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エンジニア採用におけるスクリーニングとは?メリットや代表的な手法を解説
エンジニア採用では、選考の初期段階に「スクリーニング」が実施される場合があります。応募者をふるいにかけることで、質の高い採用活動を効率良く行えるようになるのがメリットです。スクリーニングの重要性や具体的な手法を解説します。
エンジニア採用におけるスクリーニングとは?
採用活動にかけられる時間やコストは有限です。限られたリソースの中で、エンジニアの採用を成功させるには、事前のスクリーニングが欠かせません。スクリーニングの意味とエンジニア採用における必要性を理解しましょう。
採用活動におけるスクリーニングの意味
英語のスクリーニング(Screening)には、ふるいにかける・選抜・選別という意味があります。採用活動におけるスクリーニングとは、応募者を選び分けることです。
具体的には、選考の初期段階で応募書類のチェックや筆記試験などを実施し、あらかじめ設定した基準を満たした者を選抜します。マッチングと混同されやすいですが、スクリーニングはマッチングの前段階に行うもので、両者には以下のような違いがあります。
- スクリーニング:基準に満たない人材を探すこと
- マッチング:母集団の中から、自社にマッチした人材を探すこと
スクリーニングにより、採用にかかる時間やコストが削減できたり、面接の精度が上がったりと、企業にとってはさまざまな利点があります。
エンジニア採用でのスクリーニングの必要性
エンジニアは、高度な知識とスキルを要する技術職であるだけに「技術面の評価」が難しく、採用のミスマッチが発生しやすい傾向があります。一見、華々しい経歴を持つ人材であっても、保有する技術スタックが実務に即していなかったり、深い専門知識が欠けていたりするケースは珍しくありません。
選考の初期段階でスクリーニングをすれば、自社の求める人材像に合致したエンジニアをより的確に選び出せるようになるのがメリットです。例えば、面接の前段階でコーディングテストを実施すれば、応募書類だけでは把握しきれない技術力を見極められます。
採用スクリーニングのメリット
スクリーニングの方法は、募集する職務やポジションによって異なりますが、書類審査や適性検査、コーディングテストなどが一般的です。エンジニアの選考プロセスにスクリーニングを導入すると、どのようなメリットがあるのでしょうか?
応募者のスキルレベルを確認できる
最新の技術だけを追い求めるエンジニアは技術に一貫性がなく、専門性に欠けていることも珍しくありません。人事担当者が技術畑出身でない場合、応募者のスキルレベルが正確に判断できず、採用すべきではない人材の入社を許す可能性があります。
他のビジネス職と違い、エンジニアは一定の技術スキルがなければ、業務に従事できません。スクリーニングを実施することで、候補者のスキルレベルが可視化され、実際のプロジェクトやチームに適しているかどうかを客観的に評価できます。
また、採用後のオンボーディングやトレーニングの内容を早い段階から計画できるのもメリットです。応募者のスキルセットに基づいたプロジェクトや研修を用意すれば、入社後の即戦力化が早まると同時に、定着率の向上にもつながります。
採用コストの削減が可能
スクリーニングを実施すると、自社の最低基準を満たさない人材があらかじめ除外されるため、担当者の負担軽減や採用コストの削減につながるのがメリットです。浮いたリソースをより重要な業務に集中させれば、採用の成功率が高まるでしょう。
スクリーニングをしない場合、全ての応募者と面接をしなければならず、スキルの見極めに膨大な時間とコストが費やされます。人事担当者は、面接官の確保や応募者とのスケジュール調整、面接場所のセッティングなどに追われ、本来やるべき業務がおろそかになる恐れがあります。
採用活動の質が向上する
応募者全員を面接の対象とした場合、応募者一人一人にかけられる時間は極めて短くなります。人材の見極めや応募者への魅力付けが十分に行えず、後に採用のミスマッチや内定辞退が生じる可能性が高いでしょう。
