復職制度とは?企業が導入するメリットとデメリットを解説

Offers HR Magazine編集部 2023年9月11日

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こんにちは。エンジニア、PM、デザイナーの副業・転職採用サービス「Offers(オファーズ)」のOffers HR Magazine編集部です。

近年、優秀な人材の確保が企業にとって重要な課題となっています。その中で注目を集めているのが「復職制度」です。この記事では、復職制度の概要やメリット・デメリット、導入事例などを詳しく解説し、採用担当者の方々が制度導入を検討する際の参考となる情報を提供します。

優秀な人材の流出を防ぎ、再び組織に迎え入れるための仕組みである復職制度は、企業にとって大きなメリットをもたらす可能性を秘めています。一方で、導入には慎重な検討が必要となる側面も持ち合わせています。本記事を通じて、復職制度の多角的な理解を深めていただければ幸いです。

これから、復職制度の概要から具体的な導入事例までを網羅的に解説していきます。企業の成長と発展に寄与する人材戦略の一環として、復職制度の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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復職制度とは?

復職制度とは、一度退職した従業員が一定の条件を満たした場合に、再び同じ企業に再雇用されることを可能にする制度です。出産、育児、介護などのライフイベントや、自身のキャリアアップのために一度退職した従業員が、再び同じ企業で働くことができる機会を提供することで、企業は優秀な人材の流出を防ぎ、円滑な復帰を支援することができます。

この制度は、企業にとって優秀な人材の確保と定着、そして企業イメージの向上に繋がる有効な手段として認識されています。従業員にとっても、一度退職した企業に再び戻れるという安心感を得ることができ、仕事とプライベートの両立を図りやすくなるというメリットがあります。

復職制度の定義と概要

復職制度は、企業によって定義や内容が異なる場合がありますが、一般的には、過去に一定期間以上勤務していた従業員を対象としています。退職理由や期間、職種、役職など、復職の条件は企業によって様々です。

例えば、出産や育児を理由に退職した従業員を対象とした制度や、一定期間以上のキャリアアップのための転職を経験した従業員を対象とした制度など、企業のニーズや方針に合わせて設計されています。

復職制度の概要を理解することは、企業の人材戦略を考える上で非常に重要です。従業員のライフステージの変化に対応し、多様な働き方を支援することで、企業は優秀な人材を確保し、持続的な成長を図ることができます。

復職制度の種類

復職制度には、大きく分けて2つの種類があります。一つは、特定の退職理由を持つ従業員を対象とした「限定型」で、もう一つは、退職理由を問わない「一般型」です。限定型は、出産・育児、介護などを理由に退職した従業員を対象とする場合が多く、一般型は、より幅広い人材の復職を促進することを目的としています。

限定型は、特定のライフイベントに対応することで、従業員のワークライフバランスを支援し、企業への帰属意識を高める効果が期待できます。一方、一般型は、より多様な人材の復職を促進することで、企業の活性化やイノベーションの創出に繋がる可能性があります。

企業は、自社の状況やニーズに合わせて、適切な種類の復職制度を導入することが重要です。限定型と一般型、それぞれのメリットとデメリットを比較検討し、最適な制度設計を行うことが求められます。

復職制度の現状と導入企業の割合

復職制度の導入は、近年増加傾向にあります。厚生労働省の調査によると、2023年時点で、従業員301人以上の企業における復職制度の導入率は、約60%に達しています。(参考:厚生労働省「令和3年度雇用均等基本調査」)

特に、大企業においては、人材確保競争の激化や、従業員の多様な働き方へのニーズの高まりを受けて、復職制度の導入が積極的に進められています。中小企業においても、優秀な人材の流出を防ぎ、企業の競争力を維持するために、復職制度の導入を検討する企業が増えています。

復職制度の導入は、企業にとって、優秀な人材の確保と定着、企業イメージの向上など、様々なメリットをもたらす可能性があります。今後の社会情勢の変化や、従業員の働き方に対する意識の変化を踏まえ、復職制度の導入を検討することが、企業の持続的な成長にとって重要となるでしょう。

