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PDCAサイクルは業務やプロジェクトの継続的な改善に活用できるフレームワークとして、多くの分野で導入されていますが、これまで実践した経験のない人もいるでしょう。そこで、PDCAの概要から成功のポイントまで、基本的なところを解説します。
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PDCAサイクルとは?基本を理解しよう
(出典)https://www.pexels.com/
ビジネスパーソンならば、一度は『PDCAサイクル』について聞いたことがあるはずです。エンジニアの活躍しているIT分野に限らず、さまざまな分野で活用できるフレームワークとして知られています。まずは、PDCAとはどういうものか、基本的なところから理解していきましょう。
継続的な改善に役立つフレームワーク
PDCAサイクルとは『Plan-Do-Check-Action』のそれぞれの頭文字を取ったもので、組織やチームが取り組む業務やプロジェクトにおいて、継続的な改善をするためのフレームワークです。非常に汎用性が高く、大規模な組織から小規模な開発チーム、個人の業務に至るまで、あらゆる場面に応用可能です。
まずは、現状を分析した上で必要な計画を立て、実践と振り返りをした上で計画の改善につなげる方法であり、PDCAを繰り返すことで、徐々にアプローチが最適化されていきます。エンジニアの関わる業務でも、PDCAサイクルをベースに設計・開発業務を進めるケースがよく見られます。
「PDCA」各項目の詳細
『PDCA』の各項目は次の通りです。それぞれ何を意味しているか、正しく理解しておきましょう。
- Plan(計画):現状の問題点や課題を把握・分析した上で、解決のための計画を立てる。計画を立てる上では、まず目的を明確にして必要なリソースを計算・確保し、具体的なスケジュールを策定する。
- Do(実行):設定したスケジュールに従って、業務や行動を進める。できる限り計画に沿って実行する必要があるものの、ある程度は臨機応変に対応することも大事。
- Check(評価):計画の実行により得られた成果を評価する。実行段階で評価に必要なデータを収集しておき、計画の妥当性や目標の達成度などを分析する。
- Action(改善):評価を基に改善すべき点を整理し、次の計画に結び付ける。成功した点は継続する一方で、不十分だったところや修正すべき点、新たに追加すべき点などを検討する。
これらのサイクルを繰り返すことで、アプローチの精度が向上し、より高い目標を達成できるようになります。
組織やチームがPDCAを回すメリット
業務を進める上で、積極的にPDCAサイクルを回すようにすれば、伸ばすべき部分や改善すべき点が明らかになります。チームとして具体的に何をすればよいか理解しやすく、客観的なデータに基づいた改善施策を実行できるため、組織を効率的に成長させられるでしょう。
また、PDCAの流れを通じてチームメンバーや上司・部下との関係が強固になり、状況の変化にスムーズに対応できる組織の構築にも役立ちます。社員一人一人の業務生産性も向上するでしょう。
PDCAサイクルのデメリットや注意点
PDCAサイクルは今や業務運営の基本とされており、正しく運用している限りにおいて、特にデメリットはありません。しかしPDCAの実践に固執してしまうと、想定外の事態に対処できなくなる可能性はあります。
また、定期的に手順を見直さなければ、一連のプロセスが形骸化してしまい、想定した効果を得られない場合もあるので注意しましょう。
PDCAサイクルを回す際のポイント
(出典)https://www.pexels.com/
PDCAサイクルを回す際には、以下のポイントを意識することで成果が出やすくなります。やみくもに計画を立てるのではなく、まずは現状を正しく認識し、後から評価しやすい計画を立てることが大事です。
計画を立てる前に現状を正しく把握する
PDCAサイクルを回す前に、自社の置かれた状況を正しく把握しましょう。本質的な問題をあぶり出し、そこからPDCAサイクルにより、徐々に改善していく問題を明らかにする必要があります。
たとえPDCAサイクルをスムーズに回せる体制が整っていても、問題認識を誤っていると、的外れな施策を実行してしまうことになります。複数の問題や課題の解消を目指す場合には、優先順位を付けておきましょう。
明確かつ具体的な目標・計画を立てる
解決すべき問題を明らかにしたら、目標をできるだけ数値で設定し、後から評価・改善できるようにします。具体的かつ測定可能な目標を設定することで、進捗状況をモニタリングでき、状況の変化に応じて計画を微調整できるようになります。
