エンジニアが副業する目的は?報酬以外の目的、企業が副業採用を成功させるポイントを解説

Offers HR Magazine編集部 2024年1月17日

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目次

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Offersを導入し、ITエンジニア・デザイナーを採用された方々の事例をケース別にご紹介。ITエンジニア・デザイナーの具体的な採用事例から、カスタマーサクセスが実現した採用工数の大幅な削減、スピード採用を実現する副業採用の実態まで全てこの一冊で徹底解説。


最近のIT人材不足は、エンジニアの採用を一層困難にしています。この状況を受けて、副業エンジニアの採用が増える企業が目立ち始めています。副業採用を成功に導くためには、エンジニアが副業を選ぶ理由を理解することが不可欠です。ここでは、エンジニアが副業を選ぶ目的や、企業が副業採用を成功させるためのメリットとポイントについて解説します。

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エンジニアが副業する目的

エンジニアが副業を選ぶ動機は多岐にわたり、報酬の増加、スキルの向上、新しい人脈の形成などが挙げられます。企業自身が副業人材を適切にマネジメントするためにも、その動機を正確に理解することが必要です。

Offersでは、サービス利用者を対象に、以下の条件下でアンケート調査を実施しました。

調査対象:下記の条件に合致した160名

  • Offers登録者
  • 副業経験者

このアンケート結果を元に、エンジニアが副業する目的について解説します。

出典:副業実態調査レポートvol.1〜79.4%が、コロナ後に副業を開始したと回答〜

主な目的は「報酬」「スキルアップ」「人脈作り」

「副業の目的について教えてください」という質問に対して、多くのエンジニアが「報酬」を最優先に挙げました。

これに続く目的として「スキルアップ」と「人脈作り」があがりました。1社での勤務だけでは報酬に限りがあるため、追加の収入を得るために副業を選んでいるということでしょう。

さらに、自社では得ることのできない専門的なノウハウやスキル、新しい人脈を築くためにも副業を選択するエンジニアが多い傾向が見て取れます。

年齢による傾向の違い

出典:副業実態調査レポートvol.1〜79.4%が、コロナ後に副業を開始したと回答〜

また、年齢別の副業目的についてはこのような結果となりました。

20代は「スキルアップ」を最重要視。キャリア形成の初期段階で、将来に向けたスキルの習得を重要視する傾向が見られます。

30代、40代、50代では「報酬」が主要な動機。特に40代、50代では、老後の備えや社会に対する不安から、報酬を最優先の目的としています。

一方で、60代では「友人・知人に誘われた」「社会貢献」を目的とする割合が増えることが確認されました。

各年代には明確な動機の傾向が見受けられ、これを理解することで、企業は年齢層やキャリアステージに合った副業エンジニアの採用戦略を展開する手がかりとすることができます。

スキルアップ支援制度の存在と副業の関連性

エンジニアの副業動機には、「報酬」とともに「スキルアップ」が大きなウェイトを占めていることが分かっています。特に、若い世代においては、副業を通じて技能や知識を拡充しようとする傾向が強いです。

この現象から一つの洞察を得ることができます。若いエンジニアが自社に長く留まり、そのキャリアを発展させるためには、企業が積極的なスキルアップ支援を行う制度を有しているかが、キーとなる要素であると言えそうです。

若いエンジニアが自社に長く留まり、そのキャリアを発展させるためには、企業が積極的なスキルアップ支援を行う制度を有しているかが重要な指標と言えるのではないでしょうか。Offersでは、以下の調査対象を元に、スキルアップを支援する制度があるかのアンケートを実施しました。その結果を見ていきましょう。


調査対象:下記の条件に合致した173名

  • Offers登録者
  • 副業経験者

出典:副業人材のスキルアップ・リスキリングレポート〜副業の目的としてスキルアップが60.7%、リスキリングが41.6%〜

本業の会社でのスキルアップ支援制度については、ある側の1位が「書籍購入補助」(39.3%)、「資格取得支援制度」(33.5%)、「社員による社内勉強会」(27.7%)という結果が出ました。

また、ある側の1位である「書籍購入補助」と同程度の数値で「なし」という答えもあがっています。

スキルアップ制度が自社にないことが、社員が副業する割合を高めているのかもしれません。

企業が自社エンジニアに副業を許可するメリット

そもそも「副業を許可していない企業」も少なくありません。その理由としては「本業に専念して欲しいから」「情報漏洩が心配」「引き抜きに合う可能性がある」などの声があります。

