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社内システムのデジタル化やシステムの開発に伴い、経験豊富なITエンジニアを採用したいと思っている企業も多いのではないでしょうか。しかし、「人が採用できない」「採用してもすぐに辞めてしまう」という悩みを抱えている担当者も多いのではないでしょうか。エンジニア採用を目指す全ての採用担当者向けに、この記事ではITエンジニアを中途採用するための手順や手法について徹底解説します。
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エンジニアを中途採用する5つのステップ
生産性の向上や人材不足解消のために、DX化に取り組んでいる企業が増えてきました。それにあわせてエンジニアの需要も急増しており、ITエンジニアの求人倍率は、10年前と比べても格段に高くなっています。かつてのように求人広告を掲載して応募者を待つだけという受け身型の採用手法では、未経験エンジニアならともかく、実績豊富なエンジニアを社内に招き入れることは不可能です。
では、どのような採用手法を用いれば、優秀なエンジニアを中途採用できるのでしょうか。その答えは、以下のステップに沿って採用を進めることです。
それぞれの内容について、詳しく見ていきましょう。
その1:採用市場を理解する
エンジニアの採用が難しい理由として、「採用市場が他業種とは異なること」「需要と供給が急速に変化していること」が挙げられます。採用においては、主導権が「企業側にあるのか」「採用希望者側にあるのか」を把握することがとても重要です。
そのためにも、まずはエンジニアの採用市場について理解を深めましょう。
現在のエンジニア採用市場は「圧倒的売り手市場」
働き方改革の推進によって、デジタル化やITツールの導入が進む日本企業では、エンジニアに対する需要は増加しています。特に2023年は、ChatGPTやBardなど、オープンソースAIの登場により、AIを扱うエンジニアや、AIと関係性の深いPythonを扱えるエンジニアを求める企業がさらに増えています。さらには働き方改革により、エンジニア1人あたりの作業量に上限が設けられたことで、エンジニアの採用人数を増やさざるをえなくなったことも、需要増加の要因として挙げられるでしょう。
しかし、少子高齢による慢性的な働き手不足、より良い環境を求めて海外に仕事を求めるIT企業や人材が増えていることなどが理由で、相対的に見て日本の働き手は減っている状況にあります。そのため、日本のエンジニアは需要に対し供給が追いません。
ハローワークが公開している「職種別有効求人・求職状況」の令和5年3月分のデータを見てみると、都内の総合的な有効求人倍率が1.49倍であるのに対し、IT技術関連の有効求人倍率は3.19倍と、実に倍以上に上っています。エンジニアの実績やスキルを考慮して絞り込んでいくなら、さらに倍率は上がってしまうでしょう。
結論から言えば、現在のエンジニア市場はエンジニア有利の「売り手市場」であり、エンジニア側が働く企業を選ぶ立場にあります。逆に企業側からすれば、エンジニアに自社を選んでもらうためにさまざまな工夫をしなければならない状況です。このエンジニア売り手市場は、今後さらに流れが加速すると見られています。
引用:東京ハローワーク 職種別有効求人・求職状況(一般常用)
正社員採用では事業スピードに追いつかない
一般的な正社員採用は、数カ月かかることも珍しくありません。中途採用・転職採用ともなると、前の会社の退職日や入社日の調整があるため、さらに期間を調整する場合もあります。
IT市場が急速に成長している現状下で、このように数カ月以上かかる正社員採用では、事業成長とそのために必要な人材獲得が追いつきません。また、働き方の多様化やエンジニアを採用するサービス・チャネルが増えたことで、採用に時間がかかりすぎると、他の会社に行かれてしまう可能性も高まります。
エンジニアの中途採用が難しい理由
そもそも採用市場の動向とは無関係なところで、エンジニアの中途採用は難しいと言われています。その理由として、以下が考えられます。
優秀なエンジニアほど採用市場にはいない
上流工程の業務遂行能力を持ち、経営者目線での提案や開発ができるほどのエンジニアは、企業からすれば喉から手が出るほど欲しい人材です。
しかし、優秀なエンジニアは自ら採用活動を行わなくても企業側からオファーが来るため、求人サイトを訪問したり、自身で営業活動を行ったりする機会が必然的に少なくなります。そのためエンジニアは優秀になるほど、採用市場に現れる機会が減っていくのです。
