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DX事例|DX銘柄30社と中小11者の選定と再現条件

公開 更新
監修: 鈴木 裕斗・株式会社overflow / 代表取締役 CEO
DX事例|DX銘柄30社と中小11者の選定と再現条件

DX事例の記事の多くは似た形をしています。業界ごとに見出しが並び、企業名と取り組みの要約が置かれ、最後に成功の共通点がまとめられる。「では自社は何をすればよいのか」を考えるには、事例そのものに加えて、事例の選ばれ方を知る必要があります。

誰が、どんな母集団から、どんな基準で選んだのか。国が選ぶ事例には上場企業向けのDX銘柄と中堅・中小企業向けのDXセレクションがあり、どちらも選定の過程と評価の中身が公開されています。選定企業の資料を読むと、導入した技術と並んで、必要な人材をどう確保するかが繰り返し語られていました。

鈴木 裕斗監修者

株式会社overflow / 代表取締役 CEO

鈴木 裕斗

株式会社サイバーエージェントに新卒入社。広告営業を経て、Amebaプラットフォームの管轄責任者に就任。その後、スタートアップ企業に入社、代表取締役就任を経て2ヶ月後に株式会社ディー・エヌ・エーにM&A、子会社化。子会社代表取締役とDeNA広告部長を兼任。2017年6月、株式会社overflowを創業。2018年から2020年9月末までエキサイト株式会社の社外取締役を兼任。

DX事例を読む前に確認するのは出所と母集団

DX事例を判断材料にするには、出所・時点・母集団の3つを確認します。

ひとつめは出所です。企業自身が公表したものか、支援したベンダーが自社サイトに書いたものか。前者は有価証券報告書や統合報告書、プレスリリースで裏が取れます。後者は確かめる先がありません。

ふたつめが時点です。DXの取り組みは数年単位で進むため、5年前の事例と昨年の事例では前提が違います。とくに生成AIが実務に入ったのはこの2〜3年なので、それ以前の事例をそのまま参考にすると、いま使える手段を見落とします。

みっつめが母集団です。ここが最も見落とされます。「DX事例30選」の30社は、日本企業の中でどう位置づけられる30社なのか。無作為に選んだのか、選ばれるために手を挙げた企業なのか。母集団が分からない事例集は、平均像を推し量る材料になりません。

DX銘柄2026は上場約3,800社から30社に絞られた

DX銘柄2026の30社は、東京証券取引所に上場する約3,800社のうち「DX調査2026」に回答した289社から選ばれています。経済産業省は東京証券取引所および情報処理推進機構と共同で「DX銘柄」を毎年選定しており、2026年4月10日の発表では、DX銘柄2026として30社(うちDXグランプリ企業3社)、DX注目企業2026として17社、DXプラチナ企業2026-2028として2社が選ばれました。

選定企業レポートによると、まず東京証券取引所のプライム・スタンダード・グロースに上場する約3,800社を対象に「DX調査2026」を実施し、回答した289社のうちDX認定を取得している企業が選定対象になりました。そこから選択式項目と自己資本利益率(ROE)・株価純資産倍率(PBR)による一次評価、記述式項目(DX実現能力、ステークホルダーとの対話、企業価値貢献)による二次評価を経て、評価委員会が最終審査を行っています。

段階

社数

東京証券取引所の上場会社(調査対象)

約3,800社

DX調査2026に回答した企業

289社

DX銘柄2026(うちグランプリ3社)

30社

DX注目企業2026

17社

DXプラチナ企業2026-2028

2社

出所: 経済産業省のニュースリリース(2026年4月10日公表)および経済産業省・東京証券取引所・情報処理推進機構『DX銘柄2026 選定企業レポート』(2026年6月5日公表)

上場約3,800社のうち、調査に回答したのは289社です。割合にすると1割にも届きません。DX銘柄2026の30社は「日本企業の代表例」ではなく、DX調査に回答し、DX認定を取り、評価を経て選ばれた企業でした。この位置づけを踏まえずに自社と比べると、届かない基準を目標に置くことになります。

