目次
人材採用におけるペルソナの設計は、ニーズに合った人材の採用に欠かせません。エンジニア採用でも有効なので、この機会にペルソナの設計方法を押さえておきましょう。具体的な設計手順に加えて、ペルソナを軸とした人材採用のポイントも簡単に解説します。
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エンジニア採用で必要なペルソナ設計とは
(出典)https://www.pexels.com/
ペルソナ設計とは自社の採用ニーズに合った人材を定義し、採用プロセスに生かす取り組みです。まずは、人材採用におけるペルソナとは何を指すか、基本的なところから解説します。
人材採用における「ペルソナ」の定義
ペルソナとは「仮面」の意味を持つマーケティング用語で、自社の商品・サービスを利用する理想的な顧客を指す概念ですが、人材採用の分野でもこの考え方が応用されています。
すなわち企業が採用したい人物像のことで、採用すべき人材の年齢や性別・経歴・スキルセット・ライフスタイルや仕事に対する価値観など、さまざまな要素を設定したものです。設定したペルソナをベースとして採用プロセスや手法を検討することで、自社が求める人材を採用しやすくなります。
「ターゲット」とは何が違う?
採用のペルソナと似た概念に「ターゲット」があります。採用ターゲットはペルソナよりも広い領域で、より大まかに採用すべき人材の範囲や層を定めたものです。例えば30代の男性で開発経験8年など、一定の範囲で採用すべき人材を設定します。
一方、採用のペルソナは上記のように、より具体的に人物像を設定するのが特徴です。ターゲット以上に細かく条件を設定することで、より採用ニーズにマッチした人材の採用につなげられます。
エンジニア採用でペルソナを設計するメリット
(出典)https://www.pexels.com/
エンジニア採用において、ペルソナを設計するメリットとしては、主に以下の点が挙げられます。必要な人材をスムーズに採用できるのに加えて、人事部内で採用すべき人材のイメージを共有しやすい点や、採用プロセスの最適化を図れる点などがあります。
必要な人材をスムーズに採用できる
ペルソナの設定により採用候補者の質が向上するので、自社が求める人材をスムーズに採用しやすくなります。ペルソナを基に採用手法を選択し、応募者を募る情報を発信すれば、ニーズに合った人材を採用プロセスに乗せやすくなるでしょう。
その結果、無駄な採用プロセスや人事担当者の業務が減り、時間とコストの削減が可能になります。採用のミスマッチによる早期離職も起こりづらくなるのがメリットです。
採用すべき人材の情報を共有しやすい
ペルソナを設定することで、人事部内で採用すべき人材の情報やイメージを共有しやすくなり、担当者による評価のぶれを回避できるのもメリットです。
人材採用では書類選考や面接を担当する人事担当者によって、重視する項目や要素が変わってしまう可能性があり、採用のミスマッチにつながるリスクがあります。そこで事前にペルソナを明確にしておき、採用すべき人材の要件を定義すれば、完全には難しいにせよ、公平・公正な採用が可能になるでしょう。
また、エンジニア採用のように、人事部門以外の協力が必要な職種に関しては、ペルソナを関係部門とも共有しておくことで、採用に関する意思疎通が図りやすくなります。ペルソナを設定する際にも、現場に協力してもらうとよいでしょう。
採用プロセスの最適化も可能に
転職者の視点から、自社が発信すべき情報や企業としてアピールすべき点などが分かるようになり、ペルソナをベースに採用手法や採用までのプロセスの設計などが最適化できます。求職者への訴求ポイントも明確になるので、応募者を募るために発信すべき情報や、発信手段なども明らかになるでしょう。
また、すでに採用戦略に基づいて施策を実行している場合には、ペルソナを軸に適宜戦略の調整や改善が可能になります。採用市場や自社の採用ニーズは変化するため、それに合わせてペルソナを調整すれば、変化に素早く対応できるため、採用市場でも競争優位を確立しやすくなるでしょう。
エンジニア採用におけるペルソナの設計手順
(出典)https://www.pexels.com/
エンジニア採用において進めるべきペルソナの設計手順を解説します。まずは自社の状況を整理・分析して、客観的に把握するところから始めましょう。
