エンジニアの人事評価制度のポイントは?評価基準や注意点などを解説

Offers HR Magazine編集部 2023年8月30日

Offers HR Magazine編集部

目次

優秀なエンジニアに長く活躍してもらうためには、人事評価制度の確立が欠かせません。エンジニアの人事評価の基準をはじめ、多くの企業が抱えがちな問題・課題とともに、評価のポイントを解説します。エンジニアを採用している企業は、参考にしてみましょう。

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エンジニアの人事評価制度とは何か?

(出典)https://www.pexels.com/

エンジニアの採用・育成に限らず、優秀な人材に高いパフォーマンスを発揮してもらうには、自社に合った人事評価制度を構築する必要があります。これから本格的にエンジニアの採用・育成を考えている企業は、どういった評価制度が適切か検討することが大事です。

まずは、人事評価制度とは何か、基本的なところから確認していきましょう。

そもそも人事評価制度とは?

人事評価制度とは、社員の業務でのパフォーマンスや成果を評価し、給与や待遇、昇進などに反映される制度全般を指します。より具体的には、次の「業績考課」「能力考課」「情意考課」の3つの評価基準について、任意に組み合わせた制度といわれています。

  • 能力考課:扱えるプログラミング言語やプログラミング能力など、対象者のスキルや能力を評価する項目
  • 業績考課:成果物の質や完了させた案件数、組織・個人の目標達成度などを評価する項目
  • 情意考課:日々の業務に対する姿勢や、取り組み方などを評価する項目

エンジニアは職種や業務に幅があるため、評価のポイントが難しいと感じる人事担当者も多くいますが、これらの項目を具体化し、具体的に何を評価するか決めておくことが大事です。

エンジニアの人事評価の重要性

人事評価の基準は企業によって異なるものの、経験やスキルだけではなく、エンジニアとしての日々の仕事ぶりに関しても、正当に評価してもらいたいと感じるエンジニアは多くいます。

正当な評価は優秀な人材に長く働いてもらうことにつながるので、現場のエンジニアの意見を取り入れつつ、評価の公正・公平さを担保しましょう。逆に偏った制度はエンジニアの不満につながり、早期離職の可能性も出てくるので、定期的に評価制度を見直して、改善を重ねる必要があります。

特にエンジニアは、短期間で人材の評価が難しい職種でもあるので、他の職種とは異なる基準での評価が求められます。可能な限り、職種ごとに人事評価の基準を定めるようにしましょう。

エンジニアの人事評価の基準は?

(出典)https://www.pexels.com/

エンジニアの人事評価の基準としては、大きく以下の項目に分類できます。それぞれカテゴリの内容を確認し、具体的にどういった基準を設けるべきか考えてみましょう。

技術項目(スキル)

使用言語や開発スキル、それまでの業務経験など、技術的な項目はエンジニアの評価に欠かせません。対象者が専門とする領域の技術だけではなく、新たな分野の技術の習得に努めているかも、評価の基準としている企業も少なくありません。

具体的な評価項目は企業によって異なりますが、例えばエンジニアの専門スキルとして『システム』や『保守運用』『開発』『技術』といった分類において、細かく評価すべき項目を決める方法などもおすすめです。

マネジメント能力

エンジニアのリーダーやプロジェクトをまとめる立場にある人材は、マネジメント能力も評価の対象となります。数十名規模のメンバーがいるプロジェクトだけではなく、数名の小規模なチームを率いるリーダーでも、しっかりと評価することが大事です。

具体的には開発チームをまとめて円滑に業務を進める能力や、部下を指導する能力、正確にスケジュールを管理する能力などが、具体的な評価項目です。また、チームやプロジェクトで問題やトラブルが発生した際、いかに解決するかもリーダーの重要な評価基準といえるでしょう。

さらにチーム内だけではなく、関連部署とコミュニケーションを取りながら、適宜交渉するといった力もマネジメント能力の一種として評価すべきです。

エンジニアとしての経験・実績

エンジニアとして、どういった経験や実績を積んできたかも、評価基準に盛り込むことが可能です。具体的にどのような業務をこなしてきたか、どういった開発に携わってきたかなどは、評価基準として分かりやすいでしょう。

社内で評価するレベルを明らかにしておけば、公平な人事評価が可能になるポイントでもあります。プロジェクトにどういった形で貢献し、どのような成果を挙げたかも評価しましょう。

業界に関する知識

業界全体の移り変わりが激しいIT業界では、トレンドや今後の動向に関して、情報を収集・分析する力も重要です。エンジニアとして注力すべき技術が変わるケースも珍しくないので、トレンドを迅速に把握し、自らのスキルアップに生かせる人材は高く評価すべきでしょう。

