エンジニアの採用フローの作り方。採用の流れや必要な準備などを解説

Offers HR Magazine編集部 2023年11月9日

Offers HR Magazine編集部

目次

エンジニア採用では、事業計画や経営戦略に沿った採用フローの確立が重要です。求める人材の明確化と目標値の設定は、採用力の向上につながるでしょう。エンジニア採用における課題を踏まえ、採用フローの重要性やメリット、設定のポイントを解説します。

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エンジニア採用における代表的な課題

(出典)https://unsplash.com/

自社システムの内製化やDXなどを目的に、社内でITエンジニアを必要とする企業が増えています。全ての企業が順調にエンジニアを採用できているわけではなく、中には「求める人材が見つからない」「人材が定着しない」といった課題を抱える企業も多く存在します。エンジニア採用の代表的な課題と課題を生み出す社会的背景および内部的要因を取り上げます。

エンジニアのスキル評価が難しい

人事担当者は、提出書類と数回の面接の中で候補者のスキルを見定める必要があります。しかし、エンジニアに求められる技術スキルは年々高度化・複雑化しており、短時間で的確にスキルを見極めるのは至難の業です。

特に、人事担当者が技術部門出身ではない場合、ミスマッチな人材を採用したり、優秀な人材を逃してしまったりという問題が生じます。

本来、スキル評価には現場責任者や現役エンジニアの協力が不可欠ですが、開発業務が多忙で時間的な余裕がなく、人事担当者だけで採用プロセスを進めるケースも珍しくありません。

エンジニアの絶対数が不足している

採用が難航する理由の一つに、エンジニアの絶対数が不足していることが挙げられます。少子高齢化で労働人口が減少する中、IT業界の急成長や企業のDX、社会のデジタル化などによってエンジニアの需要が大きく増え、供給が需要に追い付かないのが現状です。

とりわけ、AIやIoT、ビッグデータなどの新技術は習得が難しく、即戦力として活躍できるエンジニアが限られています。各社では人材を他社に流出させないための施策を講じており、優秀なエンジニアほど採用市場に出てこない傾向があります。

エンジニアの母数が少なければ、採用ハードルが上がるのは当然です。中小企業やスタートアップ企業は大手に比べて知名度が低く、目標の応募者数すら確保できないケースがあります。

条件面でなかなか折り合いがつかない

自社が求める人材から応募があっても、給与や待遇、働き方といった条件面で折り合いがつかず、採用に至らないケースも見受けられます。

キャリア採用では、他社に見劣りしない待遇を用意しなければなりません。資金力が乏しい中小企業やスタートアップ企業は、応募者が求める待遇にどこまで対応できるかが課題となるでしょう。給与水準を引き上げられない際は、自社で働く魅力やメリットを提示し、他社との差別化を図る必要があります。

テスト稼働やトラブル対応で、夜間や休日に出社するポジションもあり、出勤日や休日に柔軟な対応を求めるエンジニアは少なくありません。

入社後にミスマッチが発覚する

入社後にミスマッチが発覚し、チームの生産性が大きく低下する問題も生じています。人材が早期離職すれば、採用プロセスを一からやり直さなければならないため、企業にとっては大きな痛手です。

現場のエンジニアが採用プロセスにコミットすれば、技術スキルのミスマッチは未然に防げます。一方、人材の内面的要素を短時間で見極めるのは難しく、多くの企業では「カルチャーのミスマッチをいかに減らすか」が課題となっています。

ミスマッチを減らす施策の一つとして、エンジニアのトライアル採用があります。副業や業務委託でプロジェクトに参画してもらい、仕事ぶりや人柄を見定めてから、正社員化を検討する手法です。トライアル採用の成功事例とメリットについては、以下のコラムをご覧ください。

人材のミスマッチは「トライアル採用」で防ぐ!エンジニア組織こそ副業人材を活用するべき理由とは【対談記事】 | Offers Magazine

エンジニアの採用フローの重要性

(出典)https://unsplash.com/

エンジニアの絶対数が不足する中、戦略なしで採用をスタートさせても、求める人材は確保できません。

優秀な人材を確保するには、採用計画に基づいた採用フローを設定し、各プロセスの目標を着実にクリアしていく必要があります。

そもそも採用フローとは?

