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ロジックツリーはビジネスシーンで広く使われているフレームワークで、採用活動にも役立ちます。人材採用の分野で使えるロジックツリーの種類や作成方法などを紹介するので、参考にしてみましょう。フレームワークを活用する際の注意点も解説します。
採用活動でも役立つロジックツリーとは?
ロジックツリーはビジネスシーンで使われる機会の多いフレームワークで、汎用性が高く、さまざまな問題・課題の明確化や解決方法の策定に役立ちます。まずはロジックツリーの概要と、採用活動における有効性を確認しておきましょう。
問題の原因や解決策を考えるのに役立つ
問題をツリー上に整理した上で、原因や解決策をロジカル(論理的)に導き出すためのフレームワークが、ロジックツリーです。特定のテーマについて樹木が枝分かれするように要素分解し、その構造を階層的に理解する方法として知られています。
いわゆるロジカルシンキングの手法の一つであり、問題の構造を理解したり、解決策を導き出したりするのに活用できるため、ビジネスシーンの多くの場面で役立つアプローチです。
採用課題の明確化にもロジックツリーが有効
ロジックツリーは企業の採用課題の分析や、解決策のヒントを得るのにも使えます。例えば、求職者からの応募が少ない理由をロジカルに追求したり、早期離職が増えている原因を整理したりなど、具体的に解決すべき問題・課題を把握するのに役立つでしょう。
あるいは人材採用に有効な手法を挙げていき、どれが現状に最適か分析するのにも活用できます。本質的な問題を追求したり、取り得る方法や手段を把握したりするのに使えるので、採用プロセスの設計をサポートするツールとして有用です。
ロジックツリーを作成するメリット
採用活動においてロジックツリーを考えるメリットとしては、以下のように問題の構造の把握に役立つ点や、解決策の提示・共有がしやすい点などが挙げられます。回答をロジカルに導き出せるので、周囲の納得も得やすいでしょう。
問題の構造や全体像を把握できる
ロジックツリーを使えば問題の構造や全体像を視覚化できるので、有効な解決策を打ち出せるようになります。
採用活動に限らず、ビジネスシーンでは問題を正確に把握しないまま解決策を模索してしまい、なかなか成果を上げられないケースが珍しくありません。まずは全体像を捉えた上で、本質的な問題を明らかにする必要があります。
本質的な問題を把握するには、ロジックツリーで問題を構成する要素を挙げていき、どのような構造になっているか確認することが重要です。問題の構造を明らかにできれば、具体的な解決策を導き出せるようになります。
解決策の提示や共有がしやすくなる
ロジックツリーを活用すれば、上記のように問題を構造的に捉えた上で、有効な解決策を提示できるようになります。さらに、問題の定義から解決までの筋道が明らかになるので、他者と共有しやすいのもロジックツリーを作成するメリットです。
例えばチームで議論をする際、ロジックツリーで問題の全体像を把握できるようにしておけば、メンバー間の認識のズレがなくなり、解決策のコンセンサスも得やすくなるでしょう。ロジックツリーに沿って議論を進めることで、妥当性を担保しつつ、創造的な解決策を打ち出せる可能性もあります。
ロジックツリーの種類とアプローチ
採用活動において有効なロジックツリーの種類を紹介します。ロジックツリーには以下のように、要素を分解して理解するものや原因を究明・追求するためのツリー、問題解決を目的としたツリーなどがあります。それぞれのアプローチの方法を見ていきましょう。
要素分解のツリー
要素分解のロジックツリーは、ある問題やトピックなどに関して、それを構成する要素を網羅するために作成するものです。
例えば、エンジニアの採用に使える媒体は、求人サイトや転職エージェント、SNSなどが挙げられます。さらに求人サイトは全職種向けのものや、エンジニアに特化したサービスなど、より細かい要素に分解できるでしょう。
これを繰り返すことで採用媒体の深掘りが可能になり、どの媒体を選ぶべきか、社内で検討するきっかけにもなります。
原因の究明・追及のためのツリー
問題の原因を究明するために作成するロジックツリーは、現状を把握し、根本的・本質的な原因を究明するのに役立ちます。設定した問題に対して、まずは考えられる原因を網羅的に挙げ、そこから一つ一つの要素について、樹形図の形で原因を深掘りしていきます。
例えば、スカウトメールの返信率が悪い場合、送信する相手が採用ニーズに合っていなかったり、メールの文面が悪かったりする可能性があるでしょう。さらに文面が悪く、求職者に訴求できていない原因としては、文章の構成に問題がある場合や、相手が求める情報が記載されていない場合などが考えられます。
一つ一つの要素を深掘りしていくことで、本質的な原因を洗い出すとともに、具体的な解決策も打ち出しやすくなります。
問題解決のためのツリー
