エンジニアの採用単価は上がっていると言われます。どの費用がどれだけ上がったのかは、公的統計の職種別の値で確かめられます。
手がかりになるのは、厚生労働省が職種別に毎年公表している、人材紹介の手数料と就職件数です。年度を並べて割ると、エンジニア職の1件あたりの動きが見えてきます。
単価が上がった区分と横ばいの区分があること、単価が上がった年度の末には求人倍率も前年同月を上回っていたこと、その後は前年同月を下回っていることも、公的統計から読み取れる事実です。
エンジニアの採用単価は上がっていると言われます。どの費用がどれだけ上がったのかは、公的統計の職種別の値で確かめられます。
手がかりになるのは、厚生労働省が職種別に毎年公表している、人材紹介の手数料と就職件数です。年度を並べて割ると、エンジニア職の1件あたりの動きが見えてきます。
単価が上がった区分と横ばいの区分があること、単価が上がった年度の末には求人倍率も前年同月を上回っていたこと、その後は前年同月を下回っていることも、公的統計から読み取れる事実です。
監修者株式会社overflow / 編集担当
Offers HR Magazine編集部Offers HR Magazine 編集部は、株式会社overflow が運営する採用メディアの編集チームです。エンジニア採用に取り組む人事・採用担当者に向けて、採用手法・人事制度・組織づくりの情報を届けています。
人材紹介でエンジニアを採用したときの1件あたりの手数料は、厚生労働省の統計から算出すると、令和5年度の約146.3万円から令和6年度の約156.0万円へ、約6.6%上がりました。
採用単価には求人広告やスカウトの費用、社内の人件費も含まれます。そのうち職種別・年度別に公的な数字で追えるのが、人材紹介の手数料です。
厚生労働省の「令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」と令和5年度の同集計には、職種別の手数料合計と常用就職件数(有料)が載っています。手数料合計を件数で割った値を、年度ごとに並べると次のとおりです。
区分(厚生労働省の職業分類) | 令和5年度 | 令和6年度 | 増減率 |
|---|---|---|---|
情報処理・通信技術者(ソフトウェア開発) | 約150.0万円 | 約150.5万円 | 0.4%増 |
情報処理・通信技術者(ソフトウェア開発を除く) | 約140.9万円 | 約164.1万円 | 16.5%増 |
上の2区分の合計 | 約146.3万円 | 約156.0万円 | 6.6%増 |
(参考)全職種を同じ方法で割った値 | 約99.1万円 | 約110.6万円 | 11.6%増 |
出所:厚生労働省「職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」(令和5年度・令和6年度)をもとにOffers推計。
職種別の表の手数料合計は、常用就職に係る手数料より範囲の広い手数料収入の総額です。そのため、この割り算は厚生労働省が公表する常用就職1件あたりの手数料より高めに出ます。
年度どうし、職種どうしを比べるときは、同じ方法で割った値を並べるのが妥当です。令和6年度のエンジニア職は、同じ方法で割った全職種の約1.4倍の水準でした。
1件あたりの手数料が大きく上がったのは「情報処理・通信技術者(ソフトウェア開発を除く)」の区分で、ソフトウェア開発の区分はほぼ横ばいでした。
常用就職件数(有料)は、ソフトウェア開発が35,709件から39,780件へ11.4%増、ソフトウェア開発を除く区分が24,102件から26,882件へ11.5%増で、伸びはほぼ同じです。
手数料合計の伸びには差があります。ソフトウェア開発は53,560,005千円から59,879,286千円へ11.8%増、ソフトウェア開発を除く区分は33,956,529千円から44,105,211千円へ29.9%増でした。
件数の伸びが同じで手数料の伸びが違うため、1件あたりの差として表れた形です。エンジニアとひとくくりにせず、募集するポジションがどちらの区分に近いかを見て予算を置くと、見込みのずれを小さくできます。
令和4年度までの報告は「情報処理・通信技術者」が1つの区分で、令和5年度からの2区分とはそのまま比べられません。
令和5年度の集計結果は、表の注で「厚生労働省編職業分類の改訂により令和5年度事業報告から中分類の内容が変更された」と断っています。
参考として令和4年度の集計を同じ方法で割ると、情報処理・通信技術者は手数料合計79,604,545千円、常用就職件数(有料)55,093件で、1件あたり約144.5万円です。分類が違うため、令和5年度以降との増減率は出していません。