他の評価項目に比べると、なかなか客観的な評価が難しいところではあります。しかし、日々の仕事の中で最新の技術を取り入れて業務効率化を図ったり、仕事のスピードアップを実現したりしているエンジニアに対しては、正当に評価することで、優秀な人材の定着につながります。

語学力

近年は外国の人材と協働するケースも増えているので、語学力もエンジニアの重要な評価基準にしている企業が目立ちます。全ての企業・エンジニアにとって必須ではありませんが、外国人と仕事をするならば、当然ながら英語をはじめとした語学力が必要です。

業界全体で海外と協働でシステムを開発する案件も増えているので、必要に応じて人事評価の基準として設定しましょう。

なお、最新のIT技術に関するものをはじめ、エンジニアに役立つ情報は英語圏で広まる傾向にあるため、自社に最新の技術を取り入れるならば、英語を用いて情報収集できるエンジニアを高く評価するのも有効です。

コミュニケーション力

エンジニアとしてスムーズに業務をこなすには、コミュニケーション能力も必要です。コミュニケーション能力を人事評価の基準とするのはエンジニアに限った話ではありませんが、とりわけエンジニア採用の場面では、注目する人事担当者は多くいます。

即戦力となるエンジニアを求めている企業にとって、技術力のみならず、チームメンバーやクライアントなどと良好な関係を築ける人材を採用したいと考えるものです。

コミュニケーション能力は後天的に身に付けられるので、既存の社員の人事評価の際にも、コミュニケーションに関する項目を盛り込むことで、社内の風通しがよくなり、生産性も上がりやすくなるでしょう。人事評価の基準として、積極的に取り入れましょう。

エンジニアの人事評価の課題

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エンジニアの人事評価の基準を紹介しましたが、多くの企業は評価基準の選定に加えて、以下の点でも課題を抱えています。自社の人事評価の体制をイメージしながら、エンジニアの人事評価における問題や課題を考えてみましょう。

短時間での評価が難しい

エンジニアの関わる仕事には数カ月から数年にわたるプロジェクトもあるため、他の職種に比べて、短期間での人材評価が難しいと感じる企業は多くあります。定期的に評価面談や1on1などを開いても、その時点ではプロジェクトが完遂しておらず、評価が難しいケースは少なくありません。

成果が具体的に把握できないことを理由に、いい加減な人事評価をしてしまうと、エンジニアの反発を招いてしまいます。プロジェクトの途中であっても、仕事に臨む姿勢やその時点での成果物などを確認し、できる限り公正な評価ができる体制を整えましょう。

定量評価が難しい項目も多い

コミュニケーション能力や自己管理能力、リスク分析に関する能力など、エンジニアに必要な技能で定量評価が難しい項目も多いため、評価に悩む人事担当者も多くいます。

定性評価が中心となる項目に関しては、人事部門内や管理者間などで、明確な評価基準を設けておかなければ、評価がぶれてしまう恐れがあります。評価に公平性が欠けていると思われると、エンジニアの不満につながり、早期離職の引き金にもなりかねません。

定量評価が難しい項目に関しても、できるだけ多くの観点から評価し、担当者の思い込みや価値観を排除できる仕組みを考えるといった工夫が求められます。

技術を正当に評価できる人材が少ない

人事部内にエンジニアの技術に関して、正当に評価できる人材がいない点を悩む企業もあります。非エンジニアが管理者である場合も多く、部下の技術的な評価が難しい場面では、外部のエンジニアの力を借りている企業もあります。

社内で人材管理を担当しているエンジニアや、プロジェクトリーダーなどがいる場合は、人事評価の場面で協力を得るとよいでしょう。技術以外の部分においても、できるだけ現場のエンジニアの意見を取り入れることが重要です。

エンジニアの評価制度を構築するには?

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エンジニアの評価制度の構築方法を解説します。人事評価制度は企業によって構築のプロセスが大きく異なりますが、以下の手順を踏むのが一般的です。

評価目的と評価基準を明確にする

まずは人事評価の目的を明確にして、それをベースに評価基準を決める必要があります。

上記のように、人事部門が技術面に詳しくない場合は、現場のエンジニアに初期段階から協力してもらいましょう。評価基準を設けたら、人事部内で情報を共有し、いつでも閲覧できる状態にしておくことが大事です。また、人事部内として、エンジニアの関わる部門・部署との連携も強化しておきましょう。

具体的な評価項目を作成する

設定した評価基準に見合った具体的な評価項目を作成していきます。上記の人事評価の基準も参考にしつつ、技術面やマネジメント能力、エンジニアとしての経験・実績などのカテゴリで、それぞれ評価項目を考えましょう。

具体的な評価項目は公正・公平さを担保するのはもちろん、将来的にどういったエンジニアを育成するのかといった観点からも、十分な検討が必要です。

評価基準を共有する

評価項目を各部門・部署の管理者や人事部内で共有します。必要な人員が必要なタイミングで情報を閲覧できる体制にしておきましょう。人事評価の基本的な体制が構築できたら、実際に現行の制度で運用をスタートする時期を決めます。

