コンピテンシー採用とは?具体的な面接手法と評価方法を解説

Offers HR Magazine編集部 2024年8月11日

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こんにちは。エンジニア、PM、デザイナーの副業・転職採用サービス「Offers(オファーズ)」のOffers HR Magazine編集部です。この記事では、近年注目を集めている「コンピテンシー採用」について、その定義からメリット・デメリット、具体的な導入手順まで、詳しく解説していきます。採用担当者の方々にとって、優秀な人材を獲得するための重要な指針となるでしょう。ぜひ最後までお読みいただき、今後の採用活動にお役立てください。

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コンピテンシー採用とは

コンピテンシー採用とは、一体どのような採用手法なのでしょうか。従来のスキルや経験に基づいた採用とは異なり、コンピテンシー採用は、候補者が持つ行動特性や潜在能力を重視します。

これからの時代、変化の激しいビジネス環境に対応できる人材を採用するためには、過去の経験だけでなく、未来へのポテンシャルを見極めることが重要です。この章では、コンピテンシーの基本的な意味から、採用における定義、そしてその歴史と背景まで、丁寧に紐解いていきます。

コンピテンシーの基本的な意味

コンピテンシーとは、高い成果を上げるために必要な行動特性や能力のことを指します。知識やスキルとは異なり、コンピテンシーは、具体的な行動として観察できる点が特徴です。

例えば、「問題解決能力」というコンピテンシーであれば、「困難な状況に直面した際に、どのように行動し、どのような結果を出したのか」といった具体的な行動を通して評価されます。

区分

知識・スキル

コンピテンシー

定義

特定の分野に関する知識や技術

高い成果を上げるために必要な行動特性や能力

観察

直接観察することが難しい

具体的な行動として観察可能

測定

テストや資格などで測定可能

行動事例を通して評価

コンピテンシーを理解することで、単なる知識やスキルだけでなく、その人がどのように行動し、どのような成果を生み出すのか、といったより深い部分を見極めることができるようになります。

コンピテンシー採用の定義と目的

コンピテンシー採用とは、上記で説明したコンピテンシーを評価軸として行う採用手法のことです。従来の採用手法では、過去の経験やスキルを重視する傾向がありましたが、コンピテンシー採用では、候補者が将来、どのような成果を上げることができるのか、その潜在能力を見極めることに重点を置きます。

従来の採用

コンピテンシー採用

重視する点

過去の経験、スキル

評価方法

職務経歴書、面接での経験談

目的

即戦力となる人材の確保

コンピテンシー採用の目的は、企業のビジョンや戦略に合致し、将来的な成長に貢献できる人材を採用することです。変化の激しい現代において、過去の経験だけに頼るのではなく、未来を見据えた採用を行うことが、企業の持続的な成長には不可欠と言えるでしょう。

コンピテンシー採用の歴史と背景

コンピテンシーという概念が生まれたのは、1970年代のアメリカです。ハーバード大学のデビッド・マクレランド教授が、外交官の能力を研究する中で、高い成果を上げる外交官には共通の行動特性があることを発見しました。これがコンピテンシー研究の始まりとされています。

その後、コンピテンシーは、企業の人材育成や評価にも活用されるようになり、1990年代には、日本でもコンピテンシーに基づいた採用手法が導入され始めました。

近年では、グローバル化や技術革新の進展に伴い、企業は、変化に対応できる柔軟性や問題解決能力を持った人材を求めるようになっており、コンピテンシー採用の重要性はますます高まっています。

時代の変化とともに、求められる人材像も変化しています。コンピテンシー採用は、単なる流行ではなく、これからの時代を生き抜くために必要な、重要な採用戦略と言えるでしょう。

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コンピテンシー採用のメリットとデメリット

コンピテンシー採用は、多くの企業で導入が進んでいる一方で、メリットだけでなくデメリットも存在します。この章では、コンピテンシー採用のメリットとデメリットを具体的に挙げ、その上で、どのようにバランスを取っていくべきかについて考えていきます。

導入を検討する際には、自社の状況や課題に合わせて、メリットとデメリットをしっかりと理解することが重要です。

コンピテンシー採用のメリット

コンピテンシー採用には、企業にとって様々なメリットがあります。中でも特に重要なメリットとして、以下の3つが挙げられます。

  1. ミスマッチの軽減: 過去の経験やスキルだけでなく、行動特性や潜在能力を重視することで、企業文化や仕事内容とのミスマッチを減らすことができます。
  2. 潜在能力の高い人材の獲得: 経験が浅くても、高いポテンシャルを持つ人材を発掘することができます。
  3. 育成の効率化: 各社員の強みや弱みを把握することで、より効果的な研修や育成プログラムを設計することができます。

