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エンジニアの面接ではプログラミングスキルやフレームワークを扱う技術など、専門的な領域に関して質問しなければなりません。エンジニアの採用面接でどのような質問をしたらよいか困っている担当者もいるのではないでしょうか。そんな時に使えるエンジニアのスキル別の質問例と質問の作り方について解説します。
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エンジニアの技術を判断する質問
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エンジニアは一般職とは異なり、プログラミングの専門領域やセルフマネジメントの能力が強く求められます。適切な質問ができず、自社にフィットするエンジニアがなかなか見つからない人事担当者もいるのではないでしょうか。
まずは、採用面接においてエンジニアの持っているプログラミングスキルやどんなことができるのかを判断する質問例とその考え方について紹介します。
印象に残っているサービスやプロダクトについて
エンジニアの採用面接では、以下のような質問はほぼマストで行われます。
<質問例>
- これまでに手掛けてきたプロダクトやサービスの中で、特に印象に残っているものを教えてください。
- そのプロダクトやサービスで、あなたはどんな業務を遂行しましたか?
- そのプロダクトやサービスを作る上で、あなたのどんなスキルが役に立ちましたか?
この質問を行う上でのポイントは、サービスやプロダクトの内容や規模そのものではなく、どのようなポジションで関わり、どんな貢献をしたのかです。
例えば、誰もが知っているような大きなプロジェクトに参加した経歴が職務経歴書に記載されていたとしても、企画開発に関わったのか、それとも末端のデバッグやコーディングだけをしていたのかでエンジニアのスキルは全く異なるでしょう。
過去に携わったサービスやプロダクトでどのような関わり方をしたのかは、そのエンジニアの持っているスキルを見抜く上では重要な質問事項となります。
そうした開発経験のない学生や未経験者であれば、過去のプログラミング経験について尋ねるとよいでしょう。
現在(前職では)どんな仕事に携わっているか
上の質問と少し似ていますが、現在または前職でどのような仕事に携わっているか、ポジションや業務内容について尋ねるといいでしょう。
<質問例>
- 現在(前職では)、どんな仕事をしていますか?
- 現在(前職では)、どんな役職についていますか?
- 現在(前職では)の仕事ではどんなツールやソフトウェアを使っていますか?
- その仕事においてあなたが果たしている業務や役割を教えてください。
この質問は、採用候補者のスキルの領域を判断するのにも役立ちます。さらに、IT領域におけるリテラシーやトレンドに対応できるかどうかを見抜くことにも使えるでしょう。
デジタル領域の技術の進歩は速く、エンジニアはその変化についていくことが求められます。たとえ会社で使用しているフレームワークでの開発経験があったとしても、そのバージョンが古いと対応できない可能性もあるのです。そのため使用しているツールや技術が古くないか、自社の技術には対応できそうかを確認する必要があります。
開発で苦労した経験やハードル。それをどう解決したか
特にスタートアップやスプリントで開発するエンジニアについては、自分で課題や問題を解決する能力が求められます。過去の開発で苦労した経験やハードル、それをどのように乗り越えたのかを聞くのはその能力を確かめる上ではとても役立ちます。
解決のアプローチや考え方、話の内容などから、課題解決能力があるエンジニアなのかを見極めましょう。
専門性のある事柄への質問
経歴書に書いてある専門的なスキルや役職について、より掘り下げて確認しましょう。
<質問例>
- 〇〇(フレームワークやプログラミング言語など)の魅力や欠点について教えてください。
- 〇〇(フレームワークやプログラミング言語など)を効率的に学習する方法はありますか?
