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リファラル採用の報酬相場|平均121,806円のデータ

リファラル採用の報酬相場|平均121,806円のデータ
鈴木 裕斗監修者

株式会社overflow / 代表取締役 CEO

鈴木 裕斗

株式会社サイバーエージェントに新卒入社。広告営業を経て、Amebaプラットフォームの管轄責任者に就任。その後、スタートアップ企業に入社、代表取締役就任を経て2ヶ月後に株式会社ディー・エヌ・エーにM&A、子会社化。子会社代表取締役とDeNA広告部長を兼任。2017年6月、株式会社overflowを創業。2018年から2020年9月末までエキサイト株式会社の社外取締役を兼任。

リファラル採用の紹介報酬は、自社が就業規則や賃金規程で金額を決めて、紹介した社員に支払うものです。人材紹介会社に支払う手数料とは、支払う相手も金額の決まり方も異なります。

2026年9月に公表された最新の企業調査は、紹介報酬の実際の金額に加えて、報酬額の差と友人を紹介した社員の比率(友人紹介率)の間に明確な相関は見られないという分析結果を示しました。本記事では、この調査データと職業安定法の条文をもとに、相場と適法な報酬設定の要件を確認します。

リファラル採用の報酬相場は平均12万1,806円

紹介報酬の平均金額は121,806円、中央値と最頻値はともに100,000円です。株式会社TalentX「2026年版 リファラル採用の実施状況に関する企業規模・業界別統計レポート」が2026年9月8日に公表した調査で、対象は同社へ問い合わせ・相談をした企業を中心とする法人企業2,073社、調査期間は2025年1月から2026年7月末までとなっています。

指標

数値

平均金額

121,806円

中央値

100,000円

最頻値

100,000円

リファラル採用の実施率

70.5%(2018年調査時点は41.7%)

出所:株式会社TalentX「2026年版 リファラル採用の実施状況に関する企業規模・業界別統計レポート」(2026年9月8日公表・2,073社)。

この数字は、業種・企業規模を問わない全体の平均です。職種やポジション別の相場を示す公的な一次統計は見当たらないため、自社の予算を組むときは、まずこの金額を出発点にし、採用の難易度に応じて増減させる形が現実的です。予算感を判断する軸としては、自社の採用単価と比べる方法もあります。

リファラル採用の報酬は「人材紹介の手数料」とは別の仕組み

リファラル採用の紹介報酬と、人材紹介会社に支払う手数料は、しくみが異なります。前者は自社が社内規程で決めて社員に支払う金額、後者は人材紹介会社に支払う手数料で、厚生労働省の集計では常用就職1件あたり平均約103万円です。

項目

リファラル採用の報酬

人材紹介会社の手数料

支払う相手

紹介した自社の社員

人材紹介会社

金額の決め方

自社が就業規則・賃金規程で決める

上限制手数料(厚生労働省令で定める種類・額)または届出制手数料(人材紹介会社が厚生労働大臣に届け出た手数料表)(職業安定法第32条の3第1項)

相場

平均12万1,806円

1件あたり平均約103万円(全職種平均)

出所:厚生労働省「令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」(2026年3月31日公表・常用就職に係る手数料)。

たとえば人材紹介で1人採用すると、令和6年度の全職種平均だけで手数料は約103万円になります(前年度比+10.9%)。リファラル採用の報酬は自社の規程で決める金額で、TalentXの調査の平均12万1,806円は、人材紹介の1件あたり平均を大きく下回る水準です。職種別の手数料の実額は人材紹介の費用、職種別の1件あたり実額と課金モデルにまとめています。

報酬額の差と友人紹介率に明確な相関は見られない

TalentXの調査は、インセンティブ金額の多寡と、友人を紹介した社員の比率の間に、明確な相関が見られなかったと分析しています。この調査では、報酬制度の有無や金額の差による、友人を紹介した社員の比率の大きな変化は見られませんでした。

同社はこの結果について、報酬は紹介数を直接増やす手段ではなく、社員に制度を思い出してもらうための「きっかけ」として機能していると分析しています。金額を引き上げるより、紹介しやすい仕組みを整えるほうが、紹介行動には結びつきやすいという見方です。

