エンジニアの復職制度の重要性。メリットや運用のポイント、注意点を解説

Offers HR Magazine編集部 2023年9月11日

Offers HR Magazine編集部

目次

近年、エンジニアの復職制度を導入する企業が増えています。復職制度の重要性やメリット、注意点など、基本的な部分を解説します。エンジニアの人手不足に悩む企業は、この機会に復職制度の導入を検討してみましょう。成功のポイントも解説します。

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エンジニアの復職制度とは?

(出典)https://www.pexels.com/

復職制度とは、介護や育児といった理由などから離職した人材に対して、再び自社で働いてもらうことを支援する制度です。さまざまな職種で復職制度が利用されており、エンジニアの復職をあっせんする企業も増えています。まずは復職制度の概要から、確認していきましょう。

復職制度の概要

病気やけが、介護などの理由により、エンジニアとしての仕事を休職・退職した人材に対し、再び職場で活躍してもらうことを支援するのが復職制度です。

やむを得ない理由から離職するエンジニアは少なくないのが実態で、転職を理由に退職を選択する人も多くいます。そういった人々に対して、もう一度自社で働いてもらうことで、人手不足の解消や生産性の向上などを目指すのが復職制度の目的です。

復職制度は企業が任意に定める

復職制度に関する法令は現状、存在しないため、企業が条件などを任意に定められます。ただし、明確なルールが存在しないことで、人事部門が手探りで制度設計をしなければならない状況でもあるため、マネジメント層や他の部門の協力が欠かせません。

一言で復職制度といっても、結婚や出産などで退職した人材を再雇用する『カムバック制度』や、キャリアアップのために離職・転職した人材も含めて再雇用する『アルムナイ制度』のほか、病気などによって休職した人の職場復帰を支援する『リワーク制度』などもあります。

具体的にどういった復職制度を導入するにせよ、全社的に協力し合いながら、自社に合った制度設計をする必要があります。なお、心の健康問題により休業した人材の職場復帰に関しては、厚生労働省が手引きを公開しているので、こちらも参考にしてみましょう。

参考:心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き|厚生労働省

再雇用制度との違い

復職制度と混同されがちな制度に、再雇用制度があります。こちらは定年を迎えた人材を再び雇い入れる制度であり、定年後にも働き続けたい人材に対して、継続雇用をサポートするものです。

人手不足の解消や、経験豊かな人材の確保といった目的においては復職制度とほぼ変わりませんが、再雇用制度は対象となる人材が定年退職者である点に違いがあります。

また、再雇用制度は高年齢者雇用安定法の規定に準拠して、運用しなければいけません。雇用条件や待遇については、対象者の経験や実績などで応じて決めますが、同一労働同一賃金の原則に照らして、適切に設定する必要があります。

参考:高年齢者雇用安定法の改正~70歳までの就業機会確保~|厚生労働省

エンジニアの復職制度が重要な理由

(出典)https://www.pexels.com/

数ある職種の中でもエンジニアは人気が高く、多くの企業が優秀な人材を欲しているため、復職制度を積極的に導入するところも目立ちます。エンジニアの復職制度を導入する企業が多い背景としては、以下の点が挙げられます。

優秀な人材の獲得が難しくなっているため

IT業界に限らず、慢性的な人手不足に陥っている企業は多いため、一度結婚や育児、介護などを理由に離職した人材の呼び戻しに注力するところが増えています。とりわけエンジニアは人手不足なので、復職制度を設けて再び働いてもらえるようにする企業が多く、今後さらに増えていくでしょう。

自社で働いていた人材ならば、業務内容はもちろん、企業文化や労働環境に関しても理解しているので、即戦力として期待できます。また、企業側は対象となる人材の経験や能力などもある程度は把握できているので、ミスマッチが起こりにくい点も、エンジニアの復職制度が注目されている理由の一つです。

働き方の多様化も呼び戻しの背景に

政府の推進する働き方改革を背景として、柔軟な働き方が広まってきた影響により、在宅勤務やテレワークなどの形で、人材の呼び戻しを図る企業も増えてきました。これまでテレワークに懐疑的だった企業も、コロナ禍を機に導入を進めるところも多く、すでに一般的な働き方として定着しています。

特にエンジニアの業務は在宅勤務やテレワークとの相性もよく、企業を退職後に副業やフリーランスとして独立する人材も多いのが特徴です。そこで、社員からフリーランスとして独立した人材を再雇用したり、業務委託契約を結んだりする企業も出てきています。

復職制度のメリットとデメリット

(出典)https://www.pexels.com/

復職制度の具体的なメリットとデメリットも押さえておきましょう。復職制度をうまく活用すれば、人材の採用コストの削減や即戦力の確保に加えて、企業イメージの向上も可能です。

人材の採用コストの削減が可能

人材の再雇用により、採用コストや教育にかかるコストなどを削減できます。一人の人材を雇用して戦力になるまで教育するには、求人媒体への掲載や面接にかかる人件費などを含めると、雇用後に当該人材に支払う給与の数倍ものコストがかかるといわれています。

