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研修の事例は人数で測る、金融庁が選んだ上場7社の開示

研修の事例は人数で測る、金融庁が選んだ上場7社の開示
鈴木 裕斗監修者

株式会社overflow / 代表取締役 CEO

鈴木 裕斗

株式会社サイバーエージェントに新卒入社。広告営業を経て、Amebaプラットフォームの管轄責任者に就任。その後、スタートアップ企業に入社、代表取締役就任を経て2ヶ月後に株式会社ディー・エヌ・エーにM&A、子会社化。子会社代表取締役とDeNA広告部長を兼任。2017年6月、株式会社overflowを創業。2018年から2020年9月末までエキサイト株式会社の社外取締役を兼任。

研修を受けた人に聞くと、ほとんどが「役に立った」と答えます。回答がここまで上限に近いと、その回答だけで良い研修とそうでない研修を見分けるのは難しくなります。

研修の事例を集めても、並ぶのは研修の中身ばかりになりがちです。何人を育て、どこまで到達したかまで分かる事例は多くありません。

一方で上場企業は、育成の取組を有価証券報告書で開示しています。金融庁はその中から好事例を選び、抜粋を1冊の資料にまとめました。

この記事では、その資料で人的資本の開示例に載る7社の抜粋を読みます。7社のうち3社(横浜フィナンシャルグループ・NTTデータグループ・イズミ)は、研修の成果を受講後の評価ではなく、認定・資格で確かめた到達の水準と人数で開示していました。

研修事例を企業の開示で読む資料は金融庁の好事例集

研修の事例を企業自身の言葉で読める資料は、有価証券報告書です。人的資本の欄に、育成の方針と指標を書く決まりです。ただし全社の報告書を読み比べるのは手間がかかります。

金融庁は2018年度から毎年度、有価証券報告書の開示の好事例集を公表しています。2026年3月27日には『記述情報の開示の好事例集2025』の最終版を公表しました。人的資本を扱う部分は、2025年12月25日に先に公表されています。出所:金融庁『記述情報の開示の好事例集2025』(2026年3月27日公表)。

本記事で読む7社

人的資本の開示例として載る7社を、すべて読みます。いずれも2025年2月期・3月期の有価証券報告書の抜粋でした。

記述には2つの用語が頻繁に出てきます。OJT(On the Job Training)は職場の実務を通じた育成、Off-JT(Off the Job Training)は職場を離れて受ける研修です。国の統計では、同じものを OFF-JT(OFF-the-Job Training)と表記します。

企業

業種

研修・育成の記述の中心

日立製作所

電機

企業内大学のDX研修体系と、採用・買収を含むデジタル人財の確保数

NTTデータグループ

情報サービス

専門性の認定制度と、生成AI・クラウド人財の育成人数

横浜フィナンシャルグループ

銀行

OJTとOff-JTの連動と営業のスキル認定

丸井グループ

小売・金融

理念の対話と、研修費を含む人的資本投資額

イズミ

小売

選抜研修と技能ライセンスの取得率

うるる

ITサービス

新入社員のオンボーディングと管理職候補者研修

カプコン

ゲーム

若手のOJT/Off-JTと管理職候補者研修

出所:金融庁 同好事例集 2.「人的資本、従業員の状況」の開示例(2026年3月27日公表)。

うるるは、中堅中小上場企業の参考例として選ばれた1社です。直近決算期の売上高が300億円以下の企業から選んだと、資料に明記されています。

なお横浜フィナンシャルグループの旧商号は、コンコルディア・フィナンシャルグループです(2025年10月1日に変更)。

好事例集の読み方

金融庁の「記述情報の開示の好事例集2025」は、各社の有価証券報告書から該当箇所を抜き出して並べた資料です。本記事の各社の記述と数値も、すべてこの抜粋から引きました。抜粋ごとに、金融庁が着目したポイントが添えられています。

