【エンジニア採用】中小企業が作成すべき採用サイトとは?メリットや作成方法を解説

Offers HR Magazine編集部 2024年2月9日

Offers HR Magazine編集部

目次

採用サイトはエンジニア採用でも必須の媒体です。スタートアップを含む中小企業でも、採用サイトの運用には効果があります。採用サイトを作成するメリットや盛り込むべきコンテンツ、作成の流れなどを押さえておきましょう。作成のポイントも解説します。

中小企業に採用サイトは必要か?

採用サイトは業界・業種を問わず、今や採用活動に欠かせない媒体として知られています。採用サイトがなくても人材採用は可能ですが、よりニーズに合った人材を引きつけるために、前もって作成しておきましょう。

採用サイトの目的

採用サイトは求職者に自社の情報を提供し、採用に結び付けるためのWebサイトです。

求人サイトや転職エージェントなどのサービスを利用すれば、自社サイトがなくても人材の採用は可能です。しかし求人情報や具体的な募集要項はもちろん、自社の労働環境やキャリア制度・社員のインタビューなど、採用サイトはさまざまな情報を掲載できます。

求職者は採用サイトを通じて自社を知る場合も多く、求人サイトの情報を確認し、さらに応募先の情報を得るために採用サイトを調べる人も少なくありません。そこで自社の魅力をうまく伝えられれば、そのまま応募につなげられる可能性があります。

エンジニア採用における専用サイトの有効性

エンジニアの採用活動をしている中小企業にも、採用サイトの作成は効果的です。むしろ大手企業に比べて認知度の低い中小企業の場合は、自社の情報を求職者に詳細に伝え、興味を引きつける必要があります。

自社メディアである採用サイトは多彩な情報の発信が可能で、掲載する内容にも制限がありません。他の採用媒体と連携しつつ、うまく求職者の流入を増やせれば、大手企業に先駆けて優秀な人材の応募を引き出せます。

特にエンジニアは業界全体で採用ニーズが高く、人材の獲得競争が発生している状況です。数ある企業の中で自社を選んでもらうには、採用サイトによる積極的な情報の発信は必須といえるでしょう。

豊富な求人情報を発信したい企業はもちろん、社風やビジョンを求職者に伝えたい場合や、これまで求人媒体での採用がうまく行かなかった企業にも採用サイトはおすすめです。

採用サイトの作成方法

採用サイトを作成するには、自社のリソースを活用して、企画から制作・運用まで一貫して担うケースと、外部の業者に作成を依頼する方法があります。

採用サイトを内製する場合はコストを抑えた作成が可能で、社内で目的やニーズの共有ができていれば、必要なコンテンツをスムーズに盛り込めるのがメリットです。急な仕様やデザインの変更などにも対応しやすいでしょう。

一方、採用サイトの作成を外注する場合は、自社で人材を確保する必要がなくなり、より重要な活動に人事部門のリソースを割けるのがメリットです。IT業界でも、業種によってはWebサイトの作成ノウハウがない企業は多いため、自社で対応できないならば、基本的には外注が必要になります。

ただし、外注の場合は作成にコストがかかるのに加えて、業者の選定にも手間がかかります。複数の業者を比較検討して、信頼できるところに任せるようにしましょう。

中小企業が採用サイトを作成するメリット

中小企業が採用サイトを作成するメリットとしては、以下のように母集団形成に役立つのに加えて、採用後のミスマッチの発生を抑えられる点や、自社のブランディングに活用できる点などがあります。それぞれのポイントを見ていきましょう。

応募者を増やし母集団形成が可能になる

採用サイトは転職市場において、自社の存在を求職者に知らせるのに役立ち、母集団形成の一助となります。近年は求職者が応募する企業を決めるに当たり、採用サイトを確認するケースがほとんどです。そこで自社の魅力を存分に発信すれば、そのまま応募につなげられる可能性もあります。

求人サイトに掲載する情報だけでは、自社でエンジニアとして働くメリットや職場環境、キャリア制度などを十分に伝えられない場合も多いでしょう。他の媒体で伝えきれなかった情報を補完する目的においても、採用サイトは役立ちます。

また、人材採用にあまりコストをかけられない企業の場合も、採用サイトを作成しておけば、その後はコストを抑えた採用活動が可能です。

採用後のミスマッチの発生を軽減できる

採用サイトでの情報発信を通じて、採用後のミスマッチの発生を抑えられるのもメリットです。社内の様子や社員のスケジュールなどを詳細に掲載でき、経営者からのメッセージなども発信できます。求職者は入社後にどのような環境で働くのか、具体的なイメージを持てるようになるでしょう。

求職者が自分に合った環境か判断しやすいので、企業側からすれば、ニーズに合った人材の応募を引き出せるようになります。自社の価値観や方針に合う人材を採用プロセスに乗せられるため、効率的な採用活動が可能になるでしょう。採用コストの削減にもつながります。

