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採用戦略の事例|自社に移せるかを確かめる方法

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採用戦略の事例|自社に移せるかを確かめる方法

他社の採用戦略の事例を10件読んでも、自社で何を変えればいいかは決まりません。事例は「うまくいった」という結論から逆算して書かれているため、同じ打ち手が自社でも同じ結果になる条件が抜け落ちているからです。

この記事が出すのは2つです。1つは、採用戦略の前提になる外部条件を公的統計の実数で押さえる方法。もう1つは、常時雇用301人以上の企業に限られますが、採用に占める中途の割合を一次情報で確かめる経路です。そのうえで、課題別に5社の実例を並べます。

Offers HR Magazine編集部監修者

株式会社overflow / 編集担当

Offers HR Magazine編集部

Offers HR Magazine 編集部は、株式会社overflow が運営する採用メディアの編集チームです。エンジニア採用に取り組む人事・採用担当者に向けて、採用手法・人事制度・組織づくりの情報を届けています。

採用戦略は、事業計画から採用の打ち手を逆算した方針である

採用戦略とは、事業計画で必要になる人材を、いつまでに何人、どの経路で採用するかを決めた方針のことです。求人媒体の選定やスカウト文面の改善は戦略ではなく、戦略から降りてきた施策にあたります。

この線引きが要るのは、事例の多くが施策のレベルで書かれているからです。「社員インタビューを出したら応募が増えた」という話は、その会社の事業計画と人材要件が前提にあってはじめて意味を持ちます。前提を抜いて施策だけを移すと、同じ作業をして違う結果になります。

経営計画と人事の方針をどう接続するかは人事戦略の立て方が扱う範囲です。本稿は、その下流にある採用の方針に絞ります。

事例を読む前に自社で決めておく4項目

項目

決めること

決まっていないときに起きること

人材要件

どの職種を、どの水準で、何人

事例の打ち手を選ぶ基準が無く、話題性で選ぶことになる

期限

いつまでに入社してほしいか

期間のかかる打ち手と即効性のある打ち手を区別できない

使える工数

採用に割ける人と時間

専任チームを前提にした事例をそのまま真似て破綻する

判断指標

何を見て成否を決めるか

応募数だけが増えて入社が増えない状態に気づけない

この4項目が埋まると、事例は「参考になる話」から「自社の条件に合うかどうかを判定できる対象」に変わります。

方針を組む前に、候補者から見た自社の採用情報や雇用条件の競争力を測っておく場合は、エンジニア採用力チェックをご利用ください。企業の公開情報を5指標24項目で採点し、1営業日以内にレポートが届きます。

採用戦略の外部条件は、公的統計で実数が取れる

採用が難しいかどうかは感覚ではなく、産業ごとの実数で確認できます。ここで押さえるのは、人の出入りの幅、他社の動き、求人が埋まる割合の3つです。

入職が離職を上回る幅は産業によって3倍以上違う

令和7年(2025年)の1年間で、産業計の入職率は14.7%、離職率は13.7%、差し引いた入職超過率は1.0ポイントでした。情報通信業は入職率13.6%・離職率10.4%で、入職超過率は3.2ポイントです。

産業

入職率

離職率

入職超過率

産業計

14.7%

13.7%

1.0ポイント

情報通信業

13.6%

10.4%

3.2ポイント

建設業

10.4%

8.7%

1.7ポイント

医療,福祉

14.5%

14.3%

0.2ポイント

出所:厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概要」表4-2(就業形態計・令和8年8月31日公表・調査の設計は厚生労働省「令和7(2025)年雇用動向調査結果の概況」)。

情報通信業は入職率そのものが産業計より低い一方で、離職が少ないぶん人が積み上がっています。医療,福祉は入職率14.5%に対して離職率14.3%がほぼ同じだけ出るため、人の出入りが多くても人数がほとんど増えません。同じ「採用が大変」でも、増やす局面と減らさない局面のどちらにいるかが違います。

離職の側の読み方は定着率の測り方で詳しく扱っています。

人手不足への対応として他社が最初に打つ手も中途採用である

令和8年(2026年)5月1日現在の正社員等労働者過不足判断D.I.は、調査産業計で+47ポイントでした。不足と答えた事業所が49%、過剰が2%です。情報通信業は+54ポイント(不足55%・過剰1%)、建設業は+59ポイントで、産業計を上回ります。

