engage(エンゲージ)は、求人の掲載から自社の採用ページづくり、応募者とのやり取りまでを0円から始められる採用支援ツールです。採用サイトを持っていない会社や、求人広告に予算を割けない会社が最初に検討する候補として知られてきました。
ただ、2026年に入って運営会社が変わり、以前は使えた連携や機能のいくつかが終わっています。数年前の解説記事を頼りに導入を決めると、期待していた集客の経路がすでに無いということも起こり得るでしょう。いま使える機能、終わった機能、無料で使う場合の手間、向いている採用と向いていない採用の順に、公式の案内で確かめられることを中心にまとめました。
engage は0円から使える採用支援ツール
engage は、求人の作成と掲載、自社の採用ページの作成、応募者の管理を初期費用・維持費用・採用課金なしで使える採用支援ツールです。2026年10月8日時点の公式の企業向けページは、運営会社を株式会社エンゲージとし、「80万社が利用中」と案内しています(engage 企業向けトップページ)。
一方、株式会社エンゲージのコーポレートサイトは engage を「全国60万以上の企業が導入」と書いており、同じ時点で2つの数字が並んでいる状態です(株式会社エンゲージ・2026年10月8日時点)。どちらも公式の表記なので、稟議資料などに導入社数を引くときは、引いたページと日付を添えておくと後で食い違いを説明しやすくなります。
求人は専用のフォーマットに沿って入力すれば作成でき、公式の企業向けページは「最短15分で求人作成」「最速翌日掲載」をうたっています(engage 企業向けトップページ)。採用ページはテンプレートと画像を選んで作る形式で、スマートフォンでの表示にも自動で対応する仕組みです(engage 機能ページ)。
2026年4月に運営がエン株式会社から株式会社エンゲージへ移った
engage は長くエン・ジャパン(現在のエン株式会社)のサービスでしたが、2026年4月1日に事業ごと株式会社エンゲージへ移りました。エン株式会社と株式会社エンゲージの吸収分割に関する事前開示書面(2026年2月4日)によると、承継の対象は求人サイト「エンゲージ」と採用支援ツール「engage」で、企業クチコミサイト「エン カイシャの評判」は対象から除かれています。
エン株式会社は同じ書面で、承継会社の株式の85.1%を株式会社カカクコムへ譲渡する契約を結んだことも開示しました(吸収分割に関する事前開示書面)。エン株式会社は残りの14.9%を持ち続け、engage 事業に関わり続けるとしています(エン株式会社 2026年3月期 通期 決算説明資料・p.6)。カカクコムは求人情報の一括検索サイト「求人ボックス」の運営会社で、engage の今後の強化策にも求人ボックスとの連携が挙がっています。
engage で無料で使える機能と有料プランの違い
engage の基本機能は無料で、求人の件数や掲載期間にも上限がありません。求人の露出を増やしたいときは、有料プランの「エンゲージプレミアム」を別に申し込む形になります。2026年10月8日時点の公式ページで確かめられる範囲を表にしました。
項目 | 無料で使える基本機能 | エンゲージプレミアム(有料) |
|---|
求人掲載 | 件数・期間の制限なし | 有料掲載を1日単位で使える |
掲載先 | 求人サイト「エンゲージ」へ自動掲載。求人ボックス・スタンバイ・Googleしごと検索などに対応 | エンゲージなど最大16サイト |
採用ページ | テンプレートで作成・自社サイトへのリンクやバナー | 同左 |
応募者対応 | 応募者確認ページ・チャット形式の連絡・エクセル出力 | 同左 |
スカウト | 記載なし | AI を使ったスカウトメール |
料金 | 初期費用・維持費用・採用課金なし | チケット型。購入したチケットは1年間有効 |
出所: engage の企業向けトップページ・費用ページ・機能ページ・エンゲージプレミアムの案内(2026年10月8日時点)。
エンゲージプレミアムの金額は公式ページに載っておらず、求人を掲載するときに問い合わせる形です。費用の上限を決めてから相談すると、チケットの枚数と掲載日数を比べやすくなります。機能ページは適性診断と入社者フォローも無料の機能として挙げているので、使える範囲は管理画面で確かめてください。
2026年6月から9月にかけて終わった連携と機能
運営会社の移行に合わせて、engage ではエン転職や Indeed との連携が2026年6月から9月にかけて順に終わりました。engage のサポートページ「株式会社エンゲージの設立に伴う提供サービスの変更のお知らせ」が挙げる主な変更は次のとおりです。
対象 | 変更点 | 実施時期 |
|---|
engage | 求人サイト「Indeed」への engage 求人の転載を終了 | 2026年6月11日 |
