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人事評価シートの書き方|目標欄と自己評価の記入例

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人事評価シートは、期首に本人が目標を書き、期末に本人が自己評価を、上長が評価と所見を書き込む書類です。どの欄も、書いた人がいない場で第三者が読み、成否と評価の理由を判定できるかどうかで出来が決まる。

目標欄は「何を・いつまでに・どの水準まで・どのように」を期末に判定できる形にそろえる。自己評価欄は到達点と自分が果たした役割を事実で書き、上長の所見欄は評語を決めた理由を期中に把握した事実で書く。欄ごとの役割を押さえれば、職種が違っても同じ手順で書けます。

Offers HR Magazine編集部監修者

株式会社overflow / 編集担当

Offers HR Magazine編集部

Offers HR Magazine 編集部は、株式会社overflow が運営する採用メディアの編集チームです。エンジニア採用に取り組む人事・採用担当者に向けて、採用手法・人事制度・組織づくりの情報を届けています。

人事評価シートの記入欄と書く人・時期

人事評価シート(目標管理シート)の記入欄は、期首に本人が書く目標欄、期末に本人が書く自己評価欄、期末に上長が書く評価・所見欄の3層に分かれます。

国家公務員の人事評価記録書も同じ組み立てです。内閣人事局の人事評価記録書記載要領では、業績評価の記録書が「目標」「目標以外の業務への取組状況等」「全体評語等」の3区分で、「目標」と「目標以外の業務への取組状況等」には被評価者の自己申告欄と評価者の所見欄が並び、3つ目の区分は評価者と調整者が書く欄です。

記入欄

書く人

時期

書く中身

目標(業務内容・目標・困難度・重要度)

本人

期首に書き、面談を経て確定

何を・いつまでに・どの水準まで・どのように、果たす役割や貢献

目標以外の業務

本人

期末(期首に書いてもよい)

突発事項への対応、ルーティン業務の改善、同僚へのサポート、研修への取組

自己申告(自己評価)

本人

期末

目標の達成度合い、プロセスで特に取り組んだこと、自分に起因しない事情

所見・評語

上長(評価者)

期末

評語の決定理由、根拠となる事実、強み・改善点・育成に関する意見

出所:内閣人事局『人事評価記録書記載要領』、内閣人事局・人事院『人事評価ガイド《被評価者の手続編》』2022.06 ver. をもとに編集部作成

評価項目の種類や処遇への反映といった制度の全体像は、人事評価とは?分布データで読む制度設計の要点で扱っている。

目標欄は期末に成否を判定できる形で書く

目標欄は、何を・いつまでに・どの水準まで・どのように(方法・手段)の4つを、期末に成否を判定しやすい形で書く欄です。内閣人事局の記載要領は、チームや組織が成果を挙げるうえで職位に応じて果たす役割や貢献も書き添えるよう求めています。

判定できるかどうかは、期末に上長と本人が同じ結論に達するかで確かめられる。「業務効率化に取り組む」は、何がどこまで進めば達成なのかを2人が別々に解釈できてしまう書き方です。

「月次の請求書発行を、9月末までに締め日から3営業日以内に終える体制にする。発行手順を文書化し、2人目の担当者に引き継ぐ」と書けば、期末には3営業日以内に終わったかを見れば足ります。

判定しにくい書き方

判定できる書き方

足した要素

新規顧客を増やす

今期末までに、新規の商談数を前期の1.2倍にする。既存顧客への定例訪問で紹介を依頼する

いつまでに・どの水準まで・どのように

品質を高める

12月末までに、リリース後1週間以内に見つかる不具合を前期の半数以下にする。レビューの観点表を作り、該当する変更すべてに使う

何を・どの水準まで・どのように

チームに貢献する

9月末までに、新しく加わった2名が単独で問い合わせに対応できる状態にする。対応手順書を作り、週1回の振り返りを持つ

何を・どの水準まで・役割や貢献

記入例は編集部作成

数値を置けない仕事もある。抽象的な書き方しかできない場合は、その期の重要事項や留意事項など、何を見て評価するかのポイントを明確にしておく、というのが記載要領の扱いです。数値の代わりに「何が出来上がっていれば達成か」を成果物の形で書くと、期末の判定材料になります。