復職制度のメリット

復職制度を導入することで、企業は様々なメリットを得ることができます。採用コストの削減、即戦力の確保、企業イメージの向上など、多岐にわたるメリットを理解することで、企業はより効果的に復職制度を活用することができます。

これらのメリットは、企業の成長と発展に大きく貢献する可能性を秘めています。特に、人材確保が重要な課題となっている現代において、復職制度は、企業にとって非常に有効な手段と言えるでしょう。

以下では、復職制度の主なメリットについて、詳しく解説していきます。それぞれのメリットを深く理解することで、企業は自社の状況に合わせた最適な制度設計を行うことができます。

採用コストの削減

復職制度を導入することで、新規採用にかかるコストを削減することができます。採用活動には、募集広告の掲載費用、面接や選考にかかる人件費、研修費用など、様々なコストが発生します。復職制度を活用することで、これらのコストを大幅に削減することが可能となります。

特に、経験者採用においては、採用コストが高額になる傾向があります。復職制度は、一度退職した経験者を再雇用することで、採用コストを抑えながら、即戦力となる人材を確保することができます。

採用コストの削減は、企業の経営にとって大きなメリットとなります。限られた経営資源を有効活用し、より効率的な人材戦略を展開するためにも、復職制度の導入は有効な手段と言えるでしょう。

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即戦力の確保

復職制度を利用して再雇用された従業員は、過去の経験や知識を活かして、即戦力として活躍することが期待できます。企業文化や業務内容を既に理解しているため、新たに教育や研修を行う必要がなく、スムーズに業務に復帰することができます。

特に、専門性の高い職種や、高度なスキルが求められる職種においては、即戦力となる人材の確保は非常に重要です。復職制度は、そのような人材を効率的に確保するための有効な手段となります。

即戦力の確保は、企業の競争力強化に直結します。迅速な事業展開や、新たな市場への進出を図るためにも、復職制度の活用は大きなメリットをもたらすでしょう。

企業イメージの向上

復職制度の導入は、従業員にとって働きやすい環境を提供する企業として、社会的に評価され、企業イメージの向上に繋がります。ワークライフバランスを重視する求職者にとって、復職制度の有無は、企業選びの重要な判断基準となる場合もあります。

特に、近年では、企業の社会的責任(CSR)に対する関心が高まっており、従業員に対する配慮や多様な働き方の支援は、企業の評価を大きく左右する要因となっています。復職制度の導入は、企業の社会的責任を果たすための具体的な取り組みとして、高く評価されるでしょう。

企業イメージの向上は、優秀な人材の獲得にも繋がります。魅力的な職場環境を提供することで、より多くの優秀な人材を引きつけることができ、企業の成長を促進することができます。

復職制度のデメリット

復職制度には、メリットだけでなく、デメリットも存在します。導入前にデメリットをしっかりと理解し、適切な対策を講じることで、制度を円滑に運用し、効果を最大化することができます。

デメリットを軽視してしまうと、制度導入後に予期せぬトラブルが発生し、企業にとって大きな負担となる可能性もあります。そのため、メリットだけでなく、デメリットも十分に考慮した上で、制度導入を検討することが重要です。

以下では、復職制度の主なデメリットについて、詳しく解説していきます。それぞれのデメリットを理解し、適切な対策を講じることで、制度の有効性を高めることができます。

既存社員との摩擦

復職制度を利用して再雇用された従業員と、既存社員との間に摩擦が生じる可能性があります。復職者は、以前の経験や知識を活かして、比較的高い役職や待遇で復帰する場合があり、既存社員から不満や反発を受ける可能性があります。

また、復職者が以前の職場環境や人間関係に馴染めず、周囲とのコミュニケーションがうまくいかない場合も考えられます。このような状況は、職場全体の士気を低下させ、生産性の低下に繋がる可能性があります。