求人サイトやSNSで募集をかけたとして、実績豊富なエンジニアから応募が来る可能性は低いといえるでしょう。
採用候補先として見られていない
経験豊富なエンジニアほど企業とのコネクションを多く有しており、その中から採用候補を選定します。
誰もが知っている有名企業やエンジニア採用実績のある企業であれば別ですが、これまでエンジニアの採用実績もなく、かつ露出が少ない企業への応募をエンジニアは避ける傾向にあるのです。そのため、自社がそもそもエンジニア側から「採用候補」として認識されていない可能性があります。
またエンジニアは一昔前、ブラックな労働環境が社会問題になったことがあり、現在でもそのイメージは残っています。求人を出したとしても、エンジニアの採用実績がないと「ブラック企業ではないか」と警戒されてしまい、敬遠されてしまう可能性もあるでしょう。
その2:自社の強みを言語化する
採用市場を理解した上で、自社の強みを定義しましょう。他社と比較した上で自社を選んでもらうための魅力を言語化することが、エンジニアの応募を増やすために必要なプロセスとなります。以下の項目を言語化し、自社の強みを社内外に説明できるようになることが重要です。
自社の売りはどこか
エンジニアに主導権がある採用市場では、エンジニアに選んでもらえるだけの魅力や強みを提示することが必要になります。
売りを考えるときは「他社との差別化」と「エンジニアにとって魅力的であること」が重要になります。どの会社でも用いている汎用的、抽象的な要素は売りとして弱く、ユニークな制度や働き方は、それが必ずしもエンジニアにとって魅力かどうかは検証が必要です。
売りを考えるときに重要なのは「自社にしかないもの」を考えることです。例えば、SNSなどで著名なエンジニアがいる場合、「一緒に働きたい」と思ってくれるエンジニアが応募してくれる可能性が高まります。それは「自社でしか得られない人とのつながりや経験」だからです。
魅力的なプロジェクトや誰かと一緒に働ける「自社にしかない機会」、スキルやノウハウなど「自社にしかない情報」など、自社で働くことでしか得られないメリットを検討しましょう。
ミッション・ビジョン・バリューの差別化
自分の仕事がどのように社会に役立つのか、どんな人の元に届くのかを、働く理由として考えているエンジニアも多くいます。
それを示すための手段として、企業の果たすべき使命(ミッション)、企業としての理想の姿(ビジョン)、企業内で共有される価値観(バリュー)を定めて、内外に向けて発信することが必要になります。
ミッション・ビジョン・バリューは、他社と差別化できているかどうかも重要なポイントです。他社と差別化できていれば、スカウトなどでエンジニアを口説く場合に、自社の魅力としてもアピールできるので、採用につながりやすくなります。
事業の魅力をアピールする
自社が現在取り組んでいる事業内容が魅力的であれば、その事業に参加したいと思うエンジニアが応募してくるでしょう。
ただし、事業で人を惹きつけるのは、事業が終了する際に参加していた人材の離職理由にもつながってしまいます。また、事業がうまくいかなかった場合に、メンバーのモチベーションが極端に下がってしまう理由にもなるので、事業以外の魅力をあわせてアピールすることを考えましょう。
技術チャレンジに注目する
「自身のスキルアップができる」「新しい技術を積極的に取り入れている」という点は、エンジニアにとって働く魅力となります。
エンジニア業務の中には、Webサイトの機能を自動化するような業務や同じクラス(この場合はオブジェクト指向における量産された設計図を指す)を使い回すような仕事もあります。こうした仕事は、技術的な幅が狭く、エンジニアにとってやりがいやスキルアップにつながりません。
新しい技術やシステムを積極的に取り入れていることは、会社としての魅力につながります。
労働環境を現代の働き方にあわせる
副業・複業で働いているエンジニアは多く、また副業でも3社、4社と複数の会社で業務をこなしている人もいます。
従来、日本では正社員(フルタイム出社・無期雇用)での採用が一般的でしたが、「ワーク・ライフ・バランス」を適切に保つ観点から、この働き方は現代エンジニアの労働環境に適しているとは言えません。
また「副業は禁止し、本業に専念してもらう」という働き方も、副業が当たり前になっているエンジニアの働き方には適しません。コロナショック以降、在宅ワークで活躍するエンジニアも増えています。
エンジニアの採用につなげるためには、労働環境を現代の働き方にあわせて変えていくことも求められます。
その3:採用背景の洗い出しと募集条件・待遇の決定
