求人票の作成やスカウト文の下書きをAIに任せることは、すでに多くの企業で進んでいます。
一方で、成果に差が出ているのは「AIに任せる仕事の質そのもの」が変わったチームです。単純作業ではなく、判断そのものをAIに渡すという考え方があります。
2026年8月7日、Offersのウェビナーに、Staneer株式会社 代表取締役の渡邉拓哉氏が登壇しました。元ITエンジニアであり、人材紹介のトッププレイヤー、スタートアップの人事責任者を経て創業した経歴の持ち主です。
本記事では、渡邉氏が語った「AI分身」のつくり方を、弊社代表 鈴木裕斗との質疑応答も含めてお届けします。
AIに任せる仕事を、単純作業から「判断」へ広げる

渡邉様:最近、AIの目まぐるしい進歩を皆さんも感じられているかと思います。その中で「人がどこまでやって、AIにどこまで任せるか」という議論もよく耳にするでしょう。
私は元々エンジニアを5年ほどやっていたので、Claude Codeが出始めた頃からガンガン使っています。今も5〜6時間ぐらいずっとClaudeを動かしながら仕事をしています。
その中で、使い倒したからこそ見えてくるものがありました。AIはここまでやって、人がここまでやるという基準を、自分なりの解釈でお伝えできればと思います。
属人的な仕事は、2種類に分けられる
単純作業の業務効率化は、もうAIがまさしくやるべきでしょう。
もう1つ、属人的に自分の判断でやらなきゃいけないものは、皆さんも自分でやっちゃっているところがあると思います。
そこは2種類に分けられるかなと思っていて、1つが自分にしか本当にできない部分。もう1つが、ちゃんと判断基準をAIに渡せれば、AIがやってくれる部分です。
これを私はAI分身という言い方をしています。判断基準を持ったAIを使うことで、人がやらなければいけないところに、よりリソースを割ける。
仕事の任せ方は3つに分類できる
1つ目がChatGPT、Gemini、Copilotのような生成AI。指示して、生成して、修正する。仕事の効率化で皆さんもよく使われているかなと思います。
2つ目がClaude CodeをはじめとするAIエージェント。業務の一連の流れ、単純作業を効率化してくれます。
そしてもう1つが今日の主役です。価値観や判断基準、経験を全部ナレッジに入れて、それをClaudeを使って仕事させる。これがAI分身になります。
イメージが分かりやすくいくと、私が39歳で昭和生まれなので、パーマンに例えているんですけど。赤い鼻のボタンを押すと、その押した人のコピーロボットが作られて日常的に過ごしてくれる。まさしくそのイメージです。
その分身を作れば、見た目や作業だけではなくて「自分ならどうするか」という判断で動く。かつ、その間、自分は自分にしかできない仕事をする。
AI分身をつくる5つのナレッジ

渡邉様:いろいろ使い倒した結果、5つのナレッジを渡せればコピーロボットができるな、と見えてきました。
価値観・仕事の手順・判断基準・成功と失敗の経験・表現ルールの5つです。
1番大事なのはやっぱり価値観ですね。5W1HでいくとWhyの部分です。なぜ自分はそれをするのか、何を大事にしているのか。
この「なぜやるのか」という理由の部分が、そのコピーロボットの1番考えが出るところです。人間だからこその価値観も、AIに渡せる部分があります。
その後に仕事の手順。Howの部分ですね。どう進めるか。これはClaude Codeでスキル化をしてタスクを渡していく感じです。
ただ、仕事の手順を渡すだけだと判断ができません。何をどうすればいいか分からないWhatの部分が分からないので、そこの判断基準を決めてあげる。
それでも、やっぱり「ちょっとなんか違うな」という感じになってしまうので、過去の自分の成功体験・失敗経験も全部入れてあげる。何がうまくいって、何がダメだったのか。
そこまでできても、なんか言い回しが違うというところがあります。最後に表現ルール。自分らしい表現方法を伝えてあげる。これでコピーロボット、AI分身ができます。
