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エンジニアの役職一覧|役職ごとの年収と求人の書き方

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エンジニアの役職は、シニアからテックリード・アーキテクトへ進む技術の系統と、エンジニアリングマネージャー(EM)からVPoE・CTOへ進むマネジメントの系統の2つに分けて整理できます。

同じ「リード」「マネージャー」という名前でも、責任の範囲は会社ごとに別物です。採用担当者が役職名を求人票に書くときは、名前を選ぶ前に、技術の判断・メンバーの評価・組織の予算のどれに責任を持つ役職かを決めておくと、候補者との期待のずれを防げます。

Offers HR Magazine編集部監修者

株式会社overflow / 編集担当

Offers HR Magazine編集部

Offers HR Magazine 編集部は、株式会社overflow が運営する採用メディアの編集チームです。エンジニア採用に取り組む人事・採用担当者に向けて、採用手法・人事制度・組織づくりの情報を届けています。

エンジニアの役職一覧と2つの系統

エンジニアの役職は、技術で成果を出す系統(ジュニア・ミドル、シニア、テックリード・リードエンジニア、アーキテクト、スタッフ/プリンシパルエンジニア)と、人と組織で成果を出す系統(エンジニアリングマネージャー、開発部長・Director、VPoE)に分かれ、両方の上に経営の役職としてCTOが置かれます。役職名と英語表記、主に責任を持つものは次のとおりです。

役職名

英語表記の例

系統

主に責任を持つもの

ジュニア・ミドルエンジニア

Software Engineer

技術

担当する機能の実装と品質

シニアエンジニア

Senior Software Engineer

技術

機能やサービス単位の設計判断と、周りのメンバーの支援

テックリード

Tech Lead

技術

チームの技術的な意思決定・設計・コードの品質

リードエンジニア

Lead Engineer

技術

チームの開発を技術面で率いること(テックリードと同じ意味で使う会社もある)

アーキテクト

Architect

技術

システム全体の構成と、性能・可用性・セキュリティといった非機能要件

スタッフ/プリンシパルエンジニア

Staff / Principal Engineer

技術

複数のチームにまたがる技術課題と、技術の標準づくり

エンジニアリングマネージャー(EM)

Engineering Manager

マネジメント

メンバーの育成・評価・採用と、チームの運営

開発部長・Director

Director of Engineering

マネジメント

複数のチームを束ねる組織の運営と予算

VPoE

VP of Engineering

マネジメント

開発組織全体の運営・組織設計・採用計画

CTO

Chief Technology Officer

経営

技術戦略と技術への投資の最終責任

表の役職が、どの会社にもそろっているとは限りません。数十人規模の開発組織では、テックリードとEMを1人が兼ねることも、VPoEを置かずにCTOが組織の運営まで担うこともあります。

採用を始める前に、自社に今ある役職と、これから置く役職を表の形で書き出しておくのが、募集する役職の位置を社内で合わせる近道です。

技術の系統はシニアからテックリード・アーキテクトへ責任が広がる

技術の系統の役職は、シニア、テックリード、アーキテクトの順に、1人の判断が影響する範囲が担当機能からチーム、システム全体へと広がります。人の評価は担わず、技術の判断で組織に貢献する役職です。

シニアエンジニアは、担当する機能やサービスの設計を自分で決め、周りのメンバーのレビューや相談にも応じます。テックリードは、チームが使う技術や設計の方針を決め、コードの品質に責任を持ちます。アーキテクトが設計するのは、複数のシステムをまたいだ構成や、性能・可用性・セキュリティの要件です。

スタッフエンジニアやプリンシパルエンジニアは、外資系企業や規模の大きい開発組織で使われることの多い呼び名で、複数のチームにまたがる技術課題を担います。

「シニア」が何年目の、どの範囲の判断を任される人を指すのかは、会社ごとにまちまちです。社内で「シニアは担当サービスの設計を1人で決められる人」のように、任せる判断の大きさで言葉にしておくと、求人票と面接の評価がそろいます。

マネジメントの系統はEMからVPoE・CTOへ責任が広がる

マネジメントの系統の役職は、EM、開発部長・Director、VPoEの順に、受け持つ人数と組織の範囲が1チームから開発組織全体へと広がります。技術の系統と違い、仕事の中心はメンバーの育成・評価・採用といった人に関わる業務です。