採用市場や自社の強みを把握できたら、次は自社の課題を整理し、どのような人材が必要なのかを明確にしていきます。「なぜ採用するのか」「どんな人材が必要なのか」を明確にするために、次のステップを踏んでみてください。
自社の課題を明確化する
まずは「なぜエンジニアを採用しなければならないのか」という、自社の課題を明確にするところから始めます。その課題を解決するスキルを持ったエンジニアを採用するためにも、必要なプロセスです。
例えば、「AIを活用したソフトウェアの開発を手伝ってもらいたい」という名目でエンジニアを採用するとしましょう。しかし、この課題が「コーディングのためのリソース不足なのか」「そもそも要件をまとめられるスキルを持った人材が不在なのか」で、募集する役職や求めるスキルも変わります。
「PMの前任者が退職をしてしまったため、代わりの人間を探している」ということであれば、採用課題は明確です。前任者の持つスキル・役割で募集すれば良いということになります。
このように、「なぜ採用が必要なのか」という自社の課題を明確にすることで、採用者に求めるスキルや役割が自ずと決まってきます。
ペルソナを明確化する
ペルソナとは人物像のことです。ターゲットという言葉が「集団」を指すのに対し、ペルソナは「単体の人物像・キャラクター」を指します。ターゲットよりも細かく、より具体的に設定することで、人物像を浮かび上がらせるのがペルソナです。ペルソナを定義するために、ターゲットが持っているだろう以下の要素について決定しましょう。
- 年齢
- 住まい
- 性別
- 家族構成
- エンジニアとしての経歴
- スキル
- 働き方
- 価値観
これらの具体的な人物像を想定することにより、現場での働き方やどんな業務を依頼すればいいかが明確化されます。
採用担当者にとっても、ペルソナに当てはまる候補者から採用すればいいので、選考基準が具体的になります。募集する際にも、要件を満たしたエンジニアが集まりやすくなるなど、ペルソナを設定することでさまざまなメリットがあります。
募集条件・待遇を決定する
自社課題が明確化され、ペルソナも決定したら、その内容を応募条件として具体的にピックアップしていきます。このとき、洗い出した募集条件は「必須条件」と「優遇条件」に分けて考えましょう。
〇必須条件
エンジニアを選考する上で、「この条件を満たしていなければ採用は見送る」という足切りの基準です。プログラミング言語や業務経験年数、使用できるツールなどを洗い出しましょう。
〇優遇条件
「この条件を満たして入れば、好待遇で受け入れる」という条件です。特定の資格やプロダクト参加の経験、前職の役職などをピックアップします。
それぞれの条件に合わせて、待遇も決定してきます。
他社の求人や相場と比較して条件・待遇を調整する
自社で決定した募集条件・待遇で本当にエンジニアが応募してくるのかを知るために、他社の求人や相場と条件を比較し、調整しましょう。
例えば報酬額が、他社で募集している同条件の役職と比較して極端に低ければ、他の部分がどんなに魅力的だったとしても、応募は見送られてしまいます。
また、募集条件が多すぎる、あるいは条件がハイスペックすぎてそのような人材が市場にいないケースも考えられます。その場合は募集の敷居を下げたり、あるいは待遇をもっと手厚くするなどして、エンジニアが応募してもらえるように条件を整える必要があります。
求人票を作成する
ここまで整理した情報を元に、求人票を作成しましょう。求人票の内容は、競合他社の中に埋もれないよう、工夫を凝らす必要があります。どのような工夫を凝らせば良いのかを具体的に解説します。
①募集理由を記載する
エンジニア業界は長年ブラックな風潮もあったため、募集理由について気にする人も少なくありません。
募集理由が「欠員補充」「リソース不足」などはネガティブに受け取られやすい一方で「新プロジェクトの立ち上げ」「事業拡大」などの要因はポジティブにとらえられやすい傾向にあります。
募集理由は正直に記載しておかないと、後々の面談や入社時に虚偽であったことが発覚し、トラブルになる可能性もありますので注意しましょう。「欠員補充」などのネガティブに捉えられやすい理由には、離職率や従業員の平均勤続年数などを記載すると、採用候補者の不安を払拭できます。
②役割や業務内容を具体的に書く
入社後にどのような役割を担って欲しいのか、どんな業務を担当して欲しいのかを具体的に記述します。
例えば「自社Webサイトの運用」と記載されていたとして、単純なサーバー保守なのか、システムを拡張していくのか、追加機能を実装していくのかなどによって、求められるスキルも異なります。
