HRの役割と業務内容とは?人事部との違いやHR Techについてエンジニアの観点から解説

Offers HR Magazine編集部 2023年7月3日

Offers HR Magazine編集部

目次

エンジニア組織のHRをどのように考えるかは、組織の発展や成長に大きく影響します。この記事では、HRの重要性や役割、また最先端のHRテクノロジー(HR Tech)を活用し、採用やパフォーマンス管理、スキル開発などを効果的に推進する方法について紹介します。

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HRの基本知識を解説

(出典)https://www.pexels.com/

HR(Human Resources)の基本知識を分かりやすく解説します。HRの本質や役割、そして従来の人事部との違いについて理解を深め、効果的な経営戦略に生かしましょう。

HRは人的資源のこと

HRとは「Human Resources」の頭文字をとった言葉で、企業における人的資源の管理と最適化を意味します。

一般的に経営資源には「ヒト・モノ・カネ・情報」の4つが挙げられますが、このうちHRは「ヒト」に関する領域を指す言葉です。どんなに資金が潤沢で物資があったとしても、それを扱う「ヒト」がいなければ、企業は成果を挙げることはできないでしょう。

人材資源を扱うHRは、組織の中でも特に重要な役割を担っているのです。

企業におけるHRの役割

企業におけるHRの主な役割は、人材資源の管理と最適化です。その業務は人材採用・育成・評価・配置・労務管理など多岐にわたります。

これらの業務を通じて、企業は従業員が能力を最大限発揮できる環境を整備し、組織の目標達成に向けた人材育成を行います。HRは、企業の競争力を向上させるために、適切な人材を確保し、そのスキルや能力を継続的に開発する役割を担っています。

人事部との違い

日本企業では人事部とHRは同義として扱われることも少なくありませんが、厳密には異なるため注意が必要です。

人事部は、採用や評価、労務管理や社会保険手続きなどの事務的な業務に従事しています。一方、HRはより戦略的な視点で人材の管理と最適化を行い、企業の成長に寄与する人材戦略の策定や実施など、より広範囲の人材領域を担当しています。

HRと人事部はまったく異なるものではなく、人事部の仕事は、HRの一部であるということができるでしょう。

HRの業務範囲

(出典)https://www.pexels.com/

続いては、HR業務である人事戦略・採用・育成・労務管理・組織開発の5つの業務について詳しく解説しますので、自社のHRの業務と認識が一致しているか、確認してみましょう。

人事戦略

人事戦略は、組織の目標達成に向けて、人材を効果的に活用するための計画や方針を策定する業務です。

具体的には、自社の戦略に基づいた採用計画の立案や人材配置、将来を見据えた人材開発などが挙げられます。エンジニア領域でいえば、自社の新規プロジェクトのための採用計画や、将来的なサービス設計・運用に向けた人材育成などが該当します。

組織風土の醸成のためのプロジェクトとリーダーやマネージャーの育成なども、人事戦略の一部といえるでしょう。

人材の採用・育成

優秀な人材の採用と育成もHRの仕事です。特にIT人材の不足が指摘される昨今では、社内エンジニアの採用と育成業務は重要になります。

特にエンジニアは人材不足によってハイクラスの人材を採用することが難しくなっており、社内でハイクラス人材を育成するための仕組みや、採用のための人脈形成などは、大きな課題となっています。この課題をどのようなアプローチで解消するのかも、HRの役割と言えるでしょう。

労務管理

労務管理は、従業員の労働条件や待遇に関する業務を担当する領域です。具体的には、労働契約の締結と管理・給与計算・社会保険手続き・労働時間管理・休暇管理などが含まれます。

近年はテレワークや在宅ワークで働く人が増えているため、多様な働き方をする社員の労務をどのように管理するかは、HRにおける課題といえるでしょう。

従業員の福利厚生、労働者の健康・安全に関する施策も労務管理の範囲とされています。労務管理は、従業員が安心して働ける環境を整備するために不可欠な業務です。

組織開発

組織開発も、HRにおける重要な業務と言えるでしょう。優秀な人材の採用や育成も組織開発に含まれます。人材開発と似ていますが、人材開発が組織に所属する一人ひとりを対象に行われるのに対し、組織開発は組織全体にフォーカスして行われます。

組織の中で必要な人材の洗い出しや採用・育成。また組織に所属するメンバーのコミュニケーションを円滑に行うためのツール変更や、生産性を向上させるための仕組み作りなども組織開発の業務となります。

HRの担当者に求められる能力

(出典)https://www.pexels.com/

企業では部署、業種ごとに求められるスキルが異なります。HRの担当者は、どのような資質やスキルが求められているのでしょうか。

人事や労務に関する専門性

HR担当者は、人事や労務に関する専門知識やスキルを持つことが求められます。

労働法や社会保険制度、給与計算、労働時間管理などの基本的な知識はもちろんのこと、企業が持つ人材の価値を最大限に引き出すための戦略やプログラムに関する専門性も含まれます。

