エンジニアの採用手法や雇用形態は複数あり、近年は副業エンジニアやフリーランスを活用する企業が増えています。人事担当者は、採用と雇用の違いを理解しましょう。
「採用」と「雇用」の違いは?雇用形態の種類やエンジニア採用の特徴なども解説
監修者株式会社overflow / 編集担当
Offers HR Magazine編集部Offers HR Magazine 編集部は、株式会社overflow が運営する採用メディアの編集チームです。エンジニア採用に取り組む人事・採用担当者に向けて、採用手法・人事制度・組織づくりの情報を届けています。
「採用」と「雇用」の違いは?

企業の人事に関わる担当者は、「採用」と「雇用」の違いを理解しているでしょうか?同じものと認識している人は多いですが、採用は雇用よりも多くの意味を含み、幅広いシーンで使えます。
ビジネスシーンにおける「採用」の意味
本来の意味は「ふさわしいと思われる人物・意見・方法などを採取して利用すること」ですが、ビジネスシーンでは、社員やチームメンバーを選ぶ、あるいは人を雇い入れて職務に就かせることを指すのが一般的です。
求人サイトやエージェントを通じて、自社に必要な人材を雇うことはもちろん、社員の中から、特定のポジションに就く人物を選出することも採用に当たります。
使用できる範囲が広く、「アイデアを採用する」「Aの方法を採用する」「最新システムを採用する」など、アイデア・方法・物に対しても採用という表現を使えます。
「雇用」の意味と目的
「雇用」とは、労働に従事させる目的で、企業や組織が人を雇い入れることを指します。人を雇う際は、労働契約(雇用契約)を締結した上で、労働条件通知書を交付しなければなりません。雇用された側(労働者)は、労働の対価として、あらかじめ決められた賃金を受け取ります。
採用は、人・アイデア・方法・物に対して使えるのに対し、雇用は「人」にしか使えないのが特徴です。企業で正社員として働くことが雇用だと認識している人もいますが、雇用形態は問いません。
エンジニアを必要とする企業では、正社員のみならず、契約社員やアルバイトで人材を確保するケースがあります。
エンジニアの雇用形態の種類

エンジニアの主な雇用形態には、正社員・契約社員・派遣社員・アルバイトがあります。このうち、正社員は「正規雇用」で、その他は「非正規雇用」です。
正社員(正規雇用)
エンジニアの雇用形態で最もスタンダードなのは「正社員(正規雇用)」です。フルタイム勤務で、雇用期間・勤務地・職務内容に制限がありません。企業にもよりますが、賃金は月給制が多いでしょう。雇用保険・社会保険の加入対象で、企業独自の福利厚生も享受できます。
正社員は長期雇用が前提であり、企業側は社員に対してスキルアップやキャリアアップの機会を用意しなければなりません。
新卒エンジニアの場合、入社後は雑務や下流工程に携わります。実務経験を積んだ後は、上流工程や顧客折衝を担当し、プロジェクトリーダー(PL)やプロジェクトマネージャー(PM)をはじめとするマネジメント職を目指す人が多いでしょう。
契約社員
契約社員は、正社員と同じフルタイム勤務ですが、契約によって雇用期間が定められているのが大きな特徴です(有期雇用)。1回の契約による雇用期間は原則3年が上限で、契約満了時に契約更新か終了かを判断します。
同じポジションであれば、基礎的な給与は正社員と大きく変わりませんが、契約期間中における昇進や昇給はなく、年数が長くなるにつれて正社員との差が開くでしょう。
なお、有期労働契約の通算期間が5年を超えている契約社員で、一定の条件を満たしている者は、契約更新時に「無期雇用への変更」を申し込めます(無期転換ルール)。雇用主は、契約期間の定めのない「無期労働契約」に変更しなければなりません。
派遣社員
派遣社員は、派遣会社と労働契約を結び、紹介された派遣先で働きます。派遣先の企業は、派遣会社に必要な人材を外注している形になり、派遣社員とは直接の雇用関係がありません。
- 給与は派遣会社が支払う
- 派遣会社の就業規則や福利厚生が適用される
原則、派遣先の企業の就業規則は適用されないため、派遣社員が懲戒事由に当たる行為を行ったとしても、直接懲戒処分を下せない点に留意しましょう。派遣先の企業としては、必要なときに必要な労働力を確保できるのがメリットです。
アルバイト(パートタイム労働者)
