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人事考課は社員の実績や能力、スキルなどを評価することで、エンジニアの育成にも欠かせません。これからエンジニアを採用する企業向けに、人事考課の概要とポイント、エンジニアの人事考課制度の設計方法などを解説します。ぜひ参考にしてみましょう。
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そもそも人事考課とは?
(出典)https://www.pexels.com/
エンジニアだけではなく、あらゆる職種に必要な人事プロセスが人事考課です。結果が社員の報酬や昇進などの参考になるため、正確に実施しなければいけません。まずは、人事考課の概要をしっかり押さえておきましょう。
社員の実績や能力、スキルを評価する制度
人事考課は一定期間における社員の業績やパフォーマンスなどを評価することで、その後のキャリアや報酬を決める際の情報として利用するものです。評価対象となる社員の実績やスキル、組織やチームへの貢献度などを一定の基準で評価し、フィードバックを提供します。
企業としては適材適所の人材配置の実現に必要であり、社員側は今期の報酬に関する情報を得るとともに、自分のキャリア実現にどの程度近づいているのか、確認できるプロセスです。
適正な人事考課は社員の仕事へのモチベーションを高める効果もあるので、社員から納得感を得られる評価体制を構築する必要があります。
エンジニアの人事考課のポイント
(出典)https://www.pexels.com/
エンジニアの人事考課制度を構築するにあたっては、以下のポイントを意識することが重要です。基本的に数字を評価基準に用いるのに加えて、実績だけではなく組織やチームへの貢献度も評価しましょう。
実績や具体的な数値を基にする
経験やスキル、技術力などはエンジニアによって異なる点を前提としつつ、人事考課では実績や具体的な数値を基に評価する必要があります。エンジニアの場合は、プロジェクトの達成度合いやプロセスを定量評価したり、スキルの熟練度を評価したりするケースが多いでしょう。
評価のポイントが不明確なまま、人事考課をしている企業は少なくないので、まずは客観的な評価基準を設けて、公正・公平さを担保する必要があります。
目標の達成度やチームへの貢献も評価する
エンジニアは基本的にチームで開発業務に携わるので、個人目標と組織として達成した事柄などを総合的に評価することが大事です。エンジニアとしての成績に加えて、チームへの貢献度もしっかり評価しましょう。
特に、チームを率いる立場にあるエンジニアやプロジェクトリーダーなどは、チームづくりに関する仕事も重要な評価対象となります。
定性評価もできる限り取り入れる
チーム内でのコミュニケーションの様子やスキルの獲得・共有の状況など、定量評価や数値化が困難な点も、できる限り評価することが大事です。
もともとエンジニアの仕事は営業職などと異なり、定量評価が難しい仕事が多くありますが、基準が曖昧なまま評価すると、担当者によって人事考課の結果が公正さに欠けてしまう可能性があります。
事前に評価対象となる項目と評価基準を明確にしておき、対象となる社員に公開するのはもちろん、担当者によって評価にムラが生じない工夫をすることが大事です。エンジニアとしての知識や技術の向上、新しいツールへの適応なども評価しましょう。
現場の意見を参考にする
エンジニアの人事考課の基準を決める際には、人事部として現場のエンジニアの意見をよく聞き、取り入れる必要があります。どういった評価項目を設けるべきか、基準をどのように設定するかなどは、基本的にエンジニアでなければ分かりません。
人事部の担当者は技術面に明るくないケースが多いので、事前によくヒアリングした上で基準を設定し、評価対象となるエンジニアを含め、現場の意見を尊重する必要があります。
定期的に評価基準の見直しをする
人事考課において設定した評価基準は、恒久的なものではありません。定期的に評価基準を見直し、実態や時宜に見合っていないものは撤廃したり、新たに基準を設けたりなど、評価の精度を上げ続ける必要があります。