engage | 求人サイト「エン転職」の人材データベースへのダイレクトメール送付機能を終了 | 2026年6月末 |
engage | 企業クチコミサイト「エン カイシャの評判」への転載を終了 | 2026年6月末 |
engage | 「エン転職」企業管理画面とのアカウント連携機能(原稿コピー機能などを含む)を終了 | 2026年9月末 |
エンゲージプレミアム | 「エン転職」への engage 求人の転載基準を変更 | 2026年6月末 |
エンゲージプレミアム | 「エン転職」への engage 求人の転載を終了 | 2026年9月末 |
出所: engage サポート「株式会社エンゲージの設立に伴う提供サービスの変更のお知らせ」(2026年4月17日作成・2026年10月1日更新)。
2023年ごろの解説記事が engage の強みとして挙げていた「エン転職の会員へ直接スカウトを送れる」「Indeed に求人が載る」の2つは、この変更で使えなくなりました。同じお知らせは、今後の強化として求人ボックスでの露出の強化(エンゲージプレミアム利用時)や、求人ボックスの掲載求人を求人サイト「エンゲージ」へ転載することを挙げています。集客の経路は求人ボックス側へ寄っていく見込みなので、導入や継続を決める前に、自社の求人がどこに載るのかを管理画面で確かめておくと安心です。
engage を使うメリット
engage のメリットは、求人掲載・採用ページ・応募者管理という採用の土台を、費用をかけずに一度に揃えられることです。とくに採用ページを持っていない会社にとっては、外注せずに求職者が確かめられる受け皿を作れる点が大きな利点になります。
求人掲載と採用ページに費用がかからない
engage では求人を何件掲載しても、何名採用しても費用は発生しません。公式の企業向けページは、採用サイトを外注すると30〜40万円の費用がかかることもあると案内したうえで、engage なら採用ページも求人情報も0円で作れるとしています(engage 企業向けトップページ)。
情報の更新や修正にも費用はかからないため、職種ごとに求人を出し分けたり、反応を見て原稿を書き直したりといった試行錯誤を予算を気にせず続けられる点も強みです。採用ページの作り込みは、スタートアップが採用サイトを制作する際のポイントも参考になります。
求人ボックスやGoogleしごと検索など複数の検索サービスに載る
engage で公開した求人は、求人サイト「エンゲージ」に自動で掲載されます。費用ページは対応先として求人ボックス・スタンバイ・キャリアインデックス・Googleしごと検索・Yahoo を挙げており、個別に掲載の手続きをしなくても、複数の求人検索サービスで求職者の目に触れる機会を作れる仕組みです(engage 費用ページ・2026年10月8日時点)。
Instagram や X との連携、自社サイトに置くリンクやバナーの作成もボタン操作でできます。自社のサイトや Instagram・X のアカウントに一定の訪問者がいる会社なら、そこから採用ページへ人を流す使い方もひとつの選択肢です。
応募者とのやり取りを1つの画面で管理できる
応募があった求人、応募日、対応状況、プロフィール、メッセージは応募者確認ページに一覧で表示されます。面接日時の調整はチャット形式で進められ、応募者情報はエクセルに書き出すことも可能です(engage 機能ページ)。
表計算ソフトやメールで応募者を管理している会社なら、engage に寄せるだけで対応漏れが見えやすくなります。複数の媒体や紹介会社を併用していて応募経路が多い場合は、採用管理システムの導入事例と比べてみてください。
engage のデメリットと注意点
engage のデメリットは、無料で使える範囲では求人の原稿づくりから応募者への連絡までを自社の手で回す必要があり、応募を集める力も掲載先の検索サービスに左右されることです。2026年の変更で使えなくなった機能もあるため、以前の評判をそのまま当てはめないようにしましょう。
求人原稿の作成と応募者対応を自社で回す工数がかかる
engage は入力のフォーマットこそ用意されていますが、求人の中身を考えて書くのは自社の担当者です。求人広告の制作会社に任せる場合と比べ、書き方の良し悪しがそのまま応募の数と質に表れます。
公式ページによると、engage は利用者向けのセミナーや、求人専門のコピーライターによる求人の書き方の共有会を開いています。初めて求人を書く会社は、こうした場で原稿の型を学んでから掲載すると手戻りを減らせるはずです。
エンジニアの求人を出す会社なら、Offers のエンジニア採用力チェックで、求人や採用ページがエンジニアからどう見えているかを掲載前に確かめられます。企業の URL を入れると、AI が採用ページや求人などの公開情報を5指標24項目で診断し、1営業日以内にレポートが届く無料のサービスです。
エン転職の会員に直接スカウトを送る機能は終わった
