エンジニア向けのオリエンテーションの進め方。伝えるべき内容やポイント

Offers HR Magazine編集部 2023年10月11日

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新人がスムーズに職場になじめるようにしたり、エンジニア同士の連携性を高めたりするには、オリエンテーションの実施が有効です。エンジニア向けのオリエンテーションのメリットや進め方、おすすめの手法などを解説するので、参考にしてみましょう。

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エンジニアのオリエンテーションとは?

(出典)https://www.pexels.com/

オリエンテーションとは、ビジネスシーンにおいて新人がスムーズに環境に適応し、パフォーマンスを発揮できるようにする施策やプロセスなどを指す言葉です。まずは、オリエンテーションの本来の意味や、エンジニア向けにオリエンテーションを実施する重要性から解説していきます。

オリエンテーションの意味

オリエンテーション(Orientation)はもともと、物事の方向性を決めるといった意味を持つ言葉です。さまざまな文脈で使われますが、人事分野では新入社員が職場環境にスムーズに適用できるように、必要な事柄を伝える場を指すのが一般的です。

新卒の場合、基本的なビジネスマナーや入社後に必要な基本的な知識を教えるなど、新人研修の位置付けでオリエンテーションを実施している企業が目立ちます。中途採用の場合も、オリエンテーションと新人研修を分けて実施している企業や、オリエンテーションの延長線で研修を実施するところもあります。

エンジニアのオリエンテーションの重要性

エンジニアの採用・育成においても、オリエンテーションは重要です。組織文化の理解やエンジニアとしての具体的な業務内容、チームワークの醸成のためなど、さまざまな目的でオリエンテーションを実施している企業が多くあります。

自社のエンジニアとしてどういった働きをしてもらいたいか、新人に伝える場としても機能するでしょう。特に、エンジニアは業務範囲が幅広いため、入社後に担当することになる業務や、参加するプロジェクトなどに関して、オリエンテーションの時点で詳しく説明することが大事です。

どういったプロジェクトに参加するのか、開発チームのメンバーや具体的な作業内容、プロセスなどについて情報を提供していれば、新人が迷うことなく仕事に入れるようになります。

オリエンテーションを開催するメリット

(出典)https://www.pexels.com/

企業が新人に対して、オリエンテーションを実施するメリットとしては、以下のように職場にスムーズに溶け込めるきっかけづくりになる点や、エンゲージメントの向上などが挙げられます。それぞれみていきましょう。

新人が職場にスムーズに職場に溶け込める

オリエンテーションを通じて自社のビジョンや価値観、事業の方向性、文化などを説明することで、新人がスムーズに職場環境になじめるようになります。

エンジニアを含め、あらゆる職種において、新人は大なり小なり新たな環境に不安を覚えているものです。そこで、オリエンテーションを通じて入社後のイメージを持たせることにより、早い段階で新人がパフォーマンスを発揮できるようになり、組織全体の生産性が向上します。

組織へのエンゲージメントが向上する

新人が組織で主体的に活動し、貢献しようとする意識を高められるのも、オリエンテーションを実施するメリットです。オリエンテーションを通じて、新人に自らの仕事に対して熱意を持ってもらい、日々モチベーション高く仕事をしてもらえれば、早期離職も防止できます。

とりわけエンジニアは貴重な職種であり、転職のハードルも低めであるため、優秀な人材に長く働いてもらうためにも、エンゲージメントの向上が欠かせません。オリエンテーションの実施はその一環といえるでしょう。

社員同士の結束力が高まる

オリエンテーションを通じて、一部の先輩社員との関係を構築できるのに加えて、新人同士の結束力を強められるのもメリットです。とりわけエンジニアの場合は、チームで仕事を進めることになるため、周囲との連携強化が必須であり、そのきっかけとしてオリエンテーションが効果的な役割を果たします。

本格的な業務に入る前に、新人のエンジニア同士でスムーズにコミュニケーションを取れるようにしておけば、協力的な雰囲気の下で各人が能力を発揮できるでしょう。心理的安全性の高い組織づくりにも寄与します。

新入社員のオリエンテーションでは何を伝える?

(出典)https://www.pexels.com/

それでは、新入社員のオリエンテーションでは、具体的に何を伝えればよいでしょうか?中途採用の場合と新卒採用の場合、それぞれのケースでみていきましょう。

中途採用のオリエンテーション

中途採用の場合、社会人に求められる基本的なビジネスマナーは身に付けているので、自社の基本情報や業務内容、新人に求める役割などを説明する必要があります。組織に素早く順応し、それまで培ってきた経験やスキルを存分に生かせるように、業務に必要な情報を積極的に提供することが大事です。

オリエンテーションの時間は限られており、あらゆる情報を伝えるのは不可能でしょう。そこで、本格的に業務がスタートした後、新人が不安な点や疑問点などを、気軽に相談できる環境の構築も必要です。

新卒採用のオリエンテーション

新卒の場合は、基本的なビジネスマナーをはじめ、業務に必要な基本的な知識や技能を伝える必要があります。社会人として必要なマインドセットをはじめ、情報の取り扱い方、業務を進める上で必要な基礎スキルや自己管理の重要性やノウハウなど、伝えるべき内容は多岐にわたります。

