エンジニア面接で面接官に必要な心得とは?NGな質問と併せて解説

Offers HR Magazine編集部 2023年6月7日

Offers HR Magazine編集部

目次

優秀なエンジニアを採用できるかどうかは、面接官にかかっています。企業の顔に恥じない振る舞いをし、「候補者に選ばれる企業」を目指しましょう。エンジニア採用で面接官が押さえておくべき心得や、就職差別につながるNG質問を解説します。

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【事前準備】面接官の役割を理解する

(出典)https://unsplash.com/

面接官は企業の顔であり、企業と候補者をつなぐ架け橋のような存在です。エンジニアの採用面接に当たり、面接官は自分の果たすべき役割をしっかりと理解する必要があります。

企業にとって必要な人材かを見極める

面接官には「応募者が自社に必要な人材かどうか」を見極める役割があります。具体的には、応募者の持つ経験やスキル、特性などが自社の評価基準を満たしているかをチェックします。

書類選考や筆記試験は通過しても、人間性や価値観、ポテンシャルといった「内面的要素」は、直接会ってみなければ分かりにくいものです。加えて中途採用の応募者は、前職での働き方や価値観が身に染みついているため、新たな組織風土になじめるとは限りません。

自社とのマッチ度が低い人材を採用すると、社内トラブルや早期離職につながる可能性があります。採用のミスマッチを減らすため、面接官は応募者に質問を重ねながら、自社との相性をチェックする必要があるのです。

仕事に必要なスキルセットを持っているかを確かめる

ひと口にエンジニアといってもさまざまなポジションがあり、業務内容も多岐にわたります。面接官は、各ポジションに必要なスキルセットを明確にした上で、応募者を見極めることが重要です。

「スキルセット」とは、業務遂行に必要な知識・スキル・経験の組み合わせです。エンジニアにはITやプログラミングの知識が必須ですが、それだけでは不十分です。

チームメンバーや他部署と連携する上では「コミュニケーションスキル」が求められますし、チームを束ねるポジションであれば「マネジメントスキル(管理能力)」が必要です。サーバーの設計や構築を行うサーバーエンジニアなら「問題解決能力」の高さが要求されるでしょう。

採用候補者に企業を選んでもらう

面接は、企業と候補者がお互いを評価し合う場です。上から目線の態度を取る面接官もいますが、候補者にも企業を選ぶ権利があることを忘れてはいけません。

IT業界は人手不足が顕著で、優秀なエンジニアは引く手あまたです。多くの企業が高待遇・好条件を提示して人材を囲い込もうとするため、候補者に十分な魅力をアピールできない企業や成長機会を提供できない企業は、採用活動が難航するでしょう。

候補者は面接官との接触を通じて、「自分にマッチする企業かどうか」を判断しようとします。「この会社で働いてみたい」と思ってもらえるように、面接官は自社で働くメリットを適切に伝える必要があります。

優れたエンジニア採用の面接官になるための心構え

(出典)https://unsplash.com/

エンジニアは、高度なIT技術を要する専門職であるため、面接官にもそれ相応の能力が求められます。仕事内容への理解が欠如していれば、優秀な人材を取り逃がす可能性が高いでしょう。エンジニア採用を担当する面接官には、どのような心構えが求められるのでしょうか?

最新のトレンドやIT情報についても把握する

面接官は、IT業界の最新トレンドを把握しておく必要があります。IT業界は技術革新のスピードが速く、新たな技術やサービスが生まれては消えているのが現状です。

近年は、DX(デジタルトランスフォーメーション)・IoT(モノのインターネット)・AI(人工知能)・5G(第5世代移動通信システム)・ビッグデータなどが注目されています。

トレンドが変われば、エンジニアに求められるスキルも変わるため、現職のエンジニアやプロダクトマネージャーといった「IT業界に精通した人」を面接官に加えるのが理想です。