しかし、エンジニアの副業率は5割を超えているとの調査結果もあり、副業を許可しない政策が、エンジニアの退職を招くリスクも孕んでいるという視点も存在します。

従って、企業が副業を許可することのメリットに目を向け、その価値をきちんと理解するステップも重要です。

自社の副業解禁について考えるためにも、まずは副業を許可するメリットについて考えてみてはいかがでしょうか。

参考:LAPRAS株式会社|〜LAPRAS、ITエンジニア407名の副業実態調査結果を公表〜

自社エンジニアのスキル向上

エンジニアにとって、さまざまな企業で経験を積むことは自身のスキル向上につながります。自社で使っていないツールやサービスに触れる機会、他社のエンジニアとの情報交換を通じて、自身のスキルや知見を向上させることができます。

エンジニアのそうしたスキルアップは、エンジニア本人だけが恩恵を受けるわけではありません。自社で働く際のパフォーマンスの向上や、より効率的なツールや開発方法を提案してくれる可能性もあります。

副業によってエンジニアのスキルが向上すれば、自社開発の効率やパフォーマンスの底上げにもつながるでしょう。

優秀なエンジニアの獲得と流出防止

エンジニアが報酬を上げたい、スキルアップをしたいと思っていても一社では限界があります。上のグラフで記載したように、報酬やスキルアップを望むエンジニアは少なくありません。

そうした上昇志向のある優秀なエンジニアほど、自社に副業がなければ副業可能な会社に転職を考えてしまうかもしれません。

また副業を解禁することで、優秀なエンジニアが応募してきたり、他社の優秀なエンジニアが副業で働いてくれたりする可能性も高まります。

待遇の不満による流出を防ぎ、かつ優秀なエンジニアの獲得機会を増やせる可能性につながります。

新事業の創出や事業拡大の可能性が生まれる


副業を行うことで、展示車のエンジニアが他社のエンジニアや経営者と交流を深めるなどして新たな人脈や情報を仕入れる機会を増やすことができます。

その結果、自社では考えられなかった新事業のヒントや、事業拡大のきっかけとなるパートナーシップが生まれる可能性もあります。

副業エンジニアを通じて自社にない人材や文化、技術を流入できるのは、副業の大きなメリットと言えるでしょう。

副業人材を採用するメリット

自社の社員が副業するメリットだけではなく、副業人材を自社で採用するメリットについても見ていきましょう。

採用ミスマッチのリスクを軽減できる

副業人材を採用している企業が述べるメリットとして最も多いのが、採用ミスマッチによるリスクを軽減できるという点です。日本の法律上、一度正社員として採用してしまうと簡単に解雇することはできません。

そのため正社員として採用したエンジニアが自社の文化や働き方に合わなかった場合に対応が難しくなります。

一方で、副業や業務委託形式での採用では、通常3ヶ月から半年の契約期間が設定され、その間にパフォーマンスや文化への適合性を確認できます。この期間を“試用期間”とみなし、適合した場合に正社員としてオファーする手法が増えています。

採用対象の幅が広がる

エンジニア不足が深刻化する中、副業エンジニアの採用は新しい可能性を生み出します。

副業エンジニアは新しいチャンスを求めており、そのエンジニアをフルコミットの正社員として採用するのが難しくても、部分的なタスクを副業として委託することは可能です。

また、優秀なエンジニアほど副業に積極的な姿勢を示す人も多いため、自社を志望する動機付けにもつながります。

副業を解禁することで、フルタイムでの採用が難しい優秀なエンジニアとも関わることができ、それが将来的にフルタイムでの採用に繋がるかもしれません。

採用コストを削減できる

前述したリスクの観点から、正社員の採用はどうしても慎重にならざるを得ません。採用活動に積極的に投資をしたり、採用のための面接や選考にかける時間も多くなってしまいます。

一方で副業の場合、期間を設けて採用できるため正社員ほど厳密な選考をしない企業も少なくありません。副業採用のマッチングサービスなどを使い、比較的低コストで副業採用を実施している企業もあります。

