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スカウト採用とは?誰が送るかで変わる扱い

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スカウト採用は、企業の側から候補者へ直接声をかける採用手法です。求人を出して応募を待つ形とは、募集の向きが逆になります。

この記事で扱うのは、その一言の先にある2つの問いです。1つは、なぜ応募を待つ形だけでは足りなくなったのか。もう1つは、そのスカウトを誰が送るのかによって、企業が負う手続きがどう変わるのかです。後者は、外部への委託を検討する段階で必ず確かめることになる論点です。

媒体ごとの比較と提示年収の決め方は、それぞれ別の記事に分けました。

Offers HR Magazine編集部監修者

株式会社overflow / 編集担当

Offers HR Magazine編集部

Offers HR Magazine 編集部は、株式会社overflow が運営する採用メディアの編集チームです。エンジニア採用に取り組む人事・採用担当者に向けて、採用手法・人事制度・組織づくりの情報を届けています。

スカウト採用は企業から候補者に直接声をかける採用手法です

スカウト採用とは、企業が求める条件に合う候補者を自分で探し、直接メッセージを送って選考への参加を促す採用手法です。スカウト型採用、ダイレクトリクルーティングとも呼ばれます。

求人広告との違いは、募集の向きにある点です。求人広告は不特定多数に向けて募集を出し、応募を待つ形です。スカウト採用では、個人を特定したうえで企業から声をかけます。

求人広告

スカウト採用

募集の向き

候補者から企業へ応募

企業から候補者へ送信

対象

不特定多数

条件で絞り込んだ個人

届く相手

転職活動をしている層

転職活動をしていない層にも届く

主な工数

原稿の作成と掲載管理

候補者の抽出と文面の作成、送信

費用の発生

掲載期間に対して

利用料または採用の成立に対して

もう1つの違いは、工数がどこにかかるかです。求人広告では原稿を作れば運用の手が離れますが、スカウト採用では送信するたびに候補者を選び、文面を書く手間がかかります。この負荷は後の節で改めて扱う論点です。

スカウト採用には3つの送り手があります

同じ「スカウト採用を始めた」でも、実際に送信している主体は3つに分かれます。

  1. 自社の採用担当者が、スカウト媒体の管理画面から自分で送る
  2. スカウト媒体が持つ機能(一括送信・条件に合う候補者への自動配信など)を使って送る
  3. 外部の事業者に報酬を払い、代わりに送ってもらう

運用の手間も費用も違いますが、差はそこにとどまりません。3つ目は、職業安定法上の扱いが1つ目・2つ目と別になります。この点は後の節で表にします。

応募を待つ形が成り立たなくなった背景は数字に出ています

スカウト採用が広がった理由は、人手不足という一言では足りません。国の集計値は、不足そのものより「不足に対して企業が何をしたか」と「採用のどこで詰まったか」に手掛かりを示しています。

不足への対応として最も多いのは中途採用の強化です

厚生労働省の『労働経済動向調査(令和8年5月)の概況』によると、令和8年5月1日現在の正社員等労働者過不足判断D.I.は調査産業計で+47ポイントの不足超過でした。不足と答えた事業所が49%、過剰と答えた事業所が2%です。情報通信業は+54ポイント(不足55%・過剰1%)でした。

同じ調査では、労働者が不足している部門等に何らかの対応をした事業所の割合が63%(令和8年1〜3月期実績)で、対応した事業所を100とした複数回答のうち最も多かったのが「中途採用の開始・拡大・強化」の69%です。情報通信業では同じ項目が81%に上ります。

出所:厚生労働省『労働経済動向調査(令和8年5月)の概況』(PDF・2026年9月16日確認)。

つまり、不足に直面した企業の多くが選んだ打ち手は中途採用の拡大でした。同じ人材を同じ時期に多くの企業が探す状況は、ここから生まれています。

採用が詰まる最大の理由は応募の少なさです

では、増やした中途採用はどこで詰まるのか。厚生労働省の『令和2年転職者実態調査の概況』では、転職者がいる事業所のうち84.1%が、転職者を採用する際に問題があると答えています。情報通信業では87.0%に上ります。以下はその内訳で、問題があると答えた事業所を100とした複数回答です。

問題の内容(複数回答)