エンジニアを採用・育成する場合、ほとんどが中途採用となりますが、近年は新卒を含めた未経験者を採用し、エンジニアとして育成する企業も増えている状況です。未経験者を採用する場合は、上記内容を含めて、オリエンテーションで何を伝えるべきか、事前によく検討する必要があります。

エンジニアに有効なオリエンテーション手法

(出典)https://www.pexels.com/

エンジニアの採用・育成に有効なオリエンテーションの手法としては、以下のものが挙げられます。一般的な講義形式の研修に加えて、エンジニアの場合はグループワークやケーススタディ、OJTなどもオリエンテーションの一環として実施されます。

講義形式の新人研修

一般的な研修のように、講義形式で必要な事柄を伝える企業は多くあります。特に、新卒採用者のオリエンテーションの場合、基本的なビジネスマナーを含め、さまざまな事柄を教える必要があるため、講義形式にしているケースがほとんどです。

自社の会議室やオフィスの一部を利用してオリエンテーションを実施したり、大企業の場合は外部の施設を借りて研修をしたりするのが一般的です。ただし近年は、オンライン会議システムなどを活用して、リモートでオリエンテーションを実施する企業も増えてきました。

グループワークやケーススタディ

オリエンテーション内でグループワークを行ったり、ケーススタディを実施したりする企業もあります。グループワークは数名のグループで課題に取り組むもので、新人同士のコミュニケーションの活性化に役立ちます。企業研修のアイスブレイクなどでもよく導入されますが、オリエンテーションでも有効です。

また、ケーススタディは実際の事例を基に、どういった解決を図るのかシミュレーションするものです。すでに特定の技能を有している中途採用者の研修はもちろん、管理者研修などでも実施されるケースが多く、エンジニアのオリエンテーションでも取り入れている企業が多くあります。

OJTやOff-JT

OJT(On the Job Training)は実際の仕事を通じて必要な事柄を教える方法です。エンジニアの場合は、実際のプロジェクトにおけるタスクをこなしてもらうハンズオンワークショップや、社内の経験豊富なエンジニアとペアにして、新人にプログラミングを経験させるペアプログラミングなどがあります。

一方、Off-JTは外部から講師を招いたり、外部のセミナー・研修に参加させたりすることで、必要な事柄を身に付けてもらう方法です。自社に本格的な研修を実施するリソースがない場合などに有効で、一般的にオリエンテーションとは別に新人研修として実施されますが、オリエンテーションの一環として実施するケースも珍しくありません。

いずれの手法を採用するにせよ、自社の環境やリソース、採用する人材の性質などに合わせて、最適な選択をする必要があります。

オンボーディングの一環として位置付ける

(出典)https://www.pexels.com/

近年はオリエンテーションを、オンボーディングの一環と位置付ける企業も増えてきました。オンボーディングを通じて、新入社員は業務プロセスにスムーズに精通できるようになり、自らの役割や責任を理解しやすくなるのに加えて、より全体的な視点からオリエンテーションを捉えられるようになります。

オンボーディングとは?

人事分野におけるオンボーディング(On-Boarding)とは、新人が自社になじみ、能力を十分に発揮できるようにするための一連の施策を指します。オリエンテーションもその一環と捉えることが可能で、オンボーディングの戦略を構築し、他の施策をうまく組み合わせながらオリエンテーションを実施すると効果的です。

オンボーディングの例としては、新人のためのオリエンテーションはもちろん、一人一人に合わせたトレーニングプログラムの提供や1on1の実施、社内イベントの開催など、多くの施策が考えられます。

オンボーディングを実施するメリット

オンボーディングに注力することで、新入社員が組織文化や業務プロセスをスムーズに理解でき、仕事に必要なスキルを習得しやすくなり、早期に成果を出せるようになります。

また、組織への帰属意識が高まり、仕事へのモチベーションの向上が期待できるだけでなく、社員同士の連携が強化され、全体の業務効率化にも寄与するでしょう。オンボーディングによって新入社員だけではなく、管理者を含めた既存社員の連携も強化できます。

有効なオンボーディングのポイント

自社にとって有効なオンボーディングを実施するには、まず事前に入念な準備が必要となります。環境に合った制度設計はもちろん、プログラムやスケジュールの作成、担当者の決定など、さまざまな準備が求められます。

さらに、オンボーディングには部門・部署をまたいだ協力体制の構築が欠かせません。人事部門だけではなく、マネジメント層や新入社員を迎え入れる部門・部署の担当者など、事前にしっかりと話し合いをした上で、役割分担を明確にしておきましょう。

また、オンボーディングは数カ月や1年以上にわたる継続的なフォローも必須です。どういった形でフォローを続けていくか、長期的な視点からしっかり計画を立てておきましょう。

新人エンジニアのオリエンテーションを実施する

(出典)https://www.pexels.com/

エンジニアの採用・育成に有効なオリエンテーションの概要とメリット、実施方法などを解説しました。オリエンテーションは新入社員がスムーズに職場環境に適応し、自らの能力を十分に発揮してもらうために、必要な情報を伝える機会です。

特にエンジニアは業務に必要な知識やスキルが多いため、入社前に何を伝えるべきか、社内のエンジニアに意見を求めつつ、慎重に決めておく必要があります。オンボーディングの考え方も取り入れながら、長期的な視点から、人材を育成するプランを考えましょう。

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