また正社員なら基本的にフルコミット前提で採用しなければなりませんが、副業の場合、最初は短時間でコミットしてもらう働き方もしやすいでしょう。

こうした理由から、副業採用により採用コストを削減できることに期待が持てます。

副業人材を正社員採用した事例

Offersにおいて、実際に複業人材から正社員採用につながった事例をいくつか紹介します。

トライアル採用で人材のミスマッチを防ぐ「シンプルフォーム株式会社」

国内全法人の情報をリアルタイムで提供し、法人確認プロセスを自動化するソリューション「SimpleCheck」を提供しているシンプルフォーム株式会社は、1〜3カ月ほど副業からアサインしてもらう「トライアル採用」を実施しています。

エンジニアの正社員9名のうち8名が副業からの採用だそうです。(2023年2月時点)

その目的は、マネージャーやハイクラスエンジニアをいきなり正社員採用することへのリスク管理、実際に働いた上で正社員採用するため、納得してもらった上で正社員になってもらうといった共通認識を持つことが挙げられます。

人材のミスマッチは「トライアル採用」で防ぐ!エンジニア組織こそ副業人材を活用するべき理由とは【対談記事】

10名以上のエンジニアを副業として採用「株式会社primeNumber」

株式会社primeNumberは、「日本発」の分析基盤向けデータ統合自動化サービス「trocco®(トロッコ)」を展開しています。この開発にあたり、Offersを活用して10名以上のエンジニアを副業採用し、1名のSREを正社員採用しています。(2023年1月時点)

副業期間中、頻繁にオンライン・オフラインでコミュニケーションを増やし、プロダクトに魅力を感じてもらった上での正社員採用とのことです。納得した上で長く働いてもらい、パフォーマンスを発揮してもらうためにも、実際に働いてもらうことはとても重要と言えるでしょう。

SREが副業から正社員へ!今後はOffersMGRで開発組織のパフォーマンスを改善していきたい。

副業採用を成功させるポイント

副業採用で適切な人材を採用し、パフォーマンスを発揮してもらうためのポイントを解説します。

採用目的を明確にする

副業の場合、正社員と比べて労働時間や条件に制限があることが多いです。そのため、正社員よりも、細かな作業や業務を任せることが多くなります。

採用目的を明確にすることで、求めるスキルセットやタスクがクリアになり、適切なマッチングと円滑な業務進行が期待できます。

まずは、「何のために採用するのか」「どんな業務をお願いするのか」など、採用目的を明確にすることから始めましょう。

働きやすい環境を整える

効率的な業務遂行のためには、副業人材が働きやすい環境を整備することが欠かせません。フルタイム出社でない場合には、リモートワーク用のツールの整備やコミュニケーションのルール確立、定期的なオンラインミーティングの実施などが必要となります。

タスク管理システムやプロジェクトマネージャーを導入することで、オンライン上でも業務の進行と進捗をしっかりと管理する体制を作りましょう。

副業人材と正社員では、必要とされる労働環境に違いがあります。その違いをはっきりさせ、副業が働きやすい環境作りを進めることが、副業エンジニアを上手く取り入れる上での重要なステップとなります。

見える化を進める

一般的に、正社員はマネジメントや運営などのコアな業務を担い、副業人材はそのサポートや下流工程を手掛ける働き方が多く見られます。このアプローチは基本的には問題ありません。正社員は企業に対して位置付けが近く、時間的な融通もききやすいため、重要な業務が適しています。

一方で、正社員と副業社員の間での情報格差は慎重に取り扱うべきです。特にエンジニアリングの業務では、情報のアクセスや共有が遅れたり、正社員の承認が必要で時間がかかることがあると、結果的にパフォーマンスの低下につながります。

副業社員も一定レベルの情報アクセスを可能にし、生産性の向上やスキルアップの促進を図りましょう。これにより、社員をフルタイムで引き上げる際もスムーズに進めることができます。

副業を認める文化で社内エンジニアのパフォーマンスが向上する

報酬やスキルアップを求めて副業するエンジニアが増えています。特に若い世代ほどその傾向は強いようです。エンジニアは人材不足が今後より深刻化すると言われており、正社員採用にこだわっていると、欲しいスキルを持ったエンジニアの採用はますます難しくなるかもしれません。

また、副業を禁止していることで自社のエンジニアが転職してしまう可能性も高まります。エンジニアの採用と流出防止のため、副業採用を始めてみてはいかがでしょうか。

また、すでに副業を行っている企業であっても、副業エンジニアを正社員採用するためのプロセスや、副業人材が働きやすい環境を整える座組を作り、自社エンジニアの全体的なレベルアップを図ってみてはいかがでしょうか。

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