の仕事一覧の記事</a>にまとめています。</p><h3 id="h21c0f72cf5">採用の相手は社外、人事の相手は社内</h3><p>採用が向き合う候補者は、まだ自社の社員ではありません。自社を選ぶかどうかを候補者が決めるので、採用の仕事は営業やマーケティングに近くなります。</p><p>人事が向き合うのは、すでに労働契約を結んだ社員です。評価や給与、異動は会社が決め、社員はその決定の中で働きます。決める側の責任が重いため、制度の一貫性と説明のしやすさが問われる立場です。</p><h2 id="ha66a557ecb">境目は労働条件を2回示す場面にある</h2><p>採用と人事の境目を法律で見ると、2つの条文に行き着きます。採用が従う職業安定法第5条の3と、人事が従う労働基準法第15条です。どちらも労働条件を明示する義務で、示す時期と示す人が違います。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>誰が</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>いつ</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>根拠</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>示す書面</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>採用</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>募集の段階</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>職業安定法 第5条の3</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>求人票・募集要項</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>人事</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>労働契約の締結の段階</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>労働基準法 第15条</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>労働条件通知書</p></td></tr></tbody></table><p>出所：e-Gov法令検索「<a href="https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000141">職業安定法</a>」「<a href="https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049">労働基準法</a>」（2026年9月26日確認）。</p><p>2つの明示は、業務の内容や賃金、労働時間といった同じ労働条件を扱います。採用が示した条件を、人事が契約の形で示し直す。仕事の引き継ぎは、この示し直しの時点で起きます。</p><h3 id="h7b6a7a482b">2024年4月から2枚に同じ新項目が加わった</h3><p>2024年4月1日から、求人票に書く労働条件に3つの項目が加わりました。業務の変更の範囲、就業場所の変更の範囲、有期労働契約を更新する場合の基準です。厚生労働省は、この追加を労働基準法の労働契約締結時の明示義務と同様の改正だと説明しています。</p><p>出所：厚生労働省「<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/001114166.pdf">2024（令和6）年4月1日施行 改正職業安定法施行規則</a>」（2023年6月・リーフレット）。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>追加された項目</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>求人票（採用が書く）</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>労働条件通知書（人事が書く）</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>業務の変更の範囲</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>募集の段階で示す</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>契約締結の段階で示す</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>就業場所の変更の範囲</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>募集の段階で示す</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>契約締結の段階で示す</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>有期労働契約の更新上限</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>更新する場合の基準の中で、上限（通算契約期間・更新回数）の有無と内容を募集の段階で示す</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>上限の有無と内容を契約締結の段階で示す</p></td></tr></tbody></table><p>有期労働契約を更新する場合の基準そのものは、労働条件通知書の側では2024年4月より前から明示事項でした。通知書の側で2024年4月に加わったのは、更新上限の有無と内容です（労働基準法施行規則 第5条第1項第1号の2）。求人票の側では、更新の基準が上限を含む形で新しく明示事項になりました。</p><p>出所：e-Gov法令検索「<a href="https://laws.e-gov.go.jp/law/322M40000100023">労働基準法施行規則</a>」（2026年9月29日確認）。</p><h3 id="h436daa35a5">求人票の変更の範囲は人事と一緒に決める</h3><p>「変更の範囲」とは、入社直後の配属だけでなく、将来の配置転換の見込みまで含めた範囲のことです。そのため求人票に書く前に、採用担当だけで決めずに人事と合意しておきます。配置転換の方針を持っているのは人事だからです。</p><p>採用が単独で狭く書けば、入社後の異動が難しくなります。広く書くと、今度は候補者が応募をためらいかねません。求人票に書いた範囲と人事が配置転換で使う範囲がずれると、入社後に「聞いていた話と違う」という不満が生まれます。</p><p>求人票の記載事項と、労働条件通知書との食い違いを防ぐ書き方は、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/job-posting">求人票の記載事項と書き方の記事</a>で項目ごとに扱いました。</p><h3 id="h500331e006">採用と人事で守る法律はほかにも分かれる</h3><p>境目の2条文のほかにも、局面ごとに守る法律が分かれます。採用の局面には候補者を公平に扱うための規定が、人事の局面には在籍者全員に適用するルールづくりの規定があります。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>局面</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>主な条文と中身</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>採用</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>職業安定法 第5条の4（求人情報を正確で最新に保つ）、第5条の5（候補者の個人情報を目的の範囲で扱う）、男女雇用機会均等法 第5条（性別）、労働施策総合推進法 第9条（年齢）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>人事</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>労働基準法 第89条（常時10人以上の労働者を使用する使用者は就業規則を作成して届け出る）</p></td></tr></tbody></table><p>出所：e-Gov法令検索「<a href="https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000141">職業安定法</a>」「<a href="https://laws.e-gov.go.jp/law/347AC0000000113">男女雇用機会均等法</a>」「<a href="https://laws.e-gov.go.jp/law/341AC0000000132">労働施策総合推進法</a>」「<a href="https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049">労働基準法</a>」（2026年9月26日確認）。</p><p>採用担当が特に気をつけたいのは、候補者の個人情報の扱いです。選考に関係のない家族構成や出身地を面接で聞かないのは、職業安定法第5条の5の考え方に沿った運用です。工程ごとの法令要件は、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/recruitment-flow">採用フローの設計手順と法令要件の記事</a>で工程順に整理しています。</p><h2 id="h2248908605">採用が1年で迎える人数は在籍者の1割強</h2><p>業務量の差は、人数で見るとはっきりします。厚生労働省の雇用動向調査によると、2025年の1年間の入職者数は752万6,800人でした。年初の常用労働者数5,133万7,600人に対する入職率は14.7%です。パートタイム労働者を除いた一般労働者に限ると、入職率は12.0%になります。</p><p>出所：厚生労働省「<a href="https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/26-2/dl/gaikyou.pdf">令和7（2025）年雇用動向調査結果の概況</a>」（2026年8月31日公表）。</p><p>入職率は、年初の常用労働者数に対する1年間の入職者数の割合です。入職者には他社からの出向者も含まれますが、同じ会社の中での異動は含まれません。全産業の一般労働者のうち、入職前1年間に就業経験のある転職入職者の入職率は8.5%です。</p><h3 id="h649098e55b">表の7業種だけでも入職率は3倍近く開く</h3><p>入職率は業種で大きく変わります。一般労働者で見ると、下の表に載せた7業種では、金融業・保険業の8.6%から宿泊業・飲食サービス業の24.4%まで、3倍近い開きがあります。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>業種（2025年・一般労働者）</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>入職率</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>離職率</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>産業計</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>12.0%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>11.4%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>情報通信業</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>13.1%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>10.0%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>学術研究、専門・技術サービス業</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>11.1%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>10.0%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>製造業</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>8.8%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>9.2%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>卸売業、小売業</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>8.9%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>8.5%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>金融業、保険業</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>8.6%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>6.3%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>医療、福祉</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>13.1%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>13.6%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>宿泊業、飲食サービス業</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>24.4%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>21.5%</p></td></tr></tbody></table><p>出所：厚生労働省「<a href="https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/26-2/dl/gaikyou.pdf">令和7（2025）年雇用動向調査結果の概況</a>」（2026年8月31日公表）表4－2。</p><h3 id="h162137575a">100人の会社なら採用は年に十数人、人事は全員</h3><p>ここからは、上の入職率を使った試算です。統計の値そのものではありません。</p><p>産業計の12.0%を、パートタイムを除く社員100人の会社に当てはめると、採用が1年で迎える人数は約12人です。情報通信業の13.1%なら約13人、月に1人強になります。人事は、この入れ替わりを含めて在籍する約100人全員の評価と給与を毎年回す役割です。</p><p>実際の入職率は、同じ業種でも事業の伸び方や社員の年齢構成で変わります。自社の数字は、前年の入社人数を年初の在籍者数で割れば出せるので、そちらを使ってください。</p><h3 id="h96c565a6dc">入れ替わりの多い会社ほど採用の体制が問われる</h3><p>自社の入職率が平均より高いほど、同じ在籍者数でも採用が迎える人数は増えます。人数が増えれば、求人の見せ方や選考の速さといった採用の体制そのものが、入社人数を左右する要因です。</p><p>エンジニアを採用している会社なら、その体制が候補者からどう見えているかを<a href="https://service.offers.jp/client/hiring-check/?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-light&amp;utm_content=hr-vs-recruiting">エンジニア採用力チェック</a>で確かめられます。企業のURLを入れると、採用力を5つの指標・24項目で採点し、結果をレポートで返すツールです。</p><h2 id="h8ba790e644">兼任か分業かは、引き継ぎが毎月あるかで決める</h2><p>採用と人事を1人が兼ねるか担当を分けるかは、内定から入社までの引き継ぎがどれだけの頻度で発生するかで決めます。引き継ぎの回数は、年間の入社人数とほぼ同じだからです。</p><p>情報通信業で社員100人なら、先の試算で入社は月に1人強でした。社員200人なら、この人数は単純に2倍になります。この規模になると引き継ぎは毎月発生し、採用の山場と評価や給与改定の締めが同じ月に重なりやすくなります。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>確かめる点</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>見方</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>年間の入社人数</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>在籍者数×自社の入職率で見込み、月あたりの人数に直す</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>繁忙期の重なり</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>採用の山場と、評価・給与改定の締めが同じ月に来るかを数える</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>就業規則</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>常時10人以上なら作成と届出の義務があり、改定の仕事が人事に定期的に発生する</p></td></tr></tbody></table><p>引き継ぎが毎月あり、繁忙期も重なるなら、分業か外部の手を借りる検討を始める時期です。「毎月」を境にするのは統計ではなく、引き継ぎの実務量から見た目安です。どちらの場合も、引き継ぎの中身は書面で残します。</p><h3 id="hbaf11ee2f6">内定から入社までの引き継ぎは5項目を書面で渡す</h3><p>分業するときも兼任するときも、内定の時点で採用から人事へ次の5項目を書面で渡します。人事はこれをもとに労働条件通知書を作り、配属の準備を始める流れです。</p><p>【内定者の引き継ぎシート】 1. 求人票に書いた業務の内容と、業務の変更の範囲 2. 求人票に書いた就業場所と、就業場所の変更の範囲 3. 提示した賃金と、その内訳（固定残業代の有無を含む） 4. 面接で候補者に伝えた配属先と、期待している役割 5. 選考中に候補者から出た懸念と、それへの回答</p><p>1〜3は求人票と労働条件通知書で同じ内容になっているべき項目です。4と5は書面の条件には表れませんが、入社後に「聞いていた話と違う」と言われやすい部分です。ここまで渡しておけば、食い違いが起きたときに、どこでずれたのかを確かめられます。</p><h3 id="h4d06110596">採用を人事から切り出すときは成果の測り方を先に決める</h3><p>採用を独立した担当にするなら、何を成果とするかを先に決めます。入社人数だけを追うと、入社後の定着が人事の責任として切り離されやすくなるからです。入社人数と、入社後一定期間の定着を組み合わせて見る形にしておくと、採用と人事の目標がつながります。</p><p>中途採用の進め方の全体像は、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/mid-career-recruitment">中途採用の基本の流れと手法の記事</a>にまとめました。</p><h2 id="hd359531072">境目で決めておくのは明示の中身と引き継ぎの手順</h2><p>期間と人数の違いは、組織の規模が決めるもので、担当者が選べるものではありません。担当者が決められるのは、法律の軸にある労働条件の明示のほうです。</p><ul><li>採用は募集から労働契約の締結までを、人事は締結後から退職までを受け持つ</li><li>採用は職業安定法、人事は労働基準法にもとづいて、同じ労働条件を2回示す</li><li>採用が1年で迎える人数は在籍者の1割強（一般労働者の産業計12.0%）で、人事は在籍者の全員を相手にする</li></ul><p>決めておくのは2つです。求人票の変更の範囲を人事と一緒に決めること、内定から入社までの引き継ぎを書面で行うこと。この2つがあれば、兼任でも分業でも、求人票と入社後の扱いを揃えやすくなります。</p>

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## [人事が人材紹介で担う仕事｜期待と不満から逆算](https://hr-media.offers.jp/articles/hr-recruitment-agency)

**公開日**: 2026-09-27
**著者**: 鈴木 裕斗
**カテゴリ**: 採用

<p>企業が紹介会社を使う理由の1位は「希望する能力を持った人を採用できる的確さ」です。一方で、紹介会社について挙がった困りごとの上位は「すぐ辞めてしまう」と「条件に合わない人を紹介された」でした。</p><p>期待の1位と不満の上位が、同じ「的確さ」に集まっています。この記事では、厚生労働省の委託調査に表れた企業の期待と不満から、人事が紹介会社に任せきれない仕事を3つに絞りました。</p><h2 id="he8270c8a93">人材紹介は人事が要件と判断を持ち、紹介会社が探索と調整を持つ</h2><p>人材紹介では、紹介会社が登録者の中から候補者を探して推薦し、日程や条件の調整を代わりに行います。人事が手放さないのは、誰を採用するかの要件と、合否・条件の判断です。</p><p>雇用契約は企業と入社する人が直接結び、手数料は採用が決まったときに払う成功報酬型が一般的です。仕組みと手数料の全体像は「<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/recruitment-agency">人材紹介とは？企業側の手数料・契約と会社の選び方</a>」で扱っています。</p><p>分担を工程ごとに並べると次のとおりです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>工程</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>人事が担うこと</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>紹介会社が担うこと</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>依頼の前</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>採用の背景と要件を決め、社内の承認を取る</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>実績・手数料・返戻金制度を示す</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>求人の申込み</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>業務内容や賃金などの労働条件を明示する</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>手数料と返戻金制度を書面等で明示する</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>推薦</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>推薦への合否と理由を返す</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>登録者から探し、条件を伝えて推薦する</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>面接と内定</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>評価と条件を決め、変更は雇用契約の締結までに明示する</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>日程と条件のすり合わせを取り次ぐ</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>入社後</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>定着を見守り、6か月以内の離職の調査に協力する</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>早期離職時の返戻金規定を運用する</p></td></tr></tbody></table><p>出所：厚生労働省・都道府県労働局「<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/000851398.pdf">求人者の皆さまへ 職業紹介事業者を利用する際の主なポイント</a>」をもとにOffers作成。</p><p>左列のうち「要件を決める」「理由を返す」は法令の義務ではありません。それでも、紹介会社が推薦の的確さを上げるための材料は、ほぼこの2つから届きます。</p><h2 id="h0ef070974a">企業の期待と不満は、同じ「的確さ」に集まっている</h2><p><a href="https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/000956216.pdf">厚生労働省の委託調査「採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査」</a>では、人材サービスを使った企業に、紹介会社を使う理由と困りごとを尋ねています（2021年実施）。並べると次のとおりです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>設問</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>上位の回答</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>紹介会社を使う理由（n=197・3つまで）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>マッチングの的確さ 64.5%／専門性の高い人材 48.2%／採用までのスピード 37.1%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>紹介会社で起きた困りごと（n=561・複数回答）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>すぐやめてしまう 13.9%／条件とマッチしない応募者の紹介 12.8%／余分な求職者情報のメール 7.3%</p></td></tr></tbody></table><p>出所：厚生労働省委託調査（2022年3月・図表IV-16、IV-25）。</p><p>使う理由に「コストの安さ」を挙げた企業は6.6%にとどまりました。企業は費用を承知のうえで、要件に合う人に早く会うために紹介会社を使っています。</p><p>困りごとについては、「特に問題はない」が66.0%で、残る34.0%（割合はOffersが算出）が何らかの問題を経験していました。的確さの不足そのものに当たるのは2位の「条件とマッチしない応募者の紹介」12.8%で、1位の「紹介された人材がすぐやめてしまう」13.9%は調査では定着（図表IV-38・入社後に定着する人35.8%）として別に扱われる論点です。本記事ではこの2つを、人事が期待する的確さとのずれとして併せて読んでいます。</p><p>原因が紹介会社にあるのか企業側にあるのかは、この調査からは分かりません。ただ、的確さを左右する材料のうち、人事が確実に動かせるものは3つあります。料金の物差し、要件の渡し方、見送り理由の返し方です。</p><h2 id="h003de1a5bf">人事の手元でできる3つの仕事</h2><p>人事が紹介会社の推薦の的確さを上げるために手元で動かせる仕事は、料金を上限額と料率の物差しに置き換えること、要件を必須と歓迎に分けて入社後に食い違う点まで渡すこと、見送り理由を要件の項目名で3行にして返すことの3つです。どれも紹介会社を替えずに、人事の判断で始められます。</p><h3 id="h89c55e3d67">1. 料金の不安を、上限額と料率の物差しに置き換える</h3><p>人材サービスを使う際の不安では、料金の高さと利用コストが82.9%で最も多く挙がりました（n=561・図表IV-17）。2位の「予期しないセールスへの対応」40.1%の倍を超えます。</p><p><a href="https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001683019.pdf">厚生労働省「令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果（速報）」</a>では、民営の職業紹介で常用就職1件あたりの手数料は約103万円でした（前年度比10.9%増）。有料職業紹介による常用就職は888,993件です。</p><p>この103万円を想定年収で割ると、料率の目安に置き換えられます。年収400万円の人なら約26%、年収600万円の人なら約17%に当たります（割合はOffersが換算）。</p><p>自社で1件あたりに払える上限額を先に決め、候補者の想定年収で料率に直すと、「高いかどうか」を感覚でなく数字で判断できます。職種別の実額と課金モデルは「<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/recruitment-fee">人材紹介の費用、職種別の1件あたり実額と課金モデル</a>」で詳しく扱いました。</p><h3 id="hb852ff30c3">2. 要件は必須と歓迎に分け、入社後に食い違う点まで渡す</h3><p>企業が紹介会社に求めることの上位は、手数料（38.9%）、経験やスキルなどの条件に合った人（37.4%）、入社後に定着する人（35.8%）の3つです（n=561・図表IV-38）。「多くの求職者を紹介してほしい」は10.9%にとどまります。</p><p>条件に合う人と定着する人は、紹介会社に頼むだけでは届きません。人事の側で渡しておくものは次の3つです。</p><ul><li><strong>必須条件と歓迎条件を分けた要件</strong>（どこまで満たせば面接に進むかの線）</li><li>入社3か月で任せる業務の具体像</li><li>働き方・評価・配属のように、入社後に食い違いやすい点</li></ul><p>3つ目は求人票に書きにくい情報ですが、早期離職を避けたいなら推薦の前に共有しておく価値があります。</p><h3 id="hef50095868">3. 見送り理由は、要件の項目名で3行にして返す</h3><p>人材サービスで困りごとがあった企業210社のうち、事業者に相談して解決したのは37.6%でした。「対応せず、そのままにした」は27.1%、「相談したが解決しなかった」は17.1%です（図表IV-26・複数回答）。</p><p>理由が返らない限り、紹介会社は同じ基準で探し続けます。見送りのたびに、要件のどの項目で外れたかが分かる3行で返すと、次の推薦の的が絞られます。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>行</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>書くこと</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>例</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>1行目</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>合否</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>書類選考は見送り</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>2行目</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>外れた要件の項目</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>必須条件「チームを率いた経験」</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>3行目</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>どの程度なら通るか</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>3名以上のチームで1年以上の経験があれば面接に進みます</p></td></tr></tbody></table><p>同じ項目での見送りが2回以上続いたら、要件の書き方そのものを見直す合図です。紹介会社を替える判断は、その後でも遅くありません。</p><h2 id="h48a12b78ec">紹介会社の登録者に届かない層には、別の経路を並べる</h2><p>ここまでの3つは、紹介会社との付き合い方を変える打ち手でした。ただ、要件と理由をどれだけ磨いても、紹介会社に登録していない人には推薦が届きません。</p><p>エンジニアやAI人材のように転職市場に出てくる人が少ない職種は、この制約を最も強く受ける職種です。自社から声をかける経路を並べ、人手が足りなければ採用代行と組み合わせる方法があります。<a href="https://offers.jp/client/ai-rpo?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-consult&amp;utm_content=hr-recruitment-agency">OffersのAI RPO</a>は、CTO・テックリード・AIエンジニアをAIが見つけ、時期を合わせて継続的に声をかける採用代行で、紹介会社への依頼と並べて使う前提で相談できます。</p><p>同じ調査で、過去1年間に正社員の求人を出した手段は、ハローワークが57.4%、求人サイトが45.3%、紹介会社が31.2%でした（n=561・図表IV-6）。多くの企業は、紹介会社と別の手段を並べて使っています。自社から声をかける方法の全体像は「<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/direct-recruiting">ダイレクトリクルーティングとは？利用率37.3%と費用</a>」にまとめました。</p><h2 id="hfab1b64a48">人事が押さえる法令上の決まりは4つ</h2><p>役割分担の表のうち、法令で求人者に求められている部分は次の4つです（厚生労働省・都道府県労働局「求人者の皆さまへ」）。採用フロー全体の法令要件は「<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/recruitment-flow">採用フローとは？6工程の設計手順と法令要件</a>」で扱っています。</p><ul><li>求人の申込みで、業務内容・契約期間・就業場所・労働時間・賃金などを紹介会社へ明示する</li><li>紹介会社経由の候補者情報は、本人の同意を得たものかを確かめ、選考後は削除するなどして管理する</li><li>当初と違う条件（変更・特定・削除・追加）は、雇用契約の締結までに求職者へ明示する</li><li>6か月以内に離職したかの調査を紹介会社から頼まれたら協力する</li></ul><p>困りごとには「提供した情報と異なる就業条件を示された」（3.7%）もありました。内定時の条件は、紹介会社経由の連絡に加えて人事から書面でも確かめておくと、食い違いが起きにくくなります。</p><p>紹介会社ごとの就職者数や6か月以内の離職者数は、厚生労働省の人材サービス総合サイトで誰でも確かめられます。早期離職が気になるなら、契約の前にここを見るのが最初の一手です。</p><h2 id="h02fb4c4ba9">次の依頼で試すなら、見送り理由の3行から</h2><p>3つの仕事のうち、次の推薦からすぐ試せるのは見送り理由の3行です。料金の物差しと要件の分け方は社内の合意が要りますが、見送り理由は人事の判断だけで今日から変えられます。</p><p>企業の期待の1位は的確さで、不満の上位もそこに集まっていました。紹介会社に届く言葉を1行ずつ具体にしていくことが、人事にしかできない人材紹介の仕事です。</p>

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## [人事KPIの事例、目標から外れた年に上場企業が書いた理由](https://hr-media.offers.jp/articles/hr-kpi-case-studies)

**公開日**: 2026-09-27
**著者**: 鈴木 裕斗
**カテゴリ**: マネジメント

<p>内部通報の件数が、2022年度の167件から2024年度は130件まで減りました。スーパーを展開するイズミは、翌年度の目標を実績より50件多い180件に置き、より相談・通報しやすい窓口を目指すためと書いています。件数の減少を改善とはみなさない向きに目標を決めた、と読める1行です。</p><p>人事KPIの事例を集めると、並ぶ指標の名前はどの会社もよく似ています。離職率、育児休業の取得率、エンゲージメント。違いが出るのは、数字が目標から外れた年や、目標そのものを動かした年に書く理由の1行です。</p><p>金融庁が好事例に選んだ有価証券報告書で上場6社の人事KPIを読むと、そのうち4社の開示で、その1行の書き方が5つの型に分かれます。持ち帰る判断基準は1つ、<strong>目標を動かす理由を、事業の言葉で1行書けるか</strong>です。指標ごとの算出式は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/a_822">人事KPI一覧</a>にまとめています。</p><h2 id="h9daaebfa12">事例は金融庁が選んだ上場6社の有価証券報告書から取った</h2><p>取り上げるのは、日立製作所・ＮＴＴデータグループ・横浜フィナンシャルグループ・イズミ・カプコン・デンソーの6社です。いずれも<a href="https://www.fsa.go.jp/news/r7/singi/20260327/02.pdf">金融庁『記述情報の開示の好事例集2025』</a>に、人的資本や従業員の状況の開示例として抜粋が載りました。決算期はイズミが2025年2月期、残る5社が2025年3月期です。</p><p>有価証券報告書は投資家に向けた法定の開示書類で、目標・実績・数え方が同じ表に並びます。指標の名前だけでなく、目標を動かした理由まで読み比べられるのはこのためです。開示制度の変化は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/human-capital">人的資本の記事</a>で整理しています。</p><p>選ばれたのは、金融庁が投資家やアナリストの意見を踏まえて参考になるとした開示で、上場企業の平均像ではありません。KPIの置き方がうまく回っている側の見本として読んでください。金融庁は同資料で、掲載は各社の開示に誤りがないことを保証するものではないとも注記しています。</p><h2 id="h1d053d6cf2">目標を下げた年、やめた年に書かれていた理由</h2><p>イズミとＮＴＴデータグループの開示では、目標を下げることも、目標の設定をやめることも、失敗の告白としては書かれていません。変えた理由を採用方針や定着の確認として書き、次の年に目標をどう置くか、置かないかまで示しています。</p><p>以下、イズミ（2025年2月期）、ＮＴＴデータグループとカプコン（いずれも2025年3月期）の有価証券報告書から、目標を動かした例と、数字が下がった例を順に読みます。</p><h3 id="h8b9108a5a6">内部通報件数は、あえて増やす目標を置いた</h3><p>イズミの内部通報件数は、2022年度の167件、2023年度の138件、2024年度の130件と減ってきました。同社は2025年度の目標を180件、2030年度を200件と、実績より多く置きました。理由は、通報に適切に対応し、より相談・通報しやすい窓口を目指すためと書いています。</p><p>件数が少ないことは、問題が少ないとも、窓口が使われていないとも読めます。同社は後者を避ける側に目標の向きを決めました。減れば良いとは限らない数字は、増やすのか減らすのかを先に決めておかないと、翌年の増減を評価できません。</p><h3 id="hc64e1a505e">キャリア採用の目標を下げた理由は、採用方針の1行で足りた</h3><p>イズミのキャリア採用人数は、2023年度の39名から2024年度は16名に減りました。若年層の採用者を、体系的に教育できるよう別の入社区分で受け入れたためです。同社は2025年度も同じ方針をとるとして、「目標人数を70名から50名に見直しています」と書きました。</p><p>目標を下げた事実より、下げた理由が採用方針の変更という事業側の判断で説明されている点が要です。読み手は、採用力が落ちたのではないと1行で分かります。</p><h3 id="h230b8ac77a">離職率の目標を30%に置き直したのは、数える世代が変わるから</h3><p>イズミの入社3年時の離職率は、2023年度が25.2%、2024年度が21.7%でした。それでも2025年度の目標は30.0%です。数字だけ見ると目標を緩めたように映ります。</p><p>理由は、この指標が毎年ちがう入社年の世代を数える点にあります。2025年度に3年目を迎える世代は、2024年度の時点ですでに離職率が20%を超えていました。同社はこの世代について、新型コロナウイルス感染症の影響で合宿研修を実施しておらず、「同期のつながりが希薄となっていました」と書いています。</p><p>同社は世代の事情を見て目標を置き直し、2030年度には25.0%を目指すとしています。打ち手として、年次ごとの合同研修も書きました。離職率の数え方の違いは<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/turnover-rate">離職率の記事</a>で整理しています。</p><h3 id="h6e746febc9">ＮＴＴデータは達成した指標を「据え置く」か「外す」かで分けた</h3><p>ＮＴＴデータグループの目標表では、2024年度の結果によって翌年度の扱いが3通りに分かれています。未達だった有給休暇取得率（目標87%・実績79.8%）は、同じ87%を据え置きました。達成した社員エンゲージメント率（目標73%・実績77%）も、維持が重要だとして73%のままです。</p><p>経験者採用率（目標30%・実績45.7%）など6つの指標は、「定着が確認できたため、2025年度の目標設定は行わない」としています。</p><p>達成したら目標を上げる、という単純なルールにはしていません。維持すること自体に意味がある指標は同じ水準を守り、定着した指標は表から外して、残る指標を目立たせています。数字は同社と主要な子会社2社を合わせた3社の集計です。</p><h3 id="h0c98e6da7a">カプコンは下がった数字を事業の出来事で説明した</h3><p>カプコンの年次有給休暇取得率は、2024年3月期の84.6%から2025年3月期は82.8%に下がりました。月の平均残業時間も10.1時間から11.4時間に増えています。</p><p>同社はその理由を大型タイトルのリリース等による影響と書き、「適正な範囲内と考えております」と評価しました。数字の動きが事業の出来事と結びついているので、読み手は一時的な変化なのか、働き方の悪化なのかを判断できます。</p><h2 id="hf1c9fd060e">人数のKPIは、事業の数字と対にすると理由が書ける</h2><p>横浜フィナンシャルグループとカプコンの2社は、人数を数えるKPIと同じ報告書の中で、事業の成果を測る数字も目標つきで開示していました。日立製作所は事業の数字ではなく、Lumada事業の成長という目的を人数と結びつけて書いています。人数が目標に届かない年があっても、事業側の数字と照らし合わせれば、足りない分が事業に響くのかどうかを説明できます。</p><p>3社の有価証券報告書に載った組み合わせは次のとおりです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>会社</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>人数のKPI</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>同じ報告書で開示した事業の数字・目的</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>横浜フィナンシャルグループ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>営業人員数 2,395名（2024年度）から2,510名（2027年度目標）へ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>営業人員一人あたりソリューション収益 107百万円から153百万円へ</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>カプコン</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>開発職（連結）2,846名（2025年3月末）、目標は毎期100名増</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>従業員1人当たり営業利益 17,466千円、目標は継続向上（開発職とは別の表）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>日立製作所</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>デジタル人財 107,000人（2024年度、目標97,000人）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>事業の数字は無し。Lumada事業の成長を実現するため、という目的の記述</p></td></tr></tbody></table><h3 id="ha7e94386fd">横浜FGは人を約5%増やし、1人あたり収益を約4割上げる計画</h3><p>横浜フィナンシャルグループの計画では、2024年度から2027年度にかけて営業人員を2,395名から2,510名へ、115名（約5%）増やします。同じ期間に、営業人員一人あたりのソリューション収益は107百万円から153百万円へ、約4割引き上げる目標です。数字は横浜銀行と東日本銀行の2行を合算しています。</p><p>ここでいうソリューション収益は、貸出で得る収益に、手数料などの役務収益や法人向けデリバティブの収益を足したものです。銀行の営業担当者1人が、融資と提案でどれだけ稼いだかを表す数字と読めます。</p><p>2つを並べると、成長の大半を1人あたりの質の向上で賄う計画だと読めます。同社は営業人員数を増強するだけでなく、スキルや専門性の向上が大切だと書き、法人・個人の渉外担当者のスキル認定で上級と判定された人数を、3年累計187名という目標つきで別のKPIに置きました。1人あたりの質を測る役は、この育成数が担う形です。</p><p>この組み立てなら、営業人員数が2,510名に届かない年があっても、上級者の育成数と1人あたり収益が伸びていれば計画は崩れていないと説明できます。人数だけを追うKPIでは、この1行が書けません。</p><h3 id="h41ca3c19a1">カプコンは開発職の増員と1人当たり営業利益を同じ報告書で開示した</h3><p>カプコンは開発職を毎期100名増やす目標を置き、2025年3月期は連結で171名増えました。同社はこれを、おおむね目標どおりの推移と評価しています。</p><p>同じ報告書には、開発職の表とは別の表に、連結営業利益を連結正社員数で割った従業員1人当たり営業利益も載っています。2021年3月期の10,975千円から、2025年3月期は17,466千円まで伸びました。人を増やしながら1人あたりの利益も伸びているので、増員を続ける根拠として読めます。</p><h3 id="h6846628fd3">日立はデジタル人財の数を事業の成長と結んだ</h3><p>日立製作所は、2024中期経営計画でデジタル人財の確保を目標に置きました。目標97,000人に対し、2024年度までに107,000人を確保しています。</p><p>同社はこの人数を、デジタル技術を活用した社会イノベーション事業を加速し、成長のドライバーであるLumada事業を伸ばすための人財と位置づけ、採用・事業買収と社内の育成の両方で確保してきました。2022年度に設定・公表した3つのKPIは、デジタル人財を含めてすべて目標を達成しています。</p><p>カプコンのように採用で開発職の人数を積み増す目標を置くと、届かなかった年の1行は、採用の工程の数字で書くことになります。応募が足りなかったのか、選考の途中で辞退が増えたのか。自社の人事KPIの候補にエンジニアの採用人数を入れるなら、目標を決める前に、今の採用の工程でその人数に届くかを確かめておくと、その1行を先に用意できます。エンジニア採用の状態を項目ごとに採点する<a href="https://service.offers.jp/client/hiring-check/?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-light&amp;utm_content=hr-kpi-case-studies">エンジニア採用力チェック</a>は、その下見に使えます。</p><h2 id="h37fcf1611f">数え方を固定しないと、動いた理由が書けない</h2><p>目標から外れた理由を書く1行は、数字の数え方が毎年同じでなければ成り立ちません。同じ名前の指標でも、数え方が違えば数字の意味は別物です。デンソーの男性の育児休業取得率は、配偶者の出産に伴う公休を含めるかどうかで、71.7%にも97.7%にもなります。数え方を書いていない指標は、翌年に数字が動いても、取り組みの成果なのか数え方の揺れなのかを区別できません。</p><h3 id="hd316a2cb42">デンソーは2つの数え方を並べて書いた</h3><p>デンソーの2025年3月期の有価証券報告書によると、配偶者の出産に伴う公休を含まない男性の育児休業取得率は、2020年度の9%から2024年度は71.7%へ上がり、目標値を達成しました。公休を含めた育児休業等の取得率は97.7%です。</p><p>同社は取得率に加えて、取得期間にも1カ月以上という目標を置いています。「真に育児に参画してほしいという意図を込め」た目標だと書いており、平均の取得日数は73日でした。取得率だけでは、数日だけ休んだ人も1人として数えられます。期間の目標を足すことで、育児に実際に参画したかまで測ろうとしています。</p><h3 id="h287b610132">エンゲージメントは5社で5通りの数え方だった</h3><p>エンゲージメントは5社が目標や実績を開示していましたが、名前も数え方もそろっていません。各社の有価証券報告書から、直近の値と数え方を並べます。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>会社</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>指標の名前</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>数え方</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>直近の値</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>日立製作所</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>従業員エンゲージメントスコア</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>誇り・働きがい・やりがい・勤続意欲の4設問の肯定的回答率</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>71.5%（2024年度）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>ＮＴＴデータグループ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>社員エンゲージメント率</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>自社で働くことを誇りに思うかを問う1設問の肯定的回答率</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>77%（2024年度）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>横浜フィナンシャルグループ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>会社の総合的魅力</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>無記名の従業員意識調査を5段階で評価（2024年度は神奈川銀行を加えた3行の加重平均）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>3.40（2024年度）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>カプコン</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>ワークエンゲージメント</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>外部業者の調査で他社と比べた偏差値</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>54.7（2025年3月期）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>イズミ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>理念戦略（ミッション・ビジョンへの共感）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2022年度を基準にしたサーベイのスコア</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>63ポイント（2024年度）</p></td></tr></tbody></table><p>日立の71.5%とＮＴＴデータの77%は、どちらも肯定的回答率ですが、設問の数が4つと1つで違います。数字が近く見えても、高い低いを比べる材料にはなりません。</p><p>他社の数字は、そのまま自社の目標水準の根拠にはできないということです。イズミはその代わりに、2022年度の自社のスコアを基準に置き、そこからの伸びを目標にしています。調査の組み立ては<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/employee-engagement">従業員エンゲージメントの記事</a>も参考になります。</p><h2 id="h30963687db">自社の人事KPIは「理由を1行で書けるか」で選ぶ</h2><p>6社の事例から持ち帰る判断基準は1つ。候補に挙がった指標ごとに、目標から外れた年の理由を事業の言葉で1行書けるか試すことです。書けない指標は外すか、数え方と対になる数字を足してから残します。</p><p>判断基準は1つですが、その1行の書き方には型があります。型の例が見つかったのは横浜フィナンシャルグループ・イズミ・ＮＴＴデータグループ・カプコンの4社で、理由の書き方は次の5つに収まりました。日立製作所は目標を上回った例、デンソーは数え方の例として前の章で扱っています。左の型の名前は本記事の分類で、中央の列は開示にある記述の要約です。自社のKPIの候補ごとに、どの型で書けるかを当てはめてみてください。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>1行の型</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>開示にあった1行（要約）</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>書くために先に決めておくこと</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>対になる数字で補う</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>営業人員数2,510名の目標の隣に、一人あたりソリューション収益153百万円の目標を置いた（横浜FG）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>人数と並べる事業の数字</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>母集団の変化で説明する</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>数える世代が変わり、その世代は入社時から事情が違った（イズミ）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>誰を数えるか、分母の定義</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>向きを先に決める</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>通報件数が減った翌年度に、より相談・通報しやすい窓口を目指すとして目標を180件に増やした（イズミ）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>増やすのか減らすのか</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>達成後の扱いを決める</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>達成して定着したので、翌年度は目標を置かない（ＮＴＴデータ）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>据え置くか外すかの条件</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>事業の出来事で説明する</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>大型タイトルのリリースで有給取得率が下がったが、範囲内（カプコン）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>事業の繁閑と人事の数字の対応</p></td></tr></tbody></table><p>たとえば「エンジニアを年20名増やす」というKPIなら、1つ目の型で書けるかを見ます。未達の年に「応募は計画どおりだったが、二次面接からの辞退が想定を上回った」と書くには、採用の工程ごとの数字が欠かせません。その数字を取れないうちは、人数だけを目標にしても、未達の年に打ち手を変える根拠が残りにくくなります。</p><p>反対に「引き続き取り組みます」という1行は、5つのどの型にも入りません。数字が動いた原因も、次の年に何を変えるのかも、読み手には伝わらないからです。</p><p>KPIを決める会議では、指標の名前を選ぶ前に、候補ごとに未達だった年の1行を先に書いてみてください。どの型でも書けなかった指標から外していけば、残った表は、外れた年にも読み手に説明できるものになります。</p>

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## [FDEの事例11件と組み方、偽装請負を避ける受け入れ方](https://hr-media.offers.jp/articles/fde-case-studies)

**公開日**: 2026-09-28
**著者**: 鈴木 裕斗
**カテゴリ**: 採用

<p>2025年から2026年にかけて、FDE（フォワードデプロイドエンジニア）の組織や募集を公表する企業が国内外で相次ぎました。</p><p>ただ、社名を並べただけでは自社の判断材料になりません。事例で見るべきなのは、何人で組み、どれくらいの期間で、どう終わらせたかの3点です。</p><p>本稿では海外6社と国内5社の公式発表・求人票をこの3点で読み、外部のFDEと組むときに契約の前に決めることまで示します。事例を並べてみると、差が出るのは始め方より終わらせ方でした。</p><p>FDEの定義や年収の相場から知りたい方は、先に<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/forward-deployed-engineer">FDEとは？役割・年収・採用方法を採用担当向けに解説</a>をご覧ください。</p><h2 id="h29baa11f66">FDEの事例は何を定着させるかで3つの型に分かれる</h2><p>公式発表を読むと、FDEの事例は「FDEが顧客のもとで何を定着させるか」によって3つの型に分かれます。自社の製品か、自社のAI基盤の上に作る仕組みか、自社の製品に限らない技術か、の違いです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>型</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>海外の事例</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>国内の事例</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>FDEが定着させるもの</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>自社製品を定着させる型</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>Salesforce、ServiceNow、Palantir</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>LayerX、ログラス</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>自社の製品</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>自社のAI基盤の上に仕組みを作る型</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>AWS、Microsoft（提携先のアクセンチュア）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>ソフトバンク（SB OAI Japan、合弁先OpenAIのモデルを使用）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>自社の基盤で動く顧客専用の仕組み</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>製品を問わず技術を選んで定着させる型</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>－</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>SHIFT、クラスメソッド</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>顧客に合わせて選んだ技術</p></td></tr></tbody></table><p>出所：各社の公式発表・公式ブログ・求人票（2026年9月26日確認）をもとにOffersが分類。</p><p>自社で採用するなら1つ目の型、外部に支援を頼むなら2つ目か3つ目の型が、比べる相手になります。</p><p>1つ目の型の事例が5件と多いのは、自社製品の導入支援として体制や期間を公開しやすい業態だからのようです。外部支援を検討する場合は、件数の少ない2つ目と3つ目の事例を、契約の組み方に注目して読むと判断に使えます。</p><h2 id="h1e51f29f92">自社製品を定着させる型の事例</h2><p>自社のAI製品を持つ企業が、顧客の業務に合わせて製品を作り込み、使われる状態まで伴走させる。これが1つ目の型で、体制の組み方が最も具体的に公開されています。</p><h3 id="h6a1f2bd0a7">Salesforceは1人で担当する形が多く、一部で3人組が始まった</h3><p>Salesforceは2025年4月にFDEのチームを発足させました。体制は<a href="https://www.salesforce.com/ap/blog/forward-deployed-engineer/">同社の公式ブログ（2026年3月27日）</a>に詳しく書かれています。</p><p>FDEが1人で顧客を担当する形が多く、一部でストラテジスト1人とFDE2人の3人組で動く形が始まっているそうです。ストラテジストが使いどころとAI活用の方針を決め、FDEが設計・構築・展開を担います。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>項目</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>Salesforceの公開内容</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>チームの発足</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2025年4月</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>体制</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1人で担当する形が多く、一部でストラテジスト1人＋FDE2人の3人組が始まった</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>1社あたりの期間</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>3人組は約3か月の専任（1〜2の用途で定着するまで）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>顧客の利用条件</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>担当営業の推薦を受けた一部の顧客に無償で提供（Momentumプログラム）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>新任者の育成</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>6週間のオンボーディング（Ready in Six）</p></td></tr></tbody></table><p>出所：Salesforce公式ブログ（2026年3月27日）。</p><p>同じブログは、トラブルを抱えた顧客のAIエージェントを、FDEが製品チームを巻き込んで1週間で立て直した例も紹介していました。今後1年のうちに、FDEの支援を有償でも提供する予定だと書かれています。</p><h3 id="he56f09070e">LayerXはFDEとストラテジストがペアで動く</h3><p>国内では、LayerXのAi Workforce事業部が近い組み方です。<a href="https://jobs.layerx.co.jp/business/aiworkforce/">LayerXの採用情報</a>によると、Deployment Strategist（DS）がFDEとペアを組みます。顧客や業界ごとに、AIエージェントを2人で設計・構築する体制です。</p><p>さらに、アカウントの責任者が、営業担当（AE）・DS・FDEをまとめてリードします。同社の<a href="https://tech.layerx.co.jp/entry/fde-is-fun">エンジニアブログ（2026年9月10日）</a>は、AEが契約の管理とプロジェクトの費用感の設定を受け持つと説明していました。</p><p>技術はFDE、解く課題の設定はDS、契約はAE。役割を3つに分けている点が読み取れます。</p><h3 id="h3b238bffe9">ログラスは4〜5名のチームをFDEが率いる</h3><p>経営管理のクラウドサービスを提供するログラスは、大規模言語モデル（LLM）の基盤チームを作り、FDEという職種を新たに設けました。</p><p><a href="https://hrmos.co/pages/loglass/jobs/1813462408235663396227">ログラスの求人「【新規事業】Forward Deployed Engineer（FDE）」</a>には、チームの構成が書かれています。コンサル・エンジニア・PdM・デザイナーの4〜5名で組み、FDEがプロジェクト単位でチームをリードする形と明記されていました。</p><p>Salesforceの3人組より大きく、デザイナーまで含めている点が特徴といえます。</p><h3 id="h667ea07d62">ServiceNowは提携先のFDEと顧客環境で組む</h3><p>業務プラットフォームのServiceNowは、2026年5月6日、アクセンチュアと<a href="https://newsroom.accenture.com/news/2026/servicenow-and-accenture-launch-forward-deployed-engineering-program-to-scale-agentic-ai-across-the-enterprise">FDEの共同プログラム</a>を発表しました。</p><p>ServiceNowのFDEチームとアクセンチュアのFDEが、共通の顧客の環境の中で一緒に働く形です。製品を知るFDEと、業界の業務を知るFDEを組み合わせています。</p><h3 id="hedd824e4a6">Palantirの求人票は出張の上限を25%と書く</h3><p>FDEの原型を作ったのは、米国のデータ分析企業Palantir Technologiesでした。先のSalesforceのブログによれば、Palantirは2010年代初頭にFDEを始め、2016年まではFDEの数が製品開発のエンジニアより多かったとされます。</p><p>現在の<a href="https://jobs.lever.co/palantir/dab396d4-2f14-4796-aac0-0d82883dccf0">Palantirの求人票</a>は、顧客先への出張を最大25%と書いています。2026年9月26日に確認した求人票1件に書かれた上限で、実際の出張の割合や他社の働き方までは分かりません。</p><h2 id="h7ca46c75b5">自社のAI基盤の上に仕組みを作る型の事例</h2><p>クラウドやAIモデルを持つ企業が、自社の基盤の上に顧客専用の仕組みを作るのが2つ目の型です。2026年の夏、Amazon Web Services（AWS）とMicrosoftが投資額と人数を公表しました。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>企業</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>発表日</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>投資額</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>規模</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>AWS（Amazon）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2026年6月30日</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>10億ドル</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>数千人規模の専門家を顧客のチームに配置</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>Microsoft</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2026年7月2日</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>25億ドル</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>業界・技術の専門家6,000人を顧客先に配置</p></td></tr></tbody></table><p>出所：Amazon、Microsoftの公式発表・公式ブログ（2026年6〜7月）。</p><h3 id="h75bffd3178">AWSは顧客が自走するまでを設計に入れた</h3><p>AWSの新組織は、<a href="https://www.aboutamazon.com/news/aws/aws-1-billion-forward-deployed-ai-engineers">Amazonの公式発表（2026年6月30日）</a>で説明されました。終わり方まで踏み込んで書いている点が、他の事例と違います。</p><p>顧客側の技術者は、見学者から共同の作り手へ、最後は自分たちで運用する側へと段階を踏んで役割を移します。支援が終わったとき、顧客が自分で回せる状態にしておくことを最初から組み込んでいるわけです。</p><p>作ったものは顧客自身のAWSアカウントに置く。契約も、共通の目標と事業成果を軸に組むとしています。</p><p>発表時点で、NFL（米国のプロフットボールリーグ）やリコーなどがAWSのFDEチームと協働していました。NFLは、数週間で本番のサービスを公開したと紹介されています。</p><h3 id="h67c0fc813c">Microsoftは6,000人を顧客先に置く</h3><p>Microsoftは2026年7月2日、公式ブログ<a href="https://blogs.microsoft.com/blog/2026/07/02/microsoft-frontier-company-ai-engineering-that-amplifies-and-protects-your-intelligence/">「Microsoft Frontier Company」</a>で新しい事業組織を発表しました。</p><p>これまでFDEと呼ばれてきたものを超える組織だと位置づけ、25億ドルを投じて専門家6,000人を顧客先に置く計画です。事例としては、ロンドン証券取引所グループ（LSEG）の情報サービスにAIを組み込んだ取り組みを挙げています。</p><h3 id="hc92e2fd4f4">アクセンチュアはMicrosoftと数千人規模の実務組織づくりを見込む</h3><p>Microsoftの基盤の上で動く提携先の例が、アクセンチュアです。同社は2026年3月18日、<a href="https://newsroom.accenture.com/news/2026/accenture-launches-microsoft-forward-deployed-engineering-practice-to-help-organizations-scale-ai-across-the-enterprise">MicrosoftとFDEの実務組織を立ち上げた</a>と発表しました。</p><p>数千人のAI技術者を顧客と直接働かせる計画で、Microsoftの製品群（Frontier Suite）を使って顧客と共同で作る体制を目指します。Microsoftが基盤と技術を、アクセンチュアが変革の管理や業務プロセスの作り直しを受け持ちます。</p><h3 id="h0f7ab13bb1">ソフトバンクは合弁会社への出向で正社員を募集する</h3><p>国内では、ソフトバンクがFDEを正社員で募集中です。<a href="https://www.softbank.jp/recruit/career/positions/detail/004813/">ソフトバンクのFDEの求人票</a>では、入社後にOpenAIとの合弁事業（SB OAI Japan合同会社）へ出向する形です。</p><p>求人票は、日本を代表する企業とともに、AIモデルを実際の事業に実装する役割だと書いています。想定理論年収は812万3,000円〜2,034万6,200円でした（2026年9月26日時点）。</p><p>親会社で雇用し、実務は合弁会社で担う形です。FDEを別会社の事業として立てる場合の、1つの雇い方として参考になります。</p><h2 id="h3c01904b46">製品を問わず技術を選んで定着させる型の事例</h2><p>特定の製品を売ることを目的にせず、顧客に合う技術を選んで定着させる型です。システム開発やコンサルティングの会社が、FDEの考え方を自社のサービスに取り入れています。</p><h3 id="hb6b41267f5">SHIFTは特定の製品に縛られないFDEを始めた</h3><p>ソフトウェアやサービスの製品づくりを支援する株式会社SHIFT（本社：東京都港区）は、2026年1月21日に<a href="https://www.shiftinc.jp/news/20260121_advanced_fde/">「アドバンスドFDE」の提供を始めたと発表</a>しました。</p><p>従来のFDEは自社製品の定着を目的とするのが一般的だと、同社は整理しています。そのうえで、技術中立の立場から、AIエージェントや生成AI製品の選定から定着までを支援するというものです。</p><h3 id="h48fc85c540">クラスメソッドはFDE候補を採用して育てる</h3><p>クラスメソッドは、入社後の育成を前提にした「FDE候補」を募集しています。<a href="https://careers.classmethod.jp/requirements/forward-deployed-engineer/">同社のキャリア採用ページ</a>で、2026年9月26日に確認した内容です。</p><p>入社後の現場での実務指導（OJT）と実案件を通じて、段階的にFDEの力を身につけてもらう設計です。経験者が少ない職種を、社内で育てて増やす道を選んだ事例といえます。</p><h2 id="hcd876214a9">FDEを自社で採用するときの設計</h2><p>ここからは後半です。事例のなかには、FDEを自社で採用して組織を作る動きも目立ちます。採用の設計で参考になる点は3つです。</p><p>1つ目は、経験者だけを狙わない募集の段階づけ。LayerXはFDEの募集をAssociate・通常・Seniorに分け、1週間と実務の2種類のインターンも用意しています。クラスメソッドは候補者を採用して育てる形でした。</p><p>2つ目は、入社後の育成期間を最初から設けることです。Salesforceは新任のFDEに6週間のオンボーディングを用意しています。</p><p>3つ目は、チームで配置する前提で人数を見積もること。FDEは他の職種と組んで動くため、FDEの採用人数だけを決めても体制は組めません。</p><p>人数は、任せる範囲で変わります。Salesforceの3人組は1〜2の用途に絞って約3か月で定着させる前提でした。ログラスの4〜5名はデザイナーまで含む構成で、画面や業務の設計まで引き受けているとみられます。事業の規模が違う2社なので、人数そのものより、任せる範囲と人数の対応を参考にするのが実用的です。</p><p>AWSとMicrosoftは、自社の専門家を数千人単位で顧客先に置くと発表しました。大手がこの規模で同じ役割を広げる職種を採用するなら、求人を出して待つ前に、候補者から自社がどう見えているかを確かめておきたいところです。社外から見える採用力は、技術ブランド発信力・技術環境の透明性・採用情報の充実度・雇用条件の競争力・採用活動の積極性の5指標24項目を100点満点で採点し、S〜Dランクで示す<a href="https://service.offers.jp/client/hiring-check/?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-light&amp;utm_content=fde-case-studies">エンジニア採用力チェック</a>で点検できます。</p><h2 id="h8011f2d8d8">外部のFDEを受け入れる側が先に決める3つのこと</h2><p>外部のFDEの支援を受ける企業が、契約の前に決めておくべきことは3つあります。期間と出口、作る場所、指示の経路です。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>決めること</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>事例と資料から読めること</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>期間と出口</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>Salesforceの3人組は1社約3か月、AWSは顧客が自分で運用できる状態をゴールに置く</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>作る場所</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>AWSは顧客自身のAWSアカウントに作り、ServiceNowは顧客の環境の中で作る</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>指示の経路</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>対等に協働するなら適正。自社の社員が作業の進め方や労働時間を直接指示すると、準委任契約でも偽装請負になりうる</p></td></tr></tbody></table><h3 id="h5e353b8df7">期間と出口を最初に決める</h3><p>FDEの支援は、終わり方を決めずに始めると、いつまでも外部に頼る形になりがちです。</p><p>Salesforceの3人組は1社あたり約3か月を目安にしていました。AWSは、顧客側の技術者が見学者から運用者へ移ることを支援の設計に組み込んでいます。</p><p>受け入れる側も、「いつまでに、誰が引き継いで運用するか」を契約の前に決めておく。そうすると、支援の成果を測りやすくなります。引き継ぐ側の体制づくりは、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/insourcing">内製化とは？完全内製4.5%と工程別の進め方</a>も参考になるはずです。</p><h3 id="h99d6015ae7">作る場所を自社の環境にする</h3><p>作ったAIの仕組みやデータをどこに置くかは、支援が終わったあとで差が出る論点です。</p><p>AWSは顧客自身のアカウントに、ServiceNowとアクセンチュアは顧客の環境の中に作ると明言しました。自社の環境に残っていれば、支援が終わっても仕組みを使い続け、自分たちで直せます。</p><p>費用の見積もりと合わせて検討するなら、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/ai-adoption-cost">AI導入の費用、公的統計でわかる実額と内訳</a>で内訳を確認しておくと比べやすいでしょう。</p><h3 id="hb1b7cf0155">指示の経路を契約の前に決める</h3><p>国内でFDEの支援を受けるときに特に注意したいのが、指示の出し方です。海外の事例には出てこない、日本の法律上の論点になります。</p><p>厚生労働省の<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/001704257.pdf">「37号告示に関する疑義応答集（第3集）」</a>は、2026年5月25日に項目が追加された資料です。回答A1は、準委任契約で進める開発でも、発注者と受注者側の技術者のあいだに実態として指揮命令関係があれば、労働者派遣に当たるとしています。</p><p>回答A2によると、両者が対等に協働し、受注者側の技術者が自分で判断して開発を進めていれば、密に連携していても偽装請負にはなりません。一方で、発注者側が作業の進め方や労働時間を直接指示すれば、偽装請負と判断されます。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>状況</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>疑義応答集の判断</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>対等に協働し、受注者側が自分で判断して進める</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>適正な請負等</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>会議やチャットに双方の全員が参加する</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>実態が対等な協働なら偽装請負ではない</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>発注者側が作業の進め方や労働時間を直接指示する</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>偽装請負</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>指示が必要になった</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>受注者側が管理責任者を選び、受注者から指示する</p></td></tr></tbody></table><p>出所：厚生労働省「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」（37号告示）に関する疑義応答集（第3集）（2026年5月25日更新）。</p><p>表の2行目と4行目はA6、3行目はA2の内容です。A8は、この考え方がアジャイル型以外のシステム開発にも当てはまると明記していました。</p><p>FDEは現場に深く入るほど価値を出す職種です。だからこそ、現場の社員が「これを先にやって」と直接頼みたくなる場面が増えます。指示の窓口を受注者側の誰にするかは、契約の前に決めておく必要があります。</p><h2 id="h3a049a8e2b">FDEの事例は体制・期間・終わり方で読む</h2><p>FDEの事例は、社名の一覧ではなく、体制・期間・終わり方の3点で読むと自社に置き換えやすくなるはずです。外部のFDEと組む前に、支援する会社へ次の4つを確かめておくと、事例で見た違いを自社の契約に落とし込めます。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>確かめること</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>事例での答え方の例</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>何人・どの職種で入るか</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>Salesforceは1人で担当する形が多く、一部でストラテジスト1人とFDE2人の3人組、ログラスは4〜5名</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>いつ、どの状態になったら終えるか</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>Salesforceの3人組は約3か月、AWSは顧客が自分で運用できる状態</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>作ったものをどこに置くか</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>AWSは顧客自身のアカウント、ServiceNowは顧客の環境</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>指示を受ける窓口は誰か</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>疑義応答集A6の考え方では、受注者側の管理責任者</p></td></tr></tbody></table><p>最後の1行は、海外の事例だけを読んでいると抜け落ちます。契約書の前に、疑義応答集（第3集）の原文を一度読んでおくと安心です。</p><p>FDEそのものの役割や年収の相場は、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/forward-deployed-engineer">FDEとは？役割・年収・採用方法を採用担当向けに解説</a>で詳しく整理しています。</p>

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## [エンゲージメント事例、他社と比べる設計は上場7社中2社](https://hr-media.offers.jp/articles/engagement-case-studies)

**公開日**: 2026-09-27
**著者**: 鈴木 裕斗
**カテゴリ**: 組織

<p>日立製作所の71.5%と、カプコンの54.7。どちらも2025年3月期の有価証券報告書に載った、エンゲージメントの数値です。</p><p>前者は4つの設問に肯定的に答えた人の割合で、後者は外部の調査会社が他社と比べて出した偏差値でした。同じ言葉で呼ばれていても、2つの数字は同じ物差しに乗っていません。</p><p>金融庁は、こうした開示の中から好事例を選んで1冊の資料にしています。そこに載る7社のエンゲージメントの数値を並べると、単位は5種類に分かれ、他社との比較を前提にした設計は、偏差値で示したカプコンと業種平均を並べたうるるの2社でした。</p><p>スコアが高い会社の施策を真似ても、自社のスコアが同じ物差しで上がったかは確かめられません。事例から借りるべきなのは水準ではなく、何と比べるために何を測るかという設計です。</p><h2 id="hfe448634f4">エンゲージメントの事例を開示で読める資料は金融庁の好事例集</h2><p>エンゲージメントの事例を企業自身の言葉で読める資料は、有価証券報告書です。人的資本の欄には、育成や職場環境の指標と目標を書く決まりがあります。</p><p>金融庁は2018年度から毎年度、有価証券報告書の開示の好事例集を公表してきました。2026年3月27日には『記述情報の開示の好事例集2025』の最終版を公表しています。人的資本を扱う部分の先行公表は、2025年12月25日です。出所：金融庁<a href="https://www.fsa.go.jp/news/r7/singi/20260327/02.pdf">『記述情報の開示の好事例集2025』</a>（2026年3月27日公表）。</p><p>資料の冒頭には、投資家・アナリスト・有識者が期待する開示のポイントが並びます。エンゲージメントについては、スコアの増減だけでなく、数値を構成する要素の変化と改善施策との関連を示すことが望ましいという整理です。</p><h3 id="hac42f1345b">本記事で読む7社</h3><p>金融庁はエンゲージメントの開示例として、次の7社を挙げています。うるるは売上高300億円以下の中堅中小上場企業の開示例として載り、数値は本文ではなく図の数値ラベルで示されています。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>企業</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>指標の名前</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>単位</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>直近の実績</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>日立製作所</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>従業員エンゲージメントスコア</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>肯定的回答率</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>71.5%（2024年度）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>NTTデータグループ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>社員エンゲージメント率</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>肯定的回答率</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>77%（2024年度）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>横浜フィナンシャルグループ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>会社の総合的魅力</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>5段階の平均</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>3.40（2024年度）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>丸井グループ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>独自のエンゲージメント指標</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>項目ごとの割合</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>期待81%ほか（2024年）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>イズミ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>エンゲージメント4項目</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>ポイント</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>理念戦略63ほか（2024年度）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>カプコン</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>ワーク／エンプロイーエンゲージメント</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>偏差値</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>54.7・53.1（2025年3月期）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>うるる</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>エンゲージメントサーベイ Wevoxスコア</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>外部サーベイのスコア</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>79.8（2024年4月〜2025年3月の平均）</p></td></tr></tbody></table><p>出所：金融庁 同好事例集 ２.「人的資本、従業員の状況」の開示例（2026年3月27日公表）。</p><p>いずれも2025年2月期・3月期の有価証券報告書の抜粋で、本記事の各社の記述と数値はすべてこの資料から引きました。公表ページは、公表をもって各企業の開示内容に誤りが無いことを保証するものではないと注記しています。数値は、各社が自ら開示した値として読むのが正確です。</p><h2 id="h228d12124c">エンゲージメントの測り方は会社ごとに決める</h2><p>7社の単位はそろっていません。有価証券報告書は、エンゲージメントという項目を名指しで求めておらず、測り方を定めた共通の基準も国内にありません。</p><p>内閣官房・金融庁・経済産業省の『人的資本可視化指針（改訂版）』付録②は、国内外の開示基準ごとの扱いを整理した資料です。海外の基準には、業種別の開示基準であるSASB（Sustainability Accounting Standards Board）も含みます。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>開示基準</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>エンゲージメントの扱い</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>日本（有価証券報告書）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>人材育成方針・社内環境整備方針の指標として企業が選ぶ</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>米国（SEC）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>該当する開示事項なし</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>欧州（ESRS＝欧州サステナビリティ報告基準・委任規則案）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>該当する開示事項なし</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>SASB</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>業種の例（4業種）で「従業員エンゲージメントの割合」</p></td></tr></tbody></table><p>出所：内閣官房・金融庁・経済産業省<a href="https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/nipponseichosenryaku/hizaimu/pdf/2026/furoku2.pdf">『人的資本可視化指針（改訂版）付録② 人的資本に関する開示基準・開示事項例の整理』</a>（2026年5月）。</p><p>SASBの項目が該当する業種の例として付録②が挙げるのは、電子商取引、プロフェッショナル・サービス及び商業サービス、インターネット・メディア及びサービス、ソフトウェア及びITサービスの4業種です。国内の有価証券報告書では、測り方も単位も各社の設計に委ねられています。</p><h2 id="h538222c856">7社のエンゲージメント事例は単位が5種類</h2><p>7社の開示を単位で分けると、割合、5段階の平均、ポイント、偏差値、外部サーベイのスコアの5種類になります。割合に入るのは、日立製作所など2社の肯定的回答率と、丸井グループの項目ごとの割合です。同じ「エンゲージメント」でも、数字の意味は会社ごとに異なるということです。</p><h3 id="hfb5b6e4172">日立製作所は4つの設問の肯定的回答率</h3><p>日立製作所は、従業員サーベイ「Hitachi Insights」を毎年グローバルに実施しています。経営層と各職場のマネージャーが自組織の結果をメンバーと共有し、対策を立てて実行する運用です。</p><p>スコアは4つの設問に対する肯定的回答率で、設問は自社で働くことへの誇り、働き甲斐のある職場か、仕事へのやりがい・達成感、当面自社で勤務する勤続意欲の4点でした。</p><p>2024中期経営計画では、2024年度までに71.0%とするストレッチ目標を置きました。2024年度の実績は71.5%で、目標を0.5ポイント上回っています。出所：同好事例集が掲載した日立製作所の有価証券報告書（2025年3月期）。</p><p>施策の選び方にも特徴があります。エンゲージメントと相関の高い項目をエンゲージメント・ドライバーと呼び、課題を特定する手段の一つにしています。</p><p>4つの設問に勤続意欲が入っている点は見落とせません。スコアの中に、定着の意向が最初から組み込まれている設計です。</p><h3 id="hda27344f1b">NTTデータグループは1つの設問の肯定的回答率</h3><p>NTTデータグループ（主要な構成会社は株式会社NTTデータなど）の社員エンゲージメント率は、自社で働くことを誇りに思うかを問う1つの設問への肯定的回答率です。人財戦略の各取り組みの総合結果として、この指標を置いています。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>指標</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>目標（2024年度）</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>実績（2024年度）</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>目標（2025年度）</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>社員エンゲージメント率</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>73%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>77%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>73%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>人財戦略3項目の向上率</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>10%以上</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>11%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>設定なし</p></td></tr></tbody></table><p>出所：同好事例集のNTTデータグループの抜粋（2025年3月期）。</p><p>2025年度の目標は、実績を上回った後も73%のまま据え置かれました。目標を達成した指標でも、維持していくことが重要なため同じ目標値を置いたと注記しています。</p><p>人財戦略3項目は、成長の機会、多様性の受容、カルチャー・風土の3つです。2022年度実績からの向上率で測り、2024年度までに目標を達成したため、2025年度の目標は設けていません。</p><p>1問の総合値は回答の負担が軽く、毎年の変化をすぐ読めます。ただし上下した理由は1問からは読めないため、3項目の向上率を添えて理由の側を補う組み立てです。</p><h3 id="haaf6809c7f">横浜フィナンシャルグループは5段階の平均</h3><p>横浜フィナンシャルグループは、無記名の従業員意識調査を毎年実施しています。指標にしたのは「会社の総合的魅力」で、5段階評価（5が最高値）の平均です。</p><p>実績は2022年度が3.28、2023年度が3.41、2024年度が3.40でした。2027年度に3.40以上を目標に置いています。出所：横浜フィナンシャルグループ 有価証券報告書（2025年3月期）の同好事例集への掲載分。</p><p>この指標は、営業人員数や一人あたりの収益と同じ表に並びます。職場の状態を、事業の総合指標と同列の目標として扱っている例です。</p><p>集計の範囲は年度で変わっています。2022年度と2023年度は横浜銀行・東日本銀行の2行、2024年度は神奈川銀行を加えた3行の加重平均です。</p><h3 id="he0f9e0bdf6">丸井グループは項目ごとの割合を12年で比べる</h3><p>丸井グループでは、手挙げによるグループ会社間の職種変更異動を、2025年3月期までに全グループ社員の約86%が経験しました。企業文化の変革を目指した8つの施策の一つで、同社はその結果をエンゲージメントの12年間の変化で示しています。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>項目</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>2012年</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>2024年</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>仕事での「期待」</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>46%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>81%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>職場での「尊重」</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>28%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>69%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>自分の「強みを活かす」</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>38%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>58%</p></td></tr></tbody></table><p>出所：丸井グループの2025年3月期の有価証券報告書から、同好事例集が抜き出した記述。</p><p>1つの総合スコアではなく、3つの項目を個別に出しています。12年前の値と並べて示せるのは、独自に計測する指標を2012年の時点で持っていたからです。</p><p>3つのうち最も伸びたのは職場での「尊重」で、28%から69%へ上がりました。数字の高さより、比べられる過去の値を持っていること自体が、他社が後から用意できない資産になっています。</p><h3 id="hff468aae19">イズミは4項目をポイントで追う</h3><p>イズミは2022年度からエンゲージメントサーベイを実施し、ビジョンの実現に特に重要な4項目を選びました。2022年度のスコアを基準に、推移をモニタリングしています。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>項目</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>2022年度（基準）</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>2023年度</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>2024年度</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>2025年度目標</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>2030年度目標</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>理念戦略</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>62</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>62</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>63</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>67</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>70</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>自己成長</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>62</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>62</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>64</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>67</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>70</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>健康</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>59</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>60</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>61</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>65</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>70</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>承認</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>63</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>64</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>65</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>65</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>70</p></td></tr></tbody></table><p>出所：イズミの有価証券報告書（2025年2月期）が同好事例集に載せた抜粋。単位はポイント。</p><p>4項目はそれぞれ、ミッション・ビジョンへの共感、達成感や成長機会、仕事量・ストレス反応、成果・発言に対する承認と評価への納得感を表します。2030年度には、4項目とも70ポイントをそろえて目指す設計です。</p><p>エンゲージメントが下がった部署には、管掌役員が定期的に管理職と面談し、スコアを上げる施策を考えています。2024年度からはパートタイムで働くパートナー社員にも対象を広げました。表は推移を比べられるよう、正社員のスコアを載せています。</p><h3 id="heb3dc8abbb">カプコンは外部サーベイの偏差値</h3><p>7社のうち、エンゲージメントと離職率を同じ表に置いたのはカプコンだけです（うるるは同じ図の中に並べています）。その表でエンゲージメントの欄に並ぶのは、外部業者のサーベイの結果を他社と比べた偏差値でした。</p><p>指標は2本あります。仕事への自発性を表すワークエンゲージメントと、会社への愛着を表すエンプロイーエンゲージメントです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>指標（偏差値）</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>2021年3月期</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>2022年3月期</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>2023年3月期</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>2024年3月期</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>2025年3月期</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>目標</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>ワークエンゲージメント</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>52.6</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>51.8</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>54.4</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>54.1</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>54.7</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>55.0</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>エンプロイーエンゲージメント</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>－</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>－</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>51.8</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>52.1</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>53.1</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>55.0</p></td></tr></tbody></table><p>出所：同好事例集に掲載のカプコン 有価証券報告書（2025年3月期）抜粋。</p><p>偏差値は他社との相対的な位置を示す値なので、設問の中身は数字から読み取れません。同社はその点を、設問ごとの回答割合を添えることで補っています。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>設問</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>「まあまあ当てはまる」以上</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>仕事では、自分なりの創意工夫を行っている</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>89.3%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>今の仕事をしているときは、楽しいと感じる</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>70.7%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>今の会社には、親しみや愛着を感じる</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>79.9%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>今の会社で働くことができて本当に良かったと思う</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>87.6%</p></td></tr></tbody></table><p>出所：同好事例集のカプコンの抜粋（2025年3月期）。</p><h3 id="haad278afac">うるるは外部サーベイのスコアを業種平均と並べる</h3><p>うるるは、外部のエンゲージメントサーベイ「Wevox」のスコアを、同じサーベイを使う企業群の平均と並べて開示しています。2024年4月〜2025年3月の平均で、うるるは79.8、業種平均は73、上位20%の企業群は82でした。出所：同好事例集に掲載のうるる 有価証券報告書（2025年3月期）抜粋の図。</p><p>比べる相手の業種平均は、インターネットサービスのうち業務支援Webサービス（B2B）で従業員201〜500名の企業群の平均で、上位20%はその企業群のうち上位20%の企業です。スコアは役員と間接雇用を含む全従業員の値で、目標値は今後必要に応じて設定するとしています。</p><p>同じ図には、うるるの正社員の離職率6.4%が、厚生労働省「令和5年雇用動向調査結果の概要」の情報通信業平均12.4%と並びます。出所：同好事例集に掲載のうるる 有価証券報告書（2025年3月期）抜粋の図。金融庁は、離職率やエンゲージメントサーベイなどの独自指標を、視覚的に理解しやすく示した点を着目点に挙げました。</p><h2 id="h97f837daaf">エンゲージメントは離職率と同じ表で見る</h2><p>カプコンは、エンゲージメントの偏差値と離職率を同じ表で開示しています。職場の状態を表す数字と、人が辞めた結果の数字を並べる形です。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>指標</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>2021年3月期</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>2022年3月期</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>2023年3月期</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>2024年3月期</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>2025年3月期</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>目標</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>離職率（単体・%）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>3.9</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>5.4</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>3.5</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2.9</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2.8</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>－</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>うち自己都合（%）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>3.6</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>4.7</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>3.2</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2.5</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2.2</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>3.0程度</p></td></tr></tbody></table><p>出所：同好事例集のカプコンの抜粋（2025年3月期）。集計は正社員。</p><p>同社は、自己都合の離職率2.2%が目標の3.0%程度を下回ったとしています。報酬制度の改定と働きやすい環境づくりが貢献したとの評価です。</p><p>離職率まで同じ表に置いたのは7社中カプコンだけですが（うるるは同じ図の中に並べています）、エンゲージメントを定着の結果と切り離さずに見る発想はほかの会社の開示にも表れています。日立製作所は勤続意欲を設問に含め、イズミは入社3年時の離職率を定着の管理指標として年次で評価しています。丸井グループは企業文化の変革の成果として、2025年3月期の退職率（定年退職者を除く）3.5%と入社3年以内の離職率約17%を示しました。出所：同好事例集の丸井グループ・イズミの抜粋。エンゲージメントは、定着という結果につながって初めて事業の数字に届きます。離職率の算出方法と読み方は、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/turnover-rate">離職率とは？令和7年は13.7%、3指標で読む方法</a>で扱いました。</p><h3 id="hf7ad744138">定着の指標と並べて採用の現在地も測る</h3><p>7社の開示に並ぶ指標は、いずれも今いる人に長く力を発揮してもらう側、つまり定着の設計です。人員計画にはもう一方の側として、必要な人をどれだけ迎えられるかという採用の現在地も要ります。</p><p>エンジニアのように採用の難度が高い職種では、定着の施策と採用の打ち手を分けて考えるために、採用のどの工程で詰まっているかを先に知っておくと判断が速くなります。</p><p><a href="https://service.offers.jp/client/hiring-check/?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-light&amp;utm_content=engagement-case-studies">エンジニア採用力チェック</a>は、企業の採用の状態を5指標24項目で採点し、結果を報告書で返す診断です。エンゲージメントや離職率と並べて、採用側の数字を同じ表に置く材料になります。</p><h2 id="h736f373425">エンゲージメントの数値は会社をまたいで比べられない</h2><p>7社の数字を並べると、どの会社が高いかを比べたくなります。ただし、次の3つの理由から、会社をまたいだ比較は成り立ちません。</p><ol><li>単位が違う：割合、5段階の平均、ポイント、偏差値、外部サーベイのスコアは同じ物差しに乗らない</li><li>設問の数が違う：日立製作所は4問、NTTデータグループは1問で、同じ肯定的回答率でも中身が違う</li><li>集計の範囲が違う：同じ会社でも、対象を広げると値が動く</li></ol><p>3つ目は、7社の開示の中に実例があります。NTTデータグループの社員エンゲージメント率は、主要3社の集計で77%、国内外の主要会社を加えると78%でした。横浜フィナンシャルグループは2024年度に集計対象を2行から3行へ広げ、イズミは表に載せるスコアを正社員に絞っています。</p><h3 id="ha0e5c49c6a">他社と比べる設計は偏差値と業種平均の並記の2つ</h3><p>5種類の単位のうち、他社との比較を開示の中に組み込んでいるのは、開示に書かれた範囲ではカプコンの偏差値とうるるの業種平均との並記の2つです。カプコンは外部業者が他社と比べて算出した偏差値で、自社の位置を1つの数字で示します。うるるは同じサーベイを使う企業群の平均と上位20%の値を横に並べ、差を読み手に見せています。</p><p>残る割合・5段階の平均・ポイントは、自社の過去と比べるための物差しです。丸井グループの12年比較やイズミの基準年のように、同じ設問で測り続けることで意味を持ちます。</p><p>他社の事例から借りられるのは、スコアの水準ではなく設計です。自社のスコアを他社と比べたいのか、自社の過去と比べたいのかで、選ぶべき単位が変わります。エンゲージメントの定義や構成要素は、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/employee-engagement">従業員エンゲージメントとは？高め方と組織業績への影響</a>で扱いました。</p><h2 id="h435bea8422">7社の開示から借りられる設計は3つ</h2><p>単位はばらばらでも、7社の開示には自社のサーベイ設計に移せる具体的な選択肢があります。目標の置き方、数字の組み合わせ方、スコアを受け取る人の決め方の3つです。</p><h3 id="h152f3cad6a">目標の置き方はストレッチ・据え置き・収束の3通り</h3><p>目標値の置き方には、7社の開示の中に次の3通りの例があります。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>置き方</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>例</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>向く場面</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>ストレッチ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>日立製作所：中期経営計画の終わりに71.0%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>経営計画の期間と連動させたいとき</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>据え置き</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>NTTデータグループ：達成後も73%を維持</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>高い水準に届き、下げないことを重視するとき</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>収束</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>イズミ：2030年度に4項目とも70ポイント</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>項目ごとのばらつきをそろえたいとき</p></td></tr></tbody></table><p>出所：金融庁 同好事例集に載る各社の抜粋をもとにOffers整理。</p><p>イズミの「承認」は2025年度目標が65ポイントで、2024年度の実績と同じ水準に置かれています。項目ごとに目標の上げ幅を変え、低い項目から先に引き上げる置き方です。</p><h3 id="h7073f8cfc4">総合値と内訳を組にして出す</h3><p>2つ目は、比べるための数字と、理由を読むための数字を組にする設計です。1つの総合値だけでは、上がった理由も下がった理由も分かりません。</p><p>NTTデータグループは1問の総合値に人財戦略3項目の向上率を添え、カプコンは偏差値に設問ごとの回答割合を添えました。イズミと丸井グループは、はじめから項目別・設問別の値だけを出しています。</p><p>金融庁が開示のポイントとして挙げた「数値を構成する要素の変化」は、この組み合わせがあって初めて示せます。</p><h3 id="hf707391b22">スコアを受け取る人を決めておく</h3><p>3つ目は、サーベイの結果を誰が受け取り、誰が動くかを先に決めておく設計です。日立製作所では各職場のマネージャーが結果をメンバーと共有し、対策を立てます。</p><p>イズミは、スコアが下がった部署に対して、管掌役員が定期的に管理職と面談する仕組みを置きました。スコアの低下を、担当役員が現場の管理職と話す場に直結させた運用です。</p><p>結果を受け取る人が決まっていないと、スコアは集計されて報告されるだけで終わります。職場の単位まで結果を返すのか、役員が関与するのかは、サーベイを始める前に決めておく事項です。</p><h2 id="h19f1f1ecb3">自社のエンゲージメント事例を作る4つの手順</h2><p>他社の事例を読んだ後は、自社の取組を同じ形式で書けるかが次の段階です。7社の開示の形式に沿うと、手順は4つになります。</p><ol><li>比較の相手を決める：他社と比べるなら外部サーベイの偏差値か業種平均との並記、自社の過去と比べるなら同じ設問の割合かポイント</li><li>基準年と目標を置く：初年度の値を基準にし、ストレッチ・据え置き・収束のどれで目標を置くかを決める</li><li>内訳を残す：総合値に加えて、項目別か設問別の値を毎年残す</li><li>受け取る人を決める：スコアが下がった部署に誰が入るかを、イズミの管掌役員面談のように仕組みで決める</li></ol><p>1つ目が最も後から変えにくい部分です。設問や集計範囲を途中で変えると、イズミの基準年や丸井グループの12年比較のような推移が示せなくなります。</p><h3 id="hae80e8389d">比較の相手は数字の使い道で決める</h3><p>比較の相手は、スコアを誰に何のために見せるかで決まります。施策の効果を社内で確かめるのが主な目的なら、自社の過去と比べる割合やポイントで十分です。</p><p>投資家や求職者に自社の水準を示したいなら、他社と同じ物差しに乗る外部サーベイの偏差値や業種平均との並記が候補になります。ただし偏差値は設問の中身を映さないため、カプコンのように設問ごとの回答割合を添えることが前提になります。</p><h3 id="h2f2474ade4">集計の範囲は注記で残す</h3><p>対象者を広げるときに要るのは、値の変化が施策の結果か範囲の変化かを区別できる記録です。横浜フィナンシャルグループやNTTデータグループのように、集計の範囲を注記で明示しておくと後から読み違えません。</p><p>イズミのように、対象を広げた後も比較用に従来の範囲のスコアを並べて残す方法もあります。</p><h2 id="h7d9b178cfa">開示の要件が人材戦略の書き方を変える</h2><p>人材戦略を企業戦略と結びつけて書く要請は、2026年から強まりました。金融庁は2026年2月20日に開示府令の改正を公布・施行しています。</p><p>有価証券報告書で新たに求められるのは、連結ベースの企業戦略と関連付けた人材戦略、それを踏まえた従業員給与等の決定方針、平均給与の対前年比増減率です。出所：金融庁<a href="https://www.fsa.go.jp/news/r7/shouken/20260220/20260220.html">『「企業内容等の開示に関する内閣府令及び特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」等の公布及びパブリックコメントの結果について』</a>（2026年2月20日公布）。</p><p>適用は2026年3月31日以後に終了する事業年度の有価証券報告書からです。改正はエンゲージメントの指標そのものには触れていません。</p><p>7社がエンゲージメントの指標を事業の目標や離職率と並べていたのは、人材戦略を事業と結びつけて示すという改正の向きと重なる書き方です。制度改正の全体像は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/human-capital">人的資本とは？2026年の制度改正で何が変わったか</a>にまとめました。</p><p>人事施策の事例を国の資料で読む方法は、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/hr-strategy-cases">人事戦略の事例、公表19社の偏りと再現条件</a>でも扱っています。</p><h3 id="h2aba30816d">設問を決めた日に比べられる相手が決まる</h3><p>7社のエンゲージメントの数字は、単位が5種類に分かれ、設問の数も集計の範囲も違いました。71.5%と54.7のどちらが高いかを問うても、答えは出ません。</p><p>丸井グループの12年比較も、カプコンの偏差値も、最初に選んだ測り方の延長線上の結果です。サーベイの設問と単位を決めた時点で、数年後にその数字を何と比べられるかが決まります。事例を集める前に、自社は他社と比べたいのか、自社の過去と比べたいのかを先に決めておく必要があります。</p>

