エンパワメントとは?ビジネスにおける重要性と導入のポイント

Offers HR Magazine編集部 2024年8月5日

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こんにちは。エンジニア、PM、デザイナーの副業・転職採用サービス「Offers(オファーズ)」のOffers HR Magazine編集部です。近年、ビジネスシーンにおいて「エンパワメント」という言葉をよく耳にするようになりました。組織の活性化や生産性向上に繋がるとして、多くの企業がエンパワメントを導入しようと試みています。しかし、エンパワメントとは一体何なのか、具体的にどのように導入すればいいのか、疑問に思う方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、エンパワメントの意味や重要性、導入における具体的なステップや注意点まで、詳しく解説していきます。特に採用担当者の方々に向けて、組織をより良くするためのヒントとして、ぜひ参考にしてみてください。

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エンパワーメントとは何か

エンパワメントの本来の意味や、エンゲージメントとの違いについて理解を深めていきましょう。

エンパワーメントの定義

エンパワメント(Empowerment)とは、直訳すると「権限を与えること」や「能力を与えること」という意味です。ビジネスシーンにおいては、従業員一人ひとりに責任と権限を委譲し、自発的に行動や意思決定ができる状態にすることを指します。従来のトップダウン型の組織とは異なり、従業員が主体的に考え、行動することで、組織全体の活性化やパフォーマンス向上を目指していくという考え方です。従業員は、ただ指示された業務をこなすだけでなく、自ら課題を見つけ、解決策を考え、実行に移すことができるようになります。そのため、エンパワメントは、従業員のモチベーション向上やスキルアップにも繋がると考えられています。

エンパワーメントとエンゲージメントの違い

エンパワメントとよく混同される言葉に「エンゲージメント」があります。エンゲージメントとは、従業員が組織や仕事に対して、積極的に関わり、貢献しようとする意欲や状態のことを指します。エンパワメントとエンゲージメントは密接に関係していますが、明確な違いがあります。エンゲージメントは従業員の自発的な貢献意欲を指すのに対し、エンパワメントはその意欲を引き出し、発揮するための環境や仕組みを提供することを指します。つまり、エンパワメントはエンゲージメントを高めるための手段のひとつと言えるでしょう。従業員がエンパワーメントされることで、自らの仕事に責任とやりがいを感じ、エンゲージメントが高まり、結果として組織全体の成長に繋がっていくのです。

エンパワーメントの重要性

現代のビジネス環境において、エンパワメントがなぜ重要視されているのか、その背景や理由を探っていきましょう。

ビジネスにおけるエンパワーメントの役割

グローバル化や技術革新が急速に進む現代において、企業は常に変化に対応し、競争力を維持していく必要があります。そのような状況下で、エンパワメントは非常に重要な役割を担っています。従来のように、経営層だけが意思決定を行うトップダウン型の組織では、変化への対応が遅れ、競争に勝ち抜くことは難しくなってきています。一方、エンパワーメントされた組織では、現場の従業員が状況に応じて柔軟かつ迅速に判断し、行動することができます。これにより、企業は変化に機敏に対応し、新たなイノベーションを生み出すことが可能になります。エンパワメントは、単なる従業員満足度向上のための施策ではなく、企業の持続的な成長を実現するための重要な戦略なのです。

エンパワーメントが注目される理由

近年、エンパワメントが注目されている背景には、労働環境の変化や従業員の価値観の多様化があります。従来の終身雇用制度が崩壊し、転職が当たり前になった現代において、企業は優秀な人材を確保・維持するために、従業員の働きがいを高めることが求められています。また、ミレニアル世代やZ世代といった若い世代を中心に、自分の意見やアイデアを活かせる仕事、成長を実感できる仕事を求める傾向が強まっています。エンパワメントは、このような従業員のニーズに応えるための有効な手段として、多くの企業で導入が進められています。従業員一人ひとりの能力を最大限に引き出し、組織全体の力を高めることが、企業の競争力強化に不可欠となっているのです。

エンパワーメントとVUCA時代

「VUCA(ブーカ)」とは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字をとった言葉で、現代社会の不安定で予測困難な状況を指します。VUCA時代においては、従来の計画に基づいた経営手法では対応が難しく、変化に柔軟に対応できる組織体制が求められます。エンパワメントは、まさにVUCA時代を乗り切るための重要な鍵と言えるでしょう。現場の従業員が状況に応じて自律的に判断し、行動することで、不確実な状況にも迅速に対応し、変化をチャンスに変えることができるのです。エンパワーメントされた組織は、VUCA時代においても、持続的な成長を遂げることができると考えられます。

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エンパワメントのメリットとデメリット

エンパワメントを導入する際には、メリットだけでなく、デメリットも理解しておくことが重要です。

エンパワメントのメリット

エンパワメントを導入することで、企業は様々なメリットを得ることができます。まず、従業員のモチベーションやエンゲージメントが向上し、生産性向上や離職率低下に繋がることが期待できます。また、従業員一人ひとりが積極的にアイデアを出し、行動することで、イノベーションが促進され、新たなビジネスチャンスの創出にも繋がります。さらに、従業員が自律的に問題解決に取り組むようになるため、管理職の負担軽減にも効果的です。エンパワメントは、従業員と企業の双方にとって、大きなメリットをもたらすと言えるでしょう。