厚生労働省が公表する全職種の常用就職1件あたりの手数料は、令和5年度の約93万円から令和6年度の約103万円へ、10.9%増えました。
報告年度 | 常用就職1件あたりの手数料 | 対前年度比 |
|---|---|---|
令和4年度 | 約94万円 | 10.8%増 |
令和5年度 | 約93万円 | 1.0%減 |
令和6年度 | 約103万円 | 10.9%増 |
出所:厚生労働省「職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」(令和4年度・令和5年度・令和6年度)。
3年を並べると、毎年同じ幅で上がっているわけではなく、令和5年度はわずかに下がっています。1年分の増減率を、そのまま翌年以降へ延ばして予算を組むのは避けたいところです。
令和6年度の伸び率だけを見ると、エンジニア職の2区分の合計(約6.6%増)は、同じ方法で割った全職種(約11.6%増)を下回っています。金額の水準はエンジニア職が全職種より高いままで、伸び率は全職種のほうが大きい年でした。
採用単価そのものの定義は採用単価の定義と、公的統計でわかる1件あたりの実額で、職種別の全表は人材紹介の費用、職種別の1件あたり実額と課金モデルで扱っています。
エンジニア職の1件あたりで割った値が上がったのは、常用就職件数(有料)の伸びより、手数料合計の伸びが大きかったためです。
情報処理・通信技術者(2区分の合計) | 令和5年度 | 令和6年度 | 増減率 |
|---|---|---|---|
常用就職件数(有料) | 59,811件 | 66,662件 | 11.5%増 |
手数料合計 | 87,516,534千円 | 103,984,497千円 | 18.8%増 |
出所:厚生労働省「職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」(令和5年度・令和6年度)をもとにOffers推計。
件数が増えただけなら、件数で割った値は変わりません。手数料合計が件数を上回って伸びたため、1件あたりで割った値が上がりました。
令和6年度の末にあたる2025年3月には、情報処理・通信技術者の求人倍率も前年同月を上回っていました。時点ごとの求人倍率は、後の章の表のとおりです。
来期の予算は、直近年度の1件あたりの額を基準に置き、自社の実績と契約条件で補正して組みます。統計の伸び率を機械的に掛けるより、ずれを小さくできる組み方です。
人材紹介の予算は、令和6年度の1件あたり約156.0万円(2区分の合計・Offers推計)を基準に、自社が過去に支払った1件あたりの額を重ねて決めます。
たとえば来期に人材紹介経由で3人の採用を見込むなら、基準は約156.0万円の3人分で約468万円です。自社の過去の支払いが統計より高ければ、高い側に合わせるのが安全です。
募集するポジションがソフトウェア開発を除く区分に近い場合は、令和6年度の約164.1万円を基準にしたほうが、実際の請求に近づきます。
人材紹介の比重を見直すときに先に確かめたいのは、求人票と採用ページの公開情報がエンジニアからどう見えているかです。
自社の公開情報の見え方は、エンジニア採用力チェックで確かめられます。企業の公開情報をAIが横断解析して5指標24項目でスコアリングし、レポートが1営業日以内に届く無料の診断です。
人材紹介を使い続けるポジションでは、取引している紹介会社の手数料表が前年からどう変わったかを確かめ、統計の値と並べて予算を置きます。
手数料の制度と返戻金の条件の比べ方、外部コストと内部コストの内訳、採用手法ごとの費用の出方、削る順番は、エンジニア採用コストの相場と内訳、削減のポイントにまとめました。
情報処理・通信技術者の求人倍率は、1件あたりの手数料が上がった令和6年度の末にあたる2025年3月には、前年同月を上回っていました。前年同月を下回ったのは、その後の2026年3月と2026年8月です。
厚生労働省「一般職業紹介状況」の参考統計表(常用・パートタイムを除く・原数値)から、3つの時点の値と前年同月差を並べると次のとおりです。原数値のため、各時点は前年の同じ月と比べます。
時点 | 情報処理・通信技術者の新規求人倍率(前年同月差) | 同・有効求人倍率(前年同月差) | 職業計の新規求人倍率 | 同・有効求人倍率 |
|---|---|---|---|---|
3.97倍(+0.16) | 1.78倍(+0.04) | 2.01倍 | 1.24倍 | |
2.89倍(-1.08) | 1.54倍(-0.24) | 1.88倍 | 1.17倍 | |