ただし、チームとして上を目指すあまり、ほとんど実現不可能な無謀な目標を設定しないように注意しましょう。実現可能な目標を設定し、PDCAを回しながら徐々に段階を上げていくことが大事です。
定期的な振り返りと調整を行う
計画を実行したら、改善すべき点を明らかにします。基本的にPDCAの順で振り返りますが、サイクルを回す中で新たな情報が得られたり、調整の必要性を感じたりする場合もあるでしょう。その際には柔軟に計画を変更する姿勢も求められます。
想定外の事態が発生したケースも同様で、組織全体で臨機応変に対応しなければいけません。いずれの場合においても、後から必ず一連のプロセス全体を評価し、改善を重ねることが大事です。
エンジニアの業務におけるPDCAの例
(出典)https://www.pexels.com/
それでは、エンジニアの業務におけるPDCAサイクルの例を紹介します。自社の状況をイメージしながら、具体的にどの業務やプロジェクトで導入するか考えてみましょう。
ソフトウエア開発におけるPDCAサイクル
エンジニアの開発チームが、新たな機能をソフトウエアに実装する場合のPDCAサイクルの例です。
- Plan(計画): 新たに機能を追加する人材管理システムの要件を定義し、実装計画を立てる
- Do(実行):設定した要件をベースとしてシステムに必要な機能を洗い出し、計画に沿って実装を進める
- Check(評価):新機能を実装したシステムを顧客に提供し、フィードバックを得る
- Actiton(改善):顧客から得られたフィードバックと実行中に収集した情報を分析し、新機能で改善すべき点を洗い出し、新バージョンの計画を練る
プロジェクト単位やチーム単位など、PDCAを回す規模感は企業によって異なりますが、まずは全体の目的を明確にするところからスタートしなければいけません。
システム運用におけるPDCAサイクル
エンジニアのシステム運用でも、PDCAサイクルが役立ちます。例えば、システム障害の対応策についてPDCAを回す際には、以下のようなプロセスが考えられます。
- Plan(計画):発生したシステム障害の原因を分析し、同障害の対応計画を策定する
- Do(実行):策定した計画に基づいて障害発生時に素早く対応し、システムの正常化を図る
- Check(実行):システムを正常化したら、復旧に至るまでのプロセスや対応策の効果を測定・評価する
- Act(改善):評価を基に改善すべき点を洗い出し、障害対応のプロセスの見直しや、再発防止策を実施する
他にも、セキュリティーのアップデート計画やシステムのモニタリングなど、さまざまな業務に適用可能です。
PDCAサイクルがうまくいかない場合は?
(出典)https://www.pexels.com/
ここまで、PDCAサイクルの概要と実施にあたってのポイントを解説してきましたが、PDCAサイクルがうまく回らないケースも出てきます。その際には、以下の点を意識しましょう。
計画に時間と手間をかけすぎない
PDCAサイクルは計画と実行・評価・改善を繰り返すことで、徐々にプロセスを最適化させるアプローチです。そのため計画に過度な時間をかけるあまり、他のプロセスに悪影響を与えないように注意が必要です。実際、初期の計画の策定に時間をかけすぎて、なかなか実行に移れないケースは珍しくありません。
また、実行した結果を分析し、改善点を導き出すことは重要ですが、分析に集中しすぎるのも後のプロセスが遅延してしまう原因となります。PDCAサイクルがスムーズに回らない場合には、それぞれのプロセスに時間をかけすぎていないか考えてみましょう。
改善と再計画に注力する
計画・実行・評価・改善の各プロセスに時間をかけ過ぎるのも問題ですが、評価と改善が不十分のまま、形だけPDCAを回さないように注意が必要です。実際、ほとんど施策の評価と改善をしていないため、プロセス全体が形骸化している企業は少なくありません。
業務やプロジェクトの継続的な成長・改善のためには、確実に実行した施策の振り返りをして、改善すべき点を洗い出す必要があります。その上で、次の計画に反映させることが重要です。
PDCAサイクルでチームの生産性を改善する
(出典)https://www.pexels.com/
日常業務に利用できるフレームワークの中でも汎用性が高く、エンジニアの関わる業務を含め、ビジネスシーンのあらゆる面で活用できるのがPDCAサイクルです。ソフトウエアの開発やシステム運用など、特にチームで業務を進める際に役立ちます。
PDCAを回す際には、まず現状を正確に理解した上で、目的を持って計画を立てなければいけません。計画と実行だけ繰り返している企業も多いので、必ず評価と振り返りを行い、改善点を洗い出しましょう。うまくサイクルが回らない場合には、プロセス全体を見直すことも大切です。
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