以前の engage は、エン転職の会員に企業からダイレクトメールを送れることが特徴の1つでした。この機能は2026年6月末で終了しています(engage サポート)。
2026年10月8日時点の無料の機能一覧に、スカウトの機能は載っていません。公式ページが案内している AI を使ったスカウトメールは、エンゲージプレミアムの機能です。候補者へこちらから声をかける採用を考えているなら、engage の無料プランだけで完結させる前提を置かず、スカウト型のサービスを別に用意する計画にしておきましょう。
露出を大きく増やす手段は有料プランになる
無料の掲載は、求人サイト「エンゲージ」と対応する検索サービスに求人が並ぶ形で、応募が来るかどうかは求職者が検索で見つけてくれるかに左右されます。掲載先を最大16サイトに広げる、スカウトを送るといった手段は、エンゲージプレミアムの機能として案内されている内容です。
無料のまま応募が集まらない期間が続くなら、原稿を見直すか、有料プランや別の採用手段に予算を振り向けるかを、期限を決めて判断するのが現実的でしょう。求人媒体ごとの費用の考え方は、求人媒体の種類と選び方で整理しています。
engage が向いている企業と向いていない採用
engage が向いているのは、採用ページを持っていない会社や、まず費用をかけずに求人を出して反応を見たい会社です。一方で、求職者が自分から探しに来るのを待つ形が基本なので、候補者の数が少ない専門職を短期間で採用したい場面では、engage だけでは足りないことがあります。
採用ページがない会社や、費用をかけずに始めたい会社に向いている
自社の採用ページがない会社、採用の予算がほとんど無いスタートアップや小規模の事業者、まず求人を出して反応を見たい会社には engage が合っています。求人の掲載や採用ページの作成にかかるのは担当者の時間だけなので、試してから続けるかを決められるのが利点です。
エン株式会社は2026年3月期の決算説明資料で、engage/エンゲージ事業を「非正社員領域中心」と位置づけました(エン株式会社 2026年3月期 通期 決算説明資料・p.5)。アルバイト・パートや契約社員を含めて幅広い職種を募集する会社にとっては、求職者の層と募集の中身が合いやすいツールといえます。
エンジニアの正社員の中途採用は engage だけでは足りないことが多い
経験のあるエンジニアを正社員として中途採用したい場合、engage の無料プランだけに頼るのは向いていません。厚生労働省「令和7年転職者実態調査」では、直前の勤め先が情報通信業だった転職者の81.8%が、在職中に転職活動を始めていました(第26表)。働きながら転職を考える人は求人を探す時間が限られるため、求人サイトで見つけてもらうのを待つより、企業から声をかける採用のほうが接点を作りやすくなります。
2026年6月末でエン転職の会員へのダイレクトメールが終わり、2026年10月8日時点の無料プランの機能一覧にもスカウトは載っていません。
engage で採用ページと求人の受け皿を整えたうえで、エンジニア向けのスカウト型サービスやダイレクトリクルーティングを組み合わせると、待つ採用と声をかける採用を両方回せます。スカウト型の手法の向き不向きはダイレクトリクルーティングのメリットとデメリットにまとめました。
Offers は、株式会社overflow が運営する、エンジニアやPdMなどの正社員の中途採用に特化した採用プラットフォームです。経験のあるエンジニアへ企業から直接声をかけられるので、engage で作った採用ページと組み合わせて使えます(Offers 企業向けページ)。
engage を導入する前に確かめておく3つのこと
engage の導入を決める前に、自社の求人がどこに載るか、無料のままで足りるか、スカウトが必要な職種があるかの3点を確かめておくと、導入後に期待と実際がずれにくくなります。
1つ目は掲載先です。2026年6月11日に Indeed への転載が終わり、エン転職との連携も9月末までに終わったため、いま求人が載る先を管理画面と費用ページで確かめておきます。
2つ目は、無料のままで足りるかどうかの見極めです。応募が集まらないときに、原稿の見直し・エンゲージプレミアム・別の採用手段のどれに切り替えるかを、期限とあわせて先に決めておくと判断が遅れません。
3つ目は、スカウトが要る職種の有無です。無料プランの機能一覧にはスカウトが載っていないため、エンジニアなど候補者の少ない職種は、スカウト型のサービスを別に計画しておく必要があります。
engage は、採用の土台を0円で揃えられる点で今も使い勝手のよいツールです。運営会社と連携先が変わった2026年以降は、以前の評判ではなく現在の公式の案内を基準に、自社の採用のどこを engage に任せ、どこを別の手段で補うかを決めてください。
エンジニアの求人については、エンジニア採用力チェックでも採用ページと求人の見え方を確かめられます。