働き方が多様化している現在のエンジニア領域では、雇用契約に基づいた給与計算や作業指示、違法性のない働き方の指導を行わなければなりません。

またパフォーマンスやエンゲージメントを向上させる組織論や評価についても知っておく必要があるでしょう。これらの専門性を持つことで、HR担当者は組織の人材マネジメントを効果的に運営し、企業の競争力を向上させることができます。

経営者の目線と知識

HR担当者は、経営者の考えている戦略について理解することが求められます。そのため、経営者の目線とビジネスに関する知識を持つことも重要です。

現時点で行っている戦略が、将来的にどのように醸成されていくのかを目標に、採用活動や評価制度をはじめとした組織づくりを行わなければならないためです。

伝達力

採用活動において、HR担当者は社内では経営者や現場の人間、社外では学生や専門家など、さまざまな人と接する機会があります。

思想や環境、考え方も違う多様な人と円滑にやりとりし、コミットしてもらうためにはコミュニケーション能力の中でも、相手に正しく情報を伝える伝達力が不可欠です。

また、コミュニケーションのオンライン化が進んでおり、メールやテキストツールによって外部とやりとりをする機会も増えています。そのため、正しいツールの使い方や、テキストコミュニケーションにも秀でた能力が必要となります。

HR Techも知っておこう

(出典)https://www.pexels.com/

近年注目されている「HR Tech」についても理解を深めましょう。HR Techの意味や背景、導入するメリットについて解説します。

HR Techとは?

HR Techとは、HRとTechnology(テクノロジー)を掛け合わせた用語で、HR領域に関連するDX化を指します。

例えば、労務管理にITツールを利用したり、採用に際してATS(採用管理システム)を導入するなども、HR Techの施策の一環といえるでしょう。

HR Techが注目される背景

HR Techが注目される背景としては、「HR領域の業務範囲が広がっていること」と「デジタル技術の進化」という2つの要因があります。

採用に関して具体的に見ていきましょう。従来、日本は新卒を一括採用し、自社で育成するメンバーシップ雇用が主流でした。しかし近年、労働人口の不足や働き方の多様化によって、得意な領域やプロジェクト単位でヒトを採用するジョブ型雇用が台頭し始めています。

また、近年はインターネットの発達により、求職者が企業の情報を自身で調査し、選定できるようになっています。これにより、採用担当者はさまざまなチャネルで採用活動を展開し、有力な採用者に関してはカジュアル面談を行うなどの工数をかけざるを得なくなっているのです。

また、デジタル技術の進化により、コミュニケーション方法やシステム管理にデジタル技術は欠かせなくなってきています。

こうした背景により、HR TechはHR領域を語る上で、外せなくなってきているのです。

HR Techを導入するメリット

HR Techを導入するメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • 採用業務の業務効率化
  • データ活用による戦略人事の決定
  • よりパフォーマンスを発揮できる人材を採用・育成できる

例えば、採用活動の結果や従業員のパフォーマンスなどのデータを収集することで、適切な人材配置や育成、将来かかるであろうコストの算出などの戦略人事の決定にも役立てることが可能です。採用した人材の評価やスキルを管理することで、適切な配置を検討するのにも役立ちます。

HR Techにおけるエンジニアの役割

(出典)https://www.pexels.com/

HR Techの導入におけるエンジニアの役割について解説します。

プロダクト開発や環境構築

HRのDX化を進めるにあたっては、プロダクトの開発や、DX化を前提とした環境構築が必要になります。

例えば、自社が今まで業務内の計算や集計をExcelで行ってきたとします。その業務をDX化するに至っては、自動で集計できるソフトを開発または既存システムをカスタマイズするといった業務が必要になります。

また、テレワークで仕事をしている社員の出退勤を管理できるツールの導入、社内で利用するツールの統一など、社員が働くための環境構築もエンジニアの役割です。

データ分析

データアナリスト・データサイエンティストの領域でも、エンジニアは必要になります。

例えば、1人当たりを採用するためのコストの算出や費用対効果の分析、現時点で問題となっている課題や成長の壁を解析し、その解決策を過去の施策やAIツールを使って検索するといった業務も必要になってくるでしょう。

人材確保に欠かせないHR

(出典)https://www.pexels.com/

HRの役割は、企業を構成する要素の中でも特に重要な「人材」に関する業務全般を担うことです。それは現時点の課題解決だけでなく、将来的な企業戦略も含めた採用活動や人材育成も含まれます。こうした活動を行うためには、人事に関する専門的な知識や経営者の目線も必要です。

また近年の採用市場に順応するためのHR Techの導入も仕事になります。

特にエンジニアは、IT人材の不足や働き方の多様化によって、人事戦略が難しくなってきています。将来的な企業の成長を見越し、今からHRに力を入れておきましょう。

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