採用フローとは、企業が採用活動を開始してから、人材を採用するまでの一連の流れや手順のことです。中途採用のフローは、「募集段階」「選考段階」「内定・フォロー段階」の三つのフェーズに大別されます。さらに細かく分けると、以下のような流れで採用活動が展開されるのが一般的です。

  1. 採用計画の立案
  2. 採用手法の選定
  3. 母集団の形成・人材の募集
  4. 応募獲得
  5. 書類選考
  6. 面接の設定・準備
  7. 面接の実施
  8. 内定
  9. 内定者に対するフォロー
  10. 入社

採用フローの詳細は募集するポジションや雇用形態、求職者のニーズによって変化します。求める人材を効率的に採用するために、適宜見直しや改善を行う必要があります。

採用フローを確立するメリット

採用フローがなくても採用活動は行えますが、フローをきちんと確立している企業とそうでない企業では、採用のスピードや候補者の質に差が生じる可能性があります。

採用フローによって各プロセスが見える化されると、課題点の把握と改善策の検討が容易になるのがメリットです。一貫性のある情報の共有で、経営・人事・現場の足並みがそろい、採用活動がよりスムーズに展開されます。

転職活動を行うエンジニアは、1社だけでなく複数の企業に応募を申し込むのが一般的です。選考過程や結果が出るまでの期間を把握したい人も多いため、募集要項を公開するタイミングで、採用フローを明示するのが望ましいでしょう。

まずは採用計画の策定が必要

採用フローを決める最初のステップは、採用計画の策定です。エンジニアの採用が厳しさを増す中、採用計画の重要性が高まっています。採用計画は、採用活動を円滑に進めていくためのガイドラインであり、計画なしに適切な採用フローは設定できません。

採用計画には、いつまでに・どのような人材を・何の目的で・何人採用するのかを明確に記載する必要があります。経営戦略や開発計画に基づいた戦略を立てるためにも、経営層や現場のエンジニアにしっかりとヒアリングを行うことが肝要です。

エンジニアの採用計画の立て方

(出典)https://unsplash.com/

優秀なエンジニアを1日でも早く採用したいのが企業の本音ですが、場当たりな採用活動では、せっかくの人材を逃してしまいます。戦略に基づいた採用計画を立案し、設定した目標を一歩ずつクリアしていきましょう。採用計画の立て方とポイントを解説します。

1.採用目的を明確にする

採用の最終目的は、自社が求める人材の採用によって経営課題や事業課題を解決し、会社のビジョンを実現することです。

採用計画は単独で作成されるものではなく、経営戦略や事業計画に基づく必要がある点に留意しましょう。自社が抱える課題を洗い出した上で、以下の事項を決定します。

  • いつまでに採用をするのか
  • 何人のエンジニアを採用するのか
  • 課題解決にはどのようなスキル・経験が必要なのか

採用活動を継続的に行っていた企業は、採用活動における課題点の洗い出しを行います。ボトルネックになっている工程を特定し、改善策を講じましょう。

2.採用したい人材を定義する

自社の課題や経営戦略、事業計画などを踏まえ、どのような人材を何人採用するかを決定します。ターゲット像を定義するときは、年齢やスキル、経験だけでなく、以下のような内面的要素もピックアップしましょう。

  • 転職理由
  • 志向性
  • 性格(協調性・ストレス耐性・誠実さなど)
  • 期待する行動
  • 成長意欲

要件が多くなればなるほど、採用難易度は上がります。各項目をMUST(必要な要件)・WANT(あると望ましい要件)・NEGATIVE(不要な要件)に分類し、優先順位を付けましょう。

3.採用スケジュールの設定

入社日から逆算し、具体的な採用スケジュールを設定します。近年は、新卒・中途を問わず、採用のスピード化が進んでいます。

採用プロセスが途中で滞ると優秀なエンジニアを逃しかねないため、市場動向や競合他社の状況を把握した上で採用スケジュールを立てましょう。

エンジニア採用を成功させるには、KPI(重要業績評価指標)の設定が欠かせません。KPIとは最終目標の達成度合いを測るために設ける中間目標です。

「〇人以上の応募を獲得」「書類選考通過率〇%以上」といった具体的な数値を掲げることで、採用活動の進捗状況が可視化されます。問題点の特定が容易になり、改善策も打ち出しやすくなるでしょう。