なお2026年の選定では、AI法(人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律)が2025年5月に成立したことなどを受けて、企業におけるAIトランスフォーメーションの取り組みが一層重く評価されました。DXの評価軸そのものが、AIの利活用へ動いたということです。

DXグランプリ2026の3社が評価された取り組み

DXグランプリ2026に選ばれたのは、ブリヂストン(ゴム製品)、ミスミグループ本社(卸売業)、三井住友フィナンシャルグループ(銀行業)の3社です。経済産業省・東京証券取引所・情報処理推進機構の『DX銘柄2026 選定企業レポート』(2026年6月5日公表)には、3社それぞれの経営陣へのインタビューと審査員コメントが載っています。

企業

取り組みの中心

人材・体制

ブリヂストン

タイヤを「創って売る」から「使う段階で価値を増幅する」モデルへの変革

グローバルデジタル人財を2024年末時点の1750人から、2026年末には2000人規模へ引き上げる計画

ミスミグループ本社

機械部品の調達のデジタル化と、AIによる自動見積もり・製造プログラム生成

審査員コメントで、人材像の定義から確保・育成までの実践が評価された

三井住友フィナンシャルグループ

1兆円規模のIT投資を表明し、AIを競争力の源泉と位置づける

経営層が一堂に会して案件を判断する会議を毎月開催

出所: 経済産業省・東京証券取引所・情報処理推進機構『DX銘柄2026 選定企業レポート』(2026年6月5日公表)のグランプリ3社のページから編集部が要約

ブリヂストンが経営ビジョンの中核に置くのは、現場力や匠の技という「リアル」に、AIやデータ解析、シミュレーションといった「デジタル」を掛け合わせる方針です。同社のページでは人財の確保について、社外からは職種別採用、社内からはオープンポスティング制度やデータサイエンスコンペによる人財発掘に取り組んでいると説明されています。

ミスミグループ本社は、紙カタログからEC、さらに設計や量産現場での調達へと事業の領域を広げてきた企業です。審査員コメントは、調達DXやAIによる自動見積もり・製造プログラム生成によって「変種変量」の無人製造にも取り組んでいる点を挙げ、「デジタル人材育成においても人材像の定義から確保・育成まで実践されている」と記しています。代表取締役社長の清水新氏は、社員全員が事業を変える担い手であるべきだという考えから、最高デジタル責任者(CDO)をあえて置いていないと説明しています。

三井住友フィナンシャルグループは、2026年度からの中期経営計画で1兆円規模のIT投資を表明しました。グループCEOの中島達氏はインタビューで、一定規模のAIプロジェクトが70件以上進行していること、グループCEOをはじめとする経営層が一堂に会する「デジタル・イノベーション戦略会議」を毎月開いていることを挙げています。審査員コメントが触れているのは、個人向けの金融サービス「Olive」と法人向けの「Trunk」の開発です。

3社のページには、どの技術を使ったかと並んで、誰が担うのかを決める仕組みが書かれています。人財の数を目標に置く、人材像を定義してから確保する、経営層が案件を直接判断する。事例集で目に付きやすいのは導入した技術ですが、レポートでは体制と人材の取り組みも同じ紙幅で紹介されていました。

選定30社は製造業15社・非製造業15社で半々

DX銘柄2026の30社は17業種に分かれ、製造業15社・非製造業15社のちょうど半々です。DXは製造業のものという印象を持たれがちですが、選定結果はそうなっていません。

業種

社数

選定企業

医薬品

4

武田薬品工業/塩野義製薬/中外製薬/第一三共

電気機器

4

オムロン/日本電気/富士通/TDK

化学

3

旭化成/花王/富士フイルムホールディングス

卸売業

3

ミスミグループ本社(グランプリ)/双日/伊藤忠商事

銀行業

2

三井住友フィナンシャルグループ(グランプリ)/セブン銀行

陸運業

2

西日本旅客鉄道/SGホールディングス

サービス業

2

パソナグループ/パーソルホールディングス

ゴム製品

1

ブリヂストン(グランプリ)