メリット

説明

ミスマッチの軽減

企業文化や仕事内容とのミスマッチを防ぎ、早期離職のリスクを低減

潜在能力の高い人材の獲得

経験が浅くても、将来的な活躍が期待できる人材を採用

育成の効率化

個別最適化された育成プログラムで、社員の成長を促進

これらのメリットは、企業の成長と発展に大きく貢献する可能性を秘めています。

コンピテンシー採用のデメリット

一方で、コンピテンシー採用には、以下のようなデメリットも存在します。

  1. 導入コスト: コンピテンシーモデルの作成や評価基準の設定など、導入には一定のコストと時間がかかります。
  2. 評価の難しさ: 行動特性を客観的に評価するためには、適切な評価基準と訓練された面接官が必要です。
  3. 運用体制の構築: 採用プロセス全体を見直し、コンピテンシー採用に対応した運用体制を構築する必要があります。

デメリット

説明

導入コスト

導入のための準備や研修に費用と時間がかかる

評価の難しさ

行動特性を正確に評価するには、経験とスキルが必要

運用体制の構築

既存の採用プロセスとの整合性を図り、運用体制を整備する必要がある

これらのデメリットを克服するためには、事前の準備と計画的な導入が重要です。

メリットとデメリットのバランスを取る方法

コンピテンシー採用を成功させるためには、メリットとデメリットを理解した上で、自社の状況に合わせてバランスを取ることが重要です。例えば、導入コストを抑えたい場合は、既存の評価制度を参考にコンピテンシーモデルを作成したり、外部のコンサルタントを活用したりするのも有効な手段です。

また、評価の難しさを克服するためには、面接官向けの研修を実施したり、評価基準を明確化したりする必要があります。さらに、運用体制の構築においては、人事部門だけでなく、現場のマネージャーも巻き込み、全社的な理解と協力を得ることが重要です。

コンピテンシー採用は、決して万能な採用手法ではありません。しかし、メリットとデメリットを理解し、適切に運用することで、企業にとって大きな効果をもたらす可能性を秘めています。

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コンピテンシーモデルの作成方法

コンピテンシー採用を効果的に行うためには、自社にとって必要なコンピテンシーを明確化し、それを基に「コンピテンシーモデル」を作成することが重要です。この章では、コンピテンシーモデルの作成方法について、具体的なステップを踏まえながら解説していきます。

採用したい人物像の明確化

まず、どのような人物を採用したいのか、具体的なイメージを持つことが重要です。企業のビジョンや戦略、そして各部署の役割や目標を踏まえ、求める人物像を明確に定義しましょう。

例えば、「顧客志向の高い人材」を採用したい場合、「顧客のニーズを的確に捉え、最適なソリューションを提供できる」といった具体的な行動特性をイメージすることが大切です。

ステップ

内容

企業のビジョン・戦略の確認

企業が目指す方向性と、それを実現するために必要な人材像を明確にする

各部署の役割・目標の確認

各部署の役割と目標を理解し、必要な人材像を具体的にイメージする

求める人物像の定義

上記を踏まえ、具体的な行動特性を含めて、求める人物像を明確に定義する

このステップをしっかりと行うことで、後々のコンピテンシーモデル作成がスムーズに進みます。

コンピテンシーモデルの項目作成

次に、採用したい人物像を実現するために必要なコンピテンシーを洗い出し、具体的な項目として設定します。一般的に、コンピテンシーは、「行動特性」と「能力」の2つに分類されます。

「行動特性」は、具体的な行動として観察できるもので、「コミュニケーション能力」や「リーダーシップ」などが挙げられます。一方、「能力」は、知識やスキルといった、目に見えにくい能力のことを指します。

項目

説明

行動特性

具体的な行動として観察できる能力

コミュニケーション能力、リーダーシップ、問題解決能力

能力

知識やスキルといった、目に見えにくい能力

専門知識、語学力、分析力

これらの項目を組み合わせることで、自社にとって必要なコンピテンシーモデルを作成することができます。

活躍している社員へのヒアリング

既存の社員の中でも、特に活躍している社員へのヒアリングは、コンピテンシーモデル作成において非常に有効な手段です。彼らの具体的な行動事例や成功体験を収集することで、自社で求められるコンピテンシーをより深く理解することができます。

ヒアリングの際には、具体的な状況や行動、そしてその結果について詳しく聞き取り、記録することが重要です。

ヒアリング内容

説明

具体的な行動事例

過去の成功体験や失敗体験、困難な状況にどのように対応したかなどを具体的に聞く

成功要因の分析

成功体験における要因を分析し、どのような行動特性が貢献したのかを明らかにする

課題と改善点

課題や改善点についてもヒアリングし、今後の育成に活かす

これらの情報を収集することで、より実践的なコンピテンシーモデルを作成することができます。

自社に合わせた調整

一般的なコンピテンシーモデルを参考にしながらも、自社の企業文化や事業内容に合わせて、独自のコンピテンシーモデルを作成することが重要です。

例えば、ベンチャー企業であれば、「チャレンジ精神」や「イノベーション」といったコンピテンシーを重視する必要があるかもしれません。また、グローバル企業であれば、「異文化理解」や「語学力」といったコンピテンシーが重要になるでしょう。