アルバイトやパートは、「パートタイム労働者」と呼ばれます。1日または1週間の労働時間が正社員よりも短く、賃金は時給制がほとんどでしょう。企業にとっては人員調整がしやすく、正社員よりも人件費が抑えられるのがメリットです。
2021年4月に全面施行された「パートタイム・有期雇用労働法」は、正社員とパートタイム労働者および有期雇用労働者との不合理な待遇差を禁じています。同じ仕事に就いている限り、同一労働同一賃金となる点に注意が必要です。
雇用期間に定めがある「有期雇用」が一般的ですが、有期労働契約の通算契約期間が5年を超えた場合は、本人の申し込みによって「無期労働契約」が成立することも覚えておきましょう(無期転換ルール)。
日本では、パートタイム労働者への社会保険適用が段階的に拡大しています。2026年10月時点では、従業員数51人以上の勤め先で、週の所定労働時間が20時間以上であり、学生ではない等の条件を満たしたパートタイム労働者が、社会保険の加入対象です。短時間労働者の賃金要件(所定内賃金が月額8.8万円以上)は、2026年10月1日に撤廃されました。
出典:パートタイム労働者、有期雇用労働者の雇用管理の改善のために|厚生労働省
無期転換の概要 契約社員、アルバイトなどの方 | 有期契約労働者の無期転換サイト
エンジニア採用の特徴

企業のDX推進や社会のデジタル化により、あらゆる業界でエンジニアの需要が高まっています。他職種に比べて採用のハードルは高く、必要なタイミングで必要な人材を確保できるとは限りません。エンジニアの採用を検討している企業は、採用市場の現状や働き方の特徴を把握しましょう。
需給ギャップが大きく経験者採用が難しい
エンジニアを含むIT人材は需給ギャップが大きく、採用難が続いています。ここでいう「需給ギャップ」とは、労働市場における人材の需要と供給の差です。
東京ハローワークが公開する「職業別有効求人・求職状況(2023年10月分)」によると、IT技術関連の有効求人倍率は3.04倍でした。求職者1人を3社が奪い合う状態であり、多くの企業にとって「経験者採用」は難易度が高いのが現状です。
他の職種に比べ、エンジニアの経験者採用が難しい理由としては、以下のようなものが挙げられます。
- DXの推進やICT投資の活発化で、優秀な経験者を求める企業が増えている
- 企業がエンジニアを高待遇で囲い込むため、採用市場の流動性が低下している
- 労働人口の減少によって、働き手の絶対数が減っている
出典:【東京】職種別有効求人・求職状況(平成29年度) | 東京ハローワーク
経験者に提示する年収が相場とずれていないかは、Offers のお役立ち資料にある「エンジニア年収レポート2026」で確かめられます。職種・言語・スキル別の年収データを集計した資料です。
技術面の評価が難しい
エンジニアの選考プロセスでは、コーディングテストや技術面接をはじめとする「技術面の評価」を行うのが一般的です。人事担当者が技術面に明るくない場合、評価は困難を極めるでしょう。
エンジニアの多くは、転職先の開発環境や開発技術、業務内容を重視します。企業理念や企業文化をアピールしても、求職者の心が動くとは限りません。
応募者の技術スキルを正しく評価し、かつ応募者が知りたい情報を的確に伝えるためにも、採用活動に現場(エンジニア職の社員)を巻き込むことが肝要です。人事担当者のみで選考を進めた場合、採用のミスマッチが生じる恐れがあります。
多様化する働き方への対応が必要
新型コロナウイルスのまん延や働き方改革などを経て、日本では「働き方の多様化」を認める動きが加速しています。エンジニアの中には、在宅ワークや時短勤務といった「時間や場所に縛られない働き方」を望む人がいるため、企業は柔軟に対応する必要があるでしょう。
また、正社員として働きながら別企業の開発を請け負う「副業エンジニア」や特定の企業に所属しない「フリーランス」も増加傾向にあります。
多様な働き方が浸透すると「転職せずに自分の望むキャリアを実現する人」が増えるため、採用市場で優秀な人材を見つけるのはさらに難しくなるでしょう。エンジニアの正社員採用にこだわり続ければ、いつまでたってもポジションが埋まらない可能性があります。
副業エンジニアやフリーランスとの契約にも注目

近年は、正社員や契約社員の雇用に加え、副業エンジニアやフリーランスと「業務委託契約」を締結する企業が増えています。業務委託契約は、企業にとってどのようなメリットがあるのでしょうか?
