エンジニアの新卒採用を始めるべき時期は?スケジュール策定のポイントを解説

Offers HR Magazine編集部 2024年1月26日

Offers HR Magazine編集部

目次

エンジニアの経験者採用が困難を極める中、新卒採用に力を入れる企業が増えています。ターゲットとなる学生の動向や最新の就活事情を把握した上で、採用時期を決定しましょう。スケジュール策定のポイントや2024年卒のスケジュール例を紹介します。

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エンジニアの新卒採用の傾向は?

(出典)https://www.pexels.com/

新卒採用と経験者採用は、採用に適した時期やスケジュール策定のポイントが異なります。エンジニアの新卒採用を検討している企業は、最新の就活事情や採用選考のルールを理解した上で、採用スケジュールを立てましょう。

未経験のエンジニア採用が増加

近年はエンジニアの新卒採用に注力する企業が増加傾向にあります。その背景には、慢性的なエンジニア不足が関係しています。

東京ハローワークの「職業別有効求人・求職状況(2023年9月分)」によると、IT技術関連の有効求人倍率は3.02倍で、1人の求職者を3社が奪い合う状態です。

特に、経験豊富なキャリア組は競争率が高く、いくら求人広告を打っても希望する人材を採用できない可能性があります。

先行きが見えない中、経験者を優先としながらも、新卒エンジニアを積極的に採用し、自社での育成を試みる企業が増えています。社会のデジタル化やDXによってエンジニアの需要が拡大すれば、今後は新卒採用さえも難しくなるでしょう。

出典:【東京】職種別有効求人・求職状況(平成29年度) | 東京ハローワーク

多くの企業が採用時期を前倒し

政府の「就職・採用活動に関する要請」に基づくと、新卒採用は卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降に広報活動が解禁されます。選考開始は6月以降で、正式な内定日は10月以降が一般的です。

ただしエンジニア採用は、一般的なスケジュールよりも採用時期が前倒しになる傾向があります。外資系企業やベンチャー企業の場合、学部3年生の春ごろから採用活動を始め、同年12月ごろまでに終了させるところが少なくありません。

エンジニアの新卒採用で最も苦労する点の一つが、スキルの見極めです。スキルレベルの判断や採用要件の設定、現場エンジニアとの打ち合わせに十分な時間をかけるために、採用時期を早める企業も見受けられます。

出典:就職・採用活動に関する要請|内閣官房ホームページ

採用選考の指針の廃止も早期化の一因

これまで、新卒採用は経団連(一般社団法人 日本経済団体連合会)の「採用選考に関する指針(通称、就活ルール)」に基づいて行われていました。しかし、2018年10月にルールを廃止する声明が出され、その後は政府が「就職・採用活動に関する要請」を発表しています。

就職・採用活動に関する要請は、経団連の就活ルールを踏襲したものですが、要請に従わない企業への罰則は盛り込まれておらず、多くの企業は比較的自由に採用活動を行っているのが実情です。

特に、エンジニアをはじめとするIT人材は採用難が続いているため、多くの企業は選考解禁前のインターンシップに力を入れ、優秀な学生との接点を得ようとしています。

出典:就職・採用活動に関する要請|内閣官房ホームページ

エンジニアの新卒採用の時期は?

(出典)https://www.pexels.com/

新卒採用を検討している企業は、政府の要請と競合他社の動向の両方を考慮しながら、自社にとって最適なスケジュールを策定する必要があります。2024年卒の人材の採用スケジュール例と2025年卒からの採用活動のポイントを解説します。

2024年卒の人材の採用スケジュールの例

就職・採用活動に関する要請では、2024年卒の採用活動の日程を以下のように定めています。

  • 広報活動開始:卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降
  • 採用選考活動開始:卒業・修了年度の6月1日以降
  • 正式な内定日:卒業・修了年度の10月1日以降

上記の日程を考慮した採用スケジュールの一例は以下の通りです。広報活動を開始するのは2023年3月以降であるものの、多くの企業は2022年5月頃からインターンシップをスタートしています。

2022年5~8月

夏のインターンシップ

2022年9~12月

秋・冬のインターンシップ

採用計画の確定

2023年1~2月

インターンシップ参加者へのフォロー

採用活動の準備

2023年3月~

広報活動開始

会社説明会の実施

2023年6月~

採用選考活動開始

内定者決定

内定者フォロー

2023年10月~2024年2月

内定式

入社前研修

2025年卒の人材の採用スケジュールはどうなる?