こういうナレッジをフォルダーごとに分けて、その中に.mdファイルを入れて判断してもらう。うちでいくと、もう5,000以上の.mdファイルが入っています。
渡し方のポイントは「議事録」ではなく「会話の録音」

渡邉様:じゃあ、どうやってこの5つの観点を渡していくのか。
最初はいろんな渡し方をしていて、うまくいかないなと試行錯誤した結果、見えてきた答えがあります。ポイントは、会話の録音データです。
会話は今は資産になるので、自分のボイスメモをそのまま渡して、Claudeに「1から5の観点でナレッジにして」と伝える。これがいろいろ試しながら分かってきた、1番いいやり方です。
議事録では「なぜその判断に至ったか」が落ちる
今まで議事録を書くとか要約するとか、新人がよくやっていた議事録。僕もやってましたけど、ああいうものって言葉の端々の温度感や、なぜその判断に至ったのかが落ちて、最後の結論しか出ないんですよね。
価値観が出ないとか、判断基準が曖昧になるとか。そういったものが、やっぱり議事録を要約したデータだと出なかったりします。
今のClaudeは、特にFableになってめちゃくちゃ賢いので、会話の中での空気感、温度感、熱量を全部読み取って、それをナレッジにしてくれます。
なので必ず面談・面接は、もちろん同意の元ですね、候補者の方、企業の方に同意を取った上でボイスメモを残して、それを.mdファイルに入れてナレッジにしていく。これが1番効率もよく、1番クオリティが高いと分かりました。
「ちょっと違う」も、声で返す
ただ、育てないと意味がありません。PDCAを回して育てていかないと、結局「ちょっと違うな」で使われなくなってしまう。
その修正も、なぜこれがダメだったのかをボイスメモで残していく。ちゃんと声で伝えて、会話にして伝えていくというのが、1番お伝えしたい部分です。
私は弊社でPlaudという録音ツールを使いました。もちろん会社さんによってはセキュリティ上使えないこともあるかなと思いますが、今まで使ってきた中ではPlaudが1番クオリティも高くておすすめかなと思ってます。
録音を扱うための4つのセキュリティ対策

渡邉様:ここでいくと、やっぱりセキュリティの問題を皆さん懸念されるでしょう。うちはめちゃくちゃ対策をしっかりしています。
1つ目が「録る」。 先ほどお伝えした通り、録音は必ず同意を取ります。
2つ目が「伏せる」。 .mdファイルにナレッジとして貯める際、会話の中ではやっぱり個人情報が出てきてしまうので、それは確実に伏せて保存する。Claudeに事前にセキュリティルールを伝えて、それを参照して格納するというところを徹底しています。
例えば「山田太郎さんです」という話をしても、山田太郎さんがエンジニアであれば「男性30代エンジニア」というファイルで溜まっていく。個人情報が突き詰められない形にしています。
3つ目が「残さない」。 生の録音データはそこには残さず、.mdファイルを作るためのものにする。溜まっていくと個人情報が溜まっていくので、定期的に破棄をしていきます。
4つ目が「置き場所を分ける」。 MCPやGoogleと繋ぐと自分のログイン情報もあります。社員みんなで同じスキルを使うとなると、Googleの共有ドライブにスキルを置くようにしていますが、それだとパスワードのようなものが公開されてしまう。
機密情報・ログイン情報のファイルは自分のローカルにしか置かないという社内ルールにしています。共有ドライブも、確実に自社のドメインでしか入れないというセキュリティの精査をした上で置く形です。
この4つをしっかりやっていれば、録音に関してはある程度対策ができるかなと思います。AIに渡すのは個人情報ではなくて判断基準を渡す、という観点です。
ナレッジは、AIに質問させて貯める

渡邉様:面談・面接・商談だけだと、やっぱりナレッジが溜まりません。自分で書き出すと、要約になってしまいます。
1番効率が良かったのは、Claudeに「今足りない情報は何だと思う」と一問一答形式で質問させることです。
「今、私に足りないピースを一問一答で質問して」と言うと、「なぜあなたはこういう判断をしたんですか」「具体的にどう違うんですか」「どこまでだったらOKで、どこはダメなんですか」と質問してくれます。
