エンジニアの人事面談のポイントは?具体的な方法や手順、注意点を解説

Offers HR Magazine編集部 2023年10月3日

Offers HR Magazine編集部

目次

上司と部下が業務上の課題について話し合ったり、今後の目標を設定したりする人事面談は、どの業界でも一般的です。エンジニア教育でも人事面談が不可欠で生産性の向上にも寄与するため、これからエンジニアを雇用する企業は、やり方を押さえておきましょう。

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そもそも人事面談とは?

(出典)https://www.pexels.com/

人事面談とは、社員と上司や人事担当者による面談で、さまざまなトピックを話し合い、今後の方針を決定するものです。まずは人事面談の概要と目的、効果など、基本的なところから簡単に解説します。

社員と上司・人事担当者との対話

人事面談とは一般的に、社員と上司にあたる社員、あるいは人事担当者との1対1の対話を指します。

もともと面談は面と向かって話し合うことを意味し、人事面談はその名の通り、人事に関して必要な事柄を社員との話し合いを通じて確認するための場です。一人一人の社員に人事評価の内容を伝える場や、業務上の課題について話し合う場、あるいは業務で必要な情報を共有する場として機能します。

企業によって人事面談の位置づけは異なりますが、目的を変えて定期的に開かれる点は、ほぼ共通しているといえるでしょう。

人事面談の目的と効果

(出典)https://www.pexels.com/

定期的に人事面談の場を設けることにより、社員の仕事へのモチベーションの向上や社員としての成長の促進、公正な人事評価などを実現できます。企業ごとに人事面談の具体的な目的は異なるものの、これらの点を目的に面談の場を設ける企業が大半です。それぞれ詳しくみていきましょう。

社員の仕事へのモチベーションが高まる

人事面談を通じて、社員の業務上の悩みや課題を解消できる可能性があり、結果として社員の仕事へのモチベーションが高まります。

いまだに完全トップダウンの体制で、管理者が部下に対してすべきことを命令する企業は、少なくありません。しかし現代の人材マネジメントにおいては、部下の抱えている問題の解決をサポートし、適切なケアをすることにより、最大限のパフォーマンスを発揮してもらうのが主流の考え方です。

社員に自ら考え能動的に行動してもらう方が、組織全体の生産性が高まり、ビジネス環境の変化にも柔軟に対応できるようになります。そのため人事面談を通じて社員一人一人の状況を確認し、適切な助言やアドバイスをすることで、問題・課題を自ら乗り越えられるように支援する管理者が増えています。

社員の成長につながる

面談を通じて業務に関する有益なアドバイスができるので、社員の問題・課題を解決できるだけではなく、社員自身の成長にもつながります。

人事面談は、普段のやり取りでは伝えられない事柄を話し合える場であり、これまでの業務の振り返りをするとともに、今後向き合うべき課題について、上司と部下の双方の視点から考えられます。

上司のアドバイスを通じて、社員がそれまで気付かなかった課題を認識できる場合もあり、一皮むけて大きく成長できる可能性もあるでしょう。

公正な人事評価が可能になる

人事面談は人事評価の理由について、社員に分かりやすく伝える場として活用できるので、評価の納得感を得られる効果もあります。

また面談を通じて、人事評価を担う管理者や人事担当者などが、評価対象となる社員の考え方や価値観、仕事の進め方などの詳しい情報を得られます。その結果、公正な人事評価を実現しやすいのも、人事面談のメリットといえるでしょう。

なぜその評価なのか、よい点も改善点も詳しく社員に説明できるので、上司と部下との適度な緊張感を保ちつつも、良好な関係を構築・維持するのに役立ちます。

代表的な人事面談の方法

(出典)https://www.pexels.com/

人事面談の目的はさまざまで、企業によって開催のタイミングも異なります。ただし一般的に企業が設ける面談は、以下のいずれかのパターンに当てはまります。

目標設定面談

目標設定面談は年度の初めや、上半期・下半期のスタートなど、事業年度の節目に実施される面談です。その期間における社員の目標や役割などに関して、上司と部下で話し合うのが目的です。

まず上司が部下に対して、当期の部門・部署の全体目標や達成すべき事柄を伝え、部下に業務上の目標を設定してもらいます。それを上司が確認した上で、適宜目標の修正や助言をすることで、組織の目標と社員の個人目標のすり合わせをするのが一般的です。

