エンジニア採用に有効な「カジュアル面談」の目的や実施効果、やり方について解説

Offers HR Magazine編集部 2023年6月18日

Offers HR Magazine編集部

目次

候補者とのリラックスした雰囲気の中で行われる「カジュアル面談」により、採用担当者は候補者のスキルや人物像をより正確に把握することができます。本記事では、カジュアル面談の目的や実施効果、そして具体的なやり方について解説します。

========================

【Offers / ITエンジニア、Webデザイナーの副業・転職サービス】

📍DeNA、サイバーエージェント、メルカリなどの「上場企業・有名スタートアップのテックリードやCTO」
などのハイクラス会員数25,000人が登録し、アクティブに活用
📍600社以上のスタートアップ・ベンチャー上場企業が利用中
📍ミドルシニアのエンジニア、PMが集まるコミュニティも運営
📍最短2日で採用決定

無料でアプローチするプランに申し込む | 資料・料金のお問い合わせ

========================

カジュアル面談の基礎知識

(出典)https://unsplash.com/

エンジニアの採用には、企業側と採用候補者の相互理解が重要です。その手段としてカジュアル面談が用いられることがあります。

カジュアル面談の概要や通常の面接との違いについて理解を深めましょう。

カジュアル面談とは?

カジュアル面談とは、casual(砕けた、気さくな)の意味の通りに、採用候補者と社員が柔らかな雰囲気の中で行う面談の事をいいます。

通常の採用面接とは異なり、フォーマルな雰囲気を排し、リラックスして気軽に話し合うことが目的です。

面接との違い

カジュアル面談と面接の違いは、目的と形式です。

カジュアル面談は、被面談者と面談担当者がお互いに相手を知り、必要な情報を収集するために行われます。一方、面接の目的は被面接者の経験や能力を評価することです。

また、面接は担当者が被面接者に対し質問し、被面接者が回答するという一方通行のコミュニケーションで行われるのに対し、カジュアル面談は打ち解けた場で双方の意見を交換します。

カジュアル面談がリラックスした空気になるのに対し、面接は厳粛な雰囲気で実施されます。また最大の違いは、カジュアル面談は面接とは違い、面談の結果を採用評価に反映しません。カジュアル面談はあくまで意見交換、面接は採用・評価のために行われます。

カジュアル面談がエンジニア採用に有効な理由

(出典)https://unsplash.com/

エンジニア採用において、カジュアル面談の実施にはさまざまなメリットがあります。どのようなメリットがあるのかを具体的に見ていきましょう。

相互理解を深めてミスマッチを防ぐ

カジュアル面談では仕事に対する認識や働き方、ビジョンの共有など、面接では話題にのぼらない情報を得ることができます。

これにより、企業側と求職者の重視していることや価値観、コミュニケーションに対する考え方など認識のずれを減らすことができます。その結果、早期退職のリスクも低くなり、求職者は採用されてからパフォーマンスを発揮しやすくなります。

気軽なコミュニケーションで距離を縮める

カジュアル面談は、社員と求職者の距離感を縮めることも目的として行われます。カジュアル面談を担当する社員は、求職者を自身のチームに入れることや、メンターとなることを想定しているケースもあります。

そのような企業では、採用前から求職者と社員の距離を縮めておくことは採用後にもお互いが働きやすくなるというメリットが生まれるでしょう。

多様な人材へのアプローチを増やせる

カジュアル面談は、これから企業に応募しようか迷っているエンジニアに対しても行われます。企業側からすると、多くのエンジニアと接触する機会を増やせるという利点があります。

今回は採用を見送ったとしても将来的に必要になるスキルやキャリアを持ったエンジニアとも多く接触することになり、タレントプールの形成、将来的な人脈を増やすことに役立ちます。

カジュアル面談の方法【事前準備】

(出典)https://unsplash.com/

ここからはカジュアル面談を実施する方法について解説します。まずはカジュアル面談を行う前にどのような事前準備が必要なのかを見ていきましょう。

面談の目的を明確にする

カジュアル面談は、リラックスした雰囲気で臨むため、話題があちこちに広がりがちです。思わず話し込んでしまった結果、本来必要な情報は収集できなかったという結果もあり得ます。

そうならないために、まずはカジュアル面談を行う目的を明確にします。

目的の例としては、ビジョンや価値観の擦り合わせ、情報収集、企業のことを理解してもらうためなどです。面談時間や求職者の役割によって、面談目的は変わってきます。

共有する情報を選定する

候補者に対し、どんな情報を共有するのかをあらかじめ選定しておきましょう。重要なことは、候補者にとって有益な情報であることです。

候補者が応募したポジションの役割や現場の雰囲気、チームとの相性や仕事の内容などを用意しておくと、候補者からの興味をいっそう引くことができます。

同時に、何を話さないかも決めておくべきでしょう。

プロジェクトの根幹になるような情報や、未発表のプロジェクトなどはもちろん、センシティブな話題については企業側にどこまで話していいのかを面談前に絞っておくことで、情報漏洩を未然に防ぐことにつながります。