既存社員との摩擦を回避するためには、復職制度の内容や条件を明確化し、公平性を保つことが重要です。また、復職者に対する研修やサポート体制を充実させることで、スムーズな職場復帰を支援することが必要です。

安易な退職の増加

復職制度の存在が、従業員の安易な退職を助長する可能性があります。「いつでも戻ってこられる」という安心感から、転職や独立を安易に考えてしまう従業員が増える可能性があります。

特に、若手社員においては、キャリアアップやスキルアップを目指して、転職を希望する傾向が強いため、復職制度の存在が、転職を促進する要因となる可能性があります。

安易な退職の増加を防ぐためには、復職制度の利用条件を厳格化したり、復職後のキャリアパスを明確化したりすることで、従業員の長期的なキャリア形成を支援することが重要です。また、従業員との定期的な面談を通じて、キャリアに関する相談に乗ることも有効です。

新しい価値観の導入が遅れる可能性

復職制度を利用して再雇用された従業員は、過去の経験や知識に固執し、新しい価値観や仕事の進め方を受け入れにくい場合があります。これは、企業のイノベーションを阻害し、成長を妨げる要因となる可能性があります。

特に、急速に変化するビジネス環境においては、常に新しい情報や技術を取り入れ、変化に対応していくことが求められます。復職者が過去の経験に固執してしまうと、企業の競争力低下に繋がる可能性があります。

新しい価値観の導入を促進するためには、復職者に対する研修プログラムを充実させ、最新の知識や技術を習得する機会を提供することが重要です。また、社内での情報共有を活発化し、新しいアイデアや意見を積極的に取り入れる風土を醸成することが必要です。

復職制度を導入する際のポイント

復職制度を効果的に運用するためには、導入前にいくつかの重要なポイントを検討する必要があります。制度設計から運用まで、それぞれの段階で注意すべき点を押さえることで、制度の成功確率を高めることができます。

適切な制度設計と運用は、企業と従業員双方にとってメリットをもたらします。逆に、不十分な検討や準備不足は、制度の失敗に繋がり、企業にとって大きな損失となる可能性もあります。

以下では、復職制度を導入する際のポイントについて、詳しく解説していきます。それぞれのポイントを理解し、適切な対策を講じることで、制度の有効性を最大限に引き出すことができます。

明確な応募条件の設定

復職制度を導入する際には、応募条件を明確に設定することが重要です。退職理由、退職期間、職種、役職など、どのような条件を満たせば復職できるのかを明確にすることで、応募者にとって分かりやすく、公平な制度運営が可能となります。

応募条件があいまいだと、復職を希望する従業員が戸惑い、制度の利用をためらってしまう可能性があります。また、条件が明確でないことで、不公平感が生じ、従業員間のトラブルに発展する可能性もあります。

応募条件を設定する際には、自社の状況やニーズを考慮し、どのような人材を復職させたいのかを明確にすることが重要です。また、条件を定期的に見直し、時代の変化や社会情勢に合わせて、柔軟に対応していくことも必要です。

制度の周知と理解促進

復職制度を導入した後は、従業員に対して制度の内容をしっかりと周知し、理解を促進することが重要です。社内報やイントラネットなどを活用し、制度の概要や応募条件、手続きなどを分かりやすく説明することで、従業員の利用を促進することができます。

制度の内容が従業員に伝わっていなければ、せっかく導入した制度も有効活用されず、期待した効果を得ることができません。また、理解不足から誤解や不満が生じ、制度の運用に支障をきたす可能性もあります。

制度の周知と理解促進のためには、説明会や研修などを実施することも有効です。また、従業員からの質問や相談に、丁寧に対応できる窓口を設けることも重要です。

多様な雇用形態の提供

復職制度を導入する際には、正社員だけでなく、契約社員やパートタイムなど、多様な雇用形態を提供することが重要です。従業員のライフステージやキャリアプランに合わせて、柔軟な働き方を選択できるようにすることで、より多くの従業員の復職を促進することができます。