就活ルールが廃止されて以降、経団連と大学のトップが対話する「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」が設けられました。2022年4月に実施された産学協議会では、「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」が改正されています。

インターンシップは「学生が在学中に自らの専攻、将来のキャリアに関連した就業体験を行うこと」であり、これまではインターンシップで取得した学生情報を広報活動や採用選考活動に使用できないルールでした。

しかし、2025年卒からは一定の基準に準拠するインターンシップで得られた学生情報に限り、採用活動開始後の活用が可能です。今後は、インターンシップを採用活動の一環と捉える企業が増えるため、実質的な選考解禁がさらに早まるでしょう。

出典:採用と大学教育の未来に関する産学協議会 2021年度報告書「産学協働による自律的なキャリア形成の推進」

新卒採用のスケジュール策定のコツ

(出典)https://www.pexels.com/

経験者採用と違い、新卒採用は長期戦です。2025年卒からは、採用活動がさらに早期化・長期化すると見込まれるため、早めの行動が望まれます。ターゲットとなる学生の動向を把握した上で、戦略的なスケジュールを策定しましょう。

採用戦略に基づいた計画を立てる

スケジュールを決める前に、採用すべき人物像(ペルソナ)を明確にする必要があります。経験者採用と違い、大半の学生は実務経験がありません。

経験や実績が乏しい中、人物像を決め、選考の基準となるスキルや資質、行動特性を要件として設定するのは容易ではないといえます。人事部だけで決めず、必ず現場のエンジニアに協力を仰ぎましょう。

ペルソナや採用要件を明確化した後は、採用戦略および採用計画の策定を行う流れです。インターンシップを採用にどう生かすかを考えながら、戦略を具体的なスケジュールに落とし込みましょう。

採用ニーズの戦略化やスケジュールへの落とし込みについては、以下のコラムをご覧ください。

エンジニアの新卒採用スケジュールを決めるには?具体例や注意点も | Offers HR Magazine

事前に学生の動向を調査する

採用戦略の策定では、ターゲットとなる学生の就活スケジュールや動向を調査することが重要です。

多くの学生は、学部3年生の夏休みを利用してインターンシップに参加するため、企業はプログラムの充実に力を入れる必要があります。秋・冬のインターンシップは、授業がある学生を考慮して、1日限りの「ワンデー仕事体験」を開催するのが望ましいでしょう。

就活の開始時期や情報収集の方法は学生ごとに異なります。特に、エンジニアを目指す大学生や大学院生は、知り合いのつてを使ったり、大型のイベントに参加したりして、効率良く情報収集をする傾向があります。

企業は、就職サイトへの広告掲載だけでなく、交流会や合同企業説明会、キャリアフェアといったイベントにも力を入れましょう。

過去の採用活動を分析する

継続的に新卒採用を実施している企業は、過去の採用活動の振り返りを行いましょう。Plan(計画)→Do(実行)→Check(確認)→Action(対策・改善)のサイクルの繰り返しにより、採用活動がブラッシュアップされていきます。

具体的には、成功した取り組みや改善点、自社の強み・弱みなどを洗い出し、次の採用計画に反映させます。ただし、新卒採用を取り巻く状況は常に変化しており、過去の成功体験が必ずしも通用するとは限りません。ターゲットや採用戦略は状況に合わせて変えていく必要があります。

エンジニアの新卒採用を成功させるために

(出典)https://www.pexels.com/

新卒採用は選考時期の早期化が進んでいますが、時期を早めさえすればよいわけではありません。求める人材の採用を成功させるには、採用手法の選定や情報発信、魅力付けにも力を入れる必要があります。

有効な採用媒体や採用手法を検討する

新卒採用の一般的な手段といえば、就職サイトへの広告掲載です。エンジニアの新卒採用でも一定の効果は見込めますが、応募を待つだけでは、他社に優秀な人材を奪われかねません。

前述の通り、エンジニアを目指す学生や大学院生は、大手の就職サイト以外の方法で就活をする傾向があるため、ターゲットに合った採用媒体や採用手法を検討する必要があるでしょう。

エンジニアの採用に有効なのが、「ダイレクトリクルーティング(スカウト型採用)」です。ダイレクトリクルーティングサービスやSNSなどを用い、企業からターゲットに直接アプローチする手法で、質の高い母集団を形成できるのがメリットです。

スカウト型採用を成功させるポイントについては、以下のコラムで詳しく解説しています。

スカウト型採用はエンジニア採用に最適?ターゲット人材の探し方 | Offers HR Magazine

自社の情報発信にも力を入れる

新卒かどうかにかかわらず、エンジニアの採用市場は売り手が優勢です。企業としてのビジョンや事業内容はもちろん、労働環境や待遇、キャリアパスなどに魅力がなければ、優秀な人材は他社に流れてしまいます。

とりわけ、ネームバリューのない中小企業は、自社の認知拡大や魅力付けを目的とした広報活動が欠かせません。

マイナビキャリアリサーチLabの「2023年度(24年卒版)新卒採用・就職戦線総括」によると、7割弱の学生が企業の福利厚生に関心を持っています。情報発信をするに当たり、ターゲットとなる学生が企業に何を求めているかをしっかりリサーチしましょう。

出典:2023年度(24年卒版)新卒採用・就職戦線総括 | マイナビキャリアリサーチLab

新卒採用の時期を見極めてスケジュールを立てる

(出典)https://www.pexels.com/

新卒採用のスタート時期は、年々早まっています。競合他社よりも早く採用活動をスタートさせれば、優秀な学生を先に確保できる可能性は高まりますが、学業に専念したいという学生の立場も考慮しなければなりません。

「求める人材を確保するには、どの時期にアプローチするのが効果的か」を考えながら、新卒採用の最適な時期を見極めることが肝要です。まずは、前年度の実施状況や競合他社の動向をリサーチするところから始めましょう。

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