質問を準備する

カジュアル面談では、候補者に対していくつかの質問を用意しておきましょう。

キャリアに対しどのように考えているか、現在の市場に対しどのように考えているのかなど、質問を用意しておくことで、より面談の時間を有意義に使うことができます。

余裕があれば、アイスブレイクの質問も用意しておくとよいでしょう。採用担当者の趣味や特技、最近の世の中のトピックスを振ることで、緊張をや和らげる効果も期待できます。

カジュアル面談の方法【実践】

(出典)https://unsplash.com/

カジュアル面談の本番をどのように進行していくかを解説します。面談の中では、時間内に以下のことを行うように意識しましょう。

企業・担当者紹介からのアイスブレイク

「アイスブレイク」は和訳すると「氷を溶かす」の意味で、転じてビジネスでは、面談や会議で相手の緊張をほぐすことをいいます。

カジュアル面談は打ち解けた場で行うことが前提ですので、なるべく被面談者にはリラックスした雰囲気で臨んでもらう必要があります。

とはいえ、こちらは採用側の企業なのですから、候補者が緊張している可能性は十分に考えられるでしょう。その緊張をほぐすために、まずは雑談を振ったり、お互いの自己紹介から始めることで打ち解けた雰囲気をつくり出します。

ヒアリング

カジュアル面談は、面接と違ってこちらから質問を投げかけるだけではなくヒアリングも行います。「自社の働き方」「採用の状況」など、相手が聞きたがっていることをヒアリングします。

あくまでカジュアルな場であることを意識し、一問一答形式にならないように注意しましょう。また担当者には、相手の話に耳を傾け、話題を掘り下げることを指導します。

そうすることで、面接では得られないような相手の考え方や仕事に対する意識などを聞き出し、より精度の高い採用へとつなげることができるのです。

現場の課題や求める人物像を伝える

カジュアル面談では、可能な範囲でこちらの採用に対する考え方や基準をある程度明かしてしまいましょう。

どんな人材を求めているのか、現場でどのような課題があるのかを伝えることで、被面談者が企業から求められている役割や仕事を認識し、コミュニケーションが取りやすくなったり、当事者意識が芽生えることで採用後のエンゲージメントが高まったります。

また、カジュアル面談でこうした情報を伝えた結果、スキルを持った人が応募してくることも考えられます。

働き方や考え方に対する擦り合わせを行う

特にプロジェクトチームで採用する場合などは、小さな摩擦がストレスとなり、パフォーマンスの低下や離職につながります。

採用された後で摩擦が起こらないように、以下について考え方の擦り合わせを行いましょう。

  • どのような働き方を希望しているか(フルタイム、副業など)
  • コミュニケーションのスタイル(ミーティング回数やテキストツール)
  • ビジョンやイシュー

こうした点を双方があらかじめ確認しておくことで、職場やチームでの適性を測ることにもつながるでしょう。

企業の魅力や将来性について伝える

カジュアル面談では、採用希望者だけでなく、求人に対して応募しようか迷っている人とも面談を実施することもありえます。そうした人に対しては、自社の魅力や将来性についても伝えて、応募するきかっけになってもらうことも意識しましょう。

エンジニアに伝える場合は、社会に対しどのような手段で変革を起こし、そのためにどんなスキルやキャリアを持った人を欲しているかを伝えることで、今後どういった人材が必要になるかを伝えることができます。

質疑応答

カジュアル面談も終盤に差しかかった頃、ここまでの内容に関して質疑応答する機会を設けましょう。面談中に生じた疑問を払拭することで、求人に対しより前向きになってくれる可能性に期待が持てます。

また質問を改めて受けることにより、担当者の中で次の面談に生かせるポイントを発見したり、被面談者からの客観的な質問を受けることで、担当者自身が会社に対し考える機会を持ったりすることになります。

次のアクションを案内する

最後に、今後についての案内をしましょう。

次のステップへの案内や求人への誘導など、取って欲しいアクションを伝えることで、採用へとつなげることが、カジュアル面談の目的です。アクションが何もないと面談の成果が得られなくなってしまいますので、注意しましょう。

カジュアル面談でエンジニアからよく聞かれること


カジュアル面談は、エンジニアが企業に対して質問する場でもあります。

エンジニアの質問に対してスムーズに回答できることで、エンジニアからの応募率を高められる可能性にもつながるでしょう。

そのためにも、以下のような情報について、担当者が事前に把握した上でカジュアル面談に臨むことが好ましいです。

組織体制について

採用ページや会社概要では把握しきれない組織の内側について聞かれることは多いです。以下のような質問には、あらかじめ答えを持って面談に臨みましょう。

  • エンジニアの人数(全体から見た比率)
  • エンジニアの所属する組織と他部署との関係性
  • エンジニアのチーム数やそれぞれの役割

加えて、男女比や年齢、育児中の社員がいるかどうか、キャリアなど「どんな人が多いか」もよく聞かれます。特に、質問者に近しい属性の人が働いているかは、求人応募の決め手にもなる要素ですので事前に把握することはとても重要です。