ここで見ておきたいのは、不足している部門に何らかの対応をした事業所が令和8年1〜3月期の実績で63%あり、その対応内容(複数回答)の最多が「中途採用の開始・拡大・強化」の69%だという点です。

出所:厚生労働省「労働経済動向調査(令和8年5月)の概況」(調査産業計)。

つまり、人手が足りないと感じた会社の多くが、まず中途採用を増やす方向に動いています。事例に出てくる「スカウトを強化した」「採用広報を始めた」という打ち手は、同じことを考えている会社が多数いる前提で読む必要があります。差がつくのは打ち手の種類ではなく、要件の精度と実行の量です。

他社と同じ手を打つこと自体は問題になりません。問題になるのは、他社と同じ手を、他社より少ない工数で打とうとすることです。

採用の実務ごと外に出して工数の前提から変える選択肢はOffersのAI RPOにまとめています。

正社員の求人が埋まる割合は12件に1件である

令和8年7月のハローワークの数値で、新規学卒者を除く常用の正社員区分は、新規求人数411,725人に対して就職件数33,950件でした。充足率は8.2%で、前年同月の8.8%から0.6ポイント下がっています。同月の有効求人倍率(季節調整値)は1.18倍、正社員有効求人倍率は1.00倍です。

出所:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年7月分)」第2表(令和8年8月28日公表)。

求人を出して埋まるのが12件に1件という水準は、応募を待つ設計が成立しにくくなっていることを示します。事例で紹介される打ち手の多くは、待つ設計から接点を作る設計への移行です。

応募を待たない設計の組み方は母集団形成の進め方にまとめています。

埋まらない求人の割合は、直近の調査を最後に測られていない

令和7年5月1日現在で、未充足求人がある事業所の割合は調査産業計で58%、欠員率は3.1%でした。産業別の欠員率は、サービス業(他に分類されないもの)が5.2%で最も高く、情報通信業は2.2%です。

出所:厚生労働省「労働経済動向調査(令和7年5月)の概況」表5。

この2つの項目は、令和7年5月調査をもって調査が終了しています。今後は同じ形での更新が無いため、欠員率を根拠にする資料を見かけたら、令和7年5月より新しい数値かどうかを確認してください。

301人以上の企業は、中途採用比率を公表している

事例記事は成果の数値を持たないことが多く、持っていても出所が示されないことがあります。相手が常時雇用301人以上の企業であれば、採用に占める中途の割合だけは法律の枠組みで確認できます。

範囲は先に書いておきましょう。この方法で分かるのは割合1点だけで、事例が語る応募数・内定承諾率・採用人数・到達期間を外から確かめる制度はありません。

301人以上の企業には公表の義務がある

令和3年4月1日から、常時雇用する労働者数が301人以上の企業は、求職者が容易に閲覧できるかたちで、直近の3事業年度の各年度について採用した正規雇用労働者の中途採用比率を公表することが必要になりました。公表はおおむね年に1回、公表した日を明らかにして、インターネットの利用やその他の方法で行います。

出所:厚生労働省「正規雇用労働者の中途採用比率の公表が義務化されます」(事業主向けリーフレット・整理番号LL030205政01)。

定義も同じリーフレットのQ&Aに置かれています。中途採用は「新規学卒等採用者以外」の雇入れを指し、公表する比率は中途採用者数を正規雇用労働者の採用数で割って100を掛け、小数点以下第一位を四捨五入した値です。公表方法は「インターネットの利用その他の方法」とされ、同Q&Aは「その他の方法」の例として事業所への掲示や書類の備え付けを挙げています。

義務のある企業でも、公表しているのは半分である

厚生労働省が公表した調査研究の報告書(2025年3月・企業アンケートの有効回収数2,417社・有効回収率16.2%)によると、中途採用比率を公表している企業の割合は全回答者で32.2%でした。法定の義務がある301人以上の企業に限ると48.0%で、規模が大きくなるほど高くなります。

常時雇用する労働者数

公表している

回答数

301人以上(全体)