4.採用フローや採用チャネルの決定

採用スケジュールやKPIを設定したら、採用フローと採用チャネルを決定しましょう。

採用フローは「募集段階」「選考段階」「内定・フォロー段階」の3段階に分かれます。選考の初期段階から現場のエンジニアに参加してもらうのが望ましいため、人的リソースをしっかりと確保しておきましょう。

採用チャネルとは、ターゲット像にアプローチするための手段および方法です。チャネルは複数ありますが、特徴別で見ると以下の三つに大別されます。

  • 公募型:求人媒体に情報を掲載して応募を待つ方法
  • 人材紹介:自社の条件に合う人材を紹介してもらう方法
  • ダイレクトリクルーティング:企業から求職者にアプローチする方法

ダイレクトリクルーティングには、SNSを通じた採用やリファラル採用が含まれます。転職顕在層と転職潜在層の両方にアプローチができるのがメリットで、エンジニア採用には欠かせない手法の一つとされています。

5.採用体制の構築

人事部だけで採用を進めようとすると、採用のミスマッチが生じやすくなります。人事担当者に業務負荷が集中し、手が回らなくなる可能性もあるでしょう。エンジニア採用は、経営層・人事・現場が一丸となって取り組んでこそ成功します。

特にキャリア採用は、開発メンバーとの相性や仕事の進め方でトラブルが生じやすいため、技術スキルだけでなく、カルチャーフィットを見極めなければなりません。現場責任者や現役のエンジニアには、プロセスの初期段階から関わってもらうのが理想です。

採用フローの各段階の施策とポイント

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採用活動は、母集団の形成から始まり、人材の募集・選考・内定へと進みます。採用フローを以下の3段階に分け、取るべき施策とポイントを解説します。

募集段階

採用フローの募集段階では、母集団の形成に注力します。母集団とは、自社の求人に興味関心を持つ採用候補者の集団です。やみくもに人を集めても意味がなく、母集団の量と質の両方を重視しなければなりません。

エンジニアの需要が増える中、新卒一括採用の文化が強かった大手企業も優秀なキャリア採用に乗り出しています。中小企業やスタートアップ企業は、求める人材像を明確にした上で、ターゲット層に自社で働く魅力を訴求しましょう。

母集団形成の具体的手法には、求人媒体への掲載やイベントの実施、SNSを使った情報発信などがあります。

選考段階

選考段階では、自社の選考基準を満たした人を抽出する作業を行います。選考方法は、書類選考・筆記試験・適性検査があり、書類審査を通過した者のみが面接に進む流れです。

担当者ごとに判断基準が異なると、採用のミスマッチが生じます。ハロー効果による誤判断が起こり得ることも想定し、担当者間で評価基準の擦り合わせを行いましょう。

候補者の技術スキルは、現役のエンジニアが1番よく理解できます。人事担当者だけで選考を進めず、必ず現場のメンバーを交えましょう。スキル面のヒアリングや逆質問の受け答えがスムーズに進み、候補者からの印象も良くなります。

内定・フォロー段階

内定・フォローは、採用したい人材に積極的にアプローチしていくフェーズです。能力のあるエンジニアは多くの企業からの内定を獲得するため、入社直前の内定辞退も珍しくありません。

内定から入社までの期間が長いほど、気持ちに変化が起きやすくなります。小まめなフォローと魅力付けを行い、内定者の気持ちが離れないようにしましょう。

入社に際し、内定者はさまざまな疑問や不安を抱えています。質問には迅速かつ誠実に回答し、不安や疑問の払拭に努めることが肝要です。内定フォローのやり方や内定辞退を防ぐ方法については、以下のコラムで詳しく解説しています。

エンジニア内定後のフォロー方法8選を解説。内定辞退されないために企業がすべきこととは | Offers HR Magazine

エンジニア採用における選考フローのトレンド

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ほかのビジネス職と同じ選考フローを設定しても、エンジニア採用はうまく行きません。企業と候補者の相互理解が進むように、選考方法をエンジニア向けにカスタマイズする必要があります。エンジニア業界で取り入れられている選考フローのトレンドを紹介します。