働く環境について

パフォーマンスを発揮するためにも、エンジニアにとって働く環境は非常に重要です。カジュアル面談では以下のような質問が来ることが多いです。

  • 仕事で使っているツール(情報管理・コミュニケーション)
  • 連絡手段
  • リモートワークの可否
  • 勤務時間
  • 福利厚生

社内の規定の環境のほか、エンジニア自身が働きやすい環境のためにある程度カスタマイズできるかを問われることがあります。

例えば、勤務時間やリモートワークの日数が社則で決まっていたとして、育児や介護のために調整することは可能かどうかといった具合です。

情報管理の手段は、エンジニアとそれ以外の部署で異なるケースもあるので、事前に確認しましょう。

技術チャレンジについて

エンジニアの中には、「会社が新規開発に対しアクティブかどうか」を指標としている人も多くいます。新しい技術の導入や新規プロダクトに積極的な取り組みが見られる企業は熱気もあり、向上心の強いメンバーも多いためです。エンジニア自身がキャリアについて考えたとき、新しい技術を身につけられるかどうかは重要な指標となります。

会社がどのような技術チャレンジを行っているのか。いま現在注力しているプロダクトや技術に対し、どのように取り組んでいるのかなどの回答を用意しておきましょう。

選考について

「カジュアル面談は選考とは無関係」というのが前提ですが、参加するエンジニアにとってはやはり、どのように選考を行うか、どういった人が採用されやすいかは気になるところです。

「教えられない」「この場では関係ない」と突き放すのでは、相手が応募してくれなくなってしまうかも知れません。そのため、「どこまで話せるか」を面談前に整理し、まとめておきましょう。

社内に採用選考ページがあれば、それを案内するのも良いでしょう。また「どんなスキルを持った人材が働いているか」「会社としてどんな課題があるか」を話すことで、間接的に重要視している人物像を伝えることもできます。

カジュアル面談で注意すべきこと

(出典)https://unsplash.com/

カジュアル面談を実施する上では、お互いにとって有意義な面談にするために以下の点に注意しましょう。

選考に影響がないことを伝える

カジュアル面談で話される内容は、選考に直接的な影響を与えないことを伝えることが大切です。

採用選考に影響が出てしまうかも、という不安な心理状態では、被面談者は緊張しており、十分に話すことができないでしょう。そうなってしまうと、カジュアル面談本来の意味が失われてしまいます。

また、選考に影響しないことを伝えることで、被面談者との距離を縮めることができ、その後の関係構築もしやすくなります。

課題や弱みも正しく伝える

カジュアル面談では自社の魅力や長所などの良い情報だけでなく、自社の課題や弱みについても伝えるようにしましょう。

課題や弱みを伝えることで、それを解決できるスキルを持ったエンジニアが応募しやすくなりますし、エンジニア側も、警戒を解いて自身の弱みや内心で思っていることを話しやすい場が作れます。

また、自社の強みや魅力ばかりを伝えると、どうしてもうさんくさくなってしまい、相手も警戒するものです。担当者が現場レベルの悩みを打ち明けることで相手の警戒も解くと同時に、悩みに共感してもらい、相手との信頼関係の構築に一役買ってくれるかもしれません。

ただし、仕事場の愚痴などを含め、相手にマイナスイメージを持たれてしまうような伝え方は避けることも重要です。

伝えることは会社の課題や課題解決のために必要な人物像であり、相手の印象を下げるようなネガティブな内容であってはなりません。担当者にあらかじめ指導しましょう。

面談後のフォローを忘れずに

面談後のフォローアップは、カジュアル面談での成功の鍵です。

面談後はメールやコミュニケーションツールを使い、面談に対するお礼の言葉を述べたり、定期的に連絡を取るなどのフォローを行いましょう。そうすることで、エンジニアも自社に好意と興味を抱き、他社より自社を選んでもらえる可能性が上がります。

多くの候補者とつながりミスマッチを防ぐ

(出典)https://unsplash.com/

カジュアル面談は打ち解けた雰囲気の中で面談をすることで、採用候補者から、面接では聞くことができない深い情報を聞き出したり、相互のコミュニケーションを測ることで担当者とのつながりをつくったり、採用した際にワークするかを図ることができ、モチベーションアップや離職を防ぐことにつながるでしょう。

カジュアル面談の実施では、採用面接と明確に区別するために、お互いがリラックスした雰囲気をつくることも重要です。直接的に採用結果と関わりがあるわけではありませんが、多くの候補者とつながり、また採用のミスマッチを防ぐ上で重要な役割を果たします。

自社に本当に必要なエンジニアを採用するためにも、カジュアル面談を実施してみてはいかがでしょうか。

エンジニア・デザイナー・PMなどの開発組織の人材の採用や組織の作り方やトレンド・ノウハウに関する情報を定期的に配信しております。
ぜひ、メールマガジンにご登録ください!


採用・組織課題別お勧め記事


この記事をシェアする