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ハッカソンは技術向上やイノベーションを目的としたイベントです。社内エンジニアの育成のために、国内外を問わず多くの企業で催されています。ハッカソンを開催するメリットや目的、事例を紹介します。エンジニアの育成や新事業開発に役立ててみてください。
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ハッカソンとは?
(出典)https://www.pexels.com/
AIをはじめ、ITはめざましい進化を続けています。企業は時代に取り残されないように、自社の技術力と開発力を向上させる必要があるでしょう。 そのために催されるのがハッカソンというイベントです。
近年では、国内外を問わずハッカソンを開催する企業も増えてきています。まずはハッカソンとはどのようなイベントなのか、ハッカソンの歴史とともに解説します。
特定期間で開発を行うイベント
ハッカソンとは、「ハック」(プログラミングにおける創造や開発)と、「マラソン」を掛け合わせた言葉で、主にプログラマーやデザイナー、エンジニアなどが集まり、短期間で新しいアイデアやプロトタイプを開発するイベントです。
ハッカソンの目的は、技術力を競い合いながら新しいアイデアを形にすることで、チームワークやプロジェクト管理スキルを向上させることにあります。
ハッカソンのイベントは、例えば技術をテーマにした機械学習やアプリ開発、環境保護や教育をテーマにしたものや、学生向けハッカソンもあります。
企業が主催するハッカソンもあり、社内の人間だけで行うものもあれば、外部の人間も交えて行うなど、ハッカソンにはさまざまな種類が存在します。
ハッカソンの歴史
ハッカソンは、1999年にFacebookが行ったのが始まりといわれています。Facebookでは、元々「F8」という、8時間のハッカソンを行っており、技術を競っています。このイベントは2007年から毎年行われ、2023年まで続いています。
このイベントは、IT企業のみならず、ベンチャーキャピタルをはじめとしたさまざまな企業に普及していきました。
日本では、2010年代から始まったといわれています。大手IT企業でもハッカソンを行うようになり、現在では学校や地方自治体でも開催されるようになっているのです。
ハッカソンの目的
(出典)https://www.pexels.com/
ハッカソンはどのような目的で行われるのでしょうか。特に、社内ハッカソンを行う場合の目的について解説します。
新しいアイデアや技術を発掘
ハッカソンでは、参加者が限られた時間内に、新しい技術やアイデアに取り組むことが求められます。そのため、多様なスキルやバックグラウンドを持つ人々が集まって互いに刺激し合い、これまでにないアイデアや技術、新商品を生み出すことが可能です。
実際に、グループメッセージングアプリである「GroupMe」はハッカソンから誕生しました。また、Facebookの「いいね!」ボタンやタイムライン機能はハッカソンから生まれています。
ハッカソンは、イノベーションを促進し、組織や産業に新たな価値をもたらす可能性を秘めています。
社員のアイデアやスキルアップ
ハッカソンは、社員のスキルアップやアイデアの発見にも寄与します。参加者は、異なる分野の専門家と協力して、自分の知識や技術を活用し、新しい課題に取り組むことができます。
またハッカソンは、最新の技術やツールに触れるきっかけにもなるでしょう。そのため、社員の研究やスキルアップのために定期的に開催している企業はいくつもあります。Facebookの他にも、日本ではソフトバンクや楽天といった大手IT企業もハッカソンを開催しています。
他にも、社員同士のコミュニケーションが向上し、組織全体の協力体制が強化されることも期待できます。
ブランディング効果
ハッカソンが企業のブランディングにも寄与することがあります。イベントを主催することで、企業はイノベーティブなイメージをアピールすることができ、新たな顧客や取引先、人材を引きつけることができます。
ハッカソンを開催することで、自社の存在や商品、サービスを知ってもらい、採用や取引につなげたケースもあります。ハッカソンに参加したエンジニアにダイレクトリクルーティングをかけることも行われています。
ハッカソンの種類
(出典)https://www.pexels.com/
ハッカソンはテーマや目的に合わせていくつかの種類に分類できます。 ここでは3種類に分けて、ハッカソンの目的や特徴を紹介します。
一般ハッカソン
一般ハッカソンは、社内外関係なく参加者を募集する、もっともオーソドックスなハッカソンです。スマートシティ・AI・IoT・ゲーム開発など、さまざまな分野で開催されています。
外部の技術者も参加するために大規模になりやすく、ヤフーの「Hack Day」や、2022年に開催された国内最大規模の「東京web3ハッカソン」は、多くの企業が注目するイベントとなりました。
参加者はチームを組み、期間中に新しい技術やアイデアを活用し、プロトタイプを作成します。最後に、審査員による評価が行われ、優れた作品には賞が授与されます。
一般ハッカソンは、自分のスキルを試す場や新たな技術を学ぶ機会として非常に有益です。