EMは、メンバーとの1on1、評価、採用の面接、チームの進め方の改善を担います。開発部長やDirectorが持つのは、複数のチームの人員配置と予算です。VPoEは開発組織全体の運営を担い、組織の形や採用計画を決めます。CTOは経営陣の一員として、どの技術に投資し、どの技術で事業を伸ばすかに責任を持ちます。

テックリードとEMは、同じ「チームのリーダー」でも見る対象が違う役職です。テックリードは技術を、EMは人とチームを見ます。求人票で2つを1つの役職として書くと、技術の判断を期待して応募した人に評価の仕事が回るといったずれが起きやすくなります。

リードエンジニア・チーフエンジニアは会社ごとに意味が変わる

リードエンジニアやチーフエンジニアは、会社によって技術の系統の役職としても、マネジメントの系統の役職としても使われる呼び名です。

Offers に掲載された正社員求人の題名にも、「リードエンジニア/テックリード」と2つの役職名を並べた求人や、「将来のEM/VPoE候補」としてチーフエンジニアを募る求人があります。

こうした呼び名を使うときは、求人票の本文で「技術の判断に責任を持つ」「メンバーの評価も担う」のどちらなのかを書き分けます。候補者は役職名から仕事を想像するので、本文に範囲が無いと、食い違いに気づくのが面接の場になってしまうためです。

職種名と役職名の違い(SE・PG・PM・PL)

システムエンジニア(SE)・プログラマー(PG)・インフラエンジニア・フロントエンドエンジニアは、担当する工程や技術領域を表す職種名で、組織の中での責任の大きさを表す役職名とは別の軸です。プロジェクトマネージャー(PM)・プロジェクトリーダー(PL)・スクラムマスターは、プロジェクトやチームの中での役割を表す名前で、社内の役職と一致しないことがあります。

名前

種類

表しているもの

SE・PG

職種名

設計や実装といった、担当する工程

インフラ・ネットワーク・データベース・クラウドエンジニア

職種名

担当する基盤の技術領域

フロントエンド・バックエンド・フルスタックエンジニア

職種名

担当するアプリケーションの技術領域

セキュリティ・QA・SREエンジニア

職種名

担当する安全性・品質・信頼性の領域

PM・PL

プロジェクトの役割

案件の計画と進行、チームの取りまとめ

スクラムマスター

チームの役割

スクラムの進め方の支援

テックリード・EM・VPoE・CTO

役職名

組織の中での責任の範囲

求人票の題名は「職種名+役職名」の組で書くと、何の仕事を、どの責任の大きさで任せるのかが一度に伝わります。Offers の正社員求人で言えば、「バックエンドエンジニア/テックリード」「フロントエンドエンジニア テックリード」がこの書き方の例です。

職種ごとの仕事内容や、公的統計の職種区分との対応は「エンジニアの種類一覧|5大分類と役職・採用設計の地図」で一覧にしています。

Offers の正社員求人で見る役職ごとの年収帯

Offers に掲載された正社員求人のうち、題名にシニア・リードエンジニア・テックリード・アーキテクト・EM・VPoE・CTOのいずれかを掲げ、年収の下限と上限を書いた求人は、下限の中央値が700万円、上限の中央値が1,200万円でした。年収を書いた正社員求人全体(下限540万円・上限970万円)と比べると、下限で160万円、上限で230万円高い水準です(Offers(株式会社overflow)調べ・年収の下限と上限を記載した正社員求人 n=3,315、うち題名に役職名を掲げる求人 n=362・2022年3月〜2026年10月公開)。

上限が1,000万円以上の求人は、役職名を掲げた求人で75.4%(273件)、正社員求人全体で47.7%(1,581件)でした。

役職名(題名)

求人数

年収の下限の中央値

年収の上限の中央値

シニア(エンジニア)

30件

765万円

1,200万円

リードエンジニア

62件

600万円

1,025万円

テックリード

109件

700万円

1,200万円

アーキテクト

81件

600万円

1,100万円

エンジニアリングマネージャー(EM)

