エンジニアの育成方法の一つに「OJT研修」があります。新入社員が戦力になるかどうかは、企業の教育の仕方にかかっているといってよいでしょう。OJTを実施する上でのポイントやOJTトレーナーとしての心構えを解説します。
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エンジニア向けにOJT研修を実施する目的

(出典)https://www.pexels.com/
OJT(On-the-Job Training)とは、職場での実践を通じて、業務知識を習得していく育成手法の一種です。職場の上司や先輩から直接的な指導を受けることで、座学では学べない「生きた知識」が身に付きます。
エンジニア向けのOJT研修を導入するに当たり、実施する目的や重要性を理解しましょう。
チームに早く溶け込ませる
OJTを行う目的の一つは、新入社員を1日でも早くチームに溶け込ませることです。エンジニアの仕事はチームワークが基本なので、新たなメンバーが入社したら、相談や質問をしやすい環境をつくる必要があります。
いくら優れた技能を持つ人材の集まりでも、人間関係の土台ができていなければ、プロジェクトを円滑に進めていくことはできません。
OJTでは、先輩エンジニアがOJTトレーナーとなり、新入社員に直接指導を行います。トレーニングを通じて、先輩エンジニアとの信頼関係が構築されるため、結果的にチームや組織に早く溶け込めるようになります。
モチベーションを高める
OJTには、新入社員のモチベーションを高める目的もあります。OJTは1対1の指導が基本です。個々のバックグラウンドや成長スピードに合わせたトレーニングを行うため、途中で落ちこぼれる心配がありません。
先輩エンジニアからの的確なフィードバックや励ましの言葉は、新入社員のモチベーションを高めます。知識習得が目的の研修と比較して、OJTは経験やスキルが定着しやすく、自分自身が着実に成長している実感が得られます。
密なコミュニケーションによって良好な人間関係が醸成されるため、エンゲージメントの向上や職場への定着率アップも期待できるでしょう。
管理職やリーダーを育てる
OJTを導入する目的は、戦力の育成だけではありません。未来の管理職やリーダーを育成する点においても、OJTは大きな効果を発揮します。
OJTトレーナーはチーム内のエンジニアが担当するのが通例です。人の上に立った経験がない人にとって、目標から逆算して育成計画を策定したり、個々の能力に合わせたフィードバックを行ったりすることは容易ではありません。
OJTトレーナーを担当すると、マネジメントスキルや指導力が身に付く上、業務に対する理解度も深まります。OJTの終了後は、教える側と教えられる側の両方の成長が期待できるはずです。
OJTを進める流れ

(出典)https://www.pexels.com/
OJTには一連のプロセスがあります。「やってみせる(Show)」「説明する(Tell)」「やらせてみる(Do)」「評価・フィードバックする(Check)」のサイクルを心掛けると、OJTの育成効果が最大限に発揮されます。
やってみせる
OJTの最初のステップは「やってみせる」です。「新人がなかなか業務を覚えてくれない」と頭を抱える部署の多くは、業務のやり方を説明するだけで、実際に手本を示していないケースが少なくありません。
経験を積んだ社員にとっては当たり前でも、新入社員にとっては全てが初めてです。先輩トレーナーが実際に手本を見せれば、業務の全体像が理解できるでしょう。
ポイントは、難易度の低い業務からスタートすることです。目指すべきゴールを設定した上で、徐々にステップアップできる仕組みを作ると、新入社員は小さな成功体験を積み重ねていけます。
説明する
手本を示した後は、業務内容の具体的な説明をします。やり方や手順、注意点を教えるだけでなく、業務の目的や背景までをしっかりと伝えるのがポイントです。新入社員からの質問にも丁寧に回答しましょう。
- 何の目的でその作業を行うのか
- なぜその順番で作業をしなければならないのか
- それを行うことで、どのような結果がもたらされるのか
「とりあえず〇〇やっておいて」と指示するだけでは、相手は仕事の本質を理解できません。主体性が育ちにくく、上司や先輩からの指示がなければ動けない「指示待ち社員」を増やす要因になります。
やらせてみる
「説明する」までの段階において、新入社員は業務内容を頭で理解している状態です。頭では理解できても、実際にやってみると思い通りにいかないケースが多いため、1回、2回…と繰り返しやらせてみることが重要です。
新入社員をチームに迎え入れるに当たり、OJTトレーナーをはじめとするチームメンバーは、失敗を責めない姿勢を意識する必要があります。作業に取り組んでいる最中は見張るのではなく、温かい目で見守りましょう。
失敗のたびに励ましの言葉をかけてあげれば、相手は失敗を恐れずに挑戦できるようになります。
評価やフィードバックを行う
OJTの実施期間中は、定期的に評価やフィードバックを行いましょう。振り返りを行うことで、新入社員は自己の状況を客観視できます。
具体的には、良かった点・改善すべき点をピックアップした上で、目標を達成するには何をすべきなのかを話し合います。フィードバックというと、改善点の指摘がメインになりがちですが、「褒めること」も忘れてはいけません。
前向きな言葉によるポジティブフィードバックは、新入社員の成長を加速させます。「自分を理解してくれている」という心理的な安心感が得られるため、目標に向かってまい進できるようになります。

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