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エンジニアの採用では、優秀な人材に応募してもらうために、メールの書き方も重要です。採用時のメールの基本マナーを解説するとともに、参考にできる文例もいくつか紹介します。基本的な構成を理解した上で、テンプレートに従って作成してみましょう。
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採用メールの書き方にルールはある?
(出典)https://unsplash.com/
採用メールの書き方に、必ず守らなければならないルールは基本的にありません。しかし当然ながらビジネスメールとしての基本マナーに従うのはもちろん、相手の立場や状況への配慮が求められます。以下の点は基本的な事柄として押さえておきましょう。
丁寧で分かりやすい文章にする
採用メールに限らず、他者に送信するメールは分かりやすい文面にしなければいけません。相手に伝わらなければ意味がないため、平易な文章にするのに加えて、丁寧な表現を心掛ける必要があります。
メールでは声や表情などから、相手の感情や人柄、状況などを判断することはできません。文章で相手からの印象がかなり変わってしまうので、応募者に好印象を持ってもらえるように、文章表現でも失礼のないように配慮しましょう。常識を欠いた表現や無礼な書き方で、自社の評判を落とさないように注意が必要です。
返信のタイミングにも配慮する
採用メールは応募者が心待ちにしているため、できるだけ早く送る必要があります。可能であれば24時間以内には送信するようにしましょう。迅速なメール対応を含め、応募者とのやり取りも、企業の印象を左右する重要な要素です。採用メールに限らず、素早いレスポンスを心掛けることが大事です。
特にエンジニアは人気の職種であり、転職希望者は複数の企業に応募しているケースが多いでしょう。そこで採用メールの送信が遅れてしまうと、他の企業との契約プロセスが進んでしまう可能性もあります。優秀な人材を確保するためにも、迅速な対応が求められます。
なお、近年は相手がすぐに採用の旨を確認できるため、SMSを利用したショートメッセージを活用する企業も増えています。ただし、送信できる文字数が限られているため、電子メールをうまく組み合わせて運用するとよいでしょう。
押さえておくべき採用メールの基本マナー
採用メールの作成や送信に関して、押さえておくべき基本的なマナーをまとめてみます。
- 平易で丁寧な文章にする
- 要件(採用の可否)を簡潔に伝える
- できるだけ早くメールを送信する
- 送信する時間帯やタイミングに配慮する(深夜や早朝の時間帯は避ける)
これらは人材採用の場面に限らず、ビジネス関連のメールならば、一般常識として必ず押さえておく必要があります。また、特別な理由がある場合や、応募者に対して謝罪が必要な場合などは、電話も利用してコミュニケーションを取るようにしましょう。メールだけで済ませると、相手からの印象が悪くなる可能性もあります。
なお、採用エージェントを利用している場合は、合否の結果を応募者だけでなく、エージェントにも報告しなければいけません。不採用の場合、応募者に対しては理由を伝える義務はありませんが、エージェントに対してはしっかりと理由を伝える必要があります。
採用メールの基本構成
(出典)https://www.pexels.com/
採用メールの基本的な構成を解説します。すでに採用メールを作成・送信した経験のある担当者も、基本に立ち返り、記載すべき項目と内容を確認しておきましょう。
一般的な本文の構成
一般的な採用メールの構成は、次の通りです。
- 件名:『選考結果のご連絡』など、一目で内容が分かる件名が必要
- 採用者の氏名:メールを送信する相手の氏名を冒頭に敬称で記載
- 企業名と担当者の所属・氏名:社名と採用担当者の氏名を記載
- 冒頭のあいさつ:応募に対する感謝を伝える
- 選考結果の報告:選考結果を端的に伝える
- 今後の手続きに関する説明:採用の場合は、今後の手続きを簡単に説明
さらにメールの締めには、問い合わせ先の記載と担当者の署名が必要です。それぞれの項目について、以下で詳しく解説していきます。
件名と宛名
採用メールに限らず、ビジネスシーンでメールを送付する際には、誰が確認しても一目で内容が分かる件名が求められます。採用メールの場合は、『選考結果のご連絡』などとするのが一般的です。『採用選考について』といった件名もありますが、選考の何についての連絡なのか曖昧なので、具体的に記載した方がよいでしょう。
また、本文の冒頭は『○○様』と応募者の名前をフルネームで記載します。一度に複数の相手に採用メールを送信する場合は、名前の記載ミスに十分注意しましょう。特に採用になった人と、不採用になった人を取り違えないように注意しなければいけません。
冒頭のあいさつ
メールの冒頭に相手の氏名を記載したら、『○○社の□□と申します。先日は採用面接にお越しいただき、ありがとうございました』といったように、メールの差出人の社名と担当者の氏名を明記します。
続けて、採用の面接や試験を受けてくれたことに対して感謝を示しましょう。定型文のみでは冷たい印象を与えてしまう可能性もあるので、自分の言葉でしっかりと感謝を伝えることも重要です。
選考結果と今後の手続き
選考結果は余計な前置きをせず、端的に伝えるようにします。採用の場合は結果報告に続けて、その後の手続きの説明に入りましょう。記載例は以下で紹介しますが、入社の手続きに必要な書類や、出社までのスケジュールなどを説明するのが一般的です。
さらに採用に至った応募者の不明点を解消するために、問い合わせ先や対応する担当者を記載することが大事です。伝えるべき内容をしっかりと記載したら、結びの言葉として入社に対する感謝を伝えましょう。
不採用の場合の構成は?