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## [DX研修の費用は1人9万〜100万円、厚労省9事例](https://hr-media.offers.jp/articles/dx-training-cost)

**公開日**: 2026-09-27
**著者**: 鈴木 裕斗
**カテゴリ**: 組織

<p>従業員8,000人の化学メーカーが、社員1人をデータサイエンティスト養成講座に通しました。受講料は100万7,000円で、受講は140時間です。国の人材開発支援助成金のうち、受講料を補う経費助成として受け取ったのは25万円で、受講料の24.8%でした。</p><p>同じ大企業の区分で制度を使った、従業員200人の通信会社もあります。受講料9万9,000円のセキュリティ研修で、経費助成は5万9,400円でした。こちらは受講料の60%です。</p><p>大企業の助成率は、どちらも60%です。化学メーカーの受講料にそのまま60%を掛けると60万4,200円になります。これは本稿が仮に計算した数字で、実際の支給額ではありません。実際に戻った25万円との差を生んだのは、1人あたりの受講料と、訓練時間ごとに決まった助成の上限の関係です。</p><p>材料は、厚生労働省が公開する活用事例集のDX分野9件と、助成の支給要領です。DX研修の費用を「いくら払い、いくら戻り、いくら残るか」で読み解きます。なお、この助成金は受講料を補う「経費助成」と、研修中の賃金を補う「賃金助成」の2本立てです。</p><h2 id="hbf15bcb94f">DX研修の費用は、受講料と受講中の賃金の2つで決まる</h2><p>DX研修の費用とは、研修会社や講師に払う受講料と、受講している時間に社員へ払う賃金の合計です。見積書に載るのは受講料だけでも、社内で予算を組むときは賃金も同じ事業のコストに数えます。</p><p>受講料に何が含まれるかは、研修の実施形態で変わります。国の助成も、形態ごとに算定の単位が異なる仕組みです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>実施形態</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>受講料に含まれるもの</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>助成の算定単位</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>社外の講座に通う</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>入学料・受講料・教科書代</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1人あたりの受講料</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>講師を社内に招く</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>講師の謝金と旅費・会場の借上料・教材費・コースの開発費</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>総額を受講者数で按分</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>eラーニング・通信制</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>受講料</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1人あたりの受講料</p></td></tr></tbody></table><p>出所：<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001731981.pdf">厚生労働省「人材開発支援助成金（事業展開等リスキリング支援コース）支給要領」令和8年8月3日版</a>をもとに作成。</p><p>賃金の側は見落とされがちです。20時間の研修を勤務時間内に行えば、その20時間分の賃金は研修に支払われます。人材開発支援助成金は、この時間を補う賃金助成を経費助成とは別に設けています。</p><h2 id="h6925aab872">企業が研修に使う費用は、労働者1人あたり年2.0万円</h2><p>DX研修の見積もりを社内で比べるときの物差しは、公的統計の平均です。厚生労働省の『令和7年度 能力開発基本調査』で、職場を離れて行う研修（OFF-JT）の費用を見ます。費用を出した企業の、労働者1人あたり平均額は2.0万円でした。令和6年度1年間の実績で、前回調査の1.5万円から0.5万円増えています。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>項目</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>値</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>職場外研修か自己啓発支援に費用を出した企業</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>54.4%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>職場外研修に出した費用（労働者1人あたり平均）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2.0万円</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>人材開発支援助成金を受給したことがある企業</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>15.3%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>受給したことがある企業の職場外研修費（1人あたり）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2.4万円</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>受給したことがない企業の職場外研修費（1人あたり）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2.0万円</p></td></tr></tbody></table><p>出所：<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/11801500/001728125.pdf">厚生労働省『令和7年度 能力開発基本調査』調査結果の概要</a>（<a href="https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/newpage_00233.html">同調査の公表資料</a>によれば常用労働者30人以上の企業7,452社が対象・有効回答率52.6%）。</p><p>平均2.0万円は、社員全員に配る年間の研修費を均した額です。DX研修は特定の社員に集中して配るため、1人あたりの受講料は桁が変わります。次の節で見る9件の実例では、受講料の中央値が28万6,000円で、この平均の約14倍にあたります。</p><p>助成金の側も、使われているとは言えません。受給したことがある企業は15.3%で、「制度について知っていたが、受給したことはなかった」企業が51.9%を占めます。</p><p>DXに近い研修では、需要が実施を上回っている状態です。同じ調査の事業所調査に、デジタル技術を活用して技術革新や生産性向上を提案する力を扱った職場外研修の項目があります。実施した内容として挙げた割合は10.3%、今後実施したい内容としては21.0%でした。やりたい研修と実際に行った研修の間に、2倍の開きがあります。</p><h2 id="hea3051782e">受講料は1人9万円から100万円超、厚労省の9事例</h2><p>厚生労働省は、人材開発支援助成金のうち事業展開等リスキリング支援コースの活用事例集を公開しています。このうちデジタル・DXに伴う訓練は9件です。受講料と助成額を、1人あたりに揃えて並べました。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>企業（規模・従業員数）</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>研修の内容</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>時間</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>受講料（1人）</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>経費助成（1人）</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>経費助成率（受講料に対する割合）</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>賃金助成（1人）</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>建設業（中小・129人）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>建設事務のIT</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>24時間</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>33万円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>24万7,500円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>75.0%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2万4,000円</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>情報サービス業（中小・53人）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>ITインフラ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>488時間</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>90万円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>50万円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>55.6%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>48万8,000円</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>通信業（大企業・200人）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>セキュリティ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>13時間</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>9万9,000円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>5万9,400円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>60.0%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>6,500円</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>化学工業（大企業・8,000人）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>データサイエンティスト養成</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>140時間</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>100万7,000円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>25万円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>24.8%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>7万円</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>輸送用機械製造（中小・229人）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>データベース</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>20時間</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>30万円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>22万5,000円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>75.0%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2万円</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>建設業（中小・27人）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>施工BIM/CIM</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>20時間</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>22万円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>16万5,000円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>75.0%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2万円</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>酒類製造業（中小・20人）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>製造業のDX</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>15時間</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>9万円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>6万7,500円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>75.0%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1万5,000円</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>学術・専門サービス（大企業・210人）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>ドローン操縦</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>28時間</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>28万6,000円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>17万1,600円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>60.0%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1万4,000円</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>設備工事業（中小・36人）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>ドローン技能講習</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>28時間</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>19万8,000円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>14万8,500円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>75.0%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2万8,000円</p></td></tr></tbody></table><p>出所：<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001538649.pdf">厚生労働省「人材開発支援助成金（事業展開等リスキリング支援コース）活用事例集」</a>（<a href="https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/d01-1.html">コースページ</a>の表記で2025年7月2日掲載）のデジタル・DX分野9件を、1人あたりに割り戻して作成。</p><p>助成率が満額のまま受講料に掛かった事例が、9件中7件ありました。中小企業は75%、大企業は60%です。満額に届かなかったのは2件で、どちらも受講料が90万円以上の長時間の研修でした。</p><p>受講料の側は、短い研修ほど安くなります。10〜30時間の7件は9万円から33万円に収まり、100時間を超える2件だけが90万円以上でした。</p><p>賃金助成は、時間の長さにそのまま比例します。ITインフラの事例は488時間の研修で、賃金助成が48万8,000円になりました。経費助成と合わせた支給額は、受講料を上回っています。ただし会社はその488時間分の賃金を払っており、研修の費用がゼロになったわけではありません。</p><h2 id="h5cf3eb5a33">助成率が満額で届くのは、受講料が上限の内側にあるときだけ</h2><p>人材開発支援助成金（事業展開等リスキリング支援コース）の経費助成は、受講料に助成率を掛けた額と、訓練時間ごとの限度額の、低いほうで決まります。助成率は中小企業が75%、大企業が60%です。限度額を助成率で割り戻すと、満額で届く受講料の上限が出ます。</p><p>中小企業に当たるかどうかは、主たる事業ごとに、資本金か常時雇用する労働者数のどちらかが基準に収まるかで判定します。</p><ul><li>小売業（飲食店を含む）は、資本金5,000万円以下か50人以下</li><li>サービス業は5,000万円以下か100人以下、卸売業は1億円以下か100人以下</li><li>その他の業種は、3億円以下か300人以下</li></ul><p>出所：<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001731978.pdf">厚生労働省「事業展開等リスキリング支援コースのご案内（詳細版）」令和8年8月3日版</a>。</p><p>下の表は、自社の区分と訓練時間の行だけを見れば十分です。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>実施方法</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>訓練時間</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>限度額（中小）</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>満額で届く受講料（中小）</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>限度額（大企業）</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>満額で届く受講料（大企業）</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>通学・オンラインの同時双方向</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>10時間以上100時間未満</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>30万円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>40万円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>20万円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>約33.3万円</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>同上</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>100時間以上200時間未満</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>40万円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>約53.3万円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>25万円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>約41.7万円</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>同上</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>200時間以上</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>50万円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>約66.7万円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>30万円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>50万円</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>eラーニング・通信制</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>時間の区分なし</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>15万円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>20万円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>10万円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>約16.7万円</p></td></tr></tbody></table><p>出所：<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001731981.pdf">厚生労働省「人材開発支援助成金（事業展開等リスキリング支援コース）支給要領」令和8年8月3日版</a>の限度額を、助成率で割り戻して作成。</p><p>冒頭の化学メーカーは大企業で、研修は140時間でした。限度額は25万円、満額で届く受講料は約41.7万円までです。受講料100万7,000円はその約2.4倍で、超えた部分はすべて会社の負担になりました。受講料が100万円の研修でも、助成の計算に入るのは最初の約41.7万円までということです。</p><p>ITインフラの事例も同じ構造です。中小企業・200時間以上の区分で限度額は50万円、満額で届く受講料は約66.7万円でした。受講料90万円のうち、それを超えた部分に助成は付いていません。</p><p>見積もりがこの表の金額を超えるなら、戻る額は限度額で計算します。「最大75%」は、受講料が表の内側にあるときに限って成り立つ数字です。</p><h3 id="h02df91a294">中小企業が10人に1人25万円の研修を配ると、受講料の残りは62.5万円</h3><p>中小企業が、20時間・1人25万円の集合研修を社員10人に受けさせる場合を試算します。受講料は1人25万円で、10時間以上100時間未満で満額が届く40万円より内側です。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>項目</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>金額</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>受講料（10人分）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>250万円</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>経費助成（受講料の75%）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>187.5万円</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>受講料のうち会社に残る額</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>62.5万円</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>賃金助成（20時間×1,000円×10人）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>20万円</p></td></tr></tbody></table><p>出所：<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001731981.pdf">厚生労働省「支給要領」令和8年8月3日版</a>の助成率と賃金助成額をもとにした本稿の試算。</p><p>同じ10人でも、受講料が1人50万円の研修なら計算が変わります。経費助成は1人30万円の限度額で止まり、受講料に対する割合は60%に下がります。40万円を超えた先では、1万円高い研修は1万円まるごと会社の負担になるということです。</p><h3 id="hfccb3a947a">上限を大きく超える役割は、採用と並べて比べる</h3><p>上限を最も大きく超えたのは、データサイエンティスト養成の140時間・100万7,000円でした。データサイエンティスト養成の受講料は9件の中で最も高く、研修の時間は488時間のITインフラに次ぐ2番目の長さです。</p><p>この事例で、受講料から経費助成を引いた残りは75万7,000円でした。業務を離れた時間は140時間です。1日の労働時間を8時間とみなすと、17.5日分に相当します（所定労働時間は企業により異なります）。賃金助成は140時間×500円の7万円でした（<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001538649.pdf">厚生労働省「活用事例集」</a>の化学工業の事例をもとに本稿で算出）。</p><p>1人に75万円超と17.5日分の業務時間を配る役割は、育成と採用を同じ表に載せて比べる価値があります。採用にかかる費用と期間は募集経路で大きく変わるため、一概には出せません。助成の上限を超える費用がかかる役割ほど、育成で埋めるか採用で埋めるかを最初に比べておく意味が大きくなります。物差しは、育成側の75万7,000円と17.5日です。自社の採用実績を隣の列に当てはめれば、どちらが早く安く役割を埋められるかが見えてきます。</p><p>DX人材の職種と必要なスキルの分け方は、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/dx-jinzai">DX人材の6類型と採用・育成の進め方</a>の記事にまとめました。データやAIを担うエンジニアを採用した場合の数字は、自社の条件で確かめる必要があります。その相談先の1つが<a href="https://offers.jp/client/ai-rpo?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-consult&amp;utm_content=dx-training-cost">Offers の AI RPO</a>で、候補者の発見から継続的なアプローチまでを受け持つ採用代行です。</p><h2 id="hc4a204d19e">eラーニングは賃金助成が出ず、受講は年1回まで</h2><p>DX研修で多いeラーニングは、助成の条件が通学型と異なります。違いは次の3つです。</p><ul><li>賃金助成が出ない。賃金助成が付くのは、集合型の研修か同時双方向のオンライン研修を勤務時間内に行った時間だけ</li><li>同じ社員の受講は1年度に1回まで。2026年8月3日以降に計画届を出す研修から適用される</li><li>受け放題の定額制サービスは、1人あたり月2万円が限度で、修了した学習時間が10時間に満たない社員の分は対象外</li></ul><p>受講回数の上限は、2026年8月3日版の支給要領で加わった条件です。eラーニングで同じ社員に複数の講座を順番に受けさせる計画は、2講座目から助成の外になります。形態をまたいだ上限は、同じ社員について1年度に3回までです。</p><p>受講料と時間が同じなら、賃金助成が無いぶん、戻る総額は集合型より小さくなります。受講料の安さだけで形態を選ぶと、見積もりの差ほどには手元の差が開きません。</p><h2 id="h7f20149d5c">申請は研修開始の1か月前までに、計画届を出してから</h2><p>助成を受けるには、研修を始める前に手続きが要ります。見積もりの段階で確かめておく条件は次の3つです。</p><ol><li>職業訓練実施計画届を、研修開始日の6か月前から1か月前までに労働局へ出す</li><li>1つの研修の実訓練時間が10時間以上ある。通学型は、受講者が実訓練時間の8割以上に出席する</li><li>研修の経費は会社が全額を負担する</li></ol><p>前提として、計画届を出す日までに2つを整えておく必要もあります。1つは職業能力開発推進者の選任で、研修や人事の担当課長などを社内の育成の責任者に決めることです。もう1つは事業内職業能力開発計画で、自社の人材育成の基本方針を書いて従業員に周知します。研修会社の日程が先に決まり、計画届が1か月前に間に合わないと、その研修は助成の対象になりません。</p><p>この助成金は、令和4年度から8年度までの期間限定の制度として作られました。令和8年度は2027年3月までです。それ以降に始める研修の予算に、この助成を前提として組み込むのは避けたほうが安全です。</p><h2 id="h4215dfa1ae">DX人材の育成予算を増やした企業は25.6%にとどまる</h2><p>研修の予算そのものは、大きくは増えていません。IPA（情報処理推進機構）の『DX動向2026』で、DXを推進する人材の育成予算を尋ねた結果があります。「大幅に増やした」「やや増やした」企業は、合わせて25.6%でした。前回調査（2024年度）の23.8%からわずかに増えただけで、「変わらない」が約半数を占めます。</p><p>同じ調査で、DX推進に必要なスキルを「把握できていない」企業は52.8%でした。IPAは、育成予算の増加が十分に進まず、必要なスキルの把握も含めて人材育成の基盤整備が進んでいない状況にあるとまとめています。</p><p>出所：<a href="https://www.ipa.go.jp/digital/chousa/dx-trend/rcu1hd0000017uk8-att/dx-trend-2026.pdf">IPA『DX動向2026』</a>（2026年4月中旬〜6月中旬に実施・有効回答1,799社、うちDXに取り組む企業が対象）。</p><p>予算が横ばいのまま、1人28万円前後の研修を配れば、受けられる人数は限られます。研修の費用を決める前に、どの役割の誰に何時間を配るかを決めるのが先です。</p><h2 id="ha8fc7aba30">見積もりを頼む前に、受講者と時間数を社内で決める</h2><p>9事例で助成率が満額のまま掛かった7件は、いずれも30時間未満、受講料33万円以下の研修でした。長く高い研修ほど、戻る割合は下がります。研修会社に見積もりを頼む前に、次の5つを社内で決めておくと、届いた見積もりの戻る額がすぐに計算できます。</p><ol><li>自社が助成金の上で中小企業か大企業か。主たる事業ごとの資本金か労働者数で決まる</li><li>受講させる社員と人数。1人に厚く配る研修と、多くの人に薄く配る研修を分けて数える</li><li>1人あたりの実訓練時間。10時間以上あるか、100時間・200時間のどの区分に入るか</li><li>実施方法。eラーニングなら賃金助成は出ず、同じ社員は1年度に1回まで</li><li>研修の開始日。計画届を1か月前までに出せる日程か</li></ol><p>1人に厚く配る研修は、限度額を先に超えます。予算は、満額が届く受講料を超える研修と、その内側に収まる研修に分けて組むのが読みやすい形です。中小企業・100時間未満なら、分かれ目は1人40万円でした。前者は育成と採用の比較に回し、後者は助成を前提に人数を増やす判断に使えます。</p><p>DXの取り組み全体にかかる費用の水準は、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/dx-cost">DX費用の相場と回収の実測</a>で扱っています。DX以外の研修に使う人材育成支援コースの要件は、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/interviewer-training-selection">面接官研修の選び方</a>の費用の節で整理しました。</p>

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## [DX研修の事例は人数で読む、IPAの20社](https://hr-media.offers.jp/articles/dx-training-case-studies)

**公開日**: 2026-09-27
**著者**: 鈴木 裕斗
**カテゴリ**: 組織

<p>DXに取り組む企業のうち、DXを推進する人材像を決めて社内に周知している企業は、情報処理推進機構（IPA）の2025年度調査で16.2%にとどまります。DX研修の事例を探しても、講座名とカリキュラムの一覧に行き着くことが多いはずです。</p><p>ところが、DXで人材育成を進める会社の資料を開くと、先に決めているのは、どんな人材をどの水準まで育てるかでした。研修はその後に、層ごとに中身を変えて置かれています。</p><p>IPAが企業に聞き取ってまとめた20社の事例では、20社すべてが人材の型を定め、そのうち4社は育成目標を人数で開示しています。</p><h2 id="h0011b00e4e">DX研修の事例を集めた代表的な公的資料はIPAの活用事例集</h2><p>DX研修の事例を1か所で読める公的資料の代表例が、IPAの<a href="https://www.ipa.go.jp/jinzai/skill-standard/dss/case.html">デジタルスキル標準（DSS）活用事例集</a>です。DSSは経済産業省とIPAが定めた、DXに必要な人材とスキルの物差しで、20社はこれを基に自社の育成を組み立てています。</p><p>IPAはDSSを使っている企業に聞き取りを行い、案内ページ（2024年4月30日公開）で紹介してきました。<a href="https://www.ipa.go.jp/jinzai/skill-standard/dss/begoj9000000h2gv-att/dsscase.pdf">事例集の本体</a>は2025年10月24日の更新版で36ページあり、20社の資料をそのまま収めた構成です。</p><p>出所：独立行政法人情報処理推進機構「デジタルスキル標準（DSS）活用事例集」（2025年10月24日更新・n=20社）。</p><h3 id="hfccbbca4e9">20社は人材を何で区切ったか</h3><p>20社の事例は、どれも研修の前に「育てる人材の型」を定めています。区切り方は会社ごとに違い、数も語も統一されていません。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>会社</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>人材の区切り方</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>研修・育成の特徴</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>富士フイルムHD</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>3類型</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>研修とOJTの一覧を使うAIコーチングを構想</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>ファミリーマート</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>3人財</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>アセスメントで選抜し、3つの研修へ</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>出光興産</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>5つのスキル×3つの熟練レベル</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>基礎・ブリッジ・専門の段階研修</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>ロジスティード</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>8つの人財カテゴリ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>社内のエキスパートが専門教育</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>関西電力</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>三層の人財</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>習熟度ごとの研修と出向</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>デンカ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>DSSの5類型でリソース設計</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>アセスメントで効果測定</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>東京電力HD</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>6職種・Lv.0〜Lv.4</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>全社員がLv.1以上を目指す</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>リコー</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>DSSの人材類型・ロール</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>デジタルアカデミーと留学制度</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>帝人</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>4つの類型と8つのロール</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>全世界でDX初級教育</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>双日</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>5段階のレベル×2分野</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>入門は全社員、基礎は全総合職</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>NTTコムウェア</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>約770項目のスキル</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>道場とレベル認定</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>東芝</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>12種類のロール</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>約2万5千人がスキル登録</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>ベネッセ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>7職種12区分</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>職種×レベル別の研修</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>資生堂インタラクティブビューティー</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>約30人材</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>4Dサイクルで評価・育成・配置</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>大日本印刷</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>DSS準拠のDX人材</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>既存の人材定義から再定義</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>イトーキ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>学びのステージ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>全社員約2千人の「DX 学びの場」</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>旭化成</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>デジタルプロ人材ロール</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>DXオープンバッジ</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>トヨタ自動車</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>22種の役割</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>レベル別教育とバッジ</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>味の素</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>ビジネスDX人財</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>全従業員のスキル見える化</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>イオン</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>6職種×3レベル</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>公募制の育成プログラム</p></td></tr></tbody></table><p>出所：IPA「デジタルスキル標準（DSS）活用事例集」（2025年10月24日更新）をもとにOffers作成。</p><p>人材の型の数は3から約30まで開きがあります。細かいのは、職種ごとのスキルマップをアサインと採用に使うベネッセ（7職種12区分）や、約30人材を定義した資生堂インタラクティブビューティーです。人材の型とは別の物差しで、NTTコムウェア（NTTグループのITサービス会社）は独自の用語集で定めた約770項目を使い、エンジニアのスキルを個人単位まで細分化して管理しています。</p><p>粗いのは、全社員の底上げと推進者の選抜を目的に置くファミリーマート（3人財）や富士フイルムHD（3類型）でした。区切りが粗いから研修の対象を決めるだけ、という関係ではありません。富士フイルムHDは3類型のまま育成と採用を強化し、アセスメントの結果を人材配置と育成計画にも使っています。</p><h2 id="h15c4854651">人材像を決めて周知している企業は16.2%にとどまる</h2><p>IPA『<a href="https://www.ipa.go.jp/digital/chousa/dx-trend/rcu1hd0000017uk8-att/dx-trend-2026.pdf">DX動向2026</a>』（2025年度調査・DXに取り組んでいると回答した企業が対象）では、DXを推進する人材像を「設定し、社内に周知している」企業は16.2%で、2024年度の20.4%から下がりました。「設定していない」「わからない」の合計は約5割で、人材像を定めて社内に周知するところまで進んだ企業は一部にとどまります。</p><p>DX人材の評価基準が「基準はない」企業は76.1%です。DX推進に必要なスキルを把握できていない企業は52.8%で、半数を超えたままですが、2024年度からはやや改善しています。</p><p>出所：独立行政法人情報処理推進機構「DX動向2026」（2026年7月30日公表・2025年度調査）。</p><h3 id="h7722b2f28d">スキルを把握している企業ほど不足感が小さい</h3><p>同じ調査で、人材の「質」が「大幅に不足している」と答えた割合は、スキルを把握している企業で40.6%、把握できていない企業で64.0%でした。差は23.4ポイントです。</p><p>必要なスキルと社員の現状を把握している会社ほど、人材の質の不足を小さく感じています。20社の事例が研修の前に人材の型を置く手順は、この差と同じ方向です。</p><p>出所：IPA「DX動向2026」図表4-10の本文（2026年7月30日公表）。</p><h2 id="hff93801ec5">人数を開示した4社は、育成目標を三層で置く</h2><p>育成目標を人数で開示しているのは、20社のうち4社に限られます。その4社を並べると、全社員に近い層、各部門の推進者の層、高度な専門人材の層の三層になり、上の層ほど人数を絞っています。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>会社</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>全社員層</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>推進者層</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>高度層</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>目標の時点</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>関西電力</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>約17,000名</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>約5,600名</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>約50名</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2025年度末</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>東京電力HD</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>Lv.1以上 6,000名</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>Lv.2以上 1,000名</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>Lv.3以上 100名</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2024年度末</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>出光興産</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>ベーシック 10,000人</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>コア 3,000人</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>エキスパート 450人</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2030年度</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>双日</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>入門は全社員</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>応用 約1000人（総合職の50%）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>エキスパート 約200人（総合職の10%）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>中計2026</p></td></tr></tbody></table><p>出所：IPA「デジタルスキル標準（DSS）活用事例集」各社資料（2025年10月24日更新）の育成目標をOffersが一覧化。</p><h3 id="ha9d5fa344d">3社の算出値では推進者層は全社員層の2割弱から3割強</h3><p>双日は全社員層を人数で示していないため、比率を比べられるのは関西電力・東京電力HD・出光興産の3社です。いずれもIPAの資料には比率の記載が無く、以下は開示された人数からOffersが算出した値になります。推進者層を全社員層で割ると、関西電力は33%、出光興産は30%、東京電力HDは17%です。開示された人数を割った値で、各社が比率そのものを目標に掲げているわけではありません。</p><p>高度層の比率もOffersの算出で、関西電力で全社員層の0.3%、東京電力HDで1.7%、出光興産で4.5%です。高度層は少数を選んで深く育てる層として扱われ、次の節で見るとおり研修の外での実践が中心になります。</p><p>出所：IPA「DSS活用事例集」（2025年10月24日更新）をもとにOffers算出。</p><h2 id="h85d120bb04">研修の中身は層ごとに変わる</h2><p>三層を置いた会社は、層ごとに研修の形を変えています。全社員層は知識の底上げ、推進者層は実務の課題を持ち込む研修、高度層は研修の外での実践という分け方です。</p><h3 id="h470fe940e2">全社員層はeラーニングと資格で底上げする</h3><p>帝人は2023年度に、全世界の従業員8,000名へ「DX初級教育」を展開しました。E-learningを使い、デジタルの知識とあわせて変革の意識づけに力を入れたカリキュラムです。</p><p>イオンはオンライン講座「イオンDXラボ」を2021年から開き、のべ1万5000人近い従業員が参加しました。東京電力HDはITパスポートの取得を促し、味の素は2024年度にITパスポート試験の受験を補助しています。</p><p>出所：同事例集の帝人・イオン・東京電力HD・味の素の資料（IPA、2025年10月24日更新）。</p><h3 id="heb6291f4f6">推進者層は自部署の課題を研修に持ち込む</h3><p>ファミリーマートは、全社員のリテラシーを上げた後にアセスメントで受講者を選び、DX推進スキル研修・データ活用研修・システム開発推進研修の3つを置いています。DX推進スキル研修では事業変革プランを立て、社内の企画プレゼンで評価し、優れたプランは実際に採用して実現まで進める仕組みです。</p><p>関西電力は推進者層にDX適用実践研修と生成AI研修を置きました。出光興産は基礎と専門の間に「DXブリッジ研修」を挟み、デンカは「知ってる」から「できる」へを掲げて実務研修を進めています。イオンは専門人材育成研修「イオンビジネススクール」にデジタルコースを置き、経済産業省のマナビDX Questの教材を使ってグループ従業員125名を育成しました（同社の区分では2・3層向け）。</p><p>出所：同事例集のファミリーマート・関西電力・出光興産・デンカ・イオンの資料。</p><h3 id="h8a09ef5f92">高度層は研修の外で育てる</h3><p>関西電力は高度DX人財を、グループ会社のK4 Digitalへの出向やOJT（職場の実務で育てる方法）で育てる形です。リコーは2024年6月に、顧客企業と事業を共創する自社拠点（BIL TOKYO）への留学生制度を始めました。3か月のインターン期間を経てセレクションを通過した社員を、2年間送り出しています。</p><p>ロジスティードは2022年から、米マサチューセッツ工科大学（MIT）への留学派遣を続けてきました。</p><p>出所：同事例集の関西電力・リコー・ロジスティードの資料。</p><h2 id="hddef417ada">専門人材は育成と採用・外部の力で分けて埋める</h2><p>事例集には、必要な専門人材のすべてを社内の研修で賄わず、社内で育てる職種と、採用や外部の力で補う職種を分けている会社があります。デンカ・双日・関西電力・味の素の4社の分け方は次のとおりです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>会社</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>社内で育てる人材</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>採用・外部で補う人材</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>デンカ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>ビジネスアーキテクトは全従業員、データサイエンティストは研究職</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>デザイナーとソフトウェアエンジニアは要件定義のみ行い外注</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>双日</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>ビジネスデザイン人材とデータ分析人材</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>デザイナー・ソフトウェアエンジニア・セキュリティはデジタル専門部隊や外部パートナーのプロ人材も起用</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>関西電力</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>三層の人財を習熟度ごとに育成</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>キャリア採用で高度で多様な専門人財を獲得</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>味の素</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>全社にデータドリブンな発想を持つ人財を育成</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>新ビジネスへの即戦力となる専門人財を採用</p></td></tr></tbody></table><p>出所：IPA「DSS活用事例集」（2025年10月24日更新）の各社資料をOffersが整理。</p><p>育成だけでなく採用の側からも専門人材を埋める会社は、この4社にとどまりません。富士フイルムHDは3類型の人材の「育成・採用を強化」と書き、ベネッセは職種ごとのスキルマップを「アサイン・育成・採用」に使っています。人材の型を決めておけば、同じ物差しで育成の対象と採用の要件を書けるのが利点です。</p><p>採用で補うときも、DSSの型で書いた人材の要件は、そのまま求人の要件として使えます。エンジニア職を採用で補うなら、その求人と採用活動が候補者からどう見えているかを確かめてから募集を広げると、打ち手を絞りやすくなるでしょう。<a href="https://service.offers.jp/client/hiring-check/?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-light&amp;utm_content=dx-training-case-studies">エンジニア採用力チェック</a>は、企業URLから採用力を5つの指標で採点するツールです。</p><h2 id="h1b0f63b531">受講者を選抜や公募で決める会社がある</h2><p>推進者層と高度層の研修は、全員に同じものを配らず、受ける人を選んでいます。選び方は選抜と公募の2通りです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>選び方</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>会社</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>内容</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>選抜</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>ファミリーマート</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>アセスメントの結果で研修の受講者を選ぶ</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>選抜</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>リコー</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>3か月のインターンの後にセレクション</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>公募</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>イオン</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>全国のグループ各社のあらゆる職種の従業員が受講できる</p></td></tr></tbody></table><p>出所：IPA「DSS活用事例集」各社資料（2025年10月24日更新）をもとにOffersが分類。</p><p>公募は挑戦したい人に機会を開き、選抜は受講者の水準をそろえる役割を持ちます。両方を組み合わせる会社もあり、東京電力HDは人財公募と選抜育成プログラムを育成の流れに並べました。</p><h2 id="h26957e1c52">研修の効果はスキルの到達と実務の成果で測る</h2><p>20社の中には、研修の効果をスキルの到達や実務の成果で示す会社があります。</p><p>味の素は、従業員の80%以上がビジネスDX人財育成初級コースを受け終えた後も、目標とするスキルレベルへの到達にはまだ届いていないと自ら評価しました。そこで2024年度に、基礎知識の底上げとしてITパスポート試験の補助を始めました。</p><p>出所：同事例集の味の素の資料（IPA「DSS活用事例集」2025年10月24日更新）。</p><h3 id="h56a7fd1758">実務の成果で測る例</h3><p>出光興産はノーコードアプリの開発を追っています。2024年度には231名が開発した583アプリが業務で使われており、開発者は2023年度の138名から1.7倍に増えた計算です（原典の表記は+68%）。</p><p>同社では研究者の3人に1人がMI（材料開発に計算科学を使う手法）のスキルを持ち、マネージャー層の9割がMI/DXリテラシーを持つ状態です。</p><p>資生堂インタラクティブビューティーは約30の人材像を定め、約2年でDX戦略を担うデジタル人材を3倍以上に増やしました。デンカはDSSと紐づくアセスメントで教育の効果を測っています。</p><p>出所：同事例集の出光興産・資生堂インタラクティブビューティー・デンカの資料。</p><h2 id="h77e0cfd26d">自社のDX研修を設計する4つの手順</h2><p>人数を置いた会社では、育成が経営の評価の対象に入っています。関西電力は人財育成数をDX戦略のKPIに入れ、成果とあわせて統合報告書で社外に公開しました。研修が人事部門の施策にとどまらず、経営計画の数字として扱われる形です。</p><p>20社の事例を自社に移すなら、研修会社を選ぶ前に次の4つを決めておきたいところです。</p><ol><li>人材の型を決める：DSSの人材類型とロールを基に型を置く。3類型の富士フイルムHDも配置と採用に使っており、細かさより育成・配置・採用で同じ型を使うことを優先する</li><li>三層の目標人数を置く：全社員層・推進者層・高度層に人数を置く。比率を比べられる3社では、推進者層は全社員層の17%から33%</li><li>層ごとに研修の出口を決める：全社員層は資格や修了、推進者層は自部署の課題の企画、高度層は出向・留学・実案件を出口にする</li><li>到達をアセスメントで測る：型ごとのスキルの到達度で効果を見て、届かなければ味の素のように底上げの施策を足す</li></ol><p>DX人材の型の考え方は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/dx-jinzai">DX人材の定義と育成の進め方</a>で、DXの取り組み全体にどの程度の投資が行われているかは<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/dx-cost">DX費用の相場</a>で扱いました。</p><h3 id="h1892cd66eb">事例を読むときは出所と時点を確かめる</h3><p>事例集の数値は各社が示した目標や実績で、時点は会社ごとに違います。関西電力は2025年度末、東京電力HDは2024年度末、出光興産は2030年度の目標です。</p><p>DX事例がどの母集団から選ばれたかを確かめる考え方は、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/dx-case-studies">DX事例30社の母集団と再現の条件</a>にまとめています。</p><h2 id="h122272095d">DX研修の事例から持ち帰るのは人数の設計</h2><p>IPAの活用事例集に載る20社は、研修の名前より先に育てる人材の型を決め、人数を開示した4社は三層の目標人数まで置いていました。研修の中身は層ごとに変わり、効果はスキルの到達と実務の成果で測られています。</p><p>3社の比率を全社員層1,000人に当てはめると、推進者は170人から330人、高度人材は3人から45人です。全社員層の分母は各社の目標人数で、実際の在籍従業員数とは別の値です。推進者の人数は研修で届く規模ですが、高度人材は数人から数十人で、出向や留学、採用と組み合わせて埋める規模になります。講座を比べる前にこの2つの人数を社内で決めておけば、どの研修を何人分買い、どこを採用で埋めるかが同時に決まります。</p>

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## [母集団形成の事例17社｜採用経路と定着率で比較](https://hr-media.offers.jp/articles/candidate-pool-case-studies)

**公開日**: 2026-09-27
**著者**: 鈴木 裕斗
**カテゴリ**: 採用

<p>管理職として中途入社した人が使った経路で最も多いのは、人材紹介ではなく社員や知人の紹介でした。厚生労働省の調査では、管理職の採用者の3割強が縁故を使って入社していました。</p><p>では、応募者を集めるのがうまい会社は、どの経路をどう組み合わせているのか。公的機関と Offers が公表した事例から17社を選び、採用経路と入社後の定着を並べました。</p><p>内訳は、厚生労働省の事例集の14社、中小企業白書の1社、Offers が公開する導入事例から2社です。事例集の14社のうちA社・B社・C社の3社は、厚生労働省の資料の段階で社名が伏せられています。</p><p>並べてみると、職種によって経路を使い分けている会社もあれば、1つの経路にほぼ絞っている会社もありました。</p><p>母集団形成の定義や必要数の出し方は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/candidate-pool-building">母集団形成とは？応募を待たない中途採用の設計</a>で扱っています。この記事は、その続きとして事例だけを並べた内容です。</p><h2 id="habc83d0e55">厚生労働省の事例集14社を採用経路と定着率で並べる</h2><p>厚生労働省は2025年3月、<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/001474492.pdf">「人材の確保・定着に成功した企業の取組事例集～採用活動のコツ～」</a>を発行しました。中途採用の好事例として14社が載っています。そのうちA社・B社・C社の3社は、資料の段階で社名が伏せられています。各社の主な採用経路と成果を1つの表にしました。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>企業</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>業種</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>母集団を作った主な経路</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>採用の充足</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>入社3年後の定着率</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>Q.ENESTでんき</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>電気事業</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>人材紹介が多い。リファラルとダイレクトリクルーティングを推進</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>一部ポジションを除き充足</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>9割弱</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>冨田病院</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>病院</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>ハローワークが主。応募数・採用数が多いのは人材紹介</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>欠員補充は充足</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>4割程度</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>A社</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>製造業</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>管理職は人材紹介、一般職はハローワークの個別説明会と地元の企業説明会</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>管理職は目標達成、一般職は年間数名不足</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>約70%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>ＫＭユナイテッド</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>建設業務のBPO</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>ハローワークが採用数の3〜4割。ハローワーク等で説明会</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>記載なし</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>5〜6割程度</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>B社</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>製造業</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>人材紹介</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>採用計画を充足</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>85%程度</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>ちよだ鮨</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>すし店の経営</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>特定の人材紹介会社のみ。パートからの登用が3〜4割</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>必要な人数をすべて採用</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>8割以上</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>さくら病院</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>病院</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>看護師は人材紹介、他の職種はハローワーク</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>記載なし</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>病院部門87%・介護部門66%（令和5年度）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>エーエスエル</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>情報通信業</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>経路の記載なし（面接でのヒアリングが中心）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>期初の目標数を達成</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>約90%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>名阪食品</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>給食の提供</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>管理スタッフは人材紹介、栄養士職は求人メディア</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>ほぼ充足</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>エリアマネージャーは9割程度</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>今治造船</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>造船</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>人材紹介がほとんど</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>欠員補充は達成</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>9割以上</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>日本新薬</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>医薬品</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>人材紹介を得意領域で使い分け</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>募集ポジションはいずれも充足</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>96〜97%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>レオパレス21</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>不動産</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>人材紹介と、専門職のダイレクトリクルーティング</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>経営計画上の目標以上</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>94%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>三井化学</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>化学</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>人材紹介が採用数の7割ほど、リファラルが15〜20%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>採用目標の90%程度</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>約80%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>C社</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>運輸業</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>求人メディアが中心、専門職のみハイクラス向けスカウト</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>おおむね計画どおり</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>9割以上</p></td></tr></tbody></table><p>出所：厚生労働省「人材の確保・定着に成功した企業の取組事例集～採用活動のコツ～」（2025年3月・14社）。</p><p>さくら病院の値だけは、入社3年後時点の定着率ではなく、令和5年度時点の定着率です。</p><p>表から分かるのは、14社のうち人材紹介を主な経路の1つに挙げた会社が11社にのぼることです。ただし同じ調査の採用者側の回答を見ると、紹介会社だけでは届きにくい層があります。</p><h2 id="hf745189728">企業が使う経路と、採用者が入ってきた経路は一致しない</h2><p>事例集と同じ厚生労働省の調査は、企業2,417社と中途採用者2,079人に採用の経路を尋ねました。結果は<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001489721.pdf">厚生労働省の調査研究の結果報告書</a>にまとまっています。</p><p>企業には「どの経路を使っているか」を、採用者には「入社にあたってどの経路を活用したか」を聞きました。回答者も母数も違うため同じ物差しの比率とは言えませんが、並べると、企業がよく使う経路と、入社した人が実際に使った経路の違いが見えてきます。どちらも複数回答で、1社・1人がいくつもの経路を選べるため、経路ごとの割合を足すと100%を超えます。</p><h3 id="h41089ed650">企業の4割が使う縁故は、管理職の入社経路で最多</h3><p>企業が使っている経路（複数回答）を、採用する人材のタイプ別に見ると次のとおりです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>経路</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>管理職</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>総合職</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>高度専門職</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>現業職</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>ハローワーク</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>30.5%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>53.8%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>49.6%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>73.9%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>求人広告</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>25.1%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>46.4%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>37.5%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>52.0%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>人材紹介会社・転職エージェント</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>60.9%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>55.6%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>54.8%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>39.6%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>スカウトサービス</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>23.3%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>32.0%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>28.5%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>23.9%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>自社のホームページやSNS</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>26.0%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>46.5%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>41.9%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>41.2%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>知人・社員等の紹介（縁故）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>40.3%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>42.1%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>41.1%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>45.5%</p></td></tr></tbody></table><p>出所：厚生労働省「中途採用・経験者採用者が活躍する企業における情報公表その他取組に関する調査研究 結果報告書」（2025年3月・企業アンケート図23・複数回答）。</p><p>一方、採用された人が入社にあたって活用した経路（複数回答）は次のとおりです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>経路</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>管理職（n=280）</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>総合職（n=781）</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>高度専門職（n=316）</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>現業職（n=676）</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>ハローワーク</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>14.3%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>16.1%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>22.5%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>31.7%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>求人広告</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>9.6%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>14.2%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>12.7%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>16.4%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>人材紹介会社・転職エージェント</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>25.0%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>34.3%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>32.3%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>20.9%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>スカウトサービス</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>9.3%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>15.5%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>13.3%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>10.4%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>自社のホームページやSNS</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>6.1%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>12.8%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>11.7%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>11.7%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>知人・社員等の紹介（縁故）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>31.8%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>19.8%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>26.3%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>25.7%</p></td></tr></tbody></table><p>出所：厚生労働省「中途採用・経験者採用者が活躍する企業における情報公表その他取組に関する調査研究 結果報告書」（2025年3月・労働者アンケート図51・複数回答）。</p><p>管理職の採用で縁故を使う企業は40.3%で、人材紹介の60.9%を下回ります。ところが管理職として入社した人が使った経路は、縁故が31.8%で最も多く、人材紹介の25.0%を上回りました。</p><p>管理職の母集団を人材紹介だけで考えると、入社した人の3割強が使っていた縁故の経路を見落とすおそれがあります。</p><h3 id="he421270bbc">高度専門職の採用者が使った経路は人材紹介と縁故が上位</h3><p>高度専門職の採用者が入社にあたって使った経路は、人材紹介が32.3%で最も多く、縁故が26.3%で続きます。複数回答のため、2つの割合を足しても「どちらかを使った人」の割合にはなりません。スカウトサービスを使った人は13.3%でした。</p><p>現業職ではハローワークを使った人が31.7%で最も多く、職種によって使われる経路ははっきり分かれます。事例集の14社も、この違いに合わせて経路を組み合わせていました。</p><h2 id="he7ef5b82ce">リファラルとスカウトで母集団を広げた事例</h2><p>調査で管理職の入社経路の最多だった縁故を、社員の紹介として仕組みにしている会社があります。自社から候補者に声をかけて母集団を広げた会社も含め、ここで扱うのは、厚生労働省の事例集の2社と、Offers が公開する2社の事例です。</p><h3 id="h769273c4f3">リファラルが採用数の15〜20%を占める三井化学</h3><p>三井化学は、採用数の7割ほどを人材紹介、次いで15〜20%をリファラル採用が占めます。力を入れている事業領域では、中途採用で入った社員の前職の関係者を紹介してもらうことが人材の確保につながっています（厚生労働省の事例集・2025年3月）。</p><p>東京都港区の電気事業者（Q.ENESTでんき株式会社）も、採用実績は人材紹介が多い一方で、リファラル採用とダイレクトリクルーティングを進めています。人柄や実績をよく知っている人に声をかけられる点が、同社の挙げるリファラルの利点です。社内制度の組み立て方は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/referral-recruitment">リファラル採用とは？仕組み・制度設計と社員紹介を回すコツ</a>にまとめています。</p><h3 id="haf4ff8c4c6">スカウトで接点を作ったOffersの導入事例2社</h3><p><a href="https://offers.jp/cases/quackshift">株式会社QuackShift</a>の事例では、リファラル中心だった採用体制に、継続して母集団を作れる経路を加えるところから始めました。導入から3ヶ月で入社が決まり、半年間で約45名と面談しています。</p><p>同社は、候補者への返信を早くし、選考も間を空けずに進めることを徹底しました。定例の打ち合わせでスカウト文面の改善や対象の選び直しを重ねたことも、成果につながったと述べています。</p><p><a href="https://offers.jp/cases/hapins">HapInS株式会社</a>の事例では、2025年11月頃にOffersを導入し、約半年で正社員2名を採用しました。以前のサービスのテンプレートを流用していたスカウト文面を、受託開発ならではの魅力が伝わる内容に見直しています。</p><p>文面を見直した後、同社は40〜50名ほどと面談しました。転職を急いでいない人にも継続して声をかける機能を使い、すぐには動かない層とも接点を保っています。</p><p>2社とも、半年ほどのあいだに40名以上と面談しています。スカウトで母集団を作るなら、面談を数十件重ねる前提で工数を見積もるのが現実的です。Offers の導入事例の型と期間は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/rpo-case-studies">RPO導入事例14社に見る成果の型と期間</a>で詳しく扱っています。</p><p>2社が見直したのはスカウトの文面でした。その手前で、求人そのものが狙う層に届く条件になっているかは別に点検が必要です。エンジニアの求人であれば、<a href="https://service.offers.jp/client/hiring-check/?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-whitepaper&amp;utm_content=candidate-pool-case-studies">エンジニア採用力チェックで自社の採用力を点検する</a>と、見直す順番を決める材料になります。</p><h2 id="hd24255b616">14社の事例に共通する3つの型</h2><p>人材紹介を使う11社の多くも、紹介会社に任せきりにはしていません。事例集は各社の採用活動を文章で紹介しており、型の分類は載っていません。そこで各社の取組を、経路の選び方・担当者との関係・応募者への見せ方の3点で分けると、次の3つの型になります。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>型</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>当てはまる会社</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>職種ごとに経路を分ける</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>A社・さくら病院・名阪食品・レオパレス21・C社</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>紹介会社やハローワークに自社を理解してもらう</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>ちよだ鮨・ＫＭユナイテッド</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>社員を説明会に立て、見学で仕事を見せる</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>ＫＭユナイテッド・冨田病院・A社</p></td></tr></tbody></table><p>出所：前掲の厚生労働省の事例集（2025年3月）の各社の記述をもとにOffersが分類。</p><p>ＫＭユナイテッドとA社は2つの型にまたがります。残る Q.ENESTでんきと三井化学は前の章で見たリファラル、B社・今治造船は面接での情報の出し方が中心の事例でした。エーエスエルは、面接でのヒアリングをもとに、本人の希望に合う客先を営業が探して提示するマッチングが中心です（厚生労働省の事例集・2025年3月）。日本新薬は、書類選考の後にカジュアル面談を挟み、採用担当者と配属予定先の部課長が働き方のミスマッチがないかを確認したうえで面接に進む選考プロセスが特徴です（厚生労働省の事例集・2025年3月）。</p><h3 id="h30f7ee50bd">職種ごとに経路を分けた5社</h3><p>A社・さくら病院・名阪食品・レオパレス21・C社の5社は、職種によって母集団を作る経路を変えていました。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>企業</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>経路を分けた軸</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>経路の組み合わせ</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>A社</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>管理職と一般職</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>人材紹介 ／ ハローワークの個別説明会・地元の企業説明会</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>さくら病院</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>看護師と他の職種</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>人材紹介 ／ ハローワーク</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>名阪食品</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>管理スタッフと栄養士職</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>人材紹介 ／ 業界特化の媒体から検索エンジンまでの求人メディア</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>レオパレス21</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>一般の職種と専門職</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>人材紹介 ／ ダイレクトリクルーティング</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>C社</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>現業系と専門職</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>求人メディア ／ ハイクラス向けスカウト</p></td></tr></tbody></table><p>出所：前掲の厚生労働省の事例集（2025年3月）。</p><p>さくら病院は、一定の能力と経験を持つ人を先に選別してもらえるため、看護師は人材紹介にしています。事務や介護の職種は、応募者を早く紹介してもらえるハローワークが中心です。</p><p>レオパレス21は人材紹介会社を利用しつつ、専門職の採用にはダイレクトリクルーティングも使っています。中途採用の年間の採用数は、百数十名規模まで増えました。</p><p>C社も同じ考え方で、現業系は求人メディア、専門職だけをハイクラス向けのスカウトに分けています。同社の入社3年後の定着率は9割以上です。</p><h3 id="h2853b16840">紹介会社やハローワークに自社を理解してもらった会社</h3><p>人材紹介やハローワークを使う会社のなかには、担当者に自社を理解してもらう手間をかけていた会社もありました。紹介の質は、担当者が自社をどこまで説明できるかで変わるからです。</p><p>ちよだ鮨は特定の人材紹介会社だけを使い、キャリアアドバイザーに入社後の研修内容や店舗の業務を見てもらっています。店長に求める役割まで理解してもらったうえで、合う人を紹介してもらう形です。</p><p>同社は必要な人数をすべて採用でき、入社3年後の定着率は8割以上です。評価と昇給の基準も面接で説明し、業界に多い不安を先回りして打ち消しています。</p><p>ＫＭユナイテッドは、ハローワークが採用数の3〜4割を占めます。窓口の担当者との距離が近く、自社の特徴を伝えやすいためです。担当者が求職者に自社を薦めてくれると信頼されやすい、と同社は述べています。</p><h3 id="hf91a50e40a">社員を説明会に立て、見学で仕事を見せた会社</h3><p>応募の前後で仕事の中身を見せる工夫も、複数の会社に共通していました。母集団を増やすだけでなく、合わない応募者が選考に残らないようにする手当てです。</p><p>ＫＭユナイテッドは、ハローワーク経由で入社した社員を企業説明会に登壇させ、質疑応答をしてもらっています。求人票だけでは分かりにくい業務を社員が噛み砕いて説明するため、質問が活発になったそうです。</p><p>冨田病院は面接の前に院内見学を提案しており、参加する応募者は9割以上です。すべての部署を30分から1時間ほどかけて案内し、手の空いた職員に日頃の業務を話してもらいます。</p><p>A社も面接前の職場見学を原則にしています。同社は企業説明会で聞き取りをし、工場見学を経て面接へ進む段取りが採用につながっていると評価していました。</p><h2 id="hab264cda99">事業の魅力で応募が集まった仁尾興産の事例</h2><p>ここまでは、応募者をどの経路から集めたかの話でした。経路の手前にある会社の魅力を上げて、同じ経路からの応募を増やした例もあります。中小企業庁の<a href="https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2026/PDF/chusho/00Hakusyo_zentai.pdf">2026年版 中小企業白書</a>が事例2-3-1で紹介する、香川県三豊市の仁尾興産株式会社です。</p><p>同社は従業員60名の化学メーカーで、豆腐用にがりで国内トップシェアを持ちます。所在地は若い層が県外で就職しやすく、交通の便もよくないため、外から人が入りにくい地域でした。</p><p>同社はまず働きやすさを整えました。育児・介護休業制度や保育手当、時短勤務、2時間単位の有給休暇を入れ、遠くからバスで通う社員に合わせて勤務時間も調整しています。</p><p>その後、社員の発案でカフェ事業や消費者向けの新ブランドが生まれました。新規事業に魅力を感じた人から応募が集まり、移住を伴う入社が増えています。1名の募集に対し15名の応募が集まるケースも出てきました（中小企業白書2026・Ⅱ-158）。</p><p>同じ白書は、中小企業への入職者の約7割が転職者だと示しています（厚生労働省「雇用動向調査」令和5年調査をもとにした中小企業庁の集計）。中途で入る人に向けて、何を見せるかが母集団の大きさを左右します。</p><h2 id="hb2fcd32fac">事例を自社の母集団形成に移すときの3つの手順</h2><p>17社の事例を自社に当てはめるなら、次の3つの順で考えるのが実務的です。</p><ol><li>採用する職種を管理職・専門職・現業職のように分け、職種ごとに主な経路を1つ決める（看護師とそれ以外で経路を分けたさくら病院の形）</li><li>使う経路の担当者に、仕事の中身と入社後の姿を説明する場を作る（ちよだ鮨がキャリアアドバイザーに店舗の業務を見てもらった形）</li><li>応募の前後で仕事を見せる機会を1つ置く（冨田病院の院内見学の形）</li></ol><p>3つ目は母集団を減らすように見えますが、合わない応募者が面接まで進むのを防ぎます。ただし、見学だけで定着率が決まるわけではありません。事例集の14社で入社3年後の定着率が9割以上なのは、原典に「9割以上」と書かれた今治造船とC社、90%を超える値が書かれた日本新薬（96〜97%）とレオパレス21（94%）の4社で、見学の型に分類した会社は入っていません（約90%のエーエスエルと9割程度の名阪食品は数えていません）。見学の型の3社の定着率は、冨田病院が4割程度、ＫＭユナイテッドが5〜6割程度、A社が約70%です（厚生労働省の事例集・2025年3月）。</p><p>入社後に人が残ったかどうかは、母集団の作り方を見直す材料になります。自社の定着率の測り方は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/mid-career-retention-rate">中途採用の定着率とは？測り方と平均が使えない理由</a>で整理しています。</p><p>17社の事例が示すのは、母集団の大きさが手法の数では決まらないことです。職種ごとにどの経路で探し、その経路の担当者に何を伝えるかの組み合わせで決まります。</p>

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## [採用管理システムの導入事例10社｜導入前後の数字](https://hr-media.offers.jp/articles/ats-case-studies)

