若手エンジニアの育成方法6選。育成課題やポイントについて紹介

Offers HR Magazine編集部 2023年5月28日

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高いスキルを持ったエンジニアを採用するのは年々難しくなっており、自社で育成することに注力し始めた企業も増えています。しかし、エンジニアの育成がなかなか上手くいかないケースもよく見受けられます。そこでこの記事では、若手エンジニアの育成方法やポイントについて紹介します。

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若手エンジニアの育成が難しい理由

(出典)https://www.pexels.com/

現在はIT人材の不足によってエンジニアは売り手市場となっています。高いスキルを持ち、マネジメントや設計など、上流工程の仕事ができるエンジニアの採用は難しいのが現状です。

そのため自社でエンジニアを育成する試みを始める企業も少なくありませんが、エンジニア育成はなかなかうまくいかない現状があります。なぜ若手エンジニアを自社で育成することは難しいのでしょうか。多くの企業がぶつかる典型的な課題について見ていきましょう。

自社に育成のノウハウがない

エンジニアは特殊な仕事です。プログラミング言語の習得や設計・仕様書の作成などのスキルが必要になります。

エンジニアを育成しようと思っても、自社にそうしたエンジニアに関するノウハウがなく、育成が困難な企業も多いのが現状です。若手エンジニアは問題解決や技術的な指導を受けられず、いつまでも上流工程の仕事ができない状態になってしまいます。

教育や研修にリソースを割けない

育成には教育のための研修や指導者の存在が不可欠です。しかし、自社で育成に割くリソースがなく、若手のエンジニアに対し十分な教育を施せない場合もあるでしょう。

若手エンジニアに十分な研修や教育が提供されていない場合、スキルや知識の向上が難しくなります。無理に教育しようとして現場の人間に任せようとしても、教育のためのリソースがかかってしまい、本来の仕事に支障が出るといったケースも少なくありません。

その結果、若手だけでなく教育担当者のモチベーションも下がり、離職してしまうリスクも出てきてしまいます。

流動性が高いため

エンジニアは現在売り手市場であり、特に優秀なエンジニアであるほど引く手あまたな状態です。たとえ会社を辞めたとしても、優秀なエンジニアであればより良い条件ですぐに転職先が見つかるでしょう。

こうした背景もあり、エンジニアは非常に流動性の高い職業となっています。そのため、いくら育成に力を注いだとしても、エンジニアが辞めてしまっては育成コストが無駄になってしまいます。

費用対効果の採算が合わずに、教育に取り組むこと自体にネガティブなイメージを持っている企業も少なからずあるでしょう。

社内エンジニアの育成方法

(出典)https://www.pexels.com/

社内エンジニアを育成する場合、具体的にどのような方法があるのかを解説します。自社に最適な方法を見つけてみてください。

実務を交えた育成

実際に仕事をしながらエンジニアのスキルを学んでもらう方法です。具体的には以下のような育成方法があります。

コードレビュー

コードとは「プログラミング言語を使って作成した、コンピュータに命令するためのデータ」のことです。このコードには、エンジニアによって品質に大きな差が出ます。また、コードがよくできていると、コンピュータの動作が早くなったり、容量が軽くなったりといったメリットも出てくるのです。

より良いコードを書けるようになることは、若手エンジニアにとってキャリアアップの条件の一つといえるでしょう。

コードレビューとは、他のエンジニアからコードに関するフィードバックを受けることです。より品質の高いコードを作成できるようになります。

定期的な1対1のミーティング

エンジニア以外の社員教育としても使われる一般的な手法です。マネージャーやリーダーが定期的に1対1のミーティングを実施し、エンジニアの成長や課題に対するフィードバックを行います。

フィードバックによりエンジニア自身が自分の立ち位置や役割、能力を見直して改善に務めるようになります。また、仕事上の悩みやキャリアプランなどを共有し合い、ミーティング担当者と信頼関係構築するのも目的となります。

コミュニティの醸成

育成するためには、育成環境を整えることも重要です。そのために、社内外を巻き込んだエンジニアのコミュニティを醸成させるという方法も有効でしょう。

定期的な勉強会やテックトークを開催し、エンジニアが持っている情報やスキルを共有し合う場所を作ります。特定の技術や業務に関する専用のチャットルームやフォーラムを作成することも効果的です。