不採用の場合のメール構成も、基本的な体裁は採用メールと同じです。応募者の氏名を敬称で記載し、企業名・担当者の氏名と冒頭のあいさつを記載した後、選考結果を端的に伝えるようにします。ただし、不採用を告げる場合は、採用する以上に相手に気を使わなければいけません。
応募してくれたことに対する感謝をしっかりと伝え、相手の今後の活躍やキャリアアップに期待している旨を記載しましょう。ただし事務的な内容に感じられないように、注意しなければいけません。担当者の気持ちがしっかりと相手に伝わるように、独自の表現で伝える工夫が大事です。
採用メールの文例【テンプレート】
(出典)https://www.pexels.com/
それでは、採用相手に送信する文例を紹介します。あくまでもテンプレートなので、自分なりにアレンジして使えるようにしておきましょう。
新卒採用の場合のメール例①
件名:選考結果のご連絡【株式会社××】
○○様
株式会社××の□□と申します。先日は、当社の採用選考に応募いただきまして、誠にありがとうございました。
厳正なる選考の結果、○○様を採用させていただくことに決定しました。
つきましては、本日入社にあたって提出いただきたい資料を送付いたしました。ご確認の上、必要事項をご記入いただき、○月○日までに同封の封筒にてご返送くださいますよう、お願いいたします。
不明点がございましたら、当社人事部の□□宛に、お問い合わせください。○○様と働くことを、社員一同、楽しみにしております。
これからどうぞ、よろしくお願いいたします。
株式会社×× 人事部 □□
新卒採用の場合のメール例②
件名:採用選考結果のご連絡(株式会社××)
○○様
株式会社××の□□と申します。先日は、当社の採用面接にお越しいただき、誠にありがとうございました。当社代表の□□とも、有意義な対話ができたと聞いております。
さて、厳正なる選考の結果、○○様を採用させていただく運びとなりました。代表□□を含め社員一同、○○様とお仕事をすることを、大変楽しみにしております。
つきましては、採用関連の書類を本日郵送いたしましたので、必要事項をご記入の上、下記書類とともに○月○日までにご返送いただくよう、お願いいたします。
【採用関連書類】
- 内定承諾書
- 誓約書(※承諾書に含まれる場合もある)
【ご用意いただきたい書類】
- 卒業見込証明書
また、○月○日に内定者研修を予定しております。詳細に関しては近日中にメールにてご連絡いたします。採用に関してご質問や不明点などございましたら、当社人事部の□□までご連絡ください。
それでは、研修でお会いできる日を楽しみにしております。よろしくお願いいたします。
株式会社×× 人事部 □□
中途採用の場合のメール例①
件名:選考結果のご連絡【株式会社××】
○○様
お世話になっております。株式会社××の□□です。
先日は、当社の選考面接にお越しいただき、誠にありがとうございました。
選考の結果、○○様を当社の社員として、採用させていただくことに決定しました。社員一同、○○歳にエンジニアとして当社で活躍していただきたいと考えております。
つきましては、本日登録されているご住所宛に入社承諾書を郵送いたしました。必要事項をご記入の上、○月○日までにご返送いただきますよう、お願いいたします。
ご不明点や質問などございましたら、当社人事部の□□まで、お気軽にお問い合わせください。社員一同、○○様の入社を心待ちいたしております。
株式会社×× 人事部 □□
中途採用の場合のメール例②
件名:採用選考結果のご連絡(株式会社××)
○○様
お世話になっております。株式会社××の□□です。
先日は雨でお足元の悪い中、当社の採用面接にお越しいただき、誠にありがとうございました。私も代表の□□も、○○様ととても有意義な話ができたと感じております。
さて、厳正なる選考の結果、○○様を採用させていただくことに決定いたしました。代表含め当社人事部一同、ぜひ○○様に当社で活躍していただきたいと思っております。
私自身も、エンジニアとして経験豊富で、多くの実績をお持ちの○○様には、選考の初期段階から当社で働いていただきたいと感じておりました。