これを全部、音声データをPlaudに入れてテキスト化して、Claude Codeで貯めていく形です。
私はよく車が好きでドライブするんですけど、ドライブ中もずっとブツブツ喋りながら頭の整理をしています。散歩中も、ふっと思いついた時にすぐ録音できるようにしています。
「ちょっと違う」が出たときも同じです。Claudeに「なんか違うんだけど、これって何だろう」と言うと、「じゃあ、こういうことだとどう判断しますか」と質問が飛んでくるので、それは全部ボイスメモで返す。
どんどんナレッジが溜まっていくので、PDCAを回して、自分のコピーロボットの精度を高めていきます。
修正が減っていくと、もう任せきりになる。私は実はXの投稿も、ほぼほぼ自動配信で発信しています。むしろ自分よりもちゃんと言語化ができているものができているので、実行までやる。ここまで行くと、非常にAIと同期している状態になっています。
人材紹介の全工程にAIを入れると、何が変わったか

渡邉様:具体で、人材紹介で何をやっているのかをご説明しましょう。
ざっくり言うと、全工程でAI分身を使っています。社員2人、アシスタントさん、あとAIエージェントで、出会いから成約まで全部やっています。
発信する
SNSはもう1日4回自動配信、特にXが中心です。ビズリーチさんはシステム上できないので全部アシスタントさんにやってもらっていますが、それ以外のスカウト媒体は基本的に自動生成、自動送信が可能なので、配信も全部Claudeに任せています。
今までRPAやRPOに任せていたところも、結構自動でできてしまう。皆さんの現場でいくと、スカウトの文面とかで使えるかなと思います。
X運用については、始めて2ヶ月ぐらいで、最初600人ぐらいだったフォロワーが3,364人まで増えました。だいぶやってよかったなというところがあります。
今の時代、エージェントも「何々会社さんの誰々さん」なんですよね。前職のマイナビでいくと「マイナビだから登録する」というのが5〜6年前は当たり前でしたが、今だと「マイナビだから、それでどうした」という感じになってしまう。
「誰々さんがこう発信している」と、会社名にこだわらず「何々さんに転職をお願いしたい」という時代に、結構なってきているかなと思います。人事の方も「この人事の方がいるから、この会社に興味あります」という時代に多分なってくるでしょう。
選ぶ
うちは13万件ぐらい求人が、シェアリングの求人を含めてあります。その人の面談経歴に何がマッチングするのかというところが、めちゃくちゃ時間がかかる。そのマッチング作業も全部、Claudeにノウハウとナレッジを入れて任せました。
候補者の方に求人を紹介する時に「あなたになぜこれがおすすめなのか」という、おすすめ度の星3つ・2つを決めているんですけど、その推薦コメントも全部ナレッジを入れてご紹介しています。
判断して進める、数字で動く
毎朝動かして、ATSの自動更新をしています。メールを全チェックして、カレンダーの自動登録、ATSの更新、Slackへの報告。アシスタントさんを含めて自動報告するというところもやっています。
KPI分析も、ダッシュボードをClaudeが全部やってくれます。ATS上のダッシュボードって「もうちょっとこの項目が欲しいんだけど」というのが、昔、人事の時もありました。自分オリジナルの報告用ダッシュボードがClaudeで一瞬でできます。
大事なのは、そのダッシュボードから何が課題で、どうネクストアクションしていくかです。可視化するだけでは意味がないので、その戦略決めはAI分身のナレッジから壁打ちをさせて、「今の状況でいくと、こうした方がいいですよ」と言ってくれるようにしています。
育てる
今回は採用責任者のAI分身なので、メンバーが新しく入るとか、人事未経験の方もいらっしゃるかなと思います。
面談・面接後のレビューAIをつくりました。今までは同席してレビューしなければいけなかったものが、文字起こしを入れればレビューをしてくれる。
