プロジェクトリーダーとは?仕事内容や育成・採用のポイントなどを解説

Offers HR Magazine編集部 2023年10月16日

Offers HR Magazine編集部

目次

プロジェクトリーダーには、チームを率いてプロジェクトを完遂させる役割があります。エンジニアの採用難が続く中、有能なリーダーを確保するには、どのように育成・採用を進めればよいのでしょうか?求められる役割や能力、育成・採用の留意点を解説します。

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プロジェクトリーダー(PL)とは?どんな役割?

(出典)https://www.pexels.com/

プロジェクトリーダーは、開発チームのまとめ役です。システムエンジニア(SE)の上位職として位置付けられており、プロジェクトのスケジュール管理からトラブルの対応までを幅広くこなします。プロジェクトリーダーに求められる役割を確認しましょう。

開発プロジェクトを統括する立場

ソフトウェアの開発やシステムの構築は、チーム単位で行うのが基本です。開発プロジェクトが円滑に進むように、各チームにはプロジェクトリーダーが配置されます。

プロジェクトリーダーの業務範囲は広いですが、主な仕事はチームの統括です。システムエンジニアの上位職であり、チームを率いてプロジェクトを完成させるという役割を持っています。

チームリーダーを配置する組織もありますが、プロジェクトリーダーとチームリーダーは呼び名が違うだけで、役割・仕事内容は変わりません。現場によっては、プロジェクトマネージャー(PM)がプロジェクトリーダーを兼任することもあります。

プロジェクトの計画と管理が主な役割

プロジェクトリーダーは開発チームを統括する現場責任者に当たりますが、具体的にはどのような役割を担っているのでしょうか?

プロジェクトはクライアントありきなので、相手の要求を把握し、成果物に適切に反映させなければなりません。無期限に続くプロジェクトはなく、品質(Quality)・コスト(Cost)・納期(Delivery)が設定されています。

プロジェクトリーダーには、計画通りにプロジェクトを完遂させる責任があります。プロジェクトのスケジューリングや進捗管理を行い、メンバーをまとめ上げるのが主な役割です。

  • 開発システムの品質管理
  • プロジェクトの進捗管理
  • メンバーの状況やモチベーションの管理
  • トラブルの対応

プロジェクトリーダーの仕事内容

(出典)https://www.pexels.com/

プロジェクトリーダーはシステム開発の統括者として、全ての開発プロセスに関わります。プロジェクトの現場指揮はもちろん、要件定義の把握からトラブルの対応、他チームとの調整役もこなします。仕事内容の詳細を確認しましょう。

プロジェクトの要件定義と設計

プロジェクトリーダーはチームメンバーを管理しながら、エンジニアとしてプロジェクトの要件定義と設計に携わります。

要件定義とは、開発工程の前段階で行う重要な作業です。クライアントの要望をヒアリングした上で開発者視点で要求をまとめ、具体的な業務フローを描いていきます。要件定義・基本設計・詳細設計は上流工程と呼ばれ、システムエンジニア(SE)が担う場合もあります。

プロジェクトの完遂には、綿密なスケジュール設定が欠かせません。納期に向けたスケジューリングや最適な人員配置をした上で、プロジェクトをスタートさせます。

プロジェクトの現場指揮

プロジェクト開始後は、現場の統括者としてメンバーを指揮します。プロジェクトには納期があるため、全体の進捗管理と各メンバーのタスク管理は、プロジェクトリーダーの最も重要な任務の一つとなります。

プロジェクトに遅れが生じているときは、遅延する原因を明らかにした上で、取り戻す方法を考えなければなりません。メンバーの進捗を確認しながら、スケジュールの修正や調整を行います。

チームの士気を高め、メンバーの成長を促すこともプロジェクトリーダーの仕事です。個々の適性や能力を見定めて最適な人員配置をしたり、指導・育成を行ったりして、チームをより良いものにしていく必要があります。

問題やトラブルへの対応・解決

プロジェクトでは、さまざまな問題が生じます。「システムの設計が急に変わる」「納期の変更が生じる」「システムに不具合が見つかる」などは、日常的に起こるトラブルの代表例です。

不測の事態が起こった場合、プロジェクトリーダーは問題の原因を迅速に解明し、解決方法を考案・実行しなければなりません。自分で対処できないときは、プロジェクトマネージャーに報告・相談し、最良の方法でトラブルを乗り切ります。

問題解決後は、メンバーに丁寧なフィードバックを行い、問題の再発防止に向けた対策を講じます。プロジェクトリーダーを担う人は、トラブルに動じない冷静さと問題解決スキルを備えている必要があるでしょう。

他の部署や部門、チームとの連携強化

プロジェクトマネージャーはプロジェクトに対して1名が基本ですが、プロジェクトリーダーはプロジェクトごとに複数名が配置されます。一つの大きなプロジェクトを完成させるには、自分のチームを管理するだけでなく、他チームや他の部署・部門との連携が不可欠です。

プロジェクトリーダーは、チームとチーム以外の関係者をつなぐパイプ役でもあります。チームの壁を越えて目標や進捗を共有したり、スケジュールの調整を図ったりして、プロジェクトが円滑に進むように立ち回ります。

テックリードやプロジェクトマネージャーとの違いは?