ただし資料は、公表をもって各社の開示内容に誤りが無いことを保証するものではないと注記しています。数値は各社が自ら開示した値として読むのが正確です。

研修の平均的な量は国の統計で押さえる

他社の事例を読む前に、国全体の研修の量を知っておくと比較の物差しになります。厚生労働省の令和7年度「能力開発基本調査」は、費用と時間の両方を出している統計です。費用は企業調査、実施の割合は事業所調査、受講時間と役立ちは個人調査の値です。

指標

値

OFF-JTに費用を支出した企業

50.1%

OFF-JT費用の労働者一人当たり平均額(費用を支出した企業)

2.0万円

OFF-JTを実施した事業所

72.6%

受講者の平均延べ受講時間(正社員)

22.2時間

受講したOFF-JTが役に立ったとした者

96.0%

出所:厚生労働省『令和7年度「能力開発基本調査」の結果』(2026年7月31日公表)。

費用は令和6年度1年間に費用を支出した企業の平均で、支出していない企業は含みません。前回の1.5万円から0.5万円上がりました。費用を支出した企業の割合も、前回の49.4%から上昇しています。

表の最下段が、冒頭で触れた「役に立った」の数字です。労働者全体の96.0%が、受講したOFF-JTが役に立ったと答えました。調査は研修ごとの内訳を示していませんが、ここまで上限に近い指標は、研修の良し悪しを見分ける物差しにはなりにくいと考えられます。

受講者の半数は年10時間未満

受講時間は、平均だけ見ると実態を取り違えます。OFF-JTを受けた人(労働者全体)の延べ受講時間は、5時間未満が22.0%、5時間以上10時間未満が27.1%でした。

合わせると、受講者の約半数が年に10時間未満です。労働者全体の平均の20.5時間は、長時間の受講者に引き上げられた値と読めます。出所:同調査。平均は、回答の時間階級ごとに中間値を当てた推計値です。

正社員以外の平均は11.2時間で、正社員の22.2時間の半分ほどです。研修の量は、雇用形態によって大きく差が開いています。

研修の対象は新入社員と中堅に寄る

正社員にOFF-JTを実施した事業所を職層別に見ると、新入社員が58.7%、中堅社員が57.4%でした。管理職層は49.0%にとどまります。出所:同調査(2026年7月31日公表)。

新入社員研修の事例が目に付きやすいのも、実施する事業所の多さと整合します。管理職の育成は、実施の段階で一段少ない水準です。

7社の研修事例のうち3社は人数と到達で測る

NTTデータグループ・横浜フィナンシャルグループ・イズミの3社は、研修の中身より先に、どの水準に何人が届いたかという数字を開示しています。日立製作所はデジタル人財の確保数を、丸井グループは研修費を含む投資額を、うるるとカプコンは研修の設計を記述の中心に置いていました。

NTTデータグループは専門性の認定者数を目標に置く

NTTデータグループは、専門性とレベルを認定する制度「プロフェッショナルCDP(Career Development Program)」を、2003年以降約20年にわたって運用しています。所属組織の上下関係だけでなく、専門性のカテゴリーごとに組織を越えて指導し合う仕組みです。

指標

2024年度目標

2024年度実績

2025年度目標

プロフェッショナルCDP新規認定者数

1,500名

1,850名

1,500名

グローバル経営人財育成プログラム(GLP)新規修了者数

20名

32名

20名

出所:同好事例集に掲載のNTTデータグループ 有価証券報告書(2025年3月期)抜粋。

認定の基準があるため、研修を受けた人数ではなく、水準に届いた人数を目標と並べて数えられます。グローバル経営人財育成プログラム(GLP)の修了者は、全世界で累計382名になりました。

技術領域ごとの育成人数も記載されています。生成AIでは、全社員向けの基礎知識のレベル(Whitebelt)から、プロジェクトを率いて後進を育てるレベル(Blackbelt)まで段階を設け、2024年度に15,000人の育成目標を達成しました。クラウドでは、グローバル共通の教育プログラムで30,000人以上の技術者を育成したとしています。

横浜フィナンシャルグループは上級者の人数で測る

横浜銀行などを傘下に持つ同社は、OJTとOff-JTを連動させた育成を実践しています。狙いは若手行員の早期戦力化と、顧客に解決策を提案するスキルの高度化です。営業人員向けには、スキルレベルの認定制度も設けました。