復職を希望する従業員の中には、子育てや介護などの事情により、フルタイムでの勤務が難しい場合もあります。多様な雇用形態を提供することで、そのような従業員も復職しやすく、企業は幅広い人材を活用することができます。

多様な雇用形態を提供するためには、それぞれの雇用形態における待遇や条件を明確化し、公平性を保つことが重要です。また、それぞれの雇用形態におけるキャリアパスを明確にすることで、従業員のモチベーション向上にも繋がります。

復職制度の導入事例

ここでは、実際に復職制度を導入し、成果を上げている企業の事例を紹介します。具体的な事例を参考にすることで、自社に最適な制度設計や運用方法を考えることができます。

様々な企業の取り組みを知ることで、復職制度の多様な可能性が見えてきます。成功事例だけでなく、失敗事例から学ぶことも重要です。それぞれの事例を分析し、自社の状況に合わせて、最適な制度を構築していくことが重要です。

以下では、代表的な企業の復職制度の導入事例について、詳しく解説していきます。それぞれの企業がどのような目的で制度を導入し、どのような成果を上げているのか、具体的に見ていきましょう。

株式会社ニトリの事例

株式会社ニトリは、出産や育児、介護などを理由に退職した従業員を対象とした復職制度を導入しています。退職後3年以内であれば、以前と同じ雇用形態、待遇で復職することができ、復職後のキャリアサポートも充実しています。

ニトリは、この制度を通じて、優秀な人材の流出を防ぎ、従業員のワークライフバランスを支援することで、企業の競争力強化を目指しています。復職した従業員は、これまでの経験や知識を活かして、即戦力として活躍しており、制度は大きな成果を上げています。

ニトリの事例は、従業員のライフイベントに対応した復職制度が、企業にとって大きなメリットをもたらすことを示しています。従業員の多様な働き方を支援することで、企業は優秀な人材を確保し、持続的な成長を図ることができます。

株式会社明治の事例

株式会社明治は、退職理由を問わない、一般型の復職制度を導入しています。退職後5年以内であれば、誰でも復職を申請することができ、職種や雇用形態も自由に選択することができます。

明治は、この制度を通じて、多様な人材の復職を促進し、企業の活性化とイノベーションの創出を目指しています。復職した従業員は、それぞれの経験やスキルを活かして、様々な分野で活躍しており、制度は大きな成果を上げています。

明治の事例は、退職理由を問わない、一般型の復職制度が、企業にとって大きなメリットをもたらすことを示しています。多様な人材を受け入れることで、企業は新たな視点やアイデアを獲得し、競争力を強化することができます。

大同生命保険株式会社の事例

大同生命保険株式会社は、復職制度に加えて、再雇用制度も導入しています。復職制度は、退職後3年以内であれば、以前と同じ雇用形態、待遇で復職できる制度で、再雇用制度は、退職後5年以内であれば、契約社員として再雇用される制度です。

大同生命は、これらの制度を通じて、従業員のライフステージの変化に対応し、多様な働き方を支援することで、従業員の定着率向上と企業の成長を目指しています。復職者や再雇用者は、それぞれの経験やスキルを活かして、活躍しており、制度は大きな成果を上げています。

大同生命の事例は、復職制度と再雇用制度を組み合わせることで、より効果的に人材を確保し、活用できることを示しています。従業員の多様なニーズに対応することで、企業は優秀な人材を長く確保できるため、競争力を維持することができます。

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まとめ

復職制度は、企業にとって優秀な人材の確保と定着、企業イメージの向上など、様々なメリットをもたらす可能性を秘めています。一方で、既存社員との摩擦や安易な退職の増加など、デメリットも存在します。導入を検討する際には、これらのメリットとデメリットを十分に理解し、自社の状況に合わせて適切な制度設計を行うことが重要です。復職制度の導入は、企業の持続的な成長にとって、重要な戦略の一つとなるでしょう。

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