(出典)https://www.pexels.com/

プロジェクトリーダーと類似のポジションには、テックリード(TL)やプロジェクトマネージャーがあります。いずれも、チームを管理するマネジメント職ですが、求められる役割や業務範囲が異なります。それぞれの役割と違いを明確にしておきましょう。

PLとテックリードの違い

テックリード(リードエンジニア)は、開発組織のエンジニアを技術面でサポートするポジションです。チームを牽引する点ではプロジェクトリーダーと共通していますが、プロジェクトリーダーが全体のマネジメントと方向性を担うとすれば、テックリードは技術面のリーダーとして、品質担保に責任を負います。チームで成果を最大化するために、メンバーの技術的な課題を解決し、適切な指導・育成を行います。

PLとプロジェクトマネージャーとの違い

規模の小さなプロジェクトでは、プロジェクトマネージャーがプロジェクトリーダーを兼任するケースがありますが、一定規模のプロジェクトでは、それぞれの役割が明確化されます。

現場で指揮を執り、チームを率いるのがプロジェクトリーダーだとすれば、プロジェクトマネージャーはプロジェクト全体の統括者です。

プロジェクト開発の前段階では、クライアントと打ち合わせを行い、プロジェクトの方向性や予算を決定します。経営層や協賛社といったステークホルダーとの関係性を維持するのもプロジェクトマネージャーの重要な任務です。

プロジェクトリーダーの育成方法

(出典)https://www.pexels.com/

プロジェクトリーダーには、エンジニアリングのスキルや知識だけでなく、高いマネジメントスキルやリーダーシップが要求されます。自社のエンジニアをプロジェクトリーダーとして育成するには、どのような方法が有効なのでしょうか?

教育プログラムを作成・整備する

「プロジェクトリーダーのスキルは、実践の中で自然に身に付く」と考える人もいますが、優秀なリーダーを早く育成するには、会社側が教育プログラムを策定し、育成環境を整備する必要があります。

最適な育成方法は会社ごとに異なりますが、まずは経験豊富なリーダーやプロジェクトマネージャーからフィードバックを得られる機会を提供しましょう。メンタリングやコーチングを行いながら、段階的にリーダーの仕事を任せていくのが理想です。

育成はその場限りのものではないため、中長期的な育成計画を立てた上で、全社で取り組むことが肝要です。資格取得の支援や資格手当の制度を設ければ、対象者のモチベーションが維持できるでしょう。

リーダーシップに関する研修を実施する

会社側は、対象者にリーダーシップに関する研修を提供しましょう。リーダー育成は、実践と座学をセットで行うのが肝です。一般的な知識を座学で学んだ後、現場で学びを実践する流れにすれば、どちらか片方だけのケースよりも習熟度が高まります。

経験豊富なリーダーやプロジェクトマネージャーに研修の講師を任せる手もありますが、社内のリソースが足りないときは、以下のような方法が選択できます。

  • 外部講師を招く
  • セミナーに参加させる
  • オンラインの研修サービスを活用する

会社側がいくら研修を用意しても、対象者に学ぶ姿勢がなければ、知識・スキルはなかなか身に付きません。自主学習の重要性や方法を紹介し、自ら学ぶ力を養ってもらいましょう。自主学習の方法には、読書やオンラインコースへの参加などがあります。

優秀なプロジェクトリーダーを育成するポイント

(出典)https://www.pexels.com/

優秀なリーダーを育成するためには、入念な育成計画と整備された環境が欠かせません。人事部や現場の管理者だけで進めようとせず、全社的な人材育成を意識しましょう。リーダー育成を成功させるための三つのポイントを解説します。

入念な育成計画を立てる

リーダーの育成は、中長期的な育成計画に基づくのが基本です。育成を急いで、短期間に多くのことを詰め込みすぎると、ピアジェ効果(※)によって対象者の成長が止まってしまう可能性があります。

対象者の資質や人柄、キャリアビジョンなどを考慮した上で、段階的にリーダーシップ教育を施していきましょう。育成計画を立てる上で押さえておきたいポイントは以下の通りです。

  • リーダー像を明確にする
  • どのような資質・スキルが必要なのかを洗い出す
  • 経営ビジョンや事業戦略とひも付ける
  • 最終目標にたどり着くまでのマイルストーンを設定する

※無理に知性や能力を伸ばすように強要すると、どこかで成長が止まってしまうこと。

プロジェクトリーダーに求められるスキルや能力

育成計画の立案や対象者の選定を行うに際し、プロジェクトリーダーに求められるスキルを明確化しておく必要があります。プロジェクトの規模や内容によっても異なりますが、共通して求められるのは以下のようなスキルです。