特にエンジニアの関わる仕事は、技術の進化やトレンドの移り変わりが早く、プロジェクトごとに注力すべきポイントや求められるスキルが変わってきます。最適な評価項目は毎年変わる可能性もあるので、人事考課の前に評価基準の妥当性を確認するようにしましょう。
エンジニアの人事考課制度の設計方法
(出典)https://www.pexels.com/
それでは、エンジニアの人事考課制度の設計方法を解説します。すでにエンジニアの人事考課を実施している企業も、もう一度制度の目的から振り返ってみましょう。
制度の目的や評価基準を明確にする
まずは制度の目的を明確にして、客観的な評価基準を設ける必要があります。基準を設定するとともに、給与体系や人材育成方針の見直し、組織全体の目標の確認などを進めましょう。
上記のように、評価基準は対象となるエンジニアに公開し、意見を募ることも大事です。新しく制度を導入する場合は、等級制度を確立する必要もあります。
具体的な評価項目を決める
次に設定した評価基準をベースとして、具体的に評価項目を決めていきましょう。プロジェクトの成果や貢献の度合い、個人目標の達成状況、知識や技術の習得、仕事への姿勢など、さまざまな項目が考えられます。
新人や若手と中堅のエンジニア、プロジェクトリーダーや管理者の立場のエンジニアとでは、当然ながら求められる役割が異なります。対象となる一人一人のエンジニアの立場や責任を考慮し、さまざまな観点からバランスよく項目を設定しましょう。
制度の運用・改善と定着化を図る
人事考課制度を設計したら、実際に運用して定期的に改善を図ります。公平性や透明性が担保されているか、管理者や人事担当者によって、評価にぶれが生じていないかなどを確認しましょう。運用と改善を繰り返すことで、定着を図ります。
また、人事考課は社員を評価する制度ですが、制度そのものの妥当性や運用方針などについては、社員側からのフィードバックが必要です。面談の際に意見や要望を聞いたり、アンケートなどで満足度を測ったりするのも有効です。人事考課を担当する社員の研修にも力を入れましょう。
エンジニアの人事考課における評価基準
(出典)https://www.pexels.com/
最後に、エンジニアの人事考課において、設定すべき評価基準の例を紹介します。あくまでも参考例なので、自社のエンジニアの人数や進めているプロジェクトの状況、今後の展望などを考慮した上で、独自の基準を設定しましょう。
代表的なエンジニアの人事評価基準
エンジニアの人事評価基準の例としては、次のものが挙げられます。
- 技術やノウハウ:エンジニアが業務で使用するシステム全般の知識や開発スキル、保守運用に関する技術、セキュリティー関連の知識など
- 問題解決力:問題や課題を正しく把握・分析し、適切な解決法を見いだす能力
- プロジェクトへの貢献度:開発プロジェクトを進める上で、どういった役割を果たし、どのような成果を挙げているか
- 協調性:他のエンジニアと協力し、業務を進めるためのコミュニケーション能力
- 自己目標とその達成度:エンジニア自身が設定した目標とその達成状況
- 学習意欲:新しい知識やスキルを積極的に身に付けているか
- リーダーシップ:プロジェクトリーダーや、プロジェクトマネージャーとしての管理能力
これらの基準は一例であり、企業の文化や組織目標に応じて調整しなければいけません。どういった基準を設定するにせよ、現場の意見を取り入れて妥当性の高いものにした上で、適宜見直しが必要です。
エンジニアの人事考課制度を導入する
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エンジニアの人事考課のポイントを解説しました。人事考課制度を構築する際には、まず制度の目的を明らかにした上で評価基準を決め、バランスの取れた評価項目を設定する必要があります。初めから完璧な制度を設計するのは困難なので、徐々に自社に合った形に最適化を図りましょう。
エンジニアの人事評価は他の職種と比べて難しい側面があるので、環境や時宜に合わないと感じた基準は削除・修正し、必要な項目を追加することが重要です。現場の意見を取り入れながら、制度の運用と改善を繰り返しましょう。
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