さらに、当該社員が業務に関して不安な点や不明点などがある場合は、上司として適宜アドバイスをすることにより、問題なく仕事を進められるようにサポートするのも、目標設定面談の目的の一つです。

中間面談 

中間面談とは一般的に、人事評価期間の半分が過ぎた時点で、進捗(しんちょく)を確認するために実施される面談です。

上司は部下の業務の状況を確認し、目標の修正・追加の必要性や、具体的な行動プランの妥当性などを確認します。部下と同じ目線に立った上で目標の達成状況を考慮しつつ、必要な助言やアドバイスをすることで、目標の達成を後押しするのが中間面談の主な目的です。

社員によっては日頃の努力がなかなか実を結ばず、業務に対してフラストレーションを抱えていたり、モチベーションが低下していたりするケースもあります。そういった状況から脱却してもらうために、経験者の立場からサポートすることで、組織全体の目標達成に寄与するのも管理者の役割です。

フィードバック面談

フィードバック面談は一般的に、期末に上司から部下に対して、人事評価の結果をフィードバックするための面談です。部下が年度初めから担ってきた業務に対して、達成度合いを評価し、褒めるべき点や改善すべき点などを明らかにするのが目的です。

上司にあたる管理者は、部下の褒めるべき点はしっかり褒めた上で、現状の課題の解決に必要な要素や、成長のために必要な取り組みなどを、話し合いを通じてアドバイスします。部下の成長や仕事へのモチベーションに大きく影響するので、管理者が現状を正確に把握した上で、適切なフィードバックをする必要があります。

1on1

期末や年度末以外にも、必要に応じて面談の場が設けられるケースも多く、特に上司と部下による1対1の面談は『1on1』と呼ばれています。人事面談とは別枠で1on1が実施される場合もあれば、人事面談の一環と捉えている企業も少なくありません。

1on1では上司が部下の仕事ぶりや成果を評価し、今後の業務の進め方や目標などを確認した上で、組織全体の目標との整合を図ります。

また、仕事だけではなく、人間関係や家庭の悩みの相談に乗るケースも珍しくありません。さまざまなトピックで話し合いをすることで、上司と部下との信頼関係を構築する目的も持っています。

人事面談の具体的な手順は?

(出典)https://www.pexels.com/

それでは、人事面談を実施する際の具体的な手順を解説します。面談の性質によっては、必ずしも以下の順で進められないケースもありますが、一般的な面談のプロセスとして押さえておきましょう。

1.アイスブレイク

まずはアイスブレイクとして、簡単な雑談からスタートするのが一般的です。人事面談は上司と部下の間に緊張感が生まれやすく、とりわけ部下の方は、思ったことをうまく話せないケースがよくあります。

そこでまずは、緊張感を和らげるために、趣味や仕事以外の出来事などに関して雑談をすることで、話しやすい雰囲気を作り上げるのが有効です。

1対1の場面ではめったにありませんが、研修やセミナーの場においては、参加者同士が打ち解けやすいように、簡単なゲームをアイスブレイクとして実施する場合もよくあります。

2.社員の自己評価を確認する

アイスブレイクで話しやすい雰囲気を作ったら、部下に仕事の振り返りと自己評価をしてもらいます。企業によっては、評価を伝えてから自己評価を確認する場合もあるが、まずは部下から話をさせた方がよいでしょう。

ともに業務の振り返りをしたい旨を伝えて、これまでの取り組みをどのように考えているか、よい点や課題と考えている点などを語ってもらうことが重要です。

管理者には途中で話を遮ることなく、最後まで話を聞く姿勢が求められます。途中で話が終わってしまう部下もいるので、話すべき内容を絞り込むなどして、続きを促すようにしましょう。

3.評価すべき点を伝える

社員の自己評価を確認した後に、管理者として人事評価の結果を率直に伝えます。

目標を達成できた場合はしっかりと褒めた上で、次に何をすべきか、組織としてどういった点に期待するかを説明しましょう。目標が未達だったり、改善すべき点があったりする場合でも、まずは褒めることが重要です。部下の取り組みをしっかり評価した上で、課題や改善点について言及しましょう。

4.課題や改善すべき点を確認する

評価すべき点を伝えたら、今期を通しての課題や改善すべき点を確認します。相手の立場を考慮して、感情的にならず冷静に話を進めましょう。具体的にどういう部分に問題があるのか、どのようなアプローチで改善をすべきかなど、部下の意見も聞きつつ、客観的な助言や提案をすることが重要です。