1.人材採用の観点から自社の状況を確認
人材採用の観点から、自社の抱える問題や課題を整理しましょう。本質的なところから採用ニーズを明らかにしなければ、たとえ優秀な人材を採用できても、後から別の問題として浮上する可能性があります。
例えば、現場では欠員を補充するために人材を採用したいと考えていても、そこで社員の離職が相次いでいる場合、たとえ人員を補充してもすぐに辞めてしまうでしょう。人材採用の前に職場環境の改善や、採用要件の見直しなどが必要になります。
採用する人材のペルソナを設計する前に、人材を必要としている現場と連携しながら、採用の目的や本質的なニーズを明確にしましょう。事業戦略との整合も考えなければいけません。
2.採用要件の洗い出し
自社の状況を整理して採用ニーズを明らかにしたら、採用すべき人材の具体的な要件を洗い出しましょう。エンジニアは主に担当するプロジェクトや立場などによって、求められる経験やスキルセットなどが変わってきます。
それに加えて、必要な資質や適性も異なるので、求める要件を紙などに書き出して、言語化する作業が必要です。特にエンジニアの場合は、現場の意見を聞く必要があるため、開発部門の管理者やプロジェクトリーダーなどに確認することが大事です。ペルソナの設計自体を現場に任せるのもよいでしょう。
エンジニアのペルソナ設計に必要な要件
エンジニアのペルソナ設計に必要な要件としては、次の要素が考えられます。
- 年齢
- 性別
- これまでの経歴
- スキルセット(対応できる言語など)
- ツールセット(利用できるソフトウエアやフレームワークなど)
- 基本的な性格
- 仕事での価値観
- 望んでいるキャリア
- ライフスタイル など
年齢や性別・経歴などはエンジニアに限らず、あらゆる職種のペルソナ設計で必須であり、基本的な性格や価値観なども細かく設定することが大事です。さらに、仕事に対する向き合い方やキャリア志向なども、ペルソナの解像度を上げるのに役立つでしょう。
またエンジニアの場合は、スキルセットやツールセットの詳細な設定も求められます。この辺りは特に人事部門では分からない点なので、現場の協力は必須です。
3.要件の絞り込みや優先順位付け
ペルソナの要件を洗い出したら、項目ごとに要件の絞り込みや優先順位付けをしていきましょう。全ての要件を兼ね備えた人材は現実的ではなく、ある程度の条件を満たした人材を採用する必要があります。優先すべき条件を明確にしておかなければ、複数の候補者が出た際に判断が難しくなるでしょう。
優先順位の付け方は企業によってさまざまですが、一般的にはMUST(必須)条件と、WANT(優遇)条件に分けて検討します。その結果、不要だと思われる条件については、この時点で切り捨てて考えることが大事です。MUST条件は最低限、必要な要素に絞り込み、増やしすぎないように注意しましょう。
4.整理した要件のペルソナ化
これまでに洗い出しと取捨選択、さらに優先順位付けをした要件をペルソナに落とし込みます。具体的な人物像として言語化するとともに、ペルソナシートを作成して人事部内で共有しましょう。詳しくは後述しますが、書類選考や面接の際にシートを確認できるようにすれば、人事担当者による評価のブレを防止できます。
なお、エンジニアのペルソナ設計の手順や具体例に関しては、以下の記事でも解説しているので、こちらも参考にしてみましょう。
エンジニアの採用における適切なペルソナ設計方法を解説。手順や注意点、採用成功のポイント | Offers HR Magazine
エンジニア採用でのペルソナ設計のコツ
(出典)https://www.pexels.com/
エンジニア採用においてペルソナ設計をする際には、以下のポイントも意識しましょう。現場からのヒアリングはもちろん、状況に応じたペルソナの調整も必要です。
事前調査とヒアリングを徹底する
ペルソナを設定する前に事前調査を徹底しましょう。エンジニア採用の場合は、必ず現場からのヒアリングと意見の擦り合わせが必要です。経営者を含むマネジメント層のニーズや意見も参考にしましょう。
丁寧なヒアリングは人事部門と開発現場との信頼関係の構築にも役立ちます。エンジニア側が自由に意見を言える場を提供し、技術的な面を中心に採用すべき人材の要件を確認しましょう。人事部門も長く採用活動に携わってきた知見を生かして、自社の本質的な採用ニーズを明らかにすることが大事です。