技術的な相談や共有が簡単にできれば、仕事の効率化やエンジニア自身の成長のために大きく役立つでしょう。

外部を使った育成

二つ目のコンセプトとして紹介するのは、外部を巻き込んだ教育です。自社にノウハウがない場合は、外部に育成自体を依頼するのは有効な手段といえるでしょう。

外部を使った育成には次のような方法があります。

外部研修・セミナー

外部研修やセミナーを使う方法は、自社にエンジニア育成のノウハウがない場合は特におすすめです。専門機関や教育企業が提供する外部研修やセミナーに従業員を参加させます。これにより、専門家から直接学ぶことができ、最新の技術や業界のトレンドをキャッチアップできます。

エンジニアの研修代行を行っている会社に、研修を依頼するという方法もあります。エンジニアが欲しいスキルセットや技術を、短期間で教育してくれます。ただし、比較的費用は高くなりがちです。

また、自社の業務を前提とした研修ではないので、本来必要だったスキルを学べないといった問題が起きないように、研修先は慎重に選ぶ必要があります。

または外部の研修やセミナーに自社のエンジニアを参加させるという方法もあります。費用を安く抑えられる一方で、成果が必ず出るかどうかは不明瞭です。

技術カンファレンスイベント参加

カンファレンスイベントとは、企業や団体が行うビジネスイベントのことです。企業からすると顧客や人材の発掘、自社のブランディングといったメリットがあります。

技術系のカンファレンスイベントの場合、著名な専門家の意見や他企業が持っている技術やノウハウ、またエンジニア同士の交流機会を得ることが可能です。

カンファレンスイベントは無料のものや参加料が安いものが多くあります。自社のエンジニアを積極的に参加させてみてはいかがでしょうか。

資格取得の支援

プログラミングやエンジニアマネジメントにはいくつも資格があります。資格取得を通じて、スキルやキャリアアップを志すエンジニアも少なくありません。

資格取得を支援して、エンジニア自身に技術向上を促進させるのも良いでしょう。

具体的には、資格取得のための研修や受験の費用を一部負担したり、資格取得のために必要な書籍の購入を経費として認めたりするなどの活動があります。

また、資格手当制度を設けるのも効果的です。この場合、若手エンジニアの育成以外に、資格を持った外部エンジニアの応募率が増えるといったメリットも見込めます。

社内エンジニアを育成するメリット

(出典)https://www.pexels.com/

社内エンジニア育成の課題はさまざまですし、コストやリソースもかかるでしょう。しかし、育成には大きなメリットがあるのも事実です。

どのようなメリットがあるのかを把握し、エンジニア育成の目的や恩恵を社内全体で共有しましょう。

アップデートやトラブルへの対応がスムーズに

社内でITツールを使用している場合や、DX化を進めている場合、システムやソフトのトラブルやアップデート対応が必要になることが多々あります。

こうした運用管理に関する業務を外注している企業も少なくありません。しかし、外注の場合は対応の遅さにつながります。例えば、外注しているエンジニアの対応時間外に、サーバーダウンや至急対応が必要なクレームが発生した場合、対応が遅くなってしまうでしょう。

社内エンジニアが対応できれば、このようなリスクを減らすことができます。

社内エンジニアが自社のシステムやプロジェクトに精通しているため、アップデートやトラブルが発生した際に迅速かつ効果的に対処することができます。

また、社内エンジニアは自社の文化やポリシー、運用手順に習熟しているため、トラブル対応やアップデートの実施においても、社内のルールや方針に沿った方法で行動できます。これにより、社内の一貫性が保たれ、他部署やチームとの連携もスムーズに進みます。

開発コストを抑えられる

社内にエンジニアがいない場合、サービスの開発などにおけるエンジニア業務は外部に委託する他にありません。外部に委託した場合、内製よりもコストが膨らむ可能性が高くなってしまいます。また、その後に運用まで委託するのであれば、さらにコストは膨らんでしまうでしょう。

しかし、社内エンジニアの育成により、これらの費用削減が可能です。自社で開発業務を行う能力が向上するため、外部の開発会社に依存せずにプロジェクトを進めることが可能となります。

