エンジニアが採用できない10の理由と対策。エンジニア採用市場と現場の両視点から解説

Offers HR Magazine編集部 2023年7月24日

Offers HR Magazine編集部

目次

さまざまな企業がDX化への対応を進める中で、非IT企業がエンジニアを採用するケースも増えています。しかし、これまでエンジニアを採用したことのない企業がエンジニアの採用活動を始めても、なかなかエンジニアを採用することができません。なぜエンジニアの採用が難しいのでしょうか。その10の主要な理由とそれに対する具体的な対策を、エンジニア採用市場と現場の両方の視点から深掘りしていきます。

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エンジニアの応募がそもそもないのはなぜ?

非IT企業が採用活動を始めても、エンジニアの採用はおろか、応募すらないこともよくあります。エンジニアを採用するにあたっては、非エンジニア職と同様に求人募集をかけるだけでは応募に結びつかないことがよくあるのです。なぜ、エンジニアからの応募がないのでしょうか。その原因としてよくあるケースを紹介します。

エンジニアの供給が追いついていない

まず念頭に置いておかなければならないのは、「エンジニアの市場は、需要が供給を上回っている」ということです。

経済産業省の「IT人材需給に関する調査(みずほ情報総研株式会社調べ)」によると、2018年の時点では既に22万人の人材が不足していましたが、2023年時点でも需要と供給のギャップは埋まっていません。

いわば1人のエンジニアを複数の企業が取り合っている状況であり、採用の主導権はエンジニア側にあります。エンジニアは、自身で企業を選ぶことができるのです。知名度の高い企業や開発環境の整っているIT企業に人材が集中してしまう状況の中で、採用実績の無い非IT企業に応募する機会が少なくなっているのです。

2030年にはIT人材の不足数が最大で79万人に達すると推測されており、エンジニアの獲得競争は、ますます加速していき、企業はエンジニアの採用に悩まされることになるでしょう。

出典:IT人材需給に関する調査|経済産業省

企業にエンジニアの採用実績がない

エンジニアの採用実績のない企業は、応募を敬遠されてしまう可能性が高まります。理由はシンプルで、求職するエンジニア側からすると「実績がないことに不安をかんじるから」です。

きちんとした評価はあるのか、労働環境は整備されているのかといった不安にがあります。採用実績もあり、長年働いているエンジニアがいるのなら、その不安もある程度解消されるため、応募につなげることができます。

早い話が、企業者の視点に立てば「これまで1度もエンジニアを採用したことがない企業は、エンジニアが適切に働ける環境や適正評価軸ができていない可能性」が高く、それならば過去に採用実績のある企業を選ぶということです。

採用実績がない場合、採用実績が豊富な企業の求人と比較されるような状況は避けねばなりません。

採用チャネルの選択ミス

応募者が集まらない要因として、採用チャネルの選択ミスが考えられます。

例えば、前述した「エンジニアの採用実績がない企業」が求人広告に募集を出しても、他の企業の求人と比べられてしまうため、応募数が少なくなる可能性があります。求人広告は「求職者の目に触れやすくなる一方で、他の求人と比較される可能性が高まる」という性質があり、競合より実績や知名度が劣る企業がエンジニアを求人広告のみで採用するのは難しいでしょう。

この場合、「自社のファンが訪問する」オウンドメディアや、こちらから声をかける「ダイレクトリクルーティング」の方が向いています。このように、エンジニアの採用は自社の状況や市場、募集している役割などに合わせ、適切なチャネルを選択する必要があるのです。

採用チャネルの選択をミスしている場合、応募者が来る可能性は低くなります。

募集要項と待遇のミスマッチ

日本で働くエンジニアの平均年収はおよそ500万円程度が平均と言われていますが、技術や役職によっては1000万以上、海外ではそれ以上の年収になることも珍しくありません。また逆に、新卒のプログラマーであれば400万円を切ることもあります。

このように、年収だけを見てもエンジニアの待遇には技術や役職によって大きな差があり、募集する人材要項と募集要項が合致していなければ、応募がないのはいわば当然の結果です。

他社の募集条件を確認したり、エンジニアやリクルーターに相談する等して、募集要項と条件が本当に適切かどうかを見極めることが重要になります。

上記は「Offersデジタル人材総研」で公表されている「採用決定時のプログラミング言語別採用平均時給」のデータです。Objective-C、Swiftは平均時給2000円であるのに対し、JavaScriptやPythonは1000円となっています。この開きとなっている要因は、JavaScriptやPythonは設計や開発に関わらないコーディング等の仕事が多いことや、ポピュラーな言語のためエンジニアの中でも比較的競争率が低いことなどが上げられます。

使用可能なライブラリや役職、そもそも募集している企業の業績にも左右されるため、一概にプログラミング言語でのみ時給が決まるわけではありませんが、このように同じプログラマでも技能によって倍近く報酬が離れることがあるというのは、念頭に置いておかねばなりません。

