中途の即戦力採用とダイレクトリクルーティング・AIスカウト
即戦力の中途採用について、鈴木はポイントの1つにAIスカウトを挙げました。エンジニアの売り手市場のなかでダイレクトリクルーティングが広がり、候補者に選ばれやすい理由が3点あると説明しています。
鈴木:ここからは私から、中途でエンジニアの即戦力人材をどう採用すべきかをお話しします。
鈴木はまず市場の現状として、2030年のIT人材不足の推計を挙げました。スライドの「79万人」は、経済産業省の試算のうち、IT需要の伸びを最も高く見た場合の値です。同省の委託調査「IT人材需給に関する調査」(2019年3月)では、高位の条件で78.7万人と試算されています。
同じ試算が示す2030年時点の需給ギャップは、生産性上昇率0.7%の場合で16.4万人〜78.7万人(中間では44.9万人)の幅です。
鈴木:採用未充足率は80%で、100社あれば80社は満足いくエンジニア採用ができなかったという状況です。
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続いて鈴木は、ダイレクトリクルーティングがポピュラーになったと述べました。スライドの記載は、ダイレクトリクルーティングを「最も多く採用できた手法」として約4割の企業がトップに挙げている、というものです。
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鈴木:ダイレクトリクルーティングが候補者に選ばれやすいポイントは3点あります。1点目は自己効力感で、「あなたのこのスキルが評価された」というメッセージが届くので、入りの感触がいい。2点目は情報の透明性で、直接企業から情報共有を受けられると安心感が得られます。
3点目は時間価値の最大化で、エンジニアは忙しく電話を嫌う傾向もあるため、スカウト・メッセージ中心の方がタイパがいいと判断されるケースが多いです。
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エンジニア採用力チェックでは、企業URLをもとに公開情報を5指標24項目で採点したレポートが、原則1営業日以内に届きます。
スカウトを社内外でどう使い分けるかは、「人事のスカウト、社外と社内の使い分け」で整理しています。
「いいスカウト」の3条件とAI自動スカウトの返信率
鈴木が挙げた「いいスカウト」の条件は、候補者への言及、簡潔で具体的な企業紹介、候補者に合わせた募集ポジションの説明の3点です。文面づくりにかかる工数をAIで減らす、というのがAI自動スカウトの発想の起点でした。
鈴木:いいスカウトの条件はOffersのサービス内のスカウトを分析して分類していますが、今日は3点お話しします。
1点目は候補者への言及で、これが最も大事です。
「あなたでなければならない」という特別感が重要で、候補者のこの経験が我々の会社にフィットすると考えている、という言及がないと返信率に影響します。
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2点目は企業紹介・事業内容で、簡潔かつ具体的が鍵です。
会社概要を長々と説明するより、何の事業をやっていてどういう会社にしたいか、最近こういった企業に導入されている、といった各論が入ると返信率が上がります。
3点目は募集ポジション・役割で、求人を載せるだけでなく、その方に合わせて「求人のここが合っている」と主張するといいです。
これらを作るには、候補者のレジュメを読み込み、自社求人を読み込み、双方が合う部分を考えてテキストに起こす作業で、非常に時間と工数がかかります。そこでAIを活用できないかが発想の起点でした。
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実際の生成画面では、候補者の職務経歴書と企業側の求人データの双方をAIが読みに行き、「転職を1年以内に考えている」といった点や「エンジニアリングマネージャーとしてピープルマネジメントとインフラも担う」といった点を職務経歴書から拾い、「なぜあなたにスカウトを送るのか」につなげます。
ある企業様では、候補者プロフィールの読み込みに時間がかかること、採用担当がエンジニアでないケースが多くエンジニアに刺さる書き方・訴求を発想するのが難しいことが課題でしたが、自然に作ってくれる点をメリットに感じていただき、結果として返信率が導入前13%から31%ほどまで上がり、文面作成時間も大幅に圧縮できました。
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実際の効果は、通常スカウトの返信率平均12%が、自動スカウトで19%まで増えています。もう1点、自動リマインド機能も大事で、売り手市場では1通目に目を通してくれても返信に移る腰が重い。自動リマインドを使った場合は17%の返信率ですが、リマインドしなかった場合は3%にとどまります。
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採用チャネルの使い分けとAIスカウトの提供形態(質疑応答)
質疑応答で鈴木は、採用の優先度・緊急度が高ければダイレクトリクルーティング、中長期であれば人材紹介が合っていると答えました。AIスカウトは、サービスに組み込まれたものと、複数のサービスをまたいで使えるものの両方があります。
以下は2025年5月の開催時点の回答です。
参加者から「中途採用を強化したく、エージェントとダイレクトリクルーティングの導入を考えています。様々なサービスがあり判断がつかないので特徴を教えてください」という質問が寄せられました。
鈴木:中途領域では、大きくダイレクトリクルーティング・求人媒体・人材紹介です。一番ポピュラーなのが人材紹介で、成果報酬型なので基本リスクなく契約を結べますが、問題はそこからです。
エージェント心理としては、決まりやすい企業、つまり候補者から人気・知名度・条件のいい企業、フィーの高い企業に力学的に寄ります。他社との競争が透明性の低い場で行われるので、一次情報を取得しながらのエージェントマネジメントが大事で、実はダイレクトリクルーティングより工数がかかるとも言われます。
続いて、ダイレクトリクルーティングについての説明です。
鈴木:ダイレクトリクルーティングは早ければ即使え、コントローラブルで、自分で行動すれば100通打てば必ず10通は返ってくるので、行動を担保できれば着実に採用につながります。大雑把に言えば、採用の優先度・緊急度が高ければダイレクトリクルーティング、中長期であれば人材紹介が合っていると思います。
人材紹介を使うときの工程は「人材紹介のフロー9工程」、スカウト媒体の選び方は「スカウト媒体の選び方」にまとめました。
2つ目の質問は「AIスカウトは各ダイレクトリクルーティングとは別のツールですか、それともサービスによって提供されるものですか」です。
鈴木は、登壇で紹介したものはOffersの中で使えるAIスカウトツールだと答えたうえで、次のように続けました。
鈴木:別途、最近は「複数のダイレクトサービスをまたいで使える」ツールもあるので、複数サービスを併用する企業さんはそちらの方がいいかもしれません。
鈴木は最後に、まずは試してみることを勧めました。
鈴木:勉強会で理解することとできることは違うので、スモールに始めるところから始めていただけると嬉しいです。
おわりに
即戦力の中途採用では、候補者一人ひとりに向けたスカウトで振り向いてもらえるかが分かれ目になります。鈴木が挙げた条件は、候補者への言及、簡潔で具体的な企業紹介、候補者に合わせた募集ポジションの説明の3点でした。
文面づくりにかかる時間と工数はAIで減らせます。まず自社のスカウトのどこから手を付けるか、その一歩を持ち帰っていただければ幸いです。