スクリーニングを実施した場合、自社の基準を満たす人材のみを選考プロセスに乗せられるため、質の高い採用活動を効率良く行えるようになるのがメリットです。面接では、人材の見極めや魅力付け、質疑応答に十分な時間をかけられます。応募者側の納得感が得やすく、内定承諾率が向上するでしょう。
採用スクリーニングの注意点
スクリーニングは、エンジニア採用にプラスの効果をもたらしますが、デメリットが全くないわけではありません。担当者の主観による影響や優秀な人材を逃すリスクを考慮した上で、適切な運用方法を考える必要があります。
担当者によって評価が変わる可能性がある
スクリーニングの手法は多岐にわたりますが、エントリーシートの確認や応募書類のチェックといった「人の目によるもの」は、担当者の主観が入り込みやすい傾向があります。スクリーニング基準や採用基準が曖昧だと、担当者によって評価が変わる可能性が高いでしょう。
エンジニア採用で注意したいのが、目立つ特徴に引きずられて、他の評価がゆがむ「ハロー効果(後光効果・光背効果)」です。例えば、応募者が有名企業や大企業に勤めていた場合、「〇〇に勤めていたのだから、優秀なエンジニアだろう」と判断してしまうケースがあります。
主観による評価を防ぐには、スクリーニング基準および採用基準を明確にすると同時に、客観性の高いスクリーニング手法を取り入れる必要があります。
優秀な人材を逃すリスクもある
エンジニアにとって技術スキルは最も重要ですが、コミュニケーションスキルや協調性、企業文化への適合性なども考慮する必要があります。
書類上の情報やコーディングテストの採点結果からは、応募者の内面的要素がほとんど判断できないため、自社が本当に必要とする人材を逃すリスクがあることを覚えておきましょう。
また、過去の実績に焦点が当たりすぎていたり、スクリーニングのプロセスが多様性を欠いていたりすると、ポテンシャルの高い人材や成長意欲のある人材、特定のバックグラウンドを持つ人材を見落とします。自社にプラスになる人材をできる限り逃さない工夫が求められるでしょう。
エンジニア採用におすすめのスクリーニングの手法
スクリーニングの手法は複数あります。手法ごとに特徴やメリット・デメリットが異なるため、複数を組み合わせるのが望ましいでしょう。エンジニア採用に適した手法を紹介します。
履歴書や職務経歴書の確認
最も一般的なのが、応募書類によるスクリーニングです。応募時に、履歴書(エントリーシート)や職務経歴書、ポートフォリオを提出してもらい、自社の基準に照らし合わせて、応募者をふるい分けます。
これらの書類からは、学歴・職務経歴・実績・保有資格・技術スキルなどが読み取れます。志望動機や自己PRの内容を見れば、文章作成能力や一般常識の有無、人柄もうかがえるでしょう。
応募者が多く、書類審査に十分なリソースを割けないときは、採用活動を支援するAIツールを活用する手が有効です。応募者が提出した書類をAI(人工知能)が数値化してくれるため、スクリーニングの効率がアップします。
中途採用の履歴書の確認方法などについてはこちら
https://hr-media.offers.jp/articles/uif9c4ch1z/
適性検査の実施
適性検査とは、応募者の性格・基礎学力・思考力・仕事に対する適性などを定量的に測定する検査です。筆記テストやWebテストが一般的で、代表的なものには「SPI3」「CUBIC」「GAB」などがあります。「CAB」や「ATPP」などのエンジニア向けの適性検査を実施するのもよいでしょう。
適性検査の結果をどう活用するかは、職務やポジションによって異なります。高得点を獲得していても、自社の求める人材像に合致しているとは限らないため、何をもって合格とするのかをあらかじめ決めておく必要があるでしょう。
書類審査後に適性検査を実施すれば、面接に進む応募者を絞り込める上、検査結果を踏まえた質問内容を考えられるのがメリットです。ただし、応募から面接までの時間が長くなると、応募者が他の企業に流れてしまうリスクがあります。