食料品

1

キリンホールディングス

ガラス・土石製品

1

AGC

その他製品

1

大日本印刷

電気・ガス業

1

関西電力

倉庫・運輸関連業

1

三井倉庫ホールディングス

情報・通信業

1

NTT

保険業

1

東京海上ホールディングス

その他金融業

1

クレディセゾン

不動産業

1

東急不動産ホールディングス

出所: 経済産業省・東京証券取引所・情報処理推進機構『DX銘柄2026 選定企業レポート』(2026年6月5日公表)の選定企業一覧の全数

金融・物流・不動産・人材サービスまで含まれており、「DXの模範解答は製造業にある」という見立ては成り立ちません。

同じ業種で複数社が選ばれているのは医薬品・電気機器・化学・卸売業・銀行業・陸運業・サービス業の7業種です。自社と同じ業種で複数社が選ばれているなら、レポートの該当ページを横に並べて読んでみてください。共通して押さえられている論点が浮かび上がります。

継続性の観点では、DXプラチナ企業2026-2028として日本郵船とソフトバンクの2社が選ばれています。選定要件は「3年連続でDX銘柄に選定されていること」と「過去にDXグランプリに選定されていること」の2つです。単年で成果を出した企業ではなく、3年以上続けている企業を別枠にしている点は、事例を読む側の時間感覚を調整してくれます。

中堅・中小企業のDX事例はDXセレクション2026の11者

中堅・中小企業がDX事例を探すなら、経済産業省と情報処理推進機構(IPA)が選ぶ「DXセレクション」が公的な出発点です。DXセレクションは、デジタルガバナンス・コードに沿った取り組みでDXの成果を出している中堅・中小企業等のモデルケースを選ぶもので、2022年から続いています。経済産業省のDXセレクション2026審査項目の分析によると2026年の応募企業は81社で、2026年5月20日の最終選考で計11者が選ばれました。

段階

社数

DXセレクション2026に応募した企業

81社

最終選考(プレゼンテーション審査)に進んだ事業者

11者

グランプリ

1者

準グランプリ

2者

優良事例

8者

出所: 経済産業省『DXセレクション2026審査項目の分析』、同省ニュースリリース(2026年4月10日公表)および同省のDXセレクション施策ページ(2026年5月25日更新)

2026年の選考からは、経営者が10分間のプレゼンテーションを行い、経営変革の実現能力や企業価値貢献の観点で審査される最終選考が新たに加わりました(経済産業省のニュースリリース・2026年4月10日公表)。最終選考に進んだ11者の本社は北海道から大分県まで散らばっており、東京に集まってはいません。

グランプリはプーラビダ(福岡県)、準グランプリは三行合成樹脂(新潟県)とヒューマングループ(長崎県)です。中小企業基盤整備機構のJ-Net21の記事(2026年5月21日)によると、北九州市で訪問介護ステーションを運営するプーラビダは「人が輝くDX」を掲げ、看護師の人手不足に直面するなかで報告書業務の完全自動化を進め、働きやすさの追求や定着率の向上を実現した点が評価されました。

人手不足という経営課題から入り、その解消をDXの成果として示している点は、上場企業の事例よりも中堅・中小企業の前提に近いものです。

同じ分析は、審査項目への回答を選定企業と選定以外のDX認定済企業で比べ、取組の差が特に大きい項目を挙げています。人材の設問はその1つです。

設問「DX推進を支える人材として、どのような人材が必要か、が明確になっており、確保のための取組を実施していますか」に対し、必要な人材像が明確で確保の取組も実施していると答えたのは、選定された11者では100%、選定以外のDX認定済企業60社では57%でした(経済産業省『DXセレクション2026審査項目の分析』・応募81社)。同分析は、選定以外の認定済企業の約4割について、人材像は明確でも確保の取組が限定的だと記しています。

上場企業のグランプリ3社と同様に、DXセレクション2026に選ばれた11者も人材の確保まで手を打っていました。各社の取り組みの詳細は、施策ページに載る「DXセレクション2026」選定企業レポートで読めます。

