エンジニア内定後のフォロー方法8選を解説。内定辞退されないために企業がすべきこととは

Offers HR Magazine編集部 2023年8月28日

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エンジニアの内定辞退が多い企業は、内定後のフォローが行き届いていない可能性があります。いつ・誰が・何をするかを社内で話し合い、内定者がスムーズに入社日を迎えられるようにサポートしましょう。フォローの具体例や実施上の注意点を解説します。

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なぜエンジニアに内定者フォローが必要なのか

(出典)https://www.pexels.com/

内定者フォローとは、企業が内定や内々定を出した学生・中途採用者をフォローする施策です。「エンジニア採用では、内定者フォローが必須」といわれる理由やフォローの目的を理解しましょう。

内定辞退・早期離職の防止

内定者フォローの主な目的は、内定辞退や早期離職の防止です。エンジニアの採用市場は超売り手市場で、企業を選ぶ権利はエンジニアにあるといっても過言ではありません。

転職成功率を上げるため、多くの求職者は複数社に応募を申し込みます。他社との接触機会は多く、有名企業からオファーがかかったり、待遇の良い企業から内定をもらったりすれば、内定辞退を検討する可能性があるでしょう。

十分なフォローがないまま入社したエンジニアは、エンゲージメントがなかなか育たず、早期離職の確率が高まります。

早くパフォーマンスを発揮してもらうため

内定者フォローには、入社後にパフォーマンスを早く発揮してもらう目的もあります。内定から入社までの期間が空く場合、新入社員向けの研修やeラーニング、オリエンテーションなどを実施する企業は少なくありません。

中途採用のエンジニアには即戦力が求められます。入社前に企業の理念やビジョン、仕事の方向性を共有しておけば、入社直後からスムーズに組織に溶け込めます。

加えて、組織での自分の役割が比較的早い段階で明らかになり、内定者フォローを行っていない場合よりも早くパフォーマンスが発揮できるでしょう。

内定者フォローの不足により内定辞退が起こる要因

(出典)https://www.pexels.com/

エンジニアの採用経験が少ない企業は、採用できたことに満足してしまい、内定者フォローを怠りがちです。フォローが不足すると、なぜ内定辞退率が上がってしまうのでしょうか?

他社に移られてしまった

内定辞退の要因として多いのが、競合他社による引き抜きやオファーです。IT業界は慢性的な人手不足で、経験の浅いエンジニアでさえも就職・転職が可能な状況です。

優秀な中途採用のエンジニアとなれば、多くの企業から内定やオファーをもらうため、自分にとってベストな転職先を選べます。労働条件やキャリアパスが魅力的な企業があれば、元の内定を辞退する可能性は高いでしょう。

企業の内定取り消しは合理的・客観的な理由がなければ認められないのが一般的ですが、内定者の内定辞退は違法とならないのが原則です。

内定通知後に連絡が無く入社に不安を感じた

内定辞退率が高い企業の共通項として、内定通知後の連絡不足が挙げられます。採用担当者から「内定が決まりました。詳細は後ほど…」といった連絡があったのにもかかわらず、1週間、2週間と放置された場合、内定者は内定の取り消しを疑い始めます。

入社手続きの完了後であれば入社日を待つだけですが、連絡がないと「入社を歓迎されていないのでは?」と不安を覚えるでしょう。手続きの手違いや担当者の連絡忘れを疑い、わざわざ問い合わせをする内定者もいるほどです。

内定者との信頼関係の構築に力を入れない企業は、内定辞退や早期離職が多い傾向があります。

入社までに疑問が解消されなかった

内定者が入社に対する疑問点や不明点を持っていて、入社日までに担当者から回答がもらえなかった場合、「適切な対応をしてくれない」「誠実さに欠けている」として内定辞退を申し出る可能性があります。

エンジニアは、以下のような点を重視する傾向があります。エンジニアの立場をよく理解し、質問があったときは速やかに対応しましょう。

  • 技術やスキルに見合った給与が得られるか
  • 福利厚生は充実しているか
  • フレックスタイムやリモートは導入されているか
  • 技術職はどのように人事評価されるか
  • スキルアップができる環境や仕組みが整っているか