社内ハッカソン
社内ハッカソンは、企業が社員向けに開催するハッカソンです。社内でのイノベーションを促進することを目的とし、従業員が自由にアイデアを出し合い、新しいプロジェクトやサービスを生み出す機会を提供します。
実際にあった例としては、料理レシピの掲載サイトとして有名なクックパッドや、フリマアプリで有名なメルカリは社内ハッカソンを開催していました。
また、異なる部門や職種の社員が一緒に働くことで、コミュニケーションやチームワークが向上し、組織全体の力が高まることが期待されます。
産学連携ハッカソン
産学連携ハッカソンは、民間企業と大学が共同で開催するハッカソンです。学生や研究者、企業の技術者やビジネスパーソンが一堂に会し、新たな技術やアイデアの創出を目指します。
産学連携ハッカソンの歴史はまだ新しく、2013年に日本ベンチャーキャピタルと東京工科大学が提携して開催した「大学ハッカソン」が始まりと言われています。このイベントでは、コンピュータサイエンス学部の3年生のうち、選抜された32名とベンチャー企業15社が参加して行われました。
学生にとっては就職活動やインターンシップの機会を提供する場として、企業にとっては、ハッカソンを通じて優秀な学生や研究者を発掘し、人材採用の幅を広げる場として用いられます。
また企業からすると、学生との議論を通じて若い世代のニーズを把握し、イノベーションを推進するきっかけにもなるでしょう。
ハッカソンのメリット
(出典)https://www.pexels.com/
ハッカソンを開催することで自社エンジニアにどのようなメリットがあるのでしょうか。具体的なメリットについて、詳しく紹介しましょう。
最新技術に触れる
ITの革新は目まぐるしく、社内エンジニアはハッカソンによって、それらの最新技術に触れる機会を得ます。特に直近では人工知能やIoTの分野に注目が集まっており、ChatGPTやBardなどの革新的なプラットフォームが生まれています。
こうした最新技術に社内エンジニアが触れることで、社内業務にも最新技術の導入が検討され、効率化やコスト削減が進んでいくことに期待が持てます。
ゼロから関わる経験を与えられる
普段の仕事で、プロジェクトの発案や要件定義などの上流工程に関わったことがないエンジニアも、ハッカソンを通じてそうした自分の業務範囲外の上流工程に関わる機会があります。
短期間ではあるものの、システムやアプリの開発をゼロから行うのは、特に若手エンジニアにとっては貴重な経験となるでしょう。 上流工程を経験することで、普段の業務でもエンゲージメントが高まるほかに、エンジニアとしてスキルアップしようという、やる気と目標を見いだしてくれるかもしれません。
ひいては、社内のエンジニア人材のスキル・キャリアの底上げにもつながります。
オープンイノベーションにつながる
オープンイノベーションとは、企業が持っている技術や知識を外部との交流を通じて、新たな価値創造を促進する取り組みのことを指します。
ハッカソンで社外のエンジニアと交流を図ることで、自社の文化では生まれることがなかった新しい企画や開発が生まれるかもしれません。
ハッカソンのイベント事例
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実際に行われたハッカソンの事例を紹介します。国土交通省が開催した「アイデアソン・ハッカソン」と、東京大学の「JPHACKS(ジャパンハックス)」について見ていきましょう。
国土交通省「アイデアソン・ハッカソン」
国土交通省がアイデアソン・ハッカソンを主催したこともあります。
※アイデアソンとは、アイデアやビジネスモデルの構築を行うイベントで、ハッカソンとは違い実際に開発などは行いません
国土交通省が進める3D都市モデル整備のプロジェクト「PLATEAU [プラトー] 」では、開発の一環として、PLATEAU Hack Challenge 2021」と題したハッカソンが実施されました。
3D都市モデルの実装に向けて、現在でもさまざまなハッカソンやイベントが開催されています。
東京大学「JPHACKS(ジャパンハックス)」
JPHACKS(ジャパンハックス)は、学生を対象にした日本最大規模のハッカソンで、2014年より全国の複数都市で開催されています。
2022年はオフラインとオンラインで開催され、東京大学以外にも、北海道大学や東北大学などさまざまな大学が共催・提携し、大手企業もスポンサーとして参加しています。
ハッカソンによるイノベーションの推進
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ハッカソンは、技術者同士の交流や、最新技術に触れる場として知られています。教育機関や省庁が開催しているものや、企業が社内外向けに開催しているものなどさまざまです。
自社で開催、あるいは自社のエンジニアを外部のハッカソンに参加させることでオープンイノベーションを促進し、開発力アップや技術革新につなげる期待が持てます。
ハッカソンを通じて、自社エンジニア人材のスキルとキャリアの底上げを図ってみてください。
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