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エンジニア派遣の料金相場と契約の種類・メリット

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エンジニア派遣の見積もりを受け取った採用担当者が最初に知りたいのは、その金額が相場と比べて高いのか安いのかです。

相場の物差しになるのは、派遣会社が毎年国に出す事業報告を厚生労働省がまとめた集計です。職種ごとに、派遣先が派遣会社へ払う料金と、派遣会社がエンジニアに払う賃金の平均が載っています。

料金の相場に加えて、契約の種類で変わる受け入れ期間、派遣先が守る決まり、派遣より正社員採用が向く場面までを、集計と法令の原文に沿って示します。

Offers HR Magazine編集部監修者

株式会社overflow / 編集担当

Offers HR Magazine編集部

Offers HR Magazine 編集部は、株式会社overflow が運営する採用メディアの編集チームです。エンジニア採用に取り組む人事・採用担当者に向けて、採用手法・人事制度・組織づくりの情報を届けています。

エンジニア派遣の料金相場は1日34,382円

エンジニア派遣の料金相場は、厚生労働省「令和6年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)」(2026年3月31日公表)で、情報処理・通信技術者の派遣料金が派遣労働者1人1日(8時間)当たり平均34,382円です。派遣料金は派遣先が派遣会社に払う対価で、消費税を含みます。

全業務の平均26,257円(対前年度比3.6%増)と比べると、情報処理・通信技術者は技術者の区分の中でも高い水準にあります。

職種(派遣料金・8時間当たり)

令和5年度 平均

令和6年度 平均

令和6年度 無期雇用

令和6年度 有期雇用

情報処理・通信技術者

33,387円

34,382円

34,707円

32,913円

建築・土木・測量技術者

33,129円

34,168円

34,593円

33,120円

その他の技術者

31,160円

32,156円

32,914円

30,431円

研究者

28,131円

28,848円

30,126円

26,958円

製造技術者

27,805円

28,518円

29,808円

27,294円

全業務平均

25,337円

26,257円

27,063円

22,226円

出典:厚生労働省「令和6年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)」表6 派遣料金(消費税込み)

集計の値は、派遣の実績があった事業所ごとの平均額をさらに単純平均したものです。個々の見積もりは、求めるスキルや経験、契約期間によって上下します。

月額と時間単価に直した目安

見積もりが月額や時間単価で届いたときは、1日の値を同じ単位に直して比べます。

情報処理・通信技術者の34,382円を、1日8時間・月20日の稼働で換算すると月額は約68.8万円(687,640円)、時間単価は約4,298円です(同じ集計をもとにOffers推計)。12か月続けると年間で約825万円になります。

月の稼働日数は月によって変わり、残業や休日出勤の扱いも契約で決まります。月額の見積もりを比べるときは、何日・何時間の稼働を前提にした金額かを派遣会社に確かめてください。

派遣料金と派遣エンジニアの賃金の差

派遣料金には、派遣会社がエンジニアに払う賃金と、派遣会社の取り分が含まれます。同じ集計の表7に載る情報処理・通信技術者の派遣労働者の賃金は1日(8時間)当たり平均21,032円でした。

料金の平均34,382円との差は13,350円で、料金に占める割合は約38.8%です(割合はOffersが算出)。労働者派遣法第23条第5項は、料金の平均額から賃金の平均額を引いた額を料金の平均額で割った割合(いわゆるマージン率)を、派遣会社が事業所ごとに情報提供するよう定めています。

同じ集計の表12では、マージン率などの情報をインターネットで提供している事業所が77.5%でした。複数の派遣会社を比べるときは、各社が公開しているマージン率と教育訓練の内容をあわせて見ると、料金の中身を確かめやすくなります。