他社との差別化ができていない

上記は「Offersデジタル人材総研」で公表されている、現在副業中のOffers登録者に対し、「副業を選ぶ基準は何か」という質問で取ったアンケートです。

第一位は報酬ですが、注目すべきは報酬と回答している割合が6割弱という点です。つまり、およそ4割のエンジニアが「報酬以外の項目で副業を選んでいる」ということになります。

次いで多いのは「興味のある業種」であり、そこから「事業内容」「雰囲気」と続きます。このアンケート結果から言えるのは、「報酬以外の部分でも、他社と差別化することが求められる」ということです。

自社の事業がいかに魅力的であるか、他の会社にないチャレンジングなことをしているか、職場の雰囲気など、そういった「働きやすさ」や「社会的意義」を重視して就職先を決めるエンジニアは少なくありません。待遇や報酬などの条件だけでなく、このような点で他社と差別化を図ることがエンジニア採用においてはとても重要なのです。

エンジニアとの接点がない

エンジニアの採用実績が豊富な企業の中には、「将来的に転職は考えているけど、今すぐに転職するつもりはない」という転職顕在層のエンジニアと接点を作っている企業が多くあります。潜在層のエンジニアと接点を持つことで、そのエンジニアがいざ転職をしようと思ったときに、自社を選んでもらいやすくなるというメリットがあるのです。

また、社内にエンジニアがいる企業は、社内エンジニアにエンジニアを紹介してもらう「リファラル採用」を用いている場合もあります。

このように、あらかじめエンジニアと接点を持っている企業は、エンジニアを募集する際にエンジニアを集めやすくなります。エンジニアとの接点が一切ない場合、優秀なエンジニアほどすでに接点のある企業に流れてしまうので、自社の求人に応募する可能性が低くなってしまうのです。

エンジニアに内定辞退されてしまう理由

(出典)https://unsplash.com/

エンジニアの採用活動を進め、いざ内定を決定したとしても、その後に辞退されてしまう可能性があります。これは先述したように、エンジニアは売り手市場であるため、複数の企業に対して同時に就職活動を進めているケースも少なくないためです。

最終選考後の内定辞退は企業にとって大きな痛手です。なぜ、内定を辞退されてしまうのでしょうか。内定辞退が多いと感じている方は、以下の点について心当たりがないか振り返ってみてください。

採用担当者にエンジニアの知識がない

面接後の辞退は、採用担当者の知識不足が原因かもしれません。採用担当者が非エンジニアの場合、採用基準の設定から面接の進め方に至るまで、エンジニアの視点が盛り込まれない可能性があります。

面接では、採用側が応募者を評価する一方で、応募社側も面接官を通じて会社を評価しています。応募者の質問に答えられなかったり、スキルチェックに戸惑ったりして、理解不足が浮き彫りになるケースが珍しくありません。応募者は「この企業で働いても大丈夫なのだろうか」「正当に評価される環境なのだろうか」と疑念を抱きます。

また、明らかにエンジニアの知識が無い人が面接を担当していると、「この会社はエンジニアを適切に評価する制度がない」と思われてしまうかもしれません。

このようなことが原因による内定辞退を回避するには、採用プロセスに現場のエンジニアを巻き込むことが重要です。採用担当者として、最低限のIT知識は身に付けておきましょう。

採用まで時間がかかっている

内定通知までの期間、または内定から入社までの期間が長すぎると、応募者は不安や不満を抱きやすくなります。その間に他社が応募者にアプローチをかければ、内定辞退につながる可能性が高いでしょう。エンジニアが心変わりする可能性も高まります。

選考スピードが遅れる主な理由には、採用プロセスの多さや担当者間の連携不足などが挙げられます。熟慮の上で内定者を決めたい気持ちも分かりますが、優秀な人材を採用するにはスピード感が欠かせません。

また、どうしても選考過程を慎重にせざるを得ない正社員採用よりも、スピーディーに採用できる副業採用の方が、採用プロセスに時間を要さない場合もあります。エンジニア採用に数カ月かかっている場合、副業採用を検討しても良いかもしれません。

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エンジニアの受け入れ体制が整っていない

多くのエンジニアが重視するのが、企業の受け入れ体制です。働きやすい環境が整備されていなければ、待遇の良い他社に人材が流れます。仮に採用できても、ミスマッチによる早期退職が相次ぐでしょう。採用活動を始めるに当たり、以下のポイントを意識する必要があります。

  • 個々の状況に即した柔軟な働き方が可能か(リモート・フレックスタイムなど)
  • エンジニアの能力を正当に評価できる仕組みが整っているか
  • 望むポジションやプロジェクトに挑戦できる環境か
  • エンジニアをフォローするための制度や座組はあるか

特に近年は「リモートで働ける環境」も重視されています。エンジニアの場合、直接出社しなくても支障を来さない仕事も多いためです。そのため、エンジニアを採用している企業の中にはリモートワークやフレックス制を導入している企業も多く、エンジニア側もそれらの環境を前提に応募してくることあるのです。