役割や業務内容が抽象的ですとエンジニアに警戒され、応募は来なくなってしまいます。この辺りの内容は社内エンジニアとも話し合い、外から見たエンジニアが納得できるレベルの内容まで落とし込むことが必要です。
その4:採用プロセス・チャネルの決定
募集条件と待遇が決定できたら、次は採用プロセスと採用チャネルを決めていきます。特に採用チャネルの選択は重要です。適切なチャネルで募集をかけることが、エンジニア採用につながります。
「攻めの採用」と「守りの採用」の両軸で考える
採用手法には、企業側からエンジニアに対してオファーを出す「攻めの採用」と、求人情報を掲載し、応募を待つ「守りの採用」があります。採用プロセスを作成するにあたって、この両軸での採用方法を検討しましょう。
攻めの採用では、自社の採用要件を満たしたエンジニアを選んでオファーを出せるので、エンジニアに依頼したい業務とエンジニアのスキルセットが一致しやすいメリットがあります。また、企業から声をかけることでエンジニアに「あなただから採用したい」という熱意を伝えられます。応募するきっかけになる可能性も少なくありません。
一方、求人情報を掲載する「守りの採用」は、ユーザーの認知度を上げる目的があります。条件が魅力的であれば、より多くのエンジニアからの応募がくる可能性も考えられるでしょう。
採用選考のフローを決定する
具体的な採用選考のフローを決定していきましょう。一般的には、以下の手順で行います。
- 募集
- 書類選考
- 面接
- 内定
- 入社
エンジニア採用では、会社の状況や採用期間によってフローを変えることが少なくありません。例えば、本格的な選考に入る前にカジュアル面談を実施する企業もありますし、プログラミングのテストやコードの提出で、実技選考を実施する場合もあります。
スカウト採用の場合、書類選考については行わない企業も少なくありません。求めている業種や役職、役割ごとに採用選考のフローを分ける企業もあります。自社にとって最適なフローを組み立てましょう。
採用チャネルの選択
求人広告やオウンドメディア、SNS、LINEなど現在のエンジニアの採用チャネルは多様化しています。全部を網羅することは、採用担当者の負担を考えると現実的ではありません。
採用チャネルの選択基準としては、エンジニア界隈で知名度が低い企業であれば、まずはSNSやエージェント、エンジニアマッチングサービスの活用をおすすめします。求人広告に掲載した場合、他の企業と比較されてしまい、採用競争で勝つことができません。
営業の採用実績が積めて、ある程度の事業規模になれば、採用広告やオウンドメディアからの採用も検討して良いでしょう。
採用チャネルは多くの種類がありますので、まずは試してみて、成果が出たら継続し、出なかったら打ち切るといった試行錯誤を繰り返すことも必要になります。
採用担当者の採用
エンジニアの採用は一般職の採用とは異なる担当者を用意しなければなりません。
具体的には、「エンジニア職の知識を持った担当者」です。一昔前とは違い、現在のエンジニアの業種は非常に多岐にわたり、業務も複雑化しています。この点について、採用候補者のエンジニアと話ができる担当者を用意することが、エンジニア採用における必須条件と言えるでしょう。
採用担当者がエンジニアにあまり詳しくない場合、ミスマッチな人材を採用してしまったり、本来採用すべき人材を選考で落としてしまったりといった問題も起こり得ます。
例えば、「必須条件にHTML・CSS・JavaScriptと記載があったにも関わらず、書類を見たらJavaScriptを使ったWebサイトの制作経験しか記載がなかったので落とした」といった具合です。エンジニアについて知っている人間からすれば頭の痛い問題ですが、エンジニア知識のない担当者を据えた場合、こうしたケースは実際に起こり得ます。
またエンジニアについて知識のない担当者だと、エンジニア側から「この会社はエンジニアに対し理解が足りない」「エンジニアの採用に力を入れていない」と判断され、内定を辞退される原因にもなり得ます。
面接やオファーなど、エンジニア知識が必要なときだけ社内のエンジニアの力を借りる企業もありますが、この場合は本業とのバランスはとれているか、採用が片手間になっていないかなどのワークバランスに注意しましょう。
その5:採用選考の実施
画像出典:photo-ac.com
採用フローとチャネルを決定し、いよいよ募集を開始して応募者が来たとしましょう。次は、採用選考に実施です。採用選考の方法や見るべきポイントについて解説します。
まずはカジュアル面談から
エンジニアの場合、いきなり本格的な採用フローに進むのは好ましくありません。前述した通り、エンジニアは売り手市場であり、採用の主導権はエンジニア側にあります。他社に行かれてしまわないように、まずはカジュアル面談を通してお互いを知ることから始めてみましょう。