重要な指標に置いたのは、スキルレベル上級者の育成人数です。

指標

2022年度

2023年度

2024年度

目標

営業人員スキルレベル上級者育成数

122名

87名

93名

187名(3年累計)

営業人員数

2,237名

2,261名

2,395名

2,510名

一人あたりソリューション収益

90百万円

97百万円

107百万円

153百万円

出所:同好事例集に掲載の横浜フィナンシャルグループ 有価証券報告書(2025年3月期)抜粋。

目標は2027年度の値で、上級者育成数だけは2025〜2027年度の3年累計です。

研修の成果が、営業人員一人あたりの収益と同じ表に並んでいます。表は両者の関係を式で示してはいませんが、育成の目標と事業の目標を同じ期間で並べて読める形です。

2023年度の上級者育成数は前年を下回りました。減った年も含めて毎年の実数を並べており、増減の理由を後から問える形です。

イズミは選抜研修と技能ライセンスを分ける

イズミは、階層別研修に加えて、経営人材の育成を目的とした選抜研修を行っています。選抜プログラムの「イズミ大学」は2年間の研修で、部課長から将来の経営幹部候補を選びます。

階層別研修の側では、強みである生鮮食品・惣菜に合わせた技能の認定を置きました。

指標

2022年度

2023年度

2024年度

2025年度目標

イズミ大学参加人数(累計)

49名

78名

103名

103名

生鮮技能ライセンス取得率

48%

48%

52%

60%

食品安全ライセンス認定試験合格者数

0名

0名

432名

2,000名

出所:同好事例集に掲載のイズミ 有価証券報告書(2025年2月期)抜粋。

生鮮技能ライセンスは鮮魚・精肉・惣菜・青果ごとに基準があり、達した社員には手当が付きます。研修の到達を、処遇と結びつけている例です。

食品安全ライセンスの2023年度の検定は、2024年2月のランサムウェア被害の影響で中止になったと記載されています。

日立製作所はデジタル人財の確保数を中期経営計画に置く

日立製作所は、企業内大学の日立アカデミー社を中心に、100コース以上にわたる独自のDX研修体系を持ちます。あわせて、実務経験を通じた育成プログラムも拡充してきました。

デジタル人財は、2024中期経営計画の目標97,000人に対し、2024年度までに107,000人を確保しました。この人数は研修で育てた人数だけではなく、採用・事業買収で獲得した人財も含む確保の人数です。抜粋の本文には、研修で育てた人数を分けて示す記述はありません。出所:同好事例集に掲載の日立製作所 有価証券報告書(2025年3月期)抜粋。

経営リーダー候補の育成は、OJTとOff-JTの組み合わせです。経営者ポジションを含むタフアサインメント(難度の高い職務への配置)と、社外トレーニング・コーチングを併用しています。

丸井グループは研修費を投資額に含めて開示する

丸井グループは、研修の効果ではなく、人に投じる金額の側を開示しています。開示するのは教育・研修費だけの額ではありません。人的資本投資を、従来の教育・研修費に新規事業に係る人件費や、グループ会社間で職種を変えて異動した社員の1年目の人件費などを加えて再定義しました。

再定義後の人的資本投資は、2025年3月期で88億円です。2022年3月期の77億円から、2026年3月期には100億円へ広げるとしています。いずれも好事例集に載る同社の有価証券報告書(2025年3月期)の抜粋からの値です。

研修の外側の施策も記述されています。理念を話し合う対話の場には、10年以上で4,500名以上の社員が参加しました。グループ会社間の職種変更異動は、全グループ社員の約86%が経験しました。

うるるとカプコンは管理職の手前で育てる

うるるは、次期管理職を目指す正社員に管理職候補者研修を行っています。外部パートナーと独自のプログラムを組み、約9ヶ月間にわたって事業マネジメントと人・組織マネジメントを反復して学ぶ形です。