  • リーダーシップ
  • 問題解決力
  • マネジメントスキル
  • コミュニケーションスキル
  • 柔軟性
  • エンジニアとしての技術力

技術的なスキルはもちろんですが、プロジェクトリーダーには、チームを率いるリーダーシップが欠かせません。「この人にならついていきたい」と思わせられる人間性も重要でしょう。

適宜フィードバックを受けられる環境を用意する

プロジェクトリーダーの育成に欠かせないのが、フィードバックを受けられる環境です。学びや実践を通じてスキルを身に付けても、第三者に評価される機会がなければ、対象者のモチベーションは上がりません。

対象者自身に目標を設定させ、定期的な1on1を通じて達成度を評価するやり方が効果的です。先輩やプロジェクトマネージャーからの定期的なフィードバックを受けることで、対象者は自分の成長が実感できる上、目標に向けて軌道修正ができます。

自分の得意分野と苦手分野が明確になれば、「〇〇を重点的に強化していこう」という自律性が引き出されるでしょう。

全社的にリーダー育成に取り組むようにする

人材の育成は、人事部や一部の部署のみで完結できるプロセスではありません。部署内だけで進めようとせずに、全社で取り組みましょう。

人事と現場の連携がうまくいかない場合、「人事が求める人材像」と「現場が求める人材像」との間にギャップが生じる可能性があります。経営層との意思疎通が滞れば、経営ビジョンや事業方針に合わない人材を育成してしまいかねません。

育成プログラムや新たな評価制度を導入するにしても、さまざまな部署の力が不可欠です。全ての社員に育成の必要性を理解させ、協力を仰ぐようにしましょう。

プロジェクトリーダー採用時の注意点

(出典)https://www.pexels.com/

プロジェクトリーダーを確保する方法には、「社内での育成」と「社外からの採用」の二つがあります。

外部から採用すれば、育成の手間やコストが省けますが、採用活動が必ずしもうまくいくとは限りません。自社が求める人材を1日でも早く確保するためには、何を意識したらよいのでしょうか?

優秀なPLやエンジニアの採用は難しい

プロジェクトリーダーの採用に関わる人事担当者は、エンジニア採用市場の最新動向を把握しておく必要があります。IT業界の慢性的な人手不足により、採用市場は売り手が圧倒的に優勢で、多くの企業が人材の争奪戦に動いているのが実情です。

経済産業省の「IT人材需給に関する調査」によると、2030年には最大で78.7万人のIT人材不足が生じるという試算が出ています。今後は、IT人材の不足がより深刻化するため、優秀な人材ともなれば採用は困難を極めるでしょう。

とりわけ、優秀なプロジェクトリーダーは価値が高く、採用市場に出る前にオファーやヘッドハンティングで自社に引き入れようとする企業が増えています。「優秀な人材は採用市場に現われない」を念頭に、採用手法やアプローチ法を考え直す必要があります。

出典:- IT 人材需給に関する調査 - 調査報告書

採用要件の明確化は必須

採用要件の明確化は最も重要なプロセスの一つです。採用難だからといって、適当な人材を採用してしまうと、採用のミスマッチで現場が混乱します。採用担当者によって評価にぶれが生じないように、評価基準の設定と擦り合わせは入念に行いましょう。

書類選考や採用面接では、リーダー経験やマネジメントスキル、コミュニケーションスキルなどを見定めなければなりません。経験やスキル面だけでなく、カルチャーフィットやチームメンバーとの相性も確認する必要があります。

ただし、理想を追求しすぎて採用要件を細かく設定しすぎると、採用市場に該当人材がいなくなる点に注意しましょう。採用要件の項目に優先条件を付けるのがポイントです。

現場のエンジニアやPLに協力してもらう

技術畑出身ではない人が採用を担当すると、知識不足や理解不足による採用のミスマッチが生じやすくなります。技術的な評価ができなかったり、自社に応募するメリットやキャリアパスをうまく説明できなかったりして、優秀な人材を逃しかねないでしょう。

自社が求める人材を採用できるかどうかは、採用担当者の腕にかかっているといっても過言ではありません。採用担当者が非エンジニアの場合、現場のプロジェクトリーダーやエンジニアを採用活動に参加させましょう。カルチャーフィットやチームメンバーとの相性をチェックする上でも、現場社員の協力は不可欠です。

プロジェクトリーダーの育成・採用を成功させる

(出典)https://www.pexels.com/

現場責任者であるプロジェクトリーダーは、開発組織に欠かせない存在です。エンジニアとしての技術スキルがあり、かつリーダーシップやマネジメントスキルに優れている人材は、多くの企業に目をか掛けられます。

プロジェクトリーダーの確保を検討している企業は、自社内での人材育成と採用活動を並行して行いましょう。育成・採用を成功させるためには、経営層・人事・現場がしっかりと連携し、全社を巻き込んだ取り組みを目指す必要があります。

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