カジュアル面談による相性の確認

近年は、エンジニア採用にカジュアル面談を取り入れる企業が増えています。カジュアル面談とは、企業側の担当者と候補者が互いに意見を交換する場で、以下のような目的があります。

  • 企業の魅力をアピールし、自社のファンをつくる
  • 会社と候補者の価値観がマッチしているかを確認する

面接と違い、採否の判断は行いません。カルチャーフィットや方向性を確かめると同時に、候補者に入社への動機付けをするのが一般的です。

企業側の担当者には、配属予定部門の社員が抜擢されるケースが多く、現在取り組んでいる開発内容や自社で働く魅力、開発環境などについて説明をします。

技術試験や技術面接の実施

エンジニアの選考フローには、技術試験や技術面接が採用されます。技術試験とは、応募者の技術レベルを確認するためのテストで、オンライン受験が可能な外部サービスを利用する場合もあります。採用ポジションにもよりますが、以下のような内容が中心です。

  • コーディングテスト
  • 基本的な知識を問う選択式の問題
  • 経験や技術レベルを問う記述式の問題

技術面接では、技術領域に関する質問を通じて、候補者の技術レベルや問題解決能力、論理的思考力などを測ります。自社が抱えている課題を伝え、候補者に解決策を提示してもらう方法も有効です。

オファー面談(クロージング面談)の導入

内定者との間で実施するオファー面談では、労働条件や業務内容、入社日の確認などを行います。

優秀なエンジニアは他社からの内定を受けている可能性が高く、自社の内定を承諾するとは限りません。オファー面談では、内定者の不明点や疑問点に丁寧に答えながら、入社の意思を固めてもらうように働きかけます。

内定者の多くは、年収や評価制度、福利厚生の内容などに関心を示します。条件の交渉がなされた場合はできるだけ前向きに検討しましょう。

採用フローを設計する際の注意点

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採用フローは、採用活動の流れや手順を示したものに過ぎず、設定しただけでは成果が得られません。定期的に効果検証を行い、必要に応じてフローに修正を加える必要があります。採用フローを効果的に活用するためのポイントと注意点を解説します。

各段階を評価し課題を明らかにする

採用フローを決定した後は、各段階の目標値と歩留まり率を算出しましょう。採用の歩留まり率とは、採用フローの各段階に進んだ人数の割合です。歩留まり率が低いほど通過人数が少なく、高いほど通過人数が多いことを意味します。

  • 歩留まり率(%)=選考通過数÷選考参加数×100

過去のデータや業界の平均値と比較すると、スムーズな採用を妨げるボトルネックが特定できます。原因を分析し、歩留まり率を上げるための解決策を講じましょう。

例えば、内定承諾率(内定者に占める内定者承諾者の割合)が低い場合、内定後のフォローが行き届いていない可能性があります。内定出しまでの期間を短くすると同時に、内定者の入社意欲を高める工夫を考えましょう。

課題に応じて設計を見直す必要がある

採用フローは一度設定したら終わりではなく、企業の採用ニーズや採用課題に応じて見直しをしなければなりません。見直しが必要となるのは、以下のようなケースです。

  • 自社の経営方針の変更などにより、求める人材像が変わったとき
  • 事業上の課題が新たに発生したとき
  • 設定した採用フローがうまく機能しなかったとき

例えば、認知度の低い中小企業は、母集団形成の段階でつまずく傾向があります。戦略なしに求人広告を掲載しても成果は期待できないため、不特定多数へのアプローチから個別のアプローチに戦略を切り替える必要があるかもしれません。

エンジニアの働き方や採用市場の動向、効果検証の結果なども踏まえながら、採用フローの最適化を図りましょう。

自社に合ったエンジニアの採用フローを確立する

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エンジニアの絶対数が不足する中、企業は人事戦略に基づいた採用フローを確立し、採用活動の最適化や効率化を図る必要があります。

共通の採用フローがあると、関係者の足並みがそろい、認識のずれや採用のミスマッチが低減します。ボトルネックの特定が容易になり、課題の解決に迅速に対応できるようになるでしょう。

ほかのビジネス職と違い、エンジニアの選考フローには技術試験や技術面接のプロセスが加わります。現場のエンジニアに協力を仰ぎ、候補者を正しく評価する体制を構築しましょう。


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