3.13倍(-0.44) | 1.48倍(-0.10) | 2.06倍 | 1.17倍 |
出所:厚生労働省「一般職業紹介状況」参考統計表(令和7年3月分・令和8年3月分・令和8年8月分)。
2025年3月の情報処理・通信技術者は、前年同月と比べて新規求人倍率が0.16ポイント、有効求人倍率が0.04ポイント上がりました。1件あたりの手数料が上がった令和6年度は、年度末の3月の求人倍率も前年同月を上回った年度です。
3時点とも、情報処理・通信技術者の求人倍率は職業計を上回っています。
2026年3月の情報処理・通信技術者は、前年同月と比べて新規求人倍率が1.08ポイント、有効求人倍率が0.24ポイント下がりました。2026年8月も、前年同月差は新規で0.44ポイント、有効で0.10ポイントのマイナスです。
2026年の値は、1件あたりの手数料を算出した令和6年度より後の時点の動きです。求人倍率の低下が1件あたりの手数料にどう表れるかは、次の年度の職業紹介事業報告で確かめることになります。
来期の予算では、単価が上がり続ける前提と下がる前提のどちらにも寄せすぎず、直近年度の実額を基準に置くのが無理のない考え方です。
エンジニアの採用単価は、人材紹介1件あたりの手数料で見ると令和5年度から令和6年度に約6.6%上がり、上昇はソフトウェア開発を除く区分に集中していました。
来期の予算は、直近年度の1件あたりの額を基準に、自社の支払い実績と紹介会社の手数料表で補正して置くのが、推移を踏まえた組み方です。
求人を出して待つ採用から、先に出会いにいく採用へ。
Offers AI RPOは、採用計画の策定から候補者選定・面談調整までAIと専門チームが伴走。転職市場に出る前のエンジニアにアプローチできます。
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よくあるご相談
支援実績(一部)
人材紹介のKPIは、売上を決定数と決定単価に割り、決定単価から逆算して組みます。入口の単価は厚生労働省の職業紹介事業報告書で外枠を置け、令和6年度の常用就職1件あたり手数料は約103万円です。
株式会社overflow 代表取締役 CEO
鈴木 裕斗
IT人材の単価は、業界団体JISAの会員約300社の統計から間接的に追えます。従業員1人あたりの人件費は2022年度の789万円から2024年度の900万円へ、2年で14.1%伸びました。
株式会社overflow 代表取締役 CEO
鈴木 裕斗
内製化とは、外部に委託していた業務を自社の人員で行う体制へ切り替えることです。JUASの企業IT動向調査2026では、システム開発を完全内製化する方針の国内ユーザー企業は4.5%にとどまります。
株式会社overflow 代表取締役 CEO
鈴木 裕斗
パラダイムシフトとは、時代や分野で当たり前とされてきた共通の認識や思考の枠組みが、大きく変わることを指す言葉です。具体例には、2007年のiPhone登場に始まるスマートフォンの普及があります。
株式会社overflow 編集担当
Offers HR Magazine編集部
ウーマノミクスとは、女性の経済的な力を引き出して日本経済の活性化を図る政策で、労働力不足の解消や経済成長が狙いです。2013年に安倍政権が成長戦略で女性の活躍を中核に据え、言葉が広まりました。
株式会社overflow 編集担当
Offers HR Magazine編集部
ベースアップとは、全従業員の基本給を業績や能力と無関係に一律で引き上げる仕組みで、定期昇給とは区別されます。基本給200,000円に5,000円を足す定額方式なら、新しい基本給は205,000円です。
株式会社overflow 編集担当
Offers HR Magazine編集部

開催予定日:2026/10/29(木) 12:00〜13:00 Live配信、2026/11/9(月) 12:00〜13:00 アーカイブ配信
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開催予定日:2026/10/22(木) 12:00〜13:00 Live配信、2026/10/26(月) 12:00〜13:00 アーカイブ配信
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2026年10月28日(水)11:00〜16:30 ※Offers登壇セッション(SESSION 04)は14:10〜14:50です
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