**公開日**: 2026-09-27
**著者**: 鈴木 裕斗
**カテゴリ**: 採用

<p>週2時間かかっていた採用数値の集計が、10分になりました。ビザスクが採用管理システムを乗り換えた後に語った変化です。</p><p>提供元が公開する導入事例から、導入前と導入後を数字で書いている10社を選び、1つの表に並べました。事例の数字で確かめると、減ったのは候補者の登録、数値の集計、面接の日程調整という事務の時間です。10社のうち8社は中途採用で別の製品から乗り換えた会社です。ただしこの比率は、筆者がどの事例を表に入れたかで変わります。同じ日に取得しながら表に入れなかった事例には、乗り換えの事例も、表計算ソフトや紙から導入した事例もあります。導入する会社全体の傾向とは読まないでください。</p><p>応募数や採用経路まで変わった会社は4社あります。4社とも、浮いた時間か媒体との連携などの機能を、スカウトや自社サイトからの応募、紹介会社との連携に使っていました。</p><p>どれも提供元が選んで公開した事例で、数字には担当者の実感が混じります。導入して数字が悪化した会社は入っていない前提で読むと、判断を誤りません。</p><h2 id="h2d98ac9c9a">10社の導入前と導入後を1つの表で見る</h2><p>製品は、ハーモス採用（HRMOS）とペルソナ（PERSONA）の2つです。各社の事例ページにある導入前と導入後の記述を要約して並べ、数値は原典のまま載せました。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>企業</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>製品</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>導入前</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>導入後</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>アイシン</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>HRMOS採用</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>書類選考から面接オファーまで1週間程度</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1〜2日</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>ふくおかフィナンシャルグループ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>HRMOS採用</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>人材紹介会社経由が7〜8割</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>4割</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>WyL</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>HRMOS採用</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>人材紹介会社経由の採用が7割</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>5割弱</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>日鉄鉱業</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>PERSONA</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>紹介から1次面接の日程確定まで1週間〜1週間半</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2〜3日（体感）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>ビザスク</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>PERSONA</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>数値の集計に毎週2時間</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>10分</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>リノベる</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>PERSONA</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>数値の加工に毎回1時間以上</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>20分程度</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>メルディア</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>PERSONA</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>手動登録に毎日最大1時間</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>ほぼゼロ</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>一休</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>PERSONA</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>日程調整を目視とメールで実施</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>スムーズな案件で1/3強の削減</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>Quest Research</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>PERSONA</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>集計の手作業の修正に毎週1時間ほど</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>20分程度（体感）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>Skillnote</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>PERSONA</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>候補者登録を手作業で実施</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>事務作業の80〜90%がなくなった（実感）</p></td></tr></tbody></table><p>出所：「HRMOS採用 導入事例」「PERSONA 導入事例」の各社ページ（10社・2026年9月26日確認）をもとにOffers集計。</p><p>同じ条件で測った比較ではありません。自社に当てはめるときは、数字の大きさより「どの作業の時間が減ったか」を見るほうが実用的です。</p><h2 id="h77db1506fc">減ったのは登録・集計・日程調整の3つの事務</h2><p>10社が数字で示した変化を作業の種類で分けると、次の4つに収まります。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>変化した作業</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>数字で示した会社</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>社数</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>候補者の登録・入力</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>メルディア・Quest Research・Skillnote</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>3社</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>数値の集計</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>ビザスク・リノベる・Quest Research・一休</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>4社</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>日程調整と選考期間</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>アイシン・日鉄鉱業・一休</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>3社</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>採用経路・応募数</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>ふくおかフィナンシャルグループ・WyL・リノベる・メルディア</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>4社</p></td></tr></tbody></table><p>出所：上の10社の事例ページにある数字を、Offersが作業の種類ごとに数え直した。</p><p>Quest Researchや一休のように、2つの作業で数字を出した会社もあります。ビザスクの「日程調整と数値分析の効率化で月に24時間の工数削減」は2つを合わせた数字で、日程調整だけの数字は無いため、集計の行にだけ数えました。上の3行はどれも事務の時間で、面接や合否の判断にかかる時間は含みません。</p><h3 id="h7414de1cd0">候補者の登録は「ほぼゼロ」になった</h3><p>登録の時間が減った3社は、求人媒体やスカウト媒体からの応募を手で打ち込んでいました。</p><p><a href="https://www.web.persona-ats.com/cases/meldia">PERSONAのメルディアの事例</a>では、手動登録だけで毎日最大1時間を使っていました。乗り換え後、手動の作業はほぼゼロです。</p><p><a href="https://www.web.persona-ats.com/cases/questresearch">Quest Researchの事例</a>は、スカウト媒体5〜6のうち自動連携できるのが半分程度でした。残りは1人あたり10分かけて手入力し、毎月3時間弱になっていた作業がゼロになりました。</p><p><a href="https://www.web.persona-ats.com/cases/skillnote">Skillnoteの事例</a>では、候補者登録にかかる事務作業は、80〜90%がなくなったという実感です。</p><h3 id="h0015234164">数値の集計は4社とも20分程度までに縮んだ</h3><p>集計の時間が減った4社は、いずれも前のシステムの集計に手作業が残っていました。</p><p><a href="https://www.web.persona-ats.com/cases/visasq">ビザスクの事例</a>では、書き出したデータ（CSV）のダウンロードとExcelでの加工に毎週2時間かかっていました。乗り換え後は10分です。分析に触れられるのが実質2名だった状態から、採用担当者全員が数字を見られるようになりました。</p><p><a href="https://www.web.persona-ats.com/cases/renoveru">リノベるの事例</a>では、前のシステムの集計の型が固定されていて、加工に毎回1時間以上かかっていました。乗り換え後は20分程度です。リノベるはHRMOS採用の事例一覧にも社名が載っていますが、PERSONAの事例は乗り換え元の製品名を書いていません。Quest Researchも、報告用の数字合わせが毎週1時間ほどから、体感で20分程度になりました。</p><p>一休は、導入前に週に数時間かけていた集計が、導入後はほぼゼロになりました。集計が短くなると、歩留まりを見て手を打つまでの間隔も縮みます。段階ごとの通過率の置き方は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/hiring-funnel-conversion">採用の歩留まり｜計算式と段階別の基準値の置き方</a>で扱いました。</p><h3 id="haf4897cc44">日程調整が縮むと、選考期間も縮む</h3><p>日程調整の時間が減った会社では、選考にかかる日数も短くなっています。</p><p><a href="https://hrmos.co/info/customers/260623-2/">HRMOS採用のアイシンの事例</a>では、書類選考から面接オファーまで1週間程度かかっていました。カレンダーとの連携で日程調整の手間が減り、1〜2日で展開できるようになっています。初期選考のリードタイムは約5分の1です。</p><p><a href="https://www.web.persona-ats.com/cases/nittetsukou">日鉄鉱業の事例</a>では、中途採用の選考がトータルで3か月ほどかかっていました。「もう他社で決まりました」という辞退も数多く出ていたそうです。導入後、紹介を受けてから1次面接の日程が決まるまでが、1週間〜1週間半から体感で2〜3日に縮んでいます。12月下旬に公開した求人が2月頭に内定まで進み、実質1か月程度で決まった職種もありました。</p><p><a href="https://www.web.persona-ats.com/cases/ikkyu">一休の事例</a>では、日程調整の工数がスムーズな案件で1/3強減りました。調整が難航する案件は、体感で10から1になったと語っています。</p><h2 id="h813e63a7f5">応募数や採用経路まで変わった4社</h2><p>採用管理システムが減らすのは事務の時間で、応募そのものは増やしません。応募や採用経路が変わった4社は、浮いた時間か、媒体との連携などの機能を集客に使っていました。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>企業</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>変わった数字</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>浮いた時間や機能の使い先</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>ふくおかフィナンシャルグループ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>人材紹介会社経由が7〜8割から4割、スカウト経由が4割</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>現場の担当者が月100〜200件のスカウトを送る体制と、スカウト媒体の自動連携</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>WyL</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>人材紹介会社経由の採用が7割から5割弱、自社サイトから今年度37名</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>求人を作成してWebに公開し、媒体の無料枠からの応募も自動で取り込む</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>リノベる</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>応募数が前年比約1.4倍、連携媒体が1社程度から5〜6社</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>カジュアル面談やスカウト</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>メルディア</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>応募数が前年比2倍</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>紹介会社への紹介促進施策、求人の見直し、採用広報</p></td></tr></tbody></table><p>出所：4社の事例ページ（2026年9月26日確認）の記述を並べたもの。</p><p><a href="https://hrmos.co/info/customers/260612-2/">金融グループの事例</a>では、人事の採用担当2名で毎月約400名の母集団に対応しています。そのうえで現場主導のスカウトを広げ、紹介会社経由の比率を半分近くまで下げました。</p><p>メルディアは、PERSONAが無ければ、今の採用規模をこなすために担当をあと1〜2名増やす必要があったと語っています。比べている相手は、以前から使っていた別の採用管理システムのままだった場合です。管理を仕組みに任せ、空いた人手を候補者と出会う側へ振り向けた形です。</p><p>ただ、ふくおかフィナンシャルグループ、リノベる、メルディアの3社は、社内の担当者がスカウトや紹介会社とのやり取りを増やして集客を進めました。WyLは自社サイトと媒体の無料枠からの応募で紹介会社経由の減少分を埋め、リノベるも連携媒体の追加を要因に挙げています。事務を減らしても、候補者と出会う量を増やす手はまだ人が打つ必要があります。</p><p>その部分を外部と分担する手段の1つが、<a href="https://offers.jp/client/ai-rpo?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-consult&amp;utm_content=ats-case-studies">Offers の AI RPO</a>です。母集団の形成から候補者への接触までを、AIと担当者で分担して進めます。応募を待たずに候補者へ接触する設計は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/candidate-pool-building">母集団形成とは？応募を待たない中途採用の設計</a>で扱いました。</p><h2 id="hef4c1eb8c9">乗り換えは10社中8社で、比率は事例の選び方に左右される</h2><p>10社の導入前の状態を見ると、中途採用で別の採用管理システムを使っていた乗り換えは8社でした。ただしこの比率は、筆者がどの事例を表に入れたかで動きます。同じ日に取得した提供元5社の個別の事例ページ34件のうち、表に入れたのは10件です。外した24件のうち、選んだ時点で外した理由を記録していたのは8件だけでした。</p><p>外した事例には乗り換えの事例もあります。たとえば<a href="https://www.web.persona-ats.com/cases/four-seeds/">フォーシーズの事例</a>は、以前は大手の採用管理システム（ATS）を5〜6年使っており、乗り換え後は媒体連携で週6時間以上の工数が減りました。一方で、表計算ソフトや紙などから導入した事例も外しています。例を4社挙げます。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>企業</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>製品</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>導入前の管理手段</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>事例にある変化</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p><a href="https://hrmos.co/info/customers/nitto/">Nitto（日東電工）</a></p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>HRMOS採用</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>別の用途のシステムの一部流用、表計算ソフト、メール、紙の評価</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>応募数が1.5〜2倍</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p><a href="https://hrmos.co/info/customers/kamakurashinsho/">鎌倉新書</a></p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>HRMOS採用</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>スプレッドシート、カレンダー、チャット、メール共有、業務アプリなどのツールの行き来</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>評価確認や日程調整などの時間を80％削減、応募数2倍</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p><a href="https://hrmos.co/info/customers/makuake/">マクアケ</a></p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>HRMOS採用</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>スプレッドシート</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>人材紹介会社からの紹介数が約2倍</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p><a href="https://www.web.persona-ats.com/cases/aucfan/">オークファン</a></p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>PERSONA</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>スプレッドシートと無料のATS（以前は大手のATSを使っていた時期もある）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>業務量が体感で3分の1</p></td></tr></tbody></table><p>出所：各社の事例ページ（2026年9月26日取得）。</p><p>鎌倉新書とマクアケの掲載は2023年2月ですが、事例に書かれた導入と成果は2018〜19年のものです。</p><p>Nitto・鎌倉新書・マクアケの3社は、中途採用向けの採用管理システムからの乗り換えではありません。外した事例をどう加えるかで、乗り換えの比率は上にも下にも動きます。採用管理システムを入れる会社の大半が乗り換えだという意味には読めません。</p><p>残る2社のうち、ふくおかフィナンシャルグループは表計算ソフトと紙からの導入です。日鉄鉱業は、中途採用を紹介会社とのメールや各社専用のシステムで回しており、事例で語られる「以前の採用管理システム」は中途採用では使っていなかったため、中途の乗り換えには数えていません。一休は、他社製のシステムからの乗り換えです。</p><p>8社が挙げた前のシステムへの主な不満は、次の6つに分けられます。1社で2つ以上に当たる会社も含めた数です。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>乗り換えの理由</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>挙げた会社</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>事例に書かれていた内容</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>欲しい数字が出ない</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>リノベる・Quest Research・ビザスク・一休・WyL・アイシン・Skillnote</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>数字をすぐに見られない、実態どおりに数えられない、分析機能が一部しか使えないなどで、手作業の集計や修正に時間を取られていた</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>媒体と連携できない</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>メルディア・Quest Research・Skillnote・リノベる・ビザスク</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>連携できない媒体の応募を手で登録していた</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>選考フローを変えられない</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>アイシン・WyL・リノベる・Quest Research</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>応募前の面談の追加、工程の省略、自社の工程名など、自社のフローを固定の工程に載せられなかった</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>料金</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>メルディア・リノベる</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>料金の見直し、コスト増への課題感が移行のきっかけになった</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>権限を細かく分けられない</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>WyL・Quest Research・ビザスク</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>求人や項目ごとに閲覧の範囲を分けられず、情報の共有に手間や懸念があった</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>日程調整に手間がかかる</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>一休・ビザスク・アイシン</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>目視とメールでの調整、50個以上の日程調整リンクの管理、カレンダーと連携できないことによる連絡の往復</p></td></tr></tbody></table><p>出所：8社の事例ページに書かれた導入前の課題を、Offersが6つに分類し直した。</p><h3 id="h61c76c9f99">最も多いのは「欲しい数字が出ない」</h3><p>8社のうち7社が挙げた不満で、中身は主に「数字をすぐに見られない」と「自社の選考の実態と、システムの数え方が合わない」の2つです。Skillnoteのように、契約プランによって分析機能が一部しか使えなかった会社もあります。</p><p>Quest Researchでは、リファラル経由の候補者がいきなり最終面接に進むことがあります。前のシステムは選考ステップを飛ばせず、報告のたびに実態と合わない数字を手で直していました。</p><p>リノベるは、前のシステムの集計の型が固定されていて、欲しい数字を出すたびにデータを加工していました。ビザスクは、数字をタイムリーに見られないことを課題に挙げています。</p><h3 id="hca4a7acbed">連携と工程の不満は、採用の拡大で表に出る</h3><p>媒体と連携できない不満は、使う媒体が増えるほど手入力が膨らみます。Quest Researchは5〜6媒体のうち半分程度が手入力でした。</p><p>工程の不満は、採用のやり方を変えたときに出ます。アイシンは紹介会社に加えてスカウトを始め、応募前にカジュアル面談を入れるようになりました。従来のシステムは応募から入社までしか管理できず、この工程を載せられなかったといいます。</p><p><a href="https://hrmos.co/info/customers/260615-2/">WyLの事例</a>では、昨期45名程度だった採用を、今期は年間200名規模へ広げる計画でした。旧システムでは選考の通過率が出せず、どこで詰まっているかが見えなかったため、拡大が本格化する前に乗り換えを決めています。</p><h3 id="h301292a697">移行にかかった期間は1か月から1か月半</h3><p>乗り換えの負担として気になるのが移行の期間です。事例に期間が書かれていたのは2社でした。</p><p>リノベるは約1ヶ月、新旧のシステムを並行して動かし、その間に社内マニュアルと設定の調整を済ませています。Skillnoteは週1〜2回の打ち合わせを重ね、約1ヶ月半で移行を終えました。</p><h2 id="h5ccd419496">導入や乗り換えの前に、1週間でやる3つのこと</h2><p>10社の事例から逆算すると、比較表を見る前に自社の数字を持っておくのが近道です。</p><h3 id="hd7cc3ecb97">1. 3つの事務に使った時間を1週間記録する</h3><p>登録・集計・日程調整のそれぞれに、1週間で何分使ったかを担当者ごとに書き出します。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>事務</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>記録すること</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>製品で確かめる機能</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>候補者の登録</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>手で入力した件数と、1件あたりの分数</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>使っている媒体すべてと自動で連携できるか</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>数値の集計</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>報告用の数字を作るのにかかった時間</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>自社の選考の数え方のまま数字を出せるか</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>日程調整</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1件の面接が決まるまでの往復の回数</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>カレンダーやWeb会議ツールと連携できるか</p></td></tr></tbody></table><p>メルディアの毎日最大1時間、ビザスクの毎週2時間のように、導入前の数字があれば、導入後の効果を同じ物差しで比べられるはずです。</p><h3 id="h56309fb4e0">2. 今後増える選考工程を書き出す</h3><p>アイシン・WyL・リノベる・Quest Researchは、固定の工程に自社のフローが収まらないことを乗り換えの理由に挙げていました。応募前の面談やスカウト経由の選考など、半年以内に増えそうな工程を書き出し、デモで登録できるかを試しておきます。</p><h3 id="h55380f9a04">3. 浮いた時間の使い先を決めておく</h3><p>応募数や採用経路まで変わった4社は、浮いた時間か連携などの機能の使い先が決まっていました。1で記録した時間のうち何時間をスカウトや紹介会社との連携に回すかを、導入前に決めておきます。</p><p>採用管理システムの定義や、求職者の個人情報について企業が負う法令上の義務は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/ats">ATS（採用管理システム）とは？法令上の義務と選定基準</a>にまとめました。</p>

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## [Jevを採用活動で使う方法｜工程別の当てはめ方](https://hr-media.offers.jp/articles/jev-recruiting)

**公開日**: 2026-09-22
**著者**: 鈴木 裕斗
**カテゴリ**: 採用

<p>採用の実務は、文章を書く仕事より、仕分ける仕事のほうが件数が多くなります。この候補者は要件に合うか。この会社は今回の対象か。この問い合わせは誰に回すか。答えはどれも、はい/いいえか、決まった選択肢の中にあります。</p><p>こうした仕分けに向けて設計されたモデルが2026年9月に出ました。TypeSafe AI の Jev です。文章を一切生成せず、型を決めた問いに対して確率つきの判定だけを返します。</p><p>以下、Jevを採用活動のどの工程に、どういう形で当てられるかを工程順に見ていきます。実装の手順書というより、人事の側が「自社のどこに置けるか」を見積もるための地図に近い内容です。</p><h2 id="hd469e3cb83">Jevは文章を書かず、判定だけを返す</h2><p>一般的な大規模言語モデルは、問いに対して文章を返します。「この応募は要件を満たしていますか」と聞けば、「満たしています。理由は……」という文が返る。そこから「満たす/満たさない」を取り出す工程が、必ず後ろに要るわけです。</p><p>Jevはこの工程を省きました。返すのは選択肢か点数か確率だけで、そのまま業務システムの条件分岐に渡せる形になっています。</p><p>当社が9月20日に公表した資料では、対応する判定の種類として分類・振り分け・採点・抽出・分岐の5つを挙げました。応答時間は70〜500ミリ秒。既存の大規模言語モデルと比べて40〜200倍速いとされています。料金は入力100万トークンあたり0.042ドルで、出力には料金がかかりません。当社は同じ日に、Jevを Offers のスキル登録にも追加しています。</p><p>出所: <a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000346.000053307.html">株式会社overflow『Offers、公開から5日の新AIモデル「Jev」をスキル登録に追加』</a>（2026年9月20日公表）。</p><h3 id="hd4fb3529a7">できないこともはっきりしている</h3><p>導入の検討で誤解が生まれやすいので、先に書いておきます。</p><p>Jevは文章を作れません。スカウト文面の下書きも、面談メモの要約も、不採用通知の文言も、このモデルでは書けない。判定の理由を文章で説明させることもできません。返るのは選択肢と数字だけです。</p><p>「なぜそう判定したのか」を知りたい場合は、問いを分割します。ひとつの問いで総合判定を出すのではなく、「必須要件Aを満たすか」「必須要件Bを満たすか」と個別に聞けば、どこで落ちたかが構造として分かる。文章で理由を語らせる代わりに、問いの立て方で説明を作る形になります。</p><p>型に収まった値しか返らない点は、利点でもあります。選択肢を3つ与えれば、返るのはその3つのどれかで、存在しない4つ目が出てくることはありません。ただし<strong>型に収まることと、中身が合っていることは別の話</strong>です。与えた選択肢の中から、間違ったものを選ぶことは起こります。</p><h3 id="h90e2ea1e0c">投げられる問いは3種類</h3><p>公式ドキュメントが定義している問いの型は3つです。この3つで、採用の仕分けはほぼ表現できます。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>型</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>何を聞くか</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>返るもの</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>採用での例</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>Noul</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>この記述は正しいか</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>0から1の確率</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>必須要件を満たす経験があるか</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>Choice</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>並べた選択肢から1つ選ぶ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>選んだ選択肢・各選択肢の確率・確信度</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>この応募はどの職種か</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>Score</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>基準に沿って点数をつける</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>点数・確率の分布・確信度</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>募集要件との近さは何点か</p></td></tr></tbody></table><p>出所: <a href="https://docs.typesafe.ai/introduction">TypeSafe AI 公式ドキュメント『Introduction』</a>（2026年9月21日確認）。</p><p>公式ドキュメントによれば、同じ材料に対して複数の問いが並行して評価されます。1件の応募に対して「必須要件を満たすか」「どの職種か」「どのチームに回すか」をまとめて投げられる、ということです。</p><p>どの型でも確率が一緒に返る点は、後で触れる線引きの前提になるので覚えておいてください。</p><h2 id="h903b32af94">採用活動のどこに当てはまるか</h2><p>工程ごとに整理すると、当てはまる場所は5つに分かれました。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>工程</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>投げる問い</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>型</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>人に残すもの</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>母集団形成</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>この企業・候補者は今回の対象か</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>Choice / Noul</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>誰に声をかけるかの最終判断</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>書類選考</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>必須要件を満たす経験があるか</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>Noul / Score</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>合否そのもの</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>振り分け</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>この応募・問い合わせはどの窓口か</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>Choice</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>例外的な案件の扱い</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>文面の点検</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>この求人票は社内規定や法令に反していないか</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>Noul</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>表現の最終決定</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>データ整理</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>この記録はどの区分か</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>Choice</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>区分そのものの設計</p></td></tr></tbody></table><p>以下、それぞれの当てはめ方を順に見ていきましょう。</p><h2 id="hc11248fdb6">母集団形成で対象を絞り込む</h2><p>スカウトの送り先や、営業でいう対象リストにあたる部分です。</p><p>ここでJevに渡すのは、企業サイトの本文や候補者のプロフィールといった、公開されているテキストになります。聞くのは「この企業は自社でソフトウェアを開発しているか」「この候補者は募集職種の経験を持つか」といった、テキストを読めば分かる問いです。</p><p>母集団形成の工数は、対象を広げるほど増えます。人が1件ずつ見る前に確度の高いものだけを残せれば、後工程に回る件数が減る。ここがJevの置きどころになります。</p><p>投げる問いは、こういう形になります。</p><ul><li>Choice「この企業の主な事業はどれか」。選択肢は 自社プロダクト開発／受託開発／SIer／非IT</li><li>Noul「この候補者は、募集職種と同じ領域での実務経験を持つか」</li><li>Score「募集要件との近さを0から4で採点する」。4は必須要件をすべて満たす、0は領域が異なる</li></ul><p>注意したいのは、選択肢の設計が結果を決めることです。「テック企業か、そうでないか」の2択にすると、自社サービスも受託も両方やっている会社が必ずどちらかに寄ります。境界にいる相手をどう扱うかを先に決めておかないと、判定が割れたときに手が止まります。</p><p>母集団形成の考え方そのものは<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/candidate-pool-building">母集団形成とは？応募を待たない中途採用の設計</a>で整理しました。</p><h2 id="h411a80b99b">書類選考で要件と突き合わせる</h2><p>いちばん期待が集まる工程ですが、置き方に注意が要ります。</p><p>職務経歴書に書いてあること、つまり使った技術、担当した範囲、経験年数は、書類の中で完結しています。「Pythonでの開発経験が3年以上あるか」をNoulで聞けば、根拠は目の前のテキストにある。Scoreを使えば「募集要件との近さ」を点数で返させることもできます。</p><p>一方、書いていないことは当たりません。自社の進め方に合うか、入社後に伸びるか、チームで機能するか。これらは職務経歴書に書かれていないので、どれだけ確信度が高く返ってきても、モデルは材料なしに答えていることになります。</p><p>ここから引ける線がひとつあります。<strong>書類に書いてある事実の突き合わせは任せられる。書類から読み取れない資質の推測は任せられない。</strong> 実務では、この線を引いてから工程を設計することになるでしょう。</p><p>問いの書き方でいうと、次のように分かれるでしょう。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>投げてよい問い</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>投げても当たらない問い</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>必須要件に挙げた技術の実務経験が記載されているか</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>当社のカルチャーに合いそうか</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>マネジメント経験の年数が3年以上と読めるか</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>入社後に伸びそうか</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>募集ポジションと同じ業界での経験があるか</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>転職理由に懸念はないか</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>応募書類に必要な項目がそろっているか</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>志望度は高そうか</p></td></tr></tbody></table><p>右の列を投げると、モデルは書かれていない情報を補って答えます。しかも確信度が低く返るとは限りません。材料が無いときほど、自信を持って外すことがある。ここが運用上いちばん危ないところでしょう。</p><h2 id="h4502ec204a">どの窓口に回すかを振り分ける</h2><p>応募、問い合わせ、面談リクエスト。入口が複数あると、受けた側が仕分ける手間が増えます。</p><p>Choiceで「この問い合わせはどの職種か」「どの段階の相談か」を聞けば、回す先は決められます。文面の中に職種名や相談内容が書かれていれば、材料は足りている。</p><p>振り分けの誤りは後工程で気づけます。間違った窓口に届いても、受け取った側が回し直せば済む。取り返しがつく工程なので、自動化の線を比較的ゆるく引けます。</p><p>間違えたときに何が起きるか。これは置き場所を決めるもうひとつの軸になります。</p><p>振り分けを外しても、失うのは回し直す手間だけです。求人票の点検を外しても、書き手に不要な警告が出るだけで、公開前に人が判断します。ところが書類選考の絞り込みを外すと、本来会うべきだった人に会わないまま終わります。落としたことは記録に残っても、落とさなければどうなったかは誰にも分からないままです。</p><p>間違いが後工程で拾える場所には自動化を置きやすく、拾えない場所では精度が高くても人が全件見る。工程ごとに線の高さを変える理由がここにあります。</p><h2 id="h3e3dfe636e">求人票とスカウト文面を点検する</h2><p>求人票やスカウト文面が、社内の方針や法令の線を越えていないかを見る工程です。</p><p>この用途がJevに向くのは、検査したい文章そのものを渡すためです。材料が欠けることがありません。Noulで「この文章は年齢や性別を条件にしていないか」「自社の表記ルールに反していないか」と聞けます。</p><p>語のリストによる検査では、禁止語を避けて同じ意味を書いた文が通ってしまいます。意味を読むモデルなら、言い換えた表現も検査の対象にできる。ここは従来の仕組みとの差が出やすいところでしょう。</p><p>求人票そのものの書き方は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/job-posting">求人票とは？記載事項と食い違いを防ぐ書き方</a>にまとめてあります。</p><h2 id="h03a0db2726">選考記録を区分してデータにする</h2><p>面談メモ、選考コメント、候補者からの質問。蓄積はされていくものの、区分が付いていないと後から掘り返すのに手間がかかります。</p><p>Choiceで区分を付けておけば、後で「どの理由での辞退が多いか」「どの質問が繰り返されているか」を集計できるようになります。分析のための下ごしらえにあたる工程です。</p><p>この用途は、間違えたときの損失がいちばん小さくなります。区分を外しても、集計の精度が少し落ちるだけで、誰かの機会が失われるわけではありません。導入の練習として置くなら、ここから始めるのが安全でしょう。</p><p>区分の設計そのものは人の仕事として残ります。何を数えたいかを先に決めてから、その単位で区分を作ることになります。</p><h2 id="h93cccd7ee1">生成AIとの使い分け</h2><p>どちらかを選ぶ話にはなりません。工程ごとに置き分けます。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>採用の仕事</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>向くもの</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>理由</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>スカウト文面の下書き</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>生成AI</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>出力が文章そのもの</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>面談メモの要約</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>生成AI</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>答えが型に収まらない</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>対象企業・候補者の絞り込み</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>Jev</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>答えが決まった選択肢の中にある</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>求人票の表記チェック</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>Jev</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>答えが「反している／いない」の2値</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>問い合わせの振り分け</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>Jev</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>回す先が決まっている</p></td></tr></tbody></table><p>実務では、両方を直列に置く形が多くなります。判定で件数を絞り、残ったものだけを生成AIか人に回す。順序が逆だと安さの利点が消えるので、判定を前に置くのが基本です。</p><h2 id="h50e737bd14">費用の目安</h2><p>判断を試す規模では、費用が壁になりにくい水準です。</p><p>入力100万トークンあたり0.042ドル、出力は無料。日本語のテキストは1文字あたりおよそ1トークン前後で数えられるので、職務経歴書1件を2,000字として、1件あたり約2,000トークンになります。</p><p>これで1,000件を判定すると、200万トークンで約0.084ドル。1件あたり0.1円に届きません。複数の問いを同時に投げても、材料のテキストは共通なので、増えるのは問い文のぶんだけです。</p><p>出所: 単価は<a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000346.000053307.html">株式会社overflow『Offers、公開から5日の新AIモデル「Jev」をスキル登録に追加』</a>（2026年9月20日公表）。件数あたりの試算は、その単価から本記事で計算した値です。</p><p>速度上限も、採用の実務で当たる水準にはありません。当社が使っている直販の経路では1分あたり1,200リクエストです（提供元は需要に応じて変わると明記しています）。1日数十件から数百件の応募を扱う規模なら、上限は視野に入ってこないでしょう。</p><h2 id="h5cc47316d0">使うときの4つの設計</h2><p>どの工程に置くにしても、設計として決めておきたいことが4つあります。</p><h3 id="h52dd3be844">確信度で自動化の範囲を切る</h3><p>Jevは判定と一緒に確率を返してきます。この数字を使って、自動で確定させる範囲と人に回す範囲を分けましょう。</p><p>たとえば確信度0.8以上を自動確定、それ未満は人が見る、という切り方です。全件を人が見るのと比べて対象が減り、しかも減った分は「機械が自信を持っていた分」になります。</p><p>線をどこに引くかは、題材ごとに変わります。移せるのは数字ではなく、<strong>確信度の高い範囲と低い範囲で正答率がどれだけ違うかを、自社のデータで先に測る</strong>という手順のほうでしょう。</p><p>測り方は単純です。過去の判断を正解として100件ほど判定させ、確信度で並べ替える。正解した件の確信度と、外した件の確信度が離れていれば、そのあいだに線を引けます。両者が重なっていたら、その題材では確信度が使えません。材料を足すか、問いを書き直すか、そもそも機械に渡さないかを選ぶことになります。</p><p>線は片側だけに引くこともできます。求人票の点検なら「違反の確率が高いときだけ警告を出す」という運用です。誤検知は書き手の手を止めるので、確信が高いときしか鳴らさない。逆に「違反ではない」側は何も起こさず、従来どおり人が見る。この形にしておけば、導入しても現場の手順は今までのままで済むはずです。</p><h3 id="hb52c2f4d3e">判定が止まっても業務を止めない</h3><p>鍵の失効も、通信の失敗も起こり得ます。判定が返らなかったときに採用の工程が止まる設計にすると、速くするための仕組みが業務の弱点になってしまうでしょう。</p><p>判定が得られなければ従来どおり全件が人に回る。この逃げ道を作っておけば、提供元が落ちた日も採用は回ります。</p><h3 id="h533c73a4ea">何を機械が決めたかを残す</h3><p>採用の文脈では、これがいちばん重くなります。</p><p>誰の応募が、どの工程で、何を根拠に絞られたのか。記録が無ければ、後から説明できません。判定の結果と、そのときの確信度と、どの問いを投げたかを残しておく。求職者への説明責任にも、社内の振り返りにも、この記録が要ります。</p><h3 id="h820e6b524c">基準を変えたら測り直す</h3><p>募集要件は動きます。必須スキルが変わる、対象年次が変わる、ポジションが増える。そのたびに問いと基準文の見直しが要ります。</p><p>見直したあとは、同じデータで測り直す。基準文をひとこと変えただけで判定が動くことがあるためです。「経験が豊富か」を「同じ領域で3年以上の実務経験があるか」に書き換えると、返ってくる答えは変わります。どちらが正しいかではなく、自社がどちらを聞きたかったのかを確かめる作業になります。</p><p>モデルの版が上がったときも同じです。提供元が新しい版を出したら、切り替える前に手元のデータで比べる。精度が落ちても判定は静かに返り続けるので、比べる工程を挟まないと気づかないまま運用が続きます。</p><h2 id="hd385d33cc0">説明責任をどう持つか</h2><p>採用でAIを使うときに、速さや費用より先に問われるのがここです。</p><p>求職者から「なぜ落ちたのか」と聞かれたとき、答えられる状態になっているか。社内で「この絞り込みは妥当か」と問われたとき、根拠を示せるか。どちらに答えるにも、判定の記録が要ります。</p><p>実務で持っておきたい記録は3つあります。どの問いを投げたか、どういう基準文だったか、返ってきた確信度はいくつだったか。この3点があれば、後から判断の再現ができます。</p><p>法規制の側の動きは<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/ai-hr">AI人事とは？人事のAI利用39%、5領域と法規制</a>に整理してあります。採用は人の機会に直接関わる領域なので、規制の対象になりやすい分野です。導入の検討と並行して、自社が何を説明できる状態にしておくべきかを確かめておくとよいでしょう。</p><h2 id="h4dd742027c">任せない線引き</h2><p>採用は人の人生に関わる判断です。速くなるからという理由だけで機械に渡すと、後で立ち行かなくなります。</p><p>任せないほうがよいものを挙げておきます。</p><ul><li>合否そのもの。落とした理由を説明できなくなります</li><li>評価の点数化を最終結果にすること。Scoreは参考値として使い、決めるのは人が行う</li><li>カルチャーフィットの判断。書類に書かれていないので、材料がありません</li><li>取り返しのつかない連絡の送信。不採用通知のような、送ってしまうと戻せない操作</li></ul><p>逆に言えば、人が最後に見る前の絞り込みと、人が見落とす点検。この2つがJevの置きどころでしょう。</p><p>自社の採用がどの工程でつまずいているかを外形的に見るには、<a href="https://service.offers.jp/client/hiring-check/?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-light&amp;utm_content=jev-recruiting">エンジニア採用力チェック</a>が使えます。5つの指標で募集から入社までの状態を採点するので、仕分けを機械に渡す前に、どこに手をつけるべきかを確かめられます。</p><h2 id="h58e49986ac">つまずきやすい置き方</h2><p>導入がうまくいかないとき、原因はモデルの性能ではなく置き方にありました。</p><p>答えが材料に無い問いを投げている。 いちばん多い型です。判定の精度が上がらないとき、まず疑うのは問いの内容ではなく、渡しているテキストに答えが書かれているかどうかになります。</p><p>選択肢が排他的になっていない。 「Webエンジニア」「バックエンドエンジニア」を並べると、どちらにも当てはまる候補者で判定が割れます。選択肢は重ならないように設計する必要があります。</p><p>基準文が曖昧なまま件数を増やしている。 100件で精度が出ないものは、1,000件でも出ません。件数を増やす前に、基準文を書き直すほうが近道でしょう。</p><p>判定を最終結果として扱っている。 人が見る前の絞り込みとして置いたはずが、いつのまにか誰も見ないまま確定している。運用に入ってから起きやすい崩れ方です。</p><h2 id="h198c9d49ae">どの工程から始めるか</h2><p>5つを同時に始める必要はありません。優先順位は、次の2つの掛け合わせで決まります。</p><p>ひとつは、正解データがすでにあるか。過去の判断が記録として残っている工程ほど、早く測れます。書類選考の合否や、レビューで差し戻した求人票は、たいてい残っています。</p><p>もうひとつは、間違えたときに後工程で気づけるか。気づける工程から入れば、失敗しても損失が小さく収まります。</p><p>この2つで並べると、多くの会社では「データ整理」か「振り分け」が最初に来るでしょう。どちらも記録が残りやすく、外しても取り返しがつきます。ここで問いの書き方と確信度の扱いに慣れてから、書類選考のような重い工程へ進む。この順で登るほうが、途中で止まりにくい。</p><p>逆に、いきなり書類選考から始めると、正解データの整備と説明責任の設計を同時にやることになるでしょう。できなくはないものの、最初の一歩としては重い。</p><h2 id="h0742f4a025">始め方</h2><p>導入の前に踏んでおく順番があります。</p><p><strong>まず、正解データを探します。</strong> 過去に人が書類選考で付けた合否。スカウトを送った企業と送らなかった企業。求人票のレビューで差し戻した箇所。採用の現場には、業務の副産物として判断の記録が溜まっているものです。新しく作らなくても、たいていは手元にそろっているでしょう。</p><p><strong>次に、問いと基準文を書きます。</strong> ここが精度を左右します。「この応募は要件を満たすか」だけでは足りません。満たすとはどの状態か、満たさないとはどの状態かを、書類に書かれている言葉で書き分ける必要があります。</p><p>この作業は要件定義そのものです。人が判断していたときは「見れば分かる」で済んでいたものが、書き出してみると担当者ごとに違っていた、ということも起こります。機械に渡せるかどうか以前に、この整理自体に価値があるでしょう。</p><p>そのうえで、しばらく両方を動かします。 従来の工程と判定を並行させて、食い違った件だけを見る。食い違いが確信度の低い側に寄っていれば、線の位置を変えれば済みます。寄っていなければ、渡している材料が足りていないので、件数を増やしても結論は変わりません。</p><p>費用は判断の妨げになりません。入力100万トークンあたり0.042ドル、出力は無料です。数百件を試す程度なら、金額は判断材料に入ってこない水準でしょう。先に重くなるのは、正解データを整える人手のほうです。</p><p>なお、当社でもいくつかの仕分け業務で試しました。うまく当たった題材と、確信度を上げても実用に届かなかった題材の両方があります。分かれたのは、渡したテキストの中に判断の根拠が書かれていたかどうかでした。</p><h2 id="hd052273c33">採用要件としてのJev</h2><p>最後に、労働市場の側にも触れておきます。</p><p>当社がJevをOffersのスキル登録に追加したのは、公開から5日後でした。求職者がプロフィールに登録でき、企業が募集の際にスキル条件として指定できます。</p><p>新しいモデルが出てから、それを扱える人を求人票に書けるようになるまでの時間は、以前より短くなっています。事業側が試している段階で、人事側も要件を動かせるかどうか。採用要件を決める立場から見ると、ここが問われる場面が増えていくのでしょう。</p><p>人事領域全体でAIがどこに入っているかは<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/ai-hr">AI人事とは？人事のAI利用39%、5領域と法規制</a>で整理しました。</p><h2 id="h5e7a4383dd">Jevを採用活動に置くなら</h2><p>Jevは、分類・振り分け・採点のような、答えが型に収まる仕事に向きます。採用の工程でいえば、母集団形成の絞り込み、書類選考での要件の突き合わせ、応募の振り分け、文面の点検、選考記録の整理の5つが当てはまります。</p><p>置くときに決めることは4つ。確信度で自動化の範囲を切ること、判定が止まっても業務を止めない形にすること、何を機械が決めたかを記録に残すこと、基準を変えたら同じデータで測り直すことです。</p><p>そして、合否そのものと、書類から読み取れない資質の判断は人が持つ。この線を先に引いておけば、速さと説明責任を両立させられます。</p><p>導入を検討するなら、精度の数字を他社から借りるより、自社の過去の判断を正解データにして測るほうが早いでしょう。材料が違えば、結果も変わります。</p>

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## [人事のAI活用事例、30件の出所を数え直した](https://hr-media.offers.jp/articles/hr-ai-cases)

**公開日**: 2026-09-18
**著者**: 鈴木 裕斗
**カテゴリ**: 採用

<p>「人事 AI活用 事例」で検索すると、10選・15選と件数を掲げた記事が並びます。どれも読みやすく、数字も具体的です。ところが、そこに並ぶ事例を社内の稟議や企画書にそのまま引き写すと、後で足元が崩れることがあります。</p><p>2026年9月18日に検索上位9本のうち取得できた7本を読み、事例を1件ずつ数え直しました（取得できなかった2本の順位は記録に残っていないため、7本は1位から7位という意味ではありません）。社名が1件も付いていない記事、原典が「見込み」と書いた数字が実績として流通している事例、出所リンクを開くと別の会社の事例ページに着く例が出てきました。</p><p>この記事は個別の会社の取り組みを語り直しません。扱うのは、公表されている事例がどこから来ていて、どこまで確かめられるのかという一点です。個社の取り組みの中身は「<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/ai-hr">AI人事とは？人事のAI利用39%、5領域と法規制</a>」にまとめてあります。</p><h2 id="h3fbc29f2d3">「事例」と名乗る記事の半分以上に、社名が1件も無い</h2><p>取得した7本のうち4本（57.1%）は、「活用事例」と題しながら社名の付いた事例を1件も載せていません。載っているのは「応募書類のスクリーニング」「勤怠データの自動チェック」といった活用シーンの列挙です。</p><p>これは誤りではありません。どの業務にAIを当てられるかを網羅する目的なら、社名は要らないからです。ただし、読み手が「事例」という言葉から期待するもの、つまり「どこの会社が、何を入れて、どうなったか」とは別物です。</p><p>内訳は次のとおり。件数は、記事が自ら名乗っている数と、本文で社名が特定できた数を並べました。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>記事</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>名乗る件数</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>社名付き</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>JAPAN AI「人事業務におけるAI活用事例10選」</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>10</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>0</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>HRプロ「人事業務でのAI活用事例を紹介」</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>6</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>5</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>ミキワメAIラボ「人事業務のAI活用事例10選」</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>10</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>10</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>モチベーションクラウド「人事業務のAIの活用事例15選」</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>15</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>0</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>サイレコ「人事AIの活用事例とは？」</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>領域別6区分</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>0</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>NTT ExCパートナー「AIの人事システムにおける活用事例とは？」</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>4分野</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>0</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>ニューラルオプト「人事におけるAI活用事例15選」</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>15</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>15</p></td></tr></tbody></table><p>出所：Offers（株式会社overflow）による検索上位のうち取得できた7本の実測（2026年9月18日時点）。</p><p>HRプロの1本は「6つの企業の事例を紹介する」と書きながら、本文に並ぶのは5社です。事例番号が4から6へ飛んでいて、5番が欠けています。件数を掲げた見出しは、そのまま信じずに数え直すほうが確実です。</p><h2 id="hdcfb51a386">社名が付いた事例は延べ30件、顔ぶれは27</h2><p>社名付きの事例を全部で数えると、延べ30件、重複を除くと27の組織になります。うち1つは自治体で、企業は26社です。重複は通信大手2社と飲料大手1社で、いずれも2本の記事に載っていました。</p><p>「人事 AI活用 事例」の月間検索ボリュームは50と小さい一方、AI導入そのものを扱う記事は多く流通しています。にもかかわらず、実名で語られている人事の事例はこの程度の数に収まります。上位を何本読んでも同じ顔ぶれに当たるのは、母集団がそもそも小さいからです。</p><p>顔ぶれには偏りもあります。27のうち、通信・電機・自動車・小売の大手と、それに準じる知名度を持つ組織が大半を占めます。掲載媒体自身が持つ製品の導入事例として出てくる5件は、いずれも上場している大手ではない組織でした。</p><h2 id="h8e646a4d1a">出所リンクの行き先は、企業自身ではなくツールベンダーが多い</h2><p>社名付き30件について、記事が付けている出所リンクの行き先を1件ずつ開きました。企業自身の公表資料に着くのは、1事例につき代表の1本で数えて3件（10.0%）です。1つの事例が複数の出所リンクを持つ分まで拾っても4件で、いずれにしても1割前後にとどまります。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>出所リンクの種類</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>件数</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>ツールベンダーの導入事例・発表</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>11</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>掲載媒体自身の製品の導入事例</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>5</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>掲載媒体自身の取材記事</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>5</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>企業自身の公表資料</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>3</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>報道・他社メディアの記事</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>4</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>公的資料</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>ベンダーの索引ページ（個別の事例ページではない）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1</p></td></tr></tbody></table><p>出所：Offers（株式会社overflow）による検索上位のうち取得できた7本の実測（n=30・2026年9月18日時点）。</p><p>ツールベンダーの導入事例は、それ自体が悪い資料ではありません。取材を経て公開され、企業側の確認も通っています。ただし公開の目的は製品の販売であり、うまくいかなかった工程や、導入にかかった期間と費用は書かれないのが通例でしょう。</p><p>注意したいのは、ITサービス大手の事例（株式会社NTTデータ）です。出所リンクはツール提供元の導入事例の一覧ページを指していて、個別の事例ページではありません。記事が書いた対象の社員数や構築期間を、そのリンクから確かめることはできません。</p><h2 id="hdf671bd578">原典が「見込み」と書いた数字が、実績として流通している</h2><p>ここからが実務でいちばん影響の出る話です。企業自身の発表まで辿れた事例のうち2件で、原典の「見込み」がまとめ記事では達成済みの数字になっていました。</p><p>ソフトバンクは<a href="https://www.softbank.jp/corp/news/press/sbkk/2020/20200525_01/">2020年5月25日のニュースリリース</a>で、動画面接の評価にAIシステムを導入すると発表しました。原文は「動画面接の選考作業にかかる時間が約70パーセント削減されることを見込んでいます」です。導入の発表と同時に出された見通しの数字で、実測値ではありません。</p><p>この70%が、上位記事では「選考工数を70%削減した事例」「約70%削減し」と、達成した成果として書かれています。ある記事は一覧表で「約70％削減され」と書きながら、同じページの本文では「削減される見込み」と正しく書いていて、1ページの中で表記が割れていました。</p><p>ファミリーマートも同じ型です。<a href="https://www.family.co.jp/company/news_releases/2024/20240418_1.html">2024年4月18日のニュースリリース</a>は「社内に生成AIを導入 関連業務時間を50％削減へ」という表題で、本文は「作業時間が約50％削減される見込みとなる業務を特定」した段階だと書いています。まとめ記事の一覧表では「約50％削減された」になっていました。</p><p>三菱電機が<a href="https://www.mitsubishielectric.co.jp/ja/pr/2026/0910_hr/">2026年9月10日のニュースリリース</a>で発表した「グローバル人財情報基盤」も、グループ約15万人分の人財データを対象に「2029年度までに整備します」という計画の段階です。発表された時点では、まだ動いていません。</p><p>発表のタイミングを考えれば無理もない話です。企業が人事のAI導入を発表するのは導入を決めた時点であり、効果を検証し終えた時点ではありません。つまり、公表されている事例の数字の多くは、設計時の見通しにとどまります。</p><h2 id="h1800e7a671">出所リンクを開くと、社名や数値が合わないことがある</h2><p>出所リンクを1件ずつ開いて原典と突き合わせると、社名と数値の対応が崩れている例も見つかりました。以下の5事例で、3つの型に分かれます。</p><p>1本目は「トヨタ自動車がカオナビでプロジェクト組成リードタイムを30%短縮した事例」です。出所リンクの先はカオナビの導入事例ページですが、掲載されているのは<strong>トヨタ自動車九州株式会社</strong>で、別法人です。しかも「30%短縮」に相当する数値はそのページにありません。</p><p>2本目は、サイバーエージェントがグループディスカッションの録画をAIで解析し、一次選考枠を150%拡大したとされる事例です。出所の<a href="https://www.ailead.app/case/cyberagent">ailead導入事例ページ</a>は「1次選考枠を前年比150%に拡大」と書いています。前年比150%は1.5倍ですが、同じページの見出しと担当者の発言は「150%拡大」とも書いていて、原典の時点で1.5倍と2.5倍のどちらにも読めます。一方、あわせて書かれている「選考官アサイン工数を約60%削減」は、原典のページにありません。</p><p>3本目は、同じ記事の「ヤマハ発動機が社内公募充足率を58%から82%に改善」と「ゲオホールディングスが人的資本開示作業を80%効率化」です。この2件は同じ1本のURLを出所として指していて、そのページは<a href="https://www.pa-consul.co.jp/talentpalette/newsletter/202002/news_11/">Talent Paletteのニュースレター（2020年2月）</a>です。どちらの社名も、どちらの数値も、そこにはありません。</p><p>4本目は、楽天グループが人事管理のクラウドサービスWorkdayを30か国70法人へ一斉に入れ、月次レポートの作成を3週間から4時間に縮めたとされる事例です。出所リンクの先は、企業でも製品提供元でもない第三者の媒体による<a href="https://casehub.news/category/insight/workday.html">CaseHUB.Newsの2024年11月18日の記事</a>です。楽天グループがWorkdayを入れた経緯は書かれていますが、「70法人」も「3週間から4時間」も、そのページにはありません。</p><p>いずれも、リンクを開けば誰でも同じ確認ができます。記事に数値と社名とリンクが揃っていても、リンクの先を見ないかぎり対応は保証されません。</p><h2 id="h24d5097e35">事例を読む前に置く基準線は、公的統計にある</h2><p>事例が偏っているかどうかは、全体の水準を知らないと判断できません。人事に限った公的統計は無いものの、企業のAI導入の水準は2つの公的調査から取れます。</p><p><a href="https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/260529_1.pdf">総務省「令和7年通信利用動向調査の結果」</a>では、デジタルデータの収集や解析のためにIoTやAI等のシステム・サービスを導入している企業は27.3%でした。前年の18.4%から8.9ポイント増えています。調査対象は常用雇用者規模100人以上の企業で、有効回収は2,489社でした。</p><p>同じ調査の資本金規模別を見ると、事例に出てくる層と、そうでない層の差がはっきり出ました。原典の区分は8つあり、下表はそのうち5つの抜粋です。省いた3区分を戻すと、導入率は資本金規模に対して一直線には上がりません。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>資本金規模</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>導入している割合</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>50億円以上（n=165）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>65.5%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>10億〜50億円未満（n=128）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>47.6%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>1億〜5億円未満（n=513）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>37.7%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>3,000万〜5,000万円未満（n=364）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>25.1%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>1,000万円未満（n=100）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>13.2%</p></td></tr></tbody></table><p>出典：総務省「令和7年通信利用動向調査の結果」（令和8年5月29日公表・図表4-7）。</p><p>中小企業側は、<a href="https://www.smrj.go.jp/research_case/questionnaire/fbrion0000002pjw-att/202603_AI_report.pdf">中小企業基盤整備機構「中小企業のAI等の利活用に係る実態調査」</a>（有効回答1,668社）が押さえています。AIを全社的に導入している企業は3.6%、一部の業務で導入している企業は16.8%で、合わせて20.4%です。導入予定はないと答えた企業が61.0%を占めます。</p><p>同じ調査で、AIを既に導入したと答えた企業に業務分野を聞くと、総務・管理部門が68.3%（n=331）で最も高く、製造・生産部門の34.9%（n=321）を大きく上回りました。人事や労務を含むバックオフィスは、中小企業でもAIが最初に入る場所になっています。</p><p>導入の目的も、事例の見出しから受ける印象とは違います。総務省の調査では、導入企業（n=738）の91.2%が目的に「効率化・業務改善」を挙げた一方、「事業の全体最適化」は34.1%でした。人事のAIも、まずは工数を削る道具として入っています。</p><p>工数を削る道具として入れるなら、自社のどの工程が詰まっているかを先に押さえるほうが順番として早いはずです。<a href="https://service.offers.jp/client/hiring-check/?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-light&amp;utm_content=hr-ai-cases">エンジニア採用力チェック</a>は、採用の現状を5指標24項目で採点し、結果は資料の形で受け取れます。どの工程を機械に任せる価値があるかの見当がつくはずです。</p><h2 id="hd37b87cdf3">事例を自社の判断に持ち帰るときの確認</h2><p>ここまでの実測を、稟議や企画書を書く前の確認事項に畳み直します。時間をかけるのは最初の3つだけで足ります。</p><p><strong>1. 出所リンクを開く。</strong> 開いて、社名と数値が両方そこにあるかを見ます。今回、原典まで辿れた分を突き合わせたところ、社名か数値が合わないものが5事例出ました。</p><p><strong>2. 見込みか実績かを見る。</strong> 原文に「見込んでいます」「削減へ」「整備します」とあれば、それは設計時の見通しです。自社の目標として置くのはかまいませんが、他社の達成実績として書くと後で訂正することになります。</p><p><strong>3. いつの話かを見る。</strong> 今回辿った出所には2022年の統合報告書のように、数年前に公表された資料が含まれます。生成AIが入る前と後では、同じ「人事のAI」でも中身が違います。</p><p>残りの2つは、持ち帰れるかどうかの判断に使うものです。ひとつは規模です。資本金50億円以上の導入率65.5%に対し、1,000万円未満は13.2%で、前提になっている社内のデータ整備と人員が違います。もうひとつは工程で、採用と評価と労務では必要なデータも法的な注意点も別物になります。</p><p>人事のAIを採用の側から進めるなら、まず自社の採用がどの工程で詰まっているかを押さえるほうが順番として先です。<a href="https://service.offers.jp/client/hiring-check/?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-light&amp;utm_content=hr-ai-cases">エンジニア採用力チェック</a>は、5指標24項目で現状を採点し、結果は資料の形で受け取れます。</p><p>工程ごとの整理は「<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/ai-hr">AI人事とは？人事のAI利用39%、5領域と法規制</a>」に、全社のAI導入の水準は「<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/ai-use-cases">AI活用事例の現在地は？導入58.0%と求人の変化</a>」にまとめました。</p><h2 id="hea0bba748f">この記事の数え方</h2><p>再現できるように手順を残します。2026年9月18日に「人事 AI活用 事例」で上位に並んだ9本のURLを取得し、うち7本の本文とページのソースを保存しました。残る2本は、1本が取得の拒否、もう1本がリンク切れで取得できず、分母から外しています。この2本が何位だったかは取得時の記録に残っておらず、復元できませんでした。</p><p>数えたのは3つです。記事が名乗る事例の件数、社名が特定できる事例の件数、そして各事例に付された出所リンクの行き先です。出所リンクは本文のテキスト抽出では落ちるため、ページのソースに書かれたリンクを直接見ました。1つの事例に出所リンクが2本以上ある場合は、記事が主として挙げている1本を代表として数えています。</p><p>原典との突き合わせは、社名付き30件のうち、企業自身の公表資料とツールベンダーの個別事例ページに着く分を優先して開きました。すべての30件を原典まで辿ったわけではないので、この記事が挙げた5事例は「見つかった分」であり、上限ではありません。</p><p>デジタル化の普及水準を事例の基準線として使う考え方は「<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/hr-dx-cases">人事DX事例の読み方｜普及水準と再現の条件</a>」と同じ組み立てです。工程別の実測は「<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/generative-ai-efficiency-cases">生成AIの業務効率化事例は議事録に集中｜工程別の実測</a>」にあります。</p><h2 id="h85f8cead1a">本記事のポイント</h2><ul><li>「人事 AI活用 事例」の検索上位から取得できた7本中4本は、社名の付いた事例を1件も載せていない。社名付きは延べ30件、顔ぶれは27組織にとどまる</li><li>30件の出所リンクのうち、企業自身の公表資料に着くのは3件。原典が「見込み」と書いた数字が実績として流通している例が2件あった</li><li>事例を読む前の基準線は公的統計で取れる。企業のAI導入は27.3%、資本金50億円以上は65.5%、中小企業は20.4%で、事例に出る層は上側に偏っている</li></ul>

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## [【イベントレポート】経営と組織をつなぐAI時代の人事のあり方 〜Claude Code全社導入を経て、KDDIアジャイル開発センター株式会社が実践する組織づくりの設計図〜](https://hr-media.offers.jp/articles/seminar_84)

**公開日**: 2026-10-02
**著者**: 鈴木 裕斗, 土橋 孝充
**カテゴリ**: イベントレポート

<p>AIで採用業務の時間を半分に減らした。それは成果でしょうか。</p><p>多くの企業がAI活用に着手していますが、事例の大半は業務効率化です。効率化それ自体を否定する人はいません。ただ、そこで止まったままでよいのかという問いが残ります。</p><p>2026年9月4日、Offersのウェビナーに、KDDIアジャイル開発センター株式会社 CHROの土橋孝充氏をお迎えしました。同社は2026年6月にClaude Codeを全社導入し、エンジニアだけでなく人事・総務を含む全社員が使っています。</p><p>弊社代表 鈴木裕斗の進行で、<strong>「効率化の先に人事は何を置くのか」</strong>をうかがいました。</p><h2 id="h3f324e6123">AIの現在地は「業務効率化」に留まっている</h2><figure><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/883da367062143ccaf9ece08e4e140e5/774e6bee80d8473093707b1badeee04b/seminar_84_1.png" alt="採用・配置異動・育成学習・エンゲージメント・労務管理・マネジメントの6領域を挙げ、AIの活用が進展するも具体成果は時間削減中心ではないかと問うスライド" width="1280" height="720"></figure><p>土橋様：まずAIの現在地についてですが、この辺りは本日ご参加の皆様の方がお詳しいでしょう。AIが人事の業務の中にもかなり溶け込んでいて、いろんなものを効率化してきていると思っています。</p><p>採用であれば書類選考のところとか、スカウトを自動生成するとか、こういったところに活用されている企業様も非常に多いのではないでしょうか。</p><p>労務管理においては、社員からのお問い合わせ対応だったり、給与計算。育成・評価のところでは、いろんなデータを分析・集計するという業務が出てきます。ここもAIを利用しやすい領域でしょう。</p><p>ここで1つ押さえたいなと思うところが、AIを活用した事例ってたくさんあると思うんですが、この業務効率化の事例であるというところが、いまの特に国内のAIの利用実績ではないかなという風に思っています。</p><p>現在のAIの人事領域における活用領域は、大体6種類ぐらいに大別されるのではないでしょうか。採用、配置異動、育成学習、エンゲージメント、労務管理、マネジメント全般ですね。</p><p>ここもですね、時間をいかに削減するか、いかに人の工数を削減していくかといったような軸で利用されている実績が、私が聞いている限りでは非常に多いかなという風に思っております。</p><h2 id="h0379b8b0ba">Claude Code を全社導入して、人事は何を作ったか</h2><figure><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/883da367062143ccaf9ece08e4e140e5/0056d0fdfd65433c967a9d4193604004/seminar_84_2.png" alt="採用選考レポート作成アプリ・人事規定問い合わせアプリ・評価集計レポート生成アプリという、Claude Codeで内製した3つの具体事例イメージのスライド" width="1280" height="720"></figure><p>土橋様：我々の会社においても、今年の6月にClaude Code、Claude Enterprise を全社導入いたしました。エンジニアのみならず、私のような人事、総務、そういったコーポレート、全社員にClaude Codeを配布し、いま利活用を進めているところです。</p><p>人事業務の中でもAIを使った業務の改善みたいなところは当然ながら取り組んでおります。あくまで一例ですが、3つご紹介したいと思います。</p><h3 id="h7a57926193">書類選考レポート、人事規定の案内、評価集計</h3><p>土橋様：1つ目は書類選考レポート作成アプリです。候補者の皆様の履歴書だったり、適性検査の結果だったり、一次面接の概要、こういったものを定型フォーマットで吐き出すような仕組みを整えることで、最終面接での候補者との対話をより解像度高く進めることができるようにしました。</p><p>2つ目は人事規定の案内です。様々な人事規定があります。それを個々に読むのはなかなか難しいので、そういったものを食わせておくことで、チャットボット形式で制度に対して答えてくれるような仕組みですね。</p><p>3つ目は評価集計レポートです。期末に部署単位での評価の分布を見ていったり、評価のブレみたいなところはどの程度起きているかといったところの点検にも使うような、こんなアプリケーションも作りました。</p><p>こちらについても、前段でお話をしたような<strong>業務効率化の域をまだまだ出ていない事例</strong>なんじゃないかなという風に思ってます。</p><h2 id="haeaa56b276">AI活用にはレベル1・2・3がある</h2><figure><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/883da367062143ccaf9ece08e4e140e5/ce1708e8c5ea44a9b53d9832cd211f88/seminar_84_3.png" alt="AI活用のレベルをLv1効率化・Lv2業務プロセス変革・Lv3経営マネジメント変革の3段階で示し、軸が効率化から経営変革へ移行していくことを表したスライド" width="1280" height="720"></figure><p>土橋様：AIの活用にはレベル段階があるかなという風に見ています。これまで述べたようなものは、1番左側のレベル1、効率化のところですね。人がやるものをAIに任せることによって、いろんなものの時間を短縮していくといったグルーピングになってくるようなものだと思っています。</p><p>だんだんその目線を<strong>レベル2およびレベル3の方に向けていかなければいけない</strong>んではないかなというところが、本日、皆さんと共に一緒に考えていきたいポイントです。</p><p>レベル2は業務プロセス変革で、AIと人の役割を業務単位で見直して再設計するもの。レベル3は経営マネジメント変革で、意思決定・事業貢献・組織運営を変革するものと置いています。</p><h3 id="h5209160148">人事の価値の本丸にAIをどう使うか</h3><p>土橋様：レベル3のところを見ていただくと、やっぱりもう人事って何のためにあるのかというところに繋がるような話なんですけども、人の意思決定を変えていく、事業に貢献していく、さらにはその先にある組織の運営の仕方も変えていく。</p><p>こういったところに人事の価値というものはあると思っているので、その人事の価値の本丸にAIをどう活用していくか、AIの価値をここにどう繋げていくかといったところが、まさに我々に課されている命題ではないでしょうか。</p><p>これまでの効率化の世界観から、経営変革への世界観に変えていきませんかという、そんなお話を今日はしていきたいと思っております。</p><h2 id="hdd8ac6a593">人事部を問い直す — 上流と下流</h2><figure><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/883da367062143ccaf9ece08e4e140e5/0c2613253f7643b38b72811913834bde/seminar_84_4.png" alt="人事の業務を上流の事業視点と下流の具体視点に並べ、上流が語れていない一方で現在の重心は下流にあることを示したスライド" width="1280" height="720"></figure><p>土橋様：人事っていうのは何をする組織なのか。ここから問い直したいんです。</p><p>従来の人事部の仕事ということで、例えば採用であり、育成であり、労務管理。こういった世界は、ある程度の自由度はもちろんあるとは思いますけれども、決められたことを改善をしながら正しく回すというところがやはり色濃く求められる領域でしょう。</p><p>昨今であれば、人的資本経営だったりウェルビーイングだったり、こういったお題が特に経営の方から色々降ってきて「これも考えなさい」みたいなお題を抱えていらっしゃって、結構人事の現場ってかなり大変になってきてるという印象です。</p><p>正確かつ迅速なオペレーションが求められてきたという中で、やっぱりまだまだそこに留まっているというか、そういった組織も、これ私のところも含めてですけども、多いんじゃないかなという風に思ってます。</p><h3 id="h68d7b9779f">上流の世界が、現場で語られていない</h3><p>土橋様：採用について考える時に、下流の方を見ていただくと、求人票を作ったり、スカウトを送ったり、面接の日程調整をしたりといったところ。これは人事担当の皆様が実際に手を動かしながらやる仕事だと思うんですけど、こういったものが具体の世界観でしょう。</p><p>一方で上流に行くと、例えば事業戦略から要員計画を作るとか、5年10年先の事業の見通しを立てるって、これも人事担当の仕事の1つだという風に思います。</p><p>ただ、なかなかこの視点を持って日々仕事をする人事パーソンって、あんまりいないかなと思ってます。<strong>この上流の世界がそんなに現場で語られてない</strong>。ここに1つ問題提起をしたいんです。</p><p>もちろん下流の実務の仕事が価値がないとか価値が低いというつもりは全くありませんし、ここがなければ組織は回っていかないんですけれども、上流の視点を持った上でこの下流の視点を進めていく、この往復が必要なんではないかなと思っています。</p><h3 id="h28dab0fd2a">反応型と思考型</h3><figure><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/883da367062143ccaf9ece08e4e140e5/f04e54db05bb40c1915d0b240f6ef749/seminar_84_5.png" alt="「人が足りない」という表面事象から直接解決策へ向かう反応型と、抽象化して本質的な課題を経由する思考型を対比したスライド" width="1280" height="720"></figure><p>土橋様：今の話に少し繋がる話を、反応型と思考型というテーマでお話しします。</p><p>例えば現場において「人が足りない」という表面事象があった時に、採用担当がそこにいれば「すごく採用しなければいけない、どんどん打っていこうぜ」みたいな。こういった表面事象から直接的な解決策に繋げていくような仕事のスタイルってあると思います。</p><p>一方で、人が足りないという表面事象に対して1段抽象レベルを上げていくと、そこに本質的な課題というものが見えてくると思います。人が足りない原因って何だろう、人が足りないことによって何が起きるんだろうというところに1つ立ち返っていく。</p><p>そうすると単なる採用ではなく、育成が必要だったり、場合によっては評価制度とか人事制度の改善が必要かもしれません。社員雇用ではなくて業務委託みたいなところの方がベターであるといった解決策も生まれてきます。</p><p>事業的な視点、事業課題を見据えていくような視点がない場合には、意外と反応型と呼ばれるような思考に陥りやすいのでしょう。なかなかこんな単純なことはないよねって思われる方もあるかと思いますが、これ私も含めて意外とこういう思考に陥ってることってあるなって、自戒も込めて書いております。</p><h3 id="hdf03af8f0f">AIに代替されやすい仕事、されにくい仕事</h3><p>土橋様：ポイントは、具体の仕事というところは、決められたルールであったり、ある程度の定型に沿って行うような業務が多いので、やはりAIに代替されやすい領域ではないでしょうか。</p><p>一方で事業視点のところは、非常に抽象度の高い世界線になってきます。いまある現場から将来にわたって仮説を立てて、人としての意思決定をそこに組み込んでいく。</p><p>こういった未来に向けての仮説検証・実行みたいなところは、まだまだAIに代替されにくい領域だと思っておりますので、ここに人間の価値が宿ってくるのでしょう。</p><h2 id="h1fb34576c8">効率化と価値創出は別の営み</h2><figure><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/883da367062143ccaf9ece08e4e140e5/4f84d220a9444f72a567c276af5f7dc5/seminar_84_6.png" alt="効率化と価値創出はまったく別の営みであり、「採用業務にかかる時間を50%削減」は新たな価値創出ではないことを示したスライド" width="1280" height="720"></figure><p>土橋様：ここからが核心です。AIによって効率化というものは進むという話は、特に前半にしたかと思います。</p><p>それと<strong>価値の創出っていうものは、まず別の営みだ</strong>という風にまず分けた方がいいかなと思っていますので、AIを使ってどう業務を変えていくんだ、どう使っていくんだといった時に、どちらの軸で語ってるのかといったところに、まず意識を向ける必要があるでしょう。</p><p>よく「採用業務にかかる時間を50%削減しました」みたいな話、よく出ると思うんですけども、これは価値創出ではなく効率化の世界になりますので、そちらの世界を語っているということをまず認識することが必要だと思ってます。</p><h3 id="h0fe399a09e">「100名採用」は成果物であって、価値ではない</h3><figure><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/883da367062143ccaf9ece08e4e140e5/81560ad18baf415bbb4be176aefca2cd/seminar_84_7.png" alt="採用・エンゲージメント・評価制度のそれぞれで、成果物と価値がどう違うかを対比した表のスライド" width="1280" height="720"></figure><p>土橋様：そもそも価値は何かという話も、ここでちょっと皆さんと考えてみたいなと思うんです。</p><p>価値っていうのは、私たちが生み出した成果物そのものではなく、それがユーザーに届いて利用されることで、提供先のユーザーの状態だったり行動・感情に望ましい変化が生まれた時に初めて成立するもの。一旦こう定義してみたいんです。</p><p>例えば活動します。それによって成果物が得られます。これは採用活動して人が採れたっていうのが活動と成果物みたいなところかもしれません。これは人事の中である意味閉じた世界ですることができることだと思うんですけども。</p><p>じゃあその先にある利用、変化、最終的な価値ですね。ここは人事の中にだけ留まっていては見えない世界だと思っています。入社した社員が社内でどのように活躍し、どのような行動を起こし、その先にいる顧客にどのような価値を届けたかみたいなところって、人事から結構遠いところにあると思うんです。</p><p>やっぱりそこに自分たちの仕事がどのように影響を及ぼしたかというところを考えなければ、価値が出せたって、価値のある仕事をしたって言えないと思うんですね。ここを価値のところまでこだわり抜くことができるかといったところは、人事として非常に大事なポイントだと思っています。</p><p>「必要な人材を100名獲得する」っていう人事目標を掲げている組織って結構多いと思いますし、なんなら私のところも意外とこうだったりします。ただ、<strong>100名獲得することって価値ではないんですね。あくまで成果物</strong>です。</p><p>100名を採用することで人事が生み出せる価値があるとするならば、適材適所の配置を行い、事業機会を逃さず、新しいサービスを生み出し、売上や顧客価値を成長させる。</p><p>ここまで人事がやり切ったかどうか、ここにちゃんと思いを寄せられるかどうかが、人事としての価値そのものに直結してくるんじゃないかなと思っております。</p><h3 id="h7bae5e7fb3">価値創出につながりそうな打ち手</h3><p>土橋様：人事として価値創出に繋がりそうな打ち手として考えているものが3つあります。</p><p>例えばスキルベースの人材配置ですね。</p><p>社内にいらっしゃる社員の方々が持っているスキル、専門性みたいなところをAIの力も借りながら可視化していき、5年後、10年後を見た事業変動に対して、その社員をどう育成していくのか、どう配置していくのかといったところを、しっかりと考え抜く力が人事には求められるでしょう。</p><p>我々がソフトウェア開発をやっているので開発生産性という言葉も挙げておりますが、いろんな人事施策をやることがその開発の生産性にどう寄与しているのか、ここもAIの力を借りながら分析していく必要がある領域だと思っております。</p><p>ポイントはどれもですね、人事が人事だけの領域で仕事をしていては成し得ることができない仕事であり価値だと思っておりますので、いかに我々が事業の言葉を理解し、実践していくか、こういったことが求められてくるのではないでしょうか。</p><h2 id="h95ab3b888c">5年後の事業を語れるか</h2><figure><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/883da367062143ccaf9ece08e4e140e5/60dfbb87ed984a5bbcc240f750c85f08/seminar_84_8.png" alt="事業がどう変わるか、必要になる組織と人材、先手を打って仕込むという3ステップで戦略人事の要諦を示したスライド" width="1280" height="720"></figure><p>土橋様：事業視点で我々がどう想像することができるかというところに尽きると思うんですよね。事業がどう変わるかというものを、<strong>これ私、最近まで結構語れなかったんですよ。</strong></p><p>5年後に我々の会社が事業環境の中でどう生き残ることができるのか。意外と人事の仕事をやってると考える機会がなかったりするので。</p><p>事業がどうなるかというものを考え抜くと、じゃあ5年後に必要な人材であり組織っていうものはどうなる必要があるのかといったところも朧げながら見えてきます。</p><p>そのために今何をしなければいけないのか、どんな人を採らなければいけないとか、評価制度もこうあらねばならない。そういったところがようやく語れるようになるんです。</p><p>これこそ<strong>戦略人事</strong>と言われるものに求められてくるものではないかなと思っています。</p><h3 id="hb91cda2183">まず人事視点で書いてみる</h3><p>土橋様：例えば市場成長性とか競争優位性みたいな軸があった時に、数年後の世の中の環境を想像した時に、なんとなくで言うとこういう形になっているんじゃないかとか。</p><p>それが自社にとってバッドともグッドとも当然ブレ幅あると思いますので、そういった時にどのような競争関係に置かれるのかというところを、まず人事視点で書いてみる必要があるかなと思います。</p><p>結構これ書くのに苦労しましたが、こういったところを知ること、想像することが、事業を知るということにも直結してくるかなと思います。</p><p>数年後の外部環境変化、世の中で色々言われてるものがあると思うんですよね。人口減少による労働供給の制約だったり、賃金・物価の上昇とか、多様化みたいなところ。じゃあその労働供給制約があった時に、人事として何を考えなければいけないか。多分採用だけではおそらくないと思います。</p><p>いろんな働き方が出てくることになると思いますので、労務の仕組みを変えなければいけない。評価の仕組みも変えなければいけない。賃金も一律なものでは叶えなくなってくる。こういったものを、いろんな事象に対して全体として人事の設計をしていかなければいけない。</p><p>それが<strong>OSとしての役割</strong>という風な表現をしておりますが、経営と人事って本当に一体のものだと思いますので、そこにどれだけ我々が近づけるか、近づくことができるかといったところも非常に問われてるかなと思います。</p><h3 id="hcfa9dec4db">AIは「無難な多数派」に収斂する</h3><figure><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/883da367062143ccaf9ece08e4e140e5/f291b4faa08c4a1999a3cfa8f23ee51c/seminar_84_9.png" alt="AIは最も確率の高い答えを生成するため回答に依存し過ぎると凡庸な人事制度ができてしまうリスクを、正規分布で示したスライド" width="1280" height="720"></figure><p>土橋様：大事だなと思うポイントを3点お話しします。</p><p>まずAIの特徴を理解するということですね。</p><p>AIってやっぱり最もらしい回答をしてくれますし、すごく適切なアドバイスだったりプランニングをしてくれるものだと思いますが、それって<strong>最善なものではなく、やっぱり無難な多数派の意見に収斂する</strong>という性質を持っているということを、やっぱり頭の隅に置いておかなければいけないかなと思うんですよね。</p><p>AIが出してくれるものをそのまま実行していると、おそらくものすごく凡庸な、差別化もできない、ありきたりの人事制度ができてしまうという構造を持っているということは、非常に押さえておかなければいけないなと思います。</p><p>2点目は今の話にも通じますが、AIを使って様々な選択肢を出すということは、皆さん当然やられているでしょう。</p><p>どれも最もらしい答えが出てくると思うんですけど、じゃあそれを自社に照らし合わせた時に、AではなくてBだっていう判断ができる人事、人というものが非常に大事になると思いますし、ここが我々に本当に求められてるところです。</p><p>じゃあ何が我々自社にとって正解で、何が不正解かっていう目利きっていうのは、具体と抽象を往復していく上で見えてくる事業・経営視点、ここ抜きにはおそらく語れないと思いますので、AIの回答に対して適切に批判をする力を身につけるためにも、事業・経営視点というものを、ぜひ持ちたいなという風に思っております。</p><h2 id="h87ed7420e4">質疑応答</h2><figure><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/883da367062143ccaf9ece08e4e140e5/b314aa9a3d9346009bddb6632484ef60/seminar_84_10.png" alt="人事メンバーへのClaude Codeの育成方法について回答するKDDIアジャイル開発センター株式会社 CHRO 土橋孝充氏" width="1280" height="720"></figure><p>――鈴木：EMから人事へ、人事経験なく着任されたということですが、私も似たような立場で今後人事に着任する予定です。土橋様が初めて人事に着任する上で実践したことなど教えていただけますか。</p><p>土橋様：私もまさにその通り、「半年後に会社を作るので君、人事やってくれ」みたいなところで、「あ、僕ですか」みたいな、割とそんな感じで始まりました。その時の人事の経験も全くなく、等級制度とか評価制度ってあんまりよく知らなかったんですよね。</p><p>まずやったのは、人事の専門家の話をいろんな方々に聞きに行きましたし、当時ジョブ型制度みたいなところが流行っておりましたので、ひたすら本を読むというところをやり始めましたね。</p><p>あとは、元々私がソフトウェアエンジニアのエンジニアリングマネージャーをやっていたので、当時の部下だったメンバーが対象にはなってくるんですけど。</p><p>彼らの話をもう1回聞きに行って「エンジニアが働きやすい人事制度って何だろうね」っていう話を、20人ぐらいにインタビューをさせていただいて、声を改めて集めました。</p><p>――鈴木：一次情報はやっぱり大事ですよね。</p><h3 id="h968ba76221">人事メンバーが Claude Code を使えるようになるまで</h3><p>――鈴木：人事メンバーがAIスキル、Claude Codeを使えるようになるまでどう育成したか、可能であれば教えてください。</p><p>土橋様：前提として、私もそんなにClaude Codeの達人では全くないので、みんなと共に学んでる、そんなレベル感だと思ってください。</p><p>その前提でやるとするならば、Claude Codeをインストールするところから、GitHubに繋ぐところからですね。私もそんなに得意なわけではなかったんですけど、一緒に「なんかうまくいかないね」みたいなところを画面を見ながらオフラインで集まってやっていく。</p><p>専門家みたいな方が来て勉強会をしようというよりは、できないものはできないなりに手を動かしていく場を作りました。</p><p>実際にATSが作れたりするじゃないですか。そういう動くものが出来上がると「あ、なんか意外と自分でもできるじゃん」っていう小さな成功体験を持ってくださると、その後は正直もう実装できているんじゃないかなと思います。</p><h3 id="hc3981f7e37">具体と抽象を往復する力は、どう身についたのか</h3><p>――鈴木：具体と抽象を往復する力を、土橋さんがどうやって磨いてきたか、あるいは磨こうとしているのかをぜひお聞きしたいです。</p><p>土橋様：ここはちょっと自然に身についたみたいなところはあるかもしれませんが、私自身が元々エンジニアバリバリで上がってきてエンジニアリングマネージャーになったタイプではないんですよ。</p><p>PMとかプロジェクトマネージャーみたいな仕事を元々やってきた中でエンジニアリングマネージャーとして関わって、いまの組織に関わっているので、自分よりメンバーの方が優秀であり専門性を持ってるという構図で7年ほど仕事を進めていました。</p><p>なので、1回抽象レベルを上げて会話するっていうのは、もうこの10年ずっとやってきたことなので、それは結果的にいまの仕事のスタイルに繋がってるんじゃないかなって思います。</p><p>――鈴木：自分が分からないからこそ抽象度を上げて理解しようとする姿勢だと思いますし、相手の方も抽象度が上がると「実はその考えはなかったな」ということもあったりしますよね。</p><h3 id="he03d1858dc">事業視点で語れるようになったきっかけ</h3><p>――鈴木：土橋さんが人事として事業視点で語れるようになったきっかけ、出来事などありましたらぜひ教えていただきたいです。</p><p>土橋様：4年前に人事へ役割を変えました。逆にそこまでは事業側にいたので、元々数字で語るとか事業の中で考えることが染み込んでいたので、ちょっと逆説的かもしれませんが、人事側に来て「事業っていう軸がない世界観だな」っていう。</p><p>事業を知らなくてもそれなりにできちゃうように見える構造だとも思うので、そこにまず違和感を持ったというところが正直なところかもしれません。「なんで事業のことをもっともっと見に行かないのかな」っていう、その違和感から持論を持つようになったということですかね。</p><h3 id="hfd967ceab4">新卒不要論のなかで、新卒採用に取り組み続ける</h3><p>――鈴木：AI活用のレベルを1・2・3と上げていっている具体的な例はありますか。</p><p>土橋様：厳しい質問ですね。難しいですね。経営視点という意味では、新卒ってすごくこだわりを持ってるポイントの1つなので、そこについて語りたいなと思うんですけども。</p><p>新卒不要論みたいな話が業界の中では鉄板のような話として扱われてるなって印象があります。ジュニアメンバーっていうものはAIによって代替できるみたいな文脈もあると思うんですけれども、これは正解かどうかの見極めは現時点では難しいのですが、<strong>新卒採用はこれからも戦略的に取り組んでいくべき大切なものだと考えています</strong>。</p><p>新卒で我々の会社の土台となるような人を育成し、育て、それは将来的にわたって会社を支える中核となるメンバーだと思っておりますので、そこのロードマップをAIの力も借りながら作成し、経営を説得したみたいな。</p><p>――鈴木：まさに人事起点で土橋さんが描く「AIによって会社は変わっていくんだ」という中で、新卒はむしろ大事であるっていうことを意思を持って、起点となって経営に上げていったっていうのが、まさにレベル3の「経営を動かす」というところに繋がってくるということですね。</p><h3 id="h173bc8babb">オペレーションに押されないための仕掛け</h3><figure><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/883da367062143ccaf9ece08e4e140e5/5f85b9a15e1c4d38ba0ece25dbfc3965/seminar_84_11.png" alt="現場のオペレーション担当への権限移譲について語るKDDIアジャイル開発センター株式会社 CHRO 土橋孝充氏" width="1280" height="720"></figure><p>――鈴木：人事のプライマリーな業務がオペレーションであり、日常的にその業務量に押されてしまうというところがあると思います。そこだけでない活動ができるような、何か組織的な仕掛けがあったかと思うんですが。</p><p>土橋様：ちょっと直接的な施策には聞こえないかもしれないんですけれども、やっぱり現場でオペレーションをやってくださってる方は、その領域のプロフェッショナルで、その方に1番の知識と専門性が宿ってると思います。</p><p>ですので、いかにその専門性を持ってる現場の方々が、自発的に「新たな仕組みを入れていきたい」という行動を引き起こすかどうか、ここに懸かってると。</p><p>「<strong>この領域はあなたが専門性を持って進める領域なので</strong>」ということを役割と共に渡して、できるだけ私は口出しをしないというか、進め方については全部決めてほしいし、何をやるかも決めてほしい。</p><p>そういう権限移譲の仕方をしていることが、結果的にオペレーションに留まらない人事チームに少しずつ近づいてる要因にはなってるんじゃないかなって思います。</p><h3 id="hd11ee009e9">次に取り組みたいのは、入社後のマッチング</h3><p>――鈴木：現状のAI活用度から見て、次に取り組みたいと考えている領域はどんな領域ですか。</p><p>土橋様：やりたいなと思うのは、マッチングって言うんですかね。</p><p>特に我々の会社は、今後も数多くのエンジニアを採用していく計画にあります。</p><p>新しく入社をしていただいた方が、より早期にオンボーディングできてチームの中でパフォーマンスを出すかっていうところのリードタイムって結構大事ですし、やっぱり人と人の仕事のコミュニケーションによるところもあると思うので。</p><p>そういったいろんな変数を集めて、入社時までに得た情報とかを突き合わせることで最適なマッチングであり、その後のオンボーディングのプログラムみたいなところを動かしていくことに挑戦したいなとは思ってます。</p><h2 id="h9be0c3393d">おわりに</h2><p>効率化の事例は、もう十分に世の中にあります。土橋氏が繰り返し置いていたのは、それを価値と呼んでいないかという問いでした。</p><p>「100名採用する」は成果物であって価値ではない。価値は、入社した人が社内で活躍し、その先の顧客に何かを届けたときに初めて成立する。人事の中だけでは見えない場所にあります。</p><p>そして、その線を引くには事業を語れる必要がある。土橋氏自身が「最近まで結構語れなかった」「結構これ書くのに苦労しました」と認めながら話していたことが、この日のいちばん具体的な示唆だったように思います。</p>

