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エンジニアを積極的に採用している企業の中には、新卒採用にも力を入れる予定のところもあるでしょう。エンジニアの新卒採用スケジュールの決め方や策定のポイントを紹介します。事前に就活ルールをよく理解しておき、効果的な採用計画を立てましょう。
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一般的なエンジニアの新卒採用スケジュール
(出典)https://unsplash.com/
新卒採用にはある程度、決まったスケジュールがあります。中途採用のように企業が自由に採用スケジュールを決められない部分もあるので、これから新卒採用を始めるのであれば、まずは経団連や政府による「就活ルール」を理解しなければいけません。
まずは「就活ルール」の理解が必要
エンジニアを含む新卒採用の場合、2020年卒までは、経団連が定めた「就活ルール」によって採用活動をする必要がありました。しかし優秀な人材を獲得したい企業は、採用スケジュールを前倒しにする傾向があり、このルールが厳格には守られていないのが実態だったのです。
そこで2021年卒の採用からは、政府が主導で就活ルールを定めるように決まりました。ところが、政府は当面の間、既存のスケジュールを維持する旨を発表したため、今後も新卒採用のスケジュールを考える場合は、従来の就活ルールを理解しなければいけません。
一般的な新卒採用の流れ
新卒採用の流れは、原則として上記の就活ルールに準拠しなければいけません。現状のルールにおいて、企業の採用に関する広報活動の解禁は、対象となる学生の卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降です。また、実際に選考活動に入れるのは6月1日以降で、さらに内定を出すのは10月1日以降と決められています。
従って、新卒採用のスケジュールを立てる際には、これらの解禁日を前提とすることが求められます。まずは3月1日以降、新卒者に向けて自社の情報を発信し、6月以降に本格的な採用活動に入りましょう。さらに10月までの間に内々定を出しておき、10月以降に本格的に内定を出すのが、一般的な新卒採用の流れです。
しかし近年は就活ルールを守らずに、前倒しで採用活動を進めている企業が多くあり、就活ルールはすでに形骸化しているのが実態です。政府主導でルールが改正されるまでは、解禁日を守ることが求められますが、優秀なエンジニアを採用するため、早めに採用活動を始めるのも有効です。
インターンシップからの選考も可能
近年、人材採用におけるインターンシップの重要性が広く認識され始めており、2025年卒以降は、本格的にインターンシップからの選考が実現する見込みです。2022年の産学協議会において、一定の条件を満たしてインターンに参加した学生について、採用選考でその情報を利用できるようになりました。
特にエンジニア採用の場合、実際に開発現場で働いてもらい、エンジニアとしての技能を確認することが重要です。インターン制度を積極的に活用して、素養のある若手を積極的に採用する流れを作れば、将来活躍する可能性の高い人材を効率的に獲得できます。
スケジュール策定のポイント
(出典)https://unsplash.com/
エンジニアの新卒採用スケジュールを策定する際には、以下の点を意識しましょう。他の職種以上に採用すべき人物像を明らかにすることや、事前にしっかりと採用戦略を立てて実行することが、優秀なエンジニアの採用に欠かせない要素です。
採用すべき人物像を明確に
まずは、どういった人材を採用すべきか、理想とする人物像を明確にしましょう。その人材がどういったスケジュールで就職活動を進めているか、過去のデータや他社の情報などから調査することで、スムーズな採用が可能になります。
採用すべき人材の基準が明らかでなければ、入社後にミスマッチや早期離職が発生しやすくなり、採用コストが無駄になってしまうでしょう。
実際の学生を想定し、どういった経験やスキルを積んでいるか、どのような価値観で応募する企業を決めているかなど、具体的なペルソナに落とし込むことが大事です。設定したペルソナを基に、採用において重視する応募者の姿勢やスキル、行動特性などを決めていきます。
採用戦略に基づいて計画を立てる
採用したい人材を明らかにしたら、次に自社の特性や強み、アピールポイントを理解した上で、採用戦略を構築します。理想とする人材とどうやって接点を持つか、どのようにアプローチして応募してもらうのか検討しましょう。
人事部門だけではなく、現場で活躍しているエンジニアの意見も取り入れながら、有効な戦略を考えることが重要です。また、競合や多くのエンジニアを採用している大手の企業に対して、どのように差別化を図るかも考える必要があります。自社の魅力を効果的にアピールする戦略を構築し、具体的な採用スケジュールを作成しましょう。
適切な採用手法を選択する
優秀なエンジニアを採用するために、適切な採用手法を選ぶことも重要です。新卒採用の場合、中途採用に比べると採用の方法は限られますが、エンジニア向けの求人サイトを利用するといった基本的な対策は必須といえるでしょう。
一般的な求人サイトを通じて募集するのに加えて、上記のインターン採用や、ダイレクトリクルーティングなども導入するとよいでしょう。さまざまな方法を用いながら、優秀な人材を広く集めることが重要です。優秀な人材の母集団を形成できれば、将来的に中途採用で雇用できる可能性も出てきます。
内定後のフォローにも力を入れる
採用活動を通じて優秀な人材に内定を出せたとしても、入社に至らず内定を辞退されたり、入社後にすぐ離職されたりすれば、採用活動の意味がありません。内定辞退を防止して確実に入社してもらうために、内定後のフォローにも注力する必要があります。