人材紹介でいくと初回面談が1番大事なので、うちの全ナレッジを基準にして、良かった点・改善点を診断レポートの形で出してくれます。なぜ三角なのか分からない時は、裏でGeminiのAPIと連携しているので、チャットでナレッジと紐付けて回答してくれる。僕が横にいなくても面談のレビューをしてくれます。
どれくらい短縮されたか
- スカウトの発信:アシスタントさんの工数を含めて約4時間 → 5〜10分
- 求人マッチングと推薦コメント:約2時間 → 10分
- ATSの更新:30分〜1時間 → 5分
- KPIの集計:頑張れば半日 → ほぼ0
人にしかできないのは「認知を変える」こと

渡邉様:まとめでいくと、単純作業はもちろんAIに振る。そこから自分の判断基準・価値観というところ。今までは人間がやらなきゃいけないと思っていたものが、ナレッジを紐づければ確実にAI分身に渡せます。
じゃあ人間が何をやるのか。これが1番重要だと思うんですけど、ちゃんと人がやるべきところにリソースを使うことです。
例えば、候補者の方が迷われていたら、その感情に寄り添って背中を押してあげる。あるいは認知変容ですね。ちょっとコーチング的な観点になりますが、もう少し介入して「あなたって、もしかするとこうなんじゃないですか」と言ってあげることで、本人に気づきを与える。
「確かにですね」という認知を変えてあげる。表情や感情を読み取って、ちゃんと伝えて認知を変えてあげるというのが、人にしかできないと思います。
これは人事の方も絶対すべきですし、人材紹介の方も絶対すべきだと思います。そこにエネルギーと時間をかけて、他の部分はAI分身に任せる。そうすると、人は人にしかできない業務に集中できる。結果的に企業の生産性も上がり、自分の生産性も上がるという未来があるかなと思います。
なぜ「採用責任者」なのかでいくと、採用責任者の方はある程度ハイパフォーマーで、マネージャーレイヤーになられているかなと思います。
そのトッププレイヤーの頭の中を全部ナレッジ化して資産化する。 そうすることで、ジュニアの方を採用する時、メンバーへの育成、未経験の人事の方も含めて、全体的な生産性向上につながるかなと思います。
質疑応答

AIに渡すデータをどう扱うか — 音声・個人情報・媒体の規約
――鈴木:音声データが重要ということですが、文字起こしではなく生の音声データの方がいいということでしょうか。
渡邉様:結論、半分合っていて半分間違っているかなと思っていて。音声データから全て文字起こしをさせて、それが元になります。
「おはようございます」とかの情報も意外に資産になります。その空気感、候補者の方や企業の方とのその場でしか分からないものがナレッジとして入れられる。音声を、本当にそのままの生データからテキストにする、そこが重要になるという感じですね。
――鈴木:最終的には全部テキスト、文字起こしですが、音声データがないと作れないんですよ、ということですね。
mdファイルで個人情報を伏せていくのは、目視して手作業修正のイメージであってますか。
渡邉様:結論そうではなくて、生の文字起こしから.mdファイルにする時に、Claude Codeに「こういう個人情報を入れない形にしてください」とちゃんと伝えると自動的に変わるので、全部目視で確認する必要はないですね。
かつ、そもそもClaude Code側から「これ個人情報ですけど大丈夫ですか」と質問が来ます。忘れていても「ごめんなさい、これはダメなのでやっておいてください」「分かりました」という形で、会話形式で言ってくると思うので。
結論、全部Claudeがやってくれるので、そこは手直しで見る必要はないという感じですね。
――鈴木:媒体における候補者検索などは利用規約でNGになっている媒体も多いと思いますが、どのように整理してるんでしょうか。
渡邉様:おっしゃる通り、ビズリーチさんとかはもう完全NGなので、そこは検索からログイン、スカウトまで全部、人間のアシスタントの方に送ってもらうという風にしています。
意外にYOUTRUSTさんやGreenさんとかは、RPOでガンガン回せるところはちょっと緩かったりする部分もある。もちろんそのスカウト媒体に確認しなければいけないですけど、確認した上で問題なければやるという風にしています。