つきましては、入社承諾書を本日、ご登録いただいている住所に郵送させていただきました。必要事項をご記入いただき、○月○日までに返送いただきますよう、お願いいたします。
不明点やご質問などありましたら、人事部の□□宛にお気軽にご連絡ください。入社後の流れに関しては、近日中に別途メールにてご説明いたしますので、今しばらくお待ちくださいませ。
それでは、○○様にお会いできるのを社員一同、楽しみにしております。何卒よろしくお願いいたします。
株式会社×× 人事部 □□
不採用メールの文例【テンプレート】
(出典)https://www.pexels.com/
次に、不採用メールの文例を簡単に紹介します。上記のように、不採用の場合は相手の心情に寄り添った表現が求められます。機械的なメールに感じられないように注意しましょう。
書類選考の時点で不採用になった場合
件名:選考結果のご連絡【株式会社××】
○○様
株式会社××人事担当の□□と申します。先日は、当社の採用選考にご応募いただき、誠にありがとうございました。
ご提出いただきました書類をもとに選考いたしましたが、残念ながら今回は採用を見送らせていただくことになりました。誠に恐縮ですが、ご理解いただければと思います。
数ある企業の中で、当社を選んでご応募いただきましたこと、人事担当として誠にうれしく思っております。今回はご希望に添うことはできませんでしたが、○○様の今後のご活躍を期待いたしております。
今回のご応募、誠にありがとうございました。
株式会社×× 人事部 □□
面接の結果、不採用になった場合
件名:面接選考結果のご連絡(株式会社××)
○○様
株式会社××人事担当の□□と申します。先日は、当社の採用面接にお越しいただき、誠にありがとうございました。
お送りいただいた書類および、面接の内容をもとに厳正に審議いたしました結果、誠に残念ではありますが、今回は採用を見送らせていただくことになりました。ご期待にお応えできず恐縮ですが、何卒ご了承いただきますよう、お願いいたします。
面接担当は、○○様のエンジニアとしてのご経験やスキルはもちろん、○○にとても強い熱意が感じられたと話しておりました。今回は当社の希望する条件に合わない結果となりましたが、今後のご活躍を人事担当者一同、お祈り申し上げます。
選考にあたって貴重なお時間を割いていただき、誠にありがとうございました。
株式会社×× 人事部 □□
その他のメールテンプレート
(出典)https://unsplash.com/
続いて、書類選考後の面接日程の連絡メールや、採用辞退の連絡に対する返信メールの例を紹介します。必要事項に加えて、応募に対する感謝もしっかりと伝えるようにしましょう。
書類選考後の面接日程を決めるメール
件名:書類選考結果のご連絡【株式会社××】
○○様
株式会社××人事担当の□□と申します。この度は当社の求人にご応募いただき、誠にありがとうございます。
お送りいただいた書類を確認・検討した結果、ぜひ次の面接に進んでいただきたいと考えております。
つきましては以下の候補より、ご都合のよい日程を選んでいただければと思います。ご都合の合わない場合は、候補日程をお伝えください。
【面接候補日】
- ×月×日(×曜日):××:××〜××:××
- ×月×日(×曜日):××:××〜××:××
- ×月×日(×曜日):××:××〜××:××
以上、ご返信をお待ちいたしております。何卒よろしくお願いいたします。
株式会社×× 人事部 □□
採用辞退の連絡に対する返信メール
件名:選考のご辞退承諾の件【株式会社××】
○○様
お世話になっております。株式会社××人事担当の□□です。
選考辞退のご連絡、確かに承りました。当社としても誠に残念ではございますが、○○様の今後のご活躍をお祈りいたします。
お預かりしている応募書類に関しましては、こちらで責任を持って廃棄させていただきます。返却をご希望の場合は、その旨お申し付けくださいませ。
この度はご応募いただき、誠にありがとうございました。
株式会社×× 人事部 □□
メールを送る前にチェックしよう
(出典)https://www.pexels.com/