TalentXは、紹介にかかる工数の負荷や求人・企業情報の共有不足を採用現場の課題に挙げています。同社が自社のリファラル採用サービスの機能として提供しているのは、紹介の手順の簡素化や、紹介した社員への感謝の仕組みです。金額だけを見直す前に、こうした運用の入り口を点検すると、報酬制度の効果を測りやすくなります。

自社の採用プロセス全体のどこに課題があるかを確かめたい場合は、エンジニア採用力チェックで採用活動を項目ごとに点検できます。

リファラル採用の報酬は賃金として支払えば適法

リファラル採用の報酬は、紹介した自社の社員に賃金として支払う限り、職業安定法に抵触しません。同法第40条は、募集を行う者が自社の社員(被用者)へ賃金・給料として支払う場合と、第36条第2項の認可を受けた報酬を与える場合を除き、募集に従事させた人へ報酬を与えることを禁じています。

条文

内容

第40条(報酬の供与の禁止)

自社の社員へ賃金・給料などとして支払う場合と、第36条第2項の認可を受けた報酬を与える場合を除き、募集に従事させた人へ報酬を与えてはならない

第36条(委託募集)

自社の社員以外の人に報酬を与えて募集に従事させる場合は、厚生労働大臣の許可(第1項)と報酬額の認可(第2項)が必要。報酬を与えない場合は届出(第3項)

第39条(報酬受領の禁止)

募集を行う者・募集受託者は、募集に応じた労働者(候補者)から名目を問わず報酬を受け取ってはならない

第65条(罰則)

第39条・第40条等の違反は6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金

出所:職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第36条・第39条・第40条・第65条(e-Gov法令検索)。

自社の社員が友人・知人を紹介する通常のリファラル採用は、第40条が除外する「賃金、給料その他これらに準ずるもの」の支払いにあたるため、報酬を賃金として扱えば問題ありません。一方、社員以外の第三者に報酬を約束して人材を探してもらう場合は、第36条の委託募集にあたり、厚生労働大臣の許可(第1項)と報酬額の認可(第2項)が必要になります。

「賃金」として扱うには、就業規則や賃金規程への紹介報酬制度の明記が欠かせません。明記がないまま支払うと、給与か一時金かの位置づけが曖昧になり、税務や社会保険の扱いでも判断に迷います。

報酬を設定するときに決める3つのこと

金額の相場が分かっても、支給の条件を決めなければ制度は運用できません。決めることは、金額・支給のタイミング・対象範囲の3つです。

金額は自社の採用単価と比べて妥当性を判断する

平均12万1,806円を起点に、自社の採用難易度や、その職種を他の手段で採用したときの費用と比べて金額を決めます。専門職やマネジメント層など採用の難しい職種で金額を上乗せするかどうかも、この比較で判断する点です。

支給のタイミングは入社時か、一定期間の在籍を条件にするか

支給のタイミングは、入社時に一括で支払う方法と、入社後一定期間(3か月・6か月など)の在籍を条件にする方法があります。在籍を条件にする場合は、何か月後に確認するかを先に決めておくと、支給時にもめません。

紹介経由で入社した人がどのくらい定着しているかを自社で測る方法は、リファラル採用の定着率|国内データと測り方にまとめています。

対象範囲は紹介できる求人と、辞退・早期退職時の扱いまで決めておく

誰が紹介できるか、どの求人を対象にするか、内定辞退や入社後すぐの退職が起きたときの報酬の扱いも、制度を作る段階で決めておく点です。

内定辞退が起きたときの紹介者・報酬の扱いはリファラル採用の内定辞退と紹介者・報酬の扱い、金額以外の決め方の詳しい手順はリファラル採用の報酬をどう決める?で扱っています。

リファラル採用の報酬相場で人事が押さえる要点

リファラル採用の報酬相場は、平均12万1,806円、中央値・最頻値ともに10万円です。人材紹介会社に支払う手数料とは別に、自社の規程で金額を決める仕組みとして設計します。

  • 相場は平均12万1,806円(中央値・最頻値10万円)。人材紹介の手数料(1件あたり平均約103万円)とは別に、自社の規程で決める仕組み
  • TalentXの調査では報酬額の差と友人紹介率に明確な相関は見られず、金額の見直しより紹介しやすい運用の整備を優先する
  • 自社の社員へ賃金として支払えば職業安定法に抵触しない。就業規則への明記と、支給タイミング・対象範囲の取り決めが実務の要

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