事例の裏側では取組率が横ばいのまま

選ばれた企業の外側を見ると、DXに取り組む企業の割合は75.7%で、経年でほぼ横ばいです。情報処理推進機構(IPA)が2026年7月30日に公表した『DX動向2026』(2025年度調査・1,799社の有効回答)が、何らかの形でDXに取り組んでいる企業の割合をこの値で示しています。

規模による差は依然として大きいままです。IPA『DX動向2026』では、従業員1,001人以上の企業では98.7%が取り組んでいる一方、100人以下では41.6%にとどまりました。

事例集に並ぶ大企業の取り組みは、規模の面でも取り組み度合いの面でも上位に偏ったものでした。中小規模の組織が大企業の事例を目標に据えると、前提の差が埋まらないまま施策だけを真似ることになります。同規模帯の事例を探すなら、前の節のDXセレクションが入口になります。DXの定義と全体像はDXとは?定義とIT化との違い、取組率75.7%の実態で扱いました。

AIとの関係も整理されています。IPA『DX動向2026』によると、DXに取り組む企業のうち「DXの推進の一部としてAIを活用している」が45.1%、「DXの推進のためAIを中心に活用している」が9.3%でした。半数以上がAIをDX推進の手段として位置づけています。DX銘柄の評価軸がAIトランスフォーメーションへ動いたことと、現場の実態は同じ方向を向いていました。

必要なスキルを把握できていない企業が半数を超える

IPA『DX動向2026』によると、DXに取り組む企業の52.8%が「必要なスキルは把握できていない」と答えています。2024年度よりやや改善したものの、半数を超えたままです。何が必要か分からない状態では、育成も採用も設計できません。

把握状況は、人材の不足感と強く結びついています。IPA『DX動向2026』によると、DXに取り組んでいる企業のうち、スキルを把握している企業で人材の「質」が「大幅に不足している」と答えたのは40.6%であるのに対し、把握できていない企業では64.0%でした。23.4ポイントの差があります。さらに、DXの成果が出ている企業ほどスキルの把握ができている傾向も示されました。

人材の不足感そのものは高い水準が続いています。IPA『DX動向2026』では、DX推進人材の「質」の不足感(「やや不足」と「大幅に不足」の合計)が2024年度の86.1%から2025年度は88.8%へ増えました。ただし「大幅に不足している」は58.9%から52.9%へ下がっています。危機感の強さは和らぎつつ、不足の裾野は広がっている状態です。

DXセレクションの選定11者は全社が必要な人材像を明確にしており、DXグランプリ2026の3社もレポートで人材の確保や育成の仕組みを示していました。事例を真似る前に、その事例を担える人材の要件を言語化する。要件が書けていない段階で採用や育成に着手しても、必要な人にたどりつきません。人材の類型と要件の整理はDX人材とは?6類型の職種・必要スキルと採用・育成の進め方が扱っています。

要件の言語化の度合いは、社外に公開している採用情報にも表れるものです。エンジニア採用力チェックは、企業URLから公開情報を5指標24項目で採点し、原則1営業日以内にレポートが届くサービスで、外から見た採用力の現在地を確かめられます。

DX求人が求める技術は一般の求人とほとんど同じ

DXに言及する求人と言及しない求人で、上位に並ぶスキルの指定率はほとんど変わりません。株式会社overflowが運営するハイクラスエンジニアの転職プラットフォーム「Offers」で、2025年以降に掲載され、スキル指定のある正社員求人を対象に、求人本文にDXへの言及がある求人(全体の27.6%)と言及のない求人でスキルの指定率を比べました(Offers調べ・2026年10月時点・n=1,176)。