48.0%

1,349社

301〜500人

37.4%

417社

501〜999人

44.1%

376社

1,000人以上

58.6%

556社

出所:厚生労働省「中途採用・経験者採用者が活躍する企業における情報公表その他取組に関する調査研究 結果報告書」(2025年3月)図14。

数字の読み方は2つあります。1つは、調べたい会社の比率が見つからない場合があるということ。もう1つは、公表している会社は同業のなかでは少数派にあたるということです。

公表値は「採用の半分が中途」という水準で読む

同じ調査で、過去3年間に中途採用の活動をした企業は88.5%でした。その企業群の中途採用比率は「10%未満」が17.1%で最も多く、「100%」が12.9%でこれに続きます。平均値は51.8%です。

出所:厚生労働省「中途採用・経験者採用者が活躍する企業における情報公表その他取組に関する調査研究 結果報告書」(2025年3月)図17・n=2,139。

分布が両端に寄っている点が要点です。平均の51.8%に近い会社は多数派ではなく、「ほとんど中途」と「ほとんど中途ではない」に割れています。事例の会社の比率を見るときは、平均と比べるより、自社と同じ側にいるかどうかを見るほうが判断に使えます。

なお、このあと並べる5社はいずれも事例ページに従業員規模の記載が無いため、公表義務の対象かどうかを判定できません。この確かめ方が使えるのは、規模の大きい企業の事例を読むときに限られます。

採用計画の数値をどの粒度で置くかは、採用KPIを管理するための参考シートに雛形を用意しました。

転職者の採用で詰まる場所は、応募の質と評価基準にある

打ち手を選ぶ前に、どこで詰まるのかを押さえておくと事例の選び方が変わります。転職者がいる事業所のうち、転職者を採用する際に問題があるとした割合は全産業で84.1%、情報通信業で87.0%あり、その内訳は応募の側と選考の側に分かれます。

問題の内容

全産業

情報通信業

必要な職種に応募してくる人が少ないこと

67.2%

60.4%

応募者の能力評価に関する客観的な基準がないこと

38.8%

45.6%

採用時の賃金水準や処遇の決め方

32.3%

37.4%

採用後の処遇やキャリア形成の仕方

17.8%

38.0%

出所:厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」事業所調査(「問題がある」とする事業所を100とした複数回答)。

情報通信業では、この内訳の順位が全産業と入れ替わりました。応募が少ないことは同じように挙がる一方で、評価基準の不在と入社後の処遇が全産業より高く出ます。専門職の採用では、母集団を増やす打ち手だけでは詰まりが解けないということです。

段階ごとにどこで人が減っているかを数える方法は採用の歩留まりの計算式にまとめています。選考プロセス自体の組み方は採用フローの設計手順を参照してください。

評価基準が自社にあるかどうかを外から採点した結果で確かめたい場合は、採用力チェックが指標ごとのスコアを資料で返します。

課題別に見た採用戦略の実例5社

ここからは、社名つきで公開している自社の導入事例から、課題の型が異なる5社を並べます。いずれも正社員の中途採用で、記載したのは各社の事例ページに書かれている期間と人数だけです。

選考の実数が開示されている例

株式会社コアソフトは、プライム顧客の元請けとなる受託開発と、大手システムインテグレーターの一次請けとなるSES(システムエンジニアリングサービス)事業を展開しています。求めていたのはPM(プロジェクトマネージャー)・PL(プロジェクトリーダー)・テックリードといったリーダー層で、これらの層の母集団をどう作るかが課題でした。

導入から約8か月でハイクラス層のエンジニア2名を採用しています。この事例で参照できるのは経過の実数です。約13件の応募があり、要件に合致した3名と面接を行い、うち2名が内定を承諾しました。採用は人事グループマネージャー1名が進めています。

応募13件から採用2名という数字は、リーダー層で1名を採用するまでにどれだけの接点が要るかの目安になります。自社の直近の実績と並べたとき、どの段階で詰まっているかが見えるはずです。

接点の量を先に増やした例

HapInS株式会社は、自社に合う人材からの応募が集まらないことと、採用コストが上がっていることの2つを起点にしています。

2025年11月頃に導入し、約半年で正社員2名を採用しました。この間に40〜50名ほどと面談しています。打ち手はスカウト文面の書き直しと、転職意欲を7段階で捉えるキャリアドリフトモデルにもとづくストーリースカウトの併用でした。