派遣料金が上下する3つの要因

エンジニア派遣の料金を動かす要因は、派遣エンジニアの雇用形態(無期雇用か有期雇用か)、同一労働同一賃金で決まる賃金の水準、契約の期間と稼働の条件の3つです。

無期雇用派遣と有期雇用派遣の差

派遣会社と期間の定めのない労働契約を結ぶ無期雇用派遣は、有期雇用派遣より料金が高い傾向にあります。前の節の表のとおり、令和6年度の情報処理・通信技術者の派遣料金は無期雇用が34,707円、有期雇用が32,913円でした。

無期雇用派遣には、次の節で示す受け入れ期間の制限がかかりません。長く同じ人に担当してもらいたい業務では、料金の差と期間の制限の有無をあわせて比べます。

同一労働同一賃金による賃金の決まり方

派遣エンジニアの賃金は、派遣会社が自由に決めているわけではありません。厚生労働省「派遣労働者の同一労働同一賃金について」のとおり、派遣会社には、派遣先の通常の労働者との均等・均衡を図る「派遣先均等・均衡方式」か、一定の要件を満たす労使協定で待遇を決める「労使協定方式」のいずれかで待遇を確保する義務があります。

派遣先の側にも義務があり、労働者派遣法第26条第11項は、派遣を受ける側が、派遣会社がこれらの決まりを守れる料金の額になるよう配慮することを求めています。相場より大幅に安い見積もりは、この配慮の点からも確かめが必要です。

令和8年10月1日には、派遣労働者の同一労働同一賃金の改正が施行されました。雇い入れ時・派遣時に「待遇の相違の内容及び理由等について説明を求めることができる旨」を明示すること、同一労働同一賃金ガイドラインの明確化、公正な評価による待遇改善の促進が主な改正点です。

契約の期間と稼働の条件

同じエンジニアでも、契約の期間、稼働の時間、残業や交通費の扱いで請求額は変わります。同じ集計の表10で派遣契約の期間の割合をみると、2月超3月以下が28.4%で最も多く、1日以下が25.7%、1月超2月以下が20.9%と続きます(全職種の値)。

3か月前後の契約を更新しながら続ける形が多いため、更新のたびに単価が見直されるかどうかも、契約の前に確かめておきたい点です。

派遣契約の種類は有期雇用派遣・無期雇用派遣・紹介予定派遣

現行のエンジニア派遣の契約は、派遣エンジニアと派遣会社の雇用の形で有期雇用派遣と無期雇用派遣に分かれ、派遣の後に直接雇用へ移ることを前提にした紹介予定派遣が加わります。

「一般派遣」と「特定派遣」は、改正前の制度の区分です。東京労働局の案内「特定労働者派遣事業(届出制)から労働者派遣事業(許可制)へ早期切替を!」のとおり、平成27年9月30日の改正労働者派遣法で特定労働者派遣事業と一般労働者派遣事業の区別は廃止され、労働者派遣事業は許可制に一本化されました。届出で特定労働者派遣事業を営んでいた事業主の経過措置は、平成30年9月29日まででした。

種類

仕組み

同じ人を受け入れられる期間

派遣前の面接・履歴書の送付

有期雇用派遣

派遣会社と期間の定めのある労働契約を結んだエンジニアを派遣

原則、同じ組織単位で3年まで

行わない

無期雇用派遣

派遣会社と期間の定めのない労働契約を結んだエンジニアを派遣

期間の制限なし

行わない

紹介予定派遣

派遣の終了後に派遣先へ職業紹介することを予定して派遣

6か月まで

できる

出典:労働者派遣法第40条の2・第40条の3、厚生労働省「派遣先が講ずべき措置に関する指針」第2の3・第2の18

有期雇用派遣と受け入れ期間の制限

有期雇用派遣のエンジニアは、原則として同じ事業所で3年を超えて受け入れることができず、同じ人を同じ組織単位(課やチーム)で3年を超えて受け入れることもできません(労働者派遣法第40条の2・第40条の3)。