メリット

詳細

従業員モチベーションの向上

責任と権限が与えられることで、仕事へのやりがいを感じ、モチベーションが向上します。

エンゲージメントの向上

組織や仕事への貢献意欲が高まり、積極的に業務に取り組むようになります。

生産性の向上

主体的に行動し、効率的に業務を遂行することで、生産性が向上します。

離職率の低下

仕事への満足度が高まり、離職率の低下に繋がります。

イノベーションの促進

従業員の自由な発想やアイデアが促進され、イノベーションが生まれやすくなります。

管理職の負担軽減

従業員が自律的に行動するため、管理職の負担が軽減されます。

エンパワメントのデメリット

一方で、エンパワメントにはデメリットも存在します。従業員に適切な権限委譲やサポートを行わないまま、エンパワメントを進めてしまうと、混乱が生じたり、逆に従業員の負担が増加してしまう可能性があります。また、従業員によっては、責任やプレッシャーを感じてしまい、モチベーションが低下してしまう場合もあるでしょう。さらに、エンパワメントを導入するためには、研修や教育など、一定のコストと時間がかかることも考慮しなければなりません。エンパワメントを成功させるためには、これらのデメリットを理解した上で、適切な対策を講じることが重要です。

デメリット

詳細

混乱が生じる可能性

適切な権限委譲やサポートがない場合、混乱が生じる可能性があります。

従業員の負担増加

責任や業務量が増加し、従業員の負担が増加する可能性があります。

モチベーションの低下

責任やプレッシャーを感じてしまい、モチベーションが低下する可能性があります。

コストと時間がかかる

研修や教育など、エンパワメント導入にはコストと時間がかかります。

エンパワメントの具体例

様々な企業がエンパワメントを導入し、成果を上げています。ここでは、具体的な事例をいくつか見ていきましょう。

星野リゾートの事例

星野リゾートでは、「サービスとはマニュアルではなく、一人ひとりのスタッフのホスピタリティによって生まれるもの」という考えのもと、従業員のエンパワメントを積極的に推進しています。従業員は、お客様のニーズに合わせて、自ら判断し、行動することが encouraged されます。例えば、お客様の誕生日を事前に把握し、サプライズでお祝いするといった、マニュアルにないサービスを提供することも可能です。このような取り組みを通して、従業員のモチベーション向上と顧客満足度向上を実現しています。従業員一人ひとりがお客様のために何ができるかを考え、行動することで、独自のサービスを生み出し、顧客に特別な体験を提供することに成功しています。

リッツ・カールトンの事例

世界最高峰のホスピタリティを提供することで知られるリッツ・カールトンでは、従業員一人ひとりに、顧客満足度向上のための裁量権が与えられています。「エンパワーメント」と呼ばれるこの制度では、従業員は、顧客の要望に対して、上司の許可を得ることなく、最大2,000USドルまで、自身の判断で対応することができます。これにより、顧客の要望に迅速かつ柔軟に対応することが可能となり、顧客満足度の向上に大きく貢献しています。従業員のエンパワーメントを重視することで、顧客一人ひとりに寄り添った、きめ細やかなサービスを提供することに成功しているのです。

スターバックスコーヒージャパンの事例

スターバックスコーヒージャパンでは、「パートナー」と呼ばれる従業員一人ひとりが、お客様との繋がりを大切にし、最高のコーヒー体験を提供することを目指しています。パートナーは、お客様の好みや気分に合わせて、おすすめのドリンクやフードを提案したり、時にはお客様との会話を楽しむこともあります。また、地域社会への貢献活動にも積極的に参加することで、地域との繋がりを深めています。スターバックスは、パートナーのエンパワーメントを通して、単なるコーヒーショップではなく、地域社会におけるコミュニティスペースとしての役割も担っています。

エンパワーメントを成功させるためのステップ

エンパワメントを効果的に導入するためには、段階的なステップを踏むことが重要です。

初期段階:指示と指導

エンパワメントの導入初期段階では、従業員に明確な指示と指導を行うことが重要です。まず、エンパワメントの目的や意義をしっかりと理解させ、どのような行動が求められているのかを明確に伝える必要があります。また、業務に必要な知識やスキルを習得するための研修やトレーニングを実施することも重要です。この段階では、従業員が安心して業務に取り組めるよう、上司や先輩からの丁寧なサポートが不可欠です。従業員が安心して新しい役割や責任を受け入れられるよう、積極的にコミュニケーションを取り、疑問や不安を解消していくことが重要です。