特に新たな人事評価制度の導入に伴い、評価システムを導入する場合は、入念な準備と運用テストが必要です。システムの設定や基本操作なども含めて、十分な期間を設けて計画的に進めましょう。

エンジニアを適切に評価するポイント

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エンジニアを適切に評価するために、以下のポイントを意識することが重要です。制度設計の時点から現場のエンジニアの意見を取り入れつつ、評価対象となるエンジニア自身の目標の達成度合いも評価に取り入れましょう。

現場のエンジニアの意見を取り入れる 

すでに説明したように、人事評価制度の構築段階から現場のエンジニアの意見をヒアリングし、エンジニア向けの評価基準や評価方法を決める必要があります。

社内のエンジニアならば技術面の評価ができる可能性が高く、経験豊富なエンジニアやプロジェクトリーダーなどが社内にいれば、社員教育の観点からも、どの部分を評価すべきか分かるでしょう。企業によっては、エンジニアの人事評価のみ、エンジニアの管理者が全て担当している場合もあります。

チーム内での役割なども評価する 

チーム内やプロジェクトにおける役割や提案内容、チームとしての成果も評価に取り入れてみましょう。たとえエンジニア個人として、目に見える成果を挙げられていなくても、チームへの貢献度もしっかり評価することで、組織へのエンゲージメントが向上します。チーム内でのスキルや技術の共有も評価するとよいでしょう。

エンジニア個人の目標達成度も参考に

エンジニア個人の目標やその達成度合い、自己評価なども人事評価の参考にすべきです。自分で目標を設定し、達成することで組織に利益をもたらしている実感が沸きやすく、仕事へのモチベーションにつながります。その後のパフォーマンスの向上も期待できます。

個人目標の設定に関しては、評価対象のエンジニアと上司にあたる社員とが、定期的に1on1の場を設けるなどして、その時点での考えや意志を確認しましょう。

エンジニアの人事評価制度で注意すべき点

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エンジニアの人事評価制度を構築する際には、以下の点にも注意が必要です。制度の設計には十分な期間を設定し、定期的な評価と改善が欠かせません。

十分な期間を設けて制度設計をする

評価基準を社内で共有し、十分な期間を設けて体制を構築することが大事です。人事部門内で共有するのはもちろん、各部門・部署の管理者やマネジメント層とも情報を共有しましょう。

特に、新しく制度を取り入れる場合には、事前に社内に周知しておかなければいけません。体制の変更で混乱を招かないように、余裕を持って計画的に導入を進めましょう。

評価制度の定期的な改善・見直しが必要

エンジニアの人事評価に限らず、初めから完璧な制度設計はできません。定期的に制度を見直し、自社に合わないものがあれば撤廃したり、新たに必要な基準を追加したりする必要があります。

また、大々的に制度を導入しても改善に手間と時間を要するケースが多いので、まずは一部の部署・部門のみ試験的に導入し、改善を重ねるアプローチもおすすめです。

エンジニアの人事評価制度の例

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エンジニアの人事評価制度の事例も紹介します。いずれもエンジニアに特化した評価制度になっているので、参考にしてみましょう。

エンジニアの職位制度を導入

国内最大級のレンタルサーバー『LOLIPOP!(ロリポップ)』や、ドメイン取得サービス『MuuMuu Domain(ムームードメイン)』などを運営しているGMOペパボ社では、定期的に上級エンジニアが全ての技術者を評価する制度を導入しています。

経験豊富なエンジニアが人事評価を担当し、独自の評価軸で納得感のある人事評価を実現しており、さらに半期ごとにエンジニアからの立候補を募り、面談を通じて専門職として昇格する職位制度もあります。評価基準についても情報公開を重視しており、徹底して客観性・透明性を担保しているのが特徴です。

テックリードを新たに創設

料理レシピの投稿や検索を中心に、日本最大級の料理サイトを運営しているクックパッドでは、2017年から『テッククリード』を役職として創設し、チームのマネジメントを担当することで、エンジニアがエンジニアを評価する仕組みを作っています。

テックリード自身はチームの管理とメンバーの相談役としての位置付けであり、成果やスキルの評価だけではなく、エンジニアとしての成長を支援する役割も担っています。

エンジニアの人事評価制度を確立する

(出典)https://www.pexels.com/

エンジニアの人事評価制度のポイントや注意点などを解説しました。他の職種に比べて、エンジニアは短時間での評価が難しいケースも多かったり、定量評価が難しい項目があったりなど、人事評価に工夫を要します。

初めから完璧な制度設計は困難なので、定期的に評価と改善を繰り返すことが大事です。現場のエンジニアの意見を取り入れつつ、十分な余裕を持って人事評価制度の構築を進めるようにしましょう。


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