せっかく契約していて、それがバレて元も子もないと思うので、結構そこは正々堂々とやった方がいいでしょう。
ATSの自動化は、具体的に何をやっているか
――鈴木:採用工程の自動化はATSの壁があると思います。自動化の観点で具体的にどのようなことをやっているのか、可能な範囲で教えてください。
渡邉様:おっしゃる通りで、SlackとかNotionのように公式にClaudeと繋ぐMCPを発行してくれているところは問題ないんですけど、おそらく人事系・HR系のATSにはMCPはないかなと思います。
MCPがなければ、次にAPIがあるかどうかを見ていただきたい。APIもあるところとないところ、あっても書き込みはNGで表示や検索しかできないものもあります。
そこはClaudeに「APIを連携したいんだけどどうすればいい」と聞くと手順を言ってくれるので、できればAPIで繋ぐ。
それでも繋がらない場合は、Playwrightという、APIがなくてもログインして人間がやる動作をWeb上でやってくれるものがあります。「Playwrightを使ってやってね」とClaudeに指示すると、やってくれる。
ちょっと力技ですけど、Playwrightを使うとどんなWeb上のものでもやってくれます。ただ1つ懸念は、めちゃくちゃ消費することです。「1週間でこれだけしか使えません」という制限がClaudeだとあったりするので。
毎月のコストと、クイックウィンにおすすめの施策

――鈴木:Claudeの毎月のコストが知りたいですと。
渡邉様:1番安いプランが3,000円ぐらい。その1個上が1万円で、1番高いプランが3万円という3段階だと思います。
今僕は3万円のプランを2アカウント、毎日6時間ぐらいClaudeを動かしているので、それぐらいないと足りないみたいなのはあります。VSコードだとアカウントを切り替えてもそのままの流れで使えるというメリットがあるので、消費が切れたら別のアカウントを使うという運用です。
ご自身でやるのであれば、多分1番安いので足りなかったら1つ上にするというぐらいでもいいかなとは思うので、そんなにコストはかからないです。
――鈴木:クイックウィンのためにおすすめの、すぐにできるAI系の改善施策を教えてください。
渡邉様:本当に初歩の初歩でいくと、VSコードを無料でダウンロードして、Claudeの有料会員になるというところですけど。
Plaudの文字起こしも1万円ぐらいコストがかかるので、クイックで始めるとしたら、Google MeetやZoomの録音機能でも全然いいかなと思います。
そこでも自分の価値観を延々と喋る。それもClaudeに質問してもらってやっていくというところでも、AI分身がちょっとずつできてきたりするので、それでもだいぶいいものはできてきます。
まず材料集めをするというところを、クイックで最初にやった方がいいかなと思います。
どれくらい貯めてから任せ始め、構築にどれくらいかかったか
――鈴木:どれくらいの期間、掘りためたタイミングからAIに任せていきましたでしょうか。
渡邉様:いや、もうすぐにやった方がいいですね。
1本の商談とか1本の面談でも、Claudeは賢いので「この文脈からこういうことなんですね」と、20個30個ポイントを抽出してくれます。下手すると1本目から結構ナレッジになってくるので、足りない分は「何が足りないんですか」と聞きながらどんどん貯めていく。もう初日にすぐできるでしょう。
ただ、PDCAを回して自分流の精度にするのは、僕はもう何ヶ月もやっているのでほぼ自分になってますけど、そこをやるにはある程度やっぱり.mdファイルの数が比例するので大事にはなります。
――鈴木:mdファイルのベースを作るには時間がどれくらいかかったのかという質問ですね。
渡邉様:もう何千あるので、やったらやった分だけなので、3〜4ヶ月ずっとやり続けてという感じですかね。もうずっと、ほぼ5〜6時間やり続けるみたいなのが大事かもしれないです。