国の事例集にも、事務の仕事を判定できる形にした記載例がある。人事評価ガイド《被評価者の手続編》の目標設定事例集では、申請の審査業務について、受付から一定の月数以内に処理する割合を90%以上にすることを目指し、業務処理要領の修正に当たって、昨年度の対応実績を踏まえ、プロセスを効率化できる作業を提案する、という例が載っています。処理の割合と期限を置けば、定型業務でも期末に成否を判定できる。

目標を置くこと自体の効果と限界や、記載要素が国の仕様に入った背景は、目標設定の効果と限界で整理しています。

困難度と重要度の欄の付け方

困難度と重要度は、目標ごとに付ける欄です。国の記録書では全ての目標に3段階(◎・△・-)で付け、重要度は職務上に占めるウェイト(重み)の高い低いで決めます。

被評価者の手続編は、重要度を業務内容が本人にとって大事かどうかで付けるものではないとし、全ての目標に◎が付くものではないと明記している。期末の全体評価で重みとして働く欄なので、優先順位をつけるつもりで付けます。

困難度の◎は、その職位の通常の目標と比べて困難度が高い目標(チャレンジ目標)で、原則1つ以上置く。記載要領は、チャレンジ目標を未達成であることのみをもって低い評価とせず、達成状況や貢献の水準を勘案するとしています。

民間の様式でウェイトを割合で配分する場合も、考え方は同じです。最も重い目標に最大の配分を置いておくと、期末に全体の評価を付けるときの重み付けがそのまま決まる。

SMARTとOKRを記入欄に落とす対応表

フレームワークは、目標欄のどの列を埋める道具かで対応させると記入に使えます。SMART(Specific・Measurable・Achievable・Relevant・Time-bound の頭文字)の5要素は、目標欄の各列にほぼ1対1で対応する。OKR(Objectives and Key Results)は、Objective を目標の列に、複数の Key Results を達成基準の列に並べる形で落とせます。

SMART の要素

落とす記入欄

書いた後の点検

Specific(具体的)

目標(何を)

対象の業務や成果物が名詞で特定されているか

Measurable(測定可能)

達成基準(どの水準まで)

期末に数値か成果物の有無で判定できるか

Achievable(達成可能)

困難度

職位の通常の水準か、チャレンジ目標かを区別したか

Relevant(関連性)

役割・貢献

部門やチームの目標のどこにつながるかを書いたか

Time-bound(期限)

いつまでに

期末だけでなく途中の区切りも置いたか

OKR を使う会社では、Objective を目標の列に1行で書き、その達成を測る Key Results を達成基準の列に箇条で並べる。期末の自己評価欄には、Key Results ごとの到達度と、届かなかったものの理由を書きます。

OKR の到達度をそのまま評語に換算するかどうかは、制度の設計で決まる事柄です。様式の側では、到達度を書く列と評語の列を分けておくと、どちらの運用にも対応できます。

MBO(Management by Objectives・目標管理制度)の様式に、目標・達成基準・ウェイト・期末の自己評価・上長評価の列があれば、上の対応表をそのまま当てはめられる。KPI(重要業績評価指標)を目標欄に書くときの設計の注意は、KPI人事評価の定義と設計手順にまとめました。

評価シートの様式づくりと並行して、採用や組織づくりの実務資料を探している場合は、Offers のお役立ち資料から必要なものを選べます。

職種別の目標欄の記入例

職種が変わると、目標欄のうち書きにくい列が変わる。成果が数値で出る営業やカスタマーサクセスは「どの水準まで」が書きやすく、「どのように」が薄くなりやすい。経理や人事労務のように成果が手続きの正確さに出る職種は、水準を処理日数や修正件数に置き換えると判定できる形になります。

職種

何を・どの水準まで・いつまでに

どのように

役割・貢献

困難度/重要度

営業(法人)

