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採用ピッチ資料の事例4社|メリットと作り方・項目

公開 更新

採用ピッチ資料は、求職者に向けて自社の事業・組織・働き方・制度をまとめたスライド資料です。

求人票や採用サイトでは伝えきれない情報を1つの資料にまとめ、面談や選考の前に読んでもらう使い方ができます。

定義と会社説明資料との違い、作るメリット、作成手順、載せる項目、資料を公開している企業の事例の順に整理しました。

Offers HR Magazine編集部監修者

株式会社overflow / 編集担当

Offers HR Magazine編集部

Offers HR Magazine 編集部は、株式会社overflow が運営する採用メディアの編集チームです。エンジニア採用に取り組む人事・採用担当者に向けて、採用手法・人事制度・組織づくりの情報を届けています。

採用ピッチ資料の定義と役割

採用ピッチ資料は、企業の魅力を求職者へ簡潔に伝えるためのプレゼンテーション資料です。

求職者が応募や入社を判断するための材料を、1つの資料で渡す役割を持ちます。

採用ピッチ資料の基本概要

採用ピッチ資料は、PowerPointやGoogleスライドなどのプレゼンテーションソフトで作るスライド形式の資料です。

内容は、企業理念、事業内容、ビジョン、社風、求める人物像など多岐にわたります。

限られた時間で読まれる資料なので、図表や写真を使って分かりやすく伝えることが重要です。

成長機会やキャリアパス、福利厚生を具体的に示すと、求職者は入社後の姿を想像しやすくなります。

通常の会社説明資料との違い

採用ピッチ資料と通常の会社説明資料の違いは、読み手と情報の絞り方です。

会社説明資料は、企業情報を網羅的に伝えることに重点を置きます。

採用ピッチ資料は、求職者が知りたい情報に絞ります。

中心になるのは、働き方、評価制度、募集職種のように、応募の判断に使う情報です。

会社説明資料が企業の百科事典だとすれば、採用ピッチ資料は求職者向けの要約版に当たります。

採用ピッチ資料が注目される理由

採用ピッチ資料が注目される理由の1つは、企業の側から求職者へ情報を届けられることです。

求人を出して応募を待つだけでは、自社を知らない求職者に情報が届きません。

スライド共有サービスで資料を公開しておくと、求職者は面談の前に資料を読んでから参加できます。

後の章で取り上げる4社も、資料を誰でも読める形で公開している企業です。

採用ピッチ資料を作るメリット

採用ピッチ資料を作るメリットは、企業の認知度向上、採用コストの削減、ミスマッチの防止の3つです。

企業の認知度向上

採用ピッチ資料を公開すると、企業のビジョンや価値観、働く社員の姿を、自社を知らない求職者にも伝えられます。

社員の成長を支援する制度や社会貢献活動を載せると、従業員への向き合い方が伝わります。

制度や活動の情報は、求職者が企業を選ぶときの判断材料です。

公開した資料が読まれているかは、採用広報の指標で確かめます。指標の置き方は「採用広報のKPI|基準値と分布の置き方」にまとめました。

採用コストの削減

採用ピッチ資料は、会社説明にかかる時間と費用を抑えることで、採用コストの削減につながる場合があります。

対面の会社説明会でかかるのは、会場費や移動費です。

資料をオンラインで共有すれば、説明の一部を資料に任せられます。

一度作った資料を、面談、スカウト、求人票からのリンクなど複数の場面で繰り返し使える点も利点です。

ミスマッチの防止

採用ピッチ資料で企業の文化や価値観、仕事内容を具体的に伝えると、求職者とのミスマッチを防ぎやすくなります。

入社後に想像と違ったと感じる状況は、選考中の情報不足から生まれることがあります。

企業の側から情報を開示し、相互の理解を深めることが重要です。

仕事内容の具体的な説明や、社内の雰囲気が分かる写真を載せると、求職者は実際に近いイメージを持って入社を判断できます。

採用ピッチ資料の作成手順

採用ピッチ資料は、目的の設定、ターゲットの明確化、コンテンツの構成、デザインとレイアウト、フィードバックと修正の5つのステップで作ります。

作成時のポイントは「採用ピッチ資料作成のポイントは?成功事例とともに解説」も参照してください。