調整ポイント

説明

企業文化との整合性

企業文化に合致したコンピテンシーを設定することで、社員の定着率向上に繋がる

事業内容との関連性

事業内容に関連するコンピテンシーを設定することで、社員の成果向上に繋がる

業界特性の考慮

業界の特性を考慮し、必要なコンピテンシーを明確にする

これらのポイントを踏まえ、自社に最適なコンピテンシーモデルを作成することで、採用活動の効率化と効果向上に繋げることができます。

コンピテンシー面接の具体的な方法

コンピテンシーモデルを作成したら、次はそれを活用した面接を実施します。この章では、コンピテンシー面接の具体的な方法について、質問例や評価基準などを交えながら解説していきます。

STARモデルを使った質問例

コンピテンシー面接では、過去の具体的な行動事例を基に、候補者の行動特性や能力を評価します。その際に有効な手法として、「STARモデル」があります。STARモデルとは、以下の4つの要素で構成される質問方法です。

  • Situation(状況): どんな状況だったのか?
  • Task(課題): あなたの役割や課題は何だったのか?
  • Action(行動): 具体的にどのような行動をとったのか?
  • Result(結果): その結果どうなったのか?

コンピテンシー

質問例

問題解決能力

「これまでに、困難な問題に直面した経験はありますか?その際、どのように問題解決に取り組みましたか?具体的な状況、課題、行動、結果を踏まえて教えてください。」

コミュニケーション能力

「チームで意見が対立した経験はありますか?その際、どのようにコミュニケーションを取り、合意形成を図りましたか?具体的な状況、課題、行動、結果を踏まえて教えてください。」

リーダーシップ

「チームを率いて目標を達成した経験はありますか?その際、どのようにチームをまとめ、目標達成に導きましたか?具体的な状況、課題、行動、結果を踏まえて教えてください。」

STARモデルを活用することで、候補者の行動特性をより深く理解することができます。

行動特性の評価基準

面接で得られた情報に基づき、候補者の行動特性を評価します。評価基準は、コンピテンシーモデルで設定した項目ごとに作成します。

例えば、「コミュニケーション能力」であれば、「相手に分かりやすく説明できる」「相手の意見を丁寧に聞き取ることができる」といった具体的な行動を評価基準として設定します。評価基準を明確にすることで、評価の客観性を高めることができます。

評価結果の活用方法

面接で得られた評価結果は、採用判断だけでなく、入社後の育成にも活用することができます。例えば、コミュニケーション能力が高いと評価された候補者には、顧客対応の業務を任せるなど、適材適所の配置を行うことができます。また、評価結果をフィードバックすることで、候補者の自己成長を促すこともできます。

評価結果を効果的に活用することで、採用活動の質を高め、人材育成の効率化を図ることができます。

コンピテンシー評価の導入手順

コンピテンシー評価を導入するには、いくつかの手順を踏む必要があります。この章では、コンピテンシー評価の導入手順について、具体的なステップを踏まえながら解説していきます。

評価項目の決定

まず、どのような行動特性を評価するのか、評価項目を決定します。評価項目は、コンピテンシーモデルで設定した項目を参考に、自社の状況に合わせて決定します。例えば、営業職であれば、「顧客志向」「交渉力」「プレゼンテーション能力」などを評価項目として設定するかもしれません。

ステップ

内容

コンピテンシーモデルの確認

自社で作成したコンピテンシーモデルを確認し、評価項目の候補を抽出する

職種・役割との関連付け

各職種・役割において、重要なコンピテンシーを特定し、評価項目として設定する

評価項目の絞り込み

必要最低限の評価項目に絞り込むことで、評価の負担を軽減する

評価項目を適切に設定することで、評価の精度を高めることができます。

評価基準の作成

次に、各評価項目について、具体的な評価基準を作成します。評価基準は、行動レベルで設定することが重要です。例えば、「顧客志向」であれば、「顧客のニーズを的確に捉え、最適な提案を行うことができる」といった具体的な行動を評価基準として設定します。

評価基準を明確にすることで、評価の客観性を高めることができます。

評価の調整とフィードバック

評価を実施した後、評価者間で評価結果を調整し、フィードバックを行います。評価の調整は、評価のばらつきをなくし、公平性を保つために重要です。フィードバックは、評価結果に基づき、被評価者の成長を促すために重要です。

ステップ

内容

評価者間での調整

評価者間で評価結果を比較し、評価のばらつきを調整する

被評価者へのフィードバック

評価結果を被評価者に伝え、今後の成長に向けたアドバイスを行う

評価結果の活用

評価結果を人事評価や昇進・昇格などに活用する

評価の調整とフィードバックを適切に行うことで、コンピテンシー評価の効果を最大限に引き出すことができます。

まとめ

コンピテンシー採用は、企業の成長を支える優秀な人材を獲得するための重要な戦略です。この記事では、コンピテンシー採用の基本的な概念から、具体的な導入手順までを詳しく解説しました。

コンピテンシー採用を成功させるためには、自社の状況に合わせて、適切なコンピテンシーモデルを作成し、それを活用した面接や評価を実施することが重要です。この記事が、皆様の採用活動の一助となれば幸いです。

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