中途採用(経験者採用)のエンジニアが早期離職する原因は一つだけではありません。個人の問題として軽視せずに、企業側ができることを考えましょう。人事評価制度の見直しやオンボーディングの実施など、エンジニアの定着率を上げる施策を解説します。
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中途採用(経験者採用)の離職率は?

(出典)https://unsplash.com/
実務経験が豊富な人材は、企業にとっての即戦力です。エンジニアの採用難が続く中、優秀な人材を他社に流出させたくないのが人事担当者の本音でしょう。IT業界において、人材の離職率はどのくらいなのでしょうか?
IT(情報通信)業界の離職率
厚生労働省の雇用動向調査結果の概況によると、2022年上半期における「情報通信業」の離職率は、6.4%です。入職率は7.9%であり、入職者数が離職者数を上回る結果となりました。
宿泊業・飲食サービス業(15.0%)や教育・学習支援業(12.2%)、他に分類されないサービス業(11.1%)と比べると、情報通信業の離職率はそれほど高くはありません。
一方で、中小企業庁の資料では、採用後3年間における中途採用の離職率は約3割に達しています。産業別のデータではありませんが、エンジニアが属する情報通信業も例外ではないといえます。
第2部 中小企業・小規模事業者のさらなる飛躍 2 人材の定着|中小企業庁
入社後1年以内に離職するエンジニアもいる
情報通信業の離職率は低い方といえるものの、実際は入社後1年以内に離職するエンジニアも珍しくありません。
新卒採用は人材育成を前提としたポテンシャル採用が中心ですが、中途採用では即戦力が重視されます。前職で十分な経験を培った「今欲しい人材」であるケースが多いため、離職が生じると人員の穴埋めが難しいのが現実です。
社員がやめると、企業は再び採用活動をしなければならず、多くの時間・労力・コストが費やされます。エンジニア採用のハードルは年々高くなっており、自社が求める人材をタイミング良く採用できるとは限りません。
中途採用のエンジニアがすぐやめる原因

(出典)https://unsplash.com/
近年は社会のデジタル化やDXで、エンジニアが果たす役割が大きくなっています。優秀なエンジニアの離職は企業に大きな打撃を与えるため、辞める原因を特定し、適切な対策を講じる必要があります。
想定していた仕事内容と違った
転職先の仕事内容が自分の想定と大きくかけ離れていれば、労働意欲が低下します。以下のようなケースでは、エンジニアの不平・不満が募り、最終的には離職につながる可能性が高いでしょう。
- 求人広告に記載された内容と実務が異なっている
- 能力に応じた仕事を割り振っていない
- 希望する業務をヒアリングしない
多くのエンジニアは、仕事にやりがいや自己成長を求めます。仕事内容に引かれて応募したのにもかかわらず、約束通りのポジションや仕事に就けなければ、その企業に長くとどまる必要性はないと判断するでしょう。
給与や福利厚生に不満がある
待遇面の不満が募り、早期離職をするエンジニアもいます。給与や福利厚生については、入社前の段階で双方の合意がなされているのが通常ですが、実際の仕事に給与が見合っていなかったり、長時間労働が常態化していたりする職場では、エンジニアに転職を考えるきっかけを与えてしまうでしょう。
特に、年功序列制度を採用する企業の場合、実際の働きや市場価値に見合った評価がされにくい傾向があります。エンジニアの採用市場は売り手優勢なので、より良い給与・福利厚生を提供してくれる企業に転職する可能性が高いでしょう。
職場の雰囲気や企業風土などが合わない
職場の雰囲気や企業風土に適合できず、やむなく離職を選択するエンジニアは少なくありません。とりわけ社会経験が長い中途採用の人材は、前職のやり方や企業風土が身に染み付いています。新卒者に比べると、新たな環境になじみにくく、自分が「よそ者」に感じてしまうこともあるようです。
また、エンジニアはチームワークが必要な職種のため、他のメンバーや上司とのコミュニケーションがうまくいかないと、大きなストレスを抱えます。求人広告の募集内容から、職場の雰囲気や企業風土、一緒に働くメンバーとの相性までを読み取るのは容易ではありません。
入社後に十分なフォローが得られない
「即戦力として採用したのだから、できて当たり前」「放っておいてもなんとかなるだろう」というメンバーの態度が、中途採用の人材を離職に追い込んでいることに気付く必要があります。
仕事の進め方や良しとされるスタンスは企業ごとに異なります。中途採用は即戦力ではありますが、入社後のフォローやオンボーディングなしに、十分な能力を発揮するのは困難です。お手並み拝見とばかりに放置すれば、能力が発揮できないばかりか、疎外感を覚えるでしょう。
その企業に対する印象は、入社後数カ月以内で決まるといわれています。1日でも早くチームになじんでもらえるように、受け入れ体制を整える必要があります。
望むキャリアが実現できない
エンジニアが職場に求めるのは、待遇の良さだけではありません。「自分が望むキャリアが実現できるかどうか」も判断材料の一つです。
IT業界は技術革新のスピードが速いため、常に新たなスキルをキャッチアップしなければなりません。仕事の中で新たなスキルが獲得できなかったり、自己成長の機会が少なかったりすれば、自分のキャリア形成にプラスにならないと判断するでしょう。
エンジニアにとって、キャリアアップ・スキルアップを目的とした転職は当たり前です。優秀な人材は多くの企業に高待遇で迎えられるため、ちゅうちょなく離職を選択するといえます。

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