ステップ1 目的の設定

最初に決めるのは、採用ピッチ資料を作る目的です。

どのような人材を採用したいのか、何を伝えたいのかを具体的に定めます。

例えば、将来のリーダー候補となる人材を採用したいなら、厚く書くのは任せる役割や意思決定の進め方です。

目的が明確だと載せる情報が絞られ、主張のはっきりした資料になります。

ステップ2 ターゲットの明確化

次に、資料を読んでほしい求職者を具体的に決めます。

描く範囲は、経験、スキル、価値観、転職で重視する点までです。

中途採用の候補者に向けては、これまでの経験を活かせるポジションや、スキルを伸ばせる機会を示すことが効果的です。

エンジニアやデザイナーなど職種ごとに知りたい情報が異なる場合は、職種別に資料を分けて作る方法もあります。

ステップ3 コンテンツの構成

目的とターゲットが決まったら、どの情報をどの順番で伝えるかを決めます。

一般的な並びは、会社概要、事業内容、ビジョン、社風、求める人物像、募集要項の順です。

会社の全体像から働く環境、募集内容へと進む流れにすると、初めて読む求職者にも伝わります。

ステップ4 デザインとレイアウト

構成が決まったら、デザインとレイアウトを整えます。

狙いは、求職者が内容を理解しやすくすることです。

写真やイラスト、グラフを使うと、文章だけでは伝わりにくい情報を視覚で伝えられます。

フォントや色使いは、企業のイメージに合わせて統一してください。

ステップ5 フィードバックと修正

資料ができたら、社内でフィードバックを受けて修正します。

作成者以外の視点を入れることが、完成度を上げる近道です。

人事部以外の社員に読んでもらうと、現場から見て足りない情報が見つかります。

面談で求職者に見せ、質問が出た箇所を直す方法も有効です。

公開後に自社のエンジニア採用の情報が外からどう見えるかを確かめるなら、企業のURLを入れると公開情報を5指標24項目で採点するエンジニア採用力チェックが使えます。レポートは1営業日以内に届きます。

採用ピッチ資料に含める項目

採用ピッチ資料に含める項目は、会社概要、事業内容と実績、社風と文化、メンバー紹介、福利厚生と評価制度の5つです。

載せた情報は、公開後も正確で最新の状態に保ってください。

会社概要

会社概要に書くのは、企業の基本的な情報です。

設立の背景、経営理念、ビジョンを明確に伝えると、求職者は企業への理解を深められます。

項目

内容

会社名

正式な社名

設立

設立年月

代表者

代表者の氏名と役職

資本金

資本金の額

所在地

本社と主な拠点

事業内容

主な事業とサービス

事業内容と実績

事業内容と実績では、どのような事業を行い、どのような成果を上げているかを具体的に書きます。

売上高や顧客数、市場シェアなどの数字は、企業の成長性や安定性を伝える材料です。

具体的なプロジェクトの事例を載せると、仕事内容のイメージも伝えられます。

社風と文化

社風と文化では、重視している価値観と、仕事の進め方を具体的に書きます。

社員同士のコミュニケーションを重視している企業なら、社内イベントの写真が雰囲気を伝える素材です。

社員インタビューを載せると、働く人の実際の声を届けられます。

メンバー紹介

メンバー紹介では、どのようなメンバーが働いているかを伝えます。

経歴やスキル、仕事への思いは、求職者の共感を得やすい情報です。

これまでのキャリアと現在の仕事内容を並べて載せると、求職者は自分のキャリアと重ね合わせて考えられます。

福利厚生と評価制度

福利厚生と評価制度は、求職者が企業を選ぶときの重要な判断材料なので、詳しく書きます。

福利厚生制度は、ワークライフバランスを重視する求職者への訴求点です。

評価制度を明確に示すと、キャリアアップを目指す求職者に、成長の機会があることを伝えられます。

掲載情報を正確かつ最新に保つ運用

採用ピッチ資料に募集職種や給与、制度を載せるなら、求人票と同じ基準で、内容を正確かつ最新に保ちます。

令和4年の職業安定法の改正(一部を除き令和4年10月1日施行)は、求人企業(労働者の募集を行う者)に2つの義務を課しました。求人等に関する情報を正確かつ最新の内容に保つことと、虚偽の表示・誤解を生じさせる表示をしないことです(厚生労働省「令和4年職業安定法の改正の概要について」令和4年9月作成)。