事業所単位の3年は、派遣先が過半数労働組合などから意見を聴く手続きを経れば延長できます。延長しても、個人単位の3年の制限は残ります。派遣先は契約を結ぶ前に、事業所単位の制限に触れることになる最初の日(事業所単位の抵触日)を派遣会社に通知しなければなりません(同法第26条第4項)。

無期雇用派遣は期間の制限の対象外

無期雇用派遣のエンジニアは、労働者派遣法第40条の2第1項第1号により、受け入れ期間の制限の対象から外れます。3年を超えて同じ人に同じ業務を担当してもらえる点が、有期雇用派遣との大きな違いです。

紹介予定派遣は6か月まで

紹介予定派遣は、派遣の期間が終わった後に、派遣先がそのエンジニアを直接雇用することを前提にした派遣です。厚生労働省「派遣先が講ずべき措置に関する指針」第2の18は、紹介予定派遣で同じ派遣労働者を受け入れられる期間を6か月までとしています。

令和6年度の報告書の表9では、紹介予定派遣で派遣された労働者は25,535人、職業紹介を経て直接雇用に結びついた労働者は13,881人でした。

エンジニア派遣のメリットは期間を決めて即戦力を得られること

エンジニア派遣の主なメリットは、必要な期間だけ経験のあるエンジニアに来てもらえること、雇用と給与の手続きを派遣会社が担うこと、紹介予定派遣なら直接雇用の前に働きぶりを確かめられることの3つです。

採用の手続きを経ずに人手を確保できる

正社員を採用するには、求人の作成、応募者の選考、内定、入社の手続きと、段階ごとに時間がかかります。派遣なら、派遣会社が自社で雇うエンジニアの中から条件に合う人を探して派遣するため、開発の山場やシステムの切り替えといった期間の決まった業務に合わせて人手をそろえやすい点が利点です。

雇用と給与の手続きは派遣会社が担う

派遣エンジニアの雇用主は派遣会社で、給与の支払いや社会保険の手続きは派遣会社が行います。派遣先が担うのは、受け入れたエンジニアへの仕事の指示と、派遣先としての義務の履行です。派遣先が守る決まりは「派遣社員の採用の流れと派遣先の義務」で詳しく扱っています。

紹介予定派遣で直接雇用の前に確かめられる

紹介予定派遣なら、最長6か月の派遣の間に、技術力やチームとの相性を実際の業務で確かめてから直接雇用を決めることが可能です。エンジニアの側も職場を知ったうえで入社を決められるため、入社後の食い違いを減らしやすくなります。

エンジニア派遣のデメリットは人を選べず長く置けないこと

エンジニア派遣の主なデメリットは、派遣先が事前の面接で人を選べないこと、有期雇用派遣では原則として同じ人を3年を超えて置けないこと、料金が続く限り費用がかかり続けることの3つです。

派遣前の面接で人を選べない

紹介予定派遣を除き、派遣先は派遣に先立ってエンジニアを面接したり、履歴書を送らせたりできません。労働者派遣法第26条第6項は、派遣を受ける側が派遣労働者を特定することを目的とする行為をしないよう努めると定め、派遣先指針の第2の3は、派遣に先立つ面接や履歴書の送付をさせることなどを行わないことと定めています。

派遣先が伝えられるのは、業務の内容と必要なスキルです。求めるスキルを具体的に書いて派遣会社に渡すほど、条件に合う人が来やすくなります。

同じ人を長く置けず知見が残りにくい

有期雇用派遣では、同じ組織単位で同じ人を受け入れられるのは原則として3年までです。システムの設計の経緯や運用の勘所を派遣エンジニアだけが知っている状態で契約が終わると、知見が社内に残りません。中核の業務では、社員が設計の判断に加わり、記録を残す仕組みが欠かせません。

費用は使う限りかかり続ける

派遣料金は、受け入れている期間ずっとかかります。情報処理・通信技術者の平均料金で月20日の稼働を続けると年間で約825万円になり、期間が延びるほど正社員の雇用にかかる費用との比較が要ります。

