エンジニアの採用計画の立て方。必要な準備や成功のポイントを解説

Offers HR Magazine編集部 2023年7月8日

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人材の獲得競争が激しいエンジニア採用では、事前の採用計画の立て方が重要です。エンジニアの採用計画を立てる際に必要な準備や、計画の立案手順、さらに採用を成功させるポイントを解説します。エンジニア採用に有効とされる手法も押さえておきましょう。

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採用計画とは?なぜ必要?

(出典)https://unsplash.com/

採用計画とはその名の通り、企業が人材を採用する際に立てるべき計画を指します。まずは採用計画の概要と、エンジニア採用における計画の重要性を理解しておきましょう。

採用計画の概要

人材の採用計画とは、自社に必要な人を採用し、適切な場所に配置する計画を指します。単に人材を採用するだけではなく、事業方針や採用ニーズに基づいて、どういった人を採用するのが正解か導き出す必要があります。その上で。戦略的に自社の情報を発信して優秀な人材を集め、採用プロセスに乗せることも考えなければいけません。

採用計画を策定する人事部門は、人材採用市場の現状を把握し、自社の事業方針や現場の採用ニーズを理解した上で、適切な計画を打ち出す必要があります。

エンジニアの採用計画の必要性

エンジニアは特に人材の獲得競争が激しいため、事前にしっかりと採用戦略を構築し、計画に落とし込まなければいけません。中途採用で優秀な人材を確保できない企業は決して少なくないため、新卒採用や後述する副業採用に加えて、採用する人材の要件を緩和するといった措置が求められる場合もあります。

こういった事情を考慮した上で現場のエンジニアと相談しつつ、できるだけ緻密な採用計画を立てる必要があります。また、企業が採用にかけられる期間も年々短くなっている状況なので、より計画的に採用プロセスを進めることが大事です。

採用計画を立てる際に準備すべきこと

(出典)https://unsplash.com/

エンジニアの採用計画を立てる前に、以下の準備をしておきましょう。入念な準備をした上で計画を立てることで、自社に必要な人材を獲得できる可能性が高まります。

エンジニア採用市場の動向を把握する

まずは、エンジニアの採用市場全体の傾向を把握しましょう。全体の動向に加えて、自社で採用を検討しているエンジニアについて、採用市場での動きも調べてみる必要があります。

エンジニアの場合、厚生労働省による雇用動向調査を基本として、民間調査会社のデータなどを確認すれば、大体のトレンドは把握できるでしょう。経済産業省もIT人材の需給に関する調査結果を報告しています。

なお、これらの調査を確認すると、エンジニアは年々人材需要が高まっており、特に優秀な経験者の採用が難しくなっている点がうかがえます。

参考:雇用動向調査|e-Stat 政府統計の総合窓口

参考:IT人材需給に関する調査|経済産業省(※調査は「みずほ情報総研株式会社」による)

自社の事業計画や採用課題を確認する

エンジニアの採用市場の把握に加えて、自社の事業計画の確認や、人材採用上の課題や採用力などの把握も必要です。採用活動は人事部門が主導で進めている企業がほとんどですが、部門内の情報だけでは正確な状況を把握できないケースもあります。

とりわけエンジニアの人材採用ニーズは毎年変わる可能性があるので、現場のエンジニアによく話を聞いた上で、最新の採用ニーズを計画に落とし込まなければいけません。さらに経営方針との整合性も考慮して、無理のない計画に仕上げる必要があります。

競合の動きも調査しておく

競合他社の人材獲得の動きや、採用のやり方などを調査・把握することも重要です。他社と全く同じ採用手法のまま、優秀な人材を引きつけ、採用に結び付けるのが困難です。

特に、競合が有名企業だったり、資本力のある企業だったりする場合、ネームバリューや発信力・ブランド力などで負けてしまうでしょう。競合の動きを把握した上で、どういった差別化を図るかも考える必要があります。

たとえ競合にネームバリューで劣っていたとしても、後述するダイレクトリクルーティングやSNSを使った採用など、大企業があまり採用していない手法を積極的に使うことで、優秀なエンジニアを獲得できる可能性があります。

採用活動を進められる体制にしておく

初めてエンジニア採用をする企業は、十分な採用計画を立てるとともに、実際に採用プロセスを進められる体制を構築しておかなければいけません。人事部門を中心に採用する人材の要件定義や、説明会資料の作成、面接会場の準備など、人材採用にはさまざまな準備が求められます。