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## [面接官研修の選び方｜精度と法令と費用で絞る](https://hr-media.offers.jp/articles/interviewer-training-selection)

**公開日**: 2026-09-17
**著者**: 鈴木 裕斗
**カテゴリ**: 採用

<p>面接官研修を検討し始めると、まず出てくるのはサービスの一覧です。会社名と特徴が並びますが、そこから自社の一本を決める段になると手が止まります。比べる軸が先に決まっていないからです。</p><p>この記事では軸を3つに絞ります。面接の予測精度を上げるのか、法令上の線引きを揃えるのか、候補者の意欲を保つのか。どれを直すかで、選ぶべきカリキュラムも、必要な時間数も変わります。</p><p>この記事が出すのは、その3つの軸に数字を入れるための材料です。面接の精度を何が分けるのかを査読論文の推定値で、法令の線引きを厚生労働省の資料で、費用の設計を国の助成制度の要件で置きます。</p><h2 id="hbf931efbc5">面接官研修は、面接の進め方と評価の付け方を揃える訓練</h2><p>面接官研修とは、面接に入る担当者が、質問の設計・評価の付け方・候補者への伝え方を共通の型で行えるようにするための訓練です。対象は人事・採用担当者に限りません。一次面接を担う現場のマネージャーやリーダーが入ることのほうが多くなります。</p><p>必要になるのは、面接に入る人数が増えたときです。面接官が1人か2人のうちは、評価の基準は暗黙のまま共有されているはずです。人数が5人、10人と増えると、同じ候補者への評価が割れ、その差が採用の可否を左右し始めます。</p><p>中途採用では、この問題が早い段階で表に出ます。ポジションごとに求める要件が違うため、面接官も職種ごとに分かれ、共通の基準を持ちにくいからです。募集要件を決める工程と面接の工程が分かれていると、要件に無い観点で評価が付くことも起こります。</p><h3 id="hadd246c96b">誰まで受けさせるかは、面接の回数ではなく評価の重みで決める</h3><p>受講対象を広げるかどうかは、その面接の評価が合否にどれだけ影響するかで決めます。一次面接が実質的な足切りとして機能しているなら、一次を担う現場メンバーが最優先です。</p><p>役員面接だけを対象にする設計は、精度の観点では順序が逆になります。母集団が絞り込まれた後の面接より、多くの候補者を最初に見る面接のほうが、判断の誤りが積み上がるためです。</p><h2 id="h38489ad770">面接官研修で直すものを、着手前に1つに決める</h2><p>研修を選ぶ前に決めるのは「どの症状を直すのか」です。症状が違えば、必要なカリキュラムも時間数も変わります。</p><p>現場で挙がる症状は、おおむね次の3つに分かれます。</p><ul><li>見極めの精度がばらつく。同じ候補者の評価が面接官ごとに割れ、入社後の活躍とも噛み合わない</li><li>法令上ふれてはいけない質問が出ている。本籍や家族構成が雑談として出てしまう</li><li>候補者の意欲が面接後に下がる。選考は通っているのに辞退が続く</li></ul><p>3つを1回の研修で同時に扱う設計も可能です。ただし時間は増え、どれも浅くなりがちです。1つに絞って深く扱うほうが、研修後に現場の行動が変わったかどうかを確かめやすくなります。</p><p>面接そのものが採用工程のどこに載っているかは、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/recruitment-flow">採用フローの設計手順</a>の記事で工程ごとに整理しました。</p><h2 id="hfd190acedd">構造化面接と非構造化面接では、予測妥当性の推定値が倍以上違う</h2><p>同じ面接でも、構造化されているものとそうでないものとでは、入社後の職務遂行との関係の強さが違います。構造化面接の予測妥当性は0.42、非構造化面接は0.19で、推定値に倍以上の開きがあります。</p><p>予測妥当性とは、選考時の評価が入社後の職務遂行をどれだけ言い当てたかを示す相関の推定値です。1に近いほど、選考での評価が高かった人ほど入社後も成果を出していたことを意味します。</p><p>この数値は、Sackettら4名が2022年に Journal of Applied Psychology へ発表したメタ分析（複数の研究を統合して推定し直す手法）の表3によります。従来の推定値には母集団の絞り込みに由来する過大補正があるとして、主要な選考手法の妥当性を推定し直したものです。</p><h3 id="h47472ed3e6">構造化面接は、選考手法の中で最も予測妥当性が高い</h3><p>同じメタ分析は、構造化面接を最上位の選考手法と位置づけています。1998年の推定で最上位群とされてきた認知能力テストとワークサンプルテストは、それぞれ0.31と0.33になりました。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>選考手法</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>2022年の推定値</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>1998年の推定値</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>構造化面接</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>0.42</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>0.51</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>職務知識テスト</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>0.40</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>0.48</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>経歴データ（実証的にキー化）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>0.38</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>0.35</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>ワークサンプルテスト</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>0.33</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>0.54</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>認知能力テスト</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>0.31</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>0.51</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>アセスメントセンター</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>0.29</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>0.37</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>非構造化面接</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>0.19</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>0.38</p></td></tr></tbody></table><p>出所: Sackettら<a href="https://gwern.net/doc/statistics/meta-analysis/2021-sackett.pdf">「Revisiting meta-analytic estimates of validity in personnel selection」</a>（Journal of Applied Psychology 第107巻11号・2022年）表3。</p><p>面接の順位が相対的に上がったことには、実務上の意味があります。テストや課題を増やす前に、いま行っている面接を構造化するほうが、手をつける順序としては先になります。</p><h3 id="h721b48263e">構造化とは、質問・評価基準・進行の3つを事前に固定すること</h3><p>構造化面接とは、面接官の裁量で会話を組み立てるのをやめ、次の3つを候補者ごとに変えない形式のことです。</p><ol><li>質問項目。同じポジションの候補者には同じ質問を同じ順で聞く</li><li>評価基準。何点を付けるかの判断材料を、行動の記述として事前に定義する</li><li>進行。導入から質疑、逆質問までの時間配分を決めておく</li></ol><p>したがって、研修に求めるのは「面接の作法を教わること」ではなく「自社の質問票と評価表を作って帰ること」になります。カリキュラムを見るときは、演習の成果物として質問票と評価表が残るかどうかを確認すると、目的と合っているかを判断しやすくなるはずです。</p><h2 id="h71b7074234">法令の線引きは、研修に必ず入れる</h2><p>厚生労働省は、公正な採用選考のために「採用選考時に配慮すべき事項」を14事項として示しています。内訳は、本人に責任のない事項の把握が4、本来自由であるべき事項（思想・信条にかかわること）の把握が7、採用選考の方法が3です。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>区分</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>事項数</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>含まれるもの</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>本人に責任のない事項の把握</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>4</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>本籍・出生地／住宅状況／家族／生活環境・家庭環境</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>本来自由であるべき事項（思想・信条にかかわること）の把握</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>7</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>宗教／支持政党／人生観・生活信条／尊敬する人物／思想／労働組合・学生運動などの社会運動／購読新聞・雑誌・愛読書</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>採用選考の方法</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>3</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>身元調査などの実施／合理的・客観的に必要性が認められない健康診断／本人の適性・能力に関係ない事項を含んだ応募書類の使用</p></td></tr></tbody></table><p>出所: <a href="https://kouseisaiyou.mhlw.go.jp/consider.html">厚生労働省「公正な採用選考をめざして」</a>採用選考時に配慮すべき事項（2026年9月18日確認）。</p><p>区分の2番目には「尊敬する人物」や「愛読書」が入ります。アイスブレイクの定番として使われてきた質問です。思想・信条にかかわる事項であり、本人の適性や能力とは関係がない、というのがここに置かれている理由です。</p><h3 id="h6ad5de8d72">言い換えでは避けられないため、質問票の側を作り直す</h3><p>配慮すべき事項は、言葉を選べば聞いてよいという性質のものではありません。ご家族はお仕事をされていますか、という聞き方でも、把握しようとしている内容は変わらないからです。</p><p>そのため、この論点を扱う研修は「してはいけない質問の一覧を覚える」形では完結しません。職務遂行に必要な要件から質問を組み立て直し、そこに載らない質問を落とす作業が要ります。構造化の演習とセットで扱うほうが、工程としては自然につながるはずです。</p><h2 id="h2d68d5108d">カリキュラムは5層で組み、厚くする層で時間が決まる</h2><p>面接官研修のカリキュラムは、扱う対象で5つの層に分けられます。どの層を厚くするかは、先に決めた症状しだいです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>層</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>扱うこと</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>厚くする条件</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>役割の認識</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>面接官が見極めと動機づけの両方を担うこと</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>面接官の入れ替わりが多い</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>質問の設計</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>要件から質問票を起こす。深掘りの型</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>見極めの精度が主症状</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>評価の付け方</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>評価表の定義。面接官間のすり合わせ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>評価が面接官ごとに割れる</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>法令の線引き</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>配慮すべき事項と、質問票への反映</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>全ケースで必須</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>ロールプレイ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>模擬面接と相互フィードバック</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>時間が最も伸びる層</p></td></tr></tbody></table><p>時間数が伸びるのはロールプレイです。1人あたりの模擬面接と講評に時間がかかるため、参加人数にほぼ比例します。逆に、座学だけで組むと時間は短く収まりますが、面接の進め方は変わりにくくなります。</p><p>半日の研修で扱えるのは、実務上は役割の認識と法令の線引きまでです。質問票と評価表を作って持ち帰る設計にするなら、演習の時間を含めて1日以上を見込むことになります。</p><h2 id="h824c3cb43b">外部に出すか社内で組むかは、評価表を自力で作れるかで分かれる</h2><p>面接官研修は社内で組むこともできます。判断の分かれ目は、要件から評価表を起こす作業を自力でできるかどうかです。ここができていれば、社内の運用ルールを共有する会で足ります。</p><p>外部の研修を使う利点は3つあります。</p><ul><li>型を持っている。質問の深掘りや評価のすり合わせに、講師が手順として持っている型がある</li><li>第三者が講評する。社内の上下関係の外から模擬面接を講評できる</li><li>法令の最新の扱いを持っている。配慮すべき事項の解釈や近年の通達を追っている</li></ul><p>一方で、外部に出しても自社の要件は外部からは出てきません。どのポジションで何を見極めたいかは社内で決めるしかなく、そこが曖昧なままだと、汎用的な面接の作法を学んで終わります。</p><p>面接の質を上げる打ち手は研修だけではありません。母集団の作り方から面接設定までを外部の体制で回す選択肢も含めて検討したい場合は、<a href="https://offers.jp/client/ai-rpo?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-consult&amp;utm_content=interviewer-training-selection">Offers の AI RPO</a>で相談を受け付けています。</p><h3 id="h049c2cce20">見積もりを取る前に、4項目を社内で揃える</h3><p>研修会社へ問い合わせる前に、次の4つを決めておくと提案の精度が上がります。</p><ol><li>対象者と人数。役職と、一次・二次のどこを担うか</li><li>直す症状。見極めの精度、法令の線引き、候補者の意欲のどれか</li><li>時間数の上限。助成を使うなら10時間以上で組めるか</li><li>持ち帰る成果物。質問票と評価表を作るのか、進め方の共有までにするのか</li></ol><p>4つのうち最も抜けやすいのが成果物です。ここが決まっていないと、講義中心の提案と演習中心の提案が並び、金額だけで比べることになってしまいます。</p><h2 id="h4f24bd4bf8">提供形式は3つに分かれ、費用の単位もそれぞれ違う</h2><p>研修の提供形式は、公開講座、講師派遣、eラーニングの3つに大別できます。費用が何に比例するかが形式ごとに違うため、対象人数と開催回数を決めてから見積もりを取ると比較しやすくなるはずです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>形式</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>費用の単位</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>向く場面</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>公開講座</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>受講者1名あたり</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>対象が数名で、日程を各自が選ぶ</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>講師派遣</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1回あたり</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>対象が10名を超える。自社の質問票を題材にしたい</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>eラーニング</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>ID数・期間</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>面接官の入れ替わりが多く、随時受講させたい</p></td></tr></tbody></table><p>自社の質問票や評価表を作って帰ることを目的にするなら、講師派遣が合います。題材が自社のポジションになるためです。対象が少人数で、まず標準的な進め方を知りたい段階であれば、公開講座から始めても目的は満たせます。</p><h2 id="hf88b4ef58e">費用は「10時間」を境に、助成の対象かどうかが変わる</h2><p>面接官研修の費用は、国の助成制度で下げられる場合があります。人材開発支援助成金の人材育成支援コースが対象とするのは、職務に関連した専門的な知識や技能を習得させる訓練のうち、職場を離れて行うものです。</p><p>この制度で見落としやすいのが訓練時間の下限です。<strong>1コースあたりの実訓練時間数が10時間以上</strong>でなければ、対象になりません。半日や1日の研修を単発で実施する設計では、この線に届かないことになります。eラーニングと通信制には別の経路があり、標準学習時間が10時間以上か、標準学習期間が1か月以上であれば要件を満たします。</p><p>下の助成率と助成額は、正社員（正規雇用労働者等）が受講する場合のものです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>項目</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>中小企業</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>中小企業以外</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>経費助成率</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>45%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>30%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>経費助成率（賃金要件等を満たす場合）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>60%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>45%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>賃金助成（1人1時間あたり）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>800円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>400円</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>賃金助成（賃金要件等を満たす場合）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1,000円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>500円</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>経費助成限度額（10時間以上100時間未満）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>15万円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>10万円</p></td></tr></tbody></table><p>出所: <a href="https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001731967.pdf">厚生労働省「人材開発支援助成金（人材育成支援コース）のご案内」</a>令和8年度版（令和8年8月3日版）。</p><p>賃金要件等とは、訓練修了後に対象者の賃金を5%以上引き上げるか、資格等手当を規定して支払い賃金を3%以上引き上げた場合のことです。要件を満たすと助成率と賃金助成額が上乗せされます。</p><h3 id="h9b955ab328">カリキュラムに自社制度の説明を混ぜると、その時間は除かれる</h3><p>同じ資料は、助成の対象とならない訓練の実施目的も列挙しています。面接官研修で当たりやすいのは次の2つです。</p><ul><li>社内制度・組織・人事規則に関する説明。自社の採用フローや評価制度の説明にあてた時間は、実訓練時間数から除いて数えます</li><li>意識改革研修。職業または職務に関する知識・技能の習得を目的としないものは対象外です</li></ul><p>除外した後の時間が10時間以上である必要があるため、カリキュラムの組み方が助成の可否を左右します。職務との関連性は、雇用契約書や訓練カリキュラムなどで確認されます。適用の可否は個別の判断になるため、計画届の提出前に労働局へ確認するのが確実です。</p><h2 id="h20a76a213b">助成金を受給したことのある企業は15.3%にとどまる</h2><p>制度があっても、使われているとは限りません。厚生労働省の令和7年度能力開発基本調査では、人材開発支援助成金を受給したことがある企業は15.3%でした。</p><p>内訳を見ると、制度について知っていたが受給したことはなかった企業が51.9%、制度について知らなかったため受給したことはなかった企業が32.8%です。8割以上が未受給で、未受給の企業を分母に取り直すと、その4割近くは制度自体を知らなかった計算になります。</p><p>同じ調査では、職場を離れて行う訓練を実施した事業所は72.6%でした。費用のほうは企業を対象にした集計で、訓練費を支出した企業の労働者一人当たり平均額は2.0万円（令和6年度1年間）です。研修は広く行われている一方、費用の水準は高くありません。助成を前提に時間数を設計するかどうかで、組める研修の中身は変わってきます。</p><p>出所: <a href="https://www.mhlw.go.jp/content/11801500/001728125.pdf">厚生労働省「令和7年度能力開発基本調査」</a>調査結果の概要（2026年9月18日確認）。</p><h2 id="h77f6ffcb26">研修の効果が消えるのは、質問票が更新されないため</h2><p>研修の直後は面接の進め方が揃うはずです。数か月たつと元に戻ることが多く、その原因は面接官の記憶ではなく、質問票と評価表が更新されないことにあります。</p><p>募集要件は変わるものです。ポジションが増え、求めるスキルも動きます。研修で作った質問票が当時の要件のままだと、現場は使わなくなり、各自の裁量に戻っていくのが実情です。</p><p>そのため、研修の発注時に「作った質問票を誰が持ち、いつ見直すか」を決めておきます。更新の担当と頻度が決まっていれば、研修は運用の起点として働きます。</p><p>面接官が入れ替わるたびに全員へ集合研修を行うのは現実的ではありません。新任の面接官には録画教材と質問票の読み合わせで足りることが多く、集合研修は要件が大きく変わったときに絞ると、運用として続きます。</p><h2 id="h3bed54ca16">効果の測り方を、研修を選ぶ前に決めておく</h2><p>研修の成果は、受講後アンケートの満足度では測れません。満足度が高くても面接の中身が変わらないことはあるためです。測る対象は、研修の前後で動くはずの工程指標に置きます。</p><p>直す症状ごとに、見る指標は次のように対応します。</p><ol><li>見極めの精度。同じポジションの面接通過率が面接官ごとにどれだけ割れているか</li><li>法令の線引き。質問票に載らない質問が実際の面接で出ていないか（記録の抽出確認）</li><li>候補者の意欲。最終面接後の辞退率</li></ol><p>面接通過率の測り方と段階ごとの基準値の置き方は、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/hiring-funnel-conversion">採用の歩留まりの計算式</a>の記事で扱っています。辞退のほうが主症状であれば、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/offer-decline-prevention">内定辞退防止の実態と対策</a>のほうが近い論点です。</p><p>指標を先に決めておくと、研修会社に投げる依頼内容も具体的になります。どの指標を動かしたいかを伝えられれば、カリキュラムの提案も演習の設計もそれに寄せてもらえるはずです。</p><h2 id="h0faceb200c">選ぶ順序を3段で整理する</h2><p>面接官研修の選び方は、次の順序で絞ると決めやすくなります。</p><ol><li>直す症状を1つに決める。見極めの精度、法令の線引き、候補者の意欲のどれか</li><li>精度が目的なら構造化を軸にする。構造化面接の予測妥当性は0.42、非構造化は0.19で、質問票と評価表を作って帰る設計にする</li><li>時間数を10時間以上で組めるかを確認する。人材開発支援助成金の対象になる下限で、経費助成率は中小企業で45%</li></ol><p>法令の線引きは、どの症状を選んでもカリキュラムに入れます。厚生労働省が示す配慮すべき事項は14あり、アイスブレイクの定番とされてきた質問もそこに含まれるためです。この3点の順序は本稿の整理で、業界の定説ではありません。</p><p>中途採用そのものの進め方から整理し直したい場合は、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/mid-career-recruitment">中途採用の流れと手法</a>の記事が入口になります。面接の手前にある母集団形成やスカウトの運用まで含めて体制を見直すなら、<a href="https://offers.jp/client/ai-rpo?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-consult&amp;utm_content=interviewer-training-selection">Offers の AI RPO</a>から相談できます。</p>

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## [人材紹介のKPI設計｜決定単価から逆算する手順](https://hr-media.offers.jp/articles/recruitment-agency-kpi)

**公開日**: 2026-09-16
**著者**: 鈴木 裕斗
**カテゴリ**: 採用

<p>人材紹介のKPIは、売上を決定数と決定単価の2つに割るところから組み立てます。決定単価が確定しないと必要な決定数が決まらず、その手前の面談数もスカウト数も置きようがないからです。</p><p>ところが実務では、この入口の単価も、途中の通過率も、どこから来た数字なのか説明できないまま置かれていることがあります。数字の出どころが曖昧なツリーは、未達のときに誰も判断を変えられません。</p><p>この記事では、KPIツリーの入口に置く決定単価と、業界全体の決定率を公的統計の実数で示します。そのうえで扱うのは、公表値で外枠を置ける指標と自社で測るしかない指標の分け方、そしてKPIが動かないときに見る箇所です。</p><h2 id="h3a6a9182bd">人材紹介のKPIは売上を決定数と決定単価に割って組む</h2><p>KGI（最終目標）に売上を置くと、その1段下は決定数と決定単価の2つになります。人材紹介の売上は成約1件ごとの手数料の積み上がりで決まるので、この2つの積が売上そのものです。</p><p>決定数と決定単価は、動かし方がまったく違います。決定数を動かすのは行動量と通過率です。決定単価は扱う職種と年収帯、そして料率で決まります。</p><p>片方だけを追うと、決定数は増えたのに売上が伸びない月が出てしまいかねません。逆に単価の高い案件に寄せた結果、決定数が落ちて着地が下がることもあります。ツリーの1段目を2本に割るのは、この取り違えを起こさないためです。</p><h3 id="hfc0620b939">KGIとKPIの線引きは、期中に動かせるかどうかで引く</h3><p>KGIは期末に確定して、後からは動かせない数字です。KPIは期中に見て、翌週の行動を変えられる数字を指します。</p><p>「四半期の売上」はKGI、「今週の面談設定数」はKPIです。この線引きを曖昧にしたまま指標を並べると、追いかけても手の打ちようがない数字がボードに残ります。</p><h3 id="h99596cb25c">決定単価を先に置くと、必要な決定数が決まる</h3><p>月の売上目標を平均決定単価で割った値が、必要な決定数です。ここが全体の起点になるので、平均決定単価の置き方を間違えると、以降の段がすべてずれます。</p><p>平均決定単価は、直近12か月の手数料収入を同じ期間の決定件数で割って出します。案件ごとの見込み額の平均ではなく、実際に入金された額から計算した値です。</p><h2 id="h75b1d46960">KPIツリーの入口になる決定単価には、公的統計の実額がある</h2><p>厚生労働省は、職業紹介事業者から提出された事業報告書を毎年集計して公表しています。令和6年度の常用就職1件あたりの手数料は約103万円で、前年度から10.9%増えました。手数料収入の総額は約9,835億円（前年度比17.6%増）、うち常用就職に係る分が約9,136億円（同16.8%増）です。</p><p>出所：<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001683019.pdf">厚生労働省「令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果（速報）」</a>（令和8年3月31日公表）。</p><p>この約103万円は全職種をならした値です。職種によって金額は大きく変わるので、自社が扱う職種の実額は別に確かめます。職種ごとの1件あたり手数料は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/recruitment-fee">人材紹介の費用</a>で扱っているので、ここでは金額の内訳には立ち入りません。</p><h3 id="h096d16f568">売上の9割以上は入社の成立に紐づく</h3><p>手数料収入の約9,835億円のうち、常用就職に係る分の約9,136億円は92.9%にあたります。</p><p>出所：厚生労働省「令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果（速報）」をもとにOffers推計。</p><p>常用就職とは、4か月以上の期間を定めて雇用されるものか、期間の定めなく雇用されるものの就職です。売上の9割以上が入社の成立に紐づくので、KPIは決まるまでの過程を細かく測る形になります。</p><h2 id="hac43577a53">求職申込からの決定率は、掲載8職種で3.6〜6.4%</h2><p>自社の決定率が高いのか低いのかは、外枠となる数字が無いと判断できません。職業紹介事業報告書は職種ごとに新規求職申込件数と常用就職件数の両方を持っているので、この2つを割れば職種ごとの比率が出ます。</p><p>本記事ではこの比率を「求職申込からの決定率」と呼ぶことにします。社内で決定率と呼ぶときの分母は推薦数であることが多く、両者は桁が違う数字です。</p><p>この比率は職種によって大きく開きます。下の表はホワイトカラーの8職種に絞ったもので、この範囲がそのまま全職種を代表するわけではありません。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>職種（有料職業紹介）</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>新規求職申込件数（令和6年度）</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>常用就職件数（令和6年度）</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>求職申込からの決定率（令和5年度・常用就職÷新規求職申込）</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>求職申込からの決定率（令和6年度）</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>製造技術者</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>302,781件</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>19,304件</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>8.3%（14,467÷174,067）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>6.4%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>法人・団体管理職員</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>277,601件</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>16,007件</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>7.4%（14,553÷197,481）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>5.8%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>建築・土木・測量技術者</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>461,135件</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>26,230件</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>6.3%（19,743÷312,628）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>5.7%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>開発技術者</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>351,912件</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>19,339件</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>6.0%（15,372÷256,227）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>5.5%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>情報処理・通信技術者（ソフトウェア開発を除く）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>525,923件</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>26,882件</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>5.7%（24,102÷423,208）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>5.1%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>情報処理・通信技術者（ソフトウェア開発）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>891,060件</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>39,780件</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>5.2%（35,709÷682,261）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>4.5%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>営業の職業</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2,086,578件</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>89,563件</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>5.1%（77,586÷1,521,227）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>4.3%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>総務・人事・企画事務の職業</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>713,457件</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>25,716件</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>5.0%（18,957÷382,900）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>3.6%</p></td></tr></tbody></table><p>出所：厚生労働省「令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果（速報）」をもとに決定率の2列をOffers推計。</p><p>表の件数の2列は原典に載っている値そのもので、決定率の2列だけが本稿で割り算した値です。令和5年度の決定率は、括弧内に原典の令和5年度の常用就職件数と新規求職申込件数を添えたので、その場で検算できます。</p><p>8職種すべてでこの比率が前年度から下がっています。下げ幅が最も大きいのは製造技術者で、8.3%から6.4%へ1.9ポイント落ちました。</p><p>この統計には読み方の前提が2つあります。1つめは重複計上です。報告書は「求人者及び求職者は複数の職業紹介事業者を利用する場合があるため、新規求職申込件数及び求人数は重複計上がある」と明記しています。同じ求職者が3社に登録していれば、この分母では3件です。求職者1人あたりで見た就職の確率は、申込件数を分母にしたこの表の値より高くなります。1社ごとの比率がどうなるかは、この集計からは分かりません。</p><p>もう1つは分母と分子の範囲の違いです。分母の新規求職申込件数には臨時日雇の求人を希望する者が含まれ、分子の常用就職件数は4か月以上の雇用に限られます。</p><p>自社の値と比べるときは、絶対水準ではなく前年からの向きを見ます。表の8職種がそろって下を向いている年に自社が横ばいなら、それは実質的な改善です。</p><h2 id="h57997a722b">求職申込と求人は4割増えたが、決定は5.3%しか増えていない</h2><p>求職申込からの決定率が下がった理由は、分母と分子の伸び方が違うところにあります。令和6年度の有料職業紹介では、新規求職申込件数が55,250,115件（前年度比43.1%増）、常用求人数が前年度比41.8%増でした。これに対して常用就職件数は888,993件で、伸びは5.3%にとどまります。</p><p>出所：厚生労働省「令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果（速報）」（令和8年3月31日公表）。</p><p>この43.1%と41.8%は、いずれも重複計上を含む延べの件数です。同じ求職者や同じ求人が複数の事業者に持ち込まれた分も数えられているので、実需がそのまま4割増えたとは読めません。</p><p>それでも、扱った件数に対して決まった件数の比率が落ちたことは変わりません。分母の伸びに分子が追いついていない状態が、職種をまたいで同時に起きています。</p><p>事業所の側を見ても同じことが起きています。令和6年度に事業報告を提出した有料職業紹介事業所30,561のうち、就職実績のあった事業所は13,946で45.6%でした。半数以上の事業所は、年間の就職実績が1件もありません。原典はこの「就職実績」が常用就職か臨時日雇の就職かを分けていないので、ここでの実績の有無は両方を合わせた数え方です。</p><p>出所：厚生労働省「令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果（速報）」をもとにOffers推計。</p><p>実績のあった13,946事業所で常用就職件数888,993件を割ると、1事業所あたりの年間決定数は平均63.7件になります。</p><p>この63.7件は、自社の1人あたりの目標に割り戻して使える数字ではありません。原典には事業所ごとの従業員数やコンサルタント数の集計が無く、平均が件数の多い大手に引っ張られているかどうかも分からないからです。加えて、分子は常用就職だけなのに対して、分母の13,946事業所には臨時日雇の就職実績しか持たない事業所も入りうるので、常用就職を決めた事業所だけで割った平均はこれより高くなる可能性があります。読み方としては、業界全体で決定がどれだけの事業所に散らばっているかの規模感にとどめます。</p><h3 id="h4964d32c45">集客側の指標だけでKPIを組まない</h3><p>この構図から言えるのは、母集団を増やす指標だけを並べても、求職申込からの決定率が下がる年には売上に届かないということです。増えた分がそのまま実需だと決めることは、重複計上を含む統計からはできません。</p><p>処理能力を測る指標は、1人あたりの処理件数と、工程ごとの滞留時間です。スカウト送信数のような行動量は増やせますが、1人が同時に持てる候補者数には上限があります。</p><p>どの工程に時間が集中しているかを洗い出し、そこから手を入れる進め方を扱っているのが<a href="https://offers.jp/ax?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-consult&amp;utm_content=recruitment-agency-kpi">Offers AX</a>です。工程の切り分け方だけでも、自社のKPI設計の見直しに使えます。</p><h2 id="h990b380ba5">追うKPIは、5つの工程に沿って並べる</h2><p>指標を思いつく順に並べると、同じことを二重に測る項目が混ざります。工程を先に定義してから、工程ごとに1〜2個ずつ割り当てると重複が出ません。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>工程</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>何をする工程か</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>主なKPI</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>計算式</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>求人開拓</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>法人の新規開拓と既存深耕、求人要件の確定</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>有効求人率</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>推薦可能な求人数 ÷ 保有求人数</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>ソーシング</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>候補者の集客と対象リストの作成</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>新規登録数</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>期間内に登録した候補者の実数</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>目利き</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>候補者スキルの評価と求人要件との適合判断</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>推薦可能率</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>推薦した候補者数 ÷ 面談した候補者数</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>スカウト・面談</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>スカウト送信、返信対応、キャリア面談</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>面談設定率</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>面談実施数 ÷ スカウト送信数</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>推薦・クロージング</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>推薦、選考進行、条件交渉、入社</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>決定率</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>決定数 ÷ 推薦数</p></td></tr></tbody></table><p>工程のうち職種によって中身が変わるのは目利きの1つだけです。前後の4工程は扱う領域を問わず同じ形になるので、複数領域を持つ会社でも同じKPIの枠で管理できます。</p><h3 id="h495702f51b">行動量のKPIは、必ず質のKPIと対で置く</h3><p>スカウト送信数だけを目標に置くと、返信率が落ちた月でも目標は達成できてしまう構図です。送信数と返信率、面談数と推薦率のように、量と質を対で置くと片方だけが伸びる動きを止められます。</p><p>対で置けないなら、その指標はボードから外します。片方だけで運用される行動量のKPIは、達成しても売上につながりません。</p><h2 id="h4524829304">KPIツリーは、決定数から4段で逆算する</h2><p>売上目標から決定数を出したら、工程をさかのぼって必要数を置きます。月商1,000万円、平均決定単価100万円の会社を例にすると、4段の並びは次のとおりです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>段</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>指標</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>通過率の置き方</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>必要数</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>1</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>決定数</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>売上目標 ÷ 平均決定単価</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>10件</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>2</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>推薦数</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>決定率（自社実測）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>10件 ÷ 決定率</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>3</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>面談数</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>推薦可能率（自社実測）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>推薦数 ÷ 推薦可能率</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>4</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>スカウト送信数</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>面談設定率（自社実測）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>面談数 ÷ 面談設定率</p></td></tr></tbody></table><p>2段目から4段目の通過率は、すべて自社の実測値を入れます。ここに業界の目安を入れると、出てきた必要数はそのまま架空の目標です。</p><p>逆算した必要数が現実的でないときは、目標を下げるのではなく、どの段の通過率を上げれば届くかを先に確かめます。通過率を置く2段目から4段目のうち1段でも通過率が2倍になれば、その上流の必要数は半分で済む計算です。</p><h2 id="h464b35b17b">公表値で外枠を置ける指標と、自社で測るしかない指標を分ける</h2><p>KPIには、公的統計で外枠を確認できるものと、自社で測るしかないものがあります。この2つを混ぜると、目安の数字をそのまま自社の基準として使ってしまいかねません。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>指標</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>公的統計での確認</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>置き方</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>平均決定単価</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>可能（職業紹介事業報告書）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>自社実測を基本にし、統計値を外枠として使う</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>求職申込からの決定率</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>可能（同上・職種別）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>前年からの向きを比較材料にする</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>求人の充足率</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>可能（同上・職種別）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>扱う職種の需給の締まり方を読む</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>書類選考通過率</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>不可</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>自社実測のみ</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>面接通過率</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>不可</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>自社実測のみ</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>内定承諾率</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>不可</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>自社実測のみ</p></td></tr></tbody></table><p>選考段階の通過率のほうは、公的統計に載っていない指標です。流通している目安の数値は、特定の会社の実績値や通説として書かれたものが多く、調査名と母数までは示されません。自社の実測に置き換えるまでの仮置きとして扱います。</p><p>段階別の通過率をどう定義し、どこに基準を置くかを扱ったのが<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/hiring-funnel-conversion">採用の歩留まり</a>です。承諾率のように分母の取り方で値が大きく変わる指標は、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/offer-acceptance-rate">承諾率とは</a>で定義から確認できます。</p><h3 id="ha384e0d451">求人の充足率も、同じ統計から計算できる</h3><p>同じ統計から、常用就職件数を常用求人数で割ると充足率が出ます。原典の常用求人数は件ではなく人（募集の枠の数）で数えているので、求人1人分あたりの充足率です。情報処理・通信技術者（ソフトウェア開発）は令和5年度の4.7%から令和6年度は3.1%へ下がりました。営業の職業も同じ3.1%です。</p><p>出所：厚生労働省「令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果（速報）」をもとにOffers推計。</p><p>ただしこの分母も重複計上を含みます。1件の求人が預けられた事業者数が増えただけでも比率は下がるので、低下の理由を求人側の埋まりにくさだけに帰す読み方はできません。</p><p>保有求人数そのものをKPIに置くと、この曖昧さをそのまま自社の指標に持ち込むことになります。求人開拓の指標としては、保有求人数ではなく有効求人率のほうが適切です。</p><h2 id="h41e917a480">KPIが動かないときに見る3つの箇所</h2><p>KPIを置いたのに数字が変わらないときは、指標そのものより運用側に原因があることが多くあります。見る箇所は3つです。</p><h3 id="h968d81149b">分母が人によって違っていないか</h3><p>推薦数を「企業に送った候補者の延べ数」で数える人と、「候補者の実数」で数える人が混在すると、決定率が比較できません。定義を1行で書き、どのシステムのどの項目から取るかまで固定します。</p><p>分母がそろっていない状態で低い数字が出ても、改善したのか定義が違うのかを切り分けられません。まず定義をそろえてから、3か月分を取り直します。</p><h3 id="hec295355be">更新の間隔が行動の周期より長くないか</h3><p>月次でしか更新しないKPIは、月末に未達が判明します。判明した時点では打つ手が残っていません。</p><p>週次で更新すると、残り3週間で手を打てます。工程の滞留時間のように日々動く指標は、日次で見る対象です。</p><h3 id="ha016f0b3ca">未達の原因を個人の頑張りに寄せていないか</h3><p>KPIの目的は、どの工程が詰まっているかを特定することです。未達の会話が「もっと送ろう」で終わるなら、指標が工程に紐づいていません。</p><p>面談設定率が落ちているなら対象の選び方かスカウト文面、推薦可能率が落ちているなら求人要件の確定精度というように、指標と打ち手を1対1で対応させます。対応表がないKPIは、数字を見ても次の行動が変わりません。</p><h2 id="h1b7b71eeee">人材紹介のKPIを設計するときの要点</h2><p>人材紹介のKPI設計は、売上を決定数と決定単価に割り、決定単価を自社の実績から確定させるところから始めます。公表されている常用就職1件あたり約103万円は、自社の単価が業界のどのあたりにあるかを確かめるための外枠です。</p><p>掲載した8職種の求職申込からの決定率は令和6年度で3.6〜6.4%、いずれも前年度から下がっています。求職申込と求人が4割増える一方で、決定の伸びは5.3%にとどまりました。この4割は重複計上を含む延べ件数なので実需が4割増えたとは読めませんが、扱った件数に対して決まった件数の比率が落ちたことは変わりません。</p><p>選考段階の通過率は公的統計に無いので、自社の実測に置き換えるまでは仮置きとして扱います。数字が動きはじめるのは、指標と打ち手を1対1で対応させ、週次で更新する運用に載せたところからです。</p><p>人材紹介の仕組みそのものを企業側の視点から確かめたい場合は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/recruitment-agency">人材紹介とは</a>を、工程ごとの詰まりを洗い出して処理能力側から手を入れる進め方は<a href="https://offers.jp/ax?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-consult&amp;utm_content=recruitment-agency-kpi">Offers AX</a>をご覧ください。</p>

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## [IT人材の単価推移｜業界統計3年分で見る実勢](https://hr-media.offers.jp/articles/it-talent-unit-price)

**公開日**: 2026-09-14
**著者**: 鈴木 裕斗
**カテゴリ**: 採用

<p>IT人材の単価が上がっている、という話は毎年のように聞きます。ただ、実際にいくらが、どこまで上がったのかを数字で確かめようとすると、手元に残るのは事業者ごとの相場表だけということが多いのではないでしょうか。</p><p>この記事では、業界団体と省庁が公表している実数を3年分並べて、単価の何が動いたのかを確かめます。結論を先に言うと、<strong>従業員1人あたりの人件費は2年で14.1%伸び、その大半が2024年度の1年間に集中していました</strong>。同じ2年で1人あたりの売上は8.9%伸びています。</p><p>発注を続けるか、自社で採用するか。その判断に使える数字を、順に置いていきましょう。</p><h2 id="hd6f549ded2">IT人材の単価を測る3つの数字</h2><p>IT人材の単価は、事業者ごとの相場表ではなく、業界全体の売上と費用の構成から測れます。使う数字は3つです。</p><p>1つ目は、従業員1人当たりの売上高。情報サービス会社の売上を管理部門を含む全従業員の数で割った年間の値で、発注側が払う金額の動きを映します。2つ目は、従業員1人当たりの人件費です。受け取った金額のうち、人に支払われた額を示します。</p><p>3つ目が売上高外注費率と売上高人件費率です。売上のうち、どれだけが他社への発注に回り、どれだけが人に回ったかを示します。この3つを年ごとに並べると、単価が上がったのか、上がった分がどこへ行ったのかを追えます。</p><p>個々の案件の提示額は交渉で決まるため公表されません。一方、業界の合計値であれば毎年公表されています。</p><p>本記事が使うのは、一般社団法人情報サービス産業協会（JISA）の「情報サービス産業基本統計調査」です。正会員企業を対象に毎年実施され、2025年版は468社のうち300社が回答しました。以下の数値は、極端に売上高の大きい企業を除いた詳細編の集計で揃えています（2024年度は295社）。</p><p>なお本記事で単価と呼ぶのは、技術者1人が1か月稼働することへの対価、いわゆる人月単価を指します。業界統計の1人当たりの値は人月単価そのものではないので、単価の動きを間接的に映す指標として使います。個人の年収とは別の数字なので、後半で分けて扱いました。</p><p>もう1点、JISAは回答企業が入退会や合併で毎年入れ替わるため、経年変化として使う際には留意するよう注記しています。以下の年ごとの比較は、業界全体の傾向の目安として読んでください。</p><h2 id="h44ea54e6c1">情報サービス産業の単価は2年でどう動いたか</h2><p>総額で見ると、単価は上がっています。従業員1人当たりの売上高は2022年度の2,824万円から2024年度の3,074万円へ、2年で約8.9%伸びました。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>事業年度</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>1人当たり売上高</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>1人当たり人件費</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>売上高外注費率</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>売上高人件費率</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>2022年度</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2,824万円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>789万円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>33.10%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>30.89%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>2023年度</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2,951万円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>794万円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>33.86%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>28.51%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>2024年度</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>3,074万円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>900万円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>34.18%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>29.10%</p></td></tr></tbody></table><p>出所：一般社団法人情報サービス産業協会「情報サービス産業基本統計調査」2023年版・2024年版・2025年版の詳細編全体表（回答299社・295社・295社）。万円への換算はOffersが算出。</p><p>1人当たり売上高は2年で約9%伸びました。ここまでは「単価は上がっている」という一般的な理解と矛盾しません。</p><p>注意したいのは、表の各列が回答企業の加重平均として別々に集計されている点です。売上高に率を掛けても、原典の1人当たりの額とは一致しません。そのため本記事では、列をまたいだ掛け算や引き算はせず、同じ列の年ごとの変化だけを読みます。</p><h2 id="hb7233ebf8f">1人当たりの人件費は2024年度に大きく伸びた</h2><p>増えた分の行き先を人件費の列で見ると、2年間の動きは一様ではありません。1人当たり人件費は2022年度の789万円から2023年度は794万円と、ほぼ横ばいでした。</p><p>それが2024年度には900万円へ、前年度から13.3%伸びています。同じ年の1人当たり売上高は4.2%の伸びで、売上高人件費率も0.59ポイント上がりました。列ごとの集計なので伸び率どうしを比べることはしませんが、人に回る分が増えた方向は2つの列で揃っています。</p><p>売上高外注費率は33.10%から34.18%へ、2年で1.08ポイントの上昇です。売上高人件費率も2024年度に上がっており、人件費と他社への発注に回る割合がともに増えた形でした。</p><p>この動きは、発注する側にとって2つのことを意味します。1つは、単価改定の申し入れが、現場の技術者の賃金上昇を反映している可能性があること。もう1つは、売上の約3分の1が他社への発注に回る構造は、3年を通して変わっていないことです。</p><h2 id="hb1ed19e42e">発注先の業態で、他社への発注に回る割合が変わる</h2><p>発注先の業態によって、売上のうち他社への発注に回る割合は変わります。JISAの調査は回答企業を4つの業態に分けており、外注費率と人件費率の差がはっきり出ました。以下の表でSIサービス型と呼ぶのは、システムインテグレーション（SI）を主たる業務とする会社です。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>業態（回答社数）</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>売上高外注費率</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>売上高人件費率</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>SIサービス型（92社）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>38.95%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>26.94%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>ソフトウェア開発型（146社）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>29.69%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>31.76%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>ITアウトソーシング・クラウド・情報処理型（42社）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>25.51%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>33.49%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>その他の情報サービス（15社）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>23.25%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>30.76%</p></td></tr></tbody></table><p>出所：<a href="https://www.jisa.or.jp/Portals/0/report/basic2025report.pdf">一般社団法人情報サービス産業協会「2025年版 情報サービス産業基本統計調査」</a>詳細編全体表（回答295社・2024年度）。</p><p>SIサービス型とITアウトソーシング型の外注費率は13.44ポイント開いています。前者は受注した金額のうち4割近くを他社への発注に充てており、人件費率は4業態で最も低い26.94%でした。</p><p>もっとも、これは商流の良し悪しを示すものではありません。大規模なシステム構築では複数社の体制を組むことに意味があり、外注費率の高さはその設計を反映しています。</p><p>判断に使えるのは次の点です。<strong>長期にわたって同じ人に同じ業務を任せるのであれば、中間の層を経由し続ける必然性は薄くなります</strong>。逆に、短期で人数を増減させたい局面では、その層が果たす役割が大きくなるでしょう。</p><p>見積もりを受け取ったときは、業態を踏まえて内訳を尋ねるとよいでしょう。自社で直接雇用している技術者が担当するのか、再委託先の技術者が入るのかは、契約前に確認できる事項です。</p><h2 id="he9bccd12f0">人件費率は2024年度に反転した</h2><p>支払った金額のうち人に回る割合は、直近で増加へ転じました。売上高人件費率は2022年度の30.89%から2023年度に28.51%まで下がり、2024年度は29.10%へ戻っています。</p><p>2023年度と比べた差は0.59ポイントです。2022年度の水準には届いていませんが、前年度の低下からは持ち直しました。1人当たりの額で見た人件費が13.3%伸びたこととも、向きが揃っています。</p><p>同じ時期には制度の動きもありました。内閣官房と公正取引委員会は2023年11月29日に<a href="https://www.jftc.go.jp/dk/guideline/unyoukijun/romuhitenka.html">「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」</a>を公表し、労務費の転嫁に係る価格交渉について発注者と受注者それぞれに求められる行動を12の行動として示しています。</p><p>一方、営業利益率は10.39%・10.06%・10.15%と、3年を通して10%前後で動いていません。同じ2023年度から2024年度にかけて、売上高材料費率は9.97%から8.19%へ下がりました。人件費率と外注費率が上がる一方で、営業利益率はほぼ同じ水準を保っています。</p><p>発注側から見れば、単価改定の申し入れを受けたときの判断材料がここにあります。人件費率が業界平均を大きく下回る取引先であれば、改定分が現場の技術者へ届いているかを確認する根拠になるでしょう。</p><h2 id="hde411f7748">正社員として雇う場合の年収水準</h2><p>外注の単価と並べるべきもう一方の数字が、同じ人材を正社員として雇うときの年収です。厚生労働省は「IT・デジタル人材の労働市場に関する研究調査事業 調査報告書」で、正社員のみを対象にした職種別・スキルレベル別の年収を公表しました。括弧内は各セルの回答数です。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>職種</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>レベル1〜2</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>レベル3</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>レベル4</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>レベル5以上</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>企画立案・プロジェクト管理</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>—</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>750万円（53）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>800万円（153）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>900万円（196）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>設計・構築</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>500万円（187）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>550万円（258）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>635万円（288）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>700万円（186）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>運用・保守</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>500万円（53）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>550万円（67）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>650万円（73）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>850万円（36）</p></td></tr></tbody></table><p>出所：<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001244078.pdf">厚生労働省「IT・デジタル人材の労働市場に関する研究調査事業 調査報告書」</a>（令和6年3月）の年収中央値。</p><p>回答数が数十件のセルは幅が出やすいため、水準の目安として読むのが適切です。</p><p>スキルレベルはIPA（情報処理推進機構）の「ITスキル標準（ITSS）」に基づく区分で、数字が大きいほど高度な役割を担います。同じレベルでも、企画立案・プロジェクト管理の水準が最も高く、次いで運用・保守が続きました。</p><p>3職種のうち回答数が最も多い設計・構築の、レベル3では、第1四分位数が450万円、第3四分位数が700万円です。中央値の550万円だけを見て提示額を決めると、市場の上側にいる候補者には届きません。</p><p>役職で見ると幅はさらに広がります。設計・構築の担当者・一般社員レベルが500万円、主任・係長・課長補佐・代理レベルが650万円、課長レベルが670万円、部長・本部長レベル以上が800万円でした（いずれも年収中央値）。担当者から主任層で150万円上がる一方、主任層と課長の差は20万円にとどまり、部長層で再び130万円の段差が付いています。</p><p>この構造は提示額を決めるときに影響します。最も大きく上がるのは主任相当の役割を任せる段階なので、課長の肩書きを付けるかどうかより、チームを率いる役割を担うかどうかで条件を組み立てる必要があるでしょう。</p><p>提示額を市場水準に合わせても、募集条件や選考体制が弱ければ採用は進みません。<a href="https://service.offers.jp/client/hiring-check/?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-light&amp;utm_content=it-talent-unit-price">エンジニア採用力チェック</a>では、募集条件や選考体制を項目ごとに採点し、現状の採用力を把握できる仕組みです。</p><h2 id="ha7b1af237c">単価を押し上げている要因</h2><p>単価の上昇に関わる動きとして、需給・制度・職種の3つが挙げられます。いずれも単価との因果を統計が直接示しているわけではないため、背景として押さえておく材料です。</p><h3 id="h01d4c01aea">需給のギャップは拡大が見込まれている</h3><p>経済産業省の<a href="https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/gaiyou.pdf">「IT人材需給に関する調査」</a>は、IT需要の伸びを年平均2.7%程度、労働生産性が年0.7%上昇することを前提に、需給ギャップを2018年の22万人から2020年30万人、2025年36万人、2030年45万人と試算しました。</p><p>同じ表には、前回2016年調査の2030年時点の値として59万人が並記されています。さらに、年3.54%の労働生産性上昇を実現した場合には2030年時点で需要と供給が均衡する、との記述もありました。</p><p>不足の見通しは前提の置き方で変わります。何万人不足するかという数字だけを単価上昇の根拠にすると、読み違えることになるでしょう。不足が起きる仕組みそのものは<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/it-talent-shortage">IT人材不足はなぜ起きる？背景と企業がとれる対策</a>で扱っています。</p><h3 id="h0a68c4a90e">制度が単価改定の交渉を位置づけた</h3><p>前述の労務費転嫁の指針は、労務費の転嫁に係る価格交渉について発注者と受注者の行動を示しました。2024年度に1人当たり人件費が大きく伸びたことと、時期は重なります。</p><p>発注側にとっては、単価改定の申し入れがありうることを前提に、複数年の予算を組んでおくのが安全です。</p><h3 id="h9ae4dec2e1">人数に加えて、職種でも差がある</h3><p>経済産業省の同じ調査では、従来型のIT人材と先端IT人材を分けて試算しており、リスキリングによる構成変化も検討項目に含まれています。厚生労働省の調査でも、同じスキルレベルの中で職種によって年収の水準が分かれることが確認できました。</p><p>つまり、人材の水準は市場全体で一様ではありません。どの職種の人材を必要としているかによって、年収の水準は分かれます。</p><h2 id="hc111b9ba19">発注と採用のどちらを選ぶかの判断材料</h2><p>外注を続けるか採用に切り替えるかを決めるのは、単価の総額ではなく<strong>継続期間と業務の性質</strong>です。ここまでの数字を使うと、次の3点で比較できます。</p><p>第1に、支払総額の比較です。仮に人月単価100万円の体制を1年継続すると、支払いは1,200万円になります。設計・構築のレベル3の年収中央値は550万円なので、法定福利費や採用費を上乗せしても差が残るかを、自社の実際の単価と採用費で計算してみる価値があります。</p><p>第2に、支払いの内訳です。業界全体で売上の34.18%、SIサービス型では38.95%が他社への発注に回っているという数字は、支払った金額の一部がさらに別の会社へ流れることを示します。長期にわたる業務であるほど、この中間の層に払い続ける意味は薄くなるでしょう。</p><p>第3に、切り替えのコストです。採用には空席期間があり、内製へ移すには引き継ぎが要ります。短期のスポット業務や、専門性が高く社内で再現しにくい領域であれば、外注のままの方が合理的でしょう。</p><p>工程ごとにどこから内製へ移すかは<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/insourcing">内製化とは？完全内製4.5%と工程別の進め方</a>で、採用にかかる1件あたりの実額は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/recruitment-cost">採用単価の定義と、公的統計でわかる1件あたりの実額</a>で扱っています。</p><h2 id="hc5fa6c3929">この記事の要点</h2><p>IT人材の単価について、本記事が確かめたのは次の3点です。</p><ul><li>従業員1人当たり売上高は2022年度2,824万円から2024年度3,074万円へ2年で8.9%伸びた</li><li>1人当たり人件費は789万円から900万円へ14.1%伸び、その大半が2024年度の1年間（13.3%）に集中した。売上高外注費率は33.10%から34.18%へ緩やかに上がった</li><li>正社員として雇う場合、設計・構築のレベル3の年収中央値は550万円で、発注を続ける場合と支払総額を比べるときの基準になる</li></ul><p>単価の相場表は交渉の出発点にはなります。ただしそれだけでは、発注と採用のどちらを選ぶかは決まりません。業界全体の実数と自社の必要期間を突き合わせたうえで判断することをおすすめします。</p>

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## [DX費用の相場は？効果が上回るのは14.6%](https://hr-media.offers.jp/articles/dx-cost)

**公開日**: 2026-09-14
**著者**: 鈴木 裕斗
**カテゴリ**: マネジメント

<p>DXの費用を調べると、数十万円から数億円までの金額が並びます。幅が広い理由は、金額のほうではなく言葉のほうにあります。DXという一語が、紙の書類を電子化することも、基幹システムを入れ替えることも、同じ名前で呼んでいるためです。</p><p>だから金額そのものを探しても、自社が払うべき額は出てきません。</p><p>この記事では、金額のレンジを並べる代わりに、国の調査が示す「売上に対してどれだけ配っているか」を先に置きます。そのうえで扱うのは、費用として公的に認められる費目と、投じた費用が回収できたかどうかの実測です。読み終えると、自社の予算をどの水準から組むかと、稟議で何を示せば通るのかが決まります。</p><h2 id="h17bec1bb30">DX費用の水準は、金額ではなく売上に対する割合で置く</h2><p>DX費用の実勢は、売上に対する割合で見るとはっきりします。国の調査では、DXに取組む企業の<strong>過半が売上の2%未満</strong>に収まっていました。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>売上に占めるDX投資額・費用の割合</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>企業の割合</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>1%未満</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>27.8%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>1%以上〜2%未満</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>31.0%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>2%以上〜3%未満</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>9.7%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>3%以上〜4%未満</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>8.9%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>4%以上〜5%未満</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1.6%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>5%以上</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>21.1%</p></td></tr></tbody></table><p>出所：IPA『DX動向2026』（2026年7月公表・n=641）。</p><p>1%未満と1%以上2%未満を合わせると58.8%です。一方で5%以上も21.1%あり、2%から5%の帯は薄くなっています。DX費用は「平均のあたりに集まる」形ではなく、軽い側と重い側に分かれる二山の形です。</p><p>自社の位置を決めるときは、この二山のどちらに立つのかを先に選びます。年商10億円の会社なら、2%未満で置けば年2,000万円未満、5%以上で置けば年5,000万円以上。同じ会社の同じ年でも、どちらの選択も実在する水準です。</p><p>なお、この設問は任意回答で、回答したのは641社です。同じ調査の他の設問（回答1,361社）の半分ほどなので、自社のDX支出を把握している企業に偏っている可能性があります。加えて3σを基準として33.0%以上の回答を外れ値として除いた集計です。</p><p>対象はDXそのものへの投資・費用です。AIツール単体の契約額は範囲が違うので、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/ai-adoption-cost">AI導入の費用</a>で平均と中央値の開きとして分けて扱っています。この記事が対象にするのは、デジタル化の取組全体に配る費用です。</p><h2 id="h8c30cadf29">売上比が5%以上の企業は、従業員規模が小さいほど多い</h2><p>同じ調査を従業員規模で割ると、重い側の区分で順序が直感と逆になります。売上比5%以上の企業の割合は、規模が小さいほど高いのです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>従業員規模</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>回答企業数</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>1%未満</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>1%以上〜2%未満</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>5%以上</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>100人以下</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>154</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>19.5%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>22.7%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>39.0%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>101人以上300人以下</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>183</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>28.4%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>34.4%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>21.9%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>301人以上1,000人以下</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>163</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>39.3%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>29.4%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>14.1%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>1,001人以上</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>140</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>22.9%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>37.9%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>8.6%</p></td></tr></tbody></table><p>出所：IPA『DX動向2026』（2026年7月公表・3σを基準に外れ値を除外）。</p><p>100人以下では5%以上が39.0%で最多です。1,001人以上では8.6%まで下がります。その差は4.5倍です。ただし逆転しているのは5%以上の区分だけで、2%以上4%未満の帯は1,001人以上のほうが厚くなっています。</p><p>理由は分母の側にあります。社内システムを1つ入れ替える費用は、従業員が50人でも5,000人でも同じようにはかかりません。しかし売上の規模は人数に近い形で違います。結果として、小さい会社では同じ1本の導入が売上比で重く出ます。</p><p>ここから読めるのは、規模の小さい会社が「売上の1%から2%」を目安に置くと、実際に必要な額に届かないことが多いという点です。逆に301人以上1,000人以下の層では1%未満が39.3%で最多なので、この規模で高い比率を前提にすると社内で浮きます。DXそのものの取組状況の全体像は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/what-is-dx">DXとは</a>にまとめました。</p><h2 id="hd306a83244">日本全体の情報化投資は、約78%がソフトウェアに向かう</h2><p>費目の重心も統計から読めます。日本全体の情報化投資を見ると、支出はソフトウェアに強く偏っています。</p><p>2024年の日本の民間企業による情報化投資は25.7兆円（2020年価格・前年比1.9%増）と推計され、このうちソフトウェア（受託開発及びパッケージソフト）への投資が20.2兆円で全体の約78%を占めました。出所：<a href="https://www.soumu.go.jp/main_content/001082851.pdf">総務省『令和8年版 情報通信白書（概要）』</a>（2026年7月公表）。</p><p>つまり、情報化投資の8割近くは「つくる」か「買う」のどちらかに向かいます。機材を買う費目の比重は小さいままです。なお、この統計は設備投資として計上される分の集計なので、クラウドの利用料・コンサルティング費・研修費は含みません。</p><p>この構造が影響するのは、予算の立て方です。機材は買えば資産になり、一度で終わります。一方、ソフトウェアに向かう費用は、受託開発なら設計と実装の工数、パッケージやクラウドなら期間に応じた利用料です。どちらも「いつまで払い続けるのか」が金額を決めます。だから初期費用だけを比べた見積もりは、実際の負担を表しません。</p><h2 id="h88997676b9">補助制度が認める費目が、費用の内訳の下敷きになる</h2><p>費用の内訳は、自分で費目を考える必要がありません。公的な補助制度が、DXの費用として認める費目を区分ごとに定めています。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>区分</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>認められる経費</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>ソフトウェア（必須）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>ソフトウェア購入費、クラウド利用料（最大2年分）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>オプション</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>機能拡張、データ連携ツール、セキュリティ</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>役務</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>導入コンサルティング・活用コンサルティング、導入設定・マニュアル設定・導入研修、保守サポート</p></td></tr></tbody></table><p>出所：中小企業庁・中小企業基盤整備機構<a href="https://it-shien.smrj.go.jp/applicant/subsidy/normal">「デジタル化・AI導入補助金2026」</a>通常枠。</p><p>補助率は1/2以内で、一定の要件を満たす場合は2/3以内になります。補助額は1プロセス以上で5万円以上150万円未満、4プロセス以上で150万円以上450万円以下です。</p><p>この区分をそのまま見積もりの割り方に使えます。ベンダーから出てきた一式の金額を、ソフトウェア本体・オプション・役務の3つに割り直してもらうと、何に払っているのかが見えます。</p><p>注目したいのは、役務の側に<strong>導入研修と活用コンサルティングが並んでいる</strong>点です。制度の側は、道具を買う費用と、使えるようにする費用を同じ事業の経費として扱っています。見積もりに研修の費目が無ければ、その分を払うのは自社の人の時間です。</p><p>クラウド利用料が最大2年分までという条件も、費用の考え方を示しています。3年目以降の利用料は自社の全額負担です。初年度の補助額で判断すると、3年で見た総額を読み違えます。</p><h2 id="h179b1c8f12">対象にする業務の数が増えると、金額の帯が切り替わる</h2><p>DXの費用の帯を変えるのは、何を対象にするかです。公的な補助制度は、この切り替わりを対象業務の数で定義しています。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>対象にする業務の数</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>補助額（交付される補助金の額）</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>1プロセス以上</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>5万円以上150万円未満</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>4プロセス以上</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>150万円以上450万円以下</p></td></tr></tbody></table><p>出所：中小企業庁・中小企業基盤整備機構「デジタル化・AI導入補助金2026」通常枠。</p><p>補助額の境目は150万円です。業務1つを対象にするなら補助額150万円未満、4つ以上に広げるなら150万円以上という区切りが、制度の側で引かれています。</p><p>これは受け取る補助金の額であって、支出そのものの上限ではありません。補助率1/2以内なら、補助額150万円に対応する経費は300万円です。それでも、対象業務を1つ増やすことが金額にどう跳ね返るかの目安にはなります。</p><p>初期とランニングの分かれ目は、費目の一覧には書かれていません。継続性が明示されているのはクラウド利用料（最大2年分）だけなので、残りは性質から分けます。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>区分</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>該当する費目</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>買って終わるもの</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>ソフトウェア購入費、導入設定・マニュアル設定・導入研修、導入コンサルティング</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>払い続けるもの</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>クラウド利用料、保守サポート、活用コンサルティング</p></td></tr></tbody></table><p>出所：同制度の補助対象経費をもとにOffersが分類。</p><p>一式の見積もりには、この2種類が混ざって出てきます。だから総額を見ても、来年いくら残るのかは分かりません。制度がクラウド利用料を最大2年分までに限っているのは、3年目以降が自社負担になることの裏返しです。</p><h2 id="h373af02e2b">DX費用は、半数の企業で増えている</h2><p>水準の次に見るのは方向です。DX費用は増える側に動いています。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>2024年度から2025年度にかけての増減</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>企業の割合</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>大幅に増加している（およそ+20%以上）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>8.9%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>やや増加している（およそ+5%〜20%以下）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>42.8%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>ほぼ横ばい（+5%〜-5%程度）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>38.2%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>やや減少している</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1.3%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>大幅に減少している</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>0.6%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>わからない</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>8.2%</p></td></tr></tbody></table><p>出所：IPA『DX動向2026』（2026年7月公表・n=1,361）。</p><p>増加した企業は合計で51.7%です。減少した企業は合わせて1.9%しかありません。</p><p>ただし、ほぼ横ばいが38.2%あることも見ておきます。増額が多数派ではあるものの、半数近くは前年と同じ水準で回しています。社内で増額を提案するとき、「他社も増やしているから」という説明は多数派の事実に沿ってはいますが、据え置きの会社も4割近くあるため決定的な根拠にはなりません。</p><h2 id="hee62019064">費用は増えても、人に配る分は増えていない</h2><p>増えた費用がどこに配られているかを見ると、偏りがあります。同じ調査で、DXを推進する人材を育成する予算の増減を聞いた結果が次のとおりです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>DX人材の育成予算の増減</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>2025年度（n=1,357）</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>2024年度（n=1,190）</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>大幅に増やした</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2.9%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>3.5%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>やや増やした</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>22.7%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>20.3%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>変わらない</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>51.5%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>49.5%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>やや減らした</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1.6%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1.0%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>大幅に減らした</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>0.6%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>0.6%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>わからない</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>20.6%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>25.1%</p></td></tr></tbody></table><p>出所：IPA『DX動向2026』（2026年7月公表）。</p><p>育成予算を増やした企業は2025年度で25.6%でした。DX投資額そのものを増やした企業は51.7%なので、その差は26.1ポイントです。変わらないが51.5%と過半を占めています。</p><p>費用は増えているのに、人に配る分は据え置かれている。この構図が、人事・採用の担当者にとって実務上の問題になります。道具の予算は通るのに、その道具を使えるようにする研修・採用・配置の予算は前年と同じまま、という状態が半数の会社で起きているためです。</p><p>対処の方向は2つに分かれます。1つは育成予算そのものを増やす提案で、DX費用の増額と同じ稟議に載せてしまうやり方です。補助制度の側が導入研修を経費として認めているので、「道具の費用の一部」として扱えば別枠を立てずに済みます。どういう人材を何人必要とするのかの整理は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/dx-jinzai">DX人材とは</a>にまとめています。</p><p>もう1つは、社内の工数を増やさずに外へ移すやり方です。採用の業務そのものをDXの対象にするなら、工数を社外に出して件数で成果を測る形も選べます。エンジニア採用の工数をどこまで外に出せるかは<a href="https://offers.jp/client/ai-rpo?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-consult&amp;utm_content=dx-cost">AI RPO</a>で相談を受けています。</p><h2 id="h790c2b4834">投じた費用が効果で上回った企業は14.6%にとどまる</h2><p>ここが費用の判断でもっとも重い数字です。DXに取組んでいる企業のうち、効果が費用を上回ったと答えた企業は少数でした。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>DX投資・費用に対する投資対効果</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>企業の割合</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>投資・費用を大幅に上回る効果が出ている</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>0.7%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>投資・費用を上回る効果が出ている</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>13.9%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>投資・費用と効果が同程度である</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>24.1%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>投資・費用に対して効果が不足している</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>12.4%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>投資・費用に対して効果が大幅に不足している</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1.5%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>先行投入フェーズであり今後評価する</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>24.2%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>投資対効果は測定・把握できていない</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>23.2%</p></td></tr></tbody></table><p>出所：IPA『DX動向2026』（2026年7月公表・n=1,360）。</p><p>上回ったと答えた企業は合計14.6%です。同程度が24.1%、不足していると大幅に不足しているを合わせて13.9%。ここまでは評価が下されています。</p><p>問題は残りの47.4%です。先行投入フェーズが24.2%、測定・把握できていないが23.2%で、合わせて半数近くが<strong>効果を判定できていない状態</strong>にあります。</p><p>この分布は、費用の議論の順番を変えます。金額の妥当性を詰める前に確かめるべきなのは、投じた後に効果を判定できる仕組みがあるかどうかです。判定できなければ、その費用は翌年も同じ根拠で要求され、同じ根拠で削られます。導入の型と成果が出た条件は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/dx-case-studies">DX事例の読み方</a>で整理しました。</p><h2 id="hc11cf0512b">成果指標を置いた企業は、効果が出たと答える割合が倍近く高い</h2><p>判定できるかどうかの差は、成果指標の有無で説明が付きます。同じ設問を指標の設定状況で分けると、回答が明確に分かれました。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>投資対効果</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>設定している（n=324）</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>設定していない（n=900）</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>投資・費用を大幅に上回る</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>0.3%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>0.9%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>投資・費用を上回る</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>23.1%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>10.6%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>同程度である</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>24.1%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>25.0%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>効果が不足している</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>9.6%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>13.9%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>効果が大幅に不足している</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>0.9%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1.9%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>先行投入フェーズ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>28.4%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>23.2%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>測定・把握できていない</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>13.6%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>24.6%</p></td></tr></tbody></table><p>出所：IPA『DX動向2026』（2026年7月公表）。</p><p>効果が上回ったと答えた割合は、設定している企業で23.4%、設定していない企業で11.5%でした。差は11.9ポイントで、原典は10ポイント程度の差と記述しています。測定・把握できていないの側も13.6%対24.6%と開いています。</p><p>ところが、成果指標を設定している企業は23.9%しかありません。4社に1社にも届かない水準です。設定していない理由の最多は「評価指標の設定方法がわからない」で36.0%。2024年度の28.7%から約7ポイント上がっています。次に多いのが「評価指標はこれから定める」で33.4%です。</p><p>指標の設定は、費用を投じる前に済ませられます。そして指標の有無による投資対効果の回答の差は11.9ポイントです。費用の交渉に時間を使う前に、何をもって成果とするかを決めるほうが、結果に対する寄与は大きくなります。</p><h2 id="he5d6b42efa">回収の源はコスト削減に偏り、売上増は限られる</h2><p>最後に見るのは、投じた費用がどこから戻ってくるのかです。DXで成果が出たと答えた企業に成果の内容を聞くと、返ってくる領域は偏っています。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>DXによる経営面の成果内容</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>挙げた企業の割合</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>コスト（人件費・材料費等）削減</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>70.9%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>従業員満足度向上</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>42.4%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>製品・サービス等提供日数削減</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>34.3%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>利益増加</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>19.6%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>売上高増加</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>17.9%</p></td></tr></tbody></table><p>出所：IPA『DX動向2026』（2026年7月公表・成果が出ていると答えた企業が対象）。</p><p>コスト削減が70.9%で最も高く、売上高増加は17.9%です。その差は4倍近くあります。DXの成果が出ていると答えた企業でも、売上が増えたと答えるのは5社に1社に届きません。</p><p>成果指標の置き方もこれと揃っています。指標の対象は内向きの業務改革が80.0%、システム改革が55.4%で、外向きの業務改革は33.5%、経営改革は16.3%でした。</p><p>したがって、回収計画を売上増で立てると外れやすくなります。実勢に沿うのは、人件費と工数の削減幅で立てる置き方です。人事・採用の領域なら、1件あたりの工数・対応までの日数・担当者の残業時間のように、削減幅を数えられる指標のほうが回収の説明として通ります。</p><p>なお、DXに何らかの形で取組んでいる企業は75.7%、そのうち成果が出ていると答えたのは60.8%でした。取組そのものはすでに一般化しているので、費用の議論で問われるのは回収の測り方へ移っています。</p><h2 id="h2858c74725">予算として通すときに置く4つの数字</h2><p>ここまでの実測を、稟議に載せる形へ整理したものが次の表です。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>置くもの</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>使う数字</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>どこから取るか</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>水準</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>自社の従業員規模に対応する売上比の分布</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>IPA『DX動向2026』の規模別の行</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>費目</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>ソフトウェア本体・オプション・役務の3区分</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>デジタル化・AI導入補助金2026の補助対象経費</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>測り方</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>投じる前に決める成果指標</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>効果が上回った回答が11.9ポイント違う層別軸</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>回収源</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>人件費・工数・日数の削減幅</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>成果内容の実測（コスト削減70.9%対売上高増加17.9%）</p></td></tr></tbody></table><p>この4つが揃うと、金額の妥当性を主張しなくても予算の説明が成立します。逆に、金額のレンジだけでは、水準の根拠を問われた時点で先へ進めません。</p><p>順番も決まっています。測り方を決める、費目に割る、水準を当てる、回収源を書く。測り方を後回しにすると、効果を判定できない47.4%の側に入ります。</p><h2 id="hc5fa6c3929">この記事の要点</h2><p>DX費用について、国の調査から読める点を整理します。</p><ul><li>水準は売上に対する割合で置く。2%未満が58.8%で、5%以上も21.1%ある二山の分布になっている</li><li>売上比5%以上の企業は従業員100人以下で39.0%（最多）、1,001人以上で8.6%。重い側の区分だけが規模と逆に動く</li><li>民間企業の情報化投資は約78%がソフトウェアに向かう（設備投資として計上される分の集計）。見積もりは補助制度の3区分（ソフトウェア本体・オプション・役務）で割り直す</li><li>費用を増やした企業は51.7%だが、人材の育成予算を増やしたのは25.6%にとどまる</li><li>効果が費用を上回ったと答えた企業は14.6%。半数近くは効果を判定できていない</li><li>成果指標を置いた企業は、効果が上回ったと答える割合が11.9ポイント高い</li><li>回収の源はコスト削減が70.9%で、売上高増加は17.9%。回収計画は削減幅で立てる</li></ul>