候補者に合わせた質問ができる

面接官に必要なスキルの一つに質問力が挙げられます。面接官は応募者に適切な質問を投げかけ、候補者の資質や自社とのマッチ度、ポテンシャルなどを見極めていきます。

ただし、職務経歴書に書いてあることを淡々と質問するだけでは、相手の本音は引き出せません。全ての候補者に同じ質問をするのではなく、相手に応じて質問内容を変えていく「柔軟性の高さ」も重要です。

候補者のバックグラウンドは一人一人異なります。自社の魅力をアピールする際も、「相手が企業に対して何を求めているか」をよく理解した上で話を進める必要があるでしょう。候補者に合った質問や魅力付けができる面接官がいると、採用のミスマッチが低減します。

認知バイアスを低減させられる

採用のミスマッチや期待外れが起こる原因の一つは、面接官の「認知バイアス」です。認知バイアスとは、自身の経験・直感・先入観などによって、非合理なものの見方をしてしまう心理現象を指します。以下は、面接で起こりやすい認知バイアスの一例です。

  • 顕著な特徴に引きずられ、他の評価までが歪んでしまう(ハロー効果)
  • 自分に似ている人を好意的に評価してしまう(親近感バイアス)
  • 絶対評価ではなく、他人との比較によって相手を評価してしまう(対比効果)

エンジニア採用では、保有スキルや経歴、参加プロジェクトといった項目で人材の優劣を判断してしまうケースがあります。

有名企業に勤めていた、あるいは大きなプロジェクトに参加していたとしても、本人が重要な役割を担っていたとは限りません。よい人材を採用できるかどうかは、認知バイアスをどれだけ低減できるかにかかっています。

採用候補者と接する心構え

(出典)https://unsplash.com/

面接後の辞退が相次ぐ企業は、面接官の心構えや態度を見直しましょう。面接官としての自覚や配慮が足りない人が対応すると、よい人材を取り逃がす結果につながります。また、自社の基準に合わないからといってすぐに見送らず、つながりを維持しましょう。

企業の代表である自覚を持つ

面接官は、会社の代表としての自覚を持つ必要があります。候補者は面接官とのやりとりを通じて、自分がその会社で働く姿をイメージします。面接官の態度が悪いと、「こんな上司や先輩と一緒に働きたくない」と感じるかもしれません。

特に以下のような言動は、候補者の入社意欲を減退させるだけでなく、会社全体のイメージを悪化させます。

  • 相づちや笑顔がない
  • 書類ばかりを見て、目を合わせない
  • 応募者を否定する言葉を使う
  • 面接官同士でひそひそ話をする
  • 高圧的な態度を取る

採用候補者がリラックスできる雰囲気をつくる

面接中の候補者は、極度の緊張状態にあります。自己アピールが上手にできなかったり、質問の答えが浮かばなかったりと、真の力が発揮できない人は少なくありません。

候補者の本音を引き出すためには、安心して話せる雰囲気作りが不可欠です。両者の間に信頼関係が構築されると、候補者は素の姿を見せてくれます。

緊張をほぐすのに有効なのが、本番前の「アイスブレイク」です。面接とは関係のない雑談を挟むと、場の雰囲気が和らぎます。面接官が簡単な自己紹介をすれば、応募者も心を開きやすくなるでしょう。

つながりを絶たないことも大切

不採用または内定辞退の結果になった場合でも、候補者とのつながりはできるだけ維持しましょう。人材不足が深刻化するIT業界において、エンジニアの確保は容易ではありません。変化する技術トレンドに合わせ、今後もエンジニア採用が必要になる可能性があります。

候補者との関係が良好であれば、自社から再度オファーを出せます。スポット採用や業務委託でプロジェクトに参加してもらったり、他のエンジニアを紹介してもらったりと、つながりがもたらすメリットは少なくありません。

不採用になった候補者との関係性を保ち、自社の採用候補を確保する方法は「タレントプール」と呼ばれます。特にエンジニアに関しては、「自社の基準にマッチしない人材だから」といってつながりを断ち切らず、将来を見据えた良好な関係性を築いていくことが望ましいでしょう。