総数

情報通信業

必要な職種に応募してくる人が少ない

67.2%

60.4%

応募者の能力評価に関する客観的な基準がない

38.8%

45.6%

採用時の賃金水準や処遇の決め方

32.3%

37.4%

採用後の処遇やキャリア形成の仕方

17.8%

38.0%

出所:厚生労働省『令和2年転職者実態調査の概況』(PDF・2026年9月16日確認)。

最大の問題は応募の少なさです。求人広告の原稿を直しても、そもそも見ている人が少なければ応募は増えません。企業側から声をかける形が選ばれるのは、この一点に対する打ち手だからです。

応募が少ない原因が求人票や採用ページの見え方にあるのかを確かめたい場合は、エンジニア採用力チェックで企業の公開情報を5指標24項目で採点できます。

情報通信業の内訳には、もう1つ別の特徴が出ていました。応募の少なさが60.4%と総数より低い一方、能力評価の客観的な基準がない(45.6%)と採用後の処遇やキャリア形成の仕方(38.0%)が総数を上回ります。応募を集めるだけでなく、評価と処遇の設計まで含めて詰まりやすい構造です。

誰が送るかで職業安定法上の扱いが変わります

ここが、スカウト採用の解説でほとんど語られない論点です。職業安定法には「スカウト」という言葉がありません。適法かどうかは、サービス名ではなく誰が何をしたかで決まります。

先ほどの3つの送り手と、スカウト媒体の事業者の行為を条文に対応づけたのが次の表です。

誰の行為か

職業安定法上の行為

手続き

根拠

自社の採用担当者が送る(媒体の機能を使って送る場合を含む)

労働者の募集

許可・届出とも不要

第4条第5項

スカウト媒体の事業者が候補者情報を集めて企業に提供する

特定募集情報等提供

事業者が厚生労働大臣へ届出

第4条第7項・第43条の2第1項

外部に報酬を払って送らせる

委託募集

厚生労働大臣の許可(報酬額は別途認可)

第36条第1項・第2項

外部に報酬を払わずに送らせる

委託募集

厚生労働大臣へ届出

第36条第3項

職業紹介事業の許可を持つ人材スカウト型の事業者に委託する

求人の申込み

委託募集の許可は基本的には不要

募集・求人業務取扱要領 Ⅲ1ロ

出所:e-Gov 法令検索「職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)」(2026年9月16日時点の現行条文)、厚生労働省職業安定局『募集・求人業務取扱要領』(PDF・令和7年6月)。

自社の社員が送る分には手続きは要りません

職業安定法第4条第5項は、労働者の募集を「労働者を雇用しようとする者が、自ら又は他人に委託して、労働者となろうとする者に対し、その被用者となることを勧誘すること」と定義しています。

自社の採用担当者が自社の求人について候補者に声をかける行為は、この「自ら」に該当します。許可も届出も要りません。スカウト採用を自社で始めるときに、法的な準備が要らないのはこのためです。

媒体側の届出は事業者が済ませています

スカウト媒体は、候補者に関する情報を集め、それを企業に提供しています。これは第4条第6項第3号(候補者の依頼を受けて候補者の情報を企業に提供する行為)の募集情報等提供のうち、候補者の情報を収集して行うものなので、第4条第7項の特定募集情報等提供に該当します。

この事業を行う者は、第43条の2第1項により厚生労働大臣への届出が必要です。届出をしないで特定募集情報等提供事業を行った場合、第65条第7号により6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金の対象になります。

手続きの義務は事業者側にあるので、利用する企業が何かをする必要はありません。ただし、契約先が届出を済ませているかは確認しておく価値があります。

外部に送らせる場合は許可の要否が変わります

注意が要るのはここです。自社の従業員ではない者に報酬を払い、自社の募集に従事させる形は「委託募集」に該当します。第36条第1項により、募集する企業(労働者を雇用しようとする者)が厚生労働大臣の許可を受ける必要があり、第2項はその報酬の額についてあらかじめ認可を受けることを求めています。報酬を払わずに募集させる場合も、第3項で募集する企業の届出が必要です。

第36条第1項に違反した場合、第64条第7号により1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象になります。第2項・第3項の違反は第65条第4号で6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金です。

厚生労働省『募集・求人業務取扱要領』の定義では、募集従事者は「応募を勧誘する行為を行う者(法人を含む。)」です。このため実務上の境界は、委託先が「自社の代わりに候補者を勧誘するか」で考えます。本稿の整理では、候補者リストの抽出や文面のたたき台の作成、送信後の日程調整といった事務は、勧誘とは別の作業です。これに対し、委託先が自社名義で候補者に応募を働きかける形は、委託募集の側に寄ります。

