受託開発会社への外注コストダウンと内製化のための採用方法について

Offers HR Magazine編集部 2024年3月19日

Offers HR Magazine編集部

目次

誰向けの記事か

  • 副業からの正社員採用を進めたい、進めている特にスタートアップの経営者、人事
  • 開発コストを抑えたい経営層

具体的には、

  • 副業からの正社員採用を進めたいがどうしたらいいかわからない方
  • 副業から採用するメリットを理解しきれていない、わからない方

何をお伝えするか

  • 事業観点での副業採用のメリットと実例
  • 開発会社への依頼から内製化へ
  • 副業採用からの副業転職のメリットと実例

ここからは具体的に事業観点での内製化の手法などについてご紹介します。

1 なぜ、サービス立ち上げ時から内製での開発組織構築が良いのか?

  • 開発組織のナレッジが蓄積できる
  • 開発の文化形成ができる
  • 開発コストが下げられる

・株式会社GEOTRAは三井物産とKDDIの合弁会社で、主に人流データを活用したソリューションを提供している。
・創業当初から内製開発を重視し、正社員に固執せず副業エンジニアを積極的に採用した。
・副業採用により、エンジニアからの貴重なフィードバックを得られ、転職意向もうまく把握できた。
・エンジニアの採用では副業から正社員への転換が理想的だが、営業職などは最初から正社員が適している。
・今後もデータサイエンティストやWebダッシュボード開発者など、データ分析能力のあるエンジニアを求めている。

「内製化のハードルは下げられる。」GEOTRAの代表が語る副業転職のメリットと、正社員転換できる人材要件

2 受託開発会社に依頼から内製化し自社開発に切り替えた事例

事例1: スタートアップ企業の開発体制構築

ベンチャー企業のスタートアップ段階では、資金が限られているため、開発会社への外注は避けたいところです。そこで当初から副業エンジニアを活用し、開発体制を構築しました。事業が軌道に乗り、資金調達が可能になった段階で、優秀な副業エンジニアを正社員として採用していきました。

この事例では、限られた資金で開発体制を立ち上げられたことが副業採用の大きなメリットでした。また、採用前から企業文化に馴染める人材を選べたため、エンジニアの離職リスクも低く抑えられたそうです。

特に、事業成長途中や資金調達の目処が立ち、開発組織をしっかり作っていきたい企業の皆様はCTO、VPoE、EM、PO、PMなどのポジションの採用を始められます。

もしも、現在開発会社に依頼しており、内製化を進めたい、などがある場合は、以下が必要です。

やること

理由

現在のプロダクトの技術スタックの整理

現在の開発チーム、体制、進め方の状況を把握するため

アーキテクチャ部分・開発のソースコードの状態の把握

現在の開発の品質を把握し、それに応じた社内の体制、採用を進める必要があるため

開発会社からの移管のプロジェクトマネジメント

ソースコード、バックログなどのチケット、データベース移行などが含まれる場合、大幅に時間がかかる可能性があるため、早めに着手するのが吉です。

この壁打ちをできる方は社内にいない・セカンドオピニオンを得たい、のであれば、業務委託での技術顧問やCTO顧問などの活用がおすすめです。また、そういった技術顧問で業務委託で入社された方が、VPoEなどに就任するケースもあります。

弊社事例ですが、技術顧問で2年入ってもらっており、前職サイバーエージェントで300名ほどの開発組織の人事室長をしていた佐藤が正社員入社しました。超ハイクラスの採用は、業務委託から依頼し、口説いていくというのが、コストも採用にかける工数(手段がわからないため無駄に手を打ちまくってしまいやすい)もかからない形であります。

Offersを提供するoverflow、佐藤歩氏がVPoEに就任

事例2 : 年間開発コスト2億円から内製化で人件費3,000万+開発ナレッジが蓄積

顧客:売上1000億円以上のエンタープライズ企業
開発:自社の開発組織に加えて、開発会社に開発業務を委託していました。
開発コスト:開発業務の年間の発注金額が、2億円近く
Offersへの相談目的:この開発コストのコストダウンと開発の内製化による開発速度の改善、開発組織の組成、開発ナレッジの蓄積を目的に本プロジェクトがスタート。

Offersで内製化コンサルティングサポート(現在はご希望によりカスタマイズしてご相談に乗っております)で、以下を行いました。

内製化のための開発組織ヒアリング

  1. クライアントのa企業の開発組織の状態をヒアリング
  2. 受託開発会社にOffersチームからヒアリング
    1. プロジェクトマネジメント
    2. 体制
    3. 開発のアーキテクチャ