業務委託契約のメリットは?
業務委託契約とは、民法上に定義される「請負契約」と「委任契約・準委任契約」の総称です。業務を依頼する企業(発注者)は、「業務の完成」や「業務の遂行」の対価として、エンジニア(受注者)に報酬を支払います。
企業が、副業エンジニアやフリーランスと業務委託契約を結ぶメリットは、以下の通りです。
- 必要な人材をピンポイントで採用できる
- 短期間のプロジェクトにも柔軟に対応してもらえる
- 即戦力として採用でき、育成コストがかからない
- 副業からの正社員登用が検討できる
- 採用のミスマッチのリスクが低い
自社に合った採用手法や雇用形態を検討する
エンジニアの採用手法や雇用形態は一つだけではありません。最も一般的なのは正社員としての雇用ですが、エンジニアの人材不足が深刻化する近年は、副業やフリーランスの採用を検討する企業が増えています。
経営方針や今後の事業計画と照らし合わせながら、自社に合った方法で人的リソースを確保しましょう。
求人を出して待つ採用から、先に出会いにいく採用へ。
Offers AI RPOは、採用計画の策定から候補者選定・面談調整までAIと専門チームが伴走。転職市場に出る前のエンジニアにアプローチできます。
まずは無料で相談するハイクラスエンジニア採用の無料相談
オンライン(Zoom)/60分
求人・スカウト・エージェント、AIでの効率化まで進めても、CTO・VPoE・テックリードなどのハイクラスエンジニアの採用が決まらない。その原因がどこにあるのかを、採用中のポジションに該当する登録者の在籍状況とあわせて、一緒に整理します。情報収集の段階でも、お気軽にご利用ください。
よくあるご相談
- ハイクラスの求人が数ヶ月動かない。何を変えれば決まるのか知りたい
- いま転職を考えていない優秀なエンジニアに、どう会いに行くのか知りたい
- 採用予算をお預かりし、使った分だけ課金・未消化分は全額返金する形(予算型リテーナー)の詳細を知りたい
支援実績(一部)
関連記事
- 採用
オンボーディングとは|定義と設計の5段階・完了基準
オンボーディングは、新しく加わった人が1人で成果を出せるようになるまでを組織が計画して支える取り組みです。
.jpg?w=64&h=64&fit=crop&q=75&fm=webp)
株式会社overflow 編集担当
Offers HR Magazine編集部
- 採用
リファラル採用ツールの選び方とおすすめ5選
リファラル採用ツールを、特化型・採用管理システム搭載型・SNSのつながりで探す型の3つに分け、選ぶときの6つの確認点と5つのツールの機能・料金の出し方・契約期間をまとめました。各社の公式サイトで2026年10月に確かめた内容です。
.jpg?w=64&h=64&fit=crop&q=75&fm=webp)
株式会社overflow 編集担当
Offers HR Magazine編集部
- 採用
エンジニア評価制度のポイントと注意点とは?
