採用コストを下げると決めたとき、最初に迷うのはどの費目から手をつけるかです。
求人広告を止めるのと、面接の回数を1回減らすのとでは、同じ削減でも起きることが違います。前者は掲載が終わると同時に応募が減る。後者は入社した人が活躍するかどうかまで、結果が分かりません。
費目は、外部と内部の2分類で止めずに会計上の扱いと公的統計の実額で割り直すと、削れば支出が減るものと、削っても支出が減らないものに分かれます。そのうえで、止めたときに採用の流れのどこが最初に細るかで並べ替えると、削る順番が決まります。
1人あたりいくらかかるかという単価の話は、採用単価の定義と、公的統計でわかる1件あたりの実額にまとめました。
採用コストの内訳は、支払先と会計処理の2つで分かれる
採用コストの分け方は2段あります。1段目が支払先による外部と内部の区別、2段目が会計上どこに計上されるかの区別です。2段目まで降りないと、削れる費目と削っても支出が減らない費目が混ざったままになります。
外部コストは社外へ出ていく支払い
外部コストは、採用活動のために社外の事業者へ支払う費用です。請求書が届くので金額が確定しており、止めればその分の支出も止まります。
主な費目は次のとおりです。性質の近い2費目ずつを1行にまとめています。
- 求人広告の掲載料、スカウト媒体の利用料
- 人材紹介の紹介手数料、採用業務の委託料
- 採用サイトや会社案内の制作費、適性検査の利用料
内部コストは社内の人が使った時間
内部コストは、自社の従業員が採用活動に使った時間を金額に換算したものです。請求書は届きません。
対象になる工程は、募集要項の作成、書類選考、面接、日程調整、内定者への連絡です。人事部門だけでなく、面接に出る現場の管理職や役員の時間も含みます。社内紹介の報奨金や候補者の交通費も、この区分に入る費目です。
内部コストは会計上すでに給与として計上されている
内部コストの中心である人件費は、財務会計では「給与手当」としてすでに計上されています。外部コストと足し合わせるときは、金額の性質が違うことに注意が要ります。
採用活動をやめても、その従業員の給与は同じ額のままです。内部コストのうち社員の時間(人件費)は、採用のために新しく出ていく現金ではなく、何にどれだけ時間を使ったかを可視化するための管理会計上の数字です。社内紹介の報奨金や候補者の交通費は人件費と違い、採用活動をしなければ支払いが発生しません。
この違いが削減の判断に直結します。外部コストや報奨金・交通費を減らせば支出が減ります。社員の時間を減らして手に入るのは支出の減少ではなく、その時間を別の仕事に回せることです。
公的統計で見る、採用の費目が労働費用に占める位置
厚生労働省の『就労条件総合調査』が「募集費」として集計する費目は、企業が人を雇う費用の総額の0.2%に届きません。同調査は、使用者が労働者を雇用することによって生じる一切の費用(企業負担分)を「労働費用」として集計しており、その内訳の1項目が募集費です。
労働費用を集計した回は令和3年調査が最新で、令和4年以降の調査は労働時間制度や賃金制度を扱っています。常用労働者1人1か月あたりの労働費用の内訳は次のとおりです。
区分 | 金額(1人1か月平均) | 労働費用総額に占める割合 |
|---|
労働費用総額 | 408,140円 | 100.0% |
うち現金給与額 | 334,845円 | 82.0% |
うち現金給与以外の労働費用 | 73,296円 | 18.0% |
出所:厚生労働省『令和3年就労条件総合調査の概況』第16表(2021年11月9日公表・令和2年(平成31(令和元)会計年度)1年間が対象・常用労働者30人以上の民営企業)。
募集費は現金給与以外の1.0%
厚生労働省『令和3年就労条件総合調査』第17表で現金給与以外の73,296円を割ると、募集費は718円で、その1.0%にあたります。
費目 | 金額(1人1か月平均) | 現金給与以外に占める割合 |
|---|
法定福利費 | 50,283円 | 68.6% |
退職給付等の費用 | 15,955円 | 21.8% |
法定外福利費 | 4,882円 | 6.7% |
募集費 | 718円 | 1.0% |
教育訓練費 | 670円 | 0.9% |
現物給与の費用 | 481円 | 0.7% |
その他 | 306円 | 0.4% |