自社のブランディングに活用できる

採用サイトは自社の認知度の向上やブランディングにも役立ちます。採用サイトを通じて自社の存在を採用市場にアピールしておけば、たとえ現段階で応募に至らない求職者がいても、将来の応募につなげられるでしょう。

さらに、採用サイトを通じて自社ブランドの強化に注力すれば、転職潜在層にも広くアピールできるようになります。ただし認知を広めるには、他のメディアと組み合わせて運用することが大事です。他社との差別化を図りつつ、さまざまなメディアで自社の情報を積極的に発信しましょう。

なお、人材採用におけるブランディングの重要性や成功のポイントなどは、以下の記事で詳しく解説しています。こちらを参考にしてみましょう。

採用ブランディングとは?エンジニア採用における重要性や成功のポイント | Offers HR Magazine

採用サイトに盛り込むべきコンテンツ

採用サイトに掲載するコンテンツは、企業が自由に決められるのはもちろん、近年は動画を掲載して求職者にアピールするところも多くあります。盛り込むべきコンテンツに制限はありませんが、以下の内容は優先的に掲載するようにしましょう。

会社概要や事業の紹介

自社の基本的な情報と事業の内容は、採用サイトにも載せておきましょう。社名や所在地・資本金・代表者の氏名・設立日・社員数などの情報を掲載します。

さらに、具体的にどのような事業を営んでいるのか、業界に詳しくない求職者にも分かるように記載することが大事です。事業内容も求職者の興味を引くポイントでもあるため、公式サイトよりも詳しく説明するようにしましょう。

企業文化や風土・価値観など

自社の企業文化や、大切にしている価値観・ビジョンなども分かりやすく記載します。求職者が自分に合う環境か判断するための要素として、企業文化も重要です。自社の成り立ちや歴史についても触れながら、具体的に説明するようにしましょう。

多くの企業では、代表者のメッセージの中で企業文化やビジョンに触れているので、代表者に記載する内容を任せるのも有効です。後述する社員紹介の一環として、社内のエンジニアに自社の労働環境とともに、大切にしている文化や考え方などを説明してもらいましょう。

社員の紹介

どのような社員が働いているのか、分かりやすく伝えることも重要です。実際に働いている社員を詳しく紹介することで、求職者は入社後のイメージを持ちやすくなり、職場になじめるか判断できるようになります。自分の価値観に合った社員が働いていることが分かれば、応募もしやすくなるでしょう。

社員の紹介をする際には、採用ニーズに近い社員を選んでインタビューをするのが効果的です。入社の経緯や仕事の内容、これからのキャリアに関してなど、求職者が興味を持つ情報を語ってもらうのがおすすめです。

具体的な仕事内容や仕事の流れ

求職者が入社後に担当する仕事内容や、1日の仕事の流れなども掲載しましょう。自分の理想とするワークスタイルを実現できると分かれば、求職者は本格的に応募を検討するようになります。

ただし、職種ごとに仕事の流れは大きく変わってくるので、複数の職種を募集している場合は、それぞれの職種について分かりやすく説明することが大事です。

エンジニアを採用する場合は、社内の代表的なエンジニアの仕事内容や、1日の流れなどを具体的に紹介しましょう。上記のように社員のインタビューという形で、仕事の内容や流れを紹介してもらうようにすれば、より求職者を引きつけられます。

募集要項と選考フロー

応募の条件や入社後の給与・福利厚生・業務内容といった情報も、採用サイトに必ず記載すべき項目です。複数の職種を募集する場合は、職種ごとにページを作成する必要があります。求人サイトに掲載している内容よりも分かりやすく説明しましょう。

また、選考の流れも具体的に説明しておけば、応募者も内定に至るまでのプロセスをイメージでき、スケジュールを立てやすくなります。面接の回数や適性検査の有無、内定までの日数などを記載しておきましょう。

顧客や取引先のインタビューの掲載も有効

採用サイトのコンテンツとして必須ではないものの、顧客や取引先のインタビューを掲載するのも効果的です。他社からの印象や魅力を語ってもらうことで、内容に説得力を持たせられるのに加えて、自社がどのように周囲に貢献しているかアピールできます。

エンジニア採用の場合は、開発プロジェクトで関わった企業の担当者の声などを掲載すれば、求職者のエンジニアに興味を持ってもらえるでしょう。

採用サイトの作成ステップ

採用サイトを内製する際の流れも押さえておきましょう。以下のように、まずは採用すべき人材を明らかにした上で、掲載するコンテンツを具体的に検討する必要があります。

採用すべき人材のペルソナを明確にする

採用サイトに掲載するコンテンツにルールや制約はありませんが、ニーズに合った人材を引きつけて、応募につなげるためには、まずペルソナを設定しましょう。

ペルソナとは採用すべき人物像を具体化したもので、エンジニアの採用でも有効なアプローチです。ペルソナを明らかにすれば、掲載すべきコンテンツが明らかになります。

エンジニア採用におけるペルソナの設計方法に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。こちらを参考にしてみましょう。