タレントプールとしてOffersを活用し、エンジニアとの接点を積極的に増やす企業もあります。以下のコラムもぜひご覧ください。

出典:3回の面談を経てTech Leadを採用!タレントプールとしてOffersを活用するサイカの採用術 | Offers Magazine

お互いが気持ちよく面接を終えることを意識する

面接では、面接官の何げない一言や態度が、候補者の意思決定に影響を与えます。面接で不快感を覚えた候補者は、企業とのつながりを維持したいとは思わないでしょう。内定辞退につながるだけでなく、面接での悪いうわさや口コミが拡散される恐れもあります。

お互いが気持ちよく面接を終えるために、以下のようなポイントを意識しましょう。

  • 候補者が持つスキルや能力を適切に理解・評価する
  • 候補者からの質問に誠意をもって答える
  • 候補者が回答しにくい質問や不快になる質問は控える
  • 自社の情報を正しく伝える

聞いてはいけないNG質問

(出典)https://unsplash.com/

厚生労働省は、「応募者の基本的人権を尊重した公正な採用選考」を企業に求めています。採用選考は、応募者の適性・能力に基づくことが大前提であり、適性・能力と無関係の事柄で採否が決まる事態があってはなりません。

以下に挙げる質問は、就職差別につながる恐れがあります。面接官は細心の注意を払いましょう。

応募者本人に責任のない質問内容

一つ目は、応募者本人に責任のない事項です。

  • 本籍・出生地
  • 家族に関すること(職業・資産・収入・地位・健康状態など)
  • 住宅状況(間取り・部屋数など)
  • 生活環境
  • 家庭環境

特に注意したいのが、「家族に関すること」です。日常会話では「何人家族ですか?」「ご兄弟の職業は何ですか?」と聞いても違和感はありませんが、採用選考では就職差別につながる質問と見なされます。

残業可否を確認するため、、「ご家族に介護が必要な人はいますか?」といった聞き方をするのも控えましょう。履歴書への記載を求めたり、アイスブレイク中に質問したりする行為もNGです。

出典:公正な採用選考の基本|厚生労働省

自由が保障されている質問内容

二つ目は、本人の自由が保障されている事項です。

  • 宗教
  • 支持政党
  • 人生観・思想
  • 生活信条
  • 尊敬する人物
  • 購読新聞・雑誌・愛読書
  • 労働組合の活動歴
  • 学生運動や社会運動に関わった経験

思想信条は人間の尊厳を支える基本的条件であり、業務遂行にも関係がありません。「尊敬する人物」や「愛読書」に関しては、タブーであることを知らずに質問をする面接官もいます。厚生労働省が掲げる「公正な採用選考の基本」にしっかりと目を通し、互いに注意を促しましょう。

採用に無関係な質問

質問は「採用に関係があること」が前提です。以下のような質問は、採用に無関係であるばかりか、応募者に不快な思いを抱かせます。企業の評判を大きく下げかねないため、くれぐれも質問は控えましょう。

  • 身体に関すること(身長・体重・スリーサイズ)
  • 持病・既往歴
  • 結婚の予定や恋人の有無
  • 性的指向や性自認について

「制服のサイズを把握したいから、スリーサイズを教えてほしい」という質問は、採用選考の時点では必要ない質問です。身長・体重・持病は、正当な理由があれば認められますが、エンジニア採用には無関係でしょう。

なお、女性のエンジニアのみに「結婚・出産しても仕事を続けますか?」と聞くのはNGです。女性に限定しての質問は、男女雇用機会均等法に抵触します。

採用候補者に企業を好きになってもらうことが大切

(出典)https://unsplash.com/

エンジニア採用の面接官には、「自社にマッチした候補者の見極め」と「候補者に選ばれるための自社の魅力付け」という大きな二つの役割があります。

候補者にとって、面接官は唯一接触できる「中の人」です。企業の代表にふさわしい振る舞いを心掛け、自社を好きになってもらえるように力を尽くしましょう。

社会が大きく変化する中、企業には多様性を受け入れる姿勢が求められています。就職差別につながる質問には細心の注意が必要です。

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