派遣と正社員採用を分ける判断の目安

派遣と正社員採用を分ける目安は、業務が続く期間と、その業務が事業の中核かどうかの2つです。期間が決まっていて、手順の決まった業務なら派遣が向きます。3年を超えて続き、設計の判断や技術の蓄積が要る業務は、正社員として採用する対象です。

中核のエンジニアを正社員として迎える場合、求める人ほど自分から応募してこないことが多く、企業の側から声をかける手間がかかります。Offers の AI RPO は、採用したいエンジニアにアプローチし、関係を継続的につくって採用まで支援する採用代行で、スカウトの設計・送信・追跡・候補者のフォローを Offers 側が代行します。配信開始までの期間は最短2週間です。

業務の性質ごとに向く手段を並べると、次の表のとおりです。

業務の性質

向く手段

開発の山場・移行作業など、終わりの決まった業務

有期雇用派遣

長く続くが手順の決まった運用・保守

無期雇用派遣

直接雇用したいが、働きぶりを確かめてから決めたい

紹介予定派遣

設計の判断・技術選定・チームの育成を担う業務

正社員採用

正社員採用の費用は、求人広告費や紹介手数料に、入社後の給与・法定福利費を加えた合計で比べます。採用にかかる費用の内訳は「エンジニア採用コストの相場と内訳」で扱っています。

見積もりと契約の前に派遣会社に確かめる項目

派遣会社の見積もりを受け取ったときに契約の前に確かめる点は、料金の単位と前提の稼働、契約の期間と抵触日、料金の中身の3つです。

  • 料金の単位(時間単価か月額か)と、月額なら何日・何時間の稼働が前提か
  • 残業・休日出勤・交通費の扱いと、精算の締め日・支払日
  • 契約の期間、更新の条件、更新時に単価を見直すかどうか
  • 有期雇用派遣か無期雇用派遣か、有期雇用派遣なら事業所と組織単位の抵触日
  • 派遣会社が公開しているマージン率と教育訓練の内容
  • エンジニアが交代するときの手続きと、成果物の権利・機密情報の扱い

料金の単位と稼働の前提をそろえれば、複数社の見積もりを同じ物差しで比べられます。その値を、冒頭の表にある情報処理・通信技術者の平均34,382円(1日8時間当たり)と並べれば、相場との差が見えてきます。

エンジニア派遣とSES・請負の違いは指揮命令の有無

エンジニア派遣とSES・請負を分けるのは、エンジニアに仕事の指示を出すのが誰かです。派遣では受け入れた企業がエンジニアに直接指示を出せます。SES(一般に準委任契約で技術者の作業を提供する契約)と請負では、指示を出すのはエンジニアを雇う会社で、発注した企業は直接の指示を出せません。

厚生労働省の「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」では、業務の遂行に関する指示その他の管理を自ら行うことなどの条件を満たさない限り、請負の形式であっても労働者派遣事業を行う事業主として扱われます。

項目

エンジニア派遣

SES(準委任)

請負

エンジニアへの指示

派遣先が出す

エンジニアを雇う会社が出す

エンジニアを雇う会社が出す

対価の対象

派遣された時間・日数

作業の提供

完成した成果物

適用される主な法律

労働者派遣法

民法(準委任)

民法(請負)

SESの契約で発注側の社員が現場のエンジニアに直接指示を出すと、偽装請負と判断されるおそれがある点に注意が必要です。労働者派遣法第40条の6は、派遣法の適用を免れる目的で派遣以外の名目の契約を結んで派遣の役務を受けた場合、受けた側がその労働者に労働契約を申し込んだものとみなすと定めています(受けた側が該当することを知らず、知らなかったことに過失がなかったときを除く)。違いの詳細は「SESの意味と派遣契約との違い」にまとめています。

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