職務経歴書だけでは、持っているスキルの専門性を見抜くことは難しいでしょう。そこで、開発経験や該当するスキルに対して、より理解度を測れる質問を用意する必要があります。
この場合、質問の作成から面接までは、社内エンジニアに担当してもらうことをおすすめします。エンジニア同士の対話により、より深い専門性の掘り下げ、自社の業務をこなせるだけのスキルがあるかをより正確に測ることが可能になるでしょう。
マネジメント能力を見るための質問
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エンジニアには、PMやVPoEなど、エンジニアを管理するマネジメント職があります。それらのマネージャー職を採用する場合、マネジメントスキルを持っているかの見極めが重要です。マネジメント能力を見極めるための質問について紹介します。
人と衝突した経験とその解決方法
マネージャー職の仕事の中には、クライアントとエンジニアの調整や、エンジニア同士のタスク調整なども行うことがあります。
こうしたケースでは、お互いの希望や都合を巡り衝突することも少なくありません。
他者と衝突した時にどのような解決策を持ってアプローチしたのかは、マネジメント能力を見極める上でも重要であり、その人の根本にある考え方を知ることが可能です。そのために、以下のような質問をするとよいでしょう。
<質問例>
- 開発経験の中で、チームメンバー同士が衝突した際、どのように解決しましたか?
- 開発経験の中で、あなたとチームメンバーが衝突した際に、どのように解決しましたか?
- クライアントの要求と開発工程にズレがあった場合、どのように対処しますか?
実際に自社が抱えている課題を尋ね、解決方法を聞く
自社の現場で起きているトラブルや課題、過去に起こった問題について共有し、解決方法を尋ねてみるのも効果的です。
実際に採用後に、解決したい課題や問題の解決能力があるかの判断材料になります。課題に対して効果的な解決に導く能力があるのであれば、実際に現場で発生するトラブルへの対処能力も持っている可能性が高いでしょう。実際にその人が働いている姿を想像できるので、現在のチームメンバーとの相性なども確認することができます。
そもそも自社がどのような課題を抱えていると思うかを尋ねる
マネージャー経験の豊富な人材であれば、自社の資料をある程度共有することで、どのような問題が現場で起こっているのかを、ある程度類推することができます。
マネージャーの中でも上流クラスの役職を任せたいとき、この質問をしてみるとよいでしょう。上流クラスのマネージャーは、課題発見能力が求められるため、それを所有しているかを確認することが可能です。
<質問例>
- 〇〇という課題に対し、あなたならどのようなアプローチを取りますか?
- 〇〇という問題は、どのような状態になれば解決だと判断できますか?
- 〇〇という課題を解消するにあたって、障害となるのはどのようなことでしょうか?
人柄を見抜くための質問
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社内エンジニアとして採用するのであれば、スキルはもちろんですが、それ以上に人柄が求められる場面も多くあります。現場のエンジニアやクライアントと円滑なやりとりができる人材かどうかは見抜かなければなりません。その参考となる質問について紹介します。
転職するきっかけは何だったのか
中途採用の場合は、前職を辞めた理由については聞いておきたいところです。採用候補者が辞めた要因が自社でも見受けられるなら、早期に退職される可能性があります。
待遇や開発環境、自社の文化が前職の離職要因に該当しないかは確認しておきましょう。
また、エンジニア本人の人柄に問題がないかを見抜くことも重要です。例えば「人間関係のトラブルで退職した」などの要因で退職した場合、本人に原因があると判断できた場合は、その人自身の人間性に問題があり、採用してもトラブルになる可能性もあります。
短期間で職場を転々としているようなケースは、特に注意が必要です。新卒や未経験エンジニアの場合、エンジニアになろうと思った志望動機や入社動機を聞いてみるのもよいでしょう。
<質問例>
- 転職しようと思っている動機について教えてください。
- その転職理由は、今回の転職で解消することはできそうですか?
- エンジニアになろうと思ったきっかけがあれば教えてください。
働く上で重視することは何か
働く上で重視することと、自社の文化や価値観が合致しているかは、特に長期雇用を考えている場合に重要になります。
評価ポイントの違いや、技術に対する考え方の違いが早期離職するきっかけにもなることがあります。開発環境に不満が出てきてしまうと、想定していたパフォーマンスを発揮してくれない可能性もあるので、こちらも確認したいところです。
<質問例>
- あなたが働く上で、最も重視していることは何ですか?