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## [人事戦略の事例、公表19社の偏りと再現条件](https://hr-media.offers.jp/articles/hr-strategy-cases)

**公開日**: 2026-09-14
**著者**: 鈴木 裕斗
**カテゴリ**: 組織

<p>人事戦略の事例を集めても、自社で動く形になりません。仕上がりを決めているのは、どんな会社の事例を読んでいるかです。</p><p>国は、人事戦略の実践例を社名つきでまとめた資料を1つだけ公表しています。そこに並ぶのは、歴史の長い大企業に強く寄った顔ぶれです。この偏りを先に把握すると、真似られる部分と真似られない部分が分かれます。</p><p>この記事では、その事例集の中身を数え直しました。どの論点に事例が集まり、どの論点が空いているのか。そして規模を問わず移せる型は何かを整理します。</p><h2 id="h41a07d6483">人事戦略の事例で参照できる一次資料は1つ</h2><p>人事戦略の事例について、国が社名つきで公表している資料は<strong>『人材版伊藤レポート2.0 実践事例集』</strong>です。経済産業省が令和4年5月に公表した全82ページの資料で、19社の取組を掲載しました。同資料は冒頭で「この事例集は、人的資本経営を実践している事例を挙げ、その概要と取組のポイントを紹介したもの」と位置づけを述べています。出所：<a href="https://www.meti.go.jp/policy/economy/jinteki_shihon/pdf/report2.0_cases.pdf">経済産業省『人的資本経営の実現に向けた検討会 報告書 ～人材版伊藤レポート2.0～ 実践事例集』</a>（2022年5月公表・掲載19社）。</p><p>この事例集は、同時に公表された報告書本体と対になっています。本体が枠組みを示し、事例集がその枠組みに沿った実例を並べる構成です。</p><p>人事戦略そのものの定義、戦略の立て方の手順、2026年に変わった開示制度は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/hr-strategy">人事戦略とは？経営と連動させる立て方と開示制度</a>で扱いました。本記事はそこから事例だけを切り出し、事例の読み方に絞ります。</p><h3 id="h8388cab826">枠組みは3つの視点と5つの共通要素</h3><p>報告書本体は、人材戦略に求められるものを3つの視点と5つの共通要素に整理しています。事例集を読むときの座標軸は、この8つです。</p><p>3つの視点は次の3点になります。経営戦略と連動しているか。目指すべきビジネスモデルや経営戦略と現時点での人材や人材戦略との間のギャップを把握できているか。人材戦略が実行されるプロセスの中で組織や個人の行動変容を促し企業文化として定着しているか。</p><p>5つの共通要素は、動的な人材ポートフォリオ、知・経験のダイバーシティ＆インクルージョン、リスキル・学び直し、社員エンゲージメント、時間や場所にとらわれない働き方です。出所：経済産業省『人材版伊藤レポート2.0』（2022年5月13日公表）。</p><p>座標軸が要るのは、事例集の各ページに印字があるからです。その取組がどの視点・どの要素に当たるかのタグが、冒頭に付いています。</p><h3 id="h2c30ce8282">1社あたりの分量は本文4ページで固定</h3><p>事例集の構成は全社で揃っています。1社の紹介は本文4ページです。先頭ページに会社概要と「同社における人的資本経営実現のポイント」を3点置き、続く3ページに取組を1つずつ並べました。</p><p>つまり1社について読めるのは、代表的な取組3つだけになります。19社すべてが例外なく3つなので、総数は57です。</p><p>ここが最初の注意点になります。事例集に載っているのは、公表時点で代表として選ばれた3つの断面にとどまります。各社の人事戦略の全体像とは別物です。</p><h2 id="h5a2acfee1a">掲載19社の顔ぶれは大企業と老舗に寄る</h2><p>事例集の会社概要欄には、本社所在地と創業年が載っています。ここを19社ぶん並べると、母集団の性質が見えました。</p><p>本社所在地は東京都が17社です。残る2社は京都府と大阪府になります。創業年（一部は設立年）は1858年から2003年に分布し、中央値は1923年でした。出所：経済産業省『人材版伊藤レポート2.0 実践事例集』（2022年5月公表・n=19）。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>項目</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>19社の実測</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>本社所在地</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>東京都17社／京都府1社／大阪府1社</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>創業・設立年の範囲</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1858年〜2003年</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>創業・設立年の中央値</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1923年</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>公表時点で創業100年以上</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>9社</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>1社あたりの掲載ページ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>本文4ページ（取組3つ）</p></td></tr></tbody></table><p>双日は2003年設立の値で数えた（会社概要欄には前身企業の1862年創業も併記されている）。</p><p>出所：経済産業省『人材版伊藤レポート2.0 実践事例集』（2022年5月公表・n=19）。</p><h3 id="hba42e2076c">事例の材料は各社の統合報告書</h3><p>事例集の本文に置かれた図版には、出所が明記されています。「〇〇レポート2021」の形で示された抜粋元です。</p><p>「〜より抜粋」の形で出所が付いた図版は35点ありました。そのうち23点が2021年の統合報告書またはサステナビリティレポートからの抜粋です。出所：経済産業省『人材版伊藤レポート2.0 実践事例集』（2022年5月公表・出所つき抜粋35点を集計）。</p><p>統合報告書を毎年発行しているのは、基本的に上場企業になります。事例の材料そのものが、投資家向けの開示物に依存していました。</p><h3 id="h357d254209">偏りは前提として差し引く</h3><p>この顔ぶれ自体は、事例集の価値を下げません。人的資本経営を早く始めた企業を集めた資料なので、先行例が大企業に寄るのは自然な結果です。</p><p>問題になるのは、読み手が偏りを知らずに施策だけを持ち帰るときになります。数千人規模の人材データベースを前提にした仕組みは、数十人の組織にそのまま置けません。</p><p>事例集自体も「今後、事例は追加や更新を行う可能性があります」と注記しました。現在の19社は、公表時点の集まりにすぎません。</p><h2 id="h3232998305">57ブロックのタグを数えると空いている論点が出る</h2><p>事例集の取組ブロックには、3つの視点・5つの共通要素のタグが付いています。57ブロックぶんを集計すると、事例がどこに集まっているかが数字で出ました。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>視点・要素</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>57ブロック中</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>19社中</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>視点1 経営戦略と人材戦略の連動</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>35</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>19</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>視点2 As Is-To beギャップの定量把握</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>26</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>17</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>視点3 企業文化への定着</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>28</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>19</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>要素1 動的な人材ポートフォリオ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>32</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>19</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>要素2 知・経験のダイバーシティ＆インクルージョン</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>29</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>19</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>要素3 リスキル・学び直し</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>17</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>13</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>要素4 社員エンゲージメント</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>26</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>18</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>要素5 時間や場所にとらわれない働き方</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>4</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>3</p></td></tr></tbody></table><p>出所：経済産業省『人材版伊藤レポート2.0 実践事例集』（2022年5月公表・全57ブロックのタグを集計）。</p><h3 id="h06a20a53f6">要素5の事例はほぼ無い</h3><p>最も差が大きいのは要素5です。時間や場所にとらわれない働き方は5つの共通要素の1つですが、紐づく取組は57ブロック中4つにとどまりました。社数では19社中3社です。</p><p>つまりこの要素について事例集を読んでも、実践像はほとんど得られません。枠組みには含まれているのに、事例の側が追いついていない論点になります。</p><p>要素3のリスキル・学び直しも13社で、要素1・要素2の19社と差がありました。事例が厚いのは人材ポートフォリオとダイバーシティの側です。</p><p>薄い論点は、事例集の外で埋めることになります。制度や統計の側を当たるか、自社で先に運用して記録を残すかの2つです。事例が無いことは、その論点が重要でないことを意味しません。</p><h3 id="hb136144f25">視点1が最多になるのは設計どおり</h3><p>視点1の経営戦略と人材戦略の連動は35ブロックで最多でした。理由は枠組みの側にあります。</p><p>報告書本体の冒頭で、伊藤邦雄氏は「なかでも『経営戦略と人材戦略が同期しているか』という視点を強調した」と述べています。出所：経済産業省『人材版伊藤レポート2.0』（2022年5月13日公表）。枠組みの重心がそこに置かれており、事例の分布もそれを反映しました。</p><p>事例集を読むときは、この重心を意識すると迷いません。見るべきは、施策が経営計画のどの部分に紐づいているかです。</p><h2 id="h6c62f37d3c">19社に共通して現れる型は3つ</h2><p>社名と施策名を覚えても再現にはつながりません。移せるのは、施策の背後にある進め方です。エグゼクティブサマリーと各社の取組を通読すると、繰り返し現れる型が3つありました。</p><h3 id="h1671c19c64">必要な人材の質と量を定期的に洗い出す</h3><p>1つ目は、必要な人材を毎年棚卸しする運用です。旭化成の事例は「経営戦略の実現に必要な人財ポートフォリオの構築のために、採用すべき人財の質と量を、事業軸と機能軸の両面から、毎年全社的に洗い出している」と記述されました。出所：経済産業省『人材版伊藤レポート2.0 実践事例集』（2022年5月公表）。</p><p>要点は、洗い出しが単発の計画ではない点です。年次の作業として組み込まれています。事業軸と機能軸の2方向で見るという切り方も、規模を問わず持ち帰れます。</p><p>同社の事例は、採用と育成で確保できない人材を別の手段で補う設計も併記しました。必要量が足りないと分かった後の打ち手まで含めて1つの型です。</p><h3 id="hc2065fac41">経営戦略から降ろすだけでなく逆向きも成立する</h3><p>2つ目は方向の話になります。人事戦略は経営戦略から降ろすものと説明されがちですが、事例集には逆向きの記述がありました。</p><p>キリンホールディングスの事例は「経営戦略に基づいて人材戦略を発想するのではなく、人材の持つ強みを生かしてヘルスサイエンス領域へ参入したように、人材戦略から経営戦略を生み出す発想を持っている」と書かれています。出所：同事例集（2022年5月公表）。</p><p>自社に何ができる人材がいるかから、事業の選択肢を考える順序です。事業計画が固まっていない段階でも人事側から動けるので、実務上は扱いやすい型になります。</p><h3 id="h2f92d89a35">期間の単位は年ではなく10年</h3><p>3つ目は時間軸です。事例集には、10年以上かけたと明記された取組が2社ありました。</p><p>日立製作所の事例は、グループ・グローバル共通の人材データベースと共通の人材マネジメント基盤・制度を「10年以上かけて段階的に拡充してきた」と記述しています。丸井グループの事例も、社員一人ひとりの自主性を促す文化の醸成に「10年以上の期間をかけ」取り組んできたと書かれました。出所：同事例集。</p><p>事例として紹介されている完成形は、着手から10年後の姿です。1年で同じ状態を目指す計画は、最初から前提が合っていません。</p><h3 id="hc38ff518e6">3つの型の使い方</h3><p>型を3つに絞ると、事例の読み方が変わります。自社が今どの型を実行できるかを基準に、事例を選べました。</p><ul><li>棚卸し：必要な人材の質と量を、事業軸と機能軸で定期的に洗い出す</li><li>逆向き：手元の人材の強みから、取れる事業の選択肢を考える</li><li>10年：基盤の整備は年単位ではなく10年単位で区切る</li></ul><h2 id="h00872d46a8">人事部門の側を変えた取組が起点に置かれる</h2><p>型の3つに加えて、事例集にはもう1つの共通点がありました。施策の前に、人事部門そのものの立ち位置を動かした記述が多く現れる点です。</p><p>報告書本体もそこを起点として指定しています。CHRO（最高人事責任者）の設置と全社的経営課題の抽出が、「経営戦略と人材戦略を連動させるための取組」の中でも最も重要なステップになると明記されました。出所：経済産業省『人材版伊藤レポート2.0』（2022年5月13日公表）。</p><p>順序としては、制度の設計より先の段階があります。誰が経営と人材の接続を担うかを決める部分です。</p><h3 id="hdec0bc6870">人事の役割を経営と事業の側へ寄せる</h3><p>アステラス製薬の事例は、人事が「経営層や事業部門と共に戦略を実現する」体制へ移行していると記述されています。手段として挙がるのは3つです。経営陣と共に組織健全性に関する目標を設定すること。HRデータを分析して経営へ提示すること。事業リーダーの開発を支援すること。同社は社外からGlobal head of HRを招聘して取組を加速したとも書かれました。出所：同事例集（掲載19社）。</p><p>注目したいのは、3つの手段がいずれも人事の外側との接点である点です。並んでいるのは、経営と事業に情報を渡す仕事です。</p><h3 id="h631e55afec">目標管理と配置の前提を置き換える</h3><p>既存の運用の前提そのものを変えた事例もありました。</p><p>花王の事例は、KPIに基づいた目標管理・評価制度を改め、「ありたい姿や理想に近づくための高く挑戦的な目標」としてOKR（Objectives &amp; Key Results）を導入したと記述しています。SOMPOホールディングス（SOMPOは損害保険を中核とする企業グループの呼称）の事例は、社員を自律的なプロと捉え、会社主導の人事異動を実施しない運営へ移行したと書かれました。出所：同事例集。</p><p>どちらも施策の追加ではなく、既にある仕組みの置き換えです。予算を増やさずに動かせる範囲が残っているかを、自社でも先に確認できます。</p><h3 id="h212964064d">対話の場を制度として置く</h3><p>企業文化への定着（視点3）に紐づく取組は、対話の設計に寄りました。</p><p>東京海上ホールディングスの事例は、あらゆる階層・社員間のコミュニケーションのために、まじめな話を気楽にする対話の場を設置したと記述しています。オムロンの事例は、社員が企業理念を体現した実例をグローバル全社で共有し合う運用を持ちました。出所：同事例集（掲載19社）。</p><p>いずれも、使われている場面を流通させる形を取ります。理念や方針の掲示で止めていません。規模に依存しない部分が多く、数十人の組織でも置けます。</p><h2 id="h0f60966723">事例を自社へ移す前に自社側の現在地を測る</h2><p>3つの型のうち、最初につまずくのは棚卸しです。必要な人材の質と量を出すには、今いる人材の状態が分かっている必要があります。</p><p>事例集のタグも同じことを示しました。視点2のAs Is-To beギャップの定量把握は19社中17社に紐づいており、ほぼ全社が現状把握の取組を持っています。</p><p>現状把握が抜けたまま施策だけを導入すると、効果を判定できません。ギャップが測れていなければ、施策が埋めるべき差そのものが定義されていないためです。</p><h3 id="h510e19a05f">測る前に詰まっている企業が多い</h3><p>現状把握以前の段階で止まっている企業は少なくありません。厚生労働省の令和7年度「能力開発基本調査」では、能力開発や人材育成に関して何らかの問題があるとする事業所の割合が80.1%でした。</p><p>問題点の内訳（複数回答）は、指導する人材が不足している59.5%が最も高く、人材を育成しても辞めてしまう51.6%、人材育成を行う時間がない45.5%が続きます。出所：<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/11801500/001728125.pdf">厚生労働省『令和7年度「能力開発基本調査」の結果』</a>（2026年7月31日公表）。</p><p>挙がっているのはいずれも、戦略の巧拙より前の資源の問題です。事例集の施策を検討する前に、この層が自社に当てはまるかを確認する順序になります。</p><h3 id="hcc1e8c743b">採用側の現在地は指標で分解できる</h3><p>人材の確保が詰まっている場合、原因は採用の工程のどこかにあるはずです。求人の出し方、候補者への接触、選考の通過、内定後の意思決定のどこで落ちているかを分けて見る必要があります。</p><p><a href="https://service.offers.jp/client/hiring-check/?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-light&amp;utm_content=hr-strategy-cases">エンジニア採用力チェック</a>は、採用の状態を5指標24項目で採点し、結果を1枚の報告書として返す診断です。自社の弱い工程がどこかを先に切り分けてから、事例の施策を当てる順序にできます。</p><p>評価制度の側の事例は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/performance-review-cases">人事評価制度の事例、公表20社の規模と再現条件</a>、人事領域のデジタル化の事例は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/hr-dx-cases">人事DX事例の読み方｜普及水準と再現の条件</a>で扱いました。</p><h2 id="hc9c3720bf6">2026年からは他社の事例より自社の記述が問われる</h2><p>事例を探す動機は、自社の人事戦略を書くためであることが多いはずです。その書く側の要件が、2026年に変わりました。</p><p>金融庁は令和8年2月20日に開示府令の改正を公布・施行しています。有価証券報告書の記載上の注意に、人材戦略に関する基本方針等の項目が加わりました。求められるのは、連結ベースの企業戦略と関連付けた人材戦略、それを踏まえた従業員給与等の決定方針、提出会社の従業員の平均給与の対前年比増減率の3点です。適用は令和8年3月31日以後に終了する事業年度からになります。出所：金融庁『企業内容等の開示に関する内閣府令等の一部を改正する内閣府令等の公布及びパブリックコメントの結果について』（2026年2月20日公布）。</p><h3 id="ha800ad528c">連動の説明が具体性を問われる段階に入った</h3><p>制度側も、これまでの整理が足りていなかったと認めました。内閣官房・金融庁・経済産業省が令和8年3月23日に公表した<a href="https://www.cas.go.jp/jp/houdou/pdf/20260323_1.pdf">『人的資本可視化指針（改訂版）』</a>は、2022年8月の旧指針が可視化の重要性や方法については有用な情報を多く載せていたとしたうえで、改訂の理由を述べています。「経営戦略と人材戦略の連動については、その重要性の指摘にとどまり、具体的な考え方やステップに関する記述は限定的であった」。出所：内閣官房・金融庁・経済産業省『人的資本可視化指針（改訂版）』（2026年3月23日公表）。</p><p>改訂版は、適用対象を企業規模に関わらず様々な企業と明記しています。上場企業だけの話として置いておけません。</p><p>制度改正の全体像は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/human-capital">人的資本とは？2026年の制度改正で何が変わったか</a>で扱いました。</p><h3 id="h199e89f1c9">事例集は書き方の参考にもなる</h3><p>開示の観点で見ると、事例集の使い道がもう1つ出てきます。19社の記述は、経営計画と人材施策の紐づけを外部向けに説明した文章の実例です。</p><p>三井化学の事例は、ビジネスモデル転換を伴う経営計画と連動させた点が特徴として記述されました。人材戦略を体系的に明確化し、具体的な方策までを社外に開示しています。出所：同事例集。</p><p>見るのは施策の中身より、施策と計画の接続をどう文章にしているかです。事例集の元資料が統合報告書である以上、開示文の見本としての性格を持ちました。</p><h2 id="hb9a97ae67c">事例の読み方を4段で整理する</h2><p>ここまでを、着手の順序に並べ替えます。事例を集める作業は最後に置きました。</p><ol><li>現在地を測る：人材の状態と採用工程のどこで詰まっているかを数字にする</li><li>型を選ぶ：棚卸し・逆向き・10年の3つから、今の自社で実行できるものを1つ決める</li><li>事例を当てる：選んだ型に対応する事例だけを読み、規模の違いを差し引く</li><li>書いて残す：経営計画と人材施策の接続を文章にし、指標と期間を添える</li></ol><p>この順序にすると、事例の偏りが問題になりません。型を先に決めてから読むので、自社と規模が違う会社の施策をそのまま持ち帰る手順が発生しないためです。</p><h3 id="h6410791340">事例集を読むときの3つの確認</h3><p>最後に、事例集の各社ページを開くときの確認事項を3つ挙げます。</p><ul><li>その取組に付いているタグ（視点・要素）が、自社の課題と一致しているか</li><li>記述の中に、着手から現在までの期間が書かれているか</li><li>図版の出所が何年の資料か（事例集の図版は2021年のものが大半）</li></ul><p>3つ目は特に見落としやすい部分です。事例集の公表は2022年5月で、その材料は前年の開示物でした。現在の各社の姿とは差があることを前提に読む必要があります。</p><h2 id="h1c77f3a256">事例集との付き合い方</h2><p>人事戦略の事例で参照できる一次資料は、経済産業省の『人材版伊藤レポート2.0 実践事例集』です。19社・57ブロックという構成は固定されており、タグを数えると事例が集まる論点と空いている論点が分かりました。</p><p>母集団は東京都に本社を置く老舗の大企業に寄っています。この偏りを差し引いたうえで、棚卸し・逆向き・10年という3つの型に還元すると、規模が違う組織でも持ち帰れます。</p><p>そして2026年からは、他社の事例を読むことより自社の人材戦略を記述することが求められる段階に入りました。事例集は、その記述の見本としても使える資料です。</p>

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## [スカウトの提示年収の決め方と上げ幅の実勢](https://hr-media.offers.jp/articles/scout-salary-offer)

**公開日**: 2026-09-13
**著者**: 鈴木 裕斗
**カテゴリ**: 採用

<p>スカウトを送るとき、年収欄に入れる数字を誰がどう決めているか。社内で説明できる状態になっている会社は多くありません。</p><p>求人票の年収レンジをそのまま流用するか、現場が「このくらいなら」と口頭で出した数字を置くか。どちらも根拠が社外にないので、返信が来なくても原因の切り分けができません。</p><p>この記事では、スカウトの提示年収を決めるための材料を3つそろえます。転職した人の賃金が実際にどれだけ動いているか、年齢ごとに水準がいくらか、そしてその2つから提示レンジをどう組むか。数値はすべて厚生労働省の統計から取りました。中途採用の実務を想定しています。</p><h2 id="hcd8e6e5299">提示年収は現年収に上げ幅を足して決める</h2><p>スカウトの提示年収は、候補者の現年収を起点に上げ幅を足す形で決まります。求人票のレンジは母集団を広く取るための枠であって、個別のスカウトで出す数字ではありません。</p><p>この順序が要るのは、候補者側の判断が相対評価だからです。いま受け取っている金額より上かどうかで、返信するかを最初に切り分けます。絶対額としての水準は、その次に見られます。</p><p>では上げ幅はどこまで見ればよいのか。ここが社内の合意で止まりやすい場所です。</p><p>手がかりになるのは、実際に転職した人の賃金がどう動いたかの統計です。国が毎年測っており、年齢階級別と雇用形態別の内訳まで公開されています。</p><h2 id="h7afb01de0d">転職者の4割が賃金を増やし、大半は1割以上の増加</h2><p>厚生労働省の調査では、転職して入職した人のうち前職より賃金が増えた人は約4割です。そして増えた人の内訳を見ると、1割未満の小幅な増加より、1割以上の増加のほうが多くなっています。</p><p>令和7年（2025年）上半期の内訳は次のとおりです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>前職の賃金と比べた変化</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>割合</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>1割以上の増加</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>26.7％</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>1割未満の増加</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>12.7％</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>増加（計）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>39.4％</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>変わらない</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>25.5％</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>1割未満の減少</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>9.5％</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>1割以上の減少</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>22.0％</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>減少（計）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>31.5％</p></td></tr></tbody></table><p>出所：<a href="https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/26-1/dl/kekka_gaiyo-03.pdf">厚生労働省「令和7年上半期雇用動向調査結果の概況」</a>表5（令和7年12月23日公表・2025年1〜6月）。</p><p>計は賃金変動状況が不詳の人を含むため、増加・変わらない・減少を足しても100％にはなりません。</p><p>ここから読み取れることが2つあります。</p><p>1つは、増加が減少を7.9ポイント上回っていること。転職市場全体としては、賃金が上がる方向に動いています。</p><p>もう1つは、増加した人の中身です。増加39.4％のうち26.7％が1割以上の増加で、増加した人の3分の2を超えます。つまり賃金が上がる転職は、数万円の微増ではなく1割単位で動いていることが多いという意味です。</p><p>この構造が、提示年収を決めるときの最初の目安になります。現年収に対して1割に届かない提示は、統計上の「増加」の中でも少数派の側に入ります。</p><h2 id="ha36360b5a9">増加が減少を上回るようになったのは、この数年のことである</h2><p>この水準は昔からのものではありません。10年前は、賃金が減る転職のほうが多い状態でした。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>時点</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>増加</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>減少</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>原典の記述</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>平成28年（2016年）上半期</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>34.6％</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>35.4％</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>減少が増加を0.8ポイント上回る</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>令和3年（2021年）上半期</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>34.2％</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>36.6％</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>減少が増加を2.4ポイント上回る</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>令和6年（2024年）上半期</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>40.0％</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>28.9％</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>増加が減少を11.1ポイント上回る</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>令和7年（2025年）上半期</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>39.4％</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>31.5％</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>増加が減少を7.9ポイント上回る</p></td></tr></tbody></table><p>出所：厚生労働省の各年の雇用動向調査結果の概要・概況（平成28年上半期は表6、令和3年上半期は表8、令和6年・令和7年上半期は令和7年上半期の表5）。</p><p>2021年上半期の時点でも、減少が増加を2.4ポイント上回っていました。関係が入れ替わったのは2022年上半期で、そのときの差は0.8ポイントです。はっきり開いたのは2023年上半期の5.4ポイントからでした。</p><p>社内に「転職で年収が下がる人も多い」という前提が残っているなら、それは2021年頃までの市場の姿です。いま同じ前提で提示額を組むと、市場の実勢より低い側に寄ります。</p><h2 id="he9c317ce50">正社員どうしの移動では上げ幅がさらに出る</h2><p>全体の数字には、パートタイムからの移動や有期雇用への移動も混ざったままです。正社員の中途採用でスカウトを送るなら、同じ条件どうしの移動だけを抜き出したほうが実態に近くなります。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>移動の型（令和7年上半期）</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>増加</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>うち1割以上の増加</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>減少</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>増加－減少</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>一般労働者 → 一般労働者</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>40.5％</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>28.0％</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>31.7％</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>8.8ポイント</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>うち雇用期間の定めなし → 定めなし</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>43.6％</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>28.9％</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>28.1％</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>15.5ポイント</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>パートタイム → パートタイム</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>36.1％</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>19.0％</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>22.6％</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>13.5ポイント</p></td></tr></tbody></table><p>出所：<a href="https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/25-2/dl/kekka_gaiyo-03.pdf">厚生労働省「令和7年上半期雇用動向調査結果の概況」</a>表6。</p><p>雇用期間の定めのない一般労働者どうしの移動、つまり正社員から正社員への転職では、増加が43.6％まで上がります。増加と減少の差も15.5ポイントで、全体の7.9ポイントの2倍近くです。</p><p>年計でも傾向は同じで、令和6年の同じ区分は増加42.0％・減少25.7％、差は16.3ポイントでした。</p><p>正社員の中途採用で使う目安としては、全体の39.4％ではなくこちらの43.6％を見るほうが正確です。おおよそ2人に1人弱が賃金を上げて移っており、そのうち3分の2近くが1割以上の上げ幅で動いています。</p><h2 id="h061ac8d3fc">年齢階級によって上げ幅の相場は変わる</h2><p>一律の上げ幅を全候補者に当てるやり方は、年齢が上がるほど実態から外れます。賃金が増える割合は40代のあいだは高い水準で続き、50代に入ると大きく下がるためです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>年齢階級（令和7年上半期）</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>増加</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>うち1割以上の増加</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>変わらない</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>減少</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>25〜29歳</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>45.9％</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>32.5％</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>25.1％</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>27.2％</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>30〜34歳</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>47.0％</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>28.5％</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>21.4％</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>29.5％</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>35〜39歳</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>43.2％</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>32.8％</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>24.5％</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>25.2％</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>40〜44歳</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>47.7％</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>30.2％</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>26.0％</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>23.5％</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>45〜49歳</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>41.1％</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>28.4％</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>29.9％</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>28.1％</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>50〜54歳</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>26.5％</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>16.1％</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>27.1％</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>44.7％</p></td></tr></tbody></table><p>出所：厚生労働省「令和7年上半期雇用動向調査結果の概況」表5。</p><p>20代後半から40代までは、増加が4割台前半から後半で安定しています。1割以上の増加も3割前後で推移し、年齢による差はそれほど大きくありません。</p><p>変化が出るのは50代です。50〜54歳では増加が26.5％まで落ち、減少が44.7％で逆転します。1割以上の増加も16.1％どまりです。</p><p>ただし年齢が1つの区分で切れているぶん、振れも出ます。令和6年（2024年）1年間で見ると50〜54歳の増加は39.0％で、上半期だけを見た2025年の26.5％より高い水準でした。単年の上半期の数字だけで方針を固めず、年計とあわせて見てください。</p><p>実務への落とし方はこうなります。40代までは1割以上の上げ幅を標準の設計に置き、50代前半から先は横ばいから小幅増を基準にして、上げ幅ではなく役割や裁量で訴求を組み立てます。</p><h2 id="hca973f6522">水準の実額は賃金構造基本統計調査で確かめる</h2><p>上げ幅が決まっても、自社の水準が市場のどのあたりにあるかがわからなければ、レンジの置き場所は決まりません。年齢階級ごとの賃金の実額は、国の統計で毎年公表されています。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>年齢階級（男女計）</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>所定内給与額（月額）</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>対前年増減率</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>20〜24歳</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>242,800円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>＋4.4％</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>25〜29歳</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>279,400円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>＋4.6％</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>30〜34歳</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>312,300円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>＋4.3％</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>35〜39歳</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>340,600円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>＋3.6％</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>40〜44歳</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>364,300円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>＋3.7％</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>45〜49歳</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>377,900円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>＋1.4％</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>50〜54歳</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>388,800円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>＋2.2％</p></td></tr></tbody></table><p>出所：<a href="https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2025/dl/02.pdf">厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」</a>第2表（令和8年3月24日公表・2025年6月分）。</p><p>一般労働者全体の平均は340,600円で、前年比3.1％増でした。平均年齢は44.4歳、平均勤続年数は12.7年です。</p><h3 id="hf74f4b6a58">この数字をそのまま12倍しても年収にはならない</h3><p>ここで注意が要ります。この調査の「賃金」は、6月分として支払われた所定内給与額の平均値です。賞与も時間外手当も含みません。</p><p>したがって340,600円を12倍した約409万円は、この統計が示す年収ではありません。賞与のある会社なら実際の年収はこれを上回り、みなし残業を含む提示額とも土台が違います。</p><p>使い方は水準そのものではなく、年齢階級ごとの相対差を見ることです。25〜29歳の279,400円を起点にすると、35〜39歳は340,600円で約1.22倍、45〜49歳は377,900円で約1.35倍になります。この傾きが、社内の等級設計とずれていないかを確かめる材料になります。</p><p>もう1つ見ておきたいのが対前年増減率です。20代後半から30代前半は4％台で上がっているのに対し、45〜49歳は1.4％にとどまります。若手側の水準が速く動いているので、去年つくった提示レンジを今年そのまま使うと、若い層ほど実勢から離れます。</p><p>なお男女計の数字を使ったのは、社内の等級設計と突き合わせる用途だからです。男性は55〜59歳の445,600円がピークで、女性は45〜49歳と55〜59歳の305,700円が最高値と、賃金カーブの形が異なります。</p><h2 id="h0241aa8031">提示レンジは3つの数字から組む</h2><p>ここまでの材料を、実際のレンジに落とします。使う数字は3つです。</p><p><strong>下限</strong>は、候補者の推定現年収と同額に置きません。統計では「変わらない」が25.5％あり、この層は転職の理由を賃金以外に持っています。賃金を動機にスカウトを送るなら、下限は現年収を上回る位置からが前提です。</p><p>中央値には、現年収の1割増を置きます。正社員どうしの移動で1割以上の増加が28.9％あり、増加した人の中では最も厚い層だからです。</p><p>上限は、社内の同等級の上限から決めます。市場の実勢ではなく、既存社員との整合で切るのが原則です。ここを市場側に寄せると、入社後の賃金の逆転が起きます。</p><p>3つを置いたあとに確かめることが1つあります。組んだレンジの幅が、統計の年齢階級間の傾きと逆を向いていないかです。統計は月額なので年収レンジの下限とそのまま比べられませんが、「35〜39歳より45〜49歳を低く置いている」のような傾きの反転は、月額のままでも見つかります。</p><p>レンジの幅は、広げるほど母集団が増えるかわりに候補者側の読み取りが曖昧になります。候補者が最初に見るのは下限側です。幅が200万円を超えるなら、求人を2つに分けて送り分けるほうが下限を高く示せます。</p><p>提示レンジを組む前に、自社が市場のどのあたりにいるのかを把握しておくと判断が速くなります。<a href="https://service.offers.jp/client/hiring-check/?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-light&amp;utm_content=scout-salary-offer">エンジニア採用力チェック</a>は、待遇を含む採用要件の設計状況を24項目で点検する診断です。</p><h2 id="heab130e484">スカウト文面での年収の書き方</h2><p>決めたレンジを文面にどう出すかで、返信の質が変わります。</p><p>金額を出さない選択は避けてください。候補者は複数のスカウトを並行して受け取っており、条件が読み取れないものから外していきます。</p><p>書き方の型は3つあります。</p><ul><li>レンジで示す（例：600万円〜850万円）。最も一般的で、幅の広さがそのまま曖昧さになります</li><li>下限を保証する形で示す（例：現年収を下回らない水準から）。現年収が非公開の候補者に届きやすい書き方です</li><li>モデル年収を条件つきで示す（例：入社4年目・マネージャー相当で900万円）。水準の根拠が伝わりますが、その等級に届かない候補者には読み替えが要ります</li></ul><p>どの型でも、金額と等級・役割の対応を1行添えてください。金額だけが並ぶと、候補者は自分がどの位置に当たるかを判断できません。</p><p>注意が要るのは、ここで示した金額が後工程を縛る点です。スカウトや求人で示した条件を内定の段階で変えるときは、別に手続きが必要になります。賃金の明示として何をどこまで書くかは<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/offer-letter-salary">内定通知書の給与の書き方と必須項目、求人票との差</a>で扱っています。</p><p>スカウトの送付や文面設計そのものを外部に委託する場合の料金の考え方は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/scout-outsourcing">スカウト代行おすすめ10社比較、承諾率2.4倍の料金相場と選び方</a>にまとめました。</p><h2 id="h2f79552fbb">提示年収が届かないときに動かす3つの変数</h2><p>レンジを組んだ結果、市場の実勢に届かないことがあります。予算の上限は簡単には動きません。そのときに検討できる変数は3つです。</p><p>1つ目は<strong>対象の年齢階級を変える</strong>ことです。50〜54歳では増加が26.5％まで下がり、減少が44.7％と逆転します（年計では39.0％なので、前節のとおり振れは大きめに見ておいてください）。それでも、横ばいの提示で動く余地が残る層ではあります。予算が動かせないなら、対象側を動かします。</p><p>2つ目は<strong>賃金以外の離職理由に当てる</strong>ことです。厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」表5によると、転職入職者が前職を辞めた理由のうち「給料等収入が少なかった」は男性10.1％、女性8.3％でした。金額は理由の一部であって全部ではありません。</p><p>ただし前年からの動きは見ておく必要があります。男性の同項目は令和5年の8.2％から1.9ポイント上昇しました。賃金を理由に動く人の比率は上がっています。</p><p>3つ目は<strong>母集団の取り方を見直す</strong>ことです。スカウトの提示条件で勝てない相手を追い続けるより、条件が噛み合う層に配分を移すほうが早く進みます。設計の全体像は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/direct-recruiting-guide">ダイレクトリクルーティングとは？採用単価140万円減の仕組みと成功事例</a>にまとめました。</p><h2 id="h967a0dd10f">提示年収を決める手順の整理</h2><p>スカウトの提示年収は、求人票のレンジの流用でも現場の感覚でもなく、現年収に上げ幅を足す形で組み立てます。</p><p>上げ幅の目安になるのは、正社員どうしの転職で賃金が増えた人が43.6％、そのうち1割以上の増加が28.9％という実勢です。40代まではこの水準が続き、50代前半で反転します。</p><p>年齢階級ごとの実額は賃金構造基本統計調査から確かめられますが、この統計の賃金は6月分の所定内給与額で、賞与も時間外手当も含みません。12倍しても年収にはならない点だけ、社内で共有しておいてください。</p><p>提示レンジは下限・中央値・上限の3点で組み、下限は現年収と同額に置かず、上限は社内の等級で切ります。市場の実勢に届かないときは、対象の年齢階級・賃金以外の訴求・母集団の取り方の3つを順に見直します。</p>

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## [スカウトとヘッドハンティングの違い、費用と使い分け](https://hr-media.offers.jp/articles/scout-vs-headhunting)

**公開日**: 2026-09-13
**著者**: 鈴木 裕斗
**カテゴリ**: 採用

<p>求人を出しても応募が来ない。そう感じたときに検討に上がるのが、企業の側から候補者へ声をかける採用です。</p><p>ただ、そこには「スカウト」と「ヘッドハンティング」という2つの言葉が並んでいます。似た説明が多いわりに、見積書を取ると金額の桁が変わるのはなぜか。</p><p>この記事では、2つの違いを採用担当が選ぶための材料として整理しました。言葉の意味、費用の出方、どちらを選ぶかの判断手順、発注先に確かめる点までを順に扱います。</p><h2 id="h097e09868b">2つの違いは相手の状態と探す範囲に出る</h2><p>スカウトは転職を考えて登録している人へ企業から声をかける手法です。ヘッドハンティングは、転職を考えていない在職者を名指しで探し出して口説きます。違いはこの2点に集約されます。</p><p>母集団の大きさ、かかる期間、費用の出方といった他の差は、すべてここから派生したものです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>比べる点</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>スカウト</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>ヘッドハンティング</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>相手の状態</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>転職を考えて登録している</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>在職中で転職を考えていない場合もある</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>探す範囲</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>データベースの登録者</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>業界・企業を指定して市場全体</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>一度に会える人数</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>数十人から数百人へ同時に送れる</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1ポジションに数人</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>主な用途</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>現場の実務層から管理職まで</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>経営幹部・後継者・希少な専門職</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>費用が発生する時点</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>利用料または入社時</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>依頼時から段階的に</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>社内にかかる手間</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>文面作成と返信対応が続く</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>要件のすり合わせが中心</p></td></tr></tbody></table><p>見落とされやすいのは表の最後の行です。スカウトは費用が安く見えても、送る・返す・調整するという作業が社内に残ります。ヘッドハンティングは費用が高く見えても、探す作業そのものは外に出せます。</p><p>どちらが安いかは、金額だけを並べても決まりません。</p><h2 id="h11159b1514">スカウトという言葉が指す3つの採用手法</h2><p>スカウトという1語は、実務では3つの別の手法を指します。見積もりの金額が食い違う原因は、送り手が誰なのかの違いにあります。</p><p><strong>1つ目は、企業が自社の名前で送るスカウト</strong>です。求人データベースに登録した候補者を自社で検索し、文面も自社で作ります。ダイレクトリクルーティングとも呼ばれる形です。</p><p>2つ目は、人材紹介会社から届くスカウトになります。登録した求職者へ求人を案内するのは、紹介会社の担当者です。候補者から見れば同じ「スカウトメール」ですが、あいだに事業者が入る点が違います。</p><p>3つ目はスカウト代行です。1つ目の作業を外部へ委託する形で、検索も文面作成も送信も代行会社が担います。手法はダイレクトリクルーティングのままで、変わるのは手を動かす人だけです。</p><p>スカウト採用そのものの進め方は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/a_86">スカウト採用の記事</a>に、委託する場合の料金の型は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/scout-outsourcing">スカウト代行の記事</a>にまとめてあります。</p><h2 id="h5d98fbb6d4">ヘッドハンティングには登録型とサーチ型の2つがある</h2><p>ヘッドハンティングは、候補者をどう見つけるかで登録型とサーチ型に分かれます。</p><p>登録型は、ヘッドハンティング会社が持つハイクラス人材のデータベースから候補者を選ぶ形です。すでに転職の意思を示している人が中心なので、動き出しは速くなります。</p><p>サーチ型では、依頼を受けてから対象企業と対象ポジションを定め、その企業に在籍している人を調べて接触します。転職市場に出ていない人へ届くのはこちらです。着手から入社までは数か月単位です。</p><p>要件の詰め方や会社選びの観点は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/executive-search">ヘッドハンティングの記事</a>で詳しく扱っています。ここでの主題は、スカウトと並べたときにどちらを選ぶかです。</p><h2 id="h54e64cfdc7">費用は「いつ・何に対して払うか」で比べる</h2><p>費用を比べるときは、料率ではなく支払いのタイミングで並べると差が見えます。同じ「成功報酬」という言葉でも、その前に払うものがあれば総額は変わるからです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>手法</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>依頼時</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>進行中</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>入社時</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>不成立のとき</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>自社で送るスカウト</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>利用料（月額・年額）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>―</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>サービスにより発生</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>利用料は戻らない</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>人材紹介会社経由</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>―</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>―</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>紹介手数料</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>費用は発生しない</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>ヘッドハンティング（登録型）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>―</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>―</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>成功報酬</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>費用は発生しない</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>ヘッドハンティング（サーチ型）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>着手金</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>中間金</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>成功報酬</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>着手金・中間金は戻らない</p></td></tr></tbody></table><p>成立しなくても費用が残るのはサーチ型だけです。調査そのものに人手がかかるため、依頼した時点から作業が始まります。</p><p>自社で送るスカウトは、何人採用しても利用料が変わらない契約が中心です。採用人数が増えるほど、1人あたりの負担は下がっていきます。</p><p>人材紹介に払う費用の内訳と職種ごとの実額は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/recruitment-fee">人材紹介の費用の記事</a>にまとめました。</p><h2 id="h39151cb0ad">法定の手数料上限は賃金の11%、実務の料率が超える理由</h2><p>手数料を受け取って人を紹介する事業には、法律上の上限が定められています。それでも見積書に並ぶ料率がその上限を大きく超えるのは、上限のある枠組みとない枠組みが並んで存在しているからです。</p><p>前提として、人を紹介して報酬を受け取る行為は職業紹介にあたります。職業安定法第四条第一項は職業紹介を「求人及び求職の申込みを受け、求人者と求職者との間における雇用関係の成立をあつせんすること」と定めました。第三十条第一項は「有料の職業紹介事業を行おうとする者は、厚生労働大臣の許可を受けなければならない」と定めています。</p><p>出所：<a href="https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000141">e-Gov 法令検索「職業安定法」</a>（昭和二十二年法律第百四十一号）現行版・2026年9月14日確認。</p><p>人材紹介会社もヘッドハンティング会社も、この許可の下にある事業者です。</p><h3 id="hc4b37d94cc">手数料の枠組みは上限制と届出制の2つに分かれる</h3><p>その手数料には2つの枠組みがあります。</p><p><strong>上限制手数料の最高額は、支払われた賃金額の100分の11（免税事業者は10.3）</strong>です。期間の定めのない雇用契約で同じ人が6箇月を超えて雇用された場合は、別の計算が加わります。6箇月間の賃金の100分の11と、臨時の賃金および3箇月を超える期間ごとに支払われる賃金を除いた額の100分の14.8（免税事業者は13.9）のうち、大きい額まで徴収できます。</p><p>届出制手数料は、厚生労働大臣に届け出た手数料表の額を徴収する仕組みです。こちらには金額の上限が定められていません。変更を命じられるのは、手数料に関する事項が明確でなく著しく不当と認められるときと、特定の者へ不当な差別的取扱いをするときの2つに限られます。</p><p>出所：<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/001497513.pdf">厚生労働省「職業紹介事業の業務運営要領」</a>第6 手数料（令和8年7月31日適用）。</p><p>11%という数字は確かに存在します。ただし実務で使われている枠組みとは別のものです。</p><h3 id="hb1b4604caa">国の集計では手数料収入の99.7%が届出制から出ている</h3><p>どちらが使われているかは、国の集計に表れています。</p><p>令和6年度の民営職業紹介事業所の手数料収入は約9,835億円で、対前年度比17.6％の増加でした。手数料徴収状況の合計行を見ると、内訳は次のようになります。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>手数料の種類</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>金額（千円）</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>構成比</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>届出制手数料</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>980,821,781</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>99.7%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>上限制手数料</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1,804,568</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>0.2%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>受付手数料・求職者紹介手数料など</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>827,808</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>0.1%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>合計</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>983,454,157</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>100%</p></td></tr></tbody></table><p>出所：<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001683019.pdf">厚生労働省「令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果（速報）」</a>（令和8年3月31日公表）・構成比は Offers 算出。</p><p>届出制が約9,808億円で、全体の99.7%を占めます。見積書に載る料率が11%を超えているのは、違法だからではありません。上限の定めがない枠組みを使っているからです。</p><p>料率の妥当性を判断する材料は、法定上限ではなく届け出られた手数料表そのものになります。</p><h3 id="h2ac77444d6">1件あたりの実額は約103万円</h3><p>料率よりも金額のほうが比べやすくなります。</p><p>同じ集計では、常用就職に係る手数料が約9,136億円、常用就職1件あたりの手数料が約103万円（対前年度比10.9％増）でした。この割り算は厚生労働省が行っています。注記には「常用就職件数の合計値と常用就職に係る手数料の総額より算出しています」とあります。</p><p>ここでの常用とは、4か月以上の期間を定めて雇用されるものか、期間の定めなく雇用されるものです。</p><p>職種別に見ると、情報処理・通信技術者（ソフトウェア開発）の手数料合計は59,879,286千円、約599億円にのぼりました。エンジニア採用に紹介経由で使われている金額の規模がここに表れています。</p><p>出所：厚生労働省「令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果（速報）」（令和8年3月31日公表）・億円への丸めは Offers 算出。</p><p>103万円は全職種を通した平均です。管理職や専門職ではこれを上回ります。それでも、自社のスカウト運用にかかる年間の利用料と並べれば、どちらが割高かの見当は付きます。</p><p>自社の採用でこの比較をどう置くかは、ポジションの要件と現在の採用単価しだいです。<a href="https://offers.jp/client/ai-rpo?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-consult&amp;utm_content=scout-vs-headhunting">Offers の AI RPO</a>では、手法の選定から実務の代行までを対象に相談を受け付けています。</p><h2 id="hd4a3fba5d8">候補者から紹介手数料を取れる職業は5つに限られる</h2><p>候補者側が紹介の手数料を払うことは、原則としてありません。求職者手数料として法令が例外を認めているのは、5つの職業だけです。</p><p>求職者手数料を徴収できるのは「芸能家」「モデル」と、「経営管理者」「科学技術者」「熟練技能者」の職業になります。このうち後ろの3職業については、紹介で就職した職業の賃金の額が年収700万円またはこれに相当する額を超える場合に限られます。「芸能家」と「モデル」に年収の条件は付きません。</p><p>紹介手数料とは別に、求職の申し込みを受け付けた時点で取れる受付手数料もあります。こちらは経過措置として、芸能家・家政婦（夫）・配ぜん人・調理師・モデル・マネキンの6職業の求職者から、1件につき710円（免税事業者は660円）を限度に徴収できます。金額の桁が紹介手数料とは違うため、採用単価の比較に影響する性質のものではありません。</p><p>出所：厚生労働省「職業紹介事業の業務運営要領」第6 手数料（令和8年7月31日適用）。</p><h3 id="h1d2398886c">年収要件の付く3職業では徴収実績が0円だった</h3><p>条文が認めていることと、実際に行われていることは別です。国の集計を見ると、この例外はほとんど使われていません。</p><p>令和6年度の求職者紹介手数料104,712千円の内訳は、芸能家87,596千円とモデル17,116千円でした。年収の条件が付く経営管理者・科学技術者・熟練技能者は、3職業とも0円です。受付手数料のほうは、上の6職業から合計584,545千円が徴収されています。</p><p>出所：厚生労働省「令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果（速報）」（令和8年3月31日公表）。</p><p>経営幹部や専門職を採用する場面は、まさにこの3職業に重なります。そこで候補者が手数料を負担した実績は無い、というのが国の集計から読める事実です。</p><p>スカウトでもヘッドハンティングでも、費用を負担するのは採用する企業の側と考えて差し支えありません。候補者へ声をかける文面で、費用負担への不安を解く説明を入れる必要もありません。</p><h2 id="h2949ab4411">どちらを使うかは3つの問いで決まる</h2><p>手法を先に選ばず、埋めたいポジションの条件から逆算します。次の3問に答えれば、どちらへ寄せるかが決まるはずです。</p><h3 id="h35275e089b">問い1　その人は今、転職を考えているか</h3><p>考えている層で足りるなら、スカウトで届きます。登録者のデータベースは転職の意思を示した人の集まりなので、声をかけた相手が話を聞いてくれる確率は高めです。</p><p>考えていない層へ届く必要があるなら、選ぶのはサーチ型のヘッドハンティングになります。対象企業を指定して在籍者を調べる工程が入るため、データベースの検索では代わりになりません。</p><p>判断の分かれ目は、そのポジションの要件を満たす人が転職市場に何人いそうかという見立てです。心当たりが数人しかいない要件なら、市場全体を探す必要があります。</p><h3 id="ha4d04116ec">問い2　1ポジションに何人と会いたいか</h3><p>複数人を比べて決めたいなら、向いているのはスカウトです。同時に多数へ送れるので、面談の母集団を作れます。</p><p>1人を口説き落とす形で構わないなら、ヘッドハンティングです。そもそも候補になる人が少ないポジションでは、比較検討という前提が成り立ちません。</p><p>会いたい人数の見込みは、要件の希少さから決まってきます。</p><h3 id="h635a857417">問い3　社内に週何時間割けるか</h3><p>自社で送るスカウトは、費用が固定される代わりに作業が社内へ残ります。候補者の検索、文面の作成、返信への対応、日程調整が毎週発生する形です。</p><p>この時間が取れないなら、スカウト代行か人材紹介へ寄せる判断になります。工数を見ずに利用料の安さだけで選んだ場合、送信数が伸びないまま契約期間が終わりかねません。</p><p>割ける時間が読めない場合は、どの工程に何時間かかっているかを先に測ると判断しやすくなります。自社の採用がどこで詰まっているかを含めて相談したいときは、<a href="https://offers.jp/client/ai-rpo?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-consult&amp;utm_content=scout-vs-headhunting">Offers の AI RPO</a>へお問い合わせください。運用の設計から実務の代行までを引き受けています。</p><h2 id="h1930282f54">発注先に確認する3点は許可・手数料表・返金規定</h2><p>委託先を比べるときは、サービス名や実績の前に制度上の裏づけを確かめます。見るのは3点です。</p><p><strong>1つ目は、有料職業紹介事業の許可の有無</strong>です。職業安定法第三十条第一項により、有料の職業紹介事業には厚生労働大臣の許可が必要です。許可番号は事業者のサイトに掲示されているので、契約前に確かめられます。</p><p>2つ目は手数料表の内容です。届出制手数料を選んだ事業者は、届け出た手数料表に基づいてしか徴収できません。料率だけでなく、算定の基礎になる賃金の範囲（賞与を含むか、想定年収か実支給額か）まで見ておくと、後から金額が食い違わずに済みます。</p><p>3つ目は返金規定です。入社後の早期離職でいくら戻るかは事業者ごとに違います。サーチ型では着手金と中間金の扱いも合わせて確認してください。</p><p>届出をせずに届出制手数料を徴収した者は、法第65条第2号に該当し、6箇月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金に処せられる場合があります。手数料表の提示を渋る相手には、この点を踏まえて臨んでください。</p><p>出所：厚生労働省「職業紹介事業の業務運営要領」第6 手数料（令和8年7月31日適用）。</p><h2 id="ha8738b4108">スカウトの承諾率は文面の作り方で変わる</h2><p>スカウトを選んだ場合、成果を左右するのは送信数よりも文面です。同じデータベースへ同じ数だけ送っても、承諾率は動きます。</p><p>Offers が提供する AI スカウト生成機能では、導入企業のスカウト承諾率が13.1%から31.7%へ、別の企業では19.0%から32.4%へ変化しました。スカウト文の作成工数は80%削減しています。</p><p>出所：<a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000178.000053307.html">株式会社overflow「AIスカウト生成機能」</a>（PR TIMES・2024年10月31日発表・2024年10月時点 当社調べ）。</p><p>承諾率が2倍動くということは、同じ採用人数を同じ利用料で確保できるかどうかが文面の作り方で決まるということです。費用の比較でスカウトが有利に見えても、返信が来なければその前提は崩れます。</p><p>スカウトを選ぶ判断には「送る仕組みを社内で回せるか」という条件が付きます。回せないなら、費用の比較表の数字はそのままでは使えません。</p><h2 id="h6caf2ca5a0">最後に確かめること</h2><p>スカウトとヘッドハンティングを分けるのは、相手が転職を考えているかと、探す範囲がデータベースか市場全体かの2点です。母集団の大きさ、期間、費用の出方は、そこから派生します。</p><p>費用は料率ではなく支払いのタイミングで比べてください。不成立でも着手金と中間金が残るのはサーチ型だけで、他の手法は入社時または利用料で発生します。</p><p>料率の水準を法定上限で判断することはできません。令和6年度の手数料収入約9,835億円のうち99.7%は、上限の定めがない届出制手数料から出ています。判断材料になるのは、届け出られた手数料表と1件あたり約103万円という国の集計値です。</p><p>どちらを選ぶかは、転職を考えていない層へ届く必要があるか、何人と会いたいか、社内に何時間割けるかの3問で決まります。発注前には、許可の有無・手数料表・返金規定の3点を確かめてください。</p>

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## [スカウト媒体の選び方｜採用0人74.5%が示す条件](https://hr-media.offers.jp/articles/scout-media-comparison)