出所:厚生労働省『令和3年就労条件総合調査の概況』第17表(2021年11月9日公表・令和2年(平成31(令和元)会計年度)1年間が対象・常用労働者30人以上の民営企業)。
『令和3年就労条件総合調査』の募集費718円は、労働費用総額408,140円に対して約0.18%です(第16表・第17表をもとにOffers推計)。労働費用の総額に対しては、ごく小さな費目といえます。
ただし同調査の現金給与以外の7費目の中では4番目で、教育訓練費670円や現物給与の費用481円より大きくなっています。最大の法定福利費50,283円と比べると、約70分の1です(第17表をもとにOffers推計)。
最も大きい費目は社会保険料などの法定福利費で、同調査では現金給与以外の68.6%を占めました。採用の費目を1割削っても、企業が負担する費用の総額はほとんど動きません。
募集費が最も大きいのは従業員300〜999人の企業
厚生労働省『令和3年就労条件総合調査』第17表の企業規模別では、募集費が最も大きいのは従業員300〜999人の980円で、最も小さいのは1,000人以上の481円でした。規模が大きいほど小さくなる、という並びにはなっていません。
企業規模 | 募集費(1人1か月平均) | 現金給与以外に占める割合 |
|---|
1,000人以上 | 481円 | 0.6% |
300〜999人 | 980円 | 1.3% |
100〜299人 | 833円 | 1.2% |
30〜99人 | 675円 | 1.1% |
出所:厚生労働省『令和3年就労条件総合調査の概況』第17表(2021年11月9日公表・令和2年(平成31(令和元)会計年度)1年間が対象・常用労働者30人以上の民営企業)。
同表の30〜99人は675円で、下から2番目です。1,000人以上の481円は、ほかの3区分の半分から7割ほどの水準にとどまります。規模で差が出る理由を、原典は示していません。
同じ調査の平成28年分では募集費が808円で、令和3年分の718円はそれを下回りました。従業員1人あたりに均した月額なので、1件あたりの採用単価が上がったかどうかは、この数字からは読めません。単価の推移と上がった理由は中途採用コストの推移で扱っています。
募集費を年額に直すと、人材紹介1件分に届かない
募集費は従業員1人あたりの月額なので、年額と会社全体に直すと大きさの感覚が変わります。『令和3年就労条件総合調査』の30〜99人規模の募集費675円を12か月分にすると8,100円です。従業員50人の企業なら、年約40万円になります(第17表をもとにOffers推計)。
一方、厚生労働省『令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)』では、人材紹介の常用就職1件あたりの手数料が約103万円でした。人材紹介で1人を採用すれば、その1件だけで、従業員50人の企業が統計上の平均で使う年間の募集費を上回ります。
出所:厚生労働省『令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)』(2026年3月31日公表・令和6年度)。
この約103万円は、職業紹介事業者が受け取った常用就職の手数料を、常用就職の件数で割った値です。民間調査で語られる「中途採用1人あたりの平均採用コスト」とは別の指標で、求人広告費や内部コストを含みません。数字が近くても、同じものを測った値として並べることはできません。
募集費の平均は、調査対象の企業すべてを均した額です。採用の支出が多かった企業も少なかった企業も、同じ1つの平均に入っています。統計の平均と比べて多い・少ないを判断しても、削る順番は決まりません。比べる相手は、自社の前年の請求書です。
1件あたりの単価を出す式は「採用コストの総額 ÷ 採用人数」で、分子と分母の置き方で答えが変わります。式の中身は採用単価の定義と、公的統計でわかる1件あたりの実額にまとめました。
費目ごとに、支払いの根拠と発生のタイミングが違う
外部コストの費目は、採用が1人も決まらなかったときに請求が立つかどうかで2つに割れます。どちらに入るかは契約の課金形態によります。前払いや定額の契約なら採用0人でも発生し、成功報酬型の契約なら発生しません。
費目 | 支払いのタイミング | 金額の決まり方 | 採用0人でも発生するか |
|---|