今期末までに、新規の受注件数を前期の1.2倍にする

既存顧客への定例訪問で紹介を依頼する

来期の新規売上の基盤をつくる

-/◎

エンジニア

12月末までに、決済機能のリリース後1週間以内に見つかる不具合を前期の半数以下にする

レビューの観点表を作り、該当する変更すべてに使う

チーム全体の手戻りを減らす

◎/◎

カスタマーサクセス

9月末までに、導入3か月以内の顧客の利用定着率を前期より上げる

導入初月の操作説明会を標準の手順にする

解約を抑え継続売上を支える

-/◎

マーケティング

今期末までに、セミナー経由の商談化数を月次で計測できる状態にする

申込フォームと顧客管理の項目をそろえる

営業部門と共通の指標を持つ

◎/-

経理

9月末までに、月次決算を締め日から5営業日以内に終える

仕訳の確認手順を文書化し、2人目の担当者に引き継ぐ

経営会議への数値の提出を早める

-/◎

人事労務

3月末までに、勤怠データの修正依頼を月10件以下にする

打刻漏れの通知を週次で各部門に送る

給与計算の締めの遅れを防ぐ

-/△

管理職

期末までに、属人化していた担当業務を1つ部下に移す

隔週の1on1で進捗と障害を確認する

チームの対応力を上げる

◎/◎

記入例は編集部作成

表の1行を文章に直すと、目標欄に書く形になります。経理の例なら「月次決算を、9月末までに締め日から5営業日以内に終える。仕訳の確認手順を文書化して2人目の担当者に引き継ぎ、経営会議への数値の提出を早める」です。

エンジニアの目標は成果物と品質の指標を組にする

エンジニアの目標欄は、機能のリリースのような成果物と、不具合の件数や応答時間のような品質の指標を組にして書くと判定できます。リリース日だけを置くと、期中に仕様が変わったときに目標そのものが意味を失いやすいためです。

国の被評価者の手続編も、評価期間中に業務の変更があった場合は目標の変更・追加ができるとしている。仕様変更があったら、変更した事実と日付を目標欄の横に残しておくと、期末の自己評価で経緯の説明に紙幅を割かずに済みます。

管理職は部下の育成を目標欄に書く

管理職の目標欄には、担当業務の成果に加えて、部下の育成や業務の割り振りといったマネジメントの目標を1つ以上置きます。国の手続編は、課室長級以上の管理・監督職員に、業務運営や組織統率・人材育成に関するマネジメント目標を1つ以上設定するよう求めている。

同じ手続編の目標設定事例集には、部下職員との1on1ミーティングを2週間ごとに行い、必要なフォローやフィードバックを行う、という設定例が載っています。育成を目標欄に書いておかないと、期末に振り返る材料が残らない。

期末の自己評価欄に書く3つの内容

自己評価欄に書くのは、目標の達成度合い(どこまでできたか・どのような役割を果たしたか)、目標に向けたプロセスで特に取り組んだこと、自分に起因しない事情で未達になった場合のその事実、の3つです。内閣人事局・人事院の『人事評価ガイド《被評価者の手続編》』(2022.06 ver.)が、期末の自己申告に書く内容としてこの3つを挙げています。

同ガイドは、自己申告を評価者に評価に必要な情報を提供するためのものと位置づけている。上長は期中の仕事をすべて見ているわけではないので、自己評価欄は上長が見ていなかった事実を渡す場所になる。形容詞で自分を評するより、数値・成果物・日付で到達点を書くほうが、そのまま評価の根拠として使われます。

状況

書く順番

記入例

達成

到達した水準、工夫した手段、次期に残る課題

月次決算を9月に締め日から4営業日で終えた。仕訳の確認手順を文書化し、8月からは2人目の担当者が単独で確認できている。来期は経費精算の確認に同じ方法を広げる

一部未達

どこまで進んだか、自分が担った部分、届かなかった理由と次の手

不具合は前期の6割まで減ったが、半数以下には届かなかった。観点表の作成と運用を担当した。残った不具合の多くは外部連携の箇所で、来期は結合テストの観点を追加する

自分に起因しない未達

事実、目標への影響、その中で取った対応

連携先のシステム移行が延期され、連携機能のリリースは期内に行えなかった。延期の判明後は、先行して内部の画面と試験環境を整えた

記入例は編集部作成

同ガイドの記載例も、未達の目標を書く形になっています。研修の実施が期内に至らなかった例で、研修計画を立案して関係者の了解を得て、実施に向けた業者の調達などの準備まで進めたことと、プログラムの設計を担当して過去の研修業務の知見を活かしたことを書いている。

目標以外の業務も自己評価欄に書く

目標に書かなかった仕事も、自己評価の材料になります。同ガイドは、突発事項への対応、ルーティン業務での業務効率化などの特記事項、育児短時間勤務や育児休業・介護休暇を取得する同僚へのサポート、業務上の研修への取組を、記載事項の例に挙げている。