同社は、新入社員に向けて、入社の経路ごとに分けたオンボーディングプログラムを、全社横断のプロジェクトとして導入しています。中途入社者の立ち上がりも、研修体系の一部として設計している例です。出所:同好事例集に掲載のうるる 有価証券報告書(2025年3月期)抜粋。

カプコンも、管理職候補者に対するマネジメント力向上のための研修を挙げています。開発人員の育成では、若手育成のためのOJT/Off-JTの充実を施策に置きました。

うるるの型は専任の組織を前提にしない

7社のうち、企業内大学のような専任の組織を持たない会社が参考にしやすいのは、うるるの管理職候補者研修だと考えられます。資料にあるのは外部パートナーと共にプログラムを構築・実行する形までですが、社外の力を借りて組む分、自前の研修組織を置かなくても始めやすい形です。

研修の期間でも差があります。うるるの研修は約9ヶ月間にわたって学習のサイクルを繰り返す形で、イズミの選抜研修は2年間のプログラムでした。

日立製作所の100コースを超える研修体系は、企業内大学という専任の組織があって成り立つものです。同じ形をいきなり目指すより、到達の測り方だけを借りる読み方が現実的です。

7社の開示から取り出せる研修の組み方は3つ

7社の記述から、研修を組むときに移せる型が3つ取り出せます。3つとも、研修の中身より手前にある置き方の話です。

育成の人数を事業の必要数から決める

1つ目は、何人を育てるかを先に決める型です。NTTデータグループが専門性の新規認定者数を、横浜フィナンシャルグループが上級者の育成人数を、それぞれ目標に置いています。日立製作所も、採用・買収を含むデジタル人財の確保数を中期経営計画の目標に置きました。

人数が決まれば、研修の定員と期間はそこから逆算で決まります。まずは研修の企画書に、事業側の必要数を1行入れるところからでも始められる作業です。

ただし必要数は、事業計画の側が先に出さないと逆算できません。研修担当だけでは決められないため、事業部門と数字をすり合わせる場を先に置く必要があります。

到達を認定・資格で測る

2つ目は、研修の成果を到達の水準で測る型です。NTTデータグループの専門性の認定、横浜フィナンシャルグループのスキル認定、イズミの技能ライセンスが該当します。

前述のとおり、受講したOFF-JTが役に立ったとする回答はほぼ上限に張り付いていました。到達の基準を持つと、研修を受けた人と受けて水準に届いた人を分けて数えられます。

ただし認定制度は、基準づくりと判定に手間がかかる仕組みです。全職種に一度に入れず、成果と技能の結びつきが明確な職種に絞って始めると無理がありません。

選抜した層に長い期間の研修を置く

3つ目は、選抜した層に長い期間をかける型です。部課長から経営幹部候補を選ぶイズミの選抜研修は2年間、次期管理職を目指す正社員に向けたうるるの管理職候補者研修は約9ヶ月間でした。

国の統計で管理職層向けのOFF-JTを実施した事業所は49.0%で、新入社員向けの58.7%より9.7ポイント低い水準です。管理職の手前を対象にした研修は、うるるとカプコンの2社が管理職候補者研修として挙げています。

長期の選抜研修は、受講者の通常業務と並行して進むのが普通です。業務の引き継ぎや周囲の負担の手当てまで含めて設計しないと、途中で脱落者が出やすくなります。

育成で埋まらない分は採用の工程を見る

研修を設計しても、教える側の人材が足りなければ計画は進みません。研修の設計で見落としやすいのが、この育てる側の人手です。国の統計では、能力開発や人材育成に何らかの問題があるとする事業所が80.1%でした。

問題点の内訳(複数回答)で最も高いのは、指導する人材が不足している59.5%です。人材を育成しても辞めてしまう51.6%、人材育成を行う時間がない45.5%が続きます。出所:厚生労働省 令和7年度能力開発基本調査。

指導する人材が足りないなら、研修を増やす前に、教える側の人材を外から迎える選択肢があります。たとえば若手エンジニアの育成を担える経験者を中途で迎える場合、確認したいのは自社の採用がどの工程で詰まっているかです。