**公開日**: 2026-09-13
**著者**: 鈴木 裕斗
**カテゴリ**: 採用

<p>スカウト媒体を比べようとすると、登録者数と料金表が並びます。どれも似た説明で、決め手が見つかりません。</p><p>足りていないのは料金の情報ではなく、<strong>その媒体で何人の採用に至ったのか</strong>という一点です。国の委託調査には、その数字が採用手段どうしの並びで残っていました。</p><p>この記事では、まずその2つの数字を置きます。そのうえでスカウト媒体を4つの型に分け、契約する前に確かめる項目を順に示します。読み終えたときに決まるのは、自社がどの型を選ぶべきかと、契約前に何を数えておくべきかの2点です。</p><h2 id="h92503365d1">スカウト媒体は候補者データベースへ直接送る仕組み</h2><p>スカウト媒体とは、求職者が登録した経歴データベースを企業が条件で検索し、個別にメッセージを送れるサービスを指します。応募を待つ求人広告とも、人材を紹介してもらう人材紹介とも、企業側の動き方が違うのが特徴です。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>手法</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>候補者を探すのは誰か</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>費用の発生</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>企業に必要な作業</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>求人広告</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>候補者（応募を待つ）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>掲載時</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>原稿の作成、応募対応</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>人材紹介</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>紹介会社</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>採用が決まったとき</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>要件の共有、選考</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>スカウト媒体</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>企業自身</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>契約時、または採用が決まったとき</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>検索、文面作成、送信、返信対応</p></td></tr></tbody></table><p>違いは費用だけではありません。スカウト媒体では、候補者を探して口説く作業が自社に残ります。手法そのものの仕組みは<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/direct-recruiting">ダイレクトリクルーティングの解説記事</a>で扱っているため、ここでは媒体の選び方に絞ります。</p><h3 id="hbec11756c4">使っている企業は、まだ多数派ではない</h3><p>スカウト媒体は目にする機会が増えました。ただし企業側の利用率は、それほど高くありません。</p><p>国の委託調査が尋ねた人材確保の方法では、上位3つと比べたスカウトサービスの位置がはっきりします。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>人材確保の方法（複数回答）</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>挙げた企業の割合</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>インターネットの求人情報サイト</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>33.1%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>民間職業紹介事業者（紹介会社）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>26.8%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>求人情報誌・チラシ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>22.9%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>インターネットの求人情報まとめサイト</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>6.0%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>スカウトサービス</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>5.8%</p></td></tr></tbody></table><p>出所：<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/000956216.pdf">厚生労働省『令和3年度厚生労働省委託調査 採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査 報告書』</a>（求人企業1,142社）。</p><p>過去1年間に正社員の求人を出した採用手段に絞ると、スカウトサービスは9.1%でした。同じ設問で公共職業安定所は57.4%、インターネットの求人情報サイトは45.3%を占めます。出所：同調査（n=561・複数回答）。</p><p>つまりスカウト媒体は、まだ標準的な手段になっていません。だからこそ導入を決める前に、費用と成果の実態を確かめる価値があります。</p><h2 id="h9284116ad4">1件あたりの採用コストは平均91.4万円</h2><p>スカウト媒体は「人材紹介より安い」と説明されがちです。ただし採用1件あたりの総額で見ると、その説明は成立していません。</p><p>同じ調査が採用手段ごとに尋ねた、1件あたりの平均採用コスト（正社員）が下の表になります。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>採用手段</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>1件あたりの平均採用コスト（正社員）</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>スカウトサービス</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>91.4万円</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>民間職業紹介事業者（紹介会社）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>85.1万円</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>インターネットの求人情報サイト</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>28.5万円</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>インターンからの就職</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>12.4万円</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>求人情報誌・チラシ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>11.3万円</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>委託募集</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>10.0万円</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>新聞広告・屋外広告</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>7.1万円</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>インターネットの求人情報まとめサイト</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>6.4万円</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>知り合い・社員等からの紹介（縁故）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>4.4万円</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>自社HP等からの直接応募</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2.8万円</p></td></tr></tbody></table><p>出所：厚生労働省『令和3年度厚生労働省委託調査 採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査 報告書』（スカウトサービスの回答は51社・調査期間は令和3年6月）。</p><p>スカウトサービスの91.4万円は、人材紹介の85.1万円を6.3万円上回っています。求人情報サイトの28.5万円と比べると3.2倍です。</p><h3 id="h246ac10772">料金表の金額と、1件あたりの総額がずれる理由</h3><p>媒体の料金表に載るのは、多くの場合、年間の利用料か1名あたりの成功報酬になります。一方で91.4万円は、その手段で1名を採用するまでにかかった総額を企業が答えた数字です。</p><p>ずれが生まれる場所は3つあります。</p><ul><li>返信が来なかった分の費用が、採用に至った1名に寄る</li><li>途中で辞退された場合も、そこまでの費用は戻らない</li><li>掲載課金型では、採用人数が0人でも利用料が発生する</li></ul><p>料金表の単価は、いわば「うまくいった場合の下限」です。予算を組むときは、返信が来なかった分を織り込んだ水準で置く必要があります。採用単価そのものの計算方法は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/recruitment-cost">採用単価の定義と実額</a>で扱いました。</p><h2 id="h5caad8d39d">求人を出した企業の74.5%は採用0人</h2><p>費用の水準よりも判断を分けるのが、次の数字です。</p><p>同じ調査で採用した人数を尋ねたところ、スカウトサービスで求人を出した51社のうち、正社員の採用人数が0人だった企業は74.5%でした。1人が15.7%、2人が7.8%、3人は0.0%になります。</p><p>採用手段全体で見た0人の割合は29.5%です。手段ごとに並べると、位置関係がはっきりします。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>採用手段</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>回答企業数</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>採用人数が0人だった割合（正社員）</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>採用手段全体</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>471</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>29.5%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>民間職業紹介事業者（紹介会社）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>175</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>45.1%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>インターネットの求人情報サイト</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>254</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>52.8%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>公共職業安定所（ハローワーク）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>322</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>59.3%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>求人情報誌・折り込み・チラシ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>113</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>72.6%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>スカウトサービス</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>51</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>74.5%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>ハローワークインターネットサービス</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>165</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>82.4%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>SNS</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>15</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>93.3%</p></td></tr></tbody></table><p>出所：厚生労働省『令和3年度厚生労働省委託調査 採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査 報告書』（正社員・図表IV-9）。</p><h3 id="h8ff9dcbf55">この数字の読み方</h3><p>74.5%は、そのまま「スカウト媒体では成果が出ない」という意味ではありません。読むときに押さえる点が3つあります。</p><p>第一に、母数が51社と小さく、業種も企業規模も混在しています。第二に、調査期間は令和3年6月で、その後にAIによる文面生成や運用支援が広がりました。第三に、求人を出したこと自体が1年以内の出来事なので、選考の途中だった企業も0人に含まれます。</p><p>それでも、この順位の付き方には意味があるはずです。企業自身が動く手法ほど、0人の割合が高いという傾向が読み取れるためです。人材紹介は紹介会社が候補者を探すので45.1%、求人サイトは応募を待つので52.8%。スカウト媒体の74.5%は、<strong>探す作業が自社に残る手法の水準</strong>を示しています。</p><p>言い換えると、スカウト媒体の成果を決めるのは媒体の性能ではなく、自社が運用に割ける時間です。媒体を選ぶ前に、ここを見積もる必要があります。</p><h2 id="hf179f8aa0f">スカウト媒体は4つの型に分かれる</h2><p>スカウト媒体を「登録者数が多い順」で並べても、自社に合うかどうかは決まりません。候補者の集まり方で4つの型に分けると、比べる軸がはっきりします。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>型</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>登録している人の傾向</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>費用の形</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>向く場面</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>総合型</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>職種を問わず幅広い。転職の意思が明確な層が中心</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>年間の利用料、または成功報酬</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>複数職種をまとめて採用する</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>職種特化型</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>特定の職種に絞られ、経歴の粒度が細かい</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>年間の利用料が中心</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>要件が細かい専門職を採用する</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>つながり型</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>転職活動をしていない層を含む</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>月額または年間の利用料</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>転職潜在層と中長期で接点を作る</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>求人検索エンジン連動型</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>検索から流入する層。転職の緊急度が高い</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>クリック課金</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>費用を抑えて母集団を広げる</p></td></tr></tbody></table><h3 id="h0297ebb265">総合型は、母集団の広さと引き換えに競合が増える</h3><p>登録者数が多いほど、同じ候補者に他社からもスカウトが届きます。届く通数が多い候補者ほど、返信率は下がるものです。総合型を選ぶなら、文面の作り込みと送信のタイミングで差を付ける前提が要ります。</p><h3 id="ha43e614229">職種特化型は、要件の密度で選ぶ</h3><p>登録者の総数は総合型に及びません。ただし経歴の記載が細かいため、条件での絞り込みが機能します。エンジニアやデザイナーのように、スキルの記述が評価へ直結する職種では、総数より密度が成果を左右するはずです。職種別の媒体の違いは<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/engineer-recruitment-media">エンジニア採用媒体の比較</a>で細かく整理しました。</p><h3 id="had4b4e3e36">つながり型は、返信までの時間が長くなる</h3><p>転職を今すぐ考えていない層が含まれるため、すぐの採用には向きません。半年から1年の接点づくりを前提に置けるかどうかが、選ぶ条件になります。</p><h3 id="h1b68cbe667">求人検索エンジン連動型は、費用と候補者の質が連動する</h3><p>クリック課金なので費用を細かく調整できます。ただし届く候補者は、検索で自ら動いた層に寄るのが実態です。専門性の高いポジションでは、母集団が想定より薄くなることがあります。</p><h2 id="hbed5542b01">契約前に確かめる5つの項目</h2><p>型を決めたら、次は個別の媒体を比べます。料金表では差が付かないため、下の5つを契約前に数えましょう。</p><h3 id="ha1cb9d91f4">1. 要件に合う候補者が、その媒体に何人いるか</h3><p>最も重要な項目です。契約前に検索画面を触らせてもらい、自社の要件で絞り込んだ結果の件数を実際に見ます。営業資料の総登録者数ではなく、自社の条件での件数です。</p><p>この件数が少なければ、料金がいくら安くても成果は出ません。逆に十分な件数があるなら、あとは運用の問題へ絞れます。</p><h3 id="hf8d975f8d7">2. 送信できる通数と、返信までの見込み</h3><p>月あたりの送信上限は媒体ごとに違います。上限が少ない媒体では、返信率が同じでも面談の件数が伸びません。</p><p>上の1で数えた候補者数と、月の送信上限を突き合わせましょう。候補者が100人いても月50通しか送れなければ、母集団を使い切るのに2ヶ月かかる計算です。</p><h3 id="h5e72d1497a">3. 料金体系が、自社の採用計画と噛み合うか</h3><p>料金体系は大きく3つに分かれます。</p><ul><li>掲載課金型：採用人数に関係なく利用料が発生する。複数名を採用する計画なら1名あたりが下がる</li><li>成功報酬型：採用が決まるまで費用が出ない。1名だけの採用や、初めて使う場合に向く</li><li>併用型：利用料と成功報酬の両方が発生する。総額の試算を先に出しておく</li></ul><p>採用計画が1名なら成功報酬型、3名以上なら掲載課金型が下がりやすい、というのが基本の考え方になります。</p><h3 id="h1d3332ad4a">4. 週に何時間、運用に使えるか</h3><p>74.5%という数字が示していたのは、ここです。検索、文面作成、送信、返信対応、日程調整のすべてが自社に残ります。</p><p>目安として、月20通を送って返信対応まで回すなら、週に3〜5時間は必要でしょう。この時間を確保できないまま契約すると、送信が止まり、利用料だけが残ります。担当者と時間を決めてから契約しましょう。</p><p>時間を確保できないと分かっているなら、媒体選びの前に運用の担い手を決めます。媒体とAIによる文面生成、運用の代行を一体で提供する形もあり、Offers では<a href="https://offers.jp/client/ai-rpo?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-consult&amp;utm_content=scout-media-comparison">AI RPO</a>として用意しました。</p><h3 id="ha05a4fcba2">5. やめる条件を、始める前に決めておく</h3><p>3ヶ月使って面談が0件なら、原因は媒体か、要件か、文面のどれかです。どこまで試して何が起きなければ切り替えるのかを先に決めておくと、費用が伸び続ける事態を避けられます。</p><p>判断の材料になるのは、送信数・開封率・返信率・面談化率の4つです。返信率が低ければ文面、面談化率が低ければ要件の置き方が原因になりやすく、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/a_626">スカウトメールの改善</a>で直せる範囲かどうかが見えてきます。</p><h2 id="hac8af1754e">運用の時間が取れないときの選択肢</h2><p>上の4番で必要な時間を確保できないなら、媒体を変えても結果は変わりません。選べるのは、運用そのものを外に出す道です。</p><p>検索・文面作成・送信までを委託し、面談と魅力づけだけを自社が担う分担であれば、担当者が兼任でも運用は止まりません。費用と委託範囲の考え方は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/scout-outsourcing">スカウト代行の比較</a>にまとめました。</p><h3 id="h45f127b546">成果が出た企業に共通していたこと</h3><p>Offers の導入事例を見ると、採用に至った企業には共通点があります。</p><p>専任の採用担当がいない企業でも、新着の登録者を毎日確認する運用を続けた結果、契約から約1ヶ月でリードエンジニア1名の入社に至りました。別の受託開発企業では、8ヶ月で応募が約13件、そのうち要件に合った3名と面接して2名が内定を承諾しています。出所：Offers 導入事例（株式会社overflow・offers.jp の各社ページ・2026年9月時点）。</p><p>初回の6ヶ月契約では採用に至らず、契約を12ヶ月へ更新して候補者へのアプローチ頻度を見直したところ、サーバサイドエンジニアの正社員採用に至った事例もありました。</p><p>共通しているのは、媒体を変えたのではなく、<strong>送る頻度と文面を見直した</strong>という点です。定例で文面とターゲット選定を見直し続けた企業では、半年で約45名との面談に至りました。</p><h2 id="hd2d6769f11">判断の順番を整理します</h2><p>スカウト媒体の選定は、媒体の一覧から始めると決まりません。順番を入れ替えましょう。</p><ol><li>自社が週に何時間使えるかを先に決める。時間が取れないなら、運用を外に出す前提で予算を組む</li><li>要件に合う候補者の件数を、契約前に実際の検索画面で数える。総登録者数では判断しない</li><li>採用計画の人数から料金体系を選ぶ。1名なら成功報酬型、複数名なら掲載課金型が下がりやすい</li></ol><p>国の調査が示したのは、スカウトサービスの1件あたり平均採用コストが91.4万円で人材紹介を上回ること、そして求人を出した51社のうち74.5%が正社員の採用に至っていないことでした。正社員有効求人倍率が1.00倍で需給が拮抗している市場では、媒体を増やすより1つの媒体を使い切る運用のほうが結果につながります。出所：<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/11602000/001741194.pdf">厚生労働省『一般職業紹介状況（令和8年7月分）』</a>（季節調整値）。</p><p>スカウト採用そのものの進め方は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/a_86">スカウト採用の基本</a>で扱っています。</p>

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## [生成AIの業務効率化事例は議事録に集中｜工程別の実測](https://hr-media.offers.jp/articles/generative-ai-efficiency-cases)

**公開日**: 2026-09-12
**著者**: 鈴木 裕斗
**カテゴリ**: マネジメント

<p>生成AIで業務を効率化した事例は、いま探せばいくらでも出てきます。それでも自社へ持ち帰ろうとすると手が止まりがちです。どの工程のどの作業が置き換わったのかが分からないと、自社の工程に当てはめられません。</p><p>国の調査を読むと、生成AIがどの工程にも均等に入っているわけではないと分かります。深く入っている工程と、ほとんど入っていない工程に分かれていました。</p><p>この記事では13の工程それぞれの実測を先に置きます。そのうえで工程を入力と出力で割る見方を示し、当社自身が人事・採用の工程に何をどう入れたのかを書きました。</p><h2 id="h7890fc0102">生成AIが入っている工程は議事録とメールに集中する</h2><p>生成AIを活用していると回答した割合が最も高い工程は、議事録・メール作成補助の71.2％です。次が営業・販売の59.6％、社内ヘルプデスクの50.9％と続きます。総務省の白書も、この3つを高い順に並べて記述しました。出所：総務省「令和8年版 情報通信白書」図表Ⅰ-2-1-7（2026年7月24日公表・合計値はOffers算出）。</p><p>この「活用している」は3つの段階を足した値です。業務プロセスがAI中心に変更されている状態、部署内の特定業務で活用している状態、従業員が個人作業の効率化で活用している状態の3つを合計しました。段階まで分けて見ると、工程ごとの入り方の違いがはっきりします。</p><h3 id="h837d51ead9">業務類型ごとの活用状況</h3><p>次の表は、<a href="https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r08/pdf/n1210000.pdf">令和8年版 情報通信白書</a>が示した13の業務類型の内訳です。単位はいずれも％で、右端の合計はOffers算出になります。原典にはこの13行のほかに「上記の業務に当てはまらない業務」の行がありますが、工程として特定できないため表から外しました。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>業務類型</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>業務プロセスがAI中心</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>部署内の特定業務</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>個人作業の効率化</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>未導入</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>活用の合計</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>議事録・メール作成補助</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>11.3</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>24.7</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>35.2</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>17.5</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>71.2</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>営業・販売</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>9.5</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>22.9</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>27.2</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>20.5</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>59.6</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>社内ヘルプデスク</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>11.9</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>20.7</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>18.3</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>28.8</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>50.9</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>社内システム開発・運用</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>8.0</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>24.5</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>17.9</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>26.6</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>50.4</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>研究・商品開発</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>7.6</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>22.9</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>19.3</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>27.4</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>49.8</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>マーケティング・広報</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>7.4</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>23.9</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>18.1</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>27.6</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>49.4</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>経営</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>8.0</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>21.3</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>16.7</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>28.2</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>46.0</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>カスタマーサポート</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>9.9</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>22.1</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>12.7</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>29.4</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>44.7</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>経理・財務</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>9.3</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>19.5</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>15.9</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>30.8</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>44.7</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>法務</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>6.2</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>22.7</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>13.7</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>32.8</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>42.6</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>製造・生産</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>6.0</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>19.7</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>16.7</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>28.4</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>42.4</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>人事</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>5.6</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>20.3</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>15.1</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>35.4</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>41.0</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>調達</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>7.0</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>16.7</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>14.3</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>35.0</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>38.0</p></td></tr></tbody></table><p>出所：総務省「令和8年版 情報通信白書」図表Ⅰ-2-1-7（2026年7月24日公表・日本の回答）。</p><p>表を左から右へ読むと、上位の工程ほど「業務プロセスがAI中心」の値が大きいわけではないと分かります。議事録・メール作成補助で突出しているのは、個人作業の効率化の列でした。一人ひとりが手元で使っている状態が、活用の中身のほぼ半分を占めています。</p><p>人事は活用の合計が41.0％で、13類型のなかでは下から2番目です。未導入の割合は35.4％で最も高くなります。人事がなぜ遅れているのかは<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/ai-adoption">AI導入とは？進め方と定着しない理由</a>で扱っているので、本記事では工程の側を見ていきます。</p><h2 id="h4ba06b4e5d">効果を実感する工程には3倍以上の差がある</h2><p>同じ図表の右側は、生成AIを活用している企業が効果を実感する業務として挙げた割合です。議事録・メール作成補助が72.3％で最も高く、13業務類型のなかでは経営の20.1％が最も低い値でした。出所：総務省「令和8年版 情報通信白書」図表Ⅰ-2-1-7（2026年7月24日公表・複数回答）。</p><p>左の表とは母数が違う点に注意が要ります。左は回答者全体に対する業務類型ごとの状況で、右は生成AIを活用している企業へ1問で尋ねた複数回答です。「その工程に入れた企業のうち何％が効果を得たか」を示す数字ではありません。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>業務類型</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>効果を実感する割合</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>議事録・メール作成補助</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>72.3</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>社内ヘルプデスク</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>42.7</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>製造・生産</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>39.8</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>研究・商品開発</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>39.1</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>営業・販売</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>37.5</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>マーケティング・広報</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>36.6</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>カスタマーサポート</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>33.8</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>経理・財務</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>29.7</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>法務</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>28.8</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>社内システム開発・運用</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>26.3</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>調達</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>25.9</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>人事</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>23.5</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>経営</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>20.1</p></td></tr></tbody></table><p>出所：総務省「令和8年版 情報通信白書」図表Ⅰ-2-1-7（2026年7月24日公表・単位は％）。</p><p>最上位と最下位の差は3.6倍です。活用の合計で見た差は最大でも1.9倍でしたから、効果の実感として名前が挙がる頻度のほうが、はるかに大きくひらいていました。</p><p>さらに、2つの表の順位は一致しません。製造・生産は活用の合計では下から3番目ですが、効果の実感では3番目に上がります。逆に社内システム開発・運用は活用の合計で4番目に高いのに、効果の実感では10番目でした。入っている量と手応えの大きさは別の話です。</p><h2 id="hb05c4539e5">入っている量と手応えの大きさは一致しない</h2><p>2つの表を順位で並べ直すと、工程ごとのずれが見えます。次の表の順位はいずれもOffers算出で、右端は活用の順位から効果の順位を引いた値です。プラスは効果の側で順位が上がった工程を指します。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>業務類型</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>活用の合計の順位</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>効果の実感の順位</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>ずれ</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>製造・生産</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>11</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>3</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>+8</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>調達</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>13</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>11</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>+2</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>社内ヘルプデスク</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>3</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>+1</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>研究・商品開発</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>5</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>4</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>+1</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>カスタマーサポート</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>8</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>7</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>+1</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>法務</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>10</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>9</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>+1</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>議事録・メール作成補助</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>0</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>マーケティング・広報</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>6</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>6</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>0</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>経理・財務</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>8</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>8</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>0</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>人事</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>12</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>12</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>0</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>営業・販売</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>5</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>-3</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>社内システム開発・運用</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>4</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>10</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>-6</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>経営</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>7</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>13</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>-6</p></td></tr></tbody></table><p>出所：総務省「令和8年版 情報通信白書」図表Ⅰ-2-1-7（2026年7月24日公表・順位はOffers算出）。</p><p>最も上がるのは製造・生産です。活用の広がりは下位でも、効果を実感する業務として名前が挙がる頻度は上位に来ます。逆に最も下がるのは社内システム開発・運用と経営で、どちらも入っている量のわりに効果として挙げられていません。</p><p>このずれは、事例を選ぶときの目安になります。ずれがプラスの工程は、広がりのわりに効果の話題として挙がりやすい領域です。マイナスの工程は逆で、事例が多く見つかっても自社で同じ手応えが出るとは限りません。人事はずれが0で、量と手応えが釣り合った位置にあります。</p><h2 id="h48d8b836aa">工程ごとの差は入力と出力の形で決まる</h2><p>事例を自社へ写すとき、業種の一致はほとんど関係しません。要るのは工程の入力と出力の形が揃うかどうかです。入力も出力も文章で、間違いをその場で直せる工程なら、業種が違っても同じ入れ方が通ります。</p><p>採用と人事の工程を、この観点で割ると次のようになります。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>工程</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>入力</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>出力</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>人が残す判断</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>求人票の下書き</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>募集要件・既存の求人票</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>文章の初稿</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>事実の正誤・訴求の取捨</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>スカウト文面</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>候補者情報・文面の型</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>候補者ごとの文面</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>送る相手の選定</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>面接メモの整形</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>面接官の走り書き</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>構造化されたレポート</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>評価そのもの</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>面接官の練習</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>過去の面談データ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>練習相手と振り返り</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>面接官の登用</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>目標設定の添削</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>目標の下書き・等級要件</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>指摘と修正案</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>目標の確定</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>問い合わせ対応</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>社内規程・過去のQ&amp;A</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>一次回答</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>例外の裁定</p></td></tr></tbody></table><p>表の右端が、生成AIに渡さない部分です。ここを渡してしまうと、確認の手間が生成の手間を上回ります。効果の実感が工程によって3倍以上ひらく理由も、この列の重さの違いから説明できました。</p><p>文章の作成補助が13業務類型で最も進んでいるのは、この列がほぼ空だからです。書き上がった文章が間違っていても、書いた本人がその場で直せて、直した結果が誰かの処遇を動かすわけでもありません。反対に経営の工程は、出力の一文が投資や人の配置を決めます。</p><p>したがって着手の順番は、業種でも部門でもなく右端の列の重さで決まります。右端が軽い工程から順に入れれば、どの会社でも同じ順路で進められるわけです。</p><h2 id="h263b1784e3">狙った工程では掲げた目的どおりの効果が出ている</h2><p>AIを導入した中小企業が導入目的に挙げた項目は、「業務効率化／作業時間の短縮」が87.0％で最も高くなりました。導入したあとに効果があったと答えた項目も、ほぼ同じ並びです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>項目</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>導入目的に挙げた割合</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>効果があったと答えた割合</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>業務効率化／作業時間の短縮</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>87.0</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>83.2</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>人手不足対応</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>31.7</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>33.9</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>品質向上</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>32.3</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>30.6</p></td></tr></tbody></table><p>出所：<a href="https://www.smrj.go.jp/research_case/questionnaire/fbrion0000002pjw-att/202603_AI_report.pdf">中小企業基盤整備機構「中小企業のAI等の利活用に係る実態調査」</a>（令和8年3月・複数回答・単位は％）。</p><p>目的と効果の差は数ポイントに収まりました。狙いを定めて入れた工程では、狙ったとおりの結果が出ているわけです。裏を返すと、成果が出ないときの原因はたいてい工程の選び方にあります。</p><p>もう一点、効果の大きさには相場があります。コスト削減を効果に挙げた企業へ実現できた削減の水準を尋ねると、「1〜3割」が64.1％で最も多く、「4〜6割」が25.6％、「7〜10割」が10.3％と続きました。出所：中小企業基盤整備機構「中小企業のAI等の利活用に係る実態調査」（令和8年3月・n=39）。事例集で目にする8割減は、分布の端にある数字です。</p><p>なお、この調査が言う「AI」は画像認識や需要予測を含めたAI技術の全般です。ただし導入済みのサービスを尋ねると生成AIが82.6％で最も高く、次点の音声認識・音声対話AIは29.8％にとどまります。出所：中小企業基盤整備機構「中小企業のAI等の利活用に係る実態調査」（令和8年3月・n=322・複数回答）。中小企業が「AIを導入した」と言うとき、その中身はほとんどが生成AIでした。</p><h2 id="hd2a000adce">事例を読むときに確かめる3点</h2><p>他社の事例を自社の判断材料にするなら、読む前に観点を決めておくと迷いません。</p><ol><li><strong>工程の粒度</strong>。どの作業の入力と出力が置き換わったのかが書かれているか。部署名だけの記述では足りない</li><li><strong>効果の出どころ</strong>。実測値か、導入前の見積もりか。見積もりの値は自社では再現しない</li><li><strong>前提条件</strong>。母数・時点・対象範囲が示されているか。示されていない数値は比較に使えない</li></ol><p>3点のうち一つでも欠けていたら、その事例は「できることの例示」として読みます。投資判断の根拠には使いません。</p><h2 id="h77f79045b8">当社が人事・採用の工程に入れたもの</h2><p>ここからは株式会社overflowが自社の工程に入れた実装の記録です。社内の記録に残っているものだけを挙げます。個々の実装をいつまで動かしているかは時期によって変わるため、記録に書かれている範囲で書きます。効果の数値は社内で実測した記録が無いため書きません。</p><h3 id="h4f9cb5bcfe">スカウト文面の生成</h3><p>候補者情報をフォームから取り込み、候補者ごとにパーソナライズした文面を一括生成して格納・通知するまでを自動化しました。先に決めたのは文面の型でした。生成の精度はその後です。返信が来る書き手の書き方を言語化し、生成をその型の適用に限定しています。型を直せば、次に生成する分から全員に反映されました。</p><h3 id="hb8eac428bd">面接メモのレポート化</h3><p>面談・面接のメモをシートに追加すると、整形されたレポートへ即時に変換して共有します。面接官が書くのはメモだけです。構造化と共有は機械が引き受けます。最初に決めたのは評価の観点でした。</p><h3 id="h6edcbca600">面接官のロールプレイ</h3><p>実際の一次面談データから候補者ペルソナを作り、面接官が練習相手として面談できるものを社内で運用しています。終了後に返るのは、評価予測・面接官の5軸スコア・情報の引き出しチェックリスト・申し送りのドラフトでした。面接官のスキルを上げるための仕組みで、社内限定の環境で動かしています。</p><h3 id="hfb752a7f18">社内の接点づくり</h3><p>当日の予定から休憩や雑談の案内を自動で投稿する仕組みも、人事の領域に入れました。リモートと多拠点で偶発的な接点が減ることへの手当てです。</p><h3 id="hefdb1ea194">採用市場のウォッチ</h3><p>人事の工程ではありませんが、経営企画とカスタマーサクセスの工程に入れた2つは採用へ転用できました。毎朝、業界のニュースを収集して選別・要約し、日次のまとめとして配信する仕組みが1つです。もう1つは、対象企業の動向を定期的に集めてレポートに起こす仕組みになります。どちらも人が毎日見に行くのをやめるための実装で、対象リストを採用の競合や候補者の所属企業へ替えれば、そのまま採用市場のウォッチに使えます。</p><p>5つに共通しているのは、AIに判断させていない点です。合否も処遇も、決めるのは人のままにしてあります。置き換えたのは判断そのものではなく、判断の前後にある記録・整形・共有・練習の工程でした。入力と出力で工程を割ったときの右端の列を、どれも渡していません。</p><p>自社の採用がいまどの工程で詰まっているかを先に把握すると、生成AIを入れる順番を決めやすくなります。<a href="https://service.offers.jp/client/hiring-check/?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-light&amp;utm_content=generative-ai-efficiency-cases">エンジニア採用力チェック</a>では、採用活動を5つの指標に分けて現在地を確認できます。</p><h2 id="h4388c5ec8d">人事領域でよく入る型</h2><p>支援の現場で繰り返し現れる入れ方も、工程の単位で整理できるものです。以下は特定の企業の実績ではなく、よく見る型になります。効果は定性で書き、数値は置きません。</p><ul><li>目標設定の一次添削。目標案に対して、具体性・測定可能性・等級要件との整合をその場で返す。一次添削を機械が引き受け、面談は磨かれた目標から始まる。最終確定は面談で人が行う</li><li>支給前の異常検知。給与改定や手当変更のたびに発生する検算を、支給前のチェックとして自動化する</li><li>評価データの形式チェック。集約後の評価データの形式不備を機械で洗い、分布と傾向を可視化する</li></ul><p>3つとも、人が決める直前までを機械が整える形です。判断を渡していないので、間違いが処遇に直結しません。人事領域のAI活用の全体像は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/ai-hr">AI人事とは？HR業務のAI活用率43%、5つの領域と導入企業の成果・リスク</a>で、面接への適用は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/ai-interview">AI面接とは？導入企業の工数75%削減、主要5サービスの比較とリスク</a>で整理しました。</p><h2 id="hcad8384c11">他部門の事例から人事が借りられるもの</h2><p>工程の入力と出力で見ると、部門をまたいで同じ形の作業が見つかります。人事より先に進んでいる工程の事例は、そのまま人事へ移せることがあるわけです。</p><p>営業・販売は活用の合計が59.6％で、議事録・メール作成補助に次ぐ位置にあります。社内ヘルプデスクは50.9％でその次です。この2つで起きていることは、人事の工程と形がよく似ていました。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>先に進んでいる工程</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>そこで起きていること</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>人事での対応物</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>営業・販売</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>相手ごとに文面を作り分ける</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>候補者ごとのスカウト文面</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>営業・販売</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>商談前に相手を調べてまとめる</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>面接前の候補者情報の整理</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>社内ヘルプデスク</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>規程を根拠に一次回答を返す</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>労務・制度の問い合わせ対応</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>議事録・メール作成補助</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>話した内容を構造化して共有する</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>面接メモのレポート化</p></td></tr></tbody></table><p>当社が営業の工程に入れた商談前のリサーチも、採用へそのまま移せる形でした。対象を企業名から候補者の公開情報へ替えれば、面接前の下調べになります。工程の形が同じなら、業種も部門も関係ありません。</p><p>事例を探すときも、「人事の事例」で絞らないほうが見つかります。入力と出力の形で探せば候補が一気に増えるからです。人事の活用が13業務類型で下位にとどまっている以上、人事の事例だけを待っていても数は揃いません。</p><h2 id="h19485ac715">事例を自社の工程に置き換える手順</h2><p>工程別の分布を踏まえると、着手の順番は決めやすくなります。</p><ol><li>自部門の工程を作業の単位まで割る。「採用」ではなく「スカウト文面を書く」「面接メモを整える」まで割る</li><li>入力と出力を書き出し、人が残す判断を決める。ここが重い工程は後回しにする</li><li>右端の列が軽い工程を1つだけ選び、型を先に決める。生成の精度より、何を出したいかの型が先に来る</li><li>運用の担当と費用を先に決める。狙いを定めた工程では目的どおりの効果が出ているので、狙いを曖昧にしたまま始めない</li></ol><p>この順番で進めると、事例集を眺めているだけでは決まらない着手点が決まります。1工程で型ができてから、隣の工程へ広げれば十分です。</p><h2 id="he8117e4114">生成AIの業務効率化事例から持ち帰るもの</h2><p>生成AIは、どの工程にも同じように入るわけではありません。議事録とメールには71.2％が入り、人事には41.0％しか入っていません。効果を実感する業務として挙げられた割合も、最上位の議事録・メール作成補助72.3％と最下位の経営20.1％で3.6倍ひらきました。出所：総務省「令和8年版 情報通信白書」図表Ⅰ-2-1-7（2026年7月24日公表・活用状況の合計値はOffers算出）。</p><p>この差は工程の性質から来ています。入力と出力がどちらも文章で、間違いをその場で直せる工程から入りました。判断が結果に直結する工程は後回しです。</p><p>したがって事例から持ち帰るべきものは、他社の成果ではなく工程の切り分け方になります。自社の仕事を作業の単位まで割り、人が残す判断を先に決める。そのうえで判断の手前にある記録・整形・共有から置き換えれば、人事のように未導入が最も多い領域でも着手できます。AI活用の全体像と労働市場側の変化は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/ai-use-cases">AI活用事例の現在地は？導入58.0%と求人の変化</a>で扱いました。</p>

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## [AI導入の費用、公的統計でわかる実額と内訳](https://hr-media.offers.jp/articles/ai-adoption-cost)

**公開日**: 2026-09-12
**著者**: 鈴木 裕斗
**カテゴリ**: マネジメント

<p>AI導入の費用を調べると、数万円から数千万円まで幅の広い金額が並びます。幅が広い理由は、言葉のほうにあります。「AIを入れる」という一語が、既製のツールを契約することも、自社専用の仕組みを開発することも同じ名前で呼んでいるためです。</p><p>この記事では、金額のレンジを並べる代わりに、国の調査が示す実額と分布を先に置きます。そのうえで整理するのは、見積書には並ばないのに後から積み上がる費用と、支払いが回収できなくなる経路の2つ。読み終えると、自社の予算をどの水準から組めばよいかと、稟議で何を確認しておけばよいかが決まります。</p><h2 id="h109ab9f415">AI導入の費用は自社の形にどこまで合わせるかで決まる</h2><p>費用が十倍単位でひらく原因は、自社の業務にどこまで合わせるかの違いにあります。ベンダーごとの価格差ではありません。まず、この3層のどこに立つのかを決めます。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>層</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>何に払うか</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>費用を動かすもの</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>向く場面</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>既製のツールを使う</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>利用アカウントの月額</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>使う人数と契約期間</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>まず試す。業務のやり方は変えない</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>既存の業務に組み込む</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>設定・連携・教育</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>つなぐ社内システムの数と、整えるデータの量</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>特定の業務を置き換える</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>自社専用につくる</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>設計・開発・保守</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>要件の複雑さと、求める精度</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>その業務自体が競争力になっている</p></td></tr></tbody></table><p>3つの層は上から順に進むものであって、いきなり3層目から始める必要はありません。進め方そのものは<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/ai-adoption">AI導入の進め方</a>で整理しているので、ここでは費用に絞ります。</p><p>社会全体の投資額も、この層の構造を映しています。2024年の日本の民間企業による情報化投資は25.7兆円（2020年価格・前年比1.9%増）で、このうちソフトウェアへの投資が20.2兆円と、約78%を占めました。出所：<a href="https://www.soumu.go.jp/main_content/001082851.pdf">総務省『令和8年版 情報通信白書（概要）』</a>（2026年7月公表）。</p><p>つまり、投資の大半はソフトウェアに向かっています。AI導入の予算も、機材を買う費目ではなく「使う権利」と「自社の形に合わせる手間」へ配分されると考えるのが、実態に近い置き方です。</p><h2 id="h0da20732b3">企業が実際に払っている額は、平均と中央値で20倍ひらく</h2><p>相場を「平均」で語ると、ほとんどの企業にとって過大な数字になります。中小企業の実額は、平均と中央値でこれだけ離れています。</p><p>中小企業を対象にした国の調査で、直近の決算期におけるSaaSなどクラウドサービスの契約額（税込）を数値で答えた企業の平均は14,404千円、中央値は689千円でした。平均は中央値の20倍を超えます。出所：<a href="https://www.smrj.go.jp/research_case/questionnaire/fbrion0000002pjw-att/202603_AI_report.pdf">独立行政法人中小企業基盤整備機構『中小企業のAI等の利活用に係る実態調査』</a>（令和8年3月公表・ITを既に導入している企業のうちクラウドサービスの契約額を数値回答した234社）。</p><p>分布を見ると、開きの理由がわかります。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>直近決算期の契約額</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>企業の割合</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>100万円以下</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>61.5%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>100万円超〜1,000万円以下</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>32.1%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>1,000万円超〜1億円以下</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>5.6%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>1億円超</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>0.9%</p></td></tr></tbody></table><p>出所：同調査（n=234）。</p><p>6割超が年100万円以下に収まっている一方、1億円を超える0.9%が平均を引き上げています。年1,440万円という平均値は、極端に大きい少数を含めた計算結果であって、実在する企業の姿を指していません。</p><p>この数字はクラウドサービス全体の契約額で、AI専用の支出ではない点に注意が要ります。それでも、AI導入の入口の多くがクラウドの利用契約である以上、最初の予算を置く水準としては近いところにあります。年100万円を大きく超える初期見積もりが出てきたら、それは3層のうち2層目以降に踏み込んでいる合図です。</p><h2 id="h2ebdba2cac">費用の内訳は初期と運用に分かれ、運用が後から積み上がる</h2><p>見積書に並ぶのは初期費用が中心ですが、3年で見ると運用費用のほうが大きくなることが珍しくありません。内訳を先に分けておきます。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>区分</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>何にかかるか</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>見積書に出やすいか</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>初期</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>要件の整理、設定と社内システムとの連携、データの整備、利用ルールの策定、従業員向けの研修</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>設定と連携は出る。データ整備と研修は落ちやすい</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>運用</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>利用料、保守とアップデート対応、問い合わせ対応、精度の点検</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>利用料は出る。担当者の時間は出ない</p></td></tr></tbody></table><p>落ちやすいのは、社内の人が使う時間です。データを整えるのも、使い方を広めるのも、問い合わせに答えるのも、担当するのは自社の誰かです。この時間は請求書に現れないため予算に載らず、その結果、担当者の負荷という形で表面化します。</p><p>実際に、AI導入後の運用課題（全体n=1,587）でも第2位は運用担当者の負荷でした（後述）。見積もりを比べる段階で、社内側の工数を金額に換算して並べておくと、あとで想定が崩れません。</p><h2 id="h812b618266">費用を課題に挙げる割合は、検討段階でもっとも高い</h2><p>AI導入の課題として最も多く挙がるのは費用です。ただし、その割合は導入の段階によって変わります。</p><p>中小企業を対象にした調査で、AI導入における課題として「導入にあたっての高コスト」を挙げた企業は46.9%（767件）と最多でした。次いで社内のAIノウハウ不足42.0%（687件）、社内のAI人材不足38.8%（635件）が続きます。出所：中小企業基盤整備機構『中小企業のAI等の利活用に係る実態調査』（令和8年3月公表・n=1,636・複数回答）。</p><p>同じ設問を導入状況ごとに分けると、突出する区分が1つだけ現れます。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>AIの導入状況</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>回答企業数</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>高コストを挙げた割合</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>全社的に導入している</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>57</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>45.6%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>一部の業務で導入している</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>273</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>48.0%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>導入を予定・検討中</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>300</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>61.0%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>導入予定はない</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>986</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>42.3%</p></td></tr></tbody></table><p>出所：同調査（複数回答）。</p><p><strong>費用を課題に挙げる割合がもっとも高いのは、まだ導入していない検討段階の企業です</strong>。実際に入れた企業では45.6%から48.0%の範囲に下がります。</p><p>ここから「入れてみれば安く済む」とまでは読み取れません。予算を確保できた企業だけが導入に進んでいる可能性も、小さく始めた企業が多い可能性も残ります。この数字が示すのは、費用を課題として挙げる割合が、検討段階では全社導入まで進んだ企業より15.4ポイント高いという一点です。</p><p>だからこそ、最初の意思決定を「いくらかかるか」で止めないほうが進みます。層1の範囲で小さく契約して実額を自社で1つ持ってから2層目の見積もりを取ると、検討が具体的な数字の上に載るのです。</p><h2 id="hc87e3d2596">導入後の課題はランニングコストと定着の不足が並ぶ</h2><p>全社に広げた企業では、ランニングコストと「従業員による活用が進まない」がほぼ同じ高さで並びます。支払いが無駄になるのは、入れたものが使われないときだからです。</p><p>AI導入後の運用課題として最も多いのは「ランニングコストが高い」44.0%（698件）で、次いで運用担当者の負荷が重い29.1%（462件）、従業員による活用が進まない28.9%（459件）でした。出所：中小企業基盤整備機構『中小企業のAI等の利活用に係る実態調査』（令和8年3月公表・n=1,587・複数回答）。この母数には、導入予定のない企業の見込み回答も含まれます。</p><p>導入状況ごとに分けたものが次の表です。段階が進むと、2つの差が縮まります。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>AIの導入状況</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>回答企業数</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>ランニングコストが高い</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>従業員による活用が進まない</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>導入を予定・検討中</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>289</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>56.4%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>34.3%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>一部の業務で導入している</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>272</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>44.1%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>36.0%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>全社的に導入している</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>57</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>42.1%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>40.4%</p></td></tr></tbody></table><p>出所：同調査（複数回答）。</p><p>検討段階ではランニングコストが56.4%と突出し、一部導入で44.1%、全社導入では42.1%まで下がっていきます。代わりに上がるのが「従業員による活用が進まない」で、全社導入では40.4%とほぼ並ぶ水準です。同調査によれば、この割合はITの場合より10ポイント以上高い。AIは利用者の指示の出し方で結果が変わるため、一律のマニュアルで配って終わりにできない、というのがその理由です。</p><p>費用の観点では、ここが最も重要な分岐になります。使われなかった月の利用料は、割引もされず全額が損失に変わるためです。同じ金額を払うなら、契約するツールの単価を下げる交渉より、使われる状態をつくる側に配分したほうが回収が進みます。どの業務でどう使われているかは<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/ai-use-cases">AI活用事例</a>で個別に扱っています。</p><h2 id="haa118238cc">見積もりを比べる材料が、そもそも足りていない</h2><p>費用の判断が難しいのは、金額が複雑だからというより、比べるための情報が社内に無いためです。同じ調査は、そこも測っています。</p><p>社内の情報について「当てはまらない」と答えた割合は、成功事例や活用事例などの情報が十分に入手できているが83.3%、適切なベンダーや製品を選定する情報が十分にあるが79.8%でした。推進体制も手薄で、AI・ITの導入を推進する担当部署について「特定の部署はなく、経営者・現場が個別に推進している」が88.0%（n=1,605）を占めます。出所：中小企業基盤整備機構『中小企業のAI等の利活用に係る実態調査』（令和8年3月公表）。</p><p>8割の企業が、選ぶ材料が無いまま見積もりを受け取っています。この状態で相見積もりを並べても、金額の大小しか比べられません。比較の軸を自分側で持つために、次の5点を見積書に書き足してもらいます。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>確認する項目</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>なぜ要るか</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>社内で誰が何時間使うか</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>請求書に出ない自社の工数を金額に戻すため</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>データの整備は誰の作業か</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>分担が曖昧だと初期の見積もりが後から膨らむため</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>2年目以降の利用料と改定条件</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>3年で見ると運用費用のほうが大きくなるため</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>使われなかったときの解約条件</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>損失を止められる時期を先に決めておくため</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>成果をどの数字で見るか</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>継続と打ち切りの判断を金額以外で下せるようにするため</p></td></tr></tbody></table><p>比べる軸が「安いほう」から「回収できるほう」へ移るのは、この5点が埋まってからです。</p><h2 id="hd0ebef89cb">人事・採用でAIに費用をかけるなら、時間ではなく件数で測る</h2><p>人事・採用では、削減時間で費用対効果を測ると投資の効果が小さく見えてしまいます。判断が仕事の中心にあるためです。</p><p>同じ実態調査で、AIを導入しても効率化が難しいと感じる業務の第1位は「人の判断が必要な業務」67.1%で、社内調整・意思決定など属人的な業務33.3%、経営判断や戦略立案に関する業務31.3%が続きました。出所：中小企業基盤整備機構『中小企業のAI等の利活用に係る実態調査』（令和8年3月公表・複数回答）。</p><p>書類を数えるような作業はもともと多くありません。スカウト文面を1通書く時間を短縮しても、削減できる時間は小さく、投資の説明にはなりません。測る単位を時間から件数に替えると、同じ投資が違って見えます。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>測る単位</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>具体例</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>接触できた候補者の数</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>同じ人数の担当者で、月に何人へ届いたか</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>返信が返ってきた数</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>送信数ではなく、会話が始まった数</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>面談までつながった数</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>返信のうち、日程が入った数</p></td></tr></tbody></table><p>この3つは、そのまま採用単価に接続する数字です。1件あたりの実額の置き方は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/recruitment-cost">採用単価の定義と実額</a>を参照してください。人事領域のどこにAIを当てられるかは<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/ai-hr">AI人事の領域と成果</a>が個別に整理しています。</p><p>件数を増やす手段は、自社で体制を組むものだけではありません。エンジニア採用に絞って候補者の抽出からスカウトの作成・送信・追跡までを代行する<a href="https://offers.jp/client/ai-rpo?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-consult&amp;utm_content=ai-adoption-cost">Offers AI RPO</a>のような形であれば、自社でツールを選定して定着させる工程を挟まずに、件数の変化だけを見て判断できます。</p><h2 id="he532d8814b">補助金はクラウド利用料の2年分まで対象になる</h2><p>初期の負担は公的な補助で下げられます。中小企業向けの制度は2026年に再編され、名称にAI導入が入りました。</p><p><a href="https://it-shien.smrj.go.jp/applicant/subsidy/normal">デジタル化・AI導入補助金2026</a>の通常枠は、ソフトウェア購入費とクラウド利用料（最大2年分）を必須の対象経費とし、機能拡張、データ連携ツール、セキュリティ、導入・活用コンサルティング、導入設定・マニュアル設定・導入研修、保守サポートをオプションの対象としています。補助率は1/2以内（一定の要件を満たす場合は2/3以内）で、補助額は1プロセス以上で5万円以上150万円未満、4プロセス以上で150万円以上450万円以下です。出所：デジタル化・AI導入補助金2026 公式サイト「通常枠」（2026年9月13日確認）。</p><p>注目したいのは、クラウド利用料が最大2年分まで対象に入る点と、導入研修や活用コンサルティングが対象に含まれる点です。運用課題の節で見たとおり、支払いが無駄になるのは使われないときなので、補助の枠を初期の開発費だけでなく定着のための費用に当てられると、回収の確率が上がります。</p><p>企業側のニーズもここに集中しています。同じ実態調査で、AI・ITの導入を進めるために必要な公的支援として「導入費用の助成」を必要と答えた企業は77.9%（n=1,628）と最多でした。出所：中小企業基盤整備機構『中小企業のAI等の利活用に係る実態調査』（令和8年3月公表）。</p><p>ただし、採択は保証されません。要件と公募時期は年度ごとに変わるため、申請前に公式サイトの最新の公募要領で確認します。補助金を前提に予算を組むのではなく、自己資金で成立する計画に補助を上乗せする形で考えるほうが、不採択のときに止まりません。</p><h2 id="h7afb7bbad4">費用の判断は、社内でどこまで持つかを決めてから行う</h2><p>同じ「AI導入」でも、自社で運用まで抱えるのか、外部に任せるのかで費用の性質が変わります。ここを先に決めないと、見積もりの比較が成立しません。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>進め方</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>費用の性質</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>前提になるもの</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>自社で運用まで持つ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>初期は小さく、担当者の時間が継続して要る</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>使い方を広める人と、点検を続ける体制</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>外部に任せる</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>月額は大きく、社内の時間は小さい</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>任せる範囲と成果の測り方の合意</p></td></tr></tbody></table><p>見積もりの節で見たとおり、推進する部署を置かず経営者・現場が個別に進めている企業が88.0%を占め、専任の担当部署があるのは2.3%です。担当者の時間を継続して確保できないなら、自社で抱える形は安くなりません。どこまでを社内に残すかの判断軸は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/insourcing">内製化の進め方</a>で工程別に整理しています。</p><p>なお、AIを入れている企業の割合は調査によって大きく変わります。中小企業では20.4%、常用雇用者100人以上の企業でIoTやAI等のシステムを導入しているのは27.3%、デジタル化に着手済みの企業の管理職以上では生成AIの業務利用が86.4%（n=477）です。出所：中小企業基盤整備機構『中小企業のAI等の利活用に係る実態調査』（令和8年3月公表・n=1,647）、<a href="https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/260529_1.pdf">総務省『令和7年通信利用動向調査報告書（企業編）』</a>（2026年5月29日公表）、総務省『令和8年版 情報通信白書（概要）』（2026年7月公表）。</p><p>対象が違えば数字も違います。他社の導入率を予算の根拠にせず、自社がどの層に立つのかから決めてください。</p><h2 id="h373ed91ac5">AI導入の費用を判断する順序</h2><p>AI導入の費用について、この記事で置いた判断の順序をまとめます。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>段階</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>決めること</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>予算を置く</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>3層のどこに立つかを決める。クラウドの契約額は年100万円以下が6割超</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>見積もりを取る</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>社内工数、データ整備の分担、2年目以降、解約条件、成果指標の5点を書き足してもらう</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>継続を判断する</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>使われているかを先に見る。使われない月の支払いは全額が損失になる</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>制度を使う</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>クラウド利用料は最大2年分、導入研修も補助の対象に入る</p></td></tr></tbody></table><p>費用の判断を分けるのは、金額の大小より「回収できる状態をつくれるか」のほうです。検討段階で見えている費用は実感より高い側にぶれているので、最初の一歩を小さく踏んで実額を1つ手に入れるところから始めると、その後の判断が自社の数字の上で進みます。</p>

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## [生成AIの業務効率化が個人作業で止まる理由](https://hr-media.offers.jp/articles/generative-ai-work-efficiency)

**公開日**: 2026-09-12
**著者**: 鈴木 裕斗
**カテゴリ**: 組織

<p>社内の誰かが議事録を要約させ、誰かがメールの下書きを書かせている。便利だという声は上がるのに、部署の仕事の進め方は去年と変わっていない。多くの会社で、生成AIの導入はこの状態で足を止めています。</p><p>止まる場所には共通点があります。<strong>間違いに気づける仕事にしか渡せていない</strong>、という一点です。担当者が慎重すぎるわけではありません。出力が正しいかを確かめる工程を、会社として持っていないことの結果でした。</p><p>この記事では、生成AIによる業務効率化という言葉が指すものを整理したうえで、国の調査が示す日本企業のリスク対策の偏りを見ます。そのうえで、どの業務までなら任せられるのかの線を、採用・人事の工程に沿って引き直します。</p><h2 id="h162846132f">生成AIによる業務効率化の定義と、成果として残る条件</h2><p>生成AIによる業務効率化とは、文章の作成・要約・分類・下書きといった言語処理のタスクを生成AIへ移し、人が使う時間を判断と確認へ寄せ直すことです。ツールを導入することと同じ意味ではありません。</p><p>この違いは運用に出ます。ツールの導入は契約と配布で終わりますが、効率化は「誰のどの作業が減ったか」が測れて初めて成立します。配っただけで作業が減らない状態は、導入は済んでいても効率化には至っていない状態です。</p><p>成果として残るには、条件がひとつあります。出力が間違っていたときに、誰かが気づいて直せることです。気づけない仕事に渡せば、効率化のつもりの作業が品質低下として返ってきます。</p><p>ここが設計の分かれ目になります。生成AIは自信のある書き方で誤りを出すため、正しさは出力の見た目からは判別できません。確かめる側の工程を用意できるかどうかが、任せられる範囲を決めます。</p><h2 id="hc051402c97">効果として残るのは、間違いに気づける仕事に限られる</h2><p>生成AIを何らかの業務で使っている日本企業は86.4%にのぼります。それでいて、組織としての取り組みを持たない企業が27.0%ありました。個々の社員が自分の判断で触っている状態が、広く残っていることになります。</p><p>出所：総務省『令和8年版 情報通信白書』図表Ⅰ-2-1-6（日本 回答477社）および図表Ⅰ-2-1-3（日本 回答497社・2026年7月24日公表）。</p><p>いずれも、従業員10名以上でかつ2025年までにデジタル化に着手した企業の管理職以上に尋ねた調査です。日本企業全体の平均ではなく、すでに前へ進んでいる層の数字として読む必要があります。その層でも、組織としての形は伴っていません。</p><p>この構図と、どの業務まで進んでいるかの分布は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/ai-adoption">AI導入とは？進め方と定着しない理由</a>で扱いました。本記事はその先を見ます。</p><p>個人の道具として使われている限り、渡される仕事は自然に絞られます。<strong>書いたものを自分で読み返せば誤りに気づける範囲</strong>、つまり議事録の要約やメールの下書きです。読み返しても正しさを判定できない仕事は、個人の判断では渡せません。</p><p>判定には社内の事実が要ります。この候補者の経歴が要件と合うのか、この規程の解釈は合っているのか、この数字は最新なのか。こうした問いは、手元の画面を見ても答えが出ません。</p><p>つまり、個人作業で止まっているという現象と、確かめる工程が無いという構造は同じことの裏表です。工程を作らないまま範囲だけ広げれば、確かめられない出力がそのまま仕事に流れます。</p><h2 id="h9d26bcfb4d">日本のリスク対策は指針の整備に寄り、出力を確かめる工程が薄い</h2><p>日本企業がリスク対策として最も多く実施しているのは、全社的な指針やガイドラインの整備で41.1%です。一方、製品・サービスの導入後に定期的な評価・検証を行っている企業は29.1%、企画・導入段階で専門的な知見から審査する体制を持つ企業は26.1%にとどまります。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>リスク対策の内容</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>日本</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>米国</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>ドイツ</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>中国</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>全社的な指針やガイドラインを整備している</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>41.1%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>50.4%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>39.6%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>40.3%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>AIガバナンスの取組を推進する部署や責任者が明確になっている</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>35.9%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>44.9%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>49.6%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>58.4%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>製品・サービスの企画・導入段階で、専門的な知見から審査する体制がある</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>26.1%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>52.5%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>38.1%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>59.0%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>製品・サービス導入後、定期的な評価・検証が行われている</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>29.1%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>45.7%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>42.2%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>51.9%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>生成AIへの入力データを学習データとして利用できない仕組みを導入している</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>19.9%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>32.2%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>34.1%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>47.8%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>AIガバナンスツールを導入し、リスク検知や攻撃の防御が行われている</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>10.4%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>19.9%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>20.7%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>31.4%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>特に実施している施策はない・把握していない</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>16.3%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1.8%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2.2%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1.0%</p></td></tr></tbody></table><p>出所：総務省『令和8年版 情報通信白書』図表Ⅰ-2-1-9（2026年7月24日公表）。</p><p>この2つの項目は「製品・サービス」の企画・導入段階と導入後を尋ねており、社内業務の確認工程をそのまま測った設問ではありません。白書自身も、この差を顧客向けの製品・サービスへの活用の差によるものと推測しています。</p><h3 id="h4568cbecc8">差が開くのは、指針を整えた先にある2つの工程</h3><p>ガイドラインの整備率だけを見ると、日本は米国に9.3ポイント届かない程度で、ドイツと中国は上回っています。差が開くのはその先です。</p><p>製品・サービスの企画・導入段階の審査体制で、日本は米国の半分（26.1%対52.5%）、中国の4割強（26.1%対59.0%）です。導入後の評価・検証でも、米国の6割強（29.1%対45.7%）、中国の6割弱（29.1%対51.9%）にとどまりました。</p><h3 id="hffa73adcd7">用途が先か、体制が先か</h3><p>白書はこの差をこう読んでいます。他の3か国では、議事録・メール作成補助のような企業内で完結する利用にとどまっていない。顧客向けの製品・サービスにも生成AIを使っているため、事前の審査や事後の評価・検証を行う体制が整備されつつある、と。</p><p>用途が広いから体制が育った、という読み方です。この向きは実態に合っています。ただし現場の実務から見ると、逆向きも同時に成り立ちます。</p><p>体制が無いから、確かめなくても損が出ない用途にしか渡せない。どちらが先かは調査からは決められませんが、少なくとも自社で手を打つ側から見れば、後者の向きのほうが動かしやすい。審査と検証の工程は、用途が広がるのを待たなくても、今いる人員で作れるからです。</p><p>ガイドラインは「使ってよい範囲」を決める文書です。範囲を決めても、範囲の内側で出た出力が正しいかは分かりません。整備したのに使い道が広がらないという感覚には、この構造が対応しています。</p><h2 id="h7c3aaf6a60">懸念しているリスクの中身が、対策の偏りを説明する</h2><p>日本企業が最も多く挙げる懸念は、社内情報の漏洩などのセキュリティリスクで46.4%でした。4か国のなかで最も高い数字です。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>懸念されるリスク</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>日本</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>米国</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>ドイツ</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>中国</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>社内情報の漏洩などのセキュリティリスクがある</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>46.4%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>36.9%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>31.7%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>42.7%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>出力結果の精度に問題がある</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>35.3%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>44.3%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>41.7%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>52.1%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>著作権等の権利を侵害する可能性がある</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>31.3%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>33.7%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>44.7%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>36.2%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>出力結果に倫理上不適切な内容や偏見が含まれる可能性がある</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>24.7%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>38.5%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>35.9%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>45.0%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>個人情報の取り扱いなどプライバシーの侵害の可能性がある</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>24.5%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>38.2%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>44.0%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>43.4%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>ブラックボックス化により判断理由などの説明が不足する可能性がある</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>20.2%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>16.2%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>16.2%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>22.0%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>わからない</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>16.5%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1.0%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1.3%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1.6%</p></td></tr></tbody></table><p>出所：総務省『令和8年版 情報通信白書』図表Ⅰ-2-1-8（2026年7月24日公表）。</p><h3 id="h60606d8862">入口で閉じるリスクと、出口でしか閉じないリスク</h3><p>懸念の順位が国によって入れ替わっています。日本が情報漏洩を先頭に置くのに対し、米国と中国は出力結果の精度を最上位に置きました。ドイツは著作権44.7%とプライバシー44.0%が上位で、精度41.7%がこれに続きます。偏見とプライバシーの懸念は、3か国とも日本より10ポイント以上高く出ました。</p><p>この違いは、対策の偏りと素直につながります。リスクは、閉じられる場所が2つに分かれるからです。</p><ul><li>入口で閉じるもの：情報漏洩は、何を入力してよいかを決めて学習に使われない仕組みを選べば、出力を見なくても抑えられる</li><li>出口で閉じるもの：出力の精度・偏見・権利侵害は、出てきたものを誰かが見る工程がないと抑えられない</li><li>どちらでも閉じないもの：判断理由の説明不足は、使う業務そのものを選び直すしかない</li></ul><p>日本が懸念の先頭に置いている情報漏洩は、入口で閉じられる種類です。入口の対策であるガイドラインの整備を先に進め、出口の対策である審査と検証が後回しになるのは、懸念の構成と整合しています。</p><p>ただし、出口を閉じないままだと渡せる業務は増えません。精度への懸念が低いのは精度が高いからではなく、精度を問われない仕事にしか使っていないから、という読み方もできます。</p><p>中小企業では、懸念そのものが広く共有されています。別の調査になりますが、中小企業基盤整備機構が中小企業だけに尋ねたところ、AIやITの導入にあたりセキュリティや情報漏洩への懸念があると答えた企業が75.2%（強い懸念21.6%、多少の懸念53.6%）でした。設問は生成AIに限らずAI・IT全般を対象とした単一回答なので、上の表とは並べて比べられません。</p><p>出所：<a href="https://www.smrj.go.jp/research_case/questionnaire/fbrion0000002pjw-att/202603_AI_report.pdf">中小企業基盤整備機構『中小企業のAI等の利活用に係る実態調査』</a>（回答1,645社・令和8年3月公表）。</p><h2 id="h26dacf5c0c">人事が扱う情報は、入力してよい範囲の線引きが重くなる</h2><p>入口の対策は、何を入力してよいかを決めるところから始まります。人事の場合、この線引きが他の部署より難しい。扱う情報の多くが、本人から預かった個人情報だからです。</p><p>日本企業がプライバシー侵害を懸念として挙げた割合は24.5%でした。米国38.2%、ドイツ44.0%、中国43.4%と比べると10ポイント以上低い水準です。</p><p>出所：総務省『令和8年版 情報通信白書』図表Ⅰ-2-1-8（2026年7月24日公表）。</p><p>懸念が低いのは、扱いが安全だからとは限りません。個人情報に触れる用途へまだ踏み込んでいないから低く出ている、という読み方もできます。人事の業務へ本格的に入れると、この懸念は自社の問題として立ち上がってきます。</p><p>線を引くときに決めるのは3つです。</p><ul><li>目的の範囲：選考のために預かった情報を、選考以外の用途へ回していないか</li><li>再学習の有無：入力したものが事業者側の学習に使われない契約・設定になっているか</li><li>出力の置き場：生成された文章を、元の情報と同じ管理の下に置けるか</li></ul><p>3つ目が抜けやすい。応募書類を要約させると、要約という新しいデータがそこで生まれるからです。</p><p>原本は人事システムの中で管理されているのに、要約だけが担当者の手元のファイルに残る。この状態は、入力の範囲をどれだけ丁寧に決めてもすり抜けます。範囲と置き場は同時に決めておくほうが、後の運用が楽になります。</p><h2 id="hbbdd8a89fa">任せられるかどうかは、業務の種類ではなく確かめ方で決まる</h2><p>どの業務を生成AIに渡せるかは、業務の名前では決まりません。同じ「書類を読む」でも、誤りに気づける読み方と気づけない読み方があります。</p><p>判定は3つの問いで足ります。</p><ol><li>誤りが出たとき、受け取った人がその場で気づけるか</li><li>気づいたあと、外へ出る前に直せるか</li><li>直せなかった場合、影響は元に戻せるか</li></ol><p>3つとも「はい」なら、そのまま渡して差し支えありません。1つでも「いいえ」があるなら、渡す前に確かめる工程を足すか、渡す範囲を手前まで戻します。</p><p>この問いの立て方は、白書が第2段階として挙げた設計と同じ方向を向いています。白書は、業務プロセス全体において「どのタスクはAIを人間の思考や判断の補助として用い、どのタスクはAIに自律的に実行させるべきか」を検討する必要があると書きました。</p><p>出所：<a href="https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r08/html/nd121140.html">総務省『令和8年版 情報通信白書』</a>第Ⅰ部第2章第1節4（2）AI導入・活用による効果創出のステップ（2026年7月24日公表）。</p><p>白書が挙げた実例も、この線の引き方で読めます。キリンホールディングスは、過去10年分の取締役会とグループ経営戦略会議の議事録データに社内データと外部情報を読み込ませ、財務やマーケティングなど異なる役割を持たせたAI役員を開発しました。使い道は2つで、経営戦略会議に付議する起案者の事前の壁打ち相手と、会議中の発言から抽出した論点や意見を経営陣へ提示することです。白書の記述からは、決定そのものを置き換える使い方は読み取れません。</p><p>経費精算では、ラクスの事例が挙げられています。アプリ上で領収書を選ぶだけで精算データの作成から勘定科目の入力までを自動化し、作成された申請が社内ルールに沿っているかをチェックする機能を備えた仕組みです。出力の正しさを別の機械が確かめる形で、確認の工程が製品の内側に入っています。</p><p>いずれも白書が各社の公表資料を出所として掲載した事例です。共通するのは、生成された結果をそのまま最終決定にしていないことでした。</p><h2 id="ha0207d97e3">採用・人事の工程に当てはめた線引き</h2><p>採用と人事の仕事を工程に割ると、線がどこに引けるかがはっきりします。同じ「候補者を見る」でも、要約と判定では確かめやすさがまったく違うからです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>工程</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>誤りに気づける人</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>気づける時点</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>任せ方</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>求人要件の言語化・たたき台づくり</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>現場の責任者</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>読んだ瞬間</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>そのまま任せてよい</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>職務記述書・スカウト文面の下書き</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>送る担当者</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>送信前</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>そのまま任せてよい</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>応募書類の要約・情報の構造化</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>書類を読む面接官</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>原本と突き合わせた時点</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>原本を残して任せる</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>面接記録の構造化・共有</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>同席した面接官</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>記録を読み返した時点</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>面接官の確認を挟んで任せる</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>候補者と要件の適合度の評価</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>判定した本人だけ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>入社後</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>材料の整理までにとどめる</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>合否・処遇の決定</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>誰も外からは見えない</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>争いになった時点</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>任せない</p></td></tr></tbody></table><h3 id="h10377dc320">そのまま任せられる工程と、材料を残せば任せられる工程</h3><p>上の3つは、誤りが出ても受け取った人が読んだ瞬間に気づき、外へ出る前に直せます。文面がおかしければ送る前に書き直せばよく、影響も残りません。</p><p>真ん中の2つは、確かめる材料を残せば渡せます。応募書類の要約は原本が手元にある限り検算できますし、面接記録の構造化は同席した面接官が読み返せば抜けに気づけます。<strong>材料を捨てないことが条件</strong>です。</p><h3 id="h24411816f9">任せる対象から外す工程</h3><p>下の2つは性質が違います。適合度の評価が外れたかどうかは、入社して働いてみるまで分かりません。誤りに気づく時点が採用の意思決定より後ろにあるため、その場で確かめる工程を作れないのです。</p><p>AIが不合格と判断した分だけを人が見直す運用は、実際に使われています。ただし、それで拾えるのは落としすぎだけです。通した側の誤りは誰の目にも触れないので、片側しか確かめられない工程は、確かめる工程として数えません。</p><p>合否と処遇の決定はさらに厳しい。理由を説明できなければならない場面があり、判断理由の説明不足は白書の懸念でも20.2%が挙げていました。ここは工程を足しても閉じないので、任せる対象から外します。</p><p>線を引いて上の4工程を渡せば、担当者の時間は判定と対話へ寄るはずです。人事領域の全体像は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/ai-hr">AI人事とは？HR業務のAI活用率43%、5つの領域と導入企業の成果・リスク</a>で扱いました。採用工程に絞った各社の実践は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/ai-recruitment">AI採用とは？工数80%削減・承諾率2.4倍、7社が実証したAI活用効果とリスク</a>にあります。</p><p>なお、工程を組み替える前に、自社の採用がいま何で詰まっているかを見ておくと優先順位を付けやすい。エンジニア領域であれば<a href="https://service.offers.jp/client/hiring-check/?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-light&amp;utm_content=generative-ai-work-efficiency">エンジニア採用力チェック</a>で外形的な現在地を確認できます。</p><h2 id="h6694593684">当社での実装記録</h2><p>当社も同じ線で運用してきました。3つの例を挙げます。</p><p>面接レポートは、面接官がメモだけを書き、構造化と共有を機械に任せる形にしました。共有までに数日かかっていたものが即時になっています。最初に決めたのは生成の精度ではなく、評価観点を3項目に絞ることでした。</p><p>スカウト文面は、うまい書き手の型を先に言語化し、生成をその型の当てはめに限定しています。1通あたり10分以上かかっていた作業がレビューだけになり、型を直すと次の生成分から全員に反映されます。</p><p>面接官トレーニングでは、実際の面談データから練習相手を作り、想定問答と本番の乖離を埋めました。練習の相手役なので、出力が多少ずれても実害が出ません。</p><p>3例に共通するのは、AIに判断させていないことです。合否と処遇の決定は人が持ったままにしてあり、渡しているのは判断の手前にある整理と下書きに限られます。</p><p>もうひとつの共通点は、確かめる人が最初から決まっていたことでした。面接レポートは同席した面接官、スカウト文面は送る担当者、練習相手は受講者本人です。誰が見るかを決めずに配ったものは、社内でも定着していません。</p><h2 id="h4388c5ec8d">人事領域でよく入る型</h2><p>支援の現場で繰り返し入る型も、同じ線の内側にあります。業界と領域までを共通項として挙げます。</p><p>目標設定では、提出された目標案に対して、具体性・測定可能性・等級要件との整合をその場で返す使い方が定着しやすい型です。一次添削を機械が引き受けるので、面談は磨かれた目標から始められます。最終確定は面談で人が行う形です。</p><p>労務では、給与改定や手当変更のたびに発生する検算を、支給前の異常検知として自動化する形があります。出力が正しいかを既存の台帳と突き合わせて確かめられるため、確認の工程を新しく作る必要がありません。</p><p>評価運用では、集約後の評価データの形式不備を機械で洗い、分布と傾向を可視化する使い方があります。不備の指摘は元データと照らせば真偽が分かるので、ここも確かめやすい側に入ります。</p><p>3つとも、正しさを突き合わせる相手（等級要件・台帳・元データ）が社内にある業務です。突き合わせる相手が無い業務を先に選ぶと、確認の工程そのものを新設することになり、着手の負担が上がります。</p><h2 id="hbc4b68ef02">中小企業では対策そのものが手つかずになる</h2><p>企業規模で見ると、対策の厚みに差が出ます。ガイドラインを整備している企業は大企業44.9%に対し中小企業29.1%で、15.8ポイントの開きがありました。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>リスク対策の内容</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>大企業</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>中小企業</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>全社的な指針やガイドラインを整備している</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>44.9%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>29.1%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>AIガバナンスの取組を推進する部署や責任者が明確になっている</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>36.0%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>35.4%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>製品・サービスの企画・導入段階で、専門的な知見から審査する体制がある</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>27.1%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>22.8%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>製品・サービス導入後、定期的な評価・検証が行われている</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>29.6%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>27.8%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>生成AIへの入力データを学習データとして利用できない仕組みを導入している</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>19.8%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>20.3%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>AIガバナンスツールを導入し、リスク検知や攻撃の防御が行われている</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>11.7%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>6.3%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>特に実施している施策はない・把握していない</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>13.8%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>24.1%</p></td></tr></tbody></table><p>出所：総務省『令和8年版 情報通信白書』図表Ⅰ-2-1-9（2026年7月24日公表）。</p><p>目を引くのは、開きが項目によって違うことです。ガイドラインの整備で15.8ポイント開く一方、推進部署の明確化は0.6ポイント、評価・検証は1.8ポイントしか変わりません。入力データを学習に使わせない仕組みにいたっては、中小企業20.3%が大企業19.8%をわずかに上回ります。比でみると最も開くのはAIガバナンスツールの導入で、大企業11.7%に対し中小企業6.3%と1.9倍です。</p><p>文書を整える作業には人手と時間が要るので、規模の差がそのまま出ます。対して、誰が担うかを決める作業と、入力を遮断する設定は、規模が小さくても始められる。評価・検証は大企業でも29.6%どまりで、ここはまだどちらも先行していない領域です。</p><p>一方で「特に実施している施策はない・把握していない」は中小企業24.1%と、大企業の1.7倍でした。4社に1社が、対策を実施していないか、実施の有無を把握できていないことになります。</p><p>対策が決まらないまま利用だけが広がると、社員が個人の判断で業務にAIを使う状態が既定値になります。入力した機密情報が社外へ出ていく経路も、そこで開いたままになりました。</p><h2 id="h2d5904219a">着手するときの順序</h2><p>順序は、人から決めるほうが早く進みます。確かめる人が決まっていない工程には、何を渡しても定着しないからです。文書を整えるのはその後で間に合います。</p><p>先に決めることは3つです。</p><ol><li>渡す工程と、その出力を誰が見るか（工程ごとに1人を名指しする）</li><li>入力してよい情報の範囲と、学習に使われない環境の用意</li><li>出力を見直す間隔と、そのとき何を見るか</li></ol><p>1つ目が最も落としやすい。ガイドラインに「利用者は出力を確認すること」と書くだけでは、誰の仕事にもなりません。工程ごとに名前を書くところまで進めると、確認は業務として回り始めます。</p><p>3つ目にあたる定期的な評価・検証は、製品・サービスの領域ですら日本企業の29.1%しか持っていません。四半期に一度、渡した工程の出力を抜き取って読み、直した箇所を数えるだけでも記録は残ります。記録が残れば、範囲を広げてよいかどうかを数字で判断できるようになるはずです。</p><p>投資が要るのは2つ目だけで、1つ目と3つ目は今の人員で始められます。第2段階の投資計画を立てる前に、この2つを片付けておけば判断の材料が揃うはずです。</p><h2 id="hcb9dacb773">結論</h2><p>生成AIに任せられる業務は、業務の名前では決まりません。決めるのは3つの問いです。誤りが出たとき受け手がその場で気づけるか、外へ出る前に直せるか、直せなかったときに戻せるか。この形で引いておけば、新しい業務が来ても同じ判定ができます。</p><p>採用と人事に当てはめた線は、要件の言語化・文面の下書き・書類の要約・面接記録の構造化まででした。適合度の評価と合否の決定は、誤りに気づく時点が意思決定より後ろに来るので、材料の整理までにとどめます。</p><p>線が手前に寄るのは、担当者が慎重だからではありません。日本企業の対策はガイドラインの整備41.1%に寄り、製品・サービスの導入後の評価・検証29.1%と企画・導入段階の審査26.1%は米国の半分から6割ほどです。確かめる仕組みを持っていないぶんだけ、渡せる範囲が狭くなります。</p><p>まず決めるのは、工程ごとに出力を見る人の名前です。文書を整えるより先に、そこを埋めるほうが範囲は広がります。</p>

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## [人事DXとは？定義の所在とIT化との線引き](https://hr-media.offers.jp/articles/hr-dx)