カジュアル面談は、採用評価に影響しないことを相手に伝えることで、相手の意見や考えを引き出すと同時に、自社の魅力や将来性を伝えることが目的です。「この会社で働きたい」と思ってもらえれば、内定辞退や早期離職の低下にもつながります。
書類選考の実施や実技チェック
本格的な採用が始まったら、書類選考や実技のチェックを行います。書類選考については、前述した「ペルソナ」や「必須条件を満たしているか」をチェックしましょう。
実技については、テストの実施や課題提出、過去に作成したコードを見せてもらうなどの方法がありますので、適切な方法を選択して採用候補者に伝えます。
選考のポイントは、公平性・透明性を確保することです。選考を担当する人によって審査基準が違ったり、選考を落とした際に理由を聞かれた際に答えられなかったりすることがないように、選考基準については採用に携わる社員全員に共有します。
中途採用面接で見るべきポイント
面接では、過去の業務や経歴について掘り下げて尋ねたり、コミュニケーションが採りやすいか、採用後に一緒に働けるかどうかなどをチェックします。
中途採用と新卒採用では、面接で見るべきポイントも異なりますので、それぞれ押さえておきましょう。
新卒・未経験採用で見るべきポイント
新卒・未経験者を採用する場合、エンジニアとしての実務経験や経歴がないわけですから、別の部分に注目する必要があります。
主に見るべきは人物像となります。コンピテンシーや性格、ストレス耐性などに比重を置いた面接にしましょう。エンジニア以外の業務経験や、学生時代のアルバイト・インターンの業務経験がある場合は、仕事ぶりや成果について尋ねるのも良いかもしれません。
プログラミングスキルについては、高い水準で有していない採用候補者も多いので、育成を前提として採用することをおすすめします。
中途採用で見るべきポイント
中途採用するエンジニアで見るべき点は「即戦力になれるかどうか」です。そのためのスキルやコミュニケーション能力も重要ですが、入社後に主体的に動けるかどうかもチェックしましょう。
過去に参加したプロジェクトの中でどのように立ち回ったのか、どんな成果を残したのか、また課題に直面したときどのように解決したのかなど、業務に対するアプローチ方法や、問題解決能力についてフォーカスして質問しましょう。
内定とその後のフォロー
内定が決まったからといって、採用候補者を放置することはNGです。複数社を同時に受けていたり、他企業から内定中にスカウトをもらったりして、内定を辞退されてしまうケースもあります。
内定が決定した後も、入社日までに会社の情報提供や、オンボーディングの実施などで、採用候補者の気持ちが自社から離れていなかないよう、コミュニケーションを取ることを心がけましょう。
その6:定着・活躍を後押しする
画像出典:photo-ac.com
採用後に早期離職をされないようにサポートすることも重要です。どのようなサポートをすれば良いか、具体的な方法を紹介します。
オンボーディングの実施
オンボーディングとは、採用した人材が早く会社やチームに打ち解け、円滑に業務が取り組めるように指導・教育を行うことです。企業説明や社内ルールの共有、各種ツールのアカウントの発行などが該当します。
また、チームに打ち解けるための食事会やディベートなども、オンボーディングの一環として実施している企業もあります。
オンボーディングは、入社前と後にそれぞれ行う企業もあります。オンボーディングは定着率の向上にもつながりやすいので、積極的に行いましょう。
定期的なフォロー体制の確立
採用のゴールは入社ではなく、入社後に活躍してもらうことになります。そのためにも、定期的にフォローし、採用者の状況や悩みを把握できるようにしておきましょう。
具体的には、メンター制度の導入や上長との定期ミーティングの実施、あるいは社内に相談窓口を設置するなどの方法があります。中途採用者の場合、前職とのやり方の違いに対する戸惑いや不安を持っていることも多いので、相談できる担当者を用意することが、モチベーションの維持にもつながります。
また、将来を見据えた上でのキャリアプランを提示したり、現在のプロジェクトが終了した後に何をしてもらいたいかなどを話しておくことも大切です。将来的にも企業で働いてもらうビジョンを共有することで、会社に長くいたいと思ってもらえるようにしましょう。
ハイクラスエンジニアと接点を持つ方法