面談40〜50名に対して採用2名という比率は、接点を増やす設計を選んだ場合に必要な面談数の水準を示します。工数の見積もりを立てる材料になります。

母集団の経路を新しく用意した例

株式会社QuackShiftは、リファラル中心の採用体制から、再現性のある母集団形成の経路をこれから用意する段階にありました。対象はAIエンジニアと、顧客と向き合うプロジェクトマネージャーです。

導入から3か月でプロジェクトマネージャー1名の入社が決まり、半年間で約45名と面談しています。求めるスキルセット自体が短い周期で変わる職種のため、要件を固定せずに接点を持てる経路を先に作った形です。

採用の運用を外に出した例

株式会社スタジオ・アルカナは、採用業務を採用広報担当と合わせた2名体制で進めており、どちらも他の業務と兼任していました。

エンジニアの正社員採用を目的に導入し、運用代行サービスを併用しています。Offers経由で正社員としてエンジニアが入社しました。専任者を置かずに運用を回す型で、工数が足りない組織が最初に検討する構成にあたります。

専任チームを置いて予算の枠内で任せる形は予算型リテーナー採用、実務ごと委託する形はAI RPOにそれぞれ整理しています。

要件の言語化から入った例

株式会社GRI(以下、GRI)は、データサイエンスの受託サービスと自社プロダクトを手がける企業です。求めているのは、投資計画やデータの可視化・分析・施策立案まで担える課題設定型のデータサイエンティストでした。

課題は2つありました。1つは知名度の面で大手と比べられること、もう1つは中間層が薄く、マネージャー陣を支える中堅人材をこれから増やす段階にあることです。採用専任担当者がおらず、求める人材要件を求人原稿に落とし込みづらい状態でもありました。

導入から半年弱で1名の入社予定者が決まっています。この事例の要点は打ち手より順序にあり、先に置いたのは自社が他社とどう違うかを言語化する工程でした。

5社の課題と打ち手の対応

企業

起点の課題

中心の打ち手

公開されている経過

コアソフト

リーダー層の母集団

スカウト文面の改善・自動送付

約8か月で2名(応募13件・面接3名)

HapInS

応募の量とコスト

AIによる文面作成・ストーリースカウト

約半年で正社員2名(面談40〜50名)

QuackShift

母集団の経路づくり

採用プラットフォームの本格運用

3か月でプロジェクトマネージャー1名の入社(半年で面談約45名)

スタジオ・アルカナ

工数(2名兼任)

運用代行の併用

正社員エンジニアの入社

GRI

要件の言語化・知名度

採用戦略の設計支援・強みの言語化

半年弱で1名の入社予定

出所:Offers 導入事例の各ページ(株式会社overflow・2026年9月20日時点)。

採用代行を使った事例をさらに数多く並べたものはRPO導入事例14社に見る成果の型と期間にあります。事例をまとめて資料で受け取りたい場合はOffersの採用成功事例集をご利用ください。

情報開示の効果は、企業調査と労働者調査で向きが分かれる

採用広報や情報公表は、効果が見えにくいために後回しになりがちです。この点については、誰に聞いたかで結果が割れるという報告があります。

同じ調査研究の報告書は、企業調査では情報開示とパフォーマンスの相関関係や有意差を十分に確認できなかった一方、労働者調査では総じて正の相関関係と、情報を開示している方がパフォーマンスは高いという有意差が確認されたと記しています。開示項目のうち「将来の労働条件・キャリア」の影響は、人材タイプを問わず広く見られたという結果でした。

出所:厚生労働省「中途採用・経験者採用者が活躍する企業における情報公表その他取組に関する調査研究 結果報告書」(2025年3月)第3節。

報告書は、この食い違いの理由として、人事担当者が多数の採用結果を総じて判断しているのに対し、労働者は自身の1件で回答していること、人事担当者の立場では個々の採用者のパフォーマンスまで把握できていないことを挙げています。

実務上の含意は単純です。開示を増やしても社内の指標はすぐには動きませんが、入社した本人の側では効果が出ている可能性があります。開示の成否を応募数だけで判定すると、判定を誤ります。

