エンジニア採用でもChatGPTは有効か?導入のメリットや活用方法などを解説

Offers HR Magazine編集部 2024年2月15日

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目次

ここ数年、ChatGPTはさまざまな分野で利用されており、人材採用に活用する企業も増えてきました。そこで、エンジニア採用におけるChatGPTの有効性や導入のメリット、具体的な活用方法を解説します。人事担当者の方は参考にしてみましょう。

エンジニア採用でChatGPTは有効?

ChatGPTは2022年の11月に公開されて以来、多方面で広く活用されるようになりました。ビジネスシーンでも導入例が増えており、採用活動に生かしている企業も目立ちます。まずは、ChatGPTの概要と基本的な特徴から押さえておきましょう。

ChatGPTの基本的な特徴

AI(人工知能)の自然言語処理の技術を活用し、人間と自然な対話ができるプログラムがChatGPTです。専門的な知識がなくても、PCやスマホなどで文字が打てればAIと簡単に対話ができるので、一般的な利用とともに、ビジネスシーンでも活用する企業が増えてきました。

質問を重ねる度に回答の精度が向上するのが特徴で、ジャンルを問わずスムーズな情報収集が可能です。文書やプログラムの作成などに使用されるケースもあります。

ChatGPTでできること

ChatGPTは質問を通じて、さまざまな情報をすぐに得ることができます。また、問題解決のためのアドバイスやアイデア出しも可能です。上記のように文章の作成に利用されることもありますし、エンジニアがプログラムの一部を作成する際にも役立ちます。

汎用性が高く、工夫次第でビジネスシーンのあらゆる場面で活用できる一方で、個別の状況を加味して臨機応変に回答するのは苦手です。

ChatGPTはデータベースに蓄積された情報を精査し、抽出するプログラムであり、一般論がベースになっているため、通り一遍の回答を得ることもあります。しかし、答えの決まっている問題や基本的な情報を得るのには有用であり、文章の作成を伴う定型業務の自動化にも役立ちます。

採用活動にChatGPTを活用する企業が増加

ChatGPTは使い方次第で、採用活動にも活用できます。詳しくは後述しますが、求人票やスカウトメールの作成をはじめ、採用活動に必要な書類の翻訳などに役立ちます。すでに採用管理システムの中に、ChatGPTを組み込んだサービスも登場しており、その影響力の大きさが分かります。

ビジネスシーンにおいて、いまだChatGPTの存在を知らない人も少なくありませんが、今後さまざまな分野で活用が広がるにつれて、一般的な利用も広がっていくでしょう。

エンジニア採用にChatGPTを導入するメリット

エンジニア採用にChatGPTを導入するメリットとしては、以下のように採用活動を効率化できるのに加えて、採用コストの削減や情報の整理・分析に役立つ点が挙げられます。それぞれ見ていきましょう。

採用活動の効率化・最適化に役立つ

履歴書や職務経歴書の内容の確認や、応募者への連絡などの一部にChatGPTを活用することで、高速に情報を処理できるようになり、人事部門の業務効率化を実現できます。現状において利用できる業務は限られてはいるものの、定型業務を中心として、工夫次第で作業の自動化が可能です。

特に大量のデータの抽出・分析はChatGPTの得意分野であり、人間のようなミスが少ないため、事前の設定さえ問題なければ確実に作業を進められます。

採用コストを削減できる

ChatGPTによる業務効率化により、組織全体の採用コストの削減につながります。本来であれば人事担当者が手作業でこなす業務の一部をChatGPTに任せれば、より重要な仕事に担当者の時間を割けるようになるでしょう。残業や長時間労働もせずに済む可能性があります。

とりわけ応募書類の確認や面接日程の調整などは、手間がかかる作業ですが、ChatGPTを活用することで大幅な時間の削減につながるでしょう。

情報の整理・分析ができる

スピーディーな情報の整理・分析ができるのもChatGPTの強みです。大量のデータから任意の情報を発見・分析する作業が得意なので、採用活動のさまざまな場面で応用が利くでしょう。

一度に多くの応募者の書類を処理しなければならない企業の場合も、ChatGPTの分析力を活用すれば、迅速に採用プロセスに乗せるべき人材を絞り込めます。大量の書類の処理に時間を取られがちな大企業ほど、ChatGPTの導入効果は大きいでしょう。

採用基準が明確ならば、人事担当者の主観や感情などに左右されず、客観的な判断が可能になるのもメリットです。

エンジニア採用におけるChatGPTの活用例

エンジニア採用におけるChatGPTの活用例としては、以下のように求人票やスカウトメールの作成、面接日程の調整などが挙げられます。代表的な例を見ていきましょう。

求人票のベースを作成

求人票には労働条件を明示する必要があり、業務内容や雇用契約の期間・就業場所・賃金などの情報を必ず記載しなければいけません。これらの情報は、基本的に全ての応募者に同じ内容を提示するため、ChatGPTに記載させることで、人事担当者の作業の手間を削減できます。