**公開日**: 2026-09-12
**著者**: 鈴木 裕斗
**カテゴリ**: 組織

<p>「人事DX」という言葉に、国が定めた定義はありません。だから「どこまでやれば人事DXなのか」を語の意味から決めることができず、システムを入れ終えても手応えが残らない状態が起きます。</p><p>一方で、範囲を外側から決めている公的な文書は存在します。経済産業省が定めたDXの定義と成熟度の段階、国の認定制度が求める公表事項、そして人事データの開示を義務づけた2つの制度です。</p><p>この記事では、その4つを一次資料から並べ、人事DXの線がどこに引かれているのかを確定させます。最後に置くのは、自社の現在地を確かめるための4つの問いです。</p><h2 id="h480e9f7ecb">人事DXの定義と、この記事で扱う範囲</h2><p>人事DXとは、人事領域の業務にデータとデジタル技術を持ち込み、業務そのものと組織・プロセス・企業文化まで変える取り組みを指します。給与計算や勤怠の電子化はその入口であって、全体ではありません。</p><p>ただし、この語そのものに公的な定義はありません。定義に当たるものは、DXの定義と、国の制度が求める公表事項から逆算して決まります。</p><p>この記事が扱うのは次の3つです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>扱うもの</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>出所となる公的文書</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>DXの定義と、成熟度の3段階</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>経済産業省「デジタルガバナンス・コード3.0」「DXレポート2」</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>国が認定基準として求める公表事項</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>DX認定制度（認定基準は経済産業省令）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>人事データの情報公表を求める制度</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>企業内容等の開示に関する内閣府令／女性活躍推進法</p></td></tr></tbody></table><p>言葉としてのDXの定義と、IT化との違いの全体像は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/what-is-dx">DXとは？定義とIT化との違い、取組率75.7%の実態</a>で整理しました。ここから先は、その定義を人事領域に当てたときに何が決まるかを追います。</p><h2 id="hc998542c35">「人事DX」という語に公的な定義はない</h2><p>人事DXを定義した官公庁の文書は見当たりません。定義があるのは上位概念のDXのほうです。経済産業省の定義は、4つの要素に分けて読むと構造がつかめます。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>定義の要素</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>原文（経済産業省によるDXの定義）</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>前提</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>外向きの変革</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>内向きの変革</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>到達点</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>競争上の優位性を確立すること</p></td></tr></tbody></table><p>出所：<a href="https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dgc/dgc3.0.pdf">経済産業省「デジタルガバナンス・コード3.0～DX経営による企業価値向上に向けて～」</a>（2024年9月19日改訂・2ページ脚注）。</p><p>人事DXが担うのは、このうち内向きの変革でした。業務そのもの、組織とプロセス、企業文化・風土の3つが対象に入ります。</p><h3 id="hcf0669e055">定義が示す「人事DXの重さ」</h3><p>この定義に照らすと、人事システムの入れ替えだけでは定義を満たしません。組織とプロセスが変わり、企業文化・風土まで届いて初めて条件がそろうからです。</p><p>言い換えると、人事DXは人事部門の業務改善の話ではなく、経営の話として書かれています。同コードが自らに与えている位置づけも、企業価値向上のために経営者が実践すべき事柄を取りまとめた文書です。</p><h2 id="hb7bbe7e585">人事DXで何が変わるのかは、公的文書が4つ挙げている</h2><p>人事DXの効果として語られるものは幅がありますが、デジタルガバナンス・コード3.0の序文は、DXの推進で得られるものを4つに整理しています。人事に直接かかわるのは2つ目です。</p><p>「DXを推進していく中で、企業は、生産性や従業員エンゲージメントの向上、創造性人材の育成等の恩恵を享受し、結果的に優秀な人材を獲得でき、人的資本経営の実現にもつながる。」</p><p>出所：経済産業省「デジタルガバナンス・コード3.0」（2024年9月19日改訂・序文）。</p><p>ここで並ぶ順番に意味があります。生産性と従業員エンゲージメントの向上が先に来て、その結果として優秀な人材の獲得がついてくる、という向きの記述でした。採用の成果は人事DXの出発点ではなく、社内の状態が変わったあとに現れるものとして位置づけられています。</p><h3 id="he864ca67fa">残る3つと、人事との距離</h3><p>残りの3つは、顧客提供価値や収益の向上、サイバーセキュリティ対策によるコストと損失の最小化、国境や産業をまたぐデータ連携による付加価値の向上です。</p><p>人事から遠いように見えますが、1つ目と3つ目は人材要件に跳ね返ります。既存ビジネスモデルの深化や新規ビジネスモデルの創出を担う人材と、データを扱える人材が要るからです。柱3-2が求める「必要な人材の明確化」は、この4つのどれを狙うのかが決まって初めて書けます。</p><p>序文はさらに、優れた成果を出しているデジタルトランスフォーメーション銘柄（DX銘柄）選定企業の株価が日経平均株価よりも伸長しており、市場でも評価されているとも述べました。DX認定を受けると、上場企業はDX調査への回答時にDX銘柄の選定対象となり、中堅・中小企業等はDXセレクションへ自薦で応募できます。認定基準を満たす作業は、外部評価への入口です。</p><h2 id="h2ecd3e95f6">IT化もDXの1段目。経済産業省の3段階で位置を測る</h2><p>「IT化と人事DXは違う」という説明はよく見かけますが、経済産業省の整理では、紙の電子化や個別業務のデジタル化もDXの段階に含まれます。DXレポート2は、企業が成熟度ごとにアクションを設計できるようDXを3つの段階に分解しました。</p><p>「デジタイゼーションは、アナログ・物理データの単純なデジタルデータ化のことであり、典型的には、紙文書の電子化である。デジタライゼーションは個別業務・プロセスのデジタル化であり、さらに、デジタルトランスフォーメーションは全社的な業務・プロセスのデジタル化、および顧客起点の価値創造のために事業やビジネスモデルを変革することである。」</p><p>出所：<a href="https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation_kasoku/pdf/20201228_3.pdf">経済産業省「DXレポート2 中間取りまとめ（本文）」</a>（2020年12月28日・図5-8 の説明）。</p><p>この3段階を人事の実務に当てると、次のようになります。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>段階</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>定義（DXレポート2）</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>人事業務での例</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>デジタイゼーション</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>アナログ・物理データの単純なデジタルデータ化</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>紙の履歴書や申請書をPDFにする／台帳をExcelに移す</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>デジタライゼーション</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>個別業務・プロセスのデジタル化</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>勤怠をクラウドで締める／評価シートをシステム上で回す</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>デジタルトランスフォーメーション</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>全社的な業務・プロセスのデジタル化と、事業やビジネスモデルの変革</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>評価・配置・採用が同じ人材データの上で連動し、事業計画の前提が変わる</p></td></tr></tbody></table><h3 id="h79c33939eb">「DXの定義はこの範囲」が囲むのは3段すべて</h3><p>同じ図は3つの段階を入れ子の枠で描いており、「DX推進指標における“DXの定義”はこの範囲」という注記が付いているのは、3段すべてを包む最も外側の枠です。国の指標が言うDXは、紙の電子化から事業の変革までの全体に及びます。</p><p>ここが実務で効果を持ちます。勤怠と給与をクラウドに移した状態も、国の指標の上ではDXの範囲の内側です。ただし段階は2段目で、全社的な変革を求める3段目とは目盛りが違います。進捗が止まって見える原因の多くは、2段目の作業を3段目の目盛りで測っていることにあります。</p><h3 id="h7c3a8c2d5c">段階を飛ばさないほうがよい理由</h3><p>3段目から始めることはできません。全社的なプロセスのデジタル化は、データが個別業務の単位でそろっていることを前提にするからです。</p><p>一方で、1段目と2段目を積み上げれば自動的に3段目に届くわけでもありません。DXレポート2の図でも、各ステップは左から右へ進行するものとして描かれつつ、目指す段階を見据えて設計することが前提に置かれています。</p><h2 id="h92e7376d41">国が認定基準で引いた線</h2><p>人事DXの範囲を外形的に決めている制度が、DX認定制度です。デジタル技術による社会変革に対して経営者に求められる事項を取りまとめたデジタルガバナンス・コードに対応し、DX推進の準備が整っていると認められた企業を国が認定する仕組みです。</p><p>出所：<a href="https://www.ipa.go.jp/digital/dx-nintei/about.html">独立行政法人情報処理推進機構「DX認定制度のご案内」</a>（最終更新 2026年8月24日）。</p><p>制度の対象は全ての事業者で、法人と個人事業主を含み、法人は会社だけでなく公益法人等も含みます。認定基準は経済産業省令に定められ、これに適合するかが審査されます。申請は1年を通していつでも可能で、審査の標準処理期間は60営業日、認定の有効期間は2年です。</p><h3 id="h45d865a28d">5つの柱のうち、人事が直接担う3つ</h3><p>デジタルガバナンス・コード3.0は全体像を「DX経営に求められる3つの視点・5つの柱」として整理しています。5つの柱のうち、人事が直接担うのは3つです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>柱</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>人事との関係</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>3-1 組織づくり</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>DX戦略の推進に必要な体制と、外部組織との関係構築を含む組織設計</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>3-2 デジタル人材の育成・確保</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>育成・確保の方策を定める。人事が主担当になる柱</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>4 成果指標の設定・DX戦略の見直し</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>達成度を測る指標を定め、成果を自己評価する</p></td></tr></tbody></table><p>残る柱は、経営ビジョン・ビジネスモデルの策定（柱1）、DX戦略の策定（柱2）、ITシステム・サイバーセキュリティ（柱3-3）、ステークホルダーとの対話（柱5）の4つになります。</p><h3 id="hf0a43ff370">認定基準は「示すこと」ではなく「公表すること」</h3><p>柱3-2と柱4の認定基準は、次の2文です。</p><ul><li>「DX戦略において、DX戦略の推進に必要な人材の育成・確保に関する事項を示していること。」</li><li>「DX戦略の達成度を測る指標について公表していること。」</li></ul><p>出所：経済産業省「デジタルガバナンス・コード3.0」（2024年9月19日改訂・柱3-2および柱4の認定基準）。</p><p>前者の判断は、機関承認を得た公開文書に記載されている事項を基に行われます。後者は端的に「公表していること」と書かれています。どちらも、社内で決めただけでは基準を満たしません。</p><p>指標については、企業価値創造に係る指標、DX戦略実施により生じた効果を評価する指標、計画の進捗を評価する指標の3種が想定されています。認定に際して求められるのは、後ろ2つのいずれかの公表か、企業価値創造に係る指標の公表とDX戦略上の取組との紐づけの明確化です。定量指標だけでなく、達成したか否かが判断できる定性指標も含まれます。</p><h3 id="h5b26fd4855">望ましい方向性が求める人事の実装</h3><p>柱3-2には認定基準とは別に「望ましい方向性」が置かれています。そこに並ぶのは、人事制度そのものへの具体的な要求です。要点は次の3つです。</p><ul><li>スキルを可視化する。デジタルスキル標準を参照して必要なスキルを明確化し、社員のスキルを見える状態にする</li><li>学ぶ仕組みを置く。リスキリングやリカレント教育の仕組みと、自律的なキャリア形成支援を用意する</li><li>処遇に接続する。スキル証明により適性評価・処遇される人事制度と、実践的なスキルが身につく人材配置の仕組みを持つ</li></ul><p>確保の手段としては、計画的な育成、中途採用、外部アドバイザー・パートナーの活用、外部からの出向、事業部門とIT担当部門の間の人事異動が挙げられています。求める人材像の整理は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/dx-jinzai">DX人材とは？6類型の職種・必要スキルと採用・育成の進め方</a>で詳しく扱いました。</p><h2 id="hef9526eff1">開示制度が引いたもう1つの線</h2><p>人事データを外に出すことを求めた制度が、2023年に始まりました。企業内容等の開示に関する内閣府令等の改正が2023年1月31日に公布・施行され、有価証券報告書等の記載事項が変わっています。</p><p>出所：<a href="https://www.fsa.go.jp/policy/kaiji/sustainability-kaiji.html">金融庁「サステナビリティ情報の開示に関する特集ページ」</a>（令和5年1月31日公布・施行）。</p><p>改正で入ったものは2つです。ひとつは「サステナビリティに関する考え方及び取組」の記載欄の新設、もうひとつは「従業員の状況」における多様性の指標の開示です。いずれも2023年3月期決算企業から適用されています。</p><h3 id="h235c7b0c77">何が必須で、何が重要性に応じてか</h3><p>サステナビリティの記載欄は、4つの項目すべてが同じ扱いではありません。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>項目</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>扱い</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>ガバナンス</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>必須記載事項</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>リスク管理</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>必須記載事項</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>戦略</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>重要性に応じて記載</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>指標及び目標</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>重要性に応じて記載</p></td></tr></tbody></table><p>ただし人材の話は別枠でした。人材の多様性の確保を含む人材育成の方針、社内環境整備の方針、その方針に関する指標の内容等は、<strong>必須記載事項</strong>として「戦略」と「指標及び目標」に記載が求められます。人事にかかわる部分には、重要性の判断で省く余地がありません。</p><p>この改正は、令和4年6月13日に公表された金融審議会ディスクロージャーワーキング・グループ報告の提言を踏まえたものです。</p><h3 id="hbfa5cd774d">数字で出すことが決まった3指標</h3><p>提出会社やその連結子会社が女性活躍推進法等に基づいて公表している場合、その指標は有価証券報告書等にも記載が求められます。対象は女性管理職比率、男性の育児休業取得率、男女間賃金格差の3つです。</p><p>ここが人事DXの線引きに直結します。方針は文章で書けますが、この3つは数字でしか書けません。数字を毎年同じ定義で出すには、人事データが1か所に集まり、同じ基準で集計できる状態が要ります。</p><p>なお有価証券報告書の記載義務が及ぶのは、有価証券報告書を提出する企業に限られます。非上場の中堅・中小企業がこの改正の対象に入るわけではありません。</p><h2 id="h789a94f656">2026年4月、対象は101人以上の企業まで広がった</h2><p>情報公表の線は、上場企業の外側へ動いています。令和8年（2026年）4月1日施行の改正女性活躍推進法により、常時雇用する労働者が101人以上300人以下の事業主についても、男女間賃金差異が情報公表の必須項目になりました。</p><p>出所：<a href="https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000091025.html">厚生労働省「女性活躍推進法特集ページ」</a>（2026年9月13日閲覧）。</p><p>301人以上の事業主については、令和4年（2022年）7月8日から男女間賃金差異の情報公表がすでに義務づけられていました。今回の改正で、対象が101人以上まで下りたことになります。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>常時雇用する労働者</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>男女間賃金差異の情報公表</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>301人以上</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2022年7月8日から義務</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>101人以上300人以下</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2026年4月1日から必須項目</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>100人以下</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>義務の対象外</p></td></tr></tbody></table><h3 id="h22e36d7815">有価証券報告書に書くだけでは義務を満たさない</h3><p>厚生労働省は、有価証券報告書のみで公表しても女性活躍推進法の義務を果たしたことにはならない、と明記しています。一般の求職者等から見て、どこに掲載されているのかが分かるように公表する必要があるためです。</p><p>この一文が示す方向は明確です。人事データの公表先は、投資家向けの書類だけでなく求職者が見る場所でもある、ということになります。採用の現場から見れば、開示は広報の一部です。</p><h2 id="h488551f8d8">外に出す数字は、いま何を映しているのか</h2><p>公表が求められる指標の全国水準は、厚生労働省の調査で確認できます。数字を出す前に、自社の値がどのあたりに置かれるのかを知っておくと、説明の準備がしやすくなります。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>指標</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>令和6年度</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>令和5年度</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>管理職等に占める女性の割合（部長相当職）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>8.7%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>7.9%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>管理職等に占める女性の割合（課長相当職）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>12.3%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>12.0%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>管理職等に占める女性の割合（係長相当職）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>21.1%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>19.5%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>育児休業取得者の割合（女性）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>86.6%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>84.1%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>育児休業取得者の割合（男性）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>40.5%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>30.1%</p></td></tr></tbody></table><p>出所：<a href="https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/71-r06/05.pdf">厚生労働省「令和6年度雇用均等基本調査」</a>（2025年7月30日公表・企業調査 n=3,231／事業所調査 n=3,383）。</p><p>男性の育児休業取得率は40.5%で、令和5年度の30.1%から1年で上がりました。女性の86.6%とは、なお差が残っています。</p><h3 id="h06805430e0">母数が違う2種類の「女性管理職」</h3><p>同じ調査には、似て非なる数字がもう1組あります。管理職等に占める女性の割合ではなく、女性管理職等を有する企業の割合です。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>役職</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>女性管理職等を有する企業の割合</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>部長相当職</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>14.6%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>課長相当職</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>22.5%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>係長相当職</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>24.8%</p></td></tr></tbody></table><p>前者は管理職の人数を分母にし、後者は企業数を分母にします。課長相当職の女性がいる企業は22.5%にとどまり、女性の課長が1人もいない企業のほうが多数派です。自社の比率を公表するときは、どちらの分母で語っているのかを最初に定めておくと説明がぶれません。</p><h2 id="hfa1297ca6b">人事DXが扱う5つの領域と、止まりやすい段階</h2><p>ここまでの線を重ねると、人事DXの範囲は5つの領域に整理できます。領域ごとに、3段階のどこで止まりやすいかが違います。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>領域</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>止まりやすい段階</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>外に出る数字との関係</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>採用</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>デジタライゼーション</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>応募から入社までの歩留まりが部門横断で追えるか</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>労務・勤怠</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>デジタライゼーション</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>男性の育児休業取得率の算定根拠になる</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>評価・報酬</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>デジタイゼーション</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>男女間賃金差異の算定根拠になる</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>育成・スキル</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>デジタイゼーション</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>デジタルスキル標準を参照した可視化の対象</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>配置・異動</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>デジタライゼーション</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>女性管理職比率の推移を説明する材料になる</p></td></tr></tbody></table><p>労務・勤怠と採用は、専用のシステムが早くから普及したため2段目まで進んでいる企業が多い領域です。一方で評価・報酬と育成・スキルは、紙とExcelのまま残りやすく、外に出す数字の算定でつまずく原因になります。</p><p>採用の領域が2段目まで来ているかどうかは、母集団の作り方と選考の記録の取り方に表れます。自社の位置を短時間で確かめる手段が、次の診断です。</p><p><a href="https://service.offers.jp/client/hiring-check/?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-light&amp;utm_content=hr-dx">自社の採用体制がどこまで整っているかを5分で確認する（Offers エンジニア採用力チェック）</a></p><h3 id="hc007c81200">評価・報酬と育成・スキルが遅れやすい理由</h3><p>5領域のうち、評価・報酬と育成・スキルは1段目に残りやすい領域です。分かれ目は法令上の締切の有無にあります。</p><p>労務・勤怠は給与支払と社会保険の手続きに期限があり、採用は応募者を待たせられないため、どちらも仕組みを整える圧力が外から掛かります。一方で評価と育成の領域は、Excelと面談記録のままでも年次の運用が止まりません。</p><p>ところが情報公表で求められる男女間賃金差異は評価・報酬のデータから作り、デジタルスキル標準を参照した可視化は育成・スキルのデータから作ります。外に出す数字を用意する段になって、最も整っていない領域の整備が要るという順番になります。</p><h3 id="h1590c97f02">領域をまたぐと3段目に近づく</h3><p>3段目の条件は、全社的な業務・プロセスのデジタル化でした。人事に置き換えると、5つの領域が別々のシステムで完結している状態から、同じ人材データを共有する状態へ移ることです。</p><p>たとえば評価の結果が配置の判断材料になり、配置の結果が育成計画に戻り、そこから採用要件が決まる。この循環がデータの上で成立していれば、領域をまたいだ変革が起きています。AIを人事業務に組み込む際の前提も同じで、扱える範囲は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/ai-hr">AI人事とは？HR業務のAI活用率43%、5つの領域と導入企業の成果・リスク</a>で整理しました。</p><h2 id="h007bb91532">現在地は4つの問いで置ける</h2><p>人事DXの現在地は、制度が求める公表事項をそのまま問いに直すと確認できます。答えられない問いが、次に着手する場所になります。</p><p>問いは4つです。</p><ol><li>人事データは1か所に集まり、同じ定義で集計できるか（3段階のどこにいるか）</li><li>DX戦略に人材の育成・確保の方策が書かれ、公開文書として出ているか（柱3-2の認定基準）</li><li>DX戦略の達成度を測る指標を公表しているか（柱4の認定基準）</li><li>女性管理職比率・男性の育児休業取得率・男女間賃金差異を、毎年同じ基準で出せるか（情報公表）</li></ol><h3 id="h3f739613fc">4つの問いを着手の順番に置き換える</h3><p>問いに答えられなかった場所から、次の作業が決まります。手順にすると4段です。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>順番</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>やること</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>終わったと言える状態</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>1</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>人事データの置き場と定義をそろえる</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>5つの領域の主要項目が同じ社員IDで突き合わせられる</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>2</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>人材の育成・確保の方策をDX戦略に書く</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>機関承認を得た公開文書に記載されている</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>3</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>達成度を測る指標を決めて公表する</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>効果か進捗のいずれかの指標が外部から参照できる</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>4</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>情報公表の3指標を年次で出す運用にする</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>担当者が変わっても同じ定義で再計算できる</p></td></tr></tbody></table><p>2番目と3番目は公開文書が成果物になるため、広報や経営企画との作業になります。人事の中だけで完結するのは1番目と4番目です。ここを分けておくと、着手前に誰を巻き込むかが決まります。</p><h3 id="h6755afea8b">問いの順番を入れ替えない</h3><p>この4つは、上から順に前提の関係です。1に答えられない状態で4の数字を作ると、毎年の算定が手作業になり、担当者が変わった時点で継続しなくなります。</p><p>逆に、1と4だけを見て2と3を後回しにすると、データはそろっているのに何を目指しているのかを説明できない状態が残ります。柱4の認定基準が指標の公表を求めているのは、この状態を避けるためです。</p><h2 id="h046906f97c">停滞する3つの型</h2><p>人事DXが途中で止まるとき、原因はおおむね3つの型に収まります。いずれも制度側の記述と照らすと、どこがずれているのかが分かります。</p><p><strong>型1は、システムの導入が目的になる状態です。</strong> 勤怠と給与をクラウドに移した時点で完了とみなすと、2段目で止まります。3段目の条件は全社的なプロセスの変革なので、領域をまたぐ設計を先に置いておく必要があります。</p><p><strong>型2は、指標を決めずに始める状態です。</strong> デジタルガバナンス・コード3.0は、経営ビジョンの実現を妨げるデジタル面の課題ごとにKPIを用い、目指すべき姿と現在の姿のギャップを定量的に把握することを3つの視点の1つに挙げています。指標が無いと、進んだかどうかを判断する手がかりが残りません。</p><p><strong>型3は、人事部門だけで進める状態です。</strong> 同コードは、DX推進はIT部門ではなく経営陣や取締役会の役割であると経営者が考えることを求めています。人事の権限だけで組織・プロセス・企業文化までは動かせません。</p><h3 id="h7e506e2627">経営との接続をどう作るか</h3><p>型3を避けるには、人事戦略そのものを経営計画の側に置く必要があります。デジタルガバナンス・コード3.0の3つの視点の1つが「企業文化への定着」で、企業文化はDX戦略の実行を通じて変革され醸成されるものだと位置づけられています。</p><p>人事戦略を経営と連動させる具体的な手順と、開示制度との関係は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/hr-strategy">人事戦略とは？経営と連動させる立て方と開示制度</a>にまとめました。</p><h2 id="hf57fd433e0">人事DXの範囲を決める4本の線</h2><p>人事DXという語を定めた官公庁の文書はありませんが、範囲を決めている公的な線は4本あります。</p><p>1本目はDXの定義で、変革の対象に組織・プロセス・企業文化を含みます。2本目はDXレポート2の3段階です。システム導入は2段目、全社的な変革が3段目という目盛りでした。</p><p>3本目はDX認定制度の認定基準で、人材の育成・確保の方策と達成度を測る指標を公表することを求めます。4本目が情報公表で、有価証券報告書の3指標に加え、男女間賃金差異の公表対象が2026年4月から101人以上の企業に広がりました。</p><p>この4本を自社に当てると、次に着手すべき場所が決まります。手を付ける順番は、データを1か所に集めることから始めます。</p>

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## [ジョブ型雇用の失敗、先行20社の記録が示す原因](https://hr-media.offers.jp/articles/job-based-employment-failures)

**公開日**: 2026-09-12
**著者**: 鈴木 裕斗
**カテゴリ**: 組織

<p>ジョブ型雇用がうまくいかない理由として、説明不足、評価基準の曖昧さ、企業文化との不一致の3つが挙げられることが多くあります。どれも間違ってはいません。ただ、この3つを避けようとして丁寧に進めた会社でも、同じところで止まります。</p><p>止まる場所には理由があります。日本の法律は、職務が変わったからといって賃金を下げたり雇用を終わらせたりすることを、会社の判断だけでできる仕組みにしていません。先行して導入した企業が何をしたかの記録を読むと、そこに合わせた設計が並んでいます。</p><p>この記事では、政府が公表した先行企業の記録と法律の条文をたどって、失敗と呼ばれている現象が実際には何なのかを整理します。</p><h2 id="h8770815655">この記事が扱う範囲</h2><p>扱うのは次の3点です。</p><ul><li>先行企業の記録に実際に現れているつまずき</li><li>そのつまずきを生んでいる法制度上の制約</li><li>導入前に決めておくべきこと</li></ul><p>ジョブ型が日本の雇用慣行に合うのかという議論は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/a_1123">ジョブ型は日本に合わない？企業が抱える課題と解決策を解説</a>に、反対論として挙げられる論点の整理は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/a_964">ジョブ型雇用に反対する理由とは？日本企業の課題と対策を解説</a>にまとめてあります。導入企業の一覧と成功例は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/a_962">ジョブ型雇用を導入している企業は？成功事例も合わせて解説</a>を参照してください。本記事では重複させません。</p><h2 id="h2c13080857">先行20社の記録は、どこで手を緩めたかを書いている</h2><p>2024年8月28日、内閣官房・経済産業省・厚生労働省が「ジョブ型人事指針」を公表しました。すでにジョブ型人事を導入している20社が、制度の骨格と導入プロセスを開示した資料です。</p><p>この指針の中身は、成功事例集とは違います。各社が自分の言葉で、どこを妥協し、どこで苦労しているかを書いています。失敗の原因を探すなら、想像で書かれた事例よりこの記録のほうが手がかりになるはずです。</p><h3 id="hec81e60a3b">階層で線を引いた企業が20社中9社ある</h3><p>指針に載る20社のうち、9社が線を引いています。非管理職の全部または一部を、職務基準ではない制度に残すと明記した企業です。残る11社は階層で線を引いていません。</p><p>出所：<a href="https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/pdf/jobgatajinji.pdf">内閣官房・経済産業省・厚生労働省「ジョブ型人事指針」</a>（令和6年8月28日・n=20・分類は各社の「導入範囲」の記述をもとにOffersが判定）。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>線の引き方</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>企業</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>管理職のみ、または一部領域のみ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>中外製薬／三菱マテリアル／ＥＮＥＯＳ／三井化学／三菱ＵＦＪ信託銀行／東洋合成工業</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>全社員だが一部の職種・階層を外す</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>オムロン／資生堂／ライオン</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>階層で線を引いていない</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>富士通／日立製作所／アフラック生命保険／パナソニック コネクト／レゾナック・ホールディングス／ソニーグループ／ＫＤＤＩ／リコー／テルモ／オリンパス／メルカリ</p></td></tr></tbody></table><p>線を引いた理由は、9社のうち7社までが同じです。育成の途中にある社員を職務で縛ると、経験の幅が広がらない。そう判断しています。東洋合成工業は「製造業の若手社員には、本人の成長のために、幅広い経験を積む過程が必要である」とし、非管理職まで導入すると人材育成につながりにくいと述べています。残る2社のうち、三菱マテリアルは製造現場の社員に合う制度をこれから検討するとし、ライオンは1人が複数の領域をカバーする実態に合わせて柔軟性を残したと書いています。</p><p>三菱ＵＦＪ信託銀行は、この線引きを制度として明示しました。資産運用やデジタル関連の一部領域だけをジョブ型にし、それ以外はメンバーシップ型のまま残す「一国二制度」と呼んでいます。</p><p>この線引きは、二重運用の負担として現れます。管理職だけをジョブ型にした状態でも、外から見れば「ジョブ型を導入した会社」でしょう。しかし中では制度が2本走っています。指針の9社が外した層に別の等級制度を用意しているのは、そのためです。</p><h3 id="h10eb3460c6">等級を下げても、報酬はその場では下げていない</h3><p>より大きいのは報酬の扱いです。指針の20社のうち18社が、等級が下がっても報酬をその場では下げきらない仕組みを明記しています。明記が無いのは2社だけです。</p><p>出所：内閣官房・経済産業省・厚生労働省「ジョブ型人事指針」（令和6年8月28日・n=20・各社の記述をもとにOffersが集計）。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>会社</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>記述されている仕組み</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>富士通</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>非管理職は下位等級への変更後3年間、減額幅を一定範囲に抑える（平時の等級変更にも適用）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>オムロン</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>管理職は月額5万円以上の減額のとき、減額幅を毎年5万円まで（平時の等級変更にも適用）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>ソニーグループ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>賃金の減額幅を1年で5％まで（平時の運用と同様と明記）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>リコー</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>変更の次年度から毎年一定割合ずつ減額する（導入時も平時も同様と明記）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>ＥＮＥＯＳ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>グレード給が減るとき1年目は100％、2年目は50％の調整給（平時のグレード変更に適用）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>ライオン</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>減額は3年、増額は2年をかけて段階的に変更する（制度導入時の移行措置として記述）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>三井化学</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>減額幅を評価に応じて年1〜3％程度に抑える（平時の等級変更に適用）</p></td></tr></tbody></table><p>書き方は各社で違います。「激変緩和措置」という語が出てくるのが15社で、この語を使わない3社は、日立製作所が「調整給」、テルモが「経過措置」、三井化学が「緩和措置」と書いています（語の集計はOffersによる）。呼び方は違っても、やっていることは同じです。制度を入れ替える場面に限っても、賃金は数年がかりでしか動いていません。</p><p>この事実は、ジョブ型に期待されがちなものを一つ否定します。職務の価値に応じて賃金が即座に動く制度を想定していると、手に入るのは数年がかりで動く制度です。人件費の圧縮を目的にすると、その差で計画が崩れます。</p><p>逆の心配についても、指針に実績が1件だけ載っています。富士通は、自律的なキャリア形成を促す施策で退職者が増えるのではないかという懸念があったとしたうえで、「実際には退職率は変わっていない」と書きました。転職を考えていた社員が社内の別の職務への挑戦を選ぶ動きも生じたとしています。1社の記述なので一般化はできませんし、数値も示されていません。それでも、導入後の離職について書いた記述は、この記録の中にこれだけです。</p><h3 id="h37a34a61c1">企業自身が書いている、うまくいっていない部分</h3><p>指針には、各社が現在進行形で抱えている問題も載っています。以下はいずれも原典からの引用です。</p><p>出所：内閣官房・経済産業省・厚生労働省「ジョブ型人事指針」（令和6年8月28日）。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>会社</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>記述</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>オムロン</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>「絶対評価の理由をきちんと自分の言葉で伝え、必要に応じて PIP を適切に遂行できるマネージャーは多くなく、会社としても苦しみながら対応している」</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>三井化学</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>「降給・降格に関しては、厳しい運用はできておらず、降格については明確な基準を整備できていないのが実態」</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>リコー</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>「未だに「人事部に決めてほしい」といった意見も聞こえてきており、各部門が制度の運用を自らの責任・自分事として捉えてもらうことには難しさを感じている」</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>ＫＤＤＩ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>「反省点としては、制度設計を行った人事部が、そのまま社員への制度説明を担っていたことが挙げられる」</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>ライオン</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>「努力して重要な職務に従事してくれている社員の処遇を十分に上げ切れていないケースがあり、労働組合とも今後の対応方針を協議している」</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>東洋合成工業</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>「制度を導入しただけでは社員は育たない」</p></td></tr></tbody></table><p>表の1行目にある PIP（Performance Improvement Plan・業績改善計画）とは、評価が一定の水準に届かない社員と上司が改善目標を決めて取り組む手続きを指します。並べてみると、共通しているのは運用の側です。等級表も職務記述書も作れています。止まっているのは、それを使って人に評価を伝える場面です。</p><p>オリンパスは、この状態を「本来のジョブ型人事で目指したい状態が徹底できていない部分もある」と書いたうえで、まだ人の顔を見て職務を割り当てている事例があると述べました。レゾナック・ホールディングスが苦慮していると書いたのは、業績改善計画が「PIP＝降格」と受け取られがちな点です。</p><h3 id="h46b83aad4f">協議に何年かけたかは書いてある</h3><p>導入プロセスについては、期間が具体的に書かれています。ＫＤＤＩが全社的な制度導入までに設けた協議期間は2年で、導入前の1年は労働組合と週次で打合せをしたと記述しました。</p><p>レゾナック・ホールディングスは、事業統合と同時の導入だったため協議の時間が限られ、1年程度あればより細かな協議ができたと振り返っています。労働組合が無いリコーの課題は、社員とどう対話するかでした。月次の中央懇談会を、制度の説明と意見聴取の場に使っています。</p><p>説明が足りずに失敗する、という説明はよく見かけます。ただ先行企業が費やした期間を見ると、足りているかどうかの基準は年単位です。数か月の説明会で片づく規模の変更ではないということになります。</p><h2 id="h4bc40fd3e5">日本の法律が、職務と処遇の連動を制限している</h2><p>先行企業が報酬をゆっくりしか動かさないのは、慎重さの問題だけではありません。法律の側に制約があります。</p><p>ここで扱うのは条文と判例が何を要求しているかだけです。日本の雇用慣行にジョブ型が合うのかという議論は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/a_1123">ジョブ型は日本に合わない？企業が抱える課題と解決策を解説</a>が扱っているので、そちらを参照してください。</p><h3 id="ha276754c49">就業規則を変えるだけでは、賃金を下げられない</h3><p><a href="https://laws.e-gov.go.jp/law/419AC0000000128">労働契約法</a>第9条は「使用者は、労働者と合意することなく、就業規則を変更することにより、労働者の不利益に労働契約の内容である労働条件を変更することはできない。ただし、次条の場合は、この限りでない。」と定めています。</p><p>例外を定めるのが第10条です。変更後の就業規則を周知したうえで、労働者の受ける不利益の程度、変更の必要性、変更後の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況などに照らして合理的であれば、変更が労働契約の内容になります。</p><p>つまり賃金を下げる方向の制度変更は、合理性の判断を通らなければ効力を持ちません。判断材料には労働組合との交渉状況が明示されています。ＫＤＤＩが2年の協議期間を置き、週次で労働組合と打合せをしたことは、この条文が求める要素と符合します。ただし各社が理由として労働契約法を挙げているわけではないので、ここは符合として読んでください。</p><h3 id="h0bd4f24532">職務が無くなっても、それだけでは解雇できない</h3><p>労働契約法第16条は「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」と定めます。</p><p>この条文は職務の有無を要件にしていません。担当していた職務が組織から消えたことは、それ自体では合理的な理由になりません。</p><p>ジョブ型を、職務が無くなれば雇用も終わる仕組みだと理解していると、この一点で設計が崩れます。日本で導入できるのは、雇用を維持したまま職務と等級だけを動かす仕組みです。先行企業が社内公募やキャリア支援を制度と同時に整備しているのは、動いた人の行き先を社内に用意する必要があるからです。</p><h3 id="h1fda1c56d3">職務を限定すると、会社が一方的に配置転換できなくなる</h3><p>配置転換ができなくなるのは、職務を限定する合意がある場合に限られます。この条件を最高裁判所第二小法廷が示したのが、令和6年4月26日の判断です。</p><p>判決要旨は「労働者と使用者との間に当該労働者の職種や業務内容を特定のものに限定する旨の合意がある場合には、使用者は、当該労働者に対し、その個別的同意なしに当該合意に反する配置転換を命ずる権限を有しないと解される。」というものです。</p><p>事案は、福祉用具の改造・製作と技術開発を担当する技術職として雇用された労働者について職種限定合意があり、その業務を廃止するにあたって同意を得ずに総務課へ配置転換を命じたものでした。一審と原審は、解雇を回避するための配置転換であるとして権利の濫用にあたらないと判断しました。最高裁はこれを破棄して差し戻しています。</p><p>この判断は、ジョブ型の設計に二方向から影響します。職務を限定して採用すれば専門人材は集めやすくなる一方、会社は一方的な配置転換の手段を失うことになりました。職務が無くなったときに動かす先は、合意を取りながら用意しておく必要があるでしょう。</p><h3 id="hfa01d14eb0">2024年4月から、業務の「変更の範囲」を明示する義務がある</h3><p>2024年4月から、労働契約を結ぶすべての場面で、就業場所と業務内容に加えてその「変更の範囲」を明示することが必要になりました。根拠は労働基準法施行規則5条の改正です。</p><p>この明示は、どこまで職務を限定したことになるのかの記録として残ります。求人の段階で書いた内容も同じ問題につながるので、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/job-posting">求人票とは？記載事項と食い違いを防ぐ書き方</a>も合わせて確認してください。</p><p>自社が求人でどこまで職務を絞れているか、絞った結果どこに負荷が寄っているかは、<a href="https://service.offers.jp/client/hiring-check/?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-light&amp;utm_content=job-based-employment-failures">エンジニア採用力チェック</a>で確認できます。</p><h2 id="hedd49999b1">報酬を即座に動かしている2社は、前提が違う</h2><p>20社のうち2社だけは、報酬の減額を緩める仕組みを書いていません。メルカリと三菱ＵＦＪ信託銀行です。</p><p>メルカリは、低い評価が続けば降格になると明記し、降格になった社員は自ら退職を選ぶことが多いと書いています。同社は一般社員から経営陣までを一つの制度で処遇しており、役職によって制度を変えることもしていません。指針が記す移行前の姿は日本のベンチャー企業によくある人事制度で、年功による処遇があったとは書かれていません。</p><p>三菱ＵＦＪ信託銀行は、ジョブ型の対象を一部領域に絞りました。対象になった社員の報酬は、外部の市場水準を踏まえて決まり、勤続年数は考慮されません。市場価値に応じて報酬が下がる可能性も制度として認めています。範囲を狭くしたぶん、その中では制度を素直に動かせる形です。</p><p>この2社が示しているのは、報酬を即座に動かすには前提が要るということです。移行の落差が無いか、対象を絞るか。既存の全社員を抱えたまま即時性だけを持ち込むと、緩和措置が必要になり、期待した速度は出ません。</p><h2 id="h14ed0372b2">失敗の正体を3つに整理する</h2><p>ここまでを、症状と実際に起きていることの対応で並べ直します。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>よく語られる症状</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>実際に起きていること</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>社員の不満が高まり離職が増える</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>処遇が下がる人が出る変更には、合理性の判断が要る（労働契約法第10条）。先行企業はそこに年単位の協議と緩和措置を置いた</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>評価基準が曖昧で運用できない</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>基準の文章ではなく、低い評価を本人に伝える場面で止まっている</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>期待した人件費の効果が出ない</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>報酬が動くのは数年がかりで、制度そのものが即時の変動を想定していない</p></td></tr></tbody></table><p>3つに共通するのは、制度の設計ではなく、制度が動く速度の見積もりです。ジョブ型は職務と処遇の対応を明確にする仕組みで、その対応を即座に反映させるところまでは含みません。反映の速度は法律と合意が決めます。</p><p>この記録から言えるのは、20社のうち18社が速度を落とす設計を置いたところまでです。指針が載せているのは導入を続けている企業だけなので、止まった会社の姿はそこにありません。それでも、既存の全社員を抱えたまま即時性だけを持ち込んだ例は現れていません。</p><h2 id="h617a1fa4c5">導入前に決めておく3つのこと</h2><p>失敗を避けるために決めておくことは、そう多くない。次の3つです。</p><p>第1に、どの層を対象にするかです。管理職だけにするなら、二重の制度を何年運用するのかも同時に決めます。指針の9社は線を引いたうえで、外した層に別の等級制度を用意していました。</p><p>第2に、報酬が下がる人に何年かけるかです。1年なのか3年なのかで、必要な原資も、労働組合との交渉に必要な期間も変わります。ライオンは賃金原資そのものは維持したと記述しています。</p><p>第3に、低い評価を誰が本人に伝えるかです。ここが動かなければ、等級制度は運用されずに残ります。オムロンが苦しんでいると書いているのも、三井化学が明確な基準を整備できていないと書いているのも、この地点です。</p><p>3つとも、制度を作る前に答えを出せます。作ってからでは動かせません。</p><h2 id="hf35c333740">失敗の正体は、制度ではなく動く速度の見積もり違い</h2><p>ジョブ型雇用の失敗は、説明不足や文化の不一致という言葉でまとめられることが多いのですが、先行企業の記録を読むと、より具体的な場所で止まっています。</p><p>政府が公表した20社のうち9社は階層で線を引き、18社は等級が下がっても報酬をその場では下げていません。企業自身が書いている課題も、評価を人に伝える運用に集中していました。</p><p>その背景には、合意なしに不利益な変更ができないこと、職務が消えても解雇の理由にはならないこと、職務を限定すれば一方的な配置転換ができなくなることという、日本の法制度の枠組みがあります。続いている企業は、いずれもこの枠の内側で設計していました。枠の外を前提にした設計が続いた例は、この記録には出てきません。</p>

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## [転職稟議の不採用確率｜出回る数字の出所と判断の線](https://hr-media.offers.jp/articles/offer-approval-rejection)

**公開日**: 2026-09-12
**著者**: 鈴木 裕斗
**カテゴリ**: 組織

<p>最終面接が終わり、「社内稟議にかけます」と言われたまま1週間が過ぎる。</p><p>この状態にいる人が最初に調べるのは「どれくらいの確率で落ちるのか」です。そして、いくつかの数字に行き当たります。30%から50%。20%から30%。IT関連職種では約35%。最終面接の合格率は80%前後。</p><p>これらの数字をたどっても、稟議の通過率を測った調査には行き着きません。</p><p>この記事は2つのことを出します。1つは、出回っている確率の数字がどこから来たのかを確かめた結果です。もう1つは、確率の代わりに使える材料として、法律の条文と公的統計で確かめられる線を引くことです。</p><p>読者は2種類を想定しています。稟議の結果を待っている候補者と、稟議で候補者を取りこぼしている採用側です。前半は前者、後半は後者に向けて書いています。</p><h2 id="hee283727be">転職稟議が決めているのは、採否ではなく条件と責任の所在</h2><p>転職稟議は、面接を通過した候補者1人について、採用してよいかを社内の決裁ラインで承認する手続きです。「内定稟議」「採用稟議」とも呼ばれます。</p><p>ここで承認されるのは採否の判断だけではありません。実務上は次の3つがまとめて1つの起案になります。</p><ul><li>提示する年収・等級・役職</li><li>受け入れる部署と入社予定日</li><li>人件費の予算枠に収まっているか</li></ul><p>つまり稟議は、面接官が「この人を採用したい」と判断した候補者を、会社としての金銭的な約束に変換する工程です。面接で評価が固まっていても、条件面が予算と合わなければ起案は差し戻されます。</p><p>採用計画そのものを通す稟議は、これとは別の工程です。年間の採用枠や予算を承認する起案の書き方と通し方は、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/a_299">採用稟議が通らない理由は？通すためのコツと注意点を解説</a>にまとめています。本記事は、その枠の中で候補者1人の採否を決める場面だけを扱います。</p><h2 id="h7a1e36619d">出回っている確率の数字は、一次調査に行き着かない</h2><p>「稟議での不採用確率は30%から50%」という数字を見かけたら、その直前の一文を読んでください。多くの場合「過去の事例を見てみると」「一般的には」といった前置きが付いています。調査名も、調査時期も、母数も付いていません。</p><p>「最終面接の合格率は80%前後」は少し形が違い、出所として示された解説記事には、自社サービスの利用者を集計したものであることと集計期間が書かれています。ただし母数は無く、対象も転職支援サービスの利用者に限られます。最終面接の通過率であって、稟議の通過率でもありません。</p><p>数字は出どころごとに違い、示す範囲も重なりません。共通しているのは、母数が示されていないことと、どれも稟議の通過率そのものを測っていないことです。<strong>出所を確かめずに書かれた数字が、引用の連鎖で権威を得ていく</strong>のがこの領域で起きていることです。</p><h3 id="ha4bc64f5e4">公的統計に「稟議の通過率」は存在しない</h3><p>そもそも、この確率を測れる立場にいるのは各社の人事だけでしょう。稟議に何件かけて何件が差し戻されたかは社内の決裁記録にしか残らず、外部に集計する仕組みがありません。</p><p>国が公表している雇用関係の統計を見ても、採用プロセスの途中段階を分解した数字はありません。測られているのは求人と求職の突き合わせの結果だけです。</p><p>したがって、確率を知ろうとすること自体が行き止まりです。代わりに使える材料を3つ挙げます。</p><h2 id="hf2c68eaa5d">確率の代わりに使える判断材料は3つある</h2><h3 id="h7bbc15d158">材料1　公的統計で分かるのは「求人が埋まる割合」まで</h3><p>厚生労働省の職業安定業務統計は、その月の就職件数を同じ月の新規求人数で割った値を「充足率」として公表しています。稟議の通過率ではありませんが、採用が最後まで到達する頻度の感覚をつかむ材料にはなるはずです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>区分（令和8年7月）</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>新規求人数</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>就職件数</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>充足率</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>全数（パートタイムを含む）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>826,561人</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>87,409件</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>10.6%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>正社員</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>411,725人</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>33,950件</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>8.2%</p></td></tr></tbody></table><p>出所：厚生労働省「<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/11602000/001741194.pdf">一般職業紹介状況（令和8年7月分）</a>」（職業安定業務統計・令和8年8月28日公表・新規学卒者を除く区分）。</p><p>同じ月の新規求職申込件数 369,159件に対する就職件数は 87,409件で、就職率は 23.7% です。</p><p>この数字は、新規求人数に対して当月の就職件数が1割前後にとどまることを示しています。個別の求人が最後まで到達した割合ではなく、稟議の通過率でもありません。読み取れるのは、募集が成立するところまで進むものが全体の一部にとどまるという傾向までです。最終面接の後はその工程のほぼ終点にあたるので、ここまで残った候補者にこの割合をそのまま当てはめることはできません。</p><h3 id="ha28c87ca8a">材料2　内定が法的に成立するのは、書面が届いたときではない</h3><p>「オファーレターが届くまでは内定ではない」という説明があります。実務上の目安としては正しいのですが、法律の線はそこではありません。</p><p>労働契約法第六条は、労働契約の成立をこう定めています。</p><blockquote><p>労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が合意することによって成立する。</p></blockquote><p>出所：<a href="https://laws.e-gov.go.jp/law/419AC0000000128">e-Gov法令検索「労働契約法」</a>（平成十九年法律第百二十八号・2020年4月1日施行版）。</p><p>基準は合意であって、書面の交付ではありません。書面は合意を証拠として残すためのものです。</p><p>この違いが大きな差を生むのは、内定が取り消されたときです。厚生労働省は採用内定の扱いについて、「採用内定により労働契約が成立したと認められる場合には、採用内定取消しは解雇に当たり、労働契約法第１６条の解雇権の濫用についての規定が適用されます。」と説明しています（<a href="https://www.mhlw.go.jp/shinsai_jouhou/koyou_roudou/2r98520000017ftm.html">厚生労働省「東日本大震災に伴う労働基準法等に関するQ&amp;A（第3版）」採用内定者への対応について</a>）。</p><p>その労働契約法第十六条は次のとおりです。</p><blockquote><p>解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。</p></blockquote><p>つまり線は「稟議の前か後か」ではなく、「<strong>合意が成立したと認められる状態に達しているか</strong>」で引かれます。口頭で条件を提示され、それを承諾していれば、書面が未着でも合意が成立していたと判断されうる場面があります。</p><p>逆に言えば、稟議中というのは合意の前の段階です。この時点では見送りが起きても契約上の問題は生じません。落ち着かない状態が続くのは、法的に守られていない区間にいるからです。</p><h3 id="h59b188ceed">材料3　決裁のかたちは、会社の規模と権限の置き方で決まる</h3><p>待ち時間の長さを分けているのは、候補者の評価ではなく決裁のかたちです。ここは会社ごとに構造が違います。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>決裁の型</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>起きること</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>待ち時間の決まり方</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>面接官が決裁者を兼ねる</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>面接の場で実質的に決まる</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>承認の段が無い</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>部門長が起案し役員が承認する</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>起案の作成と回付が挟まる</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>承認者の人数ぶん延びる</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>役員会・取締役会にかける</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>開催日まで動かない</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>開催サイクルに縛られる</p></td></tr></tbody></table><p>決裁権限規程で「年収◯◯万円以上は役員決裁」と定めている会社では、提示額が閾値をまたぐかどうかで待ち時間が変わります。同じ会社の同じポジションでも、候補者によって所要日数が違うのはこのためです。</p><p>待たされていること自体は、評価が低いことの証拠になりません。</p><h2 id="hb9db1ead05">稟議で見送りになる理由は、候補者の評価以外にもある</h2><p>採用側の意思決定から見ると、稟議で起案が通らない理由は次の5つに整理できます。このうち候補者本人に原因があるのは2つだけです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>理由</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>原因の所在</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>提示条件が予算枠を超えている</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>会社側</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>採用計画そのものが変更・凍結された</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>会社側</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>面接での評価が決裁者に伝わっていない</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>会社側</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>同じポジションでより条件の合う候補者が現れた</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>相対評価</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>経歴・在籍の確認で申告との食い違いが出た</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>候補者側</p></td></tr></tbody></table><p>3つ目は起案書の問題です。面接官が高く評価していても、起案書に「なぜこの人でなければならないか」が書かれていなければ、決裁者には判断材料がありません。決裁者は候補者に会っていないことが大半です。</p><p>この材料を自社の選考のどこで取りこぼしているかは、<a href="https://service.offers.jp/client/hiring-check/?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-light&amp;utm_content=offer-approval-rejection">エンジニア採用力チェック</a>で5指標24項目の採点結果として受け取れます。</p><p>採用が各段階で落ちること自体は常態です。Offers 上で企業から候補者へ送ったオファーの承諾率は、値が取れた9業界の平均で 12.3%（アパレル／ファッション・30社）から 22.9%（AI／LLM・15社）の範囲にあります。</p><p>出所：Offers 採用事例レポート（株式会社overflow・Offers 事例DB・n=288・2025年1月26日時点）。</p><p>分母はオファーの送付数であって内定通知数ではないため、この数字を稟議の通過率として読むことはできません。ここで言えるのは、接触から入社までの各段階で候補者が離れていくのが普通であり、最後の決裁だけを特別な関門と見る理由はないということです。</p><h2 id="h829c5748d6">稟議の結果を待つ間にできることは3つ</h2><p>候補者側の対策は、待ち時間を短くすることではありません。待ち時間が長引いたときの損失を減らすことです。</p><ul><li>結果の連絡予定日を明示的に確認する。「いつ頃までにご連絡いただけますか」と聞くだけで、社内の決裁サイクルがある程度分かります</li><li>他社の選考を止めない。稟議中は合意の前の段階なので、並行して進めることに問題はありません</li><li>条件面の認識を先に揃えておく。希望年収を早い段階で伝えておけば、予算枠との不一致は起案の前に判明します</li></ul><p>先に確認した連絡予定日を過ぎたら、催促してよい段階です。決裁が止まっているのか、社内で別の候補者と比較しているのかは、聞かなければ分かりません。</p><p>なお、内定を辞退する側の話や、企業が辞退を防ぐために打つ手は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/offer-decline-prevention">内定辞退防止とは？辞退率15.0%の実態と対策</a>で扱っています。</p><h2 id="h6d302b4190">決裁で取りこぼさない設計は、稟議の前に置く</h2><p>ここからは採用する側の話です。稟議で候補者を失う会社には、共通する構造があります。決裁のルールを、選考を始めた後で確認していることです。</p><p>やることは3つです。</p><ul><li>決裁の閾値を選考開始前に確認する。想定年収レンジのどこから役員決裁になるかを先に押さえれば、待ち時間は事前に見積もれます</li><li>起案に必要な材料を面接の段階で集める。決裁者が知りたいのは「この人でなければならない理由」であり、それは面接の場でしか取れません</li><li>待ち時間の見込みを候補者に伝える。「1週間ほどかかります」と先に言うだけで、沈黙が不信に変わるのを防げます</li></ul><p>工程のどこで何を決めるかを設計し直したい場合は、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/recruitment-flow">採用フローとは？6工程の設計手順と法令要件</a>に工程別の手順をまとめています。段階ごとの通過率の測り方は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/hiring-funnel-conversion">採用の歩留まり｜計算式と段階別の基準値の置き方</a>を参照してください。</p><h3 id="h2dd50f81a1">条件提示のときに明示する義務がある</h3><p>決裁が下りて条件を提示する段階では、労働基準法第十五条第一項が労働条件の明示を義務づけています。</p><blockquote><p>使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。（以下略）</p></blockquote><p>出所：<a href="https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049">e-Gov法令検索「労働基準法」</a>（昭和二十二年法律第四十九号・2026年7月17日施行版）。</p><p>同条第二項は、明示した条件が事実と違っていた場合、労働者は即時に契約を解除できると定めています。稟議で調整した条件と、実際に提示する書面の内容がずれていないかは、提示の前に突き合わせてください。求人票の段階での書き方は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/job-posting">求人票とは？記載事項と食い違いを防ぐ書き方</a>にまとめています。</p><h2 id="hd74fa12080">確率を調べるより押さえたい3点</h2><p>転職稟議で落ちる確率を示す公的な数字は存在せず、出回っている数字にも一次調査に辿れる出所はありません。確率を調べるより、次の3つを押さえるほうが判断できます。</p><ul><li>稟議中は労働契約の合意が成立する前の段階であり、法的に守られていない区間にいる</li><li>待ち時間の長さは候補者の評価ではなく、会社の決裁権限の置き方で決まる</li><li>稟議で起案が通らない理由の多くは、候補者本人ではなく会社側と起案書の側にある</li></ul><p>採用する側にとっては、決裁の閾値と起案に要る材料を選考開始前に確定させることが、そのまま取りこぼしを減らす手当てになります。</p>

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## [単価とは｜計算式と、国の統計が示す単位別の実額](https://hr-media.offers.jp/articles/unit-price)

**公開日**: 2026-09-12
**著者**: 鈴木 裕斗
**カテゴリ**: 組織

<p>単価とは、1単位あたりの価格のことです。式は総額を数量で割るだけで、計算そのものに難しいところはありません。</p><p>それでも社内で単価の話が食い違うことがあります。原因は計算ではなく、割ったあとの「1つ」が何を指すのかがそろっていない点にあります。</p><p>この記事で扱うのは次の3点です。</p><ul><li>単価の定義と、単位をそろえないと比べられない理由</li><li>国が公表している単価が、どの単位でいくらなのか</li><li>人月単価や客単価といった複合語の読み解き方</li></ul><h2 id="hc2e9785e25">単価は「総額 ÷ 数量」で求める1単位あたりの価格</h2><p>単価とは、商品やサービスの1単位あたりの価格です。読み方は「たんか」で、英語では unit price と表します。計算式は総額を数量で割るだけです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>総額</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>数量</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>単価</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>1,000円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>5個</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>200円</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>240万円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>3人月</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>80万円</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>600万円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>4人</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>150万円</p></td></tr></tbody></table><p>1行目は物の値段です。2行目はシステム開発の見積もりで使われる形、3行目は採用にかけた費用を採用できた人数で割った形になります。式は同じでも、数量に何を置いたかで指している中身は別物です。</p><p>見積書や請求書の明細では単価を単独で書き、単位は別の欄に置きます。比べる場面では、客単価・時間単価・人月単価・坪単価・労務単価のように、前に単位や対象を示す語が付くことが多くなります。<strong>その前半部分が、何で割ったかを示す情報</strong>です。</p><h2 id="h68c993c69b">単位が違う単価は、金額の大小を比べても意味がない</h2><p>国が公表している単価は、統計ごとに単位が違います。下の表は、直近に公表されたものを単位の細かい順に並べたものです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>何を1単位としているか</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>何の単価か</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>直近の値</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>出所</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>1時間</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>地域別最低賃金（全国加重平均・令和8年度）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1,177円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>厚生労働省「全ての都道府県で地域別最低賃金の改定額が答申されました」（令和8年9月3日）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>1時間</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>パートタイム労働者の時間当たり給与（所定内給与）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1,460円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>厚生労働省「<a href="https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r08/2607p/dl/pdf2607p.pdf">毎月勤労統計調査 2026年7月分結果速報</a>」（2026年9月8日）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>1人1日（8時間）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>派遣料金（全業務平均）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>26,257円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>厚生労働省「令和6年度労働者派遣事業報告書の集計結果（速報）」（令和8年3月31日）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>1人1日（8時間）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>公共工事設計労務単価（全国全職種加重平均）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>25,834円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>国土交通省「令和8年3月から適用する公共工事設計労務単価について」（令和8年2月17日）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>1人1か月</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>現金給与総額（就業形態計・事業所規模5人以上・2026年7月分で、賞与などの特別に支払われた給与134,819円を含む）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>436,401円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>厚生労働省「毎月勤労統計調査 2026年7月分結果速報」（2026年9月8日）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>常用就職1件</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>職業紹介の手数料</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>約103万円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>厚生労働省「令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果（速報）」（令和8年3月31日）</p></td></tr></tbody></table><p>この6つはどれも1単位あたりの金額ですが、資料での呼び名は最低賃金額・派遣料金・労務単価・現金給与総額・手数料とばらばらです。ところが1,177円と436,401円を並べても、どちらが高いかという議論は成り立ちません。前者は1時間、後者は1か月の金額だからです。</p><p>単価を受け取ったときに最初に確かめるのは、金額ではなく単位です。単位が書かれていない単価は、比較にも検算にも使えません。</p><h2 id="hbf72b00f04">最低賃金は、法律で1時間あたりと決まっている</h2><p>単位が制度で固定されている単価もあります。最低賃金がその例で、最低賃金法（昭和三十四年法律第百三十七号）第三条は「最低賃金額（最低賃金において定める賃金の額をいう。以下同じ。）は、時間によつて定めるものとする。」と規定しています。月給制の社員であっても、最低賃金法施行規則（昭和三十四年労働省令第十六号）第二条により、月給は、最低賃金に算入しない賃金（最低賃金法第四条第三項・同施行規則第一条）を除いたうえで、その金額を月の所定労働時間数で割って時間あたりに換算し、最低賃金と比べます。</p><p>出所：<a href="https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000137">e-Gov法令検索「最低賃金法」</a>・<a href="https://laws.e-gov.go.jp/law/334M50002000016">「最低賃金法施行規則」</a>（いずれも現行版）。</p><p>令和8年度の改定額は、令和8年9月3日に厚生労働省が取りまとめました。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>項目</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>値</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>改定額の全国加重平均額</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1,177円</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>昨年度の全国加重平均額</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1,121円</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>引上げ額の幅</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>54円〜65円（47都道府県）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>最高額</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1,280円（東京）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>最低額</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1,085円（宮崎）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>最高額に対する最低額の比率</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>84.8％</p></td></tr></tbody></table><p>出所：厚生労働省「<a href="https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75950.html">全ての都道府県で地域別最低賃金の改定額が答申されました</a>」（令和8年9月3日）及び<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/11302000/001745621.pdf">別紙の答申状況</a>。</p><p>厚生労働省の全国集計（令和8年9月3日）は各都道府県の審議会が答申した改定額を取りまとめた資料で、その時点で既に労働局長が改正を決定し官報で公示を終えた都道府県もありました。答申を受けた都道府県労働局長が、労使からの異議申出の手続を経て改正を決定し、官報で公示した時点で初めて確定します。決定・公示は都道府県ごとに進み、全国集計の公表を待って一斉に行われるわけではありません。実際、東京労働局は全国集計より2日早い令和8年9月1日付の官報で、東京都最低賃金を答申どおり時間額1,280円（54円引上げ）に改正決定し、効力発生日を令和8年10月1日とすでに公示していました。</p><p>出所：東京労働局「<a href="https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/news_topics/houdou/20260901chinginka_00001.html">東京都最低賃金を1,280円に引上げます</a>」（令和8年9月1日公示）。</p><p>発効日も都道府県ごとに分かれており、厚生労働省「<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/11302000/001745621.pdf">令和8年度 地域別最低賃金 答申状況（別紙）</a>」（令和8年9月3日）の「発効日（予定）」欄では、東京を含む15都道府県が令和8年10月1日、最も遅い沖縄が令和8年12月2日の予定です。同じ「令和8年度の最低賃金」という言い方でも、答申段階の見込み額なのか、労働局長が決定し官報に公示した確定額なのかで、数字の確からしさは別物です。単価を扱うときは、金額だけでなく「答申・決定・公示のどの段階の数字か」まで確認してください。</p><p>単価には、このように単位だけでなく適用時点が付いて回ります。年度をまたぐ資料を扱うときは、金額と一緒に適用開始日を控えておくと後で困りません。</p><h2 id="hb80ef7dae2">派遣料金と派遣労働者の賃金は、同じ1日8時間でも別の金額</h2><p>単位がそろっていても、それだけでは足りません。誰から誰への価格なのかが決まっていないからです。</p><p>厚生労働省の労働者派遣事業報告書は、この違いをそのまま2つの数字で示しています。令和6年度の集計では、派遣料金（8時間換算）の平均が26,257円、派遣労働者の賃金（8時間換算）の平均が16,735円でした。どちらも派遣労働者1人1日（8時間）あたりの平均額で、単位は同じです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>項目</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>令和6年度の平均</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>何の金額か</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>派遣料金（8時間換算）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>26,257円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>労働者派遣の対価として派遣先から派遣元事業主に支払われるもの</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>派遣労働者の賃金（8時間換算）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>16,735円</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>派遣労働者に支払われる賃金</p></td></tr></tbody></table><p>出所：厚生労働省「<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/001684019.pdf">令和6年度労働者派遣事業報告書の集計結果（速報）</a>」（令和8年3月31日公表）。</p><p>同じ資料の注記には「『派遣料金』は、労働者派遣の対価として派遣先から派遣元事業主に支払われるもの」「派遣料金は、消費税を含む額の記載である」と書かれています。消費税を含むと明記されているのは派遣料金の側だけで、賃金の側にその注記はありません。</p><p>社内で単価を突き合わせるときも同じことが起きます。発注側が見ている単価と受注側が見ている単価は別の数字です。税込か税抜かでも見た目は変わります。<strong>単価を1つに決めるには、単位・立場・税の3つをそろえる</strong>必要があります。</p><h2 id="hced1835344">単価に何が含まれるかは、公表する側が定義している</h2><p>単価が何を含んで何を含まないかを決めるのは、資料を公表する側の定義です。公共工事設計労務単価はその典型です。国土交通省は、構成と除外項目を発表資料に書き下ろしています。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>区分</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>中身</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>含まれる</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>基本給相当額／基準内手当／臨時の給与（賞与等）／実物給与（食事の支給等）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>含まれない</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>時間外・休日・深夜の労働についての割増賃金</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>含まれない</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>通常の作業条件または作業内容を超えた労働に対する手当</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>含まれない</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>現場管理費（法定福利費（事業主負担分）、研修訓練等に要する費用等）及び一般管理費等の諸経費</p></td></tr></tbody></table><p>出所：国土交通省「<a href="https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001981942.pdf">令和8年3月から適用する公共工事設計労務単価について</a>」（令和8年2月17日発表）。</p><p>単位についても「所定労働時間内8時間当たり」「所定労働日数1日当たり」と明示されています。同じ発表資料（国土交通省・令和8年2月17日）によると、令和7年度の公共事業労務費調査で集めた有効標本は、全職種で85,670人でした。</p><p>ここで大事なのは、除外されているものが消えたわけではない点です。法定福利費の事業主負担分や研修訓練の費用は、積算上は現場管理費等に計上される扱いです。発表資料は「下請代金に必要経費分を計上しない、又は下請代金から値引くことは不当行為です」とも明記しています。</p><p>自社で単価を出すときも同じ整理が要ります。人件費に社会保険料の会社負担分を入れるのか、教育研修費を入れるのか。入れる・入れないのどちらでもかまいませんが、決めて書き残さなければ翌年の数字と比べられなくなります。</p><h2 id="h8bac438b1e">単純平均か加重平均かで、同じ資料でも単価は変わる</h2><p>同じ元データからでも、平均の取り方を変えると単価は動きます。国土交通省「令和8年3月から適用する公共工事設計労務単価について」（令和8年2月17日発表）に載る平均は2つです。全国全職種の単純平均は前年度比4.5％の引き上げで、加重平均値は25,834円です。前者は伸び率、後者は水準を示すために使い分けられています。</p><p>厚生労働省「令和6年度労働者派遣事業報告書の集計結果（速報）」（令和8年3月31日公表）の表6にも、平均の取り方の注記があります。表6の「全業務平均」は各業務の単純平均額で、業務ごとの人数による重み付けをしていません。人数の多い業務と少ない業務が同じ重さで扱われるので、実際の支払総額を人数で割った金額と一致するとは限りません。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>平均の種類</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>何をしているか</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>読むときの注意</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>単純平均</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>区分ごとの値をそのまま足して区分数で割る</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>規模の小さい区分が大きく響く</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>加重平均</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>件数や人数で重み付けしてから割る</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>全体の実勢に近いが、区分差が見えにくい</p></td></tr></tbody></table><p>厚生労働省が令和8年9月3日に取りまとめた最低賃金の全国加重平均1,177円も後者です。加重平均だけを見ていると、東京の1,280円と宮崎の1,085円という開きは表に出てきません。厚生労働省の発表資料は、平均とは別に最高額に対する最低額の比率84.8％も示しています。</p><p>「平均単価」とだけ書かれた数字を受け取ったら、単純平均か加重平均かを確かめてから使ってください。どちらかによって、その数字で説明できることが変わります。</p><h2 id="hc68a203b3f">採用・人事で使う単価は「1件あたり」で置かれる</h2><p>採用の文脈で単価といえば、ふつうは1人あるいは1件あたりの金額です。国の統計にも同じ形の数字があります。</p><p>令和6年度の職業紹介事業報告書によると、民営職業紹介事業所（有料・無料）の手数料収入は約9,835億円で、うち常用就職に係る手数料は約9,136億円、常用就職1件あたりの手数料は約103万円でした。この1件あたりの金額は、常用就職件数の合計値と常用就職に係る手数料の総額から厚生労働省が算出したものです。ここでいう常用とは、4か月以上の期間を定めて雇用されるもの、または期間の定めなく雇用されるものを指します。</p><p>出所：厚生労働省「<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001683019.pdf">令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果（速報）</a>」（令和8年3月31日公表）。</p><p>自社の採用単価も考え方は同じで、採用にかけた総額を採用できた人数で割ります。分子に何を入れるか、分母をいつ時点で数えるかで金額が動く点は、他の単価と変わりません。</p><p>単価は結果の数字なので、これだけを見ていても下げ方は決まりません。どの段階で候補者が減っているかを先に押さえると、費用のかかっている場所が特定できます。候補者から見た自社の採用情報の見え方を外から点検したい場合は、<a href="https://service.offers.jp/client/hiring-check/?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-light&amp;utm_content=unit-price">エンジニア採用力チェック</a>で、AIが採用ページ・求人票・技術発信などの公開情報を5指標24項目で採点したレポートを、原則1営業日以内にメールで受け取れます。段階ごとの見方は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/hiring-funnel-conversion">採用の歩留まりの記事</a>にまとめました。</p><ul><li>採用単価の定義と、公的統計から読める1件あたりの実額は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/recruitment-cost">採用単価の記事</a>にまとめてあります</li><li>人材紹介に払う費用の課金モデルと職種別の実額は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/recruitment-fee">人材紹介の費用の記事</a>を参照してください</li><li>エンジニア採用に絞った内訳は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/engineer-recruitment-cost">エンジニア採用コストの記事</a>にあります</li></ul><h2 id="h70ca211cea">客単価・人月単価・坪単価は「何で割ったか」で読み解ける</h2><p>単価の前に付く語は、分母の宣言だと思って読むと迷いません。代表的なものを並べます。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>語</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>分母</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>主に使う場面</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>客単価</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>顧客数（または購買回数）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>小売・飲食・EC の売上分析</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>時間単価</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>労働時間</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>賃金の比較、作業原価の把握</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>人月単価</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>人月（1人が1か月従事する量）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>システム開発の見積もり</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>坪単価</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>面積（坪）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>建築費・賃料の比較</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>労務単価</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1人1日</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>工事費の積算</p></td></tr></tbody></table><p>人月単価だけは少し注意が要ります。1人月が何時間の稼働を指すかは統計で決まっておらず、契約ごとに定めるためです。同じ人月単価でも前提の時間数が違えば、時間あたりに直したときの金額はそろいません。人月で見積もりを受け取ったときは、1人月の時間数の下限と上限を合わせて確認してください。</p><p>客単価も分母が揺れやすい語です。レジを通った回数で割るのか、来店した人数で割るのかで数字が変わります。ここでも先に分母を決めておかないと、前年との比較が成り立ちません。</p><h2 id="h4bf83015e4">自社で単価を決めるときは分子・分母・期間・税を書き出す</h2><p>社内で単価を定義するときは、次の4つを文章にして残しておくと、翌年も同じ数字が出せます。本記事で引いた国の統計も、何を含めるか・何で割るか・いつの数字かを注記や定義に書いています。ただし税の扱いまで注記しているのは派遣料金（消費税を含む額）だけです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>決めること</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>問い</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>決めた例</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>分子</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>どこまでの費用・金額を含めるか</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>外部支払いのみ（社内人件費は含めない）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>分母</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>何を1単位として数えるか</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>入社日を迎えた人数</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>期間</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>いつからいつまでを集計するか</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>会計年度（4月〜翌3月）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>税</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>税込で持つか税抜で持つか</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>税抜（発注書の金額に合わせる）</p></td></tr></tbody></table><p>この4つが決まっていれば、単価は誰が計算しても同じ値になります。決まっていなければ、同じ社内でも人によって違う数字が出てきます。単価の食い違いは、たいていここが原因です。</p><p>外部の平均値と自社の単価を並べるときも、まず4項目を突き合わせてください。分子の範囲が違えば、差が出たこと自体には意味がありません。</p><h2 id="hbd930298c0">単価を読むときの要点</h2><p>単価を読むときに欠かせないのは金額そのものではなく、単位・平均の取り方・数字が確定した段階（答申なのか決定・公示済みなのか）の3点を確かめることです。</p><ul><li>単価は「総額 ÷ 数量」で、割ったあとの1単位が何かを示さなければ比べられない</li><li>国の統計は1時間・1人1日（8時間）・1人1か月・就職1件という別々の単位で単価を公表しており、単位も含まれる範囲も資料に明記されている</li><li>最低賃金のように答申・決定・官報公示という手続き段階を持つ単価もあり、金額だけでなくどの段階の数字かも確認する</li><li>自社で単価を持つときは、分子・分母・期間・税の4項目を先に決めて書き残す</li></ul><p>単価という語そのものは単純です。難しいのは、その数字を他の数字と並べる場面にあります。金額を見る前に単位を確かめる習慣があれば、社内の議論は数段早く進みます。</p>