採用の実行周り

  1. 内製化のための人材の要件定義
    1. システム子会社の検討を含めたご提案
  2. 採用の候補者のリストアップ
  3. スカウト送信
  4. 採用面談

面談設定はこちら(ご相談は無料)

3 副業からの正社員採用で事業を加速する

本記事では、副業からの正社員採用のメリットと実例を紹介し、事業拡大を目指す企業経営者や人事担当者の皆さまに参考となる情報をお届けします。

低コストでの人材確保

副業採用の最大のメリットは、事業の立ち上げのコストを抑えられることです。開発会社への外注に比べ、副業人材の活用はコストパフォーマンスが高くなります。特に資金調達が難しい時期や、事業の成長が不透明な段階では、副業人材の活用が重要な選択肢となります。

開発会社との比較ケース

※特にスタートアップの初期フェーズを想定しており、正社員採用は中心人物の採用には必須です。

開発会社

正社員

副業

コスト

x

開発リソースが集まるまでのリードタイム

x

レベルの高い人材との接点

x

開発会社と副業人材の比較

コストの外注費、副業人材のコストや人数は一例です。 開発会社の外注費がもっと高い場合には、副業人材や正社員採用に切り替える=内製化は早期に検討したほうが良いでしょう。

開発会社

副業人材・正社員

開発コスト

月300万円

内製化する場合、
月60-70万円の人が
4.5人-5人採用可能

開発者のレベル

アンコントローラブル

採用時にコントロール可能

組織へのナレッジ

蓄積しない

蓄積する

開発スピードのリスク

開発会社のアサインと人材の質と採用に依存するためリスク高い

自社採用でリスクはコントロールができる

中長期への開発組織づくり 文化形成

不可能

可能

コミュニケーションコスト

開発会社の窓口やエンジニアとのコミュニケーション、ディレクションコストが発生

副業人材でもコミュニケーション、ディレクションは発生するが、社内なので開発会社よりはコミュニケーションコストは低い

スキルとパフォーマンスの事前確認

副業採用では、採用前から実際に業務に携わってもらえます。そのため、スキルやパフォーマンスを確認しながら、正社員として採用するかどうかを判断することができます。

これにより、ミスマッチのリスクを大幅に低減できます。開発会社に依頼したが、それがどれくらいの品質なのかわからない、品質が低いが依頼し続けないといけない状況は事業やプロダクトの成長を妨げる要因になります。

即戦力の確保

副業人材は既に業務に精通しているため、正社員として採用した際にもスムーズに業務を遂行できます。新規採用の場合と比べ、教育コストや立ち上がりの時間を大幅に節約できます。

カルチャーマッチングの実現

副業採用では、採用候補者が正社員採用前から企業文化や雰囲気を体験できます。正社員として採用する際のミスマッチを防ぐことができ、離職リスクを低減できます。特にスタートアップで組織規模が小さい場合に離職が多いとカルチャーを作る・蓄積することができず組織が育たない状態になります。

ーー:小間さんは、Offersを1年ほど使っていただいていると聞いています。 その中で、副業採用がよいと感じるところはありますか? 小間氏:そうですね。特にカルチャーマッチの面において、 30分や40分程度の時間では人材の見極めは難しいです。 ハードスキルの面では分かる部分もあるのかもしれませんが、 ソフト面の評価は、互いに時間をかけて評価していく必要があると思います。 その点で、Offersを活用した副業採用はミスマッチが起こりづらい点が、良いと感じています。

「トライアル期間でカルチャーマッチの相互見極めを。」副業採用を経て正社員登用に成功したシンプルフォーム社が重要視する採用基準

4 副業採用の実践ポイント

最後に、副業採用を実践する際のポイントを紹介します。

  1. 目的を明確にする: 副業採用の目的(コスト削減、内製化、事業拡大など)を明確にしましょう。開発会社に依頼するときは、資金調達や事業状況を考慮しつつ、徐々に開発組織の内製化に着手していきましょう。
  2. 採用プロセスを構築する: 副業採用の流れ(求人内容、選考、契約など)を整備しましょう。正社員採用とは異なる部分も多いです。副業採用時のソフトスキル・ハードスキルの見極め、その後の副業転職を見据えるかどうかでやり方も変わってきます。

副業採用には多くのメリットがあり、今後さらに活用される機会が増えていくことでしょう。

事業拡大を目指す経営者や人事担当者の皆さまには、ぜひ副業採用についても検討いただければと思います。

内製化に向けて副業人材を活用したい、その部分での導入のコンサルティング含めて採用していきたい方は、ぜひ一度お話しさせてください。

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