58件

725万円

1,200万円

VPoE

19件

800万円

1,200万円

CTO

22件

900万円

1,400万円

正社員求人全体

3,315件

540万円

970万円

テックリード・EM・VPoEは上限の中央値がそろい、下限で差がつく

テックリード・EM・VPoEの3つは、年収の上限の中央値がいずれも1,200万円で、違いは下限の側に出ています。下限の中央値はテックリード700万円、EM725万円、VPoE800万円の順に上がります。

求人票の上限が示すのは「経験と成果しだいで出せる額」、下限が示すのは「その役職を任せる人に最低限支払う額」です。自社の提示年収を決めるときは、上限より下限を、同じ役職名の求人と並べて比べると、役職の重さに見合っているかを判断しやすくなります。

名前の似た役職でも年収帯は同じとは限りません。リードエンジニアの下限の中央値は600万円で、テックリードの700万円と100万円の開きがあります。比べる相手は役職名の一致で選ばず、求人票に書かれた責任の範囲(技術の判断だけか、メンバーの評価も担うか)が近い求人を選びます。

CTOは下限900万円・上限1,400万円と、7つの役職名で最も高い水準です。CTOの求人には「CTO候補」として募るものも多く、入社時の役職と就任の時期を求人票で書き分けると、提示年収の幅の理由も候補者に伝わります。

公的統計で見る役職区分ごとの年収(部長級・課長級・係長級)

厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査では、情報通信業で働く人の年収換算(月の給与×12+年間賞与)は、部長級が1,212.6万円、課長級が959.2万円、係長級が747.8万円、役職の無い人が578.1万円です(厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 役職第1表」(2026年3月公表)をもとに編集部算出)。

役職区分

平均年齢

きまって支給する現金給与額(月)

年間賞与その他特別給与額

年収換算

部長級

51.1歳

729.3千円

3,374.7千円

1,212.6万円

課長級

48.4歳

592.0千円

2,488.2千円

959.2万円

係長級

43.0歳

475.5千円

1,772.2千円

747.8万円

非役職

35.7歳

391.5千円

1,083.3千円

578.1万円

この統計は情報通信業で雇用期間の定めなく働く人の集計で、エンジニア以外の職種も含みます。役職区分は部長・課長・係長という日本企業の呼び方で、テックリードやEMといった名前では集計されていません。

社内の役職区分と技術職の役職を対応させる

部長・課長・係長の区分で人事制度を運用している会社は、エンジニアの役職をこの区分のどこに置くかを先に決めておくと、他の職種との年収の釣り合いを説明しやすくなります。

対応のさせ方の一例は、シニアエンジニアとテックリードを係長級、EMとアーキテクトを課長級、開発部長とVPoEを部長級に置く形です。ただし技術の系統の役職は人を管理しないため、課長級の年収を払うのに部下の人数を条件にすると、テックリードやアーキテクトの昇格の道が閉ざされます。技術の系統には、判断が影響する範囲(チーム・複数のチーム・システム全体)で等級を上げる条件を別に書きます。

求人票の年収は提示する幅で、統計の年収換算は実際に支払われた額の平均です。性質の違う2つの数字なので直接は比べず、自社の等級ごとの年収を決めるときの外の物差しとして両方を見ます。

求人票に役職名を書くときに決める4つのこと

役職名だけでは責任の範囲が伝わらないため、エンジニアの求人票には役職名に加えて、責任を持つ範囲・チームの人数と報告先・評価の基準・「候補」と書くときの就任の条件の4つを書きます。

決めること

書き方の例

責任を持つ範囲

「バックエンドの設計方針の決定と、コードレビューの基準づくりに責任を持つ。メンバーの評価は担わない」

チームの人数と報告先

「エンジニア6名のチームに入り、VPoEに報告する」

評価の基準

「障害の件数とリリースの頻度、設計レビューで出した改善の提案を半期ごとに評価する」

「候補」の就任の条件

「入社時はシニアエンジニア。半年後をめどに、チームの設計判断を任せられると判断した時点でテックリードに就く」

4つのうち、候補者が最も気にするのは「候補」の扱いです。Offers の正社員求人の題名にある「EM・VPoE候補」「テックリード/VPoE候補」は、入社時の役職と将来の役職を並べた書き方の例です。

こうした題名で募集するなら、入社時の役職、将来の役職に就く時期の目安、就くための条件の3つを本文に書いておくことが、候補者に入社後の道筋を描いてもらう前提になります。