そうすると、選考が進む中でこれらについて対応ができていない企業、あるいは制度としてはあるものの、暗黙の了解として出社の文化があるという企業もあり、こうした企業は内定決定後に辞退される可能性が高まります。

エンジニアの選考過程では、採用のための選考の場だけではなく、社内にエンジニアが働ける環境があることを説明する場でもあるという認識で臨みましょう。

情報・コミュニケーション不足

エンジニア採用がうまくいく企業の共通項として、内定者フォローが行き届いていることが挙げられます。例えば、面接から次の面接までの期間が長い場合は放置するのではなく、定期的担当者が近況を聞いたり、トレンドニュースを発信したりといったコミュニケーションをとることで、エンジニアの気持ちを会社から離れさせないことも重要です。

またこうした情報の中には、自社で行っているプロジェクトの魅力や代表者のメッセージ、エンジニア同士の交流といった情報を発信することで疎外感を解消し、一緒に働くイメージを描きやすくすることも大切になります。応募者が疎外感を感じたり、情報不足と感じてしまうと、内定で辞退される可能性も高まってしまいます。

エンジニア採用を成功させる方法

(出典)https://unsplash.com/

エンジニアの採用には2つのゴールがあり、どちらのゴールにも到達できなければ成功とは呼べません。

  1. 求めているスキルや経歴を持ったエンジニアを採用できること
  2. 採用後に、パフォーマンスを発揮してもらうこと

重要なのは2です。仮に採用までこぎつけたとして、スキルミスマッチだったり、早期に退職されてしまっては採用にかけた経費がまるまる無駄になってしまいます。そうならないために、上記の2つの条件を満たす「採用を成功させる方法」を紹介します。

まずは副業から採用してみる

Offersを利用している企業を見ると、採用成功している企業は「副業採用」を用いている傾向があります。正社員のみの採用に絞った場合、良い結果に結びつけるのは難しくなります。

正社員採用はコストも時間もかかるため、ハードルが高くなります。募集要項を厳密化し、選考も丁寧に行わなければなりませんから採用までに時間もかかってしまいます。その分のコストも増えてしまうでしょう。

さらに、時間をかけて選考を進めたからといっても、エンジニアのような技術職の場合、結局働いてみないことにはパフォーマンスがわからないことも多いのです。

業務委託の場合、初めは時間を少なめにジョインしてもらったり、条件や働き方が異なれば契約を更新しなければ良いだけですから、正社員よりも採用のリスクは抑えられます。

一緒に働いてもらい、カルチャーフィット、スキルマッチしているようなら「正社員になる話を持ちかける」ということもできます。また、副業エンジニアは正社員よりも人数が多く、マッチングする機会もその分増やすことにつながるのです。

Offersでは副業エンジニアを採用し、優秀な人材を正社員に転換させた事例があります。数カ月の副業期間を設けると、仕事の進め方やスタンス、人柄などが把握できるため、採用のミスマッチが大きく低減します。

出典:SREが副業から正社員へ!今後はOffersMGRで開発組織のパフォーマンスを改善していきたい。 | Offers Magazine

募集条件と待遇を見直す

求人情報を出す前に、競合他社の募集要項を調査しましょう。他社よりも待遇が悪い場合は、待遇や労働条件の見直しが必要です。

大手企業のような給与水準が実現できなくても、独自の福利厚生を導入したり、働き方の選択肢を広げたりすれば、ニーズにマッチした人材が集まります。年齢制限や応募条件を緩和し、幅広い層から中途採用を募集する手も有用です。

現職のエンジニアの中には、厳しい労働環境で働く人もいます。仕事の属人化や納期のプレッシャーにより、みなし残業が当たり前になっている職場も少なくありません。エンジニアの受け入れ態勢を整備した上で、ワーク・ライフ・バランスや働きやすさを訴求しましょう。

エージェントや採用サービスを活用する

エンジニアの採用実績やノウハウがない企業の場合、イメージ通りのエンジニアを採用するのはかなり難しいです。エンジニアの採用は、一般職の採用とはフローや選考が異なります。

自社内のみで解決しようとするのではなく、採用エージェントやOffersのような採用サービスに頼るのも一つの手です。そこで採用実績を作り、社内にエンジニアが入社して採用のフローが確立できれば、いずれ社内リソースのみでもエンジニアが採用できるようになります。

初動の段階では、社外リソースを使うことも考えてみてはいかがでしょうか。

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エンジニアの採用に苦戦する企業は、自社の課題を洗い出し、改善に向けた努力をする必要があります。社会のデジタル化や企業のDXが進めば、エンジニアの採用はこれまで以上に困難になるかもしれません。

「自社にエンジニア採用のノウハウがない」「人材紹介や求人広告にお金をかけても効果がなかった」という中小企業は、Offersによる副業採用も視野に入れましょう。転職潜在層との接点を増やすことが、採用活動を成功させる鍵といえます。

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