人事部門だけで完結することは難しく、他の部門・部署の協力も欠かせません。特にエンジニア採用は、技術的な面を評価しなければならないので、現場で活躍しているエンジニアに協力してもらう必要があります。本格的に採用活動を始める前に、どういった形で協力してもらうか決めておきましょう。内定後の懇親会や入社後の研修などについても準備が必要です。

エンジニアの採用計画の立案手順

(出典)https://unsplash.com/

実際にエンジニアの採用計画を立案する際には、以下の手順を参考にしましょう。多くの企業では、採用人数や採用要件を決めるところからスタートしますが、まずは採用の目的を明確にしたり、振り返ってみたりすることが大事です。

1.目的に応じて採用すべき人材を明確にする

まずは採用活動を通じて、何を実現したいのか明らかにすることが重要です。目的を明確にすることで、採用すべき人材やその人物像に加えて、後述する採用要件、採用のスケジュールなども明らかになってきます。

目的は事業戦略と一貫したものでなければならず、戦略を実現するために、どういった経験やスキル、経歴を有するエンジニアが求められているか確認する必要があります。さらに現場の状況もよく理解した上で、いつまでに採用するかなども明確にしましょう。

2.エンジニアの採用人数や要件を決める

採用の目的を明らかにするとともに、必要な人材を明確にしたら、具体的なエンジニアの採用人数や要件を決定します。どの部署に何人のエンジニアが必要か、既存のエンジニアの人事異動も選択肢としつつ、具体的に決めるようにしましょう。

基本的には開発部門を中心として、各部署から必要な人数をヒアリングする形になります。現場のエンジニアの代表者と話し合いながら、採用すべき人数に加えて、欲しいエンジニアの人物像や採用の要件を明確にしましょう。

3.採用のスケジュールを立てる

エンジニアとの話し合いの中で決めた採用人数や、採用要件をベースとして、スケジュールを決めていきます。人材採用にはさまざまな準備が必要で、イレギュラーな事態が発生するケースも珍しくありません。そのため、十分な余裕を持たせたスケジュールを立てることが重要です。

具体的な採用スケジュールとして、求人を掲載する期間や選考にかかる期間、内定者決定後の研修期間などを決める必要があります。また、求める人材が集まらない可能性もあるので、その場合の対応も考えておきましょう。

4.採用手法を選択する

採用のスケジュールを立てたら、エンジニアを採用する方法を選択します。上記のように、大手の企業や有名企業と同じ採用手法だけに頼っていても、なかなか優秀な人材は集められないでしょう。特にスタートアップや規模が小さめの企業は、後述するダイレクトリクルーティングやSNSを活用した採用、リファラル採用なども検討することをおすすめします。

なお、すでに有効な採用手法が明らかな場合は、それを基に採用計画を立てるのも有効です。現場のエンジニアと話し合いながら、どういった手法を採用するか慎重に検討しましょう。

エンジニア採用を成功させるポイント

(出典)https://unsplash.com/

エンジニアの採用を成功させるには、以下のポイントを意識する必要があります。繰り返し説明しているように、現場のエンジニアにしっかり協力してもらうとともに、積極的に自社の魅力やエンジニアに提供できる環境などを発信することが大切です。

現場のエンジニアに協力してもらう

採用計画を立てる段階から、現場のエンジニアを巻き込んで進めることが大事です。人事担当者がエンジニアのことをよく知らないケースは多く、どういった採用要件を設ければよいのか、まるで分からない担当者も少なくありません。

人事部門で一方的に要件を決めてしまうと、採用後のミスマッチが発生する可能性が極めて高くなるので、採用活動の初期段階から現場の事情をよく知るエンジニアに協力を求めましょう。実際、書類選考や面接に、社内のエンジニアやプロジェクトマネージャーなどを参加させている企業は多くあります。

積極的に自社の情報を発信する

求人サイトや自社サイトの採用ページに情報を掲載するだけではなく、SNSなどでも積極的に自社の情報を発信しましょう。まずは自社に興味を持ってもらえなければ、良い人材は集まりません。