ペルソナの確認・共有用のシートを作成する
人事担当者が必要に応じて確認するための、ペルソナ共有シートも作成しておきましょう。シートを作成して情報を整理することで、確認すべき要件の抜けや漏れを防ぎ、修正やアップデートもしやすくなります。
人事部門のみならず、採用に関わる部門が必要に応じていつでもチェックできるように、システム管理することも重要です。ペルソナシートはインターネット上にフリーでダウンロードできるものも多いので、うまく活用するとよいでしょう。
必要に応じてペルソナを調整する
これまでの自社の採用状況や競合との比較なども鑑みて、適宜ペルソナを変更することも重要です。
採用市場の変化やプロジェクトの状況などによっても、求める人材が変わってくる可能性があります。IT技術は常に進化しているため、現場で新しいスキルを有する人材が必要になるケースもあるでしょう。定期的に人事部で話し合いながら、要件や優先順位の変更などの調整を図る必要があります。
ペルソナの設計時に注意すべきポイント
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ペルソナを設計する際には、以下の点にも注意を向ける必要があります。理想を追求しすぎずバランスの取れた要件設定をするとともに、設定したペルソナを活用できる体制の構築にも注力しましょう。
理想を追求しすぎない
理想的な人材の獲得を追求するあまり、ペルソナが非現実的な人物像になってしまったり、要件を細かく設定しすぎてしまったりする可能性があります。結果的にペルソナにマッチする求職者が、なかなか現れない事態になるケースがあるので注意しましょう。
あまりにも要件に合わない応募者しか出てこない場合は、一度ペルソナを見直し、MUST条件やWANT条件を調整する必要があります。優先順位の低い条件にこだわっていないか、人事部内で確認してみましょう。
ペルソナを活用できる体制の構築が必要
作成したペルソナについて人事部はもちろん、関係する部署と共有し、採用活動に落とし込んでおくことも重要です。採用活動全般がペルソナを軸にしていなければ、一貫した施策を打ち出すのが難しくなり、採用活動に無駄やムラが生じてしまいます。
後述する採用手法の選択をはじめ、求人票の内容やスカウト文面、SNSで発信する情報に至るまで、ペルソナにマッチする人材を採用するために、人事部として矛盾のない行動が求められます。必要に応じて採用プロセスも整備しましょう。
ペルソナにマッチする人材を採用するために
(出典)https://www.pexels.com/
ペルソナにマッチした人材を確実に採用するために、採用手法の選択も重要です。エンジニアにおすすめの手法を紹介するので、参考にしてみましょう。
ニーズに合った採用手法を選択する
エンジニア採用では、一般的な求人サイトや転職エージェントの利用も有効ですが、特に中途採用ではダイレクトリクルーティングがおすすめです。有名企業に比べて知名度の低い企業でも、アプローチ次第で優秀な人材を獲得できるチャンスは十分あります。
求人サイトのスカウト機能やSNSを積極的に活用し、ペルソナに近い人材にスカウトメッセージを送りましょう。他社に先駆けて声をかければ、そのまま採用プロセスに乗せられる可能性があります。また、社員による人材紹介や、複数の採用チャネルを組み合わせて運用することも重要です。
エンジニア採用に有効な採用手法に関しては、以下の記事でも解説しています。こちらも参考にしてください。
エンジニアの採用活動の流れとポイント。おすすめの採用手法も紹介 | Offers HR Magazine
ペルソナを設計してエンジニア採用を成功させる
(出典)https://www.pexels.com/
自社の採用ニーズに合った人材を定義しペルソナに落とし込むことで、一貫した採用活動が可能になり、必要な人材をスムーズに採用できます。人事部内はもちろん、関係部門とも情報を共有しやすくなり、状況の変化に応じて素早く要件の調整ができるのもペルソナ設計のメリットです。
また、ペルソナを検討する際には、現場の協力を得て技術面の要件を決める必要があります。優先順位を明確に設けることで、人事担当者による評価のぶれを防ぐとともに、採用体制を整備して優秀な人材の獲得を目指しましょう。