求人広告 | 掲載課金型なら掲載開始時に前払い | 掲載期間と枠の大きさ | 掲載課金型なら発生する(成果報酬型の媒体もある) |
スカウト媒体 | 契約期間に対する定額 | 利用期間と送信通数 | 定額型なら発生する |
人材紹介 | 成功報酬型の契約なら入社後 | 賃金額に対する料率(上限制は法令の上限内・届出制は届け出た手数料表) | 成功報酬型の契約なら発生しない |
採用業務の委託 | 月額または工数単価 | 委託する業務の範囲 | 発生する |
社内紹介の報奨金 | 入社後 | 社内規程で定めた額 | 入社を支給条件にする規程なら発生しない |
内部の人件費 | 毎月の給与として | 使った時間 | 発生する |
人材紹介でも、法令の上では採用0人で手数料が生じる場合があります。厚生労働省『職業紹介事業の業務運営要領』第6では、上限制手数料の紹介会社は、求人の申込みを受理した時点で1件710円(免税事業者は660円)までの求人受付手数料を求人者から取れます。
届出制手数料の紹介会社は、求人の申込みを受理した時以降に、届け出た手数料表に基づいて手数料を取れます(求人受付手数料と届出制手数料を組み合わせることは想定されていません)。自社の契約が成功報酬型かどうかの確かめ先は、紹介会社との契約書の手数料の条項です。
費目の分類より先に決めたいのが、この「採用0人でも発生するか」の列です。発生する側は採用の成否と無関係に毎月出ていきます。見直しの結果が読みやすいのもこちらの側です。
人材紹介の手数料には上限があるものと無いものがある
人材紹介の紹介手数料は、法令で上限が決まっているものと決まっていないものに分かれます。厚生労働省の『職業紹介事業の業務運営要領』によれば、上限制手数料の最高額は、原則として支払われた賃金額の100分の11(免税事業者は10.3)です。
同じ人が6箇月を超えて雇用された場合は、賃金額を6箇月分で数えます。期間の定めのない雇用契約なら、6箇月間の賃金額の100分の11と、臨時の賃金などを除いた額の100分の14.8(免税事業者は13.9)のうち、大きい方が上限です。
一方の届出制手数料は、厚生労働大臣に届け出た手数料表の額を徴収するもので、率の上限規定を持ちません。実際に流通している料率はこちらに載ります。
業務運営要領は2026年10月1日から適用される版に替わりましたが、厚生労働省の『職業紹介事業の業務運営要領(令和8年10月施行分)の改正概要』が挙げる改正箇所に第6 手数料は入っておらず、上限制と届出制の扱いは変わっていません。
出所:厚生労働省『職業紹介事業の業務運営要領』第6 手数料(令和8年10月1日から適用される版)。
手数料の実額と課金モデルの違いの受け皿が人材紹介の費用、職種別の1件あたり実額と課金モデルです。
内部コストの時間単価は、給与ではなく労働費用で置く
内部コストを金額にするときは、月給を所定労働時間で割った額ではなく、労働費用を時間で割った額を時間単価に置きます。賞与まで含めた給与で割っても、企業が実際に負担している金額の82.0%しか見ていないことになるからです(月給だけで割れば、さらに小さくなります)。
厚生労働省『令和3年就労条件総合調査』第16表では、労働費用総額のうち現金給与額は82.0%でした。残る18.0%は法定福利費や退職給付等の費用です。従業員を1時間働かせるために企業が負担しているのは、給与だけではありません。
労働費用総額408,140円を、同じ調査の労働者1人平均の週所定労働時間39時間04分から換算した月169.3時間で割ると、時間あたりは約2,410円になります。出所:厚生労働省『令和3年就労条件総合調査の概況』第16表・第1表(2021年11月9日公表)をもとにOffers推計。
この単価で内部コストを積むと、1回60分の面接に面接官が2名出れば1回あたり約4,800円です。候補者1人を3回面接すれば、面接だけで1万4千円を超えます。書類選考や日程調整を足した合計が内部コストの実勢です。パートタイムを含む平均から出した目安なので、正社員だけで計算すればこれより重く出ます。
内部コストを実際に測る手順は、工程ごとの時間記録です。工程の切り方は採用フローとは?6工程の設計手順と法令要件に揃えてあります。
削る順番は「止めたとき最初に何が細るか」で決まる