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エンジニアを採用できない理由として、「エンジニアとの人脈がない」という理由を挙げる企業は少なくありません。特に、上流工程の仕事ができるハイクラスエンジニアとの接点がなく、自社のプロジェクトや開発が停滞している企業も多いのではないでしょうか。
どのようにして、ハイクラスエンジニアを始めとした優秀なエンジニアと接点を持てば良いか、いくつか方法を紹介します。
タレントプールを構築する
エンジニアの場合、期間や業務を決めた上で仕事を依頼することもあります。仕事が発生するたびに、エージェントを起用したり、SNSからエンジニアを探すという作業は骨が折れますし、適切な人材が見つからない可能性もあるでしょう。
そこで役立つのが「タレントプール」です。タレントプールとは、採用候補者のデータベースのことで、将来的に仕事を依頼するかもしれないエンジニアに登録してもらいます。
エンジニアに依頼したい仕事があった場合に、タレントプールから候補者を見つけてオファーするという形になるので、採用候補者を選定する作業効率が格段にアップします。
また、エンジニア視点でも、雇用目的で応募するよりもタレントプールへの登録はハードルが低いので、行いやすいです。そのため、タレントプールへの登録がエンジニアとの接点を持つきっかけにもなります。
タレントプールに詳しく知りたい方は、こちらの記事もチェックしてみてください!
Webサイトとコンテンツの作成
自社でWebサイトを作成し、有益なコンテンツを提供し続けることも、エンジニアとの接点を持つ可能性につながります。有益な情報を発信していれば、エンジニアがサイトを訪問し、自社に対して興味を持つきっかけにもなるでしょう。
自社コンテンツ作成のためのインタビュー依頼や、採用ページ、タレントプールへの登録などを誘導することでエンジニア側から接点を持ってもらえる行動に期待が持てます。
自社で運営するメディア(オウンドメディア)は、自社の事業理解や訪問者を増やすことにもつながると同時に、社会的信頼性が向上する効果も見込めるでしょう。採用チャネルの一環として、自社メディアを活用している企業も少なくありません。
SNSやテックブログで自社情報を発信
自社の情報を外に発信するために、FacebookやTwitterなどのSNSを活用する手法は効果的です。特に若い世代を中心にSNSを利用する人は増えており、採用活動や営業で利用するフリーランスエンジニアも少なくありません。
SNSを通じてエンジニアと交流を持ち、タレントプールへに登録してもらったり、直接採用につなげたりといった採用成功例も多くあります。
またテックブログを通じて、自社がIT人材に注力していることを発信したり、エンジニアに自社に興味を持ってもらうことで接点を作ることもできます。
エンジニアの採用実績がない企業では、こうした自社の情報を外へ積極的に発信していく情報はとても重要です。
エンジニア中途採用の採用率を上げる施策
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エンジニアの採用率を上げるための施策を解説します。エンジニアの採用成功になかなか繋がらない場合、以下の施策を実施してみることをおすすめします。
副業・複業エンジニアの採用
優秀なエンジニアは、本業以外に仕事を持っている人も少なくありません。エンジニアは前述した通り需要過多の状態にあり、スキルのあるエンジニアであれば就職先には困りません。自分がパフォーマンスを発揮できるポジション・業務にのみアサインし、1社あたりの時間を短くして複数社で働くというスタイルのエンジニアもいます。
「正社員としてフルコミットは難しいけれど、副業で週30時間程度なら可能」という人もいるため、必ずしも正社員採用にこだわらなければ、エンジニアの母数を増やすことができるでしょう。
また、自社に入ってきたエンジニアに対しても副業・複業を認めることで、定着率が向上する可能性も上がります。
実際に転職を考えるエンジニアに着目すると、正社員採用サービスを利用するエンジニアよりも、複業採用サービスを利用するエンジニアの数の方が圧倒的に多いことがわかっています。
潜在人材マーケットを活用する
エンジニアには、実際に採用活動を行っている顕在層より「将来的に転職したい」「自分に合う仕事があったらやってみたい」と考えている潜在層の方が圧倒的に多くいます。
この潜在層のうちからアプローチをして、転職をしたいと思った際に自社に優先的に来てもらう、自社の魅力を伝えることで、転職する気はなかったけれど自社に転職してもらう、という動き方が効果的です。
潜在層の人材とつながりを持っておく施策は実行している企業が多く、競合他社が行っている場合、自社採用の遅れにつながります。