対エンジニアの内定者フォロー施策4選

(出典)https://www.pexels.com/

新型コロナウイルスの感染者数の変化に伴い、対面での内定者フォローを行う企業が増加しています。エンジニアがモチベーションを維持したまま入社日を迎えられるように、会社全体で施策に取り組みましょう。

座談会

座談会とは、内定者や社員が1カ所に集まり、特定のテーマについて意見・感想を述べ合う機会です。内定者フォローの座談会は、主に社員と内定者が相互理解を深める目的で開催されます。

エンジニアチームでは、実務で必要なスキルセットや技術的な問題への対処法などが話題に上りやすいでしょう。

内定者はチームで自分が活躍する姿をよりクリアにイメージできるようになり、「本当にこの会社でよかったのだろうか…」という迷いが払拭されます。内定者同士のネットワークを強化する良い機会にもなるでしょう。

セミナーや会社説明会

内定者を集めてセミナーや会社説明会を実施する企業もあります。ビジョンや方針、目標などを共有し、自社の一員であることをしっかりと認識してもらうのです。

エンジニア向けのセミナーでは、最新の技術トレンドや企業が取り組んでいる具体的なプロジェクト、開発プロセスなどについて説明を行います。

セミナーや会社説明会は、社員と内定者が自由に交流する機会が少ないため、終了後に懇談会や交流会を設けるのもよいでしょう。

見学会・現場研修

会社見学会を実施すると、内定者の労働意欲が高まります。自分が働く姿が鮮明にイメージできるようになるのに加え、会社の一員として歓迎されているのを実感できるためです。

配属予定の部署やチームに案内し、チームメンバーを紹介するのもよいでしょう。日々の業務の流れやチームワーク、使用しているツールなどへの理解も深まります。

入社後に必要となる知識やスキルをあらかじめ身に付けておきたいときは、現場研修を実施しましょう。研修やプロジェクトへの参画を通じて、自分が求められている役割を認識できます。

メンター制度の導入

メンター制度とは、先輩社員(メンター)が新入社員(メンティー)に対して行う個別の支援活動です。メンターには「良き指導者」という意味があり、対話を通じて新入社員の悩みや課題を解決に導いていきます。

年齢の近い先輩社員が社内情報や仕事内容を小まめに伝えることで、新入社員は入社後から自分のパフォーマンスを最大限に発揮できるようになります。

ただし、メンターとメンティーの相性が合わない場合は、内定辞退や早期離職につながるため、マッチングは慎重に行わなければなりません。

オンラインでできる内定者フォローの施策4選

(出典)https://www.pexels.com/

内定者フォローは必ず対面でなければならないという決まりはなく、オンラインでも実施ができます。特に、働く場所に縛られないエンジニアはオンラインとの相性が良く、非対面型の方が参加しやすい人もいます。

オンライン交流会

オンライン交流会とは、ZoomやGoogle Meetなどのオンライン会議ツールを使ったイベントです。対面よりも時間の自由が利きやすい上、エンジニアの場合はソースコードや画面を共有しながら交流ができます。

オンライン交流会のデメリットは、同時に複数人が話すと声が聞き取りにくくなる点です。会話に参加できない内定者がいないように、交流会をリードする司会進行役を立てる必要があります。

参加者同士の相互理解が深まるように、自己紹介や質疑応答、フリートークなど盛り込みましょう。ダラダラと時間が長引かないように、開始時間と終了時間をあらかじめ決めておくのがポイントです。

eラーニング学習

eラーニング学習は、パソコンやタブレットなどを使って行うオンライン型の教育システムです。いつでもどこからでもアクセスが可能なことから、企業の入社前研修や新人教育に活用されています。

エンジニアの技術的なスキルの習得には不向きですが、社会人としてのビジネスマナーや会社の就業規則、業務マニュアルといった情報を提供するのに役立ちます。定期的にクイズやセッションを設け、内定者の理解度をチェックしましょう。

eラーニングのコンテンツは自社で内製するか、外部に委託するかのいずれかで準備します。eラーニングの利用目的を明確にした上で、内定者のレベルに適したものを選択しましょう。

