エンジニアをリファラル採用する組織づくり。リファラル採用を成功させるポイントや課題を詳しく解説

Offers HR Magazine編集部 2023年6月6日

Offers HR Magazine編集部

目次

エンジニア採用には、よくリファラル採用が用いられます。リファラル採用はコストが低く、かつ自社にとって必要な人材にマッチしたエンジニアを採用しやすいというメリットがあるためです。リファラル採用の有用性や、組織として必要な体制作りを解説します。

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リファラル採用とは?類似採用法との違い

(出典)https://unsplash.com/

採用にはさまざまな方法があります。その中で「リファラル採用」は費用対効果も良く、自社でも活用したいと考えている企業は多いのではないでしょうか。

リファラル採用を活用するためにも、まずはリファラル採用を正しく理解しましょう。まずはリファラル採用の定義と、縁故採用との違いを解説します。

社内の人間に人材を紹介してもらう手法

リファラル(referral)とは、英語で「紹介・推薦」を意味します。リファラル採用はその名の通り、人に求職者を紹介してもらう採用手法のことです。

紹介元として多いのが自社の社員や業務委託のメンバーです。取引先から紹介してもらうこともあります。

エンジニア採用においては、自社のエンジニアや業務委託エンジニアに、自社が欲しいスキルを持った人材を紹介してもらうこの採用手法はよく用いられています。

縁故採用との違い

知り合いに求職者を紹介してもらうという意味において、リファラル採用と縁故採用は同じです。この二つの明確な違いは縁故採用の場合、社内の関係者の親族や知人を紹介する、「縁」をたどる採用手法であるという点です。

リファラル採用の場合、採用選考自体は通常の社員と同様に行われます。紹介者と求職者の関係よりも、求人とスキルが合致しているか、経歴は十分かなどの実力が重視されます。一方で縁故採用の場合、スキルよりも紹介者と求職者のつながりを重視するという傾向があるようです。

リファラル採用のメリット

(出典)https://unsplash.com/

他の採用手法と比較したとき、リファラル採用にはどのようなメリットがあるのでしょうか。詳しく解説します。

コストの低さ

まず、リファラル採用は他の採用手法に比べてコストが低いというメリットがあります。通常の採用手法の場合、広告費や宣伝費などもお金がかかります。あるいは、リクルーターを仲介するなら、採用時にインセンティブが発生するのが普通です。

エンジニアの場合、人材紹介会社に採用を依頼すると、成功報酬として40%ほど支払うケースもあります。

これらの採用手法と比較すると、リファラル採用のコストはかなり低いといえます。具体的なコストも、経営者が決定できるので、コントロールしやすいのが特徴です。

人物面の確かさに期待が持てる

経歴やスキルが優秀な人物だったとしても、実際に仕事をしてみると自社が欲しい人材でなかったということがよくあります。中には、書類選考や面接で聞いていたこととは全く人物像が異なる人が採用される可能性もゼロではありません。

リファラル採用の場合、自社の社員や業務委託先などからの紹介なので、その人物の性格やコミュニケーション能力など、経歴書や面接ではなかなか読み取れない人物像に期待が持てるでしょう。

辞めにくさに期待が持てる

採用の大敵ともいえるのが、早期離職です。採用にかけたコストや担当者の時間が全て無駄になってしまいます。その人物を採用したために、本来獲得すべき人材が採用できなかったということもあり得るでしょう。

早期離職は、採用活動にとって最も防ぎたい事態でもあります。

リファラル採用の場合、採用者は早期離職をすると、紹介者に対し後ろめたさも働くでしょう。また、紹介者もあらかじめ自社で欲しい人材を選んで紹介している可能性が高く、他の採用手法よりも辞めにくさに期待が持てます。

転職潜在層へのアプローチができる

エンジニアの場合、今すぐに就職を決めたい顕在層はほんの一部でしかありません。今のプロジェクトが終わってから就職活動を行おうとしている人、時期を見計らって副業を始めようとしている人など、大部分が潜在層で占めています。

エンジニアの採用では、転職潜在層に対しアプローチを行い、いざ転職となったときに自社を選んでもらうことが重要です。

リファラル採用の場合、人材紹介会社やSNSなどで採用活動を行っていない潜在層に対し、アプローチを行えます。自社のタレントプールに登録してもらうこともできるほか、転職に動いてもらえることもあり得るかもしれません。

他社と比較しない状態で転職活動している人を採用できる

転職活動を行うとき、多くのエンジニアは複数の応募先を比較して、その中で良い条件のものを選ぼうとします。中には複数の会社を応募し、内定をもらった中で1社を除いて内定辞退をするという動き方も考えられるでしょう。

しかしリファラル採用の場合、知人や友人から声がかかるので、他社との比較をせず、そのまま応募してくる可能性も考えられるのです。内定辞退される可能性が減るのはもちろんのこと、応募から採用までの時間短縮にもつながります。

エンジニアのリファラル採用における課題

(出典)https://unsplash.com/

エンジニアをリファラル採用しようと思っていても、なかなか採用に至らない、あるいはミスマッチが頻発するという問題を抱えた企業もあるでしょう。なぜそのような問題が発生してしまうのでしょうか。エンジニアの採用における課題を解説します。