なお、募集時における労働条件の明示は法律上の義務です。同じ調査で明示を行っている企業は75.1%、中途採用・経験者採用の活動をしている企業に限ると80.4%でした。ここが欠けている状態で採用広報を足しても、順序が逆になります。

当社ではどう組んでいるか

株式会社overflowでは、採用の実務に生成AIを組み込むにあたって、判断ではなく作業から置き換えています。

1つめはスカウト文面です。反応の得られた書き方を先に型として言語化し、生成をその型の適用に限定しています。型を直すと、次回の生成分から全体に反映されます。

2つめは面接レポートです。面接担当者はメモだけを書き、構造化と共有を自動化しました。共有までの時間は数日から即時に変わっています。

3つめは面接官の練習です。実際の面談データから練習相手を作り、想定問答と実際のやり取りの差を埋めました。

3つに共通するのは、合否と処遇の決定を人が持ったままにしている点です。採用戦略の事例として持ち帰れるのは、AIを入れるかどうかではなく、どこまでを機械に渡してどこから人が持つかを先に決める順序のほうです。

事例を自社の採用戦略に落とす5ステップ

  1. 事業計画から人材要件と期限を確定する。ここが決まらないうちは事例を読んでも選べません。
  2. 自社の産業の入職超過率と労働者過不足判断D.I.を確認し、増やす局面か減らさない局面かを判定する。
  3. 直近の採用で、応募・書類・面接・内定・入社のどの段階が最も薄いかを数える。
  4. 事例を「同じ段階が薄かったもの」だけに絞り込む。企業規模と採用人数が近いものを優先する。
  5. 選んだ打ち手に必要な工数を見積もり、自社で持つか外に出すかを決める。

5番目で外に出すと決めた場合、任せる範囲は業務単位で分けられます。スカウト運用まで含めて委託する形はAI RPOプラン、専任チームを予算の枠内で確保する形は予算型リテーナープランにそれぞれ条件を載せました。

この順で進めると、事例の数を集めるより、1件を深く読むほうが効率的だと分かります。企業の採用の全体像から相談したい場合はOffersの企業向けサービスをご覧ください。

よくある疑問への答え

事例をそのまま真似てよい場面はある

企業規模・職種・採用人数・期限の4つが近いときに限り、打ち手をそのまま移せます。1つでも大きく離れている場合は、打ち手ではなく「どの段階の課題に対して打ったか」だけを持ち帰るほうが確実です。

中小企業でも大企業の事例は使える

使えますが、工数の前提を読み替える必要があります。専任チームが前提の打ち手は、兼任1名の体制では同じ密度で実行できません。スタジオ・アルカナの例のように、運用を外に出して密度を保つ構成に置き換えるほうが現実的です。

採用戦略の成果を測る時期は職種で変わる

上で並べた5社のうち、期間が公開されている4社の実績は3か月・約半年・約8か月・半年弱でした。残る1社は期間の記載がありません。1か月で判定すると、接点を作る段階の打ち手を効果が無いと誤判定します。

中途採用比率が見つからない企業もある

義務のある301人以上の企業でも、公表しているのは48.0%です。見つからない場合は、有価証券報告書や統合報告書の人的資本に関する記載、採用サイトの募集職種数から推し量ることになります。

事例は集める数より、1件を読む深さで決まる

採用戦略の事例は、成功談として読むかぎり自社には移せません。移せるかどうかは、自社の人材要件・期限・工数・判断指標の4つが決まってはじめて判定できます。

判定の材料は公開されています。産業ごとの入職超過率と労働者過不足判断D.I.で自社の局面が分かり、正社員の充足率8.2%は応募を待つ設計の限界を示す数字です。相手が常時雇用301人以上の企業に限られますが、採用に占める中途の割合は公表義務のおかげで一次情報で確認できます。

そのうえで事例を1件選び、同じ段階が薄かったものだけを深く読む。集める数を増やすより、この順序のほうが自社の打ち手に近づきます。自社の採用力を先に採点したい場合はエンジニア採用力チェックを、事例をまとめて手元に置きたい場合は採用成功事例集をご利用ください。

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