費目を並べ替える軸は金額ではなく、止めたときに採用の流れのどこが最初に細るかです。金額の大きい順に上から削ると、その費目が応募の入口を担っている場合は採用そのものが止まります(重なっている媒体費のように、削っても入口が細らない費目もあります)。
次の表の「最初に細るもの」と「時間差」は、編集部の整理による目安です。
削る費目 | 最初に細るもの | 結果が出るまでの時間差 |
|---|
求人広告の掲載 | 応募数 | 掲載終了と同時 |
スカウト媒体の利用 | 候補者への接触数 | 即時 |
人材紹介の利用社数 | 紹介数 | 数週間 |
面接の回数 | 見極めの精度 | 入社後 |
内定者フォロー | 承諾率 | 数週間 |
採用担当の工数 | 返信の速さと候補者体験 | 選考中 |
上の3つは採用の流れの入口を細くします。下の3つは入口を保ったまま、途中から先の通過率を下げる費目です。同じ金額を削るなら、どちらの副作用を引き受けるかを先に決めます。
段階ごとの通過率の測り方を扱ったのが採用の歩留まり|計算式と段階別の基準値の置き方です。自社の数字を持っていれば、削った費目がどの段にぶつかるかを事前に見積もれます。
入口の費目を削ると、応募の段階から細る
入口を細くする判断が重いのは、応募不足がもともと多くの企業の制約になっているからです。厚生労働省『令和7年転職者実態調査』の事業所調査によれば、一般労働者の転職者がいる事業所のうち、転職者を採用する際に「問題がある」と答えた割合は85.9%でした。
同調査で問題があるとした事業所の内訳では、「必要な職種に応募してくる人が少ないこと」が67.5%で最も高くなっています。次が「応募者の能力評価に関する客観的な基準がないこと」の38.3%、その次が「採用時の賃金水準や処遇の決め方」の37.7%です。
出所:厚生労働省『令和7年転職者実態調査』事業所調査 第14表(2026年9月25日公表・内訳は「問題がある」事業所を100とした割合)。
同じ表で情報通信業の事業所に限ると、問題があると答えた割合は91.6%で、全産業の85.9%を上回りました。最も高い問題は情報通信業でも「必要な職種に応募してくる人が少ないこと」で、65.9%と全産業の67.5%に近い水準です。
全産業との差が大きいのは2番目の「採用時の賃金水準や処遇の決め方」で、情報通信業は45.0%と全産業の37.7%を上回ります。一方で「応募者の能力評価に関する客観的な基準がないこと」は32.2%で、全産業の38.3%を下回りました。
出所:厚生労働省『令和7年転職者実態調査』事業所調査 第14表(2026年9月25日公表)。
情報通信業の事業所では、応募不足が最大の問題であるのは全産業と変わらず、そのうえで採用時の賃金水準や処遇の決め方に問題を抱える割合が高い、というのが統計の示す形です。表は産業ごとの集計で、エンジニアという職種に限った値ではないため、エンジニア採用への当てはめは推論です。それでも、募集の費目を削る前に、自社の詰まりが応募の数なのか、提示する賃金や処遇なのかを確かめておくと、削った後に何が細るかの見当がつきます。
求人広告や媒体の費用を削る前に、候補者が応募の前に見る採用ページと求人票の側を確かめておくと、入口のどこが弱いかの当たりがつきます。エンジニア採用力チェックは、企業の公開情報を5指標24項目で採点する無料の診断です。指標には採用情報の充実度と雇用条件の競争力が含まれます。
応募を待たずに候補者を集める設計は母集団形成とは?応募を待たない中途採用の設計で扱っています。
欠員が残るコストは、削った費用に計上されない
削減の判断でもう1つ抜けやすいのが、採用できなかった場合の負担です。欠員が続くことで生じる負担は、採用コストの帳簿に載りません。
厚生労働省『令和7(2025)年上半期雇用動向調査結果の概況』によれば、令和7年6月末日現在の未充足求人数は1,359.5千人、欠員率は2.6%でした。産業別の未充足求人数は「医療,福祉」が246.9千人で最も多く、「宿泊業,飲食サービス業」が219.3千人と続きます。
出所:厚生労働省『令和7(2025)年上半期雇用動向調査結果の概況』表7(令和7年6月末日現在)。
欠員が埋まらない間、その仕事は既存の従業員が引き受けます。残業代が増えるか、納期が延びるか、既存メンバーの離職が増えるかのいずれかです。どれも採用予算の外で発生するため、募集費を削った成果としては数字に残りません。