採用要件のハードルが高い

Webメディアを作るWebエンジニアやアプリを作るアプリエンジニア、サーバーを管理するサーバーサイドエンジニアなど、エンジニアのスキル系統は非常に細かく分かれています。

また、それらの仕事を開発から運用までこなせるフルスタックのエンジニアはとても希少です。そのようなエンジニアの採用市場を把握しておらず、採用要件のハードルを高く設定している企業も、少なくありません。

中には、類似業務の待遇と比較して、明らかに待遇の悪い求人も見受けられます。採用要件のハードルが高い、待遇が悪いという悪条件下では、そもそも条件に合う人材を紹介できないというケースが起こり得ます。

ミスマッチが起こりやすい

リファラル採用においてはミスマッチが起こりにくいという説明を前述しましたが、一方で頻繁にミスマッチが起こってしまう状況も存在します。

それは、「エンジニアについて何も知らない社員が、エンジニアの採用を決定する場合」です。採用担当者が、エンジニアスキルや現場に関して何も知らない場合に起こり得ます。

エンジニア採用では、エンジニアが持っているスキルの領域とレベルが、実際の現場にマッチしているかどうかの見極めが必要になります。この判断自体にスキルが問われるため、スキル不足の人が採用担当となると、ミスマッチが頻発する危険性があります。

社内の体制が不十分

形だけのリファラル採用制度を導入し、実際には受け入れ体制が整っていないケースもよくあります。

例えば、リファラルで採用された社員の待遇が良い場合、一般採用から入ってきた社員からの嫉妬やねたみを買うこともあります。そうならないために、なぜリファラル採用を行っているのか、どのような社員が必要なのかを社内で周知する必要があります。

また、リファラル採用の紹介報酬が目当てで、質の低い社員を多く紹介されてしまう可能性もあり得るでしょう。そのため、採用要件をはじめ、インセンティブに関するルールを整えておくことが重要です。

これらの体制・制度が十分に整えられていないため、採用してもすぐに離職されてしまう場合や、ミスマッチな人材を大量に採用してしまうなどの失敗が起こり得るのです。

リファラル採用を社内で活性化させる方法

(出典)https://unsplash.com/

リファラル採用の制度を導入しても、社員からの紹介がまったくないケースも少なくありません。リファラル採用を社内で活性化させる仕組みも重要です。

どのようにして活性化させることができるのでしょうか。いくつかの方法を紹介します。

企業や事業の魅力や採用内容を社員に伝える

紹介する社員が、自社の魅力を採用候補者に伝えられなければ、採用候補者が応募してくる可能性は低いでしょう。

リファラル採用を増やすには、まず自社の社員が企業の魅力や採用の内容を把握する必要があります。

社員総会で紹介したり、社内報で伝えたりなど、リファラル採用につなげやすいような魅力と採用要件を、社員に対し発信することが重要です。

社員に伝えるべき項目

リファラル採用活性化のために社員に伝えるべき情報としては下記が挙げられます。

  • 自社のビジョンやミッション
  • 自社の将来性
  • 自社の強み
  • 募集しているポジションや期間
  • キャリアパス

全ての情報を記憶してもらうのは難しいでしょう。対策として、採用ページや社内Wikiにまとめておくと、社員がすぐに確認できるので効果的です。

リファラル採用をたたえる文化を醸成する

リファラル採用があった場合に紹介者を称賛したり、社内のコミュニケーションツールを用いて社内全員に共有したりする文化がある企業が、リファラル採用に成功しているケースが多いようです。

リファラル採用は自分の知り合いを紹介するため、他に誰かが行っていないとためらってしまう社員も少なくありません。

リファラル採用を活性化するには、リファラル採用を肯定的に捉える企業文化が重要になります。

不採用だった場合、紹介者に丁寧なフィードバックを行う

紹介した採用候補者が不採用となった場合、紹介者が次の紹介をためらってしまう可能性もあります。

対策として「なぜ不採用となったのか」を、紹介者にも伝えるようにしましょう。

紹介者の不信感を払拭でき、次回はよりマッチングする人材を紹介してくれる可能性が高まります。

リファラル採用のスコアで社内の健全化を図る

リファラル採用を行う社員の動機として「一緒に働きたい」「この会社を紹介したい」というものが挙げられます。

リファラル採用が多いことは、それだけ企業に愛着を持ってくれている社員が多いことの証明にもなります。面接通過率や採用率が高いほど、より事業理解度が高い社員が多いということがいえるでしょう。

反対に、リファラル採用が少ない場合は制度に問題があるか、そもそも自社に対しての事業理解度が低い社員が多いのかもしれません。

このように、リファラル採用をスコア化していくと、社員の事業理解度やエンゲージメントを測ることができます。社内健全化の指標として、リファラル採用を活用しましょう。

企業にマッチしたエンジニアを採用する

(出典)https://unsplash.com/

リファラル採用は採用コストの低さや適性の高い社員を採用しやすいというメリットがあります。しかし、実際には制度があってもうまく活用できていない企業も多くあるのが現実です。

その理由は、採用要件のハードルが高すぎたり、自社内でリファラル採用の文化が醸成していないことが挙げられます。

エンジニアの場合、採用要件の設定が難しく、エンジニアの知識のない社員に採用を一任すると、ミスマッチも起こり得るでしょう。リファラルでエンジニアを採用する場合、企業一丸となって動くことが重要となります。


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