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## [内定通知書の給与の書き方と必須項目、求人票との差](https://hr-media.offers.jp/articles/offer-letter-salary)

**公開日**: 2026-09-12
**著者**: 鈴木 裕斗
**カテゴリ**: 採用

<p>内定を出す段階で給与をどこまで書くべきか、社内で判断が割れやすいところです。内定通知書そのものに、法令上の様式はありません。</p><p>一方で賃金の明示は使用者の義務として定められており、書類の名前とは切り離して考える必要があります。</p><p>この記事で整理するのは3つです。賃金として明示する項目、そのうち書面で渡さなければならない範囲、そして求人票に出した金額から変えるときに追加で必要になる手続き。いずれも条文と厚生労働省の資料に沿って書いています。中途採用の実務を想定しました。</p><h2 id="h45dfe210b9">法令に様式はなく、義務があるのは賃金の明示</h2><p>内定通知書の様式や記載事項を定めた法令はありません。</p><p>義務として存在するのは、労働契約を結ぶときに労働条件を明示することのほうです。労働基準法第15条第1項が、使用者に対し「労働契約の締結に際し」、労働者へ「賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない」と義務づけています。</p><p>同項の後段は、賃金と労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項について、省令が定める方法によることを求めました。</p><p>出所：<a href="https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049">e-Gov法令検索「労働基準法」</a>（昭和二十二年法律第四十九号・2026年9月12日確認）。</p><p>判断の基準になるのは、書類の名前ではなく中身です。</p><p>内定通知書に賃金を書き込んでも、労働条件通知書を別に添えても、明示すべき事項が所定の方法で届いていれば義務は満たされます。書類を2枚に分けたこと自体は、免責の理由になりません。</p><p>同封書類や送付方法を含む作成手順の全般は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/a_000136">採用内定通知書の作成方法。記載内容や同封書類、送付時の注意点など</a>で扱っています。書式と法的効力の全体像、および給与欄に何を書くかの一般論は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/a_668">内定通知書テンプレートの作り方や法的効力とは？</a>にあります。本記事が見るのは、そのうち法令が義務づけている範囲と、求人票から変えるときの手続きだけです。</p><h2 id="h3498925d0f">賃金の明示は施行規則第5条第1項第3号の4項目</h2><p>労働基準法施行規則第5条第1項第3号が、賃金について明示する内容を1つの号にまとめています。原文は「賃金（退職手当及び第五号に規定する賃金を除く。以下この号において同じ。）の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項」です。</p><p>分解すると4つになります。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>明示する項目</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>記載の例</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>賃金の決定・計算・支払の方法</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>月給制、基本給28万円、通勤手当は実費支給、口座振込</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>賃金の締切り</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>毎月末日締め</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>賃金の支払の時期</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>翌月25日払い（休業日の場合は前営業日）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>昇給に関する事項</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>昇給あり（年1回・4月）</p></td></tr></tbody></table><p>このうち書面で渡すことが求められるのは3つです。</p><p>同条第3項は、書面による明示の対象を「第一項第一号から第四号までに掲げる事項（昇給に関する事項を除く。）」と定めており、昇給だけが括弧で外されています。</p><p>出所：<a href="https://laws.e-gov.go.jp/law/322M40000100023">e-Gov法令検索「労働基準法施行規則」</a>（昭和二十二年厚生省令第二十三号・2026年9月12日確認）。</p><p>昇給を伝えなくてよい、という意味ではありません。</p><p>明示義務そのものは残るため、書面でなくても伝える必要があります。実務では同じ紙に書いたほうが後の確認は早く、分けて管理する利点はほとんどないでしょう。</p><p>書面の代わりにできるのは、本人が希望した場合のファクシミリ送信と電子メール等の送信に限られます（同条第4項）。電子メール等は、受け取った側が記録を出力して書面を作成できるものであることが条件です。</p><h2 id="h7bdac5aa96">賞与と退職手当は書面義務の対象外</h2><p>賞与と退職手当は、第3号の賃金からあえて除かれています。別の号に置かれているためです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>項目</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>根拠となる号</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>明示</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>書面の交付</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>賃金（基本給・各種手当など）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>第1項第3号</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>必要</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>必要（昇給を除く）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>退職手当</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>第1項第4号の2</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>定めがあれば必要</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>対象外</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>賞与・臨時に支払われる賃金・最低賃金額</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>第1項第5号</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>定めがあれば必要</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>対象外</p></td></tr></tbody></table><p>第1項のただし書きが「第四号の二から第十一号までに掲げる事項については使用者がこれらに関する定めをしない場合においては、この限りでない」としています。</p><p>制度として持っていなければ明示は要りませんが、持っているなら伝えなければなりません。</p><p>第5号は、4つを並べて挙げた号です。臨時に支払われる賃金（退職手当を除く）、賞与、施行規則第8条各号の賃金、最低賃金額の4つで、第8条各号は臨時に支払われる賃金の内訳ではありません。</p><p>その第8条各号が指すのは、次の3つです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>第8条各号の賃金</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>条文の要約</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>精勤手当</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1か月を超える期間の出勤成績によって支給されるもの</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>勤続手当</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1か月を超える一定期間の継続勤務に対して支給されるもの</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>奨励加給または能率手当</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1か月を超える期間にわたる事由によって算定されるもの</p></td></tr></tbody></table><p>書面から外せるとしても、賞与は金額の期待が分かれやすい項目です。支給条件と時期まで書いておけば、入社後の齟齬は減ります。</p><h2 id="hec7638cf43">固定残業代は3つに分けて書く</h2><p>固定残業代を採用している場合、月給の総額を1つ書くだけでは足りません。</p><p>厚生労働省のリーフレットは、募集や求人申込みの際の賃金欄について、次の3つに分けた記載を求めています。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>記載の順序</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>書く内容</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>(1)</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>基本給 ●●円（(2)の手当を除く額）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>(2)</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>■■手当（時間外労働の有無に関わらず、●時間分の時間外手当として▲▲円を支給）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>(3)</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>×時間を超える時間外労働分についての割増賃金は追加で支給</p></td></tr></tbody></table><p>出所：<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/001114110.pdf">厚生労働省「2024年4月から、労働者の募集や職業紹介事業者への求人の申込みの際、明示しなければならない労働条件が追加されます」</a>（2026年9月12日確認）。</p><p>これは募集・求人申込みの段階に課されたルールです。ただ、内定時に渡す書面を同じ粒度で揃えておくと、求人票の記載と1行ずつ対応させられます。</p><p>月給の総額だけを提示し、あとから一定時間分の残業代が含まれていると説明する形は避けたほうが無難です。基本給がいくらなのか分からないまま、入社の判断をさせることになります。</p><p>試用期間中の賃金が本採用後と異なるなら、その両方を書きます。同リーフレットの記載例も、月給25万円としたうえで試用期間中は月給20万円と併記する形です。</p><h2 id="hd7213b5a84">求人票の金額から変えるときは、職業安定法の変更明示が別に要る</h2><p>ここが最も見落とされやすいところです。</p><p>労働基準法とは別に、職業安定法が求人者へ明示義務を課しています。同法第5条の3第3項は、当初明示した労働条件を変更して労働契約を結ぼうとする場合に、その内容を明示することを求めました。</p><p>職業安定法施行規則第4条の2第1項は、同項の「変更する場合」に加えて、対象となる場面をさらに3つ定めています。当初の明示の範囲内で特定する場合、当初の明示を削除する場合、新たに追加する場合です。</p><p>出所：<a href="https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000141">e-Gov法令検索「職業安定法」</a>・<a href="https://laws.e-gov.go.jp/law/322M40002000012">「職業安定法施行規則」</a>（2026年9月12日確認）。</p><p>厚生労働省の資料は、基本給を例に4つの類型を示しました。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>類型</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>資料に示された例</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>当初と異なる内容を提示する</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>基本給30万円／月 から 基本給28万円／月 へ</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>当初の範囲内で特定する</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>基本給25万円〜30万円／月 から 基本給28万円／月 へ</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>当初の条件を削除する</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>基本給25万円／月と営業手当3万円／月 から 基本給25万円／月 へ</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>当初になかった条件を提示する</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>基本給25万円／月 から 基本給25万円／月と営業手当3万円／月 へ</p></td></tr></tbody></table><p>出所：<a href="https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000171017_1.pdf">厚生労働省・都道府県労働局「労働者を募集する企業の皆様へ」</a>（2017年作成・2026年9月12日確認）。</p><p>2つ目に注意が要ります。</p><p>求人で幅を持たせた金額を、内定の段階で1点に確定させる行為も対象に含まれます。減額していないから対象外、という整理にはなりません。</p><p>方法にも指定があります。同資料は、当初の明示と変更された後の内容を対照できる書面を交付する方法が望ましいとしました。労働条件通知書において、変更された事項に下線を引く方法、着色する方法、脚注を付ける方法も挙げています。</p><p>時期は、労働条件が確定した後に可能な限り速やかにとされました。相手が変更内容を認識したうえで、契約するかどうかを考える時間を確保するためです。</p><p>変更した理由を質問された場合に、適切に説明することも求められています。継続して募集中の求人票や募集要項が古い条件のまま残っていないかも、あわせて確認します。</p><p>求人票側の記載事項と食い違いの防ぎ方は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/job-posting">求人票とは？記載事項と食い違いを防ぐ書き方</a>にまとめました。</p><p>求人票から内定通知書までの流れのどこに抜けがあるかは、<a href="https://service.offers.jp/client/hiring-check/?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-light&amp;utm_content=offer-letter-salary">エンジニア採用力チェック</a>で項目別に確かめられます。</p><h2 id="h956ffb6004">明示した賃金が事実と違えば、労働者は即時に契約を解除できる</h2><p>書いた内容と実際が違ったときの効果も、条文に書かれています。</p><p>労働基準法第15条第2項は「前項の規定によつて明示された労働条件が事実と相違する場合においては、労働者は、即時に労働契約を解除することができる」と定めました。予告期間は要りません。</p><p>第3項も見ておきます。この即時解除があった場合に、就業のために住居を変更した労働者が契約解除の日から14日以内に帰郷するときは、使用者は必要な旅費を負担しなければなりません。転居を伴う採用では、金銭の負担まで発生します。</p><p>施行規則第5条第2項も、明示しなければならない労働条件を事実と異なるものとしてはならないと定めた条文です。</p><p>職業安定法の側にも制裁があります。厚生労働省の資料は、変更明示が適切に行われていない場合や当初の明示が不適切だった場合について、行政による指導監督・改善命令・勧告・企業名公表や罰則等の対象となる場合があると説明しています。</p><p>変更明示を行ったとしても、当初の明示が不適切であったことは治りません。</p><h2 id="ha6ead5c7e2">労働条件の相違で最も多い申出は賃金に関するもの</h2><p>どこで食い違いが起きているかは、公的な集計から読めます。</p><p>厚生労働省は、ハローワークにおける求人票の記載内容と実際の労働条件の相違に係る申出等の件数を毎年公表しています。令和6年度の申出・苦情等は全国で3,297件、前年度の令和5年度は3,761件でした。</p><p>内容別で最も多いのが賃金です。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>申出等の内容</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>令和6年度</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>令和5年度</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>賃金に関すること</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>929件（20.2％）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1,108件（21.6％）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>就業時間に関すること</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>661件（14.4％）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>711件（13.9％）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>職種・仕事の内容に関すること</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>591件（12.9％）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>644件（12.6％）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>選考方法・応募書類に関すること</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>470件（10.2％）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>642件（12.5％）</p></td></tr></tbody></table><p>出所：<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001605112.pdf">厚生労働省「令和6年度 ハローワークにおける求人票の記載内容と実際の労働条件の相違に係る申出等の件数」</a>（2026年9月12日確認）。</p><p>1件の申出に複数の内容が含まれる場合は、それぞれの内訳に計上されると資料が注記しています。割合の分母は申出件数そのものではなく、内容別に数え直した件数になります。</p><p>要因別の件数も公表されました。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>要因</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>令和6年度</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>求人票の内容が実際と異なる</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1,478件</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>求人者の説明不足</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>932件</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>言い分が異なる等により要因を特定できないもの</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>373件</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>求職者の誤解</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>364件</p></td></tr></tbody></table><p>2番目が説明不足である点は、書面の作り方だけの問題ではないことを示しています。書いた金額が何を含み何を含まないのかを、渡す場で口頭でも合わせておくのが実務です。</p><h2 id="h27088a7ae4">内定通知書の給与欄を出す前に確認する7点</h2><p>最後に、書面を出す前に見る項目をまとめました。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>確認する点</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>見落としの型</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>基本給の額が手当と分かれているか</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>総額だけを書き、内訳を口頭で補う</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>賃金の決定・計算・支払の方法が書かれているか</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>金額だけ書き、月給制か年俸制かが読み取れない</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>賃金の締切りと支払の時期が書かれているか</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>支払日は書くが締切日が抜ける</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>昇給の扱いが書かれているか</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>書面義務がないことを理由に触れない</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>固定残業代が3つに分かれているか</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>手当の時間数と額、超過分の追加支給が抜ける</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>試用期間中の賃金が別なら両方あるか</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>本採用後の金額だけを書く</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>求人票から変わった箇所が分かるか</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>変更明示をせず、新しい条件だけを渡す</p></td></tr></tbody></table><p>最後の1行が抜けやすいところです。</p><p>賃金の額そのものが正しくても、当初の明示から動いた事実が相手に見えていなければ、変更明示としては足りません。</p><p>内定を出した後の辞退を減らす打ち手は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/offer-decline-prevention">内定辞退防止とは？辞退率15.0%の実態と対策</a>で別に扱っています。</p>

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## [人事評価制度の事例20社、公表資料で見る評価軸と反映先](https://hr-media.offers.jp/articles/performance-review-cases)

**公開日**: 2026-09-12
**著者**: 鈴木 裕斗
**カテゴリ**: 組織

<p>人事評価制度の事例を探すと、社名つきの成功談は数多く見つかります。ただ、その話がどこで公表されたものか、自社と同じ条件の会社の話なのかまで書いた記事はあまりありません。</p><p>政府のジョブ型人事指針には、富士通やメルカリなど20社の評価制度が企業名つき・同じ項目立てで載っています。各社が何を評価し、結果をどこへつなげているかを並べると、真似できる部分と自社で埋めるしかない部分の境目が見えてきます。</p><h2 id="h15533fbe29">ジョブ型人事指針が企業名つきで載せた評価制度の事例は20社</h2><p>人事評価制度の実際の設計を企業名つきで読める公的資料の一つが、内閣官房・経済産業省・厚生労働省が令和6年8月28日に公表した<a href="https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/pdf/jobgatajinji.pdf">ジョブ型人事指針</a>です。同指針は、既にジョブ型人事を導入している20社に情報開示を依頼し、各社の評価制度・等級制度・報酬制度・導入プロセスを同じ項目立てで掲載しています。</p><p>整理にあたっては令和5年4月から令和6年7月まで、全10回の分科会が開かれました。各社の情報は次の5つの観点で掲載されています。</p><ul><li>制度の導入目的と、経営戦略上の位置付け</li><li>導入範囲・等級制度・報酬制度・評価制度などの制度の骨格</li><li>採用・人事異動・キャリア自律支援・等級の変更などの雇用管理制度</li><li>人事部と各部署の権限分掌</li><li>労使コミュニケーションなどの導入プロセス</li></ul><p>評価制度は2番目の観点に含まれ、各社の事例でも「評価制度」と「導入プロセス」は別の節として立てられています。同指針の掲載20社はすべてが「評価制度」の節を持ち、20社すべてが「導入プロセス」の節も備えていました。</p><p>なお、この指針はジョブ型人事の導入企業を対象にしたものです。評価制度だけを主題にした調査ではないので、日本企業全体の傾向を示す数字としては読まないでください。</p><h2 id="hfa3e97de71">掲載20社の評価の軸と反映先の一覧</h2><p>ジョブ型人事指針の掲載20社のうち17社は、業績や目標の達成度とは別に、行動・バリュー・コンピテンシー（行動特性）を評価の軸に置いています。20社の85.0%にあたります。残る3社は、能力と役割の遂行度で評価するＥＮＥＯＳ、行動評価をしないと明記したライオン、専門性の評価で昇降給を決める三菱ＵＦＪ信託銀行です。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>社名（掲載頁）</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>評価の軸</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>主な反映先</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>富士通（p.3）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>インパクト・行動・学びと成長の3項目</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>管理職は賞与、非管理職は基本給の改定と賞与</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>日立製作所（p.18）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>成果と行動の目標管理、3つのコンピテンシー</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>報酬、能力開発</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>アフラック生命保険（p.33）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>業績貢献評価と行動評価（ともに絶対評価）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>業績貢献は短期業績賞与、行動は給与改定と中長期インセンティブ</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>パナソニック コネクト（p.48）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>業績評価と行動評価、将来のキャリアに向けた目標</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>上司が報酬原資を配分して昇給率を決める</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>レゾナック・ホールディングス（p.60）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>業績評価、行動・成長評価、総合評価</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>管理職は業績が賞与・総合が昇給額、非管理職は総合が賞与と昇給額</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>ソニーグループ（p.74）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>実績評価と行動評価</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>実績は業績給、行動はベース給</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>オムロン（p.84）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>目標管理と5つの軸の行動評価（ともに絶対評価）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>総合評価が賞与と確定拠出年金の拠出額、一般職は報酬レンジ内の昇降給</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>中外製薬（p.97）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>目標管理（3〜4個の目標）と行動評価</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>賞与</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>ＫＤＤＩ（p.108）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>成果・挑戦評価、能力評価、人財レビュー</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>成果・挑戦は賞与、人財レビューは昇降給・配置・管理職への登用</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>三菱マテリアル（p.121）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>業績考課と行動考課</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>業績考課は賞与、総合考課は年1回の職務給の改定</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>資生堂（p.133）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>管理職は業績と行動を1:1、非管理職は業績のみ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>上位グレードの目標を達成すると昇格要件を満たす</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>リコー（p.144）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>業績貢献度と期待行動の発揮度（同一等級内の相対評価）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>昇給と賞与、登用・配置の参考</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>テルモ（p.155）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>目標管理評価とコンピテンシー評価</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>目標管理は賞与、総合評価は職務給の昇給率</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>オリンパス（p.164）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>成果評価・行動評価・総合評価（各5段階）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>成果は賞与、総合は昇降給と昇降格</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>ＥＮＥＯＳ（p.174）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>管理職は目標達成度と要素別遂行度、非管理職は能力評価と実績評価</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>管理職は賞与、非管理職は能力が昇降格と能力給・実績が賞与</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>ライオン（p.186）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>業績と組織開発の目標の達成度（行動評価なし）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>絶対評価は昇任の判断、相対評価は非管理職の昇給と賞与</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>三井化学（p.198）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>目標の達成度と10の行動特性による行動評価</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>両方で昇給率と退職金額、賞与は目標の達成度のみ</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>三菱ＵＦＪ信託銀行（p.207）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>領域ごとの専門性評価（ジョブ型の対象者）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>昇降給</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>東洋合成工業（p.217）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>業績評価と行動評価（半期ごと）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>業績は賞与、総合は昇降給と等級変更</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>メルカリ（p.226）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>期待成果とバリュー発揮行動（各5段階・半年ごと）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>成果は賞与、両方で昇給と昇格</p></td></tr></tbody></table><p>出所：内閣官房・経済産業省・厚生労働省「ジョブ型人事指針」（令和6年8月28日公表・n=20）をもとにOffers整理。</p><p>行動系の軸を持たない3社は、理由がそれぞれ違います。ライオンは、以前は「姿勢・意欲」などの項目も評価していたものの、部下が頑張っているという理由で評価が上振れしたため、行動評価をやめて仕事の成果とそこに至るプロセスで評価する形にしました。コンピテンシーは職務・役割定義書に書くだけにとどめています。</p><p>ＥＮＥＯＳは、管理職と非管理職で評価の軸そのものが違う会社です。管理職は目標達成度と、目標に入らない定常業務や組織への貢献を測る要素別遂行度で5段階の絶対評価をし、非管理職は能力の充足度と実績の大きさを別々に評価します。三菱ＵＦＪ信託銀行は、ジョブ型の対象者を年次の専門性認定会議で評価し、領域ごとに決めた項目の発揮度で昇降給を決めています。</p><p>行動系の軸を置く17社の中でも、行動評価を誰に当てるかは同じではありません。資生堂は行動評価を管理職だけに使い、非管理職への導入は今後の検討課題としていました。</p><h2 id="h8cb305d731">賞与と基本給の昇給で別の評価を使う会社が11社</h2><p>ジョブ型人事指針の掲載20社のうち11社は、評価の軸ごとに結果の反映先を分けています。短期の成果や業績の評価は賞与や業績給へ、行動や能力を含めた評価は基本給の昇給（給与改定・職務給の改定を含む）へつなぐ形です。11社はアフラック生命保険・レゾナック・ホールディングス・ソニーグループ・ＫＤＤＩ・三菱マテリアル・テルモ・オリンパス・ＥＮＥＯＳ・三井化学・東洋合成工業・メルカリでした。</p><p>評価の結果を昇格・降格や管理職への登用にもつなぐと評価制度や等級の変更の節に書いているのは、このうちソニーグループ・ＫＤＤＩ・テルモ・オリンパス・ＥＮＥＯＳ・三井化学・東洋合成工業・メルカリの8社です。ソニーグループは、評価のうちベース給に反映するのは行動評価（実績評価は業績給へ）としたうえで、職務評価が低く改善しない社員を降格することもあるとしています。テルモは管理職のパフォーマンス評価を半期ごとに行い、必要に応じてポストオフ（役職から外すこと）をする運用です。</p><p>残るアフラック生命保険・レゾナック・ホールディングス・三菱マテリアルの3社は、等級の上下を職務やポジションの変更に結びつけて書いています。このうちアフラック生命保険は、評価のうち給与改定に使うのは行動評価で、業績貢献評価は短期業績賞与に反映する形です。</p><p>分け方の理由まで書いている会社もありました。オリンパスは、その年の成果はその年の賞与で払う一方、基本給の昇給や職責を変える昇格は未来への投資の性質があるとして、成果に加えて正しい行動を含む総合評価が伴うことを求めています。メルカリも、賞与には成果評価を、昇給や昇格には成果と行動の両方の評価を用いることで、短期の成果だけでなく中長期のチャレンジを促すと説明しています。</p><p>管理職と非管理職で反映の重みを変える会社もありました。レゾナック・ホールディングスは管理職のほうが業績目標の達成度を処遇に反映しやすい設計にしており、テルモと東洋合成工業は上位の等級ほど業績や目標管理の評価の割合を高めています。</p><p>どの軸で評価され、それが等級や報酬にどう跳ね返るのかは、候補者が入社前に知りたい情報の一つでもあるはずです。社外から見える採用情報にどこまで書けているかを確かめるなら、<a href="https://service.offers.jp/client/hiring-check/?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-whitepaper&amp;utm_content=performance-review-cases">エンジニア採用力チェック</a>が使えます。企業のURLを入力すると、公開されている情報を5つの指標・24項目で採点し、結果をレポートで返すもので、採点項目には採用情報の中の「制度」や、雇用条件の年収比較が含まれます。</p><h3 id="h07856e331f">処遇ごとに使う評価の回数まで公開しているのは国家公務員の制度</h3><p>ジョブ型人事指針の20社のうち、評価結果と報酬レンジ内の位置の組み合わせで昇降給の率や額を決めると報酬制度の節に書いたのは、レゾナック・ホールディングス・ＫＤＤＩ・三菱マテリアル・資生堂・テルモ・オリンパス・三井化学の7社です。オムロン（主査）とライオン（非管理職）は評価に応じた昇降給、メルカリはバリュー発揮度に基づく昇給率を書いていますが、レンジ内の位置との組み合わせには触れていません。ソニーグループは逆に、レンジ内の位置の区分をもとに昇降給の額を決める仕組みです。</p><p>それでも、何回分の評価を使って昇格や昇給を決めるのかという規則は、ほぼ書かれていません。同指針の20社の本文を検索すると、評価の回数を示して処遇との関係を書いていたのはメルカリ1社だけでした。最高評価なら1回の評価で昇格することが多く、低評価が続くと降格になる、という書き方です。テルモも、パフォーマンスが継続して低い管理職は本人と上司で改善計画書をつくると書いていますが、何回分の評価かは示していません。</p><p>規則まで公開されている身近な例は、国家公務員の人事評価です。人事院の<a href="https://www.jinji.go.jp/seisaku/kihonshisaku/jinjihyouka.html">人事評価と評価結果の活用</a>は、能力評価と業績評価の2本立ての結果を、処遇ごとにどう使うかを明記しています。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>処遇</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>判定に使う評価</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>決まるもの</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>昇任・昇格</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>直近2回の能力評価と直近4回の業績評価</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>候補者になれるか</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>昇給（毎年1月1日）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>直近の能力評価と直近2回の業績評価の組合せ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>5段階の昇給区分（A〜E）</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>勤勉手当（6月・12月）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>直近の業績評価</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>4段階の成績区分</p></td></tr></tbody></table><p>出所：人事院「人事評価と評価結果の活用」（2026年10月2日確認）。</p><p>人事院のページでは、処遇ごとに参照する評価の回数と区分の段階数が決まっています。民間の20社の事例集からは、同じ粒度の規則は読み取れません。自社で設計するときは、反映先を決めたあと、何回分の評価をどう組み合わせるかまで書き切れているかを確かめてください。</p><h2 id="hdb2a09d686">評価記号と分布の扱いは、廃止から分布の固定まで分かれる</h2><p>ジョブ型人事指針の掲載20社で、評価記号（A・B・Cといった段階）を廃止したと書いているのはパナソニック コネクトです。同社は、期末に記号だけが伝わり、記号が報酬に直結するために「みんな頑張っている」という理由で評価が上振れしていた反省から記号をやめました。代わりに上司へ報酬原資を配分し、部下のパフォーマンスとコアバリューの発揮度に応じて一人ずつ昇給率を決めています。</p><p>ただし同社は、制度を変えたあとも評価が高止まりする傾向や、結果だけが伝わり理由が十分に説明されない例が残っていると書いています。マネージャー向けの研修は年3〜4回ほどで、1on1は月1〜2回の頻度です。</p><p>記号と分布の扱いを、指針の記述から5社分並べました。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>扱い</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>会社</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>指針に書かれている運用</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>記号を廃止</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>パナソニック コネクト</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>上司が報酬原資を配分し、昇給率を一人ずつ決める</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>段階ごとの分布を定める</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>メルカリ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2つの軸を各5段階で半年ごとに評価し、段階ごとの評価分布を定める</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>記号を残し評価者を鍛える</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>オリンパス</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>日本は各5段階で評価。海外の一部グループ会社には記号を付けない運用を引き続き認める</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>機械的な分布は定めない</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>オムロン</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>絶対評価の中で、人事部が評価者ごとの偏りを確認する</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>分布の管理を現場へ移す</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>三井化学</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>管理社員の高査定者の分布を人事部が管理していたが、2022年から各部署の判断に委ねた</p></td></tr></tbody></table><p>出所：内閣官房・経済産業省・厚生労働省「ジョブ型人事指針」（令和6年8月28日公表）をもとにOffers整理。</p><p>オリンパスは、評価結果の中心化（大半が標準かそれを上回る評価になる状態）を、評価者研修を数年実施できていなかったことの結果だと書いています。研修に力を入れた結果、評価の上下のメリハリが中央を境にそれぞれ約15％〜20％ほど出るようになりました。記号をやめた会社と残した会社のどちらも、課題に挙げているのは評価の上振れや中心化で、手当てとして評価者の研修を続けている点は共通しています。</p><p>評価記号をやめる判断そのものの論点は、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/a_929">人事評価制度の廃止理由と、公表データで測る運用の課題</a>にまとめました。</p><h2 id="h2b7d7b7c4e">上位等級の目標で昇格を決める設計は資生堂とライオン</h2><p>ジョブ型人事指針の掲載20社のうち、上位等級の目標を立てさせ、その達成で昇格を決める仕組みを評価制度の節に書いているのは資生堂とライオンです。どちらも、本人が一つ上の等級の目標を先に立てて挑戦し、その達成で昇格を判断する形です。ライオンは、一定以上の評価を得ていることを挑戦の条件にしています。</p><p>資生堂で上位グレードへの昇格に挑戦する社員は、全目標のうち半分を一つ上の等級の目標にする決まりです。その目標を達成すると昇格要件を満たし、実際に昇格する社員は年々増えていると同指針は記しています。</p><p>ライオンの昇任チャレンジ制度は、一定の等級の社員が一定以上の評価を得た場合に、1〜2つ上の等級の職務・役割への挑戦を認めるものです。社員は目標の一定割合をその上位等級に関するものにし、絶対評価で一定水準を取れば昇格します。担当職務を変えずに上位等級の目標を立てる難しさがあったものの、運用の工夫で乗り越えつつあると書かれています。</p><p>目標の立て方そのものでつまずいている場合は、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/goal-setting">目標設定の効果と限界、育成の実感を分ける面談</a>を先に読むほうが早いかもしれません。</p><h2 id="hdfd27da1c0">評価の納得感を上げる仕組みは、理由の開示と第三者の確認</h2><p>ジョブ型人事指針の掲載20社が評価の納得感のために書いている仕組みは、大きく2つに分かれます。評価の理由を本人に開示すること、そして上司1人の判断にしないよう第三者の目を入れることです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>仕組み</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>会社</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>指針に書かれている運用</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>評価理由と評価シートの開示</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>三井化学</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2024年度から、各評価項目の評価点と具体的な理由を面談で伝え、面談後に業績評価シートを本人へ開示</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>相談窓口</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>ソニーグループ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>評価に疑問があれば窓口に申し出られ、人事部門が上司と本人の双方に聞き取る。評価が変わった例もある</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>段階を踏んだ決定</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>富士通</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>直属の上司とその上位者の2段階を経て、各部署の評価者が集まる会議で本部長が最終評価を決める</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>目標の第三者確認</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>テルモ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>複数の管理職でつくる目標設定委員会が、目標が等級の水準に照らして妥当かを確かめる</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>目標の部門内公開</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>ライオン</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>各社員の個人目標を部門内で公開し、上司の目標の付け方が見えるようにする</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>多面的な評価</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>ＫＤＤＩ・メルカリ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>ＫＤＤＩはコアスキルを上司・部下・同僚による360度評価で見る。メルカリは同僚からも評価を受けるピアレビュー制度を置く</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>ルールの社内公開</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>東洋合成工業</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>評価制度のルールと手続を社内で公開し、全事業部長が参加する人材育成会議を年3回ほど開く</p></td></tr></tbody></table><p>出所：内閣官房・経済産業省・厚生労働省「ジョブ型人事指針」（令和6年8月28日公表）をもとにOffers整理。</p><p>三井化学は、評価理由をどこまで説明するかを以前はマネージャーの裁量に任せていました。理由まで開示する運用に変えたのは、評価の納得度を高めると同時に、本人に評価結果と真剣に向き合ってもらうためだと書いています。</p><h2 id="h361675dfde">事例を出している20社の従業員規模</h2><p>事例を自社と比べる前に、掲載企業の規模を押さえておきます。ジョブ型人事指針の各社の企業情報欄には従業員数が印字されているので、20社ぶんを数え直しました。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>従業員数</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>社数</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>1,000人未満</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1社</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>1,000〜9,999人</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>4社</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>1万〜2万9,999人</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>8社</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>3万〜9万9,999人</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>4社</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>10万人以上</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>3社</p></td></tr></tbody></table><p>出所：内閣官房・経済産業省・厚生労働省「ジョブ型人事指針」（令和6年8月28日公表・n=20）をもとにOffers集計。</p><p>同指針の掲載20社の従業員数は、中央値が26,479.5人でした。最小は東洋合成工業の932人、最大は268,655人です。1万人以上が15社あり、20社の75.0%を占めます。従業員数の時点は社ごとに異なり、2023年6月末・2023年12月末・2024年3月末のいずれかです。</p><p>同指針が書いているのは、既にジョブ型人事を導入している20社に情報開示を依頼したところまでで、掲載企業の選び方や規模が偏った理由は書かれていません。掲載事例の手順が数百人規模の会社にそのまま当てはまるとは限らない、と見ておくのが無難です。</p><p>一方で、同じ20社に1万人未満の会社が5社あります。東洋合成工業（932人）やメルカリ（2,101人・連結）の評価制度は、1万人未満の会社の事例として読めます。</p><h2 id="h48bc9c28b2">制度を非管理職まで広げているのは15社</h2><p>ジョブ型人事指針の掲載20社のうち、ジョブ型の制度を非管理職まで広げているのは15社です。ここでは、管理監督者に当たらない層（係長級を含む）を制度の対象に含めているかで分けました。管理職層に限っているのは4社で、残る三菱ＵＦＪ信託銀行は階層ではなく専門領域ごとに対象者を選んでいます。日立製作所と三菱ＵＦＪ信託銀行は「導入範囲」の節を置いていないため、制度の骨格や報酬制度の節の記述から分類しました。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>適用の範囲</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>社数</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>会社</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>非管理職まで広げている</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>15社</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>富士通・日立製作所・アフラック生命保険・パナソニック コネクト・レゾナック・ホールディングス・ソニーグループ・オムロン・ＫＤＤＩ・資生堂・リコー・テルモ・オリンパス・ライオン・三井化学（係長級まで）・メルカリ</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>管理職層に限っている</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>4社</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>中外製薬・三菱マテリアル・ＥＮＥＯＳ・東洋合成工業</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>階層ではなく専門領域で対象者を選ぶ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1社</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>三菱ＵＦＪ信託銀行</p></td></tr></tbody></table><p>出所：内閣官房・経済産業省・厚生労働省「ジョブ型人事指針」（令和6年8月28日公表・n=20）をもとにOffers集計。</p><p>管理職層に限っている4社のうち中外製薬・ＥＮＥＯＳ・東洋合成工業の3社は、同じ型の理由を書いています。非管理職は幅広い職務を経験しながら育つ段階にあり、職務の大きさだけで処遇すると育成につながりにくい、という説明です。ＥＮＥＯＳは非管理職をジョブ型の等級ではなくコース別の制度にしたうえで、一定の役割を担う社員には役割の大きさに応じた処遇を一部取り入れた形です。残る三菱マテリアルは、非管理職の多くを占める製造現場の社員に合う役割別の制度を、今後の検討課題としています。</p><p>三井化学は、職務等級の対象を係長級以上の管理社員とし（管理監督者に当たるのはその上のG3以上の等級）、それより下の一般社員は職能資格制度のままにしています。一般社員は時間をかけて覚えるスキルが多いという、先の3社と同じ型の理由です。職能資格の側でも評価の結果が昇格に直結すると書いていました。</p><p>非管理職まで広げた15社のうち、富士通・日立製作所・アフラック生命保険・オムロン・資生堂・テルモ・ライオンの7社は、管理職と非管理職で導入の時期を分けています。富士通は2020年4月に管理職層、2022年4月に非管理職層へ導入し、日立製作所は2014年に本体の管理職の報酬を職務給に一本化したあと、2024年6月から非管理職も職務給に移しました。資生堂は2015年に管理職へ導入し、約3年間の労使コミュニケーションを経て2021年に非管理職へ広げています。ライオンは2023年1月に管理職、2024年1月から非管理職です。</p><p>ＫＤＤＩも3段階で導入していますが、区切りは経験者採用の社員（2020年8月）、続いて経験者採用以外で入社した社員とマネージャー職（2021年4月）、全社（2022年4月）で、階層ではなく採用区分で分けています。逆に、パナソニック コネクト・レゾナック・ホールディングス・ソニーグループ・リコー・メルカリの5社は、階層で分けない方針を明記しています。</p><p>15社の中にも、一部の層や職種に別の制度を残す会社が4社ありました。オムロンは主査（非管理職の係長級）未満の若手社員を対象外にし、資生堂は美容職・生産技術職・工場勤務の社員に職能型の制度を維持しています。ライオンは非管理職を職務等級型ではなく役割等級型にし、三井化学は係長級より下の一般社員を職能資格制度のままにしています。富士通も、学歴別の初任給で入社した社員を入社から1年間はジョブ型人事の対象外としてきましたが、2026年4月入社者からは一律の初任給を廃止して入社時から適用すると書いているため、ここには数えていません。オムロン・資生堂・ライオン・三井化学の4社を「線を引いた会社」に数えると、管理職層に限る4社と三菱ＵＦＪ信託銀行を合わせて9社です。同じ20社を等級の変更や報酬の扱いから読んだ<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/job-based-employment-failures">ジョブ型雇用の失敗、先行20社の記録が示す原因</a>は、この9社の数え方を使っています。</p><p>非管理職まで対象にした制度を探すなら、20社のうち参考にできるのは15社です。一部の層を外さずに全社員へ広げた例に絞ると、残りは11社になります。管理職だけを先に変える前提なら、管理職層に限る4社の書きぶりのほうが近いはずです。</p><h2 id="h584f1e4e60">事例1社あたりの記述量と、評価制度に割かれた分量</h2><p>ジョブ型人事指針の事例は1社あたり中央値8,050.5字で、そのうち評価制度の節は中央値629字でした。20社ぶんの本文を節ごとに数えた結果です。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>区分</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>中央値</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>最小</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>最大</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>事例1社あたりの本文</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>8,050.5字</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>5,374字</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>12,786字</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>うち評価制度の節</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>629字</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>343字</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1,507字</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>うち導入プロセスの節</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>793字</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>404字</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1,559字</p></td></tr></tbody></table><p>出所：内閣官房・経済産業省・厚生労働省「ジョブ型人事指針」（令和6年8月28日公表・n=20）をもとにOffers集計。</p><p>同指針の掲載20社の事例本文は合計164,001字で、そのうち評価制度の節は合計15,092字でした。全体の9.2%にあたります。</p><p>事例から読み取れるのは骨格までです。評価項目の名前、評価の段階、結果の反映先、面談の頻度までは上の一覧のとおり書かれています。評価者研修の内容は、ＥＮＥＯＳ（評価の目的や評価者の役割を扱う研修を毎年実施）、オリンパス、リコーなど一部の社が書いています。しかし評価シートの様式、段階ごとの配分の比率、運用初年度に出た苦情の処理までは、600字前後の記述には入りません。</p><p>事例を読んで「同じ制度にすれば同じ結果になる」と考えると、この書かれていない部分を自社で埋める作業が残るはずです。制度の設計そのものより、書かれていない部分の再現に手間がかかると見ておくのが実際に近いはずです。</p><p>評価の結果が実際どう分布し、処遇にどこまで届いているかは、公務部門の公表統計で測れます。組織横断の実数は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/performance-review">人事評価とは？分布データで読む制度設計の要点</a>にまとめました。</p><h2 id="h5b5ba25917">導入プロセスの節は評価制度の節より長い</h2><p>ジョブ型人事指針の掲載20社では、導入プロセスの節が中央値793字で、評価制度の節の629字を上回ります。分量の集計でいちばん意外だったのがこの点です。</p><p>社ごとに見ると、導入プロセスの節が評価制度の節より長い会社が14社あり、20社の70.0%を占めました。合計でも導入プロセスが16,428字、評価制度が15,092字です。</p><p>導入プロセスの節に書かれているのは、労働組合との協議、説明会の回数、段階的な適用範囲の広げ方、移行期間中の処遇の扱いです。評価制度の節より、制度を社内に通す工程の節のほうに多くの行数が割かれています。ただし制度の設計全体と比べると、大小は逆です。等級制度の節は中央値で導入プロセスの節より長く、等級・報酬・評価の3節を足すと20社すべてで導入プロセスの節を上回ります。</p><p>分量から言えるのは、多くの社が評価制度と同じかそれ以上の紙幅を、制度を社内に通す工程の説明に割いたというところまでです。どこで改定が止まりやすいかを示すデータではありませんが、事例を読むときに評価項目の一覧だけを抜き出すと、各社が詳しく書いた部分を読み落とすことになります。</p><h2 id="h6742751ace">事例を自社に持ち帰るときの4つの確認</h2><p>ジョブ型人事指針の20社の事例を自社の検討材料にするときの確認点は、規模・適用階層・反映の規則・合意形成の4つです。</p><ul><li><strong>規模</strong>を確認する。掲載20社は従業員数の中央値が26,479.5人で、15社が1万人以上。自社と桁が違うなら、東洋合成工業やメルカリのように規模の近い会社から読む</li><li><strong>適用階層</strong>を確認する。非管理職まで広げているのは15社（うち4社は一部の層や職種を外す）、管理職層に限っているのは4社。全社員ぶんの制度を探しているなら、一部の層を外していない11社から読む</li><li><strong>反映の規則</strong>を確認する。11社は評価の軸ごとに反映先を分けているが、何回分の評価で処遇を決めるかまで書いた会社はメルカリしかない。回数と組み合わせは自社で設計する前提で読む</li><li><strong>合意形成</strong>の記述を確認する。14社で導入プロセスの記述が評価制度を上回る。評価項目だけでなく、労働組合との協議や説明会の進め方まで読んでおく</li></ul><p>4つを先に当てておくと、事例集の読み方が変わります。探すべきは真似する対象ではなく、自社で埋めるべき差分の数です。</p><h2 id="h2a990bbd33">公表事例から取れるものと、自社で埋めるもの</h2><p>人事評価制度の事例として、ジョブ型人事指針が企業名つきで載せているのは20社です。20社のうち17社が行動・バリュー・コンピテンシーを評価の軸に置き、11社は賞与と基本給の昇給で別の評価を使っています。ライオンのように行動評価をやめた会社、パナソニック コネクトのように評価記号をなくした会社も、同じ資料に並んでいました。</p><p>一方で、掲載20社は従業員数の中央値が26,479.5人の大企業が中心で、評価制度に割かれた記述は1社あたり中央値629字、事例本文の9.2%にとどまります。書かれているのは評価の軸と反映先、7社では評価結果とレンジ内の位置による昇降給の決め方までで、シートの様式や配分の比率は入っておらず、何回分の評価を使うかの規則に触れたのもメルカリ1社だけです。</p><p>事例は真似する対象としてより、自社で埋める差分を数えるための材料として読むほうが役に立ちます。規模・適用階層・反映の規則・合意形成の4点を先に当てておけば、その使い方ができます。</p>

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## [人事DX事例の読み方｜普及水準と再現の条件](https://hr-media.offers.jp/articles/hr-dx-cases)

**公開日**: 2026-09-12
**著者**: 鈴木 裕斗
**カテゴリ**: 組織

<p>人事DXの事例をいくつ読んでも、自社の次の一手が決まらないことがあります。勤怠をクラウドに移した、評価をシステム化した、面談の記録を一元化した。どれも正しい取り組みに見えるのに、自社に置き換えると優先順位が付きません。</p><p>足りないのは事例の数ではなく、その取り組みが世の中でどこまで当たり前になっているかという基準線です。同じ規模の企業の多くが済ませたことなら、それは先進事例ではなく追いつくべき遅れになります。この記事では公的な調査から人事領域のデジタル化の普及水準を示し、事例が自社で再現しない理由まで順に追う構成です。</p><h2 id="hde3b62d3c1">人事DXが指す範囲は、記録と手続きと学習の3層</h2><p>人事DXという言葉は広く使われますが、実務で動く対象は3層に分かれます。</p><p>第1層が<strong>記録と手続き</strong>です。給与計算、人事情報の管理、勤怠の記録といった基幹的な事務が入ります。紙と個別のファイルからクラウドの仕組みへ移す層で、事例で最も多く語られるのがここです。</p><p>第2層が働き方の設計です。テレワークやフレックスのように、制度と運用をデジタル前提で組み替える層を指します。</p><p>第3層が<strong>学習と評価</strong>です。研修の提供、スキルの可視化、評価と処遇への反映がここに入ります。3層のうち最も進んでいないのがこの層でした。事例が自社で再現しない理由も、多くはここにあります。</p><p>言葉としてのDXの定義とIT化との違いは<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/what-is-dx">DXとは？定義とIT化との違い、取組率75.7%の実態</a>で整理しました。以降はこの3層を軸に、各層がどこまで普及したかを数字で押さえました。</p><h2 id="hb7469c815f">人事DXの事例を読むときに確かめる3点</h2><p>事例を判断材料として使うには、本文に入る前に3つを確かめます。</p><p>ひとつめは出所です。企業自身が公表したものか、システムを提供した側が自社サイトに載せたものかで、書かれていない部分の量が変わります。前者は統合報告書やプレスリリースで裏が取れますが、後者は確かめる先がありません。</p><p>ふたつめは時点です。人事領域のシステムは数年で入れ替わるため、5年前の事例と昨年の事例では前提が違います。とくに生成AIが実務に入ったのはこの2〜3年で、それ以前の事例は選べる手段の幅が今と異なります。</p><p>みっつめが普及水準です。ここが最も見落とされます。その取り組みは、まだ少数の企業しかやっていないことなのか、それとも多数派が済ませたことなのか。ここが分かると、同じ事例が「真似すべき先進例」から「埋めるべき遅れ」へと意味を変えます。</p><p>ここから先は、3層それぞれの普及水準です。</p><h2 id="h260d3e6646">第1層はクラウドを使う企業の56.3%が実装済み</h2><p>事例でよく取り上げられる「給与や人事の管理をクラウドへ移す」取り組みは、クラウドを使う企業の中では過半が済ませています。</p><p>クラウドサービスを使っている企業のうち、その用途に「給与、財務会計、人事」を挙げた企業は56.3%でした。前年の52.1%から4.2ポイント増えています。用途の中では、ファイル保管・データ共有、社内情報共有・ポータル、電子メールに次ぐ4番目の位置です。</p><p>出所：<a href="https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/260529_1.pdf">総務省「令和7年通信利用動向調査の結果」</a>（2026年5月29日公表・クラウド利用企業 n=2,133）。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>クラウドで使っている用途</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>令和7年</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>令和6年</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>ファイル保管・データ共有</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>73.3%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>71.0%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>社内情報共有・ポータル</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>61.4%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>57.6%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>電子メール</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>57.4%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>56.8%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>給与、財務会計、人事</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>56.3%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>52.1%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>スケジュール共有</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>53.6%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>51.1%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>データバックアップ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>46.4%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>43.7%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>取引先との情報共有</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>26.8%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>24.5%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>eラーニング</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>25.3%</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>22.7%</p></td></tr></tbody></table><p>出所：総務省「令和7年通信利用動向調査の結果」（2026年5月29日公表・クラウド利用企業 令和7年 n=2,133 / 令和6年 n=1,937）。</p><p>この並びからは、3層の進み方に段差があると読み取れます。第1層にあたる「給与、財務会計、人事」は56.3%に達した一方、第3層のeラーニングは25.3%で4社に1社にとどまります。学習の領域は、まだ差が付く余地が残っている側でした。</p><p>したがって「勤怠と給与をクラウドに移した」という事例は、いま読む価値としては先進性ではありません。<strong>クラウドを使う企業の過半が済ませた工程を、自社がまだ終えていないかどうかを測る物差し</strong>として使うのが正しい読み方です。ここが終わっていないなら、事例を探すより先に着手する対象がはっきりします。</p><p>なお56.3%は、原典では「給与、財務会計、人事」を束ねた1つの選択肢です。財務会計だけに使っている企業も含みます。分母もクラウドを使う企業に限られるので、全企業に直すと過半には届きません。</p><p>効果の面も確かめておきます。クラウドサービスを利用した企業のうち、89.4%が効果があったと回答しました（同調査・n=2,123）。導入して後悔したという回答はほとんど出ていません。</p><h2 id="h562f156dcc">クラウド全体の利用は83.5%だが、資本金規模で差が残る</h2><p>人事の用途を見る前に、その母数となるクラウド利用そのものの水準を押さえます。</p><p>クラウドサービスを一部でも利用している企業の割合は83.5%でした。全社的に利用している企業も60.0%あり、前年から6.9ポイント増えています。一部利用にとどまらず全社へ広げる段階に入った企業が、この1年で目立って増えました。</p><p>出所：総務省「令和7年通信利用動向調査の結果」（2026年5月29日公表・n=2,486）。</p><p>規模による差は残っています。資本金1億円以上の層はいずれも9割を超える一方、5,000万円未満の層は7割台から8割台にとどまりました。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>資本金規模</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>令和7年の利用率</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>1,000万円未満</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>75.4%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>1,000万〜3,000万円未満</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>74.8%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>3,000万〜5,000万円未満</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>84.1%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>5,000万〜1億円未満</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>83.1%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>1億〜5億円未満</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>92.3%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>5億〜10億円未満</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>92.5%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>10億〜50億円未満</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>97.5%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>50億円以上</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>99.8%</p></td></tr></tbody></table><p>出所：総務省「令和7年通信利用動向調査の結果」（2026年5月29日公表）。</p><p>ここで読み違えやすいのが調査の範囲です。この調査の企業調査は、公務を除く産業に属する常用雇用者規模100人以上の企業を対象にしています。100人未満の企業はそもそも数えられていません。</p><p>つまり上の数字が示すのは、100人以上の企業に限った姿です。日本企業全体の平均とは母集団が違います。従業員数が数十人の組織がこの水準と自社を比べると、実際より遅れて見えてしまうでしょう。事例集に並ぶ企業と自社を比べるときも、同じ注意が要ります。</p><h2 id="hb384ad45a3">第2層のテレワークは50.1%が導入済み</h2><p>第2層で最も広く実装された取り組みが、働く場所の設計です。</p><p>テレワークを導入している企業の割合は50.1%で、前年から2.8ポイント増えました。</p><p>出所：総務省「令和7年通信利用動向調査の結果」（2026年5月29日公表・n=2,488）。</p><p>導入した企業のうち83.4%が、導入目的に対して効果があったと回答しています。</p><p>出所：総務省「令和7年通信利用動向調査の結果」（2026年5月29日公表・テレワーク導入企業 n=1,358）。</p><p>注目したいのは導入率よりも目的の変化です。目的の内訳を見ると、感染症への対応が最も高いままである一方、前年からの増加が大きかったのは人材に関わる3つでした。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>テレワークの導入目的</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>令和7年</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>新型コロナウイルス感染症への対応（感染防止や事業継続）のため</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>61.6%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>勤務者のワークライフバランスの向上</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>53.8%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>障害者、高齢者、介護・育児中の社員などへの対応</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>33.4%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>人材の雇用確保・流出の防止</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>23.9%</p></td></tr></tbody></table><p>出所：総務省「令和7年通信利用動向調査の結果」（2026年5月29日公表・テレワーク導入企業 n=1,371）。</p><p>同調査は、この3つで前年からの増加が大きいと述べました。危機対応として始まった制度が、人材の定着と確保の手段へ位置づけ直された経過が読み取れます。</p><p>導入しない理由も参考になります。テレワークを導入しておらず導入予定も無い企業では、「テレワークに適した仕事がないから」が80.4%で最も多く、「情報漏えいが心配だから」が17.1%で前年から3.9ポイント増えました。</p><p>出所：総務省「令和7年通信利用動向調査の結果」（2026年5月29日公表・テレワーク未導入で導入予定も無い企業 n=1,012）。</p><p>前者は業務の性質の問題なので、ツールを入れても解けません。後者は運用ルールと権限設計で扱う問題です。導入が進まない理由を一括りにせず、この2つを分けて扱うところから始めます。</p><h2 id="h9b51f4bb11">第3層の手前で止まる理由1｜成果指標の設定は23.9%</h2><p>ここからは、事例が自社で再現しない理由に入ります。最初の壁は測り方です。</p><p>DXに取組んでいる企業のうち、成果指標を「設定している」と答えたのは23.9%でした。前年度と大きな変化はなく、4社に1社に届かない水準が続いています。</p><p>出所：情報処理推進機構（IPA）<a href="https://www.ipa.go.jp/digital/chousa/dx-trend/rcu1hd0000017uk8-att/dx-trend-2026.pdf">「DX動向2026」</a>（2026年7月30日発行・DXに取組んでいる企業からの回答）。</p><p>設定していない企業の理由も同調査にあります。「評価指標の設定方法がわからない」が36.0%で最も多く、前年度の28.7%から上がりました。「評価指標はこれから定める」も33.4%あり、必要性は感じながら着手できていない状態がうかがえます。</p><p>さらに、指標を設定している企業でも対象は内側に寄っていました。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>成果指標の対象</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>設定している企業に占める割合</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>内向きの業務改革（社内の効率化）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>80.0%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>システム改革（AI・データ利活用の度合い等）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>55.4%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>外向きの業務改革（新たなビジネスや顧客価値の創出）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>33.5%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>経営改革（デジタル事業売上高、市場シェア等）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>16.3%</p></td></tr></tbody></table><p>出所：情報処理推進機構（IPA）「DX動向2026」（2026年7月30日発行・成果指標を設定している企業からの回答）。</p><p>内向きの指標が外向きの2倍以上の水準で並びます。</p><p>人事DXの事例が業務効率化の話に寄りがちなのは、書き手の趣味ではありません。<strong>成果の測り方そのものが内向きに設計されている</strong>ため、外向きの成果が語れる材料が組織の中に残らないからです。</p><p>自社で事例を再現するなら、着手の前に指標を決めます。工数の削減時間なのか、離職率なのか、募集から入社までの日数なのか。ここを空欄にしたまま導入すると、1年後に「入れたけれど効果は分からない」という結論だけが残ります。</p><p>採用の側で指標を置くなら、先に確かめるのは募集条件と選考の設計がどこまで言語化できているかです。<a href="https://service.offers.jp/client/hiring-check/?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-light&amp;utm_content=hr-dx-cases">エンジニア採用力チェック</a>を使うと、5つの指標で現在地を採点し、どこが埋まっていないかを外から確認できます。</p><h2 id="h8ff67b1863">第3層の手前で止まる理由2｜報酬への反映は32.3%</h2><p>ふたつめの壁は制度です。事例で語られる仕組みは、それを動かす人の評価と処遇が伴って初めて回ります。</p><p>同じ情報処理推進機構の調査は、企業文化・風土を「ガバナンス」「事業への取組み方」「労働環境・人材育成」に分けて尋ねています。「労働環境・人材育成」の回答には、はっきりした段差がありました。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>労働環境・人材育成の状況</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>「できている」の回答率</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>新しいスキル等を習得することが奨励される</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>54.0%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>学習を支援する制度やプログラムが充実している</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>35.1%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>高いスキルを持っていることが報酬に反映される</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>32.3%</p></td></tr></tbody></table><p>出所：IPA「DX動向2026」（2026年7月30日発行・n=1,799）。</p><p>学ぶことは奨励されるが、支援する制度は整っておらず、身につけても報酬には反映されない。同調査はこの落差を、スキルに対する要求と育成・評価とのギャップと表現しています。</p><p>この構図は人事部門にとって他人事ではありません。スキルを処遇へつなぐ設計は、システムの導入ではなく人事制度の改定で扱う領域だからです。ツールを入れても、等級や評価の定義が旧いままなら、事例と同じ結果にはなりません。</p><p>順序としては、制度側を先に動かします。何ができる人を高く処遇するのかを言語化し、そのうえで学習の支援と可視化の仕組みを載せる。逆にすると、記録だけが増えて処遇が変わらない状態が固定されます。</p><p>人材そのものの類型と必要スキルは<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/dx-jinzai">DX人材とは？6類型の職種・必要スキルと採用・育成の進め方</a>にまとめました。</p><h2 id="hb8b3133696">事例を自社に持ち帰る4つの手順</h2><p>ここまでの数字を踏まえると、事例の使い方は次の順番になります。</p><p><strong>第1に、自社の位置を普及水準と照らします。</strong> 第1層の給与・財務会計・人事の管理がまだクラウドに乗っていないなら、そこは多くの企業に追いつく作業です。事例を探す前に着手します。</p><p>第2に、事例の出所と時点を確認します。システムを提供した側が書いた導入事例は、導入後の運用や中止の判断までは書かれません。企業自身が公表した資料まで辿れるものを優先します。全社DXの事例がどこから選ばれているかは<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/dx-case-studies">DX事例30社の母集団は？選定の仕組みと再現条件</a>で扱いました。</p><p>第3に、着手の前に指標を1つ決めます。DXに取組む企業でも成果指標を設定しているのは23.9%なので、決めている側が少数にとどまります。工数、離職率、採用のリードタイムのいずれかで構いません。</p><p>第4に、制度側の改定と同時に進めます。スキルを処遇へつなぐ定義が旧いままでは、仕組みだけが増えて終わりです。評価と等級の見直しを、システムの導入と同じ計画表に載せます。</p><p>人事業務のどこにAIを入れるかは<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/ai-hr">AI人事とは？5つの活用領域と導入企業の成果</a>で扱いました。</p><h2 id="hbeb634aed0">事例より先に、自社の現在地を数字で置く</h2><p>人事DXの事例は、真似する対象としてより、自社の位置を測る物差しとして使うほうが実務に届きます。</p><p>第1層はクラウドを使う企業の56.3%が、第2層のテレワークは調査対象の企業全体の50.1%が実装しました。ここが終わっていないなら、先進事例の検討ではなく遅れの解消として扱います。</p><p>一方で、成果指標を設定しているのはDXに取組む企業の23.9%、スキルが報酬に反映されている企業は32.3%です。事例が自社で再現しない理由の多くは、システムではなくこの2つの側にあります。</p><p>導入の検討に入る前に、測る指標を1つ決め、処遇の定義を見直す。この2つを先に置いた組織だけが、事例と同じ結果に近づきます。</p>

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## [承諾率とは？分母の置き方で変わる3つの指標](https://hr-media.offers.jp/articles/offer-acceptance-rate)

**公開日**: 2026-09-10
**著者**: 鈴木 裕斗
**カテゴリ**: 採用

<p>「うちの承諾率は低い」という会話は、採用の現場でよく交わされます。ところが同じ会議で、ある人はスカウトへの返事の割合を、別の人は内定を出した後の割合を思い浮かべていることがあります。数字は一つでも、分母が違えば別の指標です。</p><p>この記事が扱うのは、承諾率の定義と分母の置き方、基準値の決め方、自社の数字の読み方の4点です。辞退を防ぐ打ち手そのものは扱いません。</p><h2 id="ha3d94b6610">承諾率の定義と、この記事で扱う範囲</h2><p>承諾率とは、こちらから打診した件数のうち、相手が承諾した件数の割合です。式は「承諾した件数 ÷ 打診した件数 × 100」で、ここまではどの解説も一致します。</p><p>意味が割れるのは、分子ではなく分母のほうです。何をもって「打診した」と数えるかが決まっていないと、率そのものを比較できません。</p><p>この記事で扱うのは次の3点です。</p><ul><li>承諾率の分母がどこで割れるか</li><li>段階ごとの基準値をどう置くか</li><li>自社の数字をどう読むか</li></ul><p>辞退が起きる理由と、それを防ぐ打ち手は<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/offer-decline-prevention">内定辞退防止の記事</a>にまとめてあります。内定を出した後の面談の進め方は、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/a_000113">内定者面談の記事</a>を参照してください。本記事では重複させません。</p><h2 id="h99297c57a1">分母の置き方で承諾率は3つに分かれる</h2><p>中途採用の現場で「承諾率」と呼ばれている数字は、少なくとも3つあります。分子は「承諾した件数」で揃うことが多いのですが、分母が段階ごとに違います。下の表は、その3つを分母の順に並べたものです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>呼ばれ方</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>分子</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>分母</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>何を測っているか</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>スカウト（オファー）承諾率</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>スカウトに応じた候補者数</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>スカウト送付数</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>母集団づくりの入口の反応</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>面談・選考の承諾率</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>次の選考へ進んだ候補者数</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>打診した候補者数</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>選考過程の離脱の少なさ</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>内定承諾率</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>内定を承諾した人数</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>内定を出した人数</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>出口での選ばれやすさ</p></td></tr></tbody></table><p>この3つは水準が数倍から数十倍まで違います。入口に近いほど分母が大きく、率は小さく出ます。逆に出口へ近づくほど分母は小さくなり、率は大きくなるのが普通です。</p><p>だから「承諾率70%」という数字だけでは、良し悪しを判断できません。どの段階の話かを先に確認する必要があります。段階ごとの数字をつなげて見る方法は、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/hiring-funnel-conversion">採用の歩留まりの記事</a>を参照してください。</p><h2 id="ha1f816bb20">国の統計も、同じ分子から2つの率を出している</h2><p>分母で率が変わることは、国の統計そのものが示しています。厚生労働省の職業安定業務統計は、同じ就職件数を分子に置きながら、分母を変えた2つの率を公表しています。令和8年7月分の第1表（新規学卒者を除きパートタイムを含む）の全数は、次のとおりです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>項目</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>値</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>就職件数（分子）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>87,409件</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>新規求職申込件数</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>369,159件</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>新規求人数</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>826,561人</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>就職率（就職件数 ÷ 新規求職申込件数）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>23.7%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>充足率（就職件数 ÷ 新規求人数）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>10.6%</p></td></tr></tbody></table><p>出所：<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/11602000/001741194.pdf">厚生労働省「一般職業紹介状況（令和8年7月分）」</a>（令和8年8月28日公表）第1表。</p><p>分子はどちらも同じ87,409件です。それでも、求職者側を分母に置けば23.7%、求人側を分母に置けば10.6%になります。同じ現象を測っているのに、開きは2.2倍です。</p><p>用語の定義も、<a href="https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/114-1_yougo.html">厚生労働省「一般職業紹介状況（職業安定業務統計）：用語の解説」</a>に公表されています。就職率は就職件数を新規求職申込件数で除して算出し、充足率は全国計では就職件数を新規求人数で除して算出します。どちらも定義どおりに算出された正しい数字です。</p><p>さらに充足率には、集計の単位による分子の違いもあります。全国計は就職件数を使い、都道府県別は充足数を使うと定義に明記されています。同じ名前の率でも、集計の単位が変われば中身が変わるということです。</p><h2 id="h9952eadfc7">分母に何が混ざっているかで率は動く</h2><p>分母を決めても、そこに何が入っているかで率は動きます。厚生労働省は、自らの統計にその注記を付けています。第2表（雇用形態別常用職業紹介状況）の注は、正社員の有効求人倍率について「厳密な意味での正社員有効求人倍率より低い値となる」と断っているのです。</p><p>理由は、分母である求職者数に、派遣や契約社員を希望する人が含まれているためです。分母に対象外の人が混ざれば、率は実態より低く出ます。国の統計でさえ、そのずれを注記したうえで公表しています。</p><p>より示唆的なのは、第2表の正社員区分に就職率の行が存在しないことです。就職率と充足率のうち、載っているのは充足率だけになります。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>第2表 正社員区分（令和8年7月・抜粋）</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>値</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>新規求人数</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>411,725人</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>就職件数</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>33,950件</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>充足率（就職件数 ÷ 新規求人数）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>8.2%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>就職率</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>掲載なし</p></td></tr></tbody></table><p>出所：<a href="https://www.mhlw.go.jp/content/11602000/001741194.pdf">厚生労働省「一般職業紹介状況（令和8年7月分）」</a>第2表。</p><p>正社員を希望する求職者だけを切り出した分母が取れないため、率を出していないと読めます。分母が定義できないときは率を出さない、という判断です。</p><p>自社の承諾率でも、同じことが起こります。分母に何を含め、何を除くかを決められないなら、その率は出さないほうが安全です。</p><h2 id="h935b14f0cd">オファー承諾率は業界で12.3%から22.9%に分かれる</h2><p>入口に近い承諾率が実際にどの水準になるかを、自社のデータで示します。Offers では、企業から候補者へ送るスカウトを「オファー」と呼んでいます。その承諾率を業界カテゴリごとに集計したものが、下の表です。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>業界カテゴリ</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>企業数</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>平均オファー承諾率</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>AI / LLM</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>15社</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>22.9%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>エンターテインメント・ゲーム・コンテンツ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>45社</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>21.8%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>ソフトウェアサービス事業会社（広域）</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>39社</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>19.4%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>サイバーセキュリティ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>15社</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>18.4%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>医療・ヘルスケア・MedTech</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>76社</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>17.2%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>EC・小売</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>39社</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>16.2%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>EdTech・教育</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>17社</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>14.8%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>通信・インフラ</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>12社</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>13.8%</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>アパレル・ファッション</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>30社</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>12.3%</p></td></tr></tbody></table><p>出所：Offers 採用事例レポート（株式会社overflow・Offers 事例DB・2026年2月以前の集計・企業数は表の各行）。</p><p>分布は12.3%から22.9%までで、9業界の値を並べた中央値は17.2%です（Offers 調べ）。分母がスカウト送付数なので、業界ごとの平均は1割強から2割強に収まります。</p><p>各行は、その業界の企業の承諾率を平均した値です。Offers 全体を合算した率ではありません。また企業は業界ごとにキーワードで抽出しているため、複数の業界に数えられている企業もあり得ます。企業数の列を足し上げても、実際の企業数にはなりません。</p><p>一方、内定を分母に置いた承諾率は、まるで違う水準になります。マイナビ「中途採用状況調査2026年版（2025年実績）」（調査時期2025年12月）の内定辞退率は15.0%です。裏返せば、内定を分母に置いた承諾率は85.0%になります。前年の辞退率は9.3%でした。</p><p>同じ「承諾率」という語で、12.3%と85.0%が並びます。分母が違うので、この2つを並べて優劣は論じられません。スカウトの承諾率をどう上げるかは、<a href="https://hr-media.offers.jp/articles/scout-outsourcing">スカウト代行の記事</a>で扱っています。</p><h2 id="hb5e77d4585">基準値は外部平均ではなく自社の定義で置く</h2><p>自社の承諾率をどの水準と並べるかは、悩みどころです。外部の平均値は分母の定義が公開されていないことが多く、そのままでは比較の相手になりません。基準値は、次の順で置くほうが確実です。</p><ul><li>自社の分母の定義を文章で確定する</li><li>直近3か月から6か月の自社の実績を集計して起点にする</li><li>起点からの変化を見て、次の目標値を決める</li></ul><p>外部の平均値は、分母の定義が一致していると確認できたときだけ使います。確認できないなら、参考として脇に置くにとどめます。</p><p>自社の採用プロセスのどこに弱さがあるかを先に把握したい場合は、<a href="https://service.offers.jp/client/hiring-check/?utm_source=hr_media&amp;utm_medium=article_cta&amp;utm_campaign=seo-light&amp;utm_content=offer-acceptance-rate">エンジニア採用力チェック</a>で各段階を採点してみてください。承諾率の分母を決める前の、現在地の確認に使えます。</p><h2 id="hc8d7e5f62e">母数が小さいと承諾率は1件で大きく動く</h2><p>中途採用では、1か月に出す内定が数件ということも珍しくありません。母数が小さいと、承諾率は1件の増減で大きく振れます。下の表は、分母の大きさごとに1件が動かす幅を並べたものです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>分母（打診した件数）</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>承諾が1件増減したときに動く幅</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>5件</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>20.0ポイント</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>10件</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>10.0ポイント</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>20件</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>5.0ポイント</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>40件</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>2.5ポイント</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>100件</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>1.0ポイント</p></td></tr></tbody></table><p>分母が10件なら、承諾が1人減るだけで率は10ポイント下がります。前月比で10ポイントの悪化は深刻に見えますが、実体は1人の判断です。</p><p>だから母数の小さい月は、率ではなく件数で見るほうが実態に近くなります。率で語るのは、分母が一定の規模にたまってからにします。目安として、分母が20件を下回る期間は単月で評価せず、四半期などで束ねて見てください。</p><p>束ねても20件に届かない段階の採用では、率よりも個別の辞退理由を追うほうが情報量は多くなります。なお母数が小さいときの振れは、率が高いか低いかとは関係なく起こります。良い方向に振れた月を実力と読むと、翌月に理由のない悪化を追いかけることになるはずです。</p><h2 id="hbd9257a942">承諾率を記録する前に決める4項目</h2><p>承諾率を継続して見るなら、集計を始める前に定義を確定させます。決めるのは次の4つです。</p><table><tbody><tr><th colspan="1" rowspan="1"><p>決める項目</p></th><th colspan="1" rowspan="1"><p>具体例</p></th></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>分子の範囲</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>口頭の内諾を含めるか、書面の承諾のみか</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>分母の範囲</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>出した内定の全件か、辞退が確定した件を除くか</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>計上する時点</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>内定を出した月か、承諾の返事があった月か</p></td></tr><tr><td colspan="1" rowspan="1"><p>除外する対象</p></td><td colspan="1" rowspan="1"><p>条件が折り合わず取り下げた内定を分母から外すか</p></td></tr></tbody></table><p>とくに計上時点は、後から揺れやすい項目です。内定を6月に出し、承諾が7月に届いた場合、どちらの月に数えるかで両月の率が変わります。</p><p>決めた定義は文章で残し、集計する人が変わっても同じ数字が出る状態にします。定義が残っていない率は、翌年には比較できません。</p><h2 id="h5a80d42b7a">承諾率を扱うときの3つの順序</h2><p>承諾率は、分母の置き方によって指す中身が変わる語です。国の統計も、同じ就職件数から就職率23.7%と充足率10.6%という2つの率を出しています。</p><p>自社で見るときは、分母の定義を先に確定し、自社の実績を起点に基準を置きます。そして母数が小さい月は、件数のほうを見てください。</p><p>この順序を踏めば、「承諾率が低い」という会話が、どの段階の何件の話なのかまで具体的になります。</p>

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