オンライン面談

リモートワークやテレワークのエンジニアに向いているのが、オンライン面談です。HR担当者やマネージャーが内定者と1対1でミーティングを行い、内定者の質問に答えたり、逆質問をしたりして相互理解を深めます。

有能なエンジニアは多くの企業からオファーをもらうため、内定を出していてもスムーズに入社してもらえるとは限りません。座談会や研修を事前に行っていても、入社直前になって辞退される可能性もあり、面談による入社意欲の確認とフォローアップは不可欠といえます。

入社前は悩みや心配事が尽きず、他社に良い条件を提示されると容易に気持ちが揺らぎます。入社後に得られるサポートやキャリア展開を明確に示すとともに、内定者とのつながりをしっかりと作りましょう。

コミュニケーションチャネルの設置

コミュニケーション維持のために活用したいのが、チャットツールです。フルリモートのエンジニアは、チャットツールがコミュニケーションのメインツールとなります。

SlackやChatworkなどのグループチャットツールに、内定者専用のコミュニケーションチャネルを作り、情報共有や質疑応答、内定者へのフィードバックなどに活用しましょう。

チームのエンジニアと内定者が自由にコミュニケーションできる場を設けることで、内定者はメンバーの一員になった自覚が芽生えます。とはいえ、公私混同は好ましくないので、仕事用と雑談用のチャネルは明確に分けるのが基本です。

内定者フォローで注意すべきポイント

(出典)https://www.pexels.com/

内定者フォロー施策をやみくもに実施するのではなく、いつ・誰が・どのような方法でフォローするのかをよく検討する必要があります。「フォローを頑張っているのに成果が出ない」という企業は、次に挙げるポイントを意識しましょう。

少人数・個別のフォローも実施する

大人数のセミナーや座談会を開催するのもよいですが、少人数・個別のフォローを忘れてはいけません。

他のビジネス職と違い、エンジニアは求められる役割や業務内容が一人一人違います。経験やスキル、バックグラウンドも一様ではなく、集団での研修やフォローが必ずしも効果的であるとは限りません。

また、他の社員や内定者の前では話しづらい疑問や悩みを抱えている人もいるため、内定者が希望する形の面談を実施しましょう。

内定者側の都合も考慮する

内定から入社までは企業の主導で流れが進むのが通例ですが、セミナーや研修、面談などを実施する際は内定者の都合を考慮しましょう。企業の都合だけで強引に進めようとすると、心証が悪くなってしまいます。

特に中途採用のエンジニアは、前職の仕事がまだ残っていたり、副業や業務委託で他社の案件を手掛けていたりして、時間の自由が利かないケースがあるものです。オンラインのフォローをうまく取り入れ、内定者の負担にならないようにすることが肝要です。

内定者が学生エンジニアであれば、大学の授業や試験、アルバイトなどの予定をあらかじめ聞いておくとスムーズでしょう。

担当者の選定も重要

内定者フォローを誰が担当するかで、内定辞退率や入社後の定着率が左右されます。後輩をフォローした経験が浅い人やエンジニアへの理解が乏しい人が担当すると、フォローアップの効果が見込めないばかりか、企業イメージを下げる結果につながりかねません。

担当者として適しているのは、企業の価値観やビジョンを適切に伝えられ、内定者の疑問や不安にしっかりと対応できる人です。ITやエンジニアへの理解も欠かせないため、同じチームの現役エンジニアの中から選出するのが望ましいでしょう。

内定者のフォローで定着率を向上

(出典)https://www.pexels.com/

エンジニアの採用難が続く中、自社が求める人材が採用できるとホッと胸をなで下ろす企業は多いものです。しかし、有能な人材は競合他社からオファーを受ける機会が多く、内定を出したからといって安心はできません。

内定者フォローを怠る企業は、釣った魚に餌をやらないのと同じです。場合によっては企業に対する不信感や不安感が募り、内定辞退や早期離職という最悪の結果につながります。

内定者の立場や都合をよく考慮した上で、職種・ポジションに応じた適切なフォロー施策を取り入れましょう。

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