結構思うのが、今大きくAI革命が起きている。産業革命があり、IT革命があり、今AI革命が起きるという中で、みんなほぼ未経験。刀で戦っていたところに鉄砲が来たみたいな時代感に近いかなと思います。
その中でいかにAIを使い倒すかの時間が、このナレッジになるとは思うので。賢さよりも、いかに使った時間が、このAI時代においては勝負の武器になるかなとは思っています。
使い倒すと見えてくる世界線があるので。期間というよりも、いかに時間をかけてやるかが結構大事かなと思いました。
ゼロからClaudeを構築するなら、何から着手すればよいか

――鈴木:今から0でClaudeを構築する際に、何から着手すればよいでしょうか。
渡邉様:まずClaudeの有料会員、3,000円のプランになることですね。あとボイスレコーダーを、予算があるなら買うこと。それがないのであれば、Zoomの録音機能とかを使いながら。
今まで貯めた資産があるんだったら最高ですね。候補者の方や企業の相談メモのボイスがいろいろ溜まっているんだったら、それを全部掘り起こして入れればナレッジになります。
「もう全く取ってません」という方であれば、ちょっとずつ今から面談の内容やメモの内容を全部入れていくというところからやっていくといいのではないでしょうか。
AI時代に必要な人材と、組織への広げ方
――鈴木:AIの活用が進む中で、今後必要になってくるビジネス人材のスキルや考え方があれば教えてください。
渡邉様:ここも多分だいぶ変わってくるかなと思っていて、結論、抽象度高く言うとちゃんと素直にできる人が今後価値になってくるのかなと思っています。
ある採用イベントでCTOの方が登壇していて「確かにな」と思ったことがあって。
昔はテックリードを採用する時に、技術があって市場価値が高くて年収が上がる。ただAIネイティブ時代になっていく中で、むしろそういう人がコードを書くよりも、AIに任せた方が早いしクオリティが高い。
そういう方ももちろんAIを使うんですけど、自分のプライドと誇り、10何年やってきた思いがあるので、AIの内容をそのまま鵜呑みにせず、変換をさせてアウトプットを出すらしくて。企業からすると、むしろやって欲しくないと。
どちらかというと、第二新卒やZ世代のAIネイティブの方が「AIが言ってたからそのままアウトプットしました」の方が、生産性が高い。「30代のテックリードの採用はやめて、第二新卒でAIを使いこなせて素直にやってくれる人を採用してます」とおっしゃっていて、結構「確かにな」と思いました。
これからはAIと同期していく。知識はもうAIの方がいいので、色が出るのはやっぱり「自分がなぜそれを思うのか」という価値観の部分が1番差が生まれるところだと思います。
ちゃんとAIに素直に従ってくれて、自分の価値観・色を出しているという人の方が、ビジネスマンとして今後生産性が高くなるかなと思います。
――鈴木:AIを組織内で普及させる際の、組織トップや現場担当の考えや方法があれば教えてください。
渡邉様:AIに対して拒絶反応とか、今の業務が大きくパラダイムシフトで変えなきゃいけない部分があると思うので、どう変えるかという手順を一緒に伴走してやらないと。「AIを導入しといてね」と言われても、どう選べばいいか分かりませんとなってしまう。
1歩ずつ手順で、「じゃあ1回VSコードをやってみようか」「Claude Codeでちょっとスキルをやってもらえる」というところをちょっとずつ馴染ませると、その方も「あ、こうやってやるんですね。1回やってみます」となります。
バンとざっくり渡すと絶対浸透しないので、スムーズに馴染むまで丁寧にやり切るというところは意識してるかなと思います。
最後に、渡邉氏はこう締めくくりました。
Claudeと出会ったことで生産性が上がり、人生が変わるぐらいの形になってきた。まだ本当にライバルがほとんどいない状態なので、今やったらやった分だけ自分に見返りがあって、その分成長できるいい機会だ、と。
非エンジニアの方は「黒い画面が苦手」ということもあると思いますが、VSコードなら白い画面に変えられる。そういうところから1歩ずつやっていただくといい、という言葉で締められました。