中期段階:合意と援助

従業員が基本的な知識やスキルを習得したら、次の段階として、従業員との合意形成と積極的な援助を行います。従業員自身に、どのような目標を設定し、どのように業務を進めていくのかを考えさせ、上司と合意することで、主体性を育むことができます。また、業務遂行における課題や問題点に対しては、上司が積極的にサポートし、解決策を一緒に考えることで、従業員の成長を促すことができます。この段階では、従業員の自主性を尊重しつつ、適切なアドバイスやフィードバックを提供することが重要です。従業員が自信を持って業務に取り組めるよう、積極的に関わり、励まし続けることが重要です。

最終段階:全面的な委任

最終段階では、従業員に全面的に業務を委任し、自律的な行動を促します。ただし、完全に放置するのではなく、定期的な面談やフィードバックを通して、進捗状況を確認したり、課題解決のサポートを行うことが重要です。また、従業員が成果を上げた際には、しっかりと評価し、承認することで、更なるモチベーション向上に繋げることができます。この段階では、従業員が自身の能力を最大限に発揮できるよう、信頼関係を築き、安心して挑戦できる環境を提供することが重要です。従業員の成長を信じ、積極的に任せることで、組織全体の成長にも繋がっていくのです。

従業員のエンパワーメントを高める方法

従業員のエンパワーメントを高めるためには、具体的な施策を導入することが重要です。

決定権を与える

従業員に決定権を与えることは、エンパワメントを高める上で非常に効果的な方法です。従来のように、上司がすべての決定を行うのではなく、従業員自身が業務に関する判断や意思決定を行うことができるようにすることで、責任感や主体性を育むことができます。ただし、いきなり大きな決定権を与えるのではなく、まずは小さなことから始め、徐々に範囲を広げていくことが重要です。従業員の経験や能力に合わせて、適切なレベルの決定権を委譲することで、自信とモチベーションを高めることができます。

成功体験を増やす

成功体験を増やすことも、エンパワメントを高める上で重要な要素です。小さな成功体験を積み重ねることで、自信がつき、より難しい課題にも挑戦する意欲が湧いてきます。上司は、従業員が成功体験を得られるよう、適切な目標設定やサポートを行う必要があります。また、成功した際には、しっかりと認め、 praise することで、更なるモチベーション向上に繋げることができます。従業員の努力や成果を認め、積極的に評価することで、成長を促進し、エンパワメントを高めることができるでしょう。

トラブルに対する対処法

エンパワメントされた従業員が、業務遂行中にトラブルに直面することもあります。そのような場合、上司は適切なアドバイスやサポートを提供することで、従業員が自ら問題解決できるよう導く必要があります。また、トラブル発生時の対応マニュアルを作成したり、研修を実施することで、事前に対処法を学ぶ機会を提供することも重要です。トラブルを乗り越える経験を通して、従業員は resilience を身につけ、より成長することができます。失敗を恐れず、挑戦できる環境を作ることで、従業員のエンパワメントを高めることができるでしょう。

エンパワーメントを導入する上での注意点

エンパワメントを導入する際には、いくつかの注意点があります。

決定や判断が苦手な人への対応

エンパワメントは、すべての従業員にとって効果的なわけではありません。中には、決定や判断を苦手とする従業員もいます。そのような従業員に対しては、エンパワメントを強制するのではなく、個々の特性に合わせて、適切なサポートを提供することが重要です。例えば、意思決定のためのトレーニングを実施したり、メンター制度を導入することで、自信をつけ、徐々にエンパワーメントを進めていくことができます。従業員一人ひとりの状況を理解し、適切な対応を行うことが、エンパワメント成功の鍵となります。

アフターフォローの重要性

エンパワメントを導入した後は、アフターフォローをしっかりと行うことが重要です。定期的な面談やフィードバックを通して、従業員の状況を把握し、必要なサポートを提供することで、エンパワメントの効果を最大限に引き出すことができます。また、従業員からの意見や要望を積極的に聞き取り、改善につなげることも重要です。エンパワメントは、導入して終わりではなく、継続的な改善とフォローアップが必要な取り組みなのです。

部下を信用する

エンパワメントを成功させるためには、上司が部下を信用することが不可欠です。部下を信頼し、積極的に権限を委譲することで、部下は責任感と主体性を持って業務に取り組むことができます。また、部下の意見やアイデアを尊重し、積極的に取り入れることで、部下のモチベーション向上にも繋がります。エンパワメントは、上司と部下の信頼関係の上に成り立つものであり、相互の信頼関係を築くことが、エンパワメント成功の基盤となるのです。

まとめ

エンパワメントとは、従業員に権限と責任を委譲し、自発的な行動や意思決定を促すことで、組織全体の活性化とパフォーマンス向上を目指す考え方です。VUCA時代において、エンパワメントは企業の競争力強化に不可欠な要素となっており、多くの企業が導入に取り組んでいます。エンパワメントを成功させるためには、段階的なステップを踏むこと、従業員の特性に合わせたサポートを行うこと、そして何より上司が部下を信用することが重要です。これらのポイントを踏まえ、エンパワメントを効果的に導入することで、従業員のモチベーション向上、イノベーションの促進、そして企業の持続的な成長を実現することができるでしょう。

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