期中に担当が増えたのに目標を直していない場合も、ここに書いておけば評価から漏れずに済む。

能力や行動の項目は場面を添えて振り返る

業績ではなく能力や行動を見る評価項目では、自己評価を評語や点数だけで終わらせず、行動が表れた場面を添えます。同ガイドは、各評価項目に関係する具体的な業務や場面を思い出し、その項目の行動を安定的にとれたかの観点から振り返って書くよう求めている。

本人と上司の見方がずれるのは珍しいことではない。厚生労働省は職業能力評価シートについて、本人と上司がそれぞれチェックすると両者の間に認識の違いが生じる場合があり、その違いを面談で本人へ伝えることが成長へ向けた行動改善のきっかけになると説明しています。自己評価と上長評価のずれは、面談で扱う材料です。

上長評価と所見欄の書き方

上長の所見欄は、付けた評語の理由を、期中に把握した具体的な事実に基づいて書く欄です。内閣人事局の記載要領は、業績評価の所見欄に評価の根拠や特記すべき事項等を書くとし、目標以外の業務についても、自己申告欄に記載がなくても評価すべきものは所見に書くとしています。

理由の説明は、評価への不満と結びつきやすい項目です。人事院が令和6年1月の人事行政諮問会議に出した事務局説明資料によると、人事評価を主な相談内容とする令和2〜4年度の苦情相談102事案(複数の区分にまたがる苦情は重複計上)のうち、「人事評価が低い」が56、「評価結果の開示・理由説明等への不満」が36でした。評語が低いことと並んで、理由の示し方そのものが不満の対象になっている。

所見に書く要素

書く中身

記載要領での位置

評語の理由

全体評語を付けた補足説明(評語の決定理由)

全体評語等の所見

根拠の事実

期中に把握した具体的な事実。自己申告に無い仕事も含む

目標と目標以外の業務の所見

勘案した事情

組織への貢献、創意工夫、本人に起因しない事由

各目標の評価で勘案する事項

強み・改善点・育成

秀でている点、改善点、中長期的な育成の意見

能力評価の所見

出所:内閣人事局『人事評価記録書記載要領』をもとに編集部作成

全体の評語は、目標ごとの評価を単純に平均したものではない。記載要領は、重要度が高い個別評語を重視して全体評語を付けるなど、目標の重要度を踏まえるとしています。期首に付けた重要度の◎は、期末の所見でどの目標を重く見たかを説明する根拠になります。

強み・改善点の欄について、記載要領は観点の例として、情報の収集・整理、課題の把握・分析、関係者との関係構築、確実な業務遂行、独創的な企画力、専門的スキルや知見を挙げている。面談での指導や助言に使うための欄なので、観点を1つ選び、それが表れた場面を1つ添えると、本人が次期に何を続け何を変えるかを読み取れます。

所見を組み立てる順番は、次の型に当てはめると漏れが出にくい。

(評語)とした。
(目標)は(到達した水準)まで達し、(期中に把握した事実)。
(本人に起因しない事情や、組織への貢献で勘案したこと)。
次期は(観点)について(期待する行動)を求める。

職種ごとの評価コメントの文例は、人事評価コメントの書き方に載せています。

提出前に見直す記入欄ごとの点検項目

提出前の点検は、目標欄・自己評価欄・所見欄のそれぞれについて、第三者が読んで判定できるかを1項目ずつ確かめる作業です。

目標欄

  • 何を・いつまでに・どの水準まで・どのようにの4つがそろっている
  • 職位に応じた役割や貢献が書かれている
  • 困難度と重要度がすべての目標に付き、重要度の◎が全部の目標に付いていない
  • チャレンジ目標が1つ以上ある(管理職はマネジメント目標も1つ以上)

自己評価欄

  • 到達点が数値か成果物で書かれている
  • 自分が担った部分と果たした役割が書かれている
  • 未達の目標に、理由と次の手が書かれている
  • 目標以外の業務や期中に増えた担当が漏れていない

所見欄

  • 評語の理由が書かれている
  • 根拠が期中に把握した事実になっている
  • 本人に起因しない事情を勘案したかどうかが読み取れる
  • 強み・改善点が観点と場面で書かれている

国の被評価者の手続編には、目標設定のチェックリストも載っています。自社の様式に合わせて項目を足し引きすれば、評価者研修や期首面談の資料に転用できる。

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