同じ要領は、職業紹介との関係で2つの留意点を挙げています。1つは、求職者を探して就職を勧め、応じた人をあっせんする「いわゆるスカウト行為」を事業として行う場合で、職業紹介事業に含まれ、事業者には職業紹介事業の許可が必要です。もう1つは、許可を取得している人材スカウト型職業紹介事業者に募集を委託する場合で、その事業者に求人を申し込んだものと解することが適当とされ、委託募集の許可は基本的には不要とされています。

なお、第39条は募集を行う者と募集受託者が応募した労働者から報酬を受け取ることを禁じ、第40条は募集を行う者が募集受託者へ認可の範囲を超えた報酬を与えることを禁じています。候補者側から費用を取るスカウトは、この時点で成立しません。

委託範囲の設計そのものは、RPOで委託できる業務と職業安定法のルールと採用代行(RPO)の仕組みと委託範囲、法律上の境界で扱っています。

スカウト採用のメリットは4つに整理できます

上の背景を踏まえると、スカウト採用の利点は次の4つに集約されます。

メリット

中身

条件に合う相手だけに送れる

スキル・経験・在籍企業などで絞り込んでから声をかける

転職活動をしていない層に届く

求人を見ていない候補者にも接点を作れる

接点の数を自社で調整できる

応募の有無に左右されず、必要な時期に送信量を増減できる

課金のタイミングが違う

掲載期間ではなく、利用料または採用の成立に対して費用が発生する

応募が来ない状態でも接点を作れます

最大の利点は、応募の少なさという最も多い詰まりを迂回できることです。前述のとおり、転職者を採用する際の問題として「必要な職種に応募してくる人が少ない」を挙げた事業所は67.2%でした。応募を待つ設計のままでは、この67.2%はそのまま残ります。

費用は掲載期間ではなく結果に近い側で発生します

費用の比較で分かれ目になるのは「いつ払うか」です。求人広告は掲載期間に対して先に払います。スカウト媒体では、利用料(定額)または採用の成立(成功報酬)が費用の発生点です。人材紹介で費用が発生するのは採用が成立した時点です。

金額の目安として、人材紹介側の単価は厚生労働省の集計値があります。『令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)』によると、令和6年度の常用就職1件あたりの手数料は約103万円(対前年度比10.9%増)でした。

出所:厚生労働省『令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)』(PDF・2026年9月16日確認)。

これは全職種をまとめた平均であり、専門職や管理職ではこれを上回ります。それでも、自社のスカウト運用にかかる年間の利用料と並べれば、どちらが割高かの見当は付きます。職種別の実額と課金モデルの違いは人材紹介の費用、職種別の1件あたり実額と課金モデルにまとめました。

スカウト採用のデメリットは運用の負荷に集中します

一方で、スカウト採用には求人広告に無い負荷があります。

デメリット

中身

送信のたびに手が要る

候補者の抽出と文面の作成が、送信数に比例して増える

成果が担当者の力量に左右される

誰を選び、何を書くかで返信率が変わる

大量採用には向かない

1人ずつ声をかける設計のため、短期間の大量採用とは相性が悪い

効果が出るまでに時間がかかる

転職活動をしていない層が相手のため、返信までの期間が読みにくい

送信数に比例して工数が増えます

求人広告は原稿を1本作れば運用の手が離れますが、スカウトは送信のたびに候補者を選び、その人に向けた文面を書く必要があります。送信数を増やせば、その分だけ工数が増える構造です。

この負荷は、テンプレートの使い回しで下げられるように見えて、実際には返信率の低下という形で跳ね返ります。一括送信の機能を使うほど、文面は当たり障りのないものになります。

大量採用には向きません

1人ずつ声をかける設計なので、短期間にまとまった人数を採用する場面には向きません。その場合は求人広告と併用し、スカウトは要件が厳しいポジションに絞るのが現実的です。

すぐに採用したいという方には、欲しい人材にあなたからアプローチできる、Offersの「スカウト・オファー機能」があります。会いたい候補者のプロフィール情報を検索し、直接メッセージを送信することで急な採用ニーズにも対応できます。

スカウト採用の流れは5段階です

導入から採用までの流れは、どの媒体を使っても大きくは変わりません。

  1. 採用要件を定義する。職務内容、必須スキル、経験年数、譲れない条件と譲れる条件を分ける
  2. 媒体を選び、検索条件を設定する。想定した条件で何人が該当するかを先に確認する
  3. 候補者を抽出し、スカウト文を作成して送信する
  4. 返信があった候補者と面談を設定する
  5. 選考を進め、条件を提示して入社に至る