採用スケジュールを策定する段階で、内定後にどのようなフォローをするのか決めておき、計画に入れ込んでおきましょう。実際に内定を出した際、スムーズにフォローできる体制にしておくことも大事です。内定者研修はもちろん、配属予定先の管理者との面談や先輩社員との懇親会など、フォローの仕方はさまざまです。自社の強みを生かせる方法を選択しましょう。
エンジニアの採用スケジュールの例
(出典)https://unsplash.com/
エンジニアの採用スケジュールの例を紹介します。これからエンジニアの新卒採用を予定している企業は、どういったスケジュールで採用を進めるべきか、事例を参考に考えてみましょう。
採用に向けた準備と採用スケジュール
就活ルールに準拠し、3月から広報活動をスタートする場合のスケジュールの例です。
- 2023年10月:採用計画の策定
- 2024年3~5月:採用広報の解禁・会社説明会スタート
- 2024年6~10月:書類選考から面接
- 2024年10月以降:内定通知・内定者フォロー
採用計画は就活ルールに無関係なので、できるだけ早く策定しておくことが大事です。10月を過ぎれば内定が出せるので、しっかりと内定者をフォローして辞退が出ないように工夫しましょう。就活ルール上は10月以降の内定となりますが、それ以前に内々定を学生に出す企業も多くあります。
夏のインターンシップからの採用スケジュール
夏のインターンシップを利用して、対象者の採用に結び付ける場合のスケジュールの策定例です。
- 2023年4~6月:採用計画の策定
- 2023年7~9月:インターンシップの募集・実施(夏)
- 2023年10~12月:インターンシップの募集・実施(秋冬)
- 2024年3月~6月:採用広報の解禁・インターン採用予定者の決定(内々定)
- 2024年10月~:内定通知・内定者のフォロー
あくまでも一例なので、自社の実施するインターン期間により、スケジュールを調整が必要です。夏のインターンシップで採用したい学生がいれば、秋冬のインターンは開催しなくてもよいでしょう。
秋冬インターンシップからの採用スケジュール
秋冬のみ、インターンシップを開催する場合のスケジュール例です。
- 2023年7~9月:採用スケジュールの策定
- 2023年10月~翌2月:インターンシップの募集・実施
- 2024年3~6月:採用広報の解禁・インターン採用予定者の決定(内々定)
- 2024年10月~:内定通知・内定者フォロー
競合や大手企業がインターンを実施している場合、優秀な学生がそちらに参加する可能性もあるので、状況に合わせて実施期間を調整する工夫も必要です。
スケジュールを決める際の注意点
(出典)https://unsplash.com/
エンジニアの採用スケジュールを決める際には、以下の点にも注意しましょう。自社の都合だけを優先するのではなく、学生の状況や競合の動向も考慮しながら、採用スケジュールを組み立てる必要があります。
学生の事情をしっかりと考慮する
学生特有の事情も考えつつ、採用スケジュールに柔軟性を持たせることも大事です。学生の中には、大手企業のインターンシップに参加している人や、部活動の影響で就職活動が遅れる人などもいます。
特に、夏期休暇を利用して、インターンを経験したいと考えている学生が多いため、それに合わせて参加できる日程を設けるのも有効です。早めに動く学生は優秀な傾向もあるので、アプローチのタイミングを工夫しましょう。多くの学生と接点を持つことが、自社に合った人材の採用につながります。
ライバル企業の動きもチェックする
多くのエンジニアを採用している大手企業や、競合の動きもしっかりと確認しておきましょう。インターンや面接の日程がかち合うと、優秀な人材がそちらを優先してしまう可能性もあります。場合によっては、選考スケジュールをずらす工夫も求められるでしょう。大手の選考に漏れた人材に採用プロセスに加わってもらうことも大事です。
また、毎年多くのエンジニアを採用している企業の採用スケジュールや広報などは、自社の採用活動の参考になります。まねできる部分は積極的に取り入れるとよいでしょう。
エンジニアの採用も早期選考がおすすめ?
(出典)https://unsplash.com/
原則として、企業は経団連と政府による就活ルールへの準拠が求められますが、実際には人材の早期採用をしている企業は多くあります。エンジニアの採用も例外ではなく、早めによい人材にアプローチして、いわゆる「囲い込み」を図る企業は珍しくないのが実態です。早期に採用活動を始めるメリットを確認しておきましょう。
早めにエンジニア採用を始める利点
結論をいえば、エンジニア採用でも早い段階で選考を始める方が、優秀な人材を獲得する上で有利です。
早い段階で採用活動を始めれば、より多くの学生と接点を持てるので、その中から優秀な人材を選びやすくなります。また、早めに動き出すことで選考基準や採用手法の見直しが可能になり、改善を重ねることで、効率的かつスムーズな人材採用が可能になるでしょう。
さらに前倒しで採用活動を進めれば、それだけ素養のある人材を早く入社させられるため、その後のフォローもしやすくなります。早く現場で活躍してもらえるようになるでしょう。内定辞退のリスクも減らせます。
上記のように就活ルールはすでに形骸化しており、今後正式に改正される可能性も高いです。優秀なエンジニアを獲得するならば、独自の採用スケジュールを策定し、採用活動を進めながら改善を繰り返すアプローチも検討しましょう。
採用戦略に基づいたスケジュールを策定する
(出典)https://unsplash.com/
エンジニアの新卒採用スケジュールの策定方法を解説しました。採用スケジュールを策定する際には、まず理想とする人物像を明確にした上で、採用戦略を構築する必要があります。戦略に基づいて有効な採用手法を選択し、スケジュールを策定しましょう。内定者のフォロー計画の策定も必要です。
しっかりと準備をした上で、採用活動をスタートしましょう。実施した採用戦略は適宜見直しをして、改善を繰り返す姿勢も求められます。人材採用でもPDCAを回して、アプローチの改善を重ねることが大事です。
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