エンジニア採用力チェックは、エンジニア採用力を5指標24項目でスコアリングし、競合比較と改善アクションを含む12ページのレポートをメールで届ける無料の診断です。育成で埋める分と採用で埋める分を分けるときの、採用側の現在地を先に測れます。

育成と採用を同じ表で考える

7社の開示にも、育成だけで必要数を満たさない前提が書かれています。日立製作所はデジタル人財の確保に、研修と並べて採用と事業買収を挙げました。

イズミは、今後の取組としてスキルの棚卸しを掲げています。どんなスキルを持った人材がどこに何人必要か、不足する場合にどう育成あるいは採用するかを考え抜く必要があると記述しました。出所:同好事例集に掲載のイズミ 有価証券報告書(2025年2月期)抜粋。

中途で迎えた人材の立ち上がりは、研修とは別の設計が要ります。進め方はオンボーディング設計の5段階と定着・育成の組み方で扱いました。

自社の研修事例を作る4つの手順

他社の事例を読んだ後は、自社の研修を同じ形式で書けるかが次の段階です。人数と到達を開示した3社の形式に沿うと、手順は4つになります。

  1. 必要数を置く:事業計画から、育てる人数と時期を1行で書く
  2. 到達を決める:認定・資格・職務の変化など、受講以外の到達の基準を決める
  3. 期間を割り当てる:選抜層には月単位、全員向けは時間単位で配分する
  4. 推移を残す:人数と到達を年度ごとに並べ、目標の年度まで記録する

4つ目は、横浜フィナンシャルグループとイズミが複数年度の表で、NTTデータグループが目標と実績の対比で示していた部分です。単年の実績だけでは、研修が効果を上げたのか、たまたま数字が動いたのかを区別できません。

研修の量は統計と比べて確かめる

自社の研修の量が妥当かは、国の統計と比べると判断できます。比べる軸は2つです。

  • 一人当たりのOFF-JT費用が、費用を支出した企業の平均の2.0万円に届いているか
  • 受講者の年間の延べ受講時間が10時間未満に偏っていないか

どちらも、国全体の中での位置を知るための物差しです。費用の2.0万円は支出した企業だけの平均なので、支出の無い企業を含めた平均より高めに出ます。上回ったからといって十分とは限りません。

研修の個別テーマのうち、面接官の育成については面接官研修の選び方|精度と法令と費用で絞るで扱いました。

開示の要件が研修の書き方を変える

人材戦略を企業戦略と関連付けて書くことは、2026年から有価証券報告書で求められるようになりました。金融庁は2026年2月20日に開示府令の改正を公布・施行しています。

有価証券報告書で新たに求められるのは、連結ベースの企業戦略と関連付けた人材戦略、それを踏まえた従業員給与等の決定方針、従業員の平均給与の対前年比増減率の3点です。適用は2026年3月31日以後に終了する事業年度からになります。出所:金融庁『企業内容等の開示に関する内閣府令等の一部を改正する内閣府令等の公布及びパブリックコメントの結果について』(2026年2月20日公布)。

改正は研修や育成の指標の書き方までは定めていません。それでも、横浜フィナンシャルグループが上級者育成数を一人あたり収益と同じ表に並べ、NTTデータグループが認定者数を中期経営計画の人財戦略の指標に置いていたのは、人材戦略を事業の戦略と並べて読ませる書き方として参考になります。

制度改正の全体像は人的資本とは?2026年の制度改正で何が変わったかで扱いました。人事施策の事例を国の事例集で読む方法は、人事戦略の事例、公表19社の偏りと再現条件にまとめています。

研修の成果は受講後の評価ではなく人数と到達で示す

受講者の96.0%が役に立ったと答える以上、その回答だけで研修の良し悪しは語れません。7社のうちNTTデータグループ・横浜フィナンシャルグループ・イズミの3社が開示していたのは、認定・資格で確かめた到達の水準と、そこに届いた人数でした。

研修の事例を探すときも、同じ物差しで読むと自社に移せる部分が見えます。何人を、どの水準まで、何年かけて育てたか。この3点が書かれた事例ほど、自社の研修計画と予算の根拠に使いやすくなります。

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