最初の2段階で決まる部分が大きく、ここが曖昧なまま3段階目に進むと、送信数だけが増えて返信が付かない状態になります。要件を絞り込んだうえで該当者数を確認する手順は、母集団形成とは?応募を待たない中途採用の設計にまとめました。

スカウトの送信そのものを効率化したい場合は、Offersの「スカウト・オファー機能」で候補者を検索し、そのまま直接メッセージを送れます。

スカウトの成果は返信の先の面談と入社まで追って見ます

運用の指標として広く使われているのは開封率と返信率ですが、これだけでは判断を誤ります。返信のうち何件が面談につながり、最終的に入社に至ったのかまで追わないと、送信の量を増やすべきか文面を変えるべきかが決まらないためです。

スカウト文の作り方で変わる数字として、自社の実測があります。Offers が提供するAIスカウト生成機能では、入口に近い指標であるスカウト承諾率で見ると、導入企業A社が13.1%から31.7%へ、B社が19.0%から32.4%へ変化しています。スカウト文の作成工数は80%削減しました。

出所:株式会社overflow「AIスカウト生成機能」リリース(PR TIMES・2024年10月31日・注記は「2024年10月時点、各社スカウト承諾率の実績数値」)。

工数の問題は、送信数を増やす前に文面の質で解ける部分があるということです。承諾率の分母の置き方は承諾率とは?分母の置き方で変わる3つの指標で整理しました。

スカウト採用が向いているのは3つの条件に当てはまる企業です

スカウト採用が適するかどうかは、企業によって分かれます。次の条件に当てはまるほど、投じた工数が回収しやすくなります。

条件

理由

要件が厳しく、応募が集まりにくいポジションを抱えている

応募の少なさという最大の詰まりを正面から解ける

採用の時期を自社で決めたい

応募の有無に左右されず、送信量で接点を調整できる

知名度に依存しない訴求ができる

求人を見て応募する動機が弱くても、個別に伝えれば届く

逆に、応募は十分に来ていて選考の途中で辞退が多い場合、詰まっているのはスカウトの前の工程ではありません。その場合は選考プロセス側の見直しが先です。段階ごとの詰まりの測り方は採用の歩留まり|計算式と段階別の基準値の置き方にまとめています。

契約前に確かめるのは3点です

媒体そのものの比較はスカウト媒体の選び方|採用0人74.5%が示す条件にまとめました。ここでは、どの媒体を選ぶ場合でも共通して確かめる3点を挙げます。

  1. 想定した検索条件での該当者数。自社の要件で絞ったときに何人残るかを、登録者総数とは別に契約前へ確認する
  2. 課金のタイミングと、送信数の上限。定額か成功報酬か、定額の場合に月間何通まで送れるか
  3. 運用を外部に出す場合の契約形態。報酬を払って自社の募集に従事させる形なら、前述の委託募集に該当し得る

3点目は、スカウトの運用代行を検討する段階で必ず確かめることになります。委託募集に該当する形なら、厚生労働大臣の許可(報酬を払わない場合は届出)を受けるのは募集する自社の側です。委託先が職業紹介事業の許可を持つかどうかで扱いが変わるため、その許可の有無を契約前に確かめます。

判断の順番を整理します

最後に、この記事で扱った内容を判断の順に並べ直します。

  1. 詰まっている段階を特定する。応募が来ないのか、選考で辞退されるのか。後者ならスカウトでは解けない
  2. 送り手を決める。自社で送るなら手続きは要らない。外部に報酬を払って送らせるなら、委託先が職業紹介事業の許可を持つかを確かめ、委託募集として自社に許可が要るかを確認する
  3. 該当者数を確認してから契約する。登録者総数ではなく、自社の要件で絞った人数を見る
  4. 返信の先の面談と入社まで追って評価する。送信量を増やす前に、文面で解ける部分があるかを確かめる

スカウト採用は、応募を待つ設計では届かない相手に接点を作る手法です。同時に、送信のたびに手がかかり、外に出せば手続きが付いてきます。始める前に、この2つを同じ表に載せて比べておくことをおすすめします。

関連する記事として、スカウトとヘッドハンティングの違い、費用と使い分けとスカウトの提示年収の決め方と上げ幅の実勢もあわせてご覧ください。

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