エンジニアの評価制度は、能力評価・業績評価・情意評価の3つを軸に、職種ごとの評価項目と評価シートで運用します。短期間で結果が出せない業務や、技術力を評価できる人材の不足が、運用で企業が抱える課題です。
.jpg?w=64&h=64&fit=crop&q=75&fm=webp)
株式会社overflow 編集担当
Offers HR Magazine編集部
- 採用
ヘッドハンティング採用の仕組みと法律上の線引き
ヘッドハンティングは、企業の依頼を受けた第三者が転職を考えていない人材まで探し出し、転職を勧める採用手法です。事業として行うには有料職業紹介事業の許可が要り、自社で直接声をかける引き抜きは労働者の募集として原則自由です。
.jpg?w=64&h=64&fit=crop&q=75&fm=webp)
株式会社overflow 編集担当
Offers HR Magazine編集部
- 採用
ウーマノミクスとは?具体的な効果と課題を詳しく解説
ウーマノミクスとは、女性の経済的な力を引き出して日本経済の活性化を図る考え方で、労働力不足の解消や経済成長が狙いです。1999年のゴールドマン・サックスのレポートが出どころで、2013年に政府が成長戦略で女性の活躍を中核に据えました。
.jpg?w=64&h=64&fit=crop&q=75&fm=webp)
株式会社overflow 編集担当
Offers HR Magazine編集部
- 採用
RPOとは?委託できる業務と職業安定法の3つの境界
RPO(採用代行)は採用業務の外部委託ですが、法律にRPOという区分はありません。どの業務までを許可なしで任せられるのか、スカウトを外に出すと何が要るのか。
.jpg?w=64&h=64&fit=crop&q=75&fm=webp)
株式会社overflow 編集担当
Offers HR Magazine編集部
イベント・セミナー
採用業務を半年で529時間削減。Claude Codeでつくる、Slack完結の採用AIエージェント 〜人とAIエージェントの役割分担を、どう決めるか〜
開催予定日:2026/11/26(木) 12:00〜13:00 Live配信、2026/12/01(火) 12:00〜13:00 アーカイブ配信
詳細を見るDeNAが内製した、評価サイクルをAIが伴走する仕組み 〜評価レビューの時間を3割弱削減。目標設定から評価付けまで、AIが提案し、人が決める〜
開催予定日:2026/11/19(木) 12:00〜13:00 Live配信、2026/11/24(火) 12:00〜13:00 アーカイブ配信
詳細を見る
【Claude Code / Codexユーザー歓迎】人事の「こんなツールがあったら」を目の前でつくる夜 〜Ubie×Offersと、持ち寄った"欲しい"を形にするモック大会〜
2026/11/16(月) 19:00〜21:00
詳細を見る
55工程の可視化から始めた、Geminiによる採用業務改革 〜採用の質を落とさず業務を効率化するために、AIと協働して面接業務工数を50%削減。サイバーセキュリティクラウドの実践プロセス〜
開催予定日:2026/10/29(木) 12:00〜13:00 Live配信、2026/11/9(月) 12:00〜13:00 アーカイブ配信
詳細を見るお役立ち資料

採用計画テンプレート
採用戦略の立案から予算配分まで、具体的な数値とモデルケースを盛り込んだExcelテンプレート。自社の採用計画を一から組み立てるときのたたき台に使えます。

採用KPI管理テンプレート
応募から入社までの各段階の数値を1枚で管理できるExcelテンプレート。歩留まりの詰まりを見つけ、採用目標までの道筋を数字で確かめられます。
3分でわかるOffers
ハイクラスエンジニアの最新トレンド〜Offersの機能・導入実績まで、3分間でご紹介!
Offers採用成功事例集
Offersを導入し、採用に成功された事例をご紹介。職種別の課題や工夫をご理解いただけます。