- 働く上で「これだけは我慢できない」ということを教えてください。
キャリアパスや将来、そのために越えるべきハードル
社内エンジニアとして育成し、将来的により大きなポジションで会社に貢献してもらいたいと考えているのであれば、どの程度将来のことを考えているかもヒアリングしましょう。
キャリアパスや将来設計が現実的かどうか、その設計を完成させるために現時点で越えるべきハードルなどを質問します。キャリアに関して、真剣に考えているかどうかが分かります。
また、採用候補者の描くキャリアパスが自社の想定するものと沿っていないのであれば、中途退職される可能性は高いでしょう。長期で雇用する目的なら、そのキャリアパスや将来性が自社で用意できるのかも重要なポイントになります。
<質問例>
- 将来的にどのようなエンジニアになりたいですか?
- 将来的に就きたいポジションや役割について教えてください。
- 自身の描くキャリアを実現するために、身に付けるべきスキルや問題があれば教えてください。
エンジニア採用面接でNGな質問
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エンジニアの資質を見抜く質問も重要ですが、質問する内容によっては採用辞退を招いたり会社に対するクレームに発展してしまったりすることもあります。
また、質問の仕方によっては自社が思い描く人材とはかけ離れた人を採用してしまうこともあるかもしれません。このような問題を防ぐために、以下のような質問は面接では極力避けるようにしましょう。
表面的なスキルについて尋ねる
「どんなプログラミング言語を扱えるか」「どんなフレームワークを扱えるか」といった質問は、特にエンジニアに対し理解のない企業が面接で行いがちです。
しかし、この質問は要注意です。
同じプログラミング言語であっても、習熟度はエンジニアによって全く異なります。コーディングのみできる人や、アプリの開発ができる人、他言語と併用した開発ができる人などさまざまです。
また、複数の言語やフレームワークが扱えたとしても、自社で扱っているスキル要件が満たせなければ、採用してもパフォーマンスは発揮できないでしょう。
重要なのはどんな言語やフレームワークが扱えるかではなく、それを使ってどのように開発に貢献できるかです。表層的なスキルのみで採用の可否を判断しないようにしましょう。
圧迫面接や意図的なストレスチェック
一般職でも言えることですが、面接でストレス耐性を測る行為はおすすめしません。特に、高圧的な態度で臨んだり、答えにくい質問を意図的にぶつけるような行為はNGとなります。
面接時にかかるストレスと開発現場でかかるストレスはそもそも別物ですし、仮に採用と判断した場合でも、エンジニア側が採用辞退する可能性も高くなります。それだけではなく、そのようなネガティブな面接をする会社ということが拡散されることもあるので注意が必要です。
採用候補者にとって、面接担当者はその会社の顔ともいえる人物ですので、面接で嫌な経験をすれば、その会社で働きたいと思う意欲は下がってしまうでしょう。
過度な期待や事前共有のない働き方への同意
求人には記載していなかったスキルについて尋ねたり、働き方の変更や条件を修正したりすることは、基本的に相手の心証を下げるので避けた方がよいです。
「求人では月収〇〇円と書いてありますが、それは△△のスキルを持っている人の場合に限ります」といった条件の追加などが該当します。
また、「将来的には〇〇のようなポジションに就いて欲しい」など、過度な期待をかけるような言動もNGです。
採用候補者は求人の条件を見て面接に臨んでいるため、そこから逸脱した条件や期待をかける行為は、内定辞退の原因になりかねないため注意が必要です。
意図を持って質問することが重要
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(出典)https://www.pexels.com/
ここまで紹介した質問は、どれも基本的なものです。自社が求める人材要件や任せたい業務・役割によって質問内容は変更しましょう。
重要なのは、その質問で何を判断するのか、どのような回答であれば面接は合格と判断できるかといった基準を、面接担当者とも共有することです。共有が不十分だと、面接官ごとに採用基準が違ったり、本来採用したいはずの人材を逃したりすることになってしまいます。
また圧迫面接や事前に説明していた要件をいきなり変更するような内容も避けた方がよいでしょう。面接は会社側が採用候補者を判断する場であると同時に、採用候補者側も会社を判断する場であるということを忘れてはいけません。