加えて、社内エンジニアを育成し、自社でスキルや知識を維持・向上させることで、高額な報酬を求める外部の専門家を雇用する必要が減り、人材確保にかかるコストが削減されます。

トライ・アンド・エラーがしやすい

システム開発を外部に依頼する場合、社内である程度仕様を固める必要があります。その場合に起こり得る問題が、開発時点で見込んでいた機能や効果が、実際に完成したシステムと大きく異なるというものです。

例えば、「便利だと思った機能が使い勝手が悪い」「操作方法が分かりにくい」といったことです。開発を委託した際の契約によっては、さらにコストがかかってしまう上に、運用開始まで延期せざるを得ないといった問題も出てくるでしょう。

社内のエンジニアが対応できるのであれば、こうした問題が解消できます。自社でテストをした上で改善ができますし、トライ・アンド・エラーによってより使い勝手の良いシステムに改良していくことが可能です。

また、システム運用後にも、社員達から上がってきたフィードバックを元に、システムの改修やアップデートもできるようになります。

エンジニア育成を成功させるポイント

(出典)https://www.pexels.com/

エンジニアを社内で育成させるためには、社内の協力は不可欠です。育成のために以下の点をクリアできるように、社内全員でサポートしましょう。

報連相しやすい環境をつくる

社内エンジニアを育成するために、報連相しやすい環境を作ることが成功への鍵です。報連相が円滑に行われる環境は、情報の共有を促進し、問題解決や意思決定の迅速化に寄与します。

しかし、「報連相をしっかりと行う」と社内で呼びかけるだけでは期待が持てません。報連相のためのしっかりとしたルール作りを行うことが大切です。

そのためにもまず、明確なコミュニケーションチャンネルとルールを設定します。例えば「報告に関しては1日に1回必ず行う」「報告は必ず社内ツールで行う」といった内容です。

これにより、報連相の習慣化や確認漏れを防ぎます。

オープンな社風と風通しの良い職場環境も必須です。定期的なミーティングや社内イベントの開催などがあります。これにより、気軽に報連相しやすい関係性を構築できれば、何かトラブルが起こったときの報告も早くなります。

報連相が適切に行われる環境をつくれば、エンジニア自身が上司やマネージャーを通して「自身にどんな役割が求められているのか」を把握しやすくなります。そのため、自発的なスキルアップや学習意欲の向上につながります。

継続的な評価とフィードバック

継続的な評価は、エンジニアの強みと弱みを明確に把握することができます。定期的に行われる評価を通じて、エンジニアがどの技術や業務において優れているか、どの部分に改善が必要かを把握しやすくなります。

また、評価結果をもとに、個々のエンジニアに適切なサポートやトレーニングを提供することができるようになるでしょう。

継続的な評価とフィードバックは、エンジニアとマネージャー間のコミュニケーションを促進します。これにより、両者の信頼関係が強化され、エンジニアが報連相を行いやすくなります。さらに、エンジニアの声が組織に反映されることで、働く環境や文化が向上し、エンジニアの定着率も高まります。

担当者自身も学習を進める

担当者が自ら学習を進めることで、エンジニアの現場の状況や課題をより深く理解できるようになります。技術的な知識や業界のトレンドについて学ぶことで、エンジニアが抱える問題やニーズを把握しやすくなり、適切な教育プログラムやトレーニングを提供できるようになるでしょう。

また、技術的な話題や専門用語に対する理解が深まることで、エンジニアとの対話がスムーズになり、信頼関係の構築がしやすくなります。

担当者が学習に興味がない場合、正しく評価すべき点が評価できなくなるなどで、エンジニアの不満につながるでしょう。また担当者が学ぶことで、エンジニア自身が「一緒に学んでいく」という気持ちになり、学習に積極的になってくれる可能性が高まります。

社内エンジニアの育成で開発力を底上げする

(出典)https://www.pexels.com/

IT人材の不足やDX化などにより、社内にエンジニアが欲しい企業は増えています。しかし、優秀なエンジニアの中途採用は難しく、自社で育成するにしても、ノウハウやリソースの不足によりうまくいかないケースが珍しくありません。

しかし、社内でエンジニアを育成できれば、開発力の向上やコスト削減に大いに貢献します。そのためにも、社内全体で育成に対する理解を示し、育成のための環境を構築することが重要です。

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