入社した人が早期に辞めた場合も同じ構図になります。同じポジションをもう一度募集すると、外部コストは2回分かかるのに、採用人数は1人のままです。定着の測り方は中途採用の定着率とは?測り方と平均が使えない理由で扱っています。
歩留まりを落とさずに減らせる費目は3つ
削っても採用の流れが細らない費目は、重なっている媒体費、使っていないオプションと自動更新、選考プロセスの手戻りの3つです。共通しているのは、候補者との接点を減らさずに済む点です。
重なっている媒体費
複数の媒体を同時に使っていると、同じ候補者層に二重三重に出稿していることがあります。媒体別に応募数と採用数を並べれば、重なりは数字で見えます。
判断の材料になるのは媒体ごとの採用数です。応募数が多くても採用に至らない媒体は、候補者層が自社の要件とずれています。媒体の選び分けを扱ったのがスカウト媒体の選び方|採用0人74.5%(スカウト経由)です。
採用数の手前の段を媒体ごとに見るなら、PV(ページビュー)から応募までの数値計測・要因分析・改善アクションの管理をまとめたExcelテンプレートが応募管理・求人媒体改善管理シートです。
使っていないオプションと自動更新
求人広告のオプション枠やスカウト媒体の上位プランは、契約時に足したまま使われずに残ることがあります。自動更新の設定も同じです。
これらを止めても応募数は変わりません。契約書と請求書を並べて、直近3か月で実際に使った機能だけを残します。
選考プロセスの手戻り
日程調整のやり直し、書類の再送、評価シートの回収漏れといった手戻りは、内部コストを押し上げながら候補者体験も悪くします。減らして失うものがない費目です。
工程を仕組みで受け止める方法はATS(採用管理システム)とは?法令上の義務と選定基準で扱っています。委託に出す判断は採用代行(RPO)の費用相場・料金体系・選び方の基本が受け皿です。
内訳を自社で並べる3ステップ
自社の内訳表は、請求書と時間記録の2つから作ります。他社の平均値を写しても、削る判断には使えません。
- 請求書を費目に割る。直近12か月の支払いを、求人広告・人材紹介・スカウト媒体・制作費・委託料に分けます。ここで必ず立てておく列が「採用0人でも発生するか」です
- 内部コストを時間で測る。工程ごとに関わった人数と時間を記録し、労働費用で置いた時間単価を掛けます
- 費目を採用の流れの段に結びつける。応募・書類選考・面接・内定承諾のどこに対応する費目かを並べ、自社の通過率が低い段に金額が寄っているかを確かめます
3つ目で判断が割れたときは、削る候補の費目が細らせる段と、自社の通過率が最も低い段が重なっているかどうかが分かれ目です。重なっていれば、その費目は削る順番の最後に回します。
来期の予算を組む段で使えるのが、採用戦略の立案から予算配分までの具体的な数値とモデルケースを収めたExcelテンプレートの採用計画テンプレートです。
職種を絞った内訳の目安はエンジニア採用コストの相場と内訳、削減のポイントにあります。社内紹介を費目として設計する方法の受け皿はリファラル採用とは?仕組み・制度設計と社員紹介を回すコツです。
採用コストを削る前に押さえる3点
採用コストの内訳は外部と内部で分けたところが出発点で、会計上の扱いで割り直すと、外部コストは支出、内部コストは時間の配分だとはっきりします。
厚生労働省『令和3年就労条件総合調査』で見ると、募集費は労働費用総額の約0.18%でした。ただし年額に直すと、従業員50人の企業で年約40万円と、人材紹介1件分の手数料に届きません。平均は調査対象の企業すべてを均した値なので、平均が小さいことを根拠に、自社に削る余地が無いと判断するのは早計です。
判断が速いのは、統計の平均と比べるやり方ではありません。自社の請求書を費目に割り、どの費目を止めると採用の流れのどこが細るかで順番を決めるやり方です。
入口の費目を削れば応募が減り、途中の費目を削れば通過率が下がります。重なっている媒体費・使っていないオプション・選考の手戻りの3つは、入口も通過率も細らせずに減らせる費目です。
自社の内訳表ができたら、次は1件あたりの単価に直します。分子と分母の置き方を扱ったのが採用単価の定義と、公的統計でわかる1件あたりの実額です。入口の費目を削る前に、候補者から見た自社の採用ページと求人票の状態を確かめたい場合は、エンジニア採用力チェックで5指標の採点を受け取れます。