何年も同じ採用ページを使い続けている企業は少なくありませんが、定期的に更新して最新の情報を掲載するようにしましょう。また、どういった人材を求めているのか、採用後の職場環境やキャリアに関してなど、現場のエンジニアの話を積極的に発信するといった活動も有効です。

新卒採用と中途採用の計画の違い

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エンジニア採用といえば中途採用(経験者採用)がメインで考えられがちですが、近年はエンジニアの新卒採用(未経験者の採用)に力を入れる企業も増えています。ここで簡単に、新卒採用と中途採用の計画の違いを押さえておきましょう。

新卒採用計画の立て方

新卒採用は社会で働いた経験のない学生を採用するため、主に将来性やポテンシャルで人材を評価しなければいけません。中途採用よりも面談の場を増やしたり、社内のエンジニアと話す機会を設けたりなど、自社にマッチするか人材かどうかを見極める方法を、採用計画に盛り込むことが大事です。

また、近年はインターンシップを利用して、未経験のエンジニアを採用する企業が増えています。実際の働きぶりを確認でき、エンジニアとしての素養も評価できるのでおすすめです。

中途採用(転職採用)計画の立て方

エンジニアの中途採用は応募者の実績やスキルを評価できるので、採用要件が明確になっていれば、スムーズに合否の判定が可能です。ただし新卒採用とは異なり、任意のタイミングで募集をかけるため、いつまでにどういった人材を採用すべきか明確にして、しっかり計画に落とし込んでおかなければいけません。

また、理想的な人材が採用できない可能性もあるので、採用要件の見直しや採用チャネルの変更が必要になるケースもあります。想定した人材の採用に至らない場合、再募集をかけたり、情報発信を強化したりといった施策も必要です。そのあたりも計画に入れておきましょう。

エンジニア採用に有効な手法は?

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エンジニアの採用は他の職種と同様、求人サイトや転職エージェントなどを利用することも可能ですが、以下のようにダイレクトリクルーティングやリファラル採用なども有効です。特に人材採用市場において、大手企業や有名企業を競合にしなければならない場合、エンジニアに直接アプローチできる手法がおすすめです。

ダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティングは、いわゆる「スカウト採用」とも呼ばれる手法で、自社の採用ニーズに合った人材に直接オファーを出すやり方です。求人サイトからスカウトメールを出したり、FacebookやTwitter、LinkedInといったSNS上でメッセージを送ったりする方法があります。

採用市場になかなか出てこない、経験豊かなエンジニアにアプローチできる機会も少なくありません。他社に先駆けて、良い人材を確保できる可能性があります。

リファラル採用

リファラル採用は社内のエンジニアから、自社の環境にマッチした人材を紹介してもらう手法です。現場の事情をよく知るエンジニアに直接紹介してもらうので、人材要件に合致する可能性が高く、採用後に長く働いてもらえるのがメリットです。

採用コストがほとんどかからず、ダイレクトリクルーティングと同様に、人材採用市場に出てこない優秀なエンジニアを採用できる可能性があります。

副業採用も選択肢に

近年は副業やフリーランスとして活動するエンジニアも増えてきました。副業やフリーランスは基本的に、自ら案件を取らなければならないので、高度なスキルを有する経験豊かな人材が多くいます。

そこで、副業に従事しているエンジニアや、フリーランスエンジニアと業務委託契約を結ぶアプローチも有効です。正社員として採用することなく、開発プロジェクトやシステム運用などを任せられます。

副業人材の採用ならば、ITエンジニアやデザイナーと企業をつなぐ「Offers」がおすすめです。優秀な人材を絞って検索できるのに加えて、求職者と社内担当者のつながりを可視化し、副業のオファーを出せるのも特徴です。応募者管理機能なども充実しているので、この機会に導入・利用してみましょう。

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自社に合った採用計画を策定する

(出典)https://unsplash.com/

エンジニアの採用計画の立て方を解説しました。エンジニアは優秀な人材の獲得競争が激しく、従来の求人サイトや転職エージェントなどを利用した採用手法では、なかなか理想的な人材に出会うのが難しくなっています。

そこで、ダイレクトリクルーティングやリファラル採用、副業採用なども積極的に検討し、計画に落とし込むとよいでしょう。また、実際に採用プロセスを進める際には、現場のエンジニアに協力してもらい、どういった人材がどれぐらい必要か、明確にしておくことが重要です。自社の情報も積極的に発信していきましょう。

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