それに加えて、応募方法や連絡先の詳細なども記載させれば、求人票のベースをChatGPTで丸ごと作成できるでしょう。担当者はChatGPTが作成した求人票を確認し、手直しする程度で完成させられます。

スカウトメールの作成をサポート

エンジニアをスカウトする際のオファーメールの作成にも、ChatGPTが活用できます。スカウトメールは一人一人内容をアレンジするケースも多いものの、募集の背景や自社が必要としている人材の経験やスキル、仕事内容などは相手によらず同一の内容を記載することになるでしょう。

従って、ChatGPTに文章を作成させることが可能です。自社の魅力やアピールしたいポイントなども、断片的な情報を与えておけば、ChatGPTが文章化してくれます。求人票の作成同様、人事担当者が内容を確認し、多少は手直しする必要があるものの、たたき台の作成として有効です。

書類選考の効率化とスクリーニング

ChatGPTは特定の情報やキーワードを抽出できるため、応募者の履歴書や職務経歴書の内容を分析し、採用基準に合致した人材を選び出すのにも活用できます。応募者数が多く、1次選考の段階で絞り込みを掛けたい場合におすすめで、人事担当者の手間を大幅に削減できるでしょう。

また、書類審査や適性検査などの情報を確認し、合格基準に達した応募者を選び出すのにも利用できます。社員のデータをChatGPTに記憶させることで、その特性に近い応募者を抽出するといった使い方も可能です。

採用プロセスの多言語対応

ChatGPTは複数の言語に対応しているので、日本語で作成した求人票やメールなどを、英語やフランス語などに簡単に翻訳ができます。採用担当者に十分な語学能力がなくても、必要な言語に変換して書類を作成できるので、広く人材を募集できるようになるでしょう。

さらに近年は、ChatGPTを使った面接ツールも利用できるので、リアルタイムに外国人と対話する際にも役立ちます。外国人のエンジニアの採用を考えている企業は、ChatGPTを使った多言語対応も検討してみましょう。

面接日程の調整

応募者と面接日程を調整する際にも、ChatGPTを活用することで、採用担当者の手間と時間を削減できます。ChatGPTを使ってメッセージの自動応答をするチャットボットを作成すれば、自動で採用担当者のスケジュールを確認し、応募者に面接日程を提示できます。

カレンダーアプリとの連携ができるので、応募者の都合を優先しつつ、担当者が問題なく対応できる日程の調整が可能になるでしょう。日程が確定したら、応募者と担当者の双方にリマインドも可能です。

採用活動にChatGPTを導入する際の注意点 

採用活動にChatGPTを導入する際には、以下の点に注意しましょう。事前の入力情報や設定を間違えると、正しいレスポンスは得られないので、どのような情報を入力すべきか確認しておくことが大事です。

事前に入力すべき情報を整理・共有しておく

ChatGPTはプロンプトと呼ばれる命令文を入力し、文章を生成します。従って、命令文が目的に合っていなければ採用活動に役立てることはできません。事前にどのような業務にChatGPTを利用するか明確にしておき、入力すべき情報を整理・共有しておきましょう。

例えば、求人票を作成する場合は、募集要項や求めている人材の経験やスキルなど、さまざまな情報を入力することで精度の高い文章を作成できます。ChatGPTが文章を生成しやすいように、できるだけ詳細に情報を提供し、文章化してもらうことが大事です。

情報の確認と調整が必須

ChatGPTが生成した文章は必ずしも内容が正確で、正しい文章とは限りません。内容をしっかりと精査し、誤りがないかよく確認することが大切です。

また、一度の命令や質問では想定した回答が生成されないケースもあるので、繰り返し質問をして精度を上げていく必要があります。どのような業務に活用するにせよ、ChatGPTの回答はたたき台として捉えておき、最終的には人間の手で調整するようにしましょう。

エンジニア採用にChatGPTを活用してみよう

エンジニア採用でもChatGPTの活用は有効であり、採用担当者の業務負担や手間を軽減でき、効率的な採用活動が可能になります。採用コストの削減にも寄与するので、求人票やスカウトメールの作成、書類選考の効率化や自動化などに役立てましょう。ChatGPTをベースにチャットボットを作成すれば、面接日程の調整にも対応できます。

ただし、ChatGPTは入力する情報が不足していたり、誤っていたりすると、正しい文章を作成できません。事前に入力すべき情報を整理するとともに、適宜質問を重ねることで、生成される文章の精度を高めることが大事です。

生成された文章はそのまま使わず、ファクトチェックと校正を徹底した上で、求職者にとって分かりやすい文章に仕上げましょう。


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