タレントプールの形成やエンジニアコミュニティへの参加など、自社でできることから始めてみましょう。
エンジニアの中途採用に活用できる「Offers」
「Offers」は、エンジニアと企業をつなげるマッチングプラットフォームです。
以下のような企業に、Offersは非常にパフォーマンスを発揮します。
- エンジニアを採用したいが、エンジニアとの人脈がない
- エンジニアの採用担当者が社内にいない
- エンジニア採用にかけるリソースや時間がない
- すぐにでもエンジニアを採用したい
以下でOffersについて詳しく紹介します。
Offersでハイクラスエンジニアを採用できる理由
Offersには、1万6,000人を超えるIT人材が登録しており、すでにタレントプールが形成されています。中には、マネージャーやスペシャリストクラスのエンジニアも多数登録しており、Offersを活用することで直接コミュニケーションを取ることが可能です。
オファーに対する承諾率、返信率も高く、またOffersに相談することで自社に必要なエンジニアの洗い出しも可能となります。
Offersが中途採用に効果的なポイント
Offersが中途採用に効果的な点としては、ハイクラスのエンジニアと接点が持てる他に、経験豊富な中間レイヤーの登録者も多く、接点が持てることも挙げられます。
採用候補者のフィルタリング機能も優秀なので、自社の求めている経歴やスキルを持ったエンジニアを、高精度で洗い出すことが可能です。
Offersを用いて中途採用に成功した事例
最後に、Offersで中途採用に成功した事例を紹介します。
シニア層のAIやバックエンド/フロント、PdMのピンポイント採用に成功「株式会社アレスグッド様」
「テクノロジーで産業界のSXを加速させる」ことをミッションに掲げる株式会社アレスグッド。当初は、リファラルやSNSを通じて採用活動を行っていたとのことですが、こうした採用活動の場合、相手に転職の意思があるのかが不明瞭な点やスキルマッチングの確認に時間やコストを費やしてしまう課題を抱えていました。
Offersの場合、登しているエンジニアの転職意思が確認できる点や、検索機能を用いて理想の人材を検索できるので、この課題をすぐに解決できました。
その結果、欲していたさまざまな業種のエンジニアと、PdMをピンポイントで採用し、翌月には稼働を開始できたとのことです。
開発組織の7割をOffersで採用!「株式会社PETOKOTO様」
ペットを家族として愛せる世界」を目指す、ペットウェルネスカンパニーPETOKOTOでは、動物の飼育に関する正しい知識の浸透や社会問題に対し、保護犬猫マッチングサービス「OMUSUBI」や、ペットライフメディア「PETOKOTO MEDIA 」などを展開しています。
こうしたアプリを作成するには、エンジニアの存在が不可欠です。PETOKOTOでは、このようなシステム開発に携われるエンジニアの7割を、Offersを活用して採用しました。
ペットをテーマにしたサービスということで、採用するエンジニアについても、ペットについて思いやりがあることや、現状のペット問題を理解しているカルチャーフィットが重要になります。Offersの採用では、このような繊細な問題を取り組めるカルチャーフィットしたエンジニアを採用するに至りました。
エンジニアの中途採用はブランディングと人脈形成が重要
エンジニアは売り手市場であり、とくにハイクラス層の人材や経験豊富なエンジニアは引く手あまたの状況にあります。その中でエンジニアを採用するには「エンジニアが働ける環境を用意すること」「エンジニア採用に注力していることを発信すること」が重要になってきます。
また、転職活動を始める前のエンジニアとのつながりを作っておき、実際にエンジニアが転職をする段階になって自社に来てもらうという採用活動をしている企業も多くあります。
エンジニア採用に実績のない企業は、このようなエンジニア採用のための環境づくりやブランディング、人脈形成を最初から行わなければなりません。
「そんなリソースを割く余力も時間もない」という企業担当者の方ももちろんいるでしょう。その場合はエージェントや採用代行を用いるという選択肢もありますが、この場合も採用にコストや時間がかかります。
そのような状況では、タレントプールをある程度構築しており、工数を軽減して採用の決定権を自社で持てる「Offers」は有効な選択肢となるでしょう。
Offersを活用し、自社が必要とする理想のエンジニアを採用してみてはいかがでしょうか。
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