エンジニアの採用における適切なペルソナ設計方法を解説。手順や注意点、採用成功のポイント | Offers HR Magazine

掲載するコンテンツを検討する

設定したペルソナの情報をベースに、採用サイトに盛り込むべきコンテンツを検討します。上記のように会社概要と事業の紹介、具体的な仕事内容や募集要項などは、ペルソナの性質を問わず必ず掲載するようにしましょう。

さらに、代表者や社員の声も紹介することで、求職者の興味を引きつけられます。エンジニアの採用では、現場のエンジニアのインタビューなども掲載するとよいでしょう。文字情報だけではなく、画像や動画を用いて説明を加えることで、より説得力を持たせられます。

サイトの構造・デザインを決めて制作する

掲載すべきコンテンツが決定したら、Webサイトの構造やデザインを決めて制作に入ります。完全にWebサイトを内製する場合は、社内のデザイナーやクリエイターに必要なコンテンツを説明し、レイアウトや配置を決めてもらいましょう。レイアウトが決まったら、本格的にWebサイトの制作に入ります。

一方、採用サイトの作成を外注する場合でも、盛り込みたいコンテンツを決めておけば、スムーズに話を進められます。どのようなイメージのWebサイトにしたいのか、具体的な運用方法も含めて、外注先の担当者に伝えることが大事です。

サイトの運用と改善を繰り返す

採用サイトが完成したら、実際に運用して効果を確かめてみましょう。分析ツールを活用しつつ、Webサイトへの流入の状況や訪問者の滞在時間、応募につながった数や離脱率などを把握する必要があります。

運用の成果を数字で確認するとともに、改善点を洗い出しましょう。他のメディアとの連携も強化しながら、運用と分析・改善と実行のサイクルを繰り返すことが重要です。

採用サイトを作成する際のポイント

採用サイトを作成・運用する際には、以下のポイントを意識することが重要です。事前調査を徹底して、求職者の求める情報を明らかにするとともに、写真や動画などのリッチコンテンツも積極的に活用しましょう。

求職者が求める情報を掲載する

本格的に採用サイトの作成に入る前に、採用ニーズに合った求職者がどのような情報を求めているか、なるべく詳細に調査することが大事です。たとえ情報量が多い採用サイトでも、求職者が求める情報がほとんど掲載されていなければ、なかなか応募にはつながらないでしょう。

求職者の動向や採用市場のトレンドなどを調査した上で、求職者が知りたい情報をコンテンツに盛り込まなければいけません。他社がどのような情報を採用サイトで発信しているかも調べておき、ある程度は差別化も意識する必要があるでしょう。

写真やグラフ・動画などを活用する

企業としての実績や社内の様子などはグラフやイラストなどで分かりやすく説明しましょう。テキストや数字だけでは伝えるのが難しい情報は、整理・分析した上で、いわゆるインフォグラフィックスとして発信すると効果的です。

例えば、企業として達成してきた実績をはじめ、社員の労働時間や福利厚生など、特にアピールしたい部分はグラフを使って説明するとよいでしょう。企業の代表者や社員のインタビューなどは、テキストで掲載するのに加えて、動画を撮影して実際に見てもらうのがおすすめです。

定期的な更新と見直しが必要

上記のように、採用サイトを作成したら効果を測定し、改善を重ねる必要があります。初めから完璧な運用はまず不可能なので、効果を確かめながら改善を繰り返し、徐々に最適化することが大事です。

求職者のニーズや価値観などは常に変化しているので、採用サイトの構造やコンテンツはもちろん、運用の仕方も適宜アップデートしなければいけません。定期的に求職者や競合他社の状況などを調査し、採用サイトに反映させるようにしましょう。

採用サイトの効果を高めるために

採用サイトは優秀な人材の獲得に欠かせない媒体ですが、知名度の低い中小企業の場合、単体での運用では効果が期待できないケースもあります。たとえ魅力的なコンテンツを掲載した採用サイトでも、市場から認知されなければ、流入は見込めません。

そこで、基本的には求人サイトの情報掲載ページやSNSなど、他の採用媒体と組み合わせて運用することが重要です。さまざまな媒体で採用サイトを宣伝し、多くの求職者を集める工夫が求められます。

エンジニアの採用に有効な媒体と運用方法に関しては、以下の記事で解説しているので、こちらも併せて参考にしてみましょう。

エンジニアの採用チャネルの選び方。主な種類とそれぞれの特徴を解説 | Offers HR Magazine

質の高い採用サイトを作成しよう

採用サイトは中小企業のエンジニア採用でも有効で、母集団形成やブランディングなどに活用できます。うまく運用できれば、採用ニーズに合った人材を引きつけられるので、採用コストの削減やミスマッチの防止にもつながるでしょう。

ただし有名企業でもない限り、採用サイト単体での運用では、なかなか流入が見込めないのが実態です。求人サイトのページから誘導したり、SNSなどで宣伝したりして、採用サイトの存在を広くアピールする必要があります。複数の媒体を組み合わせながら、うまく導線を設計しましょう。


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