公開する採用ピッチ資料も、同じ考え方で管理すると求人票との食い違いを防げます。求人票の記載事項は「求人票とは?記載事項と食い違いを防ぐ書き方」で確認してください。

実務では、資料の表紙か説明欄に更新日を書き、制度や給与レンジを変えたときに資料も差し替えます。

公開されている採用ピッチ資料の事例

採用ピッチ資料を公開している企業として、4社(株式会社SmartHR、株式会社ミラティブ、株式会社FABRIC TOKYO、STORES 株式会社)の資料を取り上げます。

4社とも、資料の題名か説明欄に更新時期を書いている点が共通です。

企業

資料名

書かれている更新時期

参考になる点

株式会社SmartHR

SmartHR_Company Profile/採用情報

2026年9月更新

評価・給与制度と採用情報を章に立てている

株式会社ミラティブ

採用候補者さまへの手紙

2026年8月更新

誰に向けた資料かを題名で示している

株式会社FABRIC TOKYO

FABRIC TOKYO会社紹介資料 / We are hiring

2026年9月3日更新

面接で使う資料を公開している

STORES 株式会社

STORES BOOK

最終更新日2026年10月2日

詳しい採用情報は採用サイトへ案内している

出所:各社がSpeaker Deckで公開している資料のページ(2026年10月14日時点)。

株式会社SmartHRの事例

株式会社SmartHRは、会社紹介資料「SmartHR_Company Profile/採用情報」をSpeaker Deckで公開しています。

資料の説明欄に書かれているのは、基本情報や事業内容、働き方を紹介する資料であることと、2026年9月更新であることです。

目次は、会社概要、挑戦環境、組織と文化、評価・給与制度、採用情報、Appendixの6章です。

Appendixには、沿革、組織データ、給与レンジが入っています。

説明欄では、選考とは別に実施しているカジュアル面談と採用サイトを案内しています。

資料を読んだ求職者の次の行動まで用意している例です。

株式会社ミラティブの事例

株式会社ミラティブは、「採用候補者さまへの手紙」という題名の資料をSpeaker Deckで公開しています。

資料の説明欄には2026年8月更新と書かれ、採用ページへのリンクが添えられています。

題名を候補者への手紙とし、誰に向けた資料かを題名で示している例です。

同社は、エンジニア向けの会社紹介資料「Engineer's Handbook」も同じアカウントで公開しています。

職種別に資料を分ける作り方の参考になる例です。

株式会社FABRIC TOKYOの事例

株式会社FABRIC TOKYOは、「FABRIC TOKYO会社紹介資料 / We are hiring」をSpeaker Deckで公開しています。

資料の説明欄には、普段の面接で使用している会社紹介資料であることが書かれています。

題名に入っているのは、2026年9月3日更新という更新日です。

目次は、会社概要、事業について、組織・働く環境について、カルチャーについて、今後についての5章です。

組織・働く環境の章は、リーダーシップ、価値基準、評価制度を扱っています。

面接で使う資料を公開しておけば、求職者が面接の前に同じ情報を読める点が利点です。

STORES 株式会社の事例

STORES 株式会社は、会社紹介のブック(STORES BOOK)をSpeaker Deckで公開しています。

資料の説明欄に書かれているのは、事業や組織カルチャー、制度などをまとめたブックであることと、最終更新日が2026年10月2日であることです。

詳しい採用情報は採用サイトへ案内しています。

資料と採用サイトで役割を分けている例です。

採用ピッチ資料の作成と見直しの要点

採用ピッチ資料は、求職者に向けて事業・組織・働き方・制度をまとめ、応募と入社の判断材料を渡すための資料です。

作るときは、目的とターゲットを決めてから構成を組み、社内のフィードバックで仕上げます。

公開後は、更新日を書き、制度や募集内容の変更に合わせて差し替えます。

4社の公開資料を参考に、自社の資料を作る・見直すところから始めてください。

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