問題解決のために作成するロジックツリーは、解決したい問題をテーマに据えて、その方法や改善策を樹形図の形で展開するアプローチです。例えば、採用サイトへの流入を増やしたい場合、コンテンツを充実させたり、SNSで発信したりする方法が考えられます。広告を積極的に活用するのも有効でしょう。
考えられる施策を一通り挙げたら、一つ一つの施策をさらに具体化していきます。コンテンツを充実させる場合、単純に記事数を増やしたり、動画を盛り込んだりする方法などが考えられます。さらに記事数を増やすならば、どのような記事を作成するか候補を挙げるといったように、それぞれの要素について何をすべきか検討します。
このようにロジックツリーならば、最終的に解決したい問題に対して、取り得るアクションを明確にすることが可能です。その中で効果の高いものを選択・実行すれば、効率的に問題を解決できるでしょう。
有効なロジックツリーを作成するコツ
採用課題の解決に効果的なロジックツリーを作成するには、以下のポイントを意識しましょう。設定した問題やテーマに対し、網羅的に要素を取り上げることで、最終的に取るべきアクションを明らかにすることが大事です。
常に「MECE」を心がける
ロジックツリーの作成で要素を挙げる際には、常に「MECE」を心掛けましょう。MECEとは「モレもダブりもない状態」を指し、要素間に重複がなく、全ての要素を過不足なく取り上げることです。
例えば、インターネットを閲覧するための端末は、デスクトップ型パソコンとノートパソコン・スマートフォンがあります。しかし、他にもiPadをはじめとしたタブレット端末などもあるので、これを忘れるとMECEの状態にはなりません。
特に、ロジックツリーを使って問題解決のための施策を考える際、要素をMECEに挙げなければ有効な施策を打ち出せず、解決に至らない場合もあるでしょう。問題やテーマによっては、MECEを達成するのが難しいケースも多くありますが、できる限り全ての要素を重複なく取り上げることが重要です。
包含・因果関係を意識する
包含関係や因果関係を意識するのも、ロジックツリーの作成で重要なポイントです。基本的にツリーで上位に位置する要素は、下位要素の総和になっていなければいけません。
例えば、ある企業がABCDの4つの事業部から成り立っているとしましょう。そこで組織全体の生産性の低下を問題とするならば、ABCDの全ての事業部の業務パフォーマンスについて調査しなければ、どこが全体のボトルネックになっているか正確に判断できません。
ロジックツリーを作成したら、上位の要素が下位の要素のまとまりで成り立っているか、しっかりと確認しましょう。上記のMECEを常に心掛けていれば、要素間の包含関係は自然に満たされるはずです。
また、上位の要素と下位の要素には、基本的に因果関係が必要です。これは下位の要素が満たされた結果として、上位の要素が生じるという関係を指します。あるいは、上位の要素にあたるアクションが実行されることで、下位の結果がもたらされる関係でなければいけません。
上位・下位の要素に因果関係がなければ、ツリーの構造がおかしくなってしまいます。結果として的外れな施策を打ち出してしまう原因になるため、要素間の関係には十分注意しましょう。
最終的に具体的なアクションを明らかにする
問題解決を目的としたロジックツリーの最下段では、具体的な行動や施策・アクションが明らかになるように作成しましょう。採用活動においてロジックツリーを作成する目的は、主に人材採用に関する問題の解決策や、目的の達成に有効な施策を打ち出すことです。
漠然とした解決策しか出ないならば、ツリーを作成する意味がありません。一人一人の担当者が何をすればよいか、具体的なアクションとして理解できるようにすることが重要です。有効性のある施策を挙げられない場合には、まずは仮説として設定し、後から検証する形にするとよいでしょう。
フレームワークを活用する際の注意点
採用活動において、ロジックツリーのようなフレームワークを活用する際には、状況やニーズに合ったものを選択する必要があります。フレームワークはあくまでも、考え方の枠組みを提供するもので、問題解決のヒントを得るための手段です。
常に正しい解答や解決策を得られるとは限らないため、過信しないように注意しましょう。ロジックツリーをはじめとしたフレームワークの代表例や活用のポイントに関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
エンジニア採用に有効なフレームワークとは?採用戦略の立て方も解説 | Offers HR Magazine
採用課題の分析にロジックツリーを活用してみよう
ロジックツリーは汎用性の高いフレームワークであり、問題の原因や解決策を考えるのに役立ちます。エンジニア採用における問題・課題の究明や、有効な施策の打ち出しなどに活用できるので、作成のポイントを押さえておきましょう。
また、ツリーを作成する際には常にMECEを意識して、要素間の包含関係や因果関係にも注意を払わなければいけません。最終的に、何らかの方針や具体的なアクションが明らかになるまで、ツリーを掘り下げることも重要です。
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