技術面接の実施
応募者の技術レベルを測る目的で「技術面接」を実施する企業は少なくありません。技術面接とは、技術職や研究職の採用に際し、専門的な知識を深く質問したり、スキルチェックを行ったりする面接を指します。以下は、エンジニアの技術面接の一例です。
- 問題を解く形式:プログラミング問題を通じ、プログラミングやアルゴリズムに関する基礎知識・コードの書き方・論理的思考力などを評価する
- 質問に答える形式:経験やスキル、過去の成功(失敗)体験について質問することで、応募者の仕事に対する考えや開発で重視しているポイントなどを評価する
技術面接は、人事担当者のみでは進められないプロセスです。技術面のジャッジは、必ず現場のエンジニアが行いましょう。
外部の調査機関の利用
履歴書や職務経歴書は、本人の自己申告であるため、中には虚偽の申告をする人がいないとも限りません。外部の調査機関にリファレンスチェックを依頼すれば、応募者に関する以下のような情報が入手できます。
- 学歴・職務経歴
- 人間性
- 人間関係
- 前の職場での働きぶり(勤怠状況・勤務態度・実績など)
書類審査の直後に実施すれば、経歴詐称を早い段階で見抜ける上に、調査結果を踏まえた面接を実施できます。一方で、調査機関に依頼すると高額な費用がかかるため、応募者全員の情報をチェックするのは現実的ではありません。実施コストを考えるなら、最終選考前に行うのが望ましいでしょう。
スクリーニングの効果を高めるポイント
スクリーニングの効果を高めるためのポイントについて解説します。特に、スクリーニングの基準を明確にすることは重要ですので、ぜひ検討してみましょう。
採用基準とスクリーニングの基準を明確にする
スクリーニングに際し、「スクリーニングの基準」と「採用基準」を明確にする必要があります。両者は同じものと思われがちですが、本来の目的が異なります。
スクリーニング基準は、多数の応募者をふるいにかけ、面接に進める人材を絞り込むための絶対的なフィルタリングです。企業が求める最低限のスキルや経験などを設定するため、採用基準とは必ずしも一致しない点に留意しましょう。
面接に進んだ応募者は、職務やポジションごとに設定された採用基準で評価されます。採用基準は、自社にマッチした人材を選ぶために設けるもので、学歴や経歴といった単純なものではありません。
なお、採用プロセスは、「自社が求める人材を定義する」→「採用基準を決定する」→「スクリーニング基準を設ける」の順番で進みます。
複数の手法をうまく組み合わせる
スクリーニングの基準を満たさない人の中にも、会社の成長に貢献できる人材は存在します。実際、「基準は満たさなかったが、実際に会ってみたら素晴らしい人材だった」というケースもあるため、スクリーニングだけに頼るのは禁物です。
また、スクリーニングの性質上、応募者の悪い部分にばかり注目してしまいがちなので、応募者の良い部分にも目を向ける必要があります。複数の手法を組み合わせたり、基準の見直しをしたりして、偏りのない評価を心がけましょう。
エンジニア採用における人材選びのポイントや代表的な採用手法については、以下のコラムで詳しく解説しています。
エンジニアの採用を効率化するポイント。導入すべき手法や人材の選び方を解説 | Offers HR Magazine
採用スクリーニングの導入を検討しよう
企業が採用活動にかけられるリソースには限りがあります。採用プロセスを効率良く進めていくためにも、初期段階におけるスクリーングは欠かせません。ミスマッチの低減やプロセスの効率化、コスト削減につながるのは大きなメリットといえるでしょう。
一方で、スクリーニングは万能ではなく、ポテンシャルの高い優秀なエンジニアを逃すリスクがあります。「何を基準にするか」「どのようなスクリーニング手法を用いるか」は慎重に検討しなければなりません。
スクリーニング基準に合致した人が、必ずしも自社が求める人材とは限らないため、さまざまな角度から応募者を見極める必要があります。
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