スキル

DXに言及する求人

言及のない求人

比

AWS

67.4%

57.3%

1.18倍

AI

53.2%

49.9%

1.07倍

TypeScript

43.4%

43.6%

1.00倍

Python

42.8%

37.5%

1.14倍

Azure

40.6%

19.4%

2.09倍

React

39.4%

33.7%

1.17倍

GCP

34.2%

27.7%

1.23倍

出所: Offers調べ(2026年10月時点・n=1,176)。

最も多く指定される AWS(Amazon Web Services)は、Offersの求人集計でDX求人の67.4%、DXに言及しない求人でも57.3%に指定されており、差は1.18倍しかありません。AI・Python・TypeScript・Reactも同様で、TypeScriptにいたっては1.00倍とまったく差がありません。

DXに言及する求人が指定するスキルは、いま一般のエンジニア求人が指定するものとほぼ同じでした。DXへの言及がある求人には、自社のDXを担う人の募集のほか、DXコンサルティングやDX向けのサービスを提供する会社の募集も含まれます。

差がはっきり出るのは Azure だけ

指定率が高く、かつDX求人で差がはっきり出るスキルは Azure だけです。Offersの求人集計(2026年10月時点・n=1,176)では、DX求人での指定率40.6%に対し、言及のない求人では19.4%で、2.09倍の開きがありました。

倍率だけで並べると別の顔ぶれも出てきます。同じ集計でDevOpsが12.9%対3.2%で約4倍、SpringFrameworkが15.7%対7.5%で2.09倍、Node.jsが20.3%対11.9%で1.71倍、IoTが10.2%対6.0%で1.69倍です。ただしDevOpsやIoTは指定率そのものが1割前後で、DX求人の多数派ではありません。

AzureとSpringFrameworkの倍率が高いことから、編集部は、既存のシステムをクラウドへ移す仕事がDX求人に含まれていると見ています。この見立ては倍率からの推測です。同じ集計では、Terraformが0.72倍、Linuxが0.79倍、Dockerが1.09倍で、運用に使われるスキルの中にはDX求人のほうが低いか同程度のものもありました。

AWSやPythonは、DXに言及しない求人でも同じ程度に指定されています。この集計で差がはっきり出たのはAzureでした。AI領域を含む人材要件の広がりはAI人材とは?不足の現状と採用・育成で確保する方法にまとめました。

事例を自社に持ち帰る4段階

DX事例を自社に持ち帰る手順は、母集団の確認、規模と業種の一致、要件の言語化、体制の決定の4段階です。

第一が母集団の確認です。公的な選定であれば選定プロセスが公開されているので、自社との距離が測れます。出所の不明な事例集は、この段階で外して構いません。

第二が規模と業種を揃えることです。IPA『DX動向2026』の取組率で、従業員1,001人以上の98.7%と100人以下の41.6%では、前提が違いすぎます。中堅・中小企業ならDXセレクションの選定企業レポートから同業・同規模の事例を選び、大企業の事例からは手法ではなく順序を借ります。

第三が要件の言語化です。事例の取り組みを自社でやるとして、誰がどのスキルで担うのか。IPA『DX動向2026』で52.8%の企業がスキルを把握できていないと答えたのは、ここを書き出す段階でした。求人票の実態は、この言語化の材料になります。

第四が体制の決定です。専任を置くのか、既存部門の兼務で始めるのか。組織の作り方についてはDX推進の組織作りとは?成功のためのポイントと事例を紹介で個別に扱っています。

順序を逆にすると、ツールの選定から入って要件が最後まで決まらない、という状態になります。事例が豊富にあるほど手段から考えたくなりますが、順序は変わりません。

DX事例から持ち帰るべきもの

DX事例から持ち帰るべきものは、取り組みを担った人と体制を自社の言葉に置き換える手がかりです。事例を何件読んでも、それだけで自社のDXは進みません。

公的な選定が母集団を示し、全体調査が水準を示し、求人データが要件を示す。この3つを重ねると、事例は憧れの対象から比較の基準に変わります。

公的な選定の資料は、選ばれた企業が人材の確保に手を打っていたことを示していました。そして求人データでは、DXに言及する求人が指定する技術は一般のエンジニア求人とほとんど変わりませんでした。特別な人材像を探すより、事例を担える人材の要件を自社で言語化するほうが、事例に近づく近道になります。

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