採用メールに限らず、送信する前には必ず以下のポイントをチェックしましょう。特に多くの相手に返信しなければならない場合、内容の記載ミスや送信ミスが発生する可能性が高まるので、十分注意しなければいけません。
誤字脱字や表現の適切さ
誤字脱字や文章表現の間違いを気にしない人も多くいますが、少しの間違いで悪い印象を持つ人もいるので、送信前に必ずチェックするようにしましょう。
多くの相手に送信しなければならない場合でも、面倒だと思わずに、一言一句確認することが大事です。普段メールを書き慣れている人ほど、誤字脱字が発生しやすいので注意が必要です。当然ながら、送信相手の名前や送り先を絶対に間違えてはいけません。
記載内容に間違いはないか
誤字脱字や文章表現に加えて、応募者の個人情報をはじめ、記載内容に間違いはないかも必ずチェックしましょう。面接の日程や場所、時間帯などを間違えて記載してしまい、応募者に迷惑をかけてしまうケースは決して珍しくありません。採用する相手に対して、不採用のメールを誤って送信してしまった人事担当者もいます。
記載内容の間違いは相手に迷惑をかけるだけでなく、自社の評判まで落としてしまう恐れがあります。可能であれば複数の担当者で、ダブルチェック・トリプルチェックをしてから、送信するようにしましょう。
採用メールでよくある疑問に回答
(出典)https://www.pexels.com/
最後に採用メールの作成・送信に関して、よくある疑問や質問に回答しておきます。メールの送付期限をはじめ、基本的なマナーはもちろん、できるだけ効率的にメール業務をこなす工夫も必要です。
採用メールの送付期限は?
採用メールの送付に関して、厳密に期限が定められているわけではありません。しかし、書類選考や面接日から3~7日以内には送付するのが一般的です。採用メールに限らず、結果が分かり次第、すぐに応募者に知らせることが大事です。
応募者側は、採用結果をできるだけ早く知りたいと思っているので、遅くても1週間以内には結果を知らせる必要があります。それ以上遅れてしまう場合は、結果が判明する日程について、応募者に別途知らせておくとよいでしょう。応募者の就職・転職活動の足かせにならないよう、配慮が求められます。
中途採用者にも採用メールの送付が必要?
一般的に、中途採用者も新卒採用の場合と同様、採用メールを送付します。ただし、企業によっては採用通知を出さずに、電話や面談でその後の手続きの説明や、必要書類の受け渡しをするケースもあります。そのあたりは企業によって異なるので、社内ルールに従うようにしましょう。
なお、副業従事者やフリーランスなどと業務委託契約を結ぶ場合は、面接の時点で合格を伝えて、そのまま契約を結ぶケースも珍しくありません。その場で労働条件などを確認し、採用に関する書類を別途、郵送するとよいでしょう。
メール業務を効率化するには?
大量の応募者がいる場合、人事担当者は採用メールを含めて、多くのメールを送付しなければいけません。立て続けにメール業務が続いた場合、送信ミスや記載ミスが発生する恐れがあるので、業務を少しでも効率化するために、ITツールを積極的に利用することが推奨されます。
システム上で配信するメールの一元管理ができるツールや、メールの工数を削減できる採用管理システムなども多いので、この機会に導入を検討してみましょう。月額数百円から気軽に利用できるクラウドサービスもあります。
まとめ
エンジニア採用におけるメールの書き方を解説しました。採用メールは、丁寧で分かりやすい表現を心掛けるとともに、返信のタイミングにも配慮が必要です。基本的な構成は決まっているので、テンプレートを参考にしながら、自社の環境に合わせて独自のメッセージを作成してみましょう。
送信前に誤字脱字や記載内容の間違いなどを必ずチェックし、応募者の気持ちに寄り添った表現を心掛けることも大事です。メールの内容は企業イメージにも直結するので、人事担当者は企業の代表という意識を持ちながら、細かい部分にも気を配るようにしましょう。
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