また、改善すべき点を説明する際にも、根拠を提示して分かりやすく説明しなければいけません。不満を持つ部下も出てくる可能性があるので、説明を尽くしてできる限り疑問点を残さないようにしましょう。

5.次回の目標を設定する

最後に、来期の目標の設定と具体的な取り組みを決定します。部下がどういったキャリアを積んでいきたいかも確認しましょう。目標を設定する際には、基本的には部下が自ら決めた内容で、達成可能なものを設定しましょう。達成できたかどうかを確認するために、基準を明確にすることも重要です。

部下が自ら目標を決めることで、仕事へのモチベーションが高まります。上司が一方的に目標を押しつけてしまうと、前向きな気持ちで仕事に向き合えない可能性があるので、あくまでも部下が自ら決めて、具体的な行動プランに落とし込めるようにサポートしましょう。

エンジニアの人事面談のポイント

(出典)https://www.pexels.com/

エンジニアとの人事面談では、他の職種と同様に、率直な意見や思いを話しやすい環境づくりが重要です。また、相手の気付きを促したり、状況を正確に把握したりするために、適宜質問をして問題点や課題を明らかにしましょう。それぞれのポイントを解説します。

率直な意見や思いを話せる環境づくり

エンジニアとの人事面談でも、相手が正直に思うところを伝えられる環境づくりが最も重要です。管理者側は傾聴の姿勢を貫くことで、エンジニアは自分の話をしっかり聞いてもらえていると感じ、心理的安全性を得られます。

上記のように、まずはアイスブレイクを取り入れたり、どういった状況でもサポートする姿勢を示したりすれば、相手も自ら積極的に話してくれるようになるでしょう。

効果的な質問を考える

自分の問題点や課題など、エンジニアが自ら気付けるように、適宜質問をして話を進めるのが効果的です。今現在、仕事で感じている不安や不満、改善すべき点などをはじめ、担当しているプロジェクトに関する思いや感想、目標に対して具体的にどういった活動してきたかなど、状況に応じて少し突っ込んだ質問をしてみましょう。

なお、人事担当者がエンジニアと面談する際には、技術的な知識がなく、うまく質問ができないケースも考えられます。事前に現場のエンジニアを統括する管理者や、対象者の先輩にあたるエンジニアなどに話を聞いておき、何を質問すべきか決めておくのがおすすめです。

管理者が人事面談で注意すべき点

(出典)https://www.pexels.com/

人事面談を実施する際には、以下の点に注意が必要です。どういった立場の相手と面談するにせよ、以下のように一方的に否定や指示をしたり、他の人材と過度な比較をしたりするのはNGです。相手のモチベーションに影響するので、上司として面談をする以上は、基本的に傾聴の姿勢を取る必要があります。

一方的な否定や指示はしない

上司が一方的に上から指示したり、意見や考えを頭ごなしに否定したりしないように、十分注意しましょう。社員のモチベーションに悪影響が出るだけではなく、指示がなければ自ら動かない人材になりかねません。人によっては長々と部下に話をしてしまったり、否定を重ねてしまったりするケースがあります。

人事面談の目的はどういった種類であれ、部下が自らの目標を設定し、前向きに仕事に臨めるようにする目的もあります。上司の発言や態度により、部下のやる気をそがないために、管理者向けの面談時のガイドラインを設けておくとよいでしょう。

他の人材との過度な比較もNG

人事面談は対象者の成長を促す目的もあるため、他の人材と比べて評価しないことも大事です。

社員自身が業務を通じてどれだけ成長したかが重要であり、社員の誰が優れているかを決めるものではありません。上司はそれぞれの状況に応じて、適切なアドバイスをする必要があります。一人一人の強みを伸ばすことで、組織全体の生産性を上げることを目指しましょう。

人事面談のコツを理解しよう

(出典)https://www.pexels.com/

人事面談の目的や効果、エンジニアの面談のポイントなどを解説しました。

人事面談は一人一人の社員の状況を確認し、社員のモチベーションの向上や生産性アップを目指すのが究極的な目的です。管理側としては公正な人事評価をするためでもありますが、上司が一方的に指示を出したり、他の社員と比較したりするのはNGです。

それぞれの評価すべき点と改善点を明らかにした上で、上司が常に部下をサポートする姿勢を示しましょう。部下が率直に発言できる環境づくりに注力し、話し合いを通じて、双方が気付きを得られる場を作ることが重要です。

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