責任の範囲や評価の基準を求人票の項目に落とす手順は「ジョブディスクリプションの書き方|テンプレートと記載例」で、記載例とあわせて紹介しています。

採用計画テンプレートや採用KPI管理テンプレートなど、採用の実務で使える資料の入手先はOffers のお役立ち資料です。

技術とマネジメントの2つの道を等級制度にそろえる

技術の系統とマネジメントの系統を同じ等級の表に横に並べる複線型の役職制度にすると、マネジメントを望まないエンジニアにも、テックリードやアーキテクトとして上位の等級と年収を用意できます。

マネジメントの道しか上位の等級が無い制度では、技術で成果を出してきた人がEMに就くしか年収を上げる方法がありません。技術の判断に強い人が評価や1on1に時間を取られると、手薄になるのはチームの技術の判断です。

複線型の制度を作るときは、次の4つをそろえます。

  • 等級ごとに、技術の系統とマネジメントの系統の役職を横に並べる(例えば同じ等級にテックリードとEMを置く)
  • 昇格の条件を系統ごとに書く。技術の系統は判断が影響する範囲、マネジメントの系統は受け持つ人数と採用・評価の責任で決める
  • 系統の行き来を認める。EMを経験した人がテックリードに戻る道を用意すると、マネジメントに挑戦するかどうかを本人が選びやすくなる
  • 役職名と等級ごとの年収帯を、求人票と同じ言葉で書く。社内の制度と求人票で言葉が違うと、入社後の等級の説明で食い違いが出る

職種ごとの評価項目の立て方と評価シートの記入例は「エンジニア評価制度のポイントと注意点とは?」で解説しました。

役職ごとに変わるエンジニア採用の進め方

エンジニア採用の進め方は役職の系統で変わり、技術の系統の役職には扱う設計課題と技術の裁量を、マネジメントの系統の役職には組織の課題と任せる権限を、CTOには経営との関係と事業の方針を伝えて声をかけます。

役職

候補者に伝えること

面接で確かめること

シニアエンジニア・テックリード

扱うシステムの規模と設計の課題、技術を選ぶ裁量

これまでに自分で決めた設計判断と、その理由

アーキテクト

複数のシステムをまたぐ課題と、非機能要件の目標

構成を変えた経験と、そのときの比較の観点

EM

チームの人数と課題、評価と採用で任せる権限

1on1や評価でメンバーの成長につなげた経験

VPoE

開発組織の規模の計画と、組織の課題

組織の形を変えた経験と、採用計画を立てた経験

CTO

経営陣の中での役割と、事業と技術の方針

技術の投資判断を経営に説明した経験

声のかけ方も系統で分けます。シニアやテックリードの層には候補者の経歴を見て扱う課題を具体的に書いたスカウトを送り、EM・VPoE・CTOの層には経営者やCTOが自分の言葉で組織の課題を伝える面談の場を用意する、という使い分けです。

最上位の役職の採用の手順と費用は「CTO・AIエンジニアの採用方法と費用【2026年】」にまとめました。

自社の採用ページや求人の発信が候補者にどう見えているかは、エンジニア採用力チェックで、企業のURLから採用力を5つの指標で採点した結果を受け取って確かめられます。

エンジニアの役職一覧の要点

エンジニアの役職は、シニア・テックリード・アーキテクトへ進む技術の系統と、EM・VPoEへ進むマネジメントの系統の2つで整理でき、その上に経営の役職としてCTOが置かれます。SE・PGは職種名、PM・PLはプロジェクトの役割で、役職名とは別の軸です。

役職名は会社ごとに中身が違うため、採用担当者は次の順で進めます。

  1. 自社に今ある役職と、これから置く役職を2つの系統に分けて書き出す
  2. 募集する役職が、技術の判断・メンバーの評価・組織の予算のどれに責任を持つかを決める
  3. 求人票に、責任の範囲・チームの人数と報告先・評価の基準・「候補」の就任の条件を書く
  4. 提示年収の下限を、責任の範囲が近い役職の求人と公的統計の役職区分の年収と並べて決める
  5. 技術の系統にも上位の等級と年収を用意し、社内の制度と求人票で同じ言葉を使う

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