そこで、かつて自社で働いていた人材を再雇用することで、採用にかかるコストを大幅に削減することが可能です。人材教育に関しても、全くの新人を採用するよりもスムーズで、最低限の人材教育で済むケースがほとんどでしょう。業務プロセスや作業フローも知っているため、すぐに戦力として活躍してもらえます。

即戦力となる人材を獲得できる

自社の業務を知り尽くしている即戦力人材をスムーズに採用できる可能性があり、さらに自社が持っていない知識やスキルなども、効率的に獲得できる場合もあるでしょう。

特にエンジニアの場合、転職によって新しい技術を身に付ける人材が多い傾向にあります。その後に呼び戻すことで、既存のサービスの改善やイノベーションの実現のため、身に付けた技術を生かしてもらえる可能性があります。

企業のイメージアップにも寄与する

結婚・出産、育児や介護、病気など、やむを得ない事情により離職した人材を再雇用することで、さまざまな人材に対して、広く働く機会を与えているイメージを持ってもらえるようになります。

社会的イメージの向上は売上アップにもつながるので、復職制度や再雇用制度を導入するならば、全面的にアピールするとよいでしょう。

退職者が増えるリスクがある

復職制度のデメリットとして、将来的に復職の可能性があるということで、退職者・離職者が増える恐れがある点があります。「辞めてもまた戻ればよい」と考えることで、安易な理由で離職・転職の道を選択する社員が出る可能性は否定できません。

できる限り退職者を増やさないために、復職の条件をしっかりと提示して、安易な理由で退職した者の職場復帰はできない点を示すことも重要です。あらかじめ復職時の応募条件を明らかにしておきましょう。

エンジニアの復職制度の注意点

(出典)https://www.pexels.com/

エンジニアの復職制度を導入する際には、以下の点にも注意しましょう。前もって制度のルール化と条件の明確化を進めておき、既存社員からの理解を得ておくことが大切です。

制度のルール化と条件の明確化が必須

復職を認める条件や勤務期間などのルールを明確にし、既存社員はもちろん、すでに離職した人材にも広く周知する必要があります。

どういった条件を設けるかは企業の方針によりますが、退職者だけではなく求職者も含めるのか、退職後どれぐらいの期間を対象にするか、復職を認める条件は何かなどは、必ずルール化しておかなければいけません。

また、復職申請の手続きについても、必要な書類や申請期限などを含めて、しっかりと方法を定めておきましょう。ルールを明確にしておかなければ、上記のように安易に退職・求職したり、復職を願い出たりする者が出る可能性があります。

既存社員からの理解を得ておく

既存の社員に、復職制度の理解を得ておくことも重要です。再雇用した人材との待遇に差があると、既存社員の仕事へのモチベーションが低下したり、離職を招いてしまったりする恐れがあります。

たとえ復職した社員と既存社員との差がほとんどなかったとしても、復職した社員のことを知らない社員もいるため、優遇されているように見える可能性もあるでしょう。

既存の社員に対しては、導入前に復職制度とはどういうものか説明した上で、人材配置や人事評価を公平にする旨を示すことが大事です。実際に全ての社員の公平性を保てる体制を構築してから、本格的に復職制度を導入する必要があるでしょう。

復職制度を成功させるためのポイント

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復職制度を成功させるためには、以下のポイントも意識する必要があります。正社員としての雇用だけにこだわらず、副業採用やフリーランスとの業務委託契約なども検討してみましょう。

さまざまな雇用形態を検討する

正社員としてフルタイムでの雇用のみならず、時短勤務や在宅勤務など、さまざまな雇用形態での受け入れ体制を整えることで、広く人材を再雇用できるようになります。

例えば、出産や育児、介護などで離職した人材を再雇用する場合、本人は再雇用を望んでいても、フルタイムでの勤務が難しい場合は珍しくありません。

そこで時短勤務や在宅ワークを可能にすることで、復帰に前向きになる人が増えるでしょう。本人の希望や意見を聞いた上で、パートやアルバイトとして雇用する方法もあります。

副業人材の受け入れもおすすめ

近年は副業に従事したり、フリーランスとして独立したりする人も増えています。特にエンジニアは副業従事者やフリーランスの数が多いので、離職した人材と業務委託契約を結ぶ方法も有効です。

副業採用やフリーランスとの契約ならば、必要な期間のみ働いてもらうことも可能で、将来的に正社員として再び迎え入れることもできます。採用のミスマッチもより軽減できるでしょう。

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復職制度で優秀なエンジニアを確保する

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復職制度の概要とメリット、導入時の注意点などを解説しました。復職制度は現状、関連する法令が存在していないため、企業が任意に条件を定められます。

エンジニアの復職制度を導入するならば、自社の採用ニーズや現場の状況を考慮した上で、どういった人材に復職してもらうべきか、具体的な条件とともに明確化しておきましょう。

また、制度の必要性やメリットに関して、既存の社員に周知しておくことも大事です。復職後の人材と既存社員との間に、できる限り差が出ないように取り計らうのに加えて、人事評価制